JP2009257389A - 車両の蓄圧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要十分な蓄圧を、車両の燃費を悪化させることなく実行できる蓄圧装置を提供する。
【解決手段】走行用の駆動力を出力する動力源が出力する回生動力を含む動力を利用して油圧を発生するポンプと、蓄えた油圧が予め定められた下限圧力以上となるように前記ポンプで発生した油圧の一部を選択的に蓄えるアキュムレータとを備えた車両の蓄圧装置において、アキュムレータの油圧が下限圧力以上か否かを判断する圧力判断手段(ステップS2)と、アキュムレータの油圧が下限圧力以上であることが圧力判断手段で判断された場合に、動力源に対する出力要求量に対応させて予め定めた蓄圧開始圧力を求める蓄圧開始圧力判定手段(ステップS4)と、アキュムレータの油圧が蓄圧開始圧力以下の場合に動力源の動力でポンプが駆動されて発生している油圧を前記ュムレータに蓄える蓄圧指示手段(ステップS5)とを備えている。
【選択図】図4

Description

この発明は、走行のための動力を出力する動力源の動力を利用してポンプを駆動することにより油圧を発生させ、その油圧の少なくとも一部を蓄圧するように構成された車両の蓄圧装置に関するものである。
周知のように、車両はエンジンやモータなどの動力源が出力した動力を駆動輪に伝達する機構を備えており、そのいわゆるパワートレーンは、歯車やローラ、チェーン、摩擦板などの各種の伝動機構を備えているので、潤滑の必要があり、また変速機の制御などのために油圧を用いている。そのため、車両にはオイルポンプが搭載され、エンジンなどの動力源の動力でそのポンプを駆動し、あるいはモータでそのポンプを駆動するように構成されている。また、油圧ポンプを動力の伝達に積極的に関与させるように構成することにより、変速比を連続的に変化させ、これにより車両の燃費を向上させることも試みられている。
例えば特許文献1には、エンジンと変速段用ギヤ対との間に、動力分割機構として機能する遊星歯車機構とその遊星歯車機構に対して反力を与えるポンプモータとを介在させ、これら遊星歯車機構およびポンプモータを含む動力伝達系統を二系統設け、それらのポンプモータ同士を閉回路で連通させた変速装置が記載されている。また、特許文献2には、起動のために使用する油圧を、電動式油圧ポンプを動作させて補助アキュムレータに蓄圧するように構成された車両におけるエネルギ回収装置が記載されている。さらに、特許文献3には、車両に要求されている制動力に見合うように、高圧側アキュムレータと低圧側アキュムレータとの差圧に基づいてポンプモータの流量を制御するように構成された車両の回生装置が記載されている。
特開2007−64269号公報 実公平7−8925号公報 実公平6−8900号公報
特許文献1に記載されている変速装置は、エンジンから入力された動力の一部を油圧に変換し、これを他方のポンプモータに供給して該他方のポンプモータがモータとして機能し、その出力トルクを出力軸に伝達するように構成されている。したがって、各ポンプモータを動作させて動力伝達を行っている状態では、必ず油圧が発生しているが、動力源が出力する動力に余裕がある場合や出力軸側から入力されるトルクでポンプモータが駆動されているなどの場合には、必要以上に、あるいは不必要に油圧を発生させることになり、動力の損失が生じたり、それに伴って車両としての燃費が悪化するなどの可能性があった。
また、特許文献2に記載されているように、補助アキュムレータへの蓄圧のために、電動油圧ポンプを駆動して油圧を発生させるとすれば、アキュムレータや電動油圧ポンプの必要数が多くなって装置が大型化したり、また蓄圧のために特別に動力を消費することになるので燃費が悪化したりするなどの可能性があった。
さらに、特許文献3に記載されているように、要求されている制動力に応じてポンプモータの流量を制御すれば、そのポンプモータを車両の有する走行慣性エネルギで駆動することにより、ポンプモータを駆動することによる反力が制動要求に適した制動力となる。しかしながら、このような構成では、制動時に蓄圧を行うことになるので、蓄圧のタイミングが制限され、その結果、蓄えている油圧が不足する可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、車両の燃費を悪化させたり二酸化炭素の発生量を増大させることなく必要とする圧力を安定して蓄えておくことのできる車両の蓄圧装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、走行用の駆動力を出力する回生動力を含む動力源が出力する動力を利用して油圧を発生するポンプと、蓄えた油圧が予め定められた下限圧力以上となるように前記ポンプで発生した油圧の一部を選択的に蓄えるアキュムレータとを備えた車両の蓄圧装置において、前記アキュムレータの油圧が前記下限圧力以上か否かを判断する圧力判断手段と、前記アキュムレータの油圧が前記下限圧力以上であることが前記圧力判断手段で判断された場合に、前記動力源に対する出力要求量に対応させて予め定めた蓄圧開始圧力を求める蓄圧開始圧力判定手段と、前記アキュムレータの油圧が前記蓄圧開始圧力以下の場合に前記動力源の動力で前記ポンプが駆動されて発生している油圧の少なくとも一部を前記アキュムレータに蓄える蓄圧指示手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記アキュムレータの油圧が前記下限圧力より低圧の場合に、前記動力源の動力で前記ポンプを駆動して該ポンプが発生する油圧の少なくとも一部を前記アキュムレータに蓄える緊急蓄圧指示手段を更に備えていることを特徴とする車両の蓄圧装置である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記緊急蓄圧指示手段は、前記アキュムレータの油圧が前記下限圧力に達するまで蓄圧を継続させる手段を含むことを特徴とする車両の蓄圧装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記動力源からトルクが伝達されて動作することにより油圧を発生する第1ポンプモータと、該第1ポンプモータが出力した油圧が供給されてモータとして動作する第2ポンプモータと、これら第1ポンプモータと第2ポンプモータとの間で油圧を流通させる油圧回路とを備え、前記ポンプはその油圧回路に圧油を供給するチャージポンプを含み、前記アキュムレータは前記油圧回路に選択的に連通されていることを特徴とする車両の蓄圧装置である。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記ポンプは、前記動力源によって駆動される発電機が出力した電力で動作させられる電動ポンプを含むことを特徴とする車両の蓄圧装置である。
請求項6の発明は、請求項4または5の発明において、前記蓄圧指示手段は、前記アキュムレータへの蓄圧中における前記油圧回路の圧力が前記油圧回路に許容される予め定めた上限圧力を超える場合には、予め定めた前記アキュムレータの上限圧力より低い圧力を目標圧力とし、かつ前記アキュムレータへの蓄圧中における前記油圧回路の圧力が前記油圧回路に許容される予め定めた上限圧力を超えない場合には、前記アキュムレータの上限圧力を目標圧力として前記ポンプを駆動する手段を含むことを特徴とする車両の蓄圧装置である。
請求項1の発明によれば、アキュムレータの油圧がその用途などに応じて予め定めた下限圧力以上であっても、蓄圧開始圧力以下であれば、ポンプが駆動されて蓄圧が行われる。その蓄圧開始圧力は、走行のための動力源に要求される出力量に対応させて予め定められた圧力であり、例えば出力要求量が相対的に小さい場合には、高い圧力に設定した圧力である。言い換えれば、動力源に出力の余裕がある場合あるいは減速時には、高い圧力で蓄圧を開始するように設定した圧力である。したがって、動力源の出力を増大させずに、また燃費を特には悪化させずに十分に蓄圧を行うことができ、ひいては車両の走行に伴って排出される二酸化炭素量を少なくすることができる。
請求項2の発明によれば、蓄圧のためにポンプを駆動するように動力源を動作させるのは、アキュムレータの油圧が下限圧力を下回った場合に限られるから、蓄圧のために動力源を動作させる機会が少なく、蓄圧のために燃費が悪化するなどの事態を防止もしくは抑制することができる。
請求項3の発明によれば、アキュムレータの油圧が下限圧力を下回って実行される蓄圧は、下限圧力に達するまでの間に限られ、それ以外は、前述したいわゆる余裕動力で蓄圧を行うので、蓄圧のために燃費が悪化するなどの事態を防止もしくは抑制することができる。
請求項4の発明によれば、第1ポンプモータと第2ポンプモータとを連通させて制御する油圧回路に対して圧油を供給するためのチャージポンプを使用して蓄圧を行うことができる。したがって、既存の機器を使用できるので、上述した燃費の悪化の防止に加えて、装置の大型化を回避もしくは抑制することができる。
請求項5の発明によれば、動力源が出力した動力で発電し、その電力を利用して蓄圧を行うので、電気的な制御が可能であるから、制御が容易になる。
請求項6の発明によれば、油圧回路に許容される上限圧力以下の圧力で蓄圧を行うことになるので、上述した燃費の悪化の防止に加えて、油圧回路やこれに関連する機器の耐久性を確保することができる。
つぎにこの発明を更に具体的に説明する。図1はこの発明に係る蓄圧装置の基本的な構成の一例を示すブロック図であって、車両用の変速機100に供給する油圧、もしくは変速機100で発生する油圧を蓄圧するように構成した例を示している。その変速機100は、歯車やローラを複数対使用した有段変速機、油圧ポンプで発生させた圧油を油圧モータに供給してその油圧モータからトルクを出力させるハイドロスタティックトランスミッション、そのハイドロスタティックトランスミッションと歯車変速機構とを組み合わせたハイドロメカニカルトランスミッション、ベルト式もしくはトロイダル型の無段変速機など従来車両で採用されている変速機である。その変速機100の入力側に動力源101が接続されている。また、変速機100の出力軸102は終減速機などを介して駆動輪(それぞれ図示せず)に連結されている。
この動力源101と変速機100とは直接連結されていてもよいが、摩擦式の発進クラッチやトルクコンバータなどの伝動装置(それぞれ図示せず)を介して連結した構成であってもよい。また、動力源101は従来の車両に搭載されている動力源と同様のものであってよく、ガソリンエンジンなどの内燃機関、電気モータ、内燃機関と電気モータとを組み合わせたハイブリッド型の動力装置などがその例である。
その動力源101が出力する動力によって駆動される油圧ポンプ(P)103が変速機100に付設されている。この油圧ポンプ103は、変速機100での変速比を制御するための制御油圧、あるいはクラッチなどの機構を動作させる駆動油圧、油圧回路における圧油の不足を補うチャージ圧(もしくはブースト圧)などを発生させるためのものであり、前述したハイドロスタティックトランスミッションやハイドロメカニカルトランスミッションにあっては前述した油圧ポンプあるいは油圧モータを転用してもよい。
油圧ポンプ103と動力源101とは直接連結されていてもよいが、動力源101から油圧ポンプ103に対する動力の伝達を制御するコントローラ104を設けることができる。このコントローラ104は、動力源101と油圧ポンプ103とを選択的に連結するためのものであって、電気的に制御できるクラッチを主体として構成とすることができる。また、油圧ポンプ103がモータを備えた電動油圧ポンプによって構成されている場合には、コントローラ104はそのモータを制御する制御回路を主体として構成とすることができる。
上記の油圧ポンプ103には、油圧を蓄えるアキュムレータ105が、切替弁機構106を介して接続されている。このアキュムレータ105は、変速機100の制御のための油圧、あるいは駆動力の補助のための油圧、潤滑のための油圧などを貯留するように構成されており、したがってその用途もしくは目的に応じて蓄圧の下限圧力が設定されている。また、機構上の制限で上限圧力が予め設定されている。さらに、図示しない配管路によって、蓄圧目的に応じた箇所に連通されている。
一方、切替弁機構106は、油圧ポンプ103で発生させた油圧をアキュムレータ105に選択的に導くためのものであり、電磁切替弁やこれと逆止弁とを組み合わせた機構などによって構成されている。
そして、前記油圧ポンプ103やコントローラ104あるいは切替弁機構106を制御するための電子制御装置(ECU)107が設けられている。この電子制御装置107はマイクロコンピュータを主体として構成され、アクセル開度やスロットル開度、燃料噴射量、動力源101がガソリンエンジンである場合には負荷率などの出力要求量、および前記アキュムレータ105の圧力、油圧ポンプ103が接続されている油圧回路の圧力などの入力データと予め記憶しているデータとを利用して演算を行い、その演算結果を指令信号として前記コントローラ104や油圧ポンプ103あるいは切替弁機構106に出力するように構成されている。
その蓄圧のための制御の一例を説明すると、アキュムレータ105の圧力がその下限圧力と上限圧力との間にある場合と、アキュムレータ105の圧力が下限圧力を下回った場合とで異なる蓄圧制御が実行される。検出されたアキュムレータ105の圧力が下限圧力と上限圧力との間にある場合は、いわゆる通常蓄圧制御が実行される。具体的には、前記出力要求量に応じた蓄圧開始圧力が求められる。その出力要求量と蓄圧開始圧力との関係は、実験やシミュレーションなどによって予め定めておくことができ、例えばコースト状態を含めて出力要求量が小さいほど、蓄圧開始圧力が高圧に設定される。その蓄圧開始圧力と検出されたアキュムレータ105の圧力とが比較され、アキュムレータ105の圧力が蓄圧開始圧力以下の場合、油圧ポンプ103が動力源101の出力する動力の一部を使用して駆動され、また切替弁機構106がアキュムレータ105を油圧ポンプ103に連通させるように動作させられる。
そして、前記油圧回路に許容される上限圧力以下の蓄圧目標値が設定され、油圧ポンプ103の吐出圧がその蓄圧目標値となるように油圧ポンプ103が制御される。その結果、油圧ポンプ103で発生した油圧がアキュムレータ105に供給され、前記蓄圧目標値までアキュムレータ105に蓄圧される。
このようないわゆる通常蓄圧制御が実行されることにより、アキュムレータ105に常時、十分な油圧を蓄えておくことができる。また、その場合、油圧ポンプ103を駆動する動力を出力する動力源101に対する出力要求量が小さく、動力源101の出力にいわゆる余裕のある動作状態であるから、油圧ポンプ103を駆動するとしても効率の良い運転が可能であり、したがって燃費を悪化させることなく蓄圧を行うことができる。特にコースト状態では、車両の有する慣性エネルギを利用して蓄圧を行うことができるので、その蓄えた油圧を車両に使用することにより、燃費を向上させ、また走行に伴う二酸化炭素の発生量を低減できる。
一方、検出されたアキュムレータ105の圧力が下限圧力を下回っている場合には、いわゆる緊急蓄圧制御が実行され、直ちに油圧ポンプ103が動力源101の動力を使用して駆動され、アキュムレータ105への蓄圧が行われる。その場合の蓄圧は、アキュムレータ105の下限圧力を目標値として行われ、アキュムレータ105の圧力が下限圧力に達することにより蓄圧が終了する。したがって、この緊急蓄圧制御では、蓄圧のために動力源101を駆動することになるが、その実行頻度が低く、また圧力が低いので、燃費を特には悪化させることなく蓄圧を行うことができる。
つぎにこの発明をより具体化した例を説明する。先ず、この発明で対象とする車両に搭載される変速機の一例について説明すると、その変速機は、少なくとも二つの動力伝達経路を備え、それら両方の動力伝達経路を介して動力源から出力部材にトルクを伝達できるように構成されており、その結果、動力源と出力部材との回転数の比である変速比を連続的に変化させることのできる変速機である。
上記の各動力伝達経路は、ポンプおよびモータのそれぞれとして機能する可変容量型ポンプモータを備えており、それらの可変容量型ポンプモータの押出容積に応じたトルクを伝達するように構成され、さらにそれぞれの可変容量型ポンプモータが圧力流体(具体的には油圧)を相互に授受できるように連通されている。したがって、一方の可変容量型ポンプモータがポンプとして機能することにより、その押出容積に応じたトルクが動力源から出力部材に伝達され、同時に、一方の可変容量型ポンプモータから他方の可変容量型ポンプモータに圧力流体が供給されて他方の可変容量型ポンプモータがモータとして機能する。すなわち、圧力流体を介した動力伝達が、並行して行われる。そのトルクが他方の動力伝達経路を介して出力部材に伝達される。したがって、出力部材に伝達されるトルクは、各動力伝達経路を介して伝達されるトルクの合計になり、しかも圧力流体を介して伝達されるトルクは、各押出容積に応じて変化するので、結局は、変速比が連続的に変化することになる。
それぞれ変速比の異なるギヤ対や巻き掛け伝動機構などの伝動機構を、各動力伝達経路に設けることができる。一方の動力伝達経路のみを介して出力部材にトルクを伝達する場合には、変速機の全体としての変速比は、その動力伝達経路における伝動機構の変速比で決まる。このような変速比を仮に固定変速比(もしくは固定変速段)と称すると、固定変速比を設定している状態では、圧力流体を介した動力の伝達が生じないので、動力の損失が生じにくく、動力伝達効率が良好になる。なお、いずれかの伝動機構のみをトルク伝達に関与させるようにするために、クラッチ機構などの切替機構を各伝動機構に含ませることが好ましく、あるいは動力源もしくは出力部材と伝動機構との間に切替機構を設けることが好ましい。
図2に示す変速機は、圧力流体を介して動力を伝達するように構成されているので、上述したように機械的な動力伝達によって変速比を設定する機能を兼ね備えたハイドロメカニカル・トランスミッション(HMT)として構成されたものであることが好ましい。そのメカニカルトランスミッションの部分は、必要に応じて適宜の構成とすることができ、常時噛み合っているギヤ対を、クラッチ機構もしくは同期連結機構によって選択する構成の機構や、複数の遊星歯車機構もしくは複合遊星歯車機構によって複数の変速比を設定できる構成などを採用することができる。また、可変容量型ポンプモータは、動力源と出力部材との間に直列に介在させる構成以外に、反力手段として可変容量型ポンプモータを用いる構成とすることもできる。
図2にこの発明で対象とする車両に搭載される変速機の一例が記載されている。これは、流体を介さずにトルクを伝達して設定できるいわゆる固定変速比(固定段)として四つの前進段および一つの後進段を設定するように構成した例である。すなわち、動力源(E/G)1に入力部材2が連結されており、この入力部材2から差動機構にトルクを伝達するように構成されている。その差動機構としては従来知られている各種の構成のものを採用することができ、図2に示す例では、第1遊星歯車機構3(すなわち第1動力分割機構)、および第2遊星歯車機構4(すなわち第2動力分割機構)が採用されている。
動力源1は、内燃機関や電気モータあるいはこれらを組み合わせた構成など、車両に使用されている一般的な動力源であってよい。以下の説明では、動力源1として、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいはLPGエンジンなどのエンジン1を使用した例を説明する。また、このエンジン1と入力部材2との間にダンパーやクラッチ、トルクコンバータなどの適宜の伝動手段を介在させてもよい。
第1遊星歯車機構3が入力部材2と同一軸線上に配置され、第2遊星歯車機構4が第1遊星歯車機構3の半径方向で外側に離隔し、それぞれの中心軸線を平行にした状態で並列に配置されている。これらの各遊星歯車機構3,4としては、シングルピニオン型やダブルピニオン型などの適宜の形式の遊星歯車機構を採用することができる。図2に示す例はシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成した例であり、外歯歯車であるサンギヤ3S,4Sと、そのサンギヤ3S,4Sと同心円状に配置された、内歯歯車であるリングギヤ3R,4Rと、これらサンギヤ3S,4Sとリングギヤ3R,4Rとに噛み合っているピニオンギヤを自転自在かつ公転自在に保持したキャリア3C,4Cとを備えている。そして、第1遊星歯車機構3におけるリングギヤ3Rに前記の入力部材2が連結され、このリングギヤ3Rが入力要素となっている。
また、入力部材2にはカウンタドライブギヤ5が取り付けられており、このカウンタドライブギヤ5にアイドルギヤ6が噛み合っているとともに、そのアイドルギヤ6にカウンタドリブンギヤ7が噛み合っている。このカウンタドリブンギヤ7は、第2遊星歯車機構4と同一軸線上に配置され、かつ第2遊星歯車機構4のリングギヤ4Rに、一体となって回転するように連結されている。したがって、第2遊星歯車機構4においては、そのリングギヤ4Rが入力要素となっている。各遊星歯車機構3,4の入力要素であるリングギヤ3R,4Rは、カウンタギヤ対がアイドルギヤ6を備えた構成であるから、同方向に回転するようになっている。
第1遊星歯車機構3におけるキャリア3Cは出力要素となっており、そのキャリア3Cに、第1中間軸8が一体になって回転するように連結されている。この第1中間軸8は中空軸であって、その内部をモータ軸9が回転自在に挿入されており、このモータ軸9の一端部が、第1遊星歯車機構3における反力要素であるサンギヤ3Sに、一体となって回転するように連結されている。
第2遊星歯車機構4も同様な構成であって、そのキャリア4Cが出力要素となっており、そのキャリア4Cに、第2中間軸10が一体になって回転するように連結されている。この第2中間軸10は中空軸であって、その内部をモータ軸11が回転自在に挿入されており、このモータ軸11の一端部が、第2遊星歯車機構4における反力要素であるサンギヤ4Sに、一体となって回転するように連結されている。
上記のモータ軸9の他方の端部が、可変容量型ポンプモータ12の出力軸(ロータ軸)に連結されている。この可変容量型ポンプモータ12は、斜軸ポンプや斜板ポンプあるいはラジアルピストンポンプなどの吐出容量(押出容積)を変更可能な油圧ポンプがその一例であって、その出力軸にトルクを与えて回転させることによりポンプとして機能して圧力流体(圧油)を吐出し、また吐出口もしくは吸入口から圧力流体を供給することにより、モータとして機能するようになっている。なお、この可変容量型ポンプモータ12を以下の説明では、第1ポンプモータ12と記し、図にはPM1と表示する。
また、モータ軸11の他方の端部が、可変容量型ポンプモータ13の出力軸(ロータ軸)に連結されている。この可変容量型ポンプモータ13は、第1ポンプモータと同様に、斜軸ポンプや斜板ポンプあるいはラジアルピストンポンプなどの吐出容量(押出容積)を変更可能な油圧ポンプがその一例であって、その出力軸にトルクを与えて回転させることによりポンプとして機能して圧力流体(圧油)を吐出し、また吐出口もしくは吸入口から圧力流体を供給することにより、モータとして機能するようになっている。なお、この可変容量型ポンプモータ13を以下の説明では、第2ポンプモータ13と記し、図にはPM2と表示する。
各ポンプモータ12,13は、圧油を相互に受け渡すことができるように、油路14,15によって連通されている。すなわち、それぞれの吸入口12S,13S同士が、油路14によって連通され、また吐出口12D,13D同士が、油路15によって連通されている。したがって各油路14,15によって閉回路CCが形成されている。なお、各ポンプモータ12,13における吸入口12S,13Sは、各ポンプモータ12,13がエンジン1と同方向に正回転する際にオイルを吸入するポートであり、また吐出口12D,13Dは正回転時にオイルを吐出するポートである。この閉回路CCでの油圧制御のための機構については後述する。
上記の各中間軸8,10と平行に、出力部材に相当する出力軸16が配置されている。そして、この出力軸16と各中間軸8,10との間のそれぞれに、所定の変速比を設定する伝動機構が設けられている。その伝動機構としては、固定された変速比で動力を伝達する機構に限らず、変速比が可変な機構を採用することができ、図2に示す例では、固定された変速比で動力を伝達する複数のギヤ対17,18,19,20が採用されている。
具体的に説明すると、第1中間軸8には、第1遊星歯車機構3側から順に、第1伝動機構に相当する第4速ギヤ対17および第2速ギヤ対18における第4速駆動ギヤ17Aと第2速駆動ギヤ18Aとが配置されており、第4速駆動ギヤ17Aと第2速駆動ギヤ18Aとは第1中間軸8に対して回転自在に嵌合している。その第4速駆動ギヤ17Aに噛み合っている第4速従動ギヤ17Bと、第2速駆動ギヤ18Aに噛み合っている第2速従動ギヤ18Bとが、出力軸16に一体回転するように取り付けられている。
さらに、第2伝動機構に相当する第3速ギヤ対19および第1速ギヤ対20における第3速駆動ギヤ19Aと第1速駆動ギヤ20Aとが、それぞれ、上記の第4速従動ギヤ17Bおよび第2速従動ギヤ18Bに噛み合っていて、第2中間軸10に回転自在に嵌合させられている。したがって、第4速従動ギヤ17Bが第3速従動ギヤ19Bを兼ねており、また第2速従動ギヤ18Bが第1速従動ギヤ20Bを兼ねている。ここで、各ギヤ対17,18,19,20の変速比(それぞれの駆動ギヤの歯数に対する従動ギヤの歯数の比)について説明すると、その変速比は、第1速用ギヤ対20、第2速用ギヤ対18、第3速用ギヤ対19、第4速用ギヤ対17の順に小さくなるように構成されている。
さらに、発進用ギヤ対21が設けられている。この発進用ギヤ対21は、第1速用ギヤ対20と併せて出力軸16に動力を伝達することにより、発進時の駆動力を必要十分に大きくするためのものであって、第1ポンプモータ12側のモータ軸9に一体となって回転するように取り付けられた発進駆動ギヤ21Aと、出力軸16に回転自在に取り付けられた発進従動ギヤ21Bとを備えている。
上述した各ギヤ対17,18,19,20,21を、いずれかの中間軸8,10と出力軸16との間で選択的にトルク伝達可能な状態とするための機構、すなわち各ギヤ対17,18,19,20,21をそれぞれいずれかの中間軸8,10と出力軸16との間で動力伝達が可能な動力伝達状態と動力伝達が不可能な動力遮断状態とに選択的に切り替える切替機構に相当するクラッチ機構が設けられている。このクラッチ機構は、要は、選択的にトルクを伝達する機構であって、従来知られているドグクラッチ機構や同期連結機構(シンクロナイザー)、摩擦クラッチなどの摩擦係合機構などの機構を採用することができ、図2にはシンクロナイザーを採用した例を示してある。
シンクロナイザーは、基本的には、回転軸と共に回転するスリーブを軸線方向に移動させて、その回転軸に対して相対回転するように取り付けられた回転部材のスプラインに係合させ、その過程でシンクロナイザーリングが回転部材に次第に摩擦接触することにより、回転軸と回転部材とを同期させて回転軸と回転部材とを連結するように構成されている。前記の出力軸16上で、発進従動ギヤ21Bに隣接する位置に第1シンクロナイザー(以下、第1シンクロと記す)22が設けられている。この第1シンクロ22は、そのスリーブを図2の左側に移動させることにより、発進従動ギヤ21Bを出力軸16に連結し、発進用ギヤ対21がモータ軸9と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。
また、前記の第2中間軸10上で、第3速駆動ギヤ19Aと第1速駆動ギヤ20Aとの間に第2シンクロナイザー(以下、第2シンクロと記す)23が設けられている。この第2シンクロ23は、そのスリーブを図2の左側に移動させることにより、第1速駆動ギヤ20Aを第2中間軸10に連結し、第1速用ギヤ対20が第2中間軸10と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。また、反対にそのスリーブを図2の右側に移動させることにより、第3速駆動ギヤ19Aを第2中間軸10に連結し、第3速用ギヤ対19が第2中間軸10と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。
さらに、前記の第1中間軸8上で、第2速駆動ギヤ18Aと第4速駆動ギヤ17Aとの間に第3シンクロナイザー(以下、第3シンクロと記す)24が設けられている。この第3シンクロ24は、そのスリーブを図2の左側に移動させることにより、第2速駆動ギヤ18Aを第1中間軸8に連結し、第2速用ギヤ対18が第1中間軸8と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。また、反対にそのスリーブを図2の右側に移動させることにより、第4速駆動ギヤ17Aを第1中間軸8に連結し、第4速用ギヤ対17が第1中間軸8と出力軸16との間でトルクを伝達するように構成されている。
またさらに、第2ポンプモータ13側のモータ軸11上で、第2中間軸10の軸端に隣接する位置に後進用シンクロナイザー(以下、Rシンクロと記す)25が設けられている。このRシンクロ25は、そのスリーブを図2の右側に移動させることにより、モータ軸11と第2中間軸10、すなわち第2遊星歯車機構4におけるサンギヤ4Sとキャリア4Cとを連結して、第2遊星歯車機構4の全体を一体回転させるように構成されている。
上記の各シンクロ22,23,24,25は、手動操作によって切り替え動作するように構成することができるが、これに替えていわゆる自動制御するように構成することもできる。その場合は、例えば前述したスリーブを軸線方向に移動させる適宜のアクチュエータ(図示せず)を設け、そのアクチュエータを電気的に制御するように構成すればよい。
このように、図2に示す変速機TMは、エンジン1が出力したトルクが、いずれかの中間軸8,10もしくはモータ軸9,11を介して出力軸16に伝達されるように構成されている。すなわち、エンジン1から第1中間軸8もしくはモータ軸9を経由して出力軸16に至る第1動力伝達経路に相当する動力伝達経路と、エンジン1から第2中間軸10もしくはモータ軸11を経由して出力軸16に至る第2動力伝達経路に相当する動力伝達経路との、エンジン1と出力軸16との間でそれぞれ互いに異なる複数の変速比を、各シンクロ22,23,24,25の切り替え動作によって選択的に設定可能な2つの動力伝達経路が構成されている。そして、出力軸16には、歯車機構あるいはチェーンなどの巻き掛け伝動装置などの伝動手段26を介してデファレンシャル27が連結され、ここから左右の車軸28に動力を出力するようになっている。
さらに、変速機TMの動作状態を検出するためのセンサが設けられている。具体的には、前述した入力部材2もしくはこれと一体のカウンタドライブギヤ5の回転数を検出する入力回転数センサ29、車軸28の回転数を検出する出力回転数センサ30、第1ポンプモータ12の回転数を検出する回転数センサ31、第2ポンプモータ13の回転数を検出する回転数センサ32などが設けられている。
つぎに、上記の各ポンプモータ12,13を制御するための流体圧回路(油圧回路)について説明する。各ポンプモータ12,13を連通させている上記の閉回路CCには補給ポンプに相当するチャージポンプ(もしくはブーストポンプ)33が設けられている。このチャージポンプ33は、上記の閉回路CCからの漏れなどによるオイルの不足を補うためのものであって、前述したエンジン1やエンジン1で発電機(図示せず)を駆動して得た電力で動作する図示しないモータなどによって駆動されて、オイルパン34からオイルを汲み上げて閉回路CCに供給するようになっている。
したがって、チャージポンプ33の吐出口33Dは、チェック弁35を介して閉回路CCに連通されている。具体的には、チャージポンプ33の吐出口33Dは、閉回路CCにおける油路14と油路15とに、それぞれ、チェック弁35とチェック弁36,37とを介して連通されている。すなわち、チャージポンプ33と油路14および油路15とがそれぞれ連通される分岐箇所Aと、チャージポンプ33の吐出口33Dとの間にチェック弁35が設けられている。そして、その分岐箇所Aと油路14との間にチェック弁36が設けられ、分岐箇所Aと油路15との間にチェック弁37が設けられている。なお、これらのチェック弁35,36,37は、チャージポンプ33からの吐出方向に開き、これとは反対方向に閉じるように構成されている。
さらに、チャージポンプ33の吐出圧を調整するためのリリーフ弁38が、チャージポンプ33の吐出口33Dに連通されている。このリリーフ弁38は、スプリングによる弾性力とパイロット圧もしくはソレノイドによる押圧力(以下、パイロット圧とする)Psol5との和より高い圧力が作用した場合にドレインポートを開いてオイルをオイルパン34に排出するように構成されており、したがってチャージポンプ33の吐出圧をパイロット圧Psol5に応じた圧力に設定するように構成されている。
チャージポンプ33の吐出口33Dに連通されている一方のチェック弁36と油路14との間には、これらチェック弁36と油路14とを連通させた状態と、チェック弁36と油路14とを遮断するとともに油路14をオイルパン34に連通させる状態とに切り替える第1切替弁39が設けられている。
第1切替弁39は、パイロット圧もしくはソレノイドによる押圧力(以下、パイロット圧とする)Psol3が、スプリングによる弾性力に対抗するように作用している状態がON状態であって、チェック弁36と油路14とを遮断するとともに、油路14をオイルパン34(すなわちドレイン)に連通させるようになっている。一方、パイロット圧Psol3が作用していない状態がOFF状態であって、チェック弁36と油路14とを連通させるようになっている。さらに、この第1切替弁39におけるドレインポートには、オイルパン34に向けたオイルの排出方向で開くチェック弁40が連通されている。このチェック弁40は、弁体を弾性力によって閉じる方向に押圧している構造であり、したがってドレイン圧をその弾性力に応じた圧力に維持するようになっている。
また、チャージポンプ33の吐出口33Dに連通されている他方のチェック弁37と油路15との間には、これらチェック弁37と油路15とを連通させた状態と、チェック弁37と油路15とを遮断するとともに油路15をオイルパン34に連通させる状態とに切り替える第2切替弁41が設けられている。
第2切替弁41は、パイロット圧もしくはソレノイドによる押圧力(以下、パイロット圧とする)Psol4が、スプリングによる弾性力に対抗するように作用している状態がON状態であって、チェック弁37と油路15とを遮断するとともに、油路15をオイルパン34(すなわちドレイン)に連通させるようになっている。一方、パイロット圧Psol4が作用していない状態がOFF状態であって、チェック弁37と油路15とを連通させるようになっている。さらに、この第2切替弁41におけるドレインポートには、オイルパン34に向けたオイルの排出方向で開くチェック弁42が連通されている。このチェック弁42は、弁体を弾性力によって閉じる方向に押圧している構造であり、したがってドレイン圧をその弾性力に応じた圧力に維持するようになっている。
さらに、油路14には、第1ポンプモータ12を閉回路CCに対して遮断する第1ロック弁43、および、第2ポンプモータ13を閉回路CCに対して遮断する第2ロック弁44が設けられている。すなわち、油路14のうち第1切替弁39が連通されている分岐箇所Bより第1ポンプモータ12側に第1ロック弁43が設けられ、分岐箇所Bより第2ポンプモータ13側に第2ロック弁44が設けられている。
第1ロック弁43は、パイロット圧もしくはソレノイドによる押圧力(以下、パイロット圧とする)Psol1によって切り替え動作する開閉弁(オン・オフ弁)であって、パイロット圧Psol1が作用しているON状態では閉止状態となって第1ポンプモータ12を閉回路CCに対して遮断するようになっている。一方、パイロット圧Psol1が作用していないOFF状態では開放状態となって第1ポンプモータ12を閉回路CCに対して連通させるようになっている。
また、第2ロック弁44は、パイロット圧もしくはソレノイドによる押圧力(以下、パイロット圧とする)Psol2によって切り替え動作する開閉弁(オン・オフ弁)であって、パイロット圧Psol2が作用しているON状態では閉止状態となって第2ポンプモータ13を閉回路CCに対して遮断するようになっている。一方、パイロット圧Psol2が作用していないOFF状態では開放状態となって第2ポンプモータ13を閉回路CCに対して連通させるようになっている。
これら各ロック弁43,44の間の油路14に、前記の第1切替弁39が連通されているので、いずれか一方のロック弁43,44をON状態とし、かつ他方のロック弁44,43をOFF状態とすることにより、いずれかのポンプモータ12,13をロック、すなわちいずれか一方のポンプモータ12,13の出力軸(ロータ)の回転を停止させるとともに、他方のポンプモータ13,12を第1切替弁39に連通させるようになっている。
上記の第1ロック弁43をON状態にして第1ポンプモータ12を閉回路CCに対して遮断した場合、チャージポンプ33が吐出した圧油を第2ポンプモータ13に供給するようになっているので、第1ロック弁43がON状態の場合に、いずれかの第1切替弁39,41をON状態にする。一方、第2ロック弁44をON状態にして第2ポンプモータ13を閉回路CCに対して遮断した場合、チャージポンプ33が吐出した圧油を第1ポンプモータ12に供給するようになっているので、第2ロック弁44がON状態の場合に、いずれかの各切替弁39,41をON状態にする。
したがって、各ロック弁43,44をそれぞれON状態にするパイロット圧Psol1,Psol2は、いずれかの切替弁39,41をON状態にするパイロット圧Psol3,Psol4を流用してよく、このようにすれば、パイロット圧Psol1,Psol2,Psol3,Psol4を出力する駆動手段(例えばソレノイドバルブや切り替えバルブあるいは開閉弁など)を共用化して部品点数の削減もしくは低コスト化あるいは構成の簡素化を図ることができる。
さらに、圧油を蓄圧するとともにその蓄圧した圧油を第1ポンプモータ12もしくは第2ポンプモータ13に供給するアキュムレータ45が設けられている。このアキュムレータ45は、チャージポンプ33で発生させた油圧を蓄える蓄圧器であって、圧油を封入できるボンベ(もしくはタンク)を主体として、必要に応じてその内容積を弾性的に減じて内圧を相対的に高くするように構成され、そのために例えば所定圧力のガスが封入されている。このアキュムレータ45は、吐出油路47により閉回路CCの分岐箇所Aすなわち油路14もしくは油路15に連通されていて、吐出油路47の途中、すなわち吐出油路47におけるアキュムレータ45と分岐箇所Aとの間には、吐出油路47を連通した状態と遮断した状態とに切り替える第3切替弁46が設けられている。
第3切替弁46は、パイロット圧もしくはソレノイドによる押圧力(以下、パイロット圧とする)Psol6によって切り替え動作する開閉弁(オン・オフ弁)であって、パイロット圧Psol6が作用しているON状態では開放状態となって、吐出油路47を連通した状態すなわちアキュムレータ45をチャージポンプ33の吐出口33Dに対して連通した状態にするようになっている。一方、パイロット圧Psol6が作用していないOFF状態では閉止状態となって、吐出油路47を遮断した状態すなわちアキュムレータ45をチャージポンプ33の吐出口33Dに対して遮断した状態にするようになっている。
そして、前記第3切替弁46をバイパスしてアキュムレータ45と前記チェック弁35を連通させる蓄圧油路48が設けられている。この蓄圧油路48には、アキュムレータ45に対して油圧が流れる方向にのみ開くチェック弁50が設けられ、また蓄圧油路48には、アキュムレータ45に蓄えられた圧油の圧力を検出して信号を出力する圧力センサ51とが設けられている。
したがって、第3切替弁46をOFF状態すなわち閉止状態として吐出油路47を遮断することにより、チャージポンプ33が吐出した圧油をアキュムレータ45へ流通させ、その油圧をアキュムレータ45に蓄えることができる。そして、第3切替弁46をON状態すなわち開放状態としてアキュムレータ45と分岐箇所Aとの間で吐出油路47を連通状態にすることにより、アキュムレータ45に蓄圧した圧油を分岐箇所Aを経由して油路14もしくは油路15へ流通させることができる。
そして、上記の各ポンプモータ12,13の押出容積や各シンクロ22,23,24,25の動作、各切替弁39,41,46および各ロック弁42,43の各パイロット圧Psol3,Psol4,Psol6,Psol1,Psol2などを電気的に制御できるように構成されており、そのための電子制御装置(ECU)52が設けられている。この電子制御装置52は、マイクロコンピュータを主体にして構成されたものであって、所定の回転部材の回転数や、他の検出信号が入力され、それらの入力された信号および予め記憶している情報ならびにプログラムに基づいて演算を行い、その演算結果に応じて指令信号を出力するように構成されている。
上述した変速機TMによる変速段あるいは変速比の設定は、前述した特許文献1に記載されているのと同様に、各シンクロ22,23,24,25を適宜に係合状態に切り替えるとともに、各ポンプモータ12,13の押出容積q1,q2をゼロから最大の範囲でいずれかに制御することにより行われる。その変速のための作用について説明すると、図3は、各変速段を設定する際の各ポンプモータ(PM1,PM2)12,13、および各シンクロ22,23,24,25の動作状態をまとめて示す図表であって、この図3における各ポンプモータ12,13についての「OFF」は、ポンプ容量を実質的にゼロとし、その出力軸が回転させられても圧油を発生することがなく、また油圧が供給されても出力軸が回転しない状態(フリー)を示し、「LOCK」はそのロータの回転を止めている状態を示している。さらに「油圧発生」は、ポンプ容量を実質的なゼロより大きくするとともに圧油を吐出している状態を示し、したがって該当するポンプモータ12,13はポンプとして機能している。また、「油圧回収」は、一方のポンプモータ13(もしくは12)が吐出した圧油が供給されてモータとして機能している状態を示し、したがって該当するポンプモータ12(もしくは13)は軸トルクを発生し、対応するモータ軸9,11および中間軸8,10に駆動トルクを伝達している。
そして、各シンクロ22,23,24,25についての「右」、「左」は、それぞれのシンクロ22,23,24,25におけるスリーブの図1での位置を示すとともに、丸括弧はダウンシフトするための待機状態、カギ括弧はアップシフトするための待機状態を示し、そして「○」はいわゆる引き摺りを低減するために該当するシンクロ22,23,24,25をOFF状態(中立位置)に設定している状態、「●」は該当するシンクロ22,23,24,25をOFF状態(中立位置)に設定して中立状態となっていることを示す。
ニュートラルポジションが選択されてニュートラル(N)状態を設定する際には、各ポンプモータ12,13が「OFF」状態とされ、また各シンクロ22,23,24,25のスリーブが中央位置に設定される。したがって、いずれのギヤ対17,18,19,20,21も出力軸16に連結されていないニュートラル状態となる。すなわち、各ポンプモータ12,13が、それらの押出容積(ポンプ容量)が実質的にゼロとなるように制御される。その結果、いわゆる空回り状態となるので、各遊星歯車機構3,4のリングギヤ3R,4Rにエンジン1からトルクが伝達されても、サンギヤ3S,4Sに反力が作用しない。そのため、出力要素であるキャリア3C,4Cに連結されている各中間軸8,10にはトルクが伝達されない。
シフトポジションがドライブポジションなどの走行ポジションに切り替えられると、第1シンクロ22のスリーブが図1の左側に移動させられるとともに第2シンクロ23のスリーブが、図1の左側に移動させられる。したがって、発進駆動ギヤ21Aがモータ軸9に連結されて第1ポンプモータ12と出力軸16とが連結され、また第1速駆動ギヤ20Aが第2中間軸10に連結されて第2遊星歯車機構4の出力要素であるキャリア4Cと出力軸16とが連結される。すなわち、固定変速段である第1速を設定する状態となる。また、これと併せて各ポンプモータ12,13の押出容積がゼロより大きい容積に制御される。
したがって、第2ポンプモータ13は第2遊星歯車機構4によって分配されたエンジン1の動力によって駆動されてポンプとして機能する。すなわち、第2ポンプモータ13は、油圧を発生させることに伴う反力トルクをモータ軸11およびサンギヤ4Sに与える。これを図3には「油圧発生」と記載してある。そのため、第2遊星歯車機構4の差動作用によってキャリア4Cにトルクが伝達され、そのトルクが第1速用ギヤ対20を介して出力軸16に伝達される。
一方、第2ポンプモータ13で発生した油圧がその吸入ポート13Sから吐出されて第1ポンプモータ12の吸入ポート12Sに供給される。その結果、第1ポンプモータ12がモータとして機能する。これを図3には「油圧回収」と記載してある。このようにして第1ポンプモータ12に伝達される動力が発進用ギヤ対21を介して出力軸16に伝達される。したがって発進から第1速までの駆動状態では、第2遊星歯車機構4を介したいわゆる機械的な動力の伝達と、油圧を介した動力の伝達との両方が生じ、これらの動力を合成した動力が出力軸16に現れる。また、この過程での変速比は、固定変速段である第1速より大きい値となり、その変速比は連続的に、あるいは無段階に変化する。
こうしてエンジン1の回転数や車速が変化して第1速の変速比になると、第1ポンプモータ12の押出容積q1がゼロに設定され、また第2ポンプモータ13の押出容積q2が最大に設定され、その結果、実質上、第2ポンプモータ13の回転がロックされる。すなわちモータ軸11およびこれに連結されている第2ポンプモータ13が固定される。また、併せて第1シンクロ22がOFF状態に設定される。その結果、第2遊星歯車機構4のサンギヤ4Sが固定され、また第1遊星歯車機構3は出力軸16に対する動力の伝達に関与しなくなるので、エンジン1が出力した動力は、第2遊星歯車機構4および第1速用ギヤ対20を介して出力軸16に伝達される。すなわち、第1速用ギヤ対20のギヤ比で決まる固定変速段が設定される。なお、この場合、第1ポンプモータ12およびこれに連結されているモータ軸9が空転するので、第1中間軸8にトルクは現れない。
固定変速段である第1速からアップシフトする場合、第3シンクロ24のスリーブを図1の左側に移動させて第2速駆動ギヤ18Aを第1中間軸8に連結しておく。なお、Rシンクロ25は中立状態にしておく。また、第3シンクロ24のスリーブを第2速駆動ギヤ18Aに係合させる場合、第3シンクロ24のスリーブの回転数と第2速駆動ギヤ18Aとの回転数を一致させる同期制御を行う。その同期制御は、前記シンクロ22,23,24,25のスリーブを相手部材に係合させる場合にも同様に行われる。
この状態で、第1ポンプモータ12の押出容積q1を最大に向けて次第に増大させる。第2速へのアップシフト待機状態では、第1ポンプモータ12は逆回転しているから、その押出容積q1を次第に増大させることによりポンプとして機能する。すなわち、油圧を発生し(図3に「油圧発生」と記してある)、同時にそれに伴う反力トルクがモータ軸9に現れる。その結果、第1遊星歯車機構3および第2速用ギヤ対18を介した動力の伝達が次第に行われる。また、第1ポンプモータ12で発生した油圧が第2ポンプモータ13に供給されてこれがモータとして機能する(図3に「油圧回収」と記してある)ので、第2ポンプモータ13および第2遊星歯車機構4ならびに第1速用ギヤ対20を介した動力の伝達が生じる。そのため、第1速から第2速への変速の過程での変速比は、第1速の変速比と第2速の変速比との間の値となり、かつ連続的に変化する変速比となる。すなわち、変速比が連続的に変化する無段変速状態となる。これは、上述した発進から第1速の変速比に到るまでの間、および各固定変速段の間でも同様であり、したがって上述した変速機は、無段変速機として機能させることができる。
固定変速段である第1速を設定している状態では、第1ポンプモータ12の押出容積q1はゼロ(もしくは最小に近い所定値以下)に設定され、また第2ポンプモータ13の押出容積q2は最大もしくはこれに近い所定値以上になっている。したがって、第1ポンプモータ12およびこれに連結されているモータ軸9が空転し、また第2ポンプモータ13から第1ポンプモータ12に対して圧油が流動することができないので、第2ポンプモータ13はロックされた状態になる。この状態から先ず第1ポンプモータ12の押出容積q1が次第に増大させられる。その結果、第1ポンプモータ12で油圧が発生し、これが第2ポンプモータ13に供給されるので、第2ポンプモータ13がモータとして作用する。すなわち、各ポンプモータ12,13の間で圧油を介した動力の伝達が生じる。
こうして第1ポンプモータ12の押出容積q1が最大になると、各ポンプモータ12,13の押出容積q1,q2が共に最大もしくはこれに近い所定値以上となる。その後、第1ポンプモータ12の押出容積q1を最大もしくはこれに近い所定値以上に維持したまま、第2ポンプモータ13の押出容積q2が次第に低下させられる。そして、第2ポンプモータ13の押出容積q2がゼロ(もしくは最小に近い所定値以下)になることにより、固定変速段である第2速が設定される。すなわち、各ギヤ対のうち第2速用ギヤ対18のみを介して動力の伝達が行われ、第2速用ギヤ対18の回転数比に応じた変速比が設定される。
第1ポンプモータ12の押出容積q1がほぼ最大になってその回転が停止し、もしくは停止に近い状態になることにより、モータ軸9が実質的に固定される。また、併せて第2ポンプモータ13がOFF状態に設定される。したがって、第1遊星歯車機構3では、そのサンギヤ3Sが固定されるので、リングギヤ3Rに入力された動力がキャリア3Cから第1中間軸8を経て第2速駆動ギヤ18Aに出力される。一方、第2ポンプモータ13はOFF状態となっており、これと同軸上に配置されているRシンクロ25および第2シンクロ23はOFF状態であってそのスリーブが中立位置にあるので、第2ポンプモータ13や第2遊星歯車機構4は動力の伝達に関与しない。したがって、第2速用ギヤ対18のギヤ比で決まる固定変速段である第2速が設定される。
以下、同様にして、第3速は第2シンクロ23のスリーブを図1の右側に移動させて第3速駆動ギヤ19Aを第2中間軸10に連結し、また第2ポンプモータ13の押出容積q2を最大にすることにより、第1速の場合と同様に、モータ軸11および第2ポンプモータ13を固定し、さらに他のシンクロ22,24がOFF状態に設定される。したがって、第3速用ギヤ対19を介して出力軸16に動力が伝達され、固定変速段である第3速が設定される。また、第4速は第3シンクロ24のスリーブを図1の右側に移動させて第4速駆動ギヤ17Aを第1中間軸8に連結し、また第1ポンプモータ12の押出容積q1を最大にすることにより、第2速の場合と同様に、モータ軸9および第1ポンプモータ12を固定し、さらに他のシンクロ23,25がOFF状態に設定される。したがって、第4速用ギヤ対17を介して出力軸16に動力が伝達され、固定変速段である第4速が設定される。
さらに、後進段について説明すると、リバースポジションが選択された場合には、第1シンクロ22のスリーブが図1の左側に移動させられ、またRシンクロ25のスリーブが図1の右側に移動させられ、さらに他のシンクロ23,24がOFF状態に設定される。したがって、Rシンクロ25によって第2中間軸10とモータ軸11とが連結されることにより、第2遊星歯車機構4のサンギヤ4Sとキャリア4Cとが連結されて第2遊星歯車機構4の全体が実質的に一体化される。また、発進駆動ギヤ21Aがモータ軸9すなわち第1ポンプモータ12のロータに連結される。
したがって、エンジン1から第2遊星歯車機構4に伝達された動力がそのまま第2ポンプモータ13に伝達されてこれが駆動され、第2ポンプモータ13によって油圧が発生する。なお、第2シンクロ23がOFF状態であるから、第2遊星歯車機構4あるいは第2中間軸10から出力軸16に動力が伝達されることはない。一方、第1ポンプモータ12の押出容積q1がゼロより大きい容積、例えば最大容積に制御される。その結果、第2ポンプモータ13から供給された油圧によって第1ポンプモータ12がモータとして機能し、モータ軸9にトルクを出力する。その場合、第1ポンプモータ12にはその吐出ポート12Dから油圧が供給されるので、第1ポンプモータ12が逆回転する。そして、そのトルクが発進用ギヤ対21を介して出力軸16に伝達されるので、後進状態となる。すなわち、後進段では、油圧を介した動力の伝達が生じ、これを図3では、第1ポンプモータ12について「油圧回収」と記し、第2ポンプモータ13について「油圧発生」と記してある。
上述したように変速は、各シンクロ22,23,24,25の切替動作を伴って行われ、またそれらのシンクロ22,23,24,25の切替は、切り替えられるシンクロ22,23,24,25と同軸上に設けられているポンプモータ12,13の押出容積がゼロに設定されている状態で行われる。これは、一方のポンプモータ12(もしくは13)の押出容積がゼロとなることにより、他方のポンプモータ13(もしくは12)をロックして固定変速比を設定し、その状態では当該一方のポンプモータ12(もしくは13)のモータ軸9(もしくは11)にトルクが作用しないからである。しかしながら、その状態では、係合状態に切り替えられるシンクロ22,23,24,25におけるスリーブとこれが係合する相手部材であるギヤとには回転数差があるから、そのシンクロ22,23,24,25の同期作用で吸収するべきエネルギ量が増大する。そこで、シンクロ22,23,24,25の負荷を軽減するために、前述したように、同期制御が実行される。
この同期制御は、シンクロ22,23,24,25が係合動作する場合にそのスリーブと相手部材であるギヤとの回転数を合わせる制御であり、係合状態に切り替えるシンクロ22,23,24,25と同軸上にあるポンプモータ12,13を回転させることにより行われる。すなわち、いずれか一方のポンプモータ12(もしくは13)をロックするために押出容積がゼロに設定されている他方のポンプモータ13(もしくは12)に対して油圧を供給するとともにその押出容積をゼロより増大させることにより行われる。
そのため、同期制御の際には、ロックされているポンプモータ12(もしくは13)の吸入口12S(もしくは13S)に連通されているロック弁43(もしくは44)を、ソレノイド圧Psol1(もしくはPsol2)を印加することによりOFF状態に切り替えてその吸入口12S(もしくは13S)を遮断する。これと併せて第3切替弁46にソレノイド圧Psol6を印加してこれをON状態に切り替えることにより、アキュムレータ45に蓄えてある油圧を、同期制御のために回転させるポンプモータ13(もしくは12)に供給する。なお、同期状態になったことの判定は、前述した回転数センサ31,32によって検出したモータ軸9,11の回転数とエンジン回転数、遊星歯車機構3,4のギヤ比、車速などに基づいて行うことができる。
アキュムレータ45への蓄圧は、上記のように、シンクロ22,23,24,25を係合状態に切り替える際の同期制御のために行われるから、必要とする最低圧力は同期制御の際にいずれかのポンプモータ12,13を回転させるのに必要な圧力であり、したがってこの圧力を下限圧力として蓄圧が行われる。また、蓄圧のための油圧は、上記の変速機を対象とした例では、前記チャージポンプ33によって発生させられる。その蓄圧のための制御を以下に説明する。
図4は、その制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、前述した各センサによる回転数や圧力あるいはエンジン1の制御信号などの各種の信号が入力される(ステップS1)。ついで、アキュムレータ45の圧力(Acc圧)が、上述のようにして予め定めた下限圧力(Acc下限圧力)より低圧か否かが判断される(ステップS2)。アキュムレータ45の圧力がその下限圧力以上であることによりステップS2で否定的に判断された場合には、蓄圧開始圧力が求められる(ステップS3)。これは、動力源1に対する出力要求量が少ないなど、動力源1の出力に余裕がある場合にその余裕動力を利用して蓄圧を行うための判断であり、出力要求量が小さいほど、高い圧力で蓄圧を開始するように設定されている。
このステップS3の判断は、予め用意したマップあるいは演算式に基づいて行うことができ、そのマップの一例を図5に示してある。ここに示す例は、出力要求量として動力源が内燃機関の場合の燃料消費量(もしくは燃料噴射量)を採って蓄圧開始圧力を定めたものであり、燃料消費量が少ないほど蓄圧開始圧力が高圧に設定されている。特に、高速での定常走行時のように、走行中での燃料噴射量が予め定めた所定値より少ない場合には、燃料消費量の変化量に対する蓄圧開始圧力の変化量が相対的に大きく設定され、燃料消費量が少なくなるほどいわゆる急勾配で蓄圧開始圧力が高くなるように設定されている。
こうして求められた蓄圧開始圧力と検出されたアキュムレータ45の圧力とが比較される。すなわち、アキュムレータ45の圧力が蓄圧開始圧力より低圧か否かが判断される(ステップS4)。このステップS4で否定的に判断された場合には、アキュムレータ45の圧力が蓄圧開始圧力以上であってアキュムレータ45の圧力が必要十分に高いことになるので、特に制御を行うことなく、このルーチンを一旦終了する。これに対してステップS4で肯定的に判断された場合には、アキュムレータ(Acc)45の通常蓄圧制御が実行される(ステップS5)。
図6に通常蓄圧制御の一例をフローチャートで示してあり、先ず、蓄圧中における前記閉回路CCの圧力(PM回路圧力)が求められる(ステップS51)。これは、蓄圧を行う時点における現PM回路圧力とアキュムレータ45の上限圧力とを加算した圧力として求められる。ここで、現PM回路圧力は、その時点の各ポンプモータ12,13の押出容積q1,q2やポンプモータ12,13の回転数あるいは変速比などに基づいて算出することができる。また、アキュムレータ45の上限圧力は、強度や耐久性を考慮して予め定めた圧力である。
ついで、このステップS51で求めた蓄圧中PM回路圧力が閉回路CCの上限回路圧力(PM上限回路圧力)を超えているか否かが判断される(ステップS52)。このPM上限回路圧力は、各ポンプモータ12,13や閉回路CCの機械的強度や耐久性などを考慮として予め定めた圧力である。蓄圧中PM回路圧力がPM上限回路圧力を超えていることによりステップS52で肯定的に判断された場合には、これらの圧力の差を、アキュムレータ45の上限圧力から減じた圧力が蓄圧目標値とされる(ステップS53)。PM上限回路圧力を超えない範囲でアキュムレータ45の上限圧力に可及的に近い圧力で蓄圧を行うためである。これに対してステップS52で否定的に判断された場合には、アキュムレータ45の上限圧力で蓄圧を行っても閉回路CCの圧力が上限圧力を超えることがないので、アキュムレータ45の上限圧力が蓄圧目標値とされる(ステップS54)。
このようにしてステップS53もしくはステップS54で蓄圧目標値を設定した後、検出されたアキュムレータ45の圧力(Acc圧)が蓄圧目標値以上か否かが判断される(ステップS55)。このステップS55で肯定的に判断された場合、すなわちアキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値以上であれば、アキュムレータ45の圧力に不足はないので、特には制御を行うことなく図6のルーチンを一旦終了する。これとは反対にアキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値を下回っていることによりステップS55で否定的に判断された場合には、第3切替弁46がOFF状態に設定される(ステップS56)。上述した図2に示す例では、ソレノイド圧Psol6を遮断して第3切替弁46を図2に示す状態に設定し、アキュムレータ45から閉回路CCに向けた油圧の出力を遮断する。
チャージポンプ33の吐出圧は、通常時は、閉回路CCに対して圧油を供給できるように、閉回路CCの圧力と均衡する圧力もしくはそれより僅かに高い圧力に設定されているが、通常蓄圧制御が実行される場合には、上記のステップS53もしくはステップS54で設定された蓄圧目標値がチャージポンプ33の制御目標値とされる(ステップS57)。したがって、チャージポンプ33は動力源1が出力する動力によって、もしくはその動力を変換した電力によって駆動され、上記の蓄圧目標値に相当する圧力の油圧を出力する。前述したように、チャージポンプ33の吐出口33Dに連通されている各チェック弁35,50は、圧油がアキュムレータ45に向けて流れる方向に開くように構成されているので、チャージポンプ33が吐出する圧油の少なくとも一部が、アキュムレータ45に送られて蓄えられる。
そして、アキュムレータ45の圧力が上記の蓄圧目標値に達したか否か、すなわちアキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値以上か否かが判断される(ステップS58)。アキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値より低圧であることによりステップS58で否定的に判断された場合には、リターンして従前の蓄圧制御を継続する。これに対してアキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値以上となったことによりステップS58で肯定的に判断された場合には、チャージポンプ33の吐出圧が上記の蓄圧目標値から閉回路CCに対する通常のチャージ圧に切り替えられ、蓄圧が終了する(ステップS59)。
したがって、車両が走行している際に、動力源1のいわゆる余裕動力もしくは減速時の回生動力を利用して蓄圧が行われ、アキュムレータ45に常時充分な圧力で蓄圧される。そのための動力は、余裕動力もしくは回生動力であるから、車両としての燃費が特に悪化することはない。
一方、図4に示すステップS2で肯定的に判断された場合、すなわち検出されたアキュムレータ45の圧力が下限圧力より低圧である場合、緊急蓄圧制御(Acc緊急蓄圧制御)が実行される(ステップS6)。その緊急蓄圧制御の一例を図7にフローチャートで示してある。この緊急蓄圧制御においても、最初に、蓄圧中PM回路圧力が求められる(ステップS61)。緊急蓄圧制御は、アキュムレータ45の圧力を下限圧力まで戻すことを目的とした制御であり、したがって蓄圧中PM回路圧力は、現PM回路圧力とアキュムレータ45の下限圧力とを加算した圧力として求められる。ついで、このステップS61で求めた蓄圧中PM回路圧力が閉回路CCの上限回路圧力(PM上限回路圧力)を超えているか否かが判断される(ステップS62)。これは、前述した図6のステップS52と同様の判断ステップである。
緊急蓄圧制御は、上記のようにアキュムレータ45の圧力を下限圧力にまで戻すための制御であるから、蓄圧目標値はアキュムレータ45の下限圧力である。そこで、ステップS62で肯定的に判断された場合には、動力源1の出力トルクを低下させるために、トルクダウン量(ENGトルクダウン量)が算出される(ステップS63)。動力源1の出力トルクとその時点の閉回路CCの圧力との関係は、その時点の変速比や各ポンプモータ12,13の押出容積q1,q2、動力源1の回転数などに基づいて決まり、したがって蓄圧中PM回路圧力とPM上限回路圧力との差に基づいて動力源1の出力トルクおよびトルクダウン量が求まる。こうして求められたトルクダウン量を達成するように動力源のトルク制御(ENGトルク制御)が実行される(ステップS64)。
このようにしてトルク制御が実行される場合、および前記ステップS62で否定的に判断された場合、蓄圧目標値としてアキュムレータ45の下限圧力が設定される(ステップS65)。こうして蓄圧目標値が設定された後は、前述した図6に示す通常蓄圧制御の場合と同様に、検出されたアキュムレータ45の圧力(Acc圧)が蓄圧目標値以上か否かが判断される(ステップS66)。このステップS66で肯定的に判断された場合、すなわちアキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値以上であれば、アキュムレータ45の圧力が下限圧力以上になっているので、特には制御を行うことなく図7のルーチンを一旦終了する。これとは反対にアキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値(下限圧力)を下回っていることによりステップS66で否定的に判断された場合には、第3切替弁46がOFF状態に設定される(ステップS67)。上述した図2に示す例では、ソレノイド圧Psol6を遮断して第3切替弁46を図2に示す状態に設定し、アキュムレータ45から閉回路CCに向けた油圧の出力を遮断する。
チャージポンプ33の吐出圧は、通常時は、閉回路CCに対して圧油を供給できるように、閉回路CCの圧力と均衡する圧力もしくはそれより僅かに高い圧力に設定されているが、緊急蓄圧制御が実行される場合には、上記のステップS65で設定された蓄圧目標値がチャージポンプ33の制御目標値とされる(ステップS68)。したがって、チャージポンプ33は動力源1が出力する動力によって、もしくはその動力を変換した電力によって駆動され、上記の蓄圧目標値に相当する圧力の油圧を出力する。前述したように、チャージポンプ33の吐出口33Dに連通されている各チェック弁35,50は、圧油がアキュムレータ45に向けて流れる方向に開くように構成されているので、チャージポンプ33が吐出する圧油の少なくとも一部が、アキュムレータ45に送られて蓄えられる。
そして、アキュムレータ45の圧力が上記の蓄圧目標値に達したか否か、すなわちアキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値以上か否かが判断される(ステップS69)。アキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値より低圧であることによりステップS69で否定的に判断された場合には、リターンして従前の蓄圧制御を継続する。これに対してアキュムレータ45の圧力が蓄圧目標値以上となったことによりステップS69で肯定的に判断された場合には、チャージポンプ33の吐出圧が上記の蓄圧目標値から閉回路CCに対する通常のチャージ圧に切り替えられ、蓄圧が終了する(ステップS70)。
このようにアキュムレータ45の圧力が下限圧力以下となった場合には、アキュムレータ45の油圧を利用する同期制御や潤滑などの制御に支障が生じる可能性があるので、動力源1が出力する動力を直接利用し、あるいは電力に変換して利用してチャージポンプ33を駆動し、そのチャージポンプ33が発生する油圧をアキュムレータ45に蓄える。したがってその蓄圧には動力源1を特別に駆動したり、制御することになるが、このように蓄圧のために動力源1を制御する事態はアキュムレータ45の圧力が下限圧力より低圧になった場合に限られ、その頻度が低いので、燃費を特には悪化させずに、必要とする蓄圧を行うことができる。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、上述したステップS2の制御を実行する機能的手段が、この発明の圧力判断手段に相当し、ステップS4の制御を実行する機能的手段が、この発明の蓄圧開始圧力判定手段に相当し、ステップS5の制御を実行する手段が、この発明の蓄圧指示手段に相当し、そしてステップS6の制御を実行する機能的手段が、この発明の緊急蓄圧指示手段に相当する。
なお、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、対象とする変速機は、図2に示す構成以外のものであってもよく、例えば、歯車機構を主体とした変速機構と並列にハイドロスタティックトランスミッション(HST)を設けて、全体として無段階に変速できるように構成した変速機であってもよい。また、図2に示す例では、前進4段・後進1段の固定変速段を設定できるように構成されているが、この発明で対象とする変速機は、固定変速段の数がそれよりも多くてよく、あるいは反対に少なくてもよい。
また、ポンプモータをシングルピニオン型遊星歯車機構やダブルピニオン型遊星歯車機構などの差動機構に対する反力機構として用いる場合、その押出容積をゼロから一方向にのみ増大できるいわゆる片振り型のものに限らず、正負の両方向に変化させることのできるいわゆる両振り型のポンプモータを使用することもできる。その場合、歯車機構は、図2と異なる構成とすることができる。
さらに、ポンプモータや差動機構ならびにギヤ対などの伝動機構の配列は、必要に応じて適宜変更することができ、いわゆるFR車に適するように配置した構成としてもよい。またさらに、動力源は一方の差動機構に直接連結する替わりに、前述したカウンタギヤ対のアイドルギヤに連結してもよい。さらに、ギヤ対に替えてベルトやチェーンなどの機構を用いてもよい。そして、この発明における動力源は、エンジンである必要はなく、電気モータであってもよく、あるいは内燃機関と電動機とを組み合わせたハイブリッド駆動装置であってもよい。
この発明に係る蓄圧装置の基本的な構成の一例を示すブロック図である。 この発明で対象とする車両に搭載される変速機の一例を模式的に示すスケルトン図である。 図2に示す変速機による各変速比を設定するためのポンプモータおよび各シンクロの動作状態をまとめて示す図表である。 この発明に係る蓄圧装置で実行される蓄圧制御の一例を説明するためのフローチャートである。 その蓄圧開始圧力を求めるためのマップの一例を示す図である。 通常蓄圧制御の一例を説明するためのフローチャートである。 その緊急蓄圧制御の一例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1…エンジン(動力源,E/G)、 12…第1ポンプモータ、13…第2ポンプモータ、 14…油路、 15…油路、 17…4速ギヤ対、 18…2速ギヤ対、 19…3速ギヤ対、 20…1速ギヤ対、22…第1シンクロ、 23…第2シンクロ、 24…第3シンクロ、 25…Rシンクロ、 33…チャージポンプ、 45…アキュムレータ(蓄圧装置)、 46…第3切替弁、 47…吐出油路、 48…蓄圧油路、 52…電子制御装置(ECU)、 CC…閉回路、 TM…可変容量型ポンプモータ式変速機、 100…変速機、 101…動力源、 102…出力軸、 103…油圧ポンプ、 104…コントローラ、 105…アキュムレータ、 106…切替弁機構、 107…電子制御装置(ECU)。

Claims (6)

  1. 走行用の駆動力を出力する動力源が出力する回生動力を含む動力を利用して油圧を発生するポンプと、蓄えた油圧が予め定められた下限圧力以上となるように前記ポンプで発生した油圧の一部を選択的に蓄えるアキュムレータとを備えた車両の蓄圧装置において、
    前記アキュムレータの油圧が前記下限圧力以上か否かを判断する圧力判断手段と、
    前記アキュムレータの油圧が前記下限圧力以上であることが前記圧力判断手段で判断された場合に、前記動力源に対する出力要求量に対応させて予め定めた蓄圧開始圧力を求める蓄圧開始圧力判定手段と、
    前記アキュムレータの油圧が前記蓄圧開始圧力以下の場合に前記動力源の動力で前記ポンプが駆動されて発生している油圧の少なくとも一部を前記アキュムレータに蓄える蓄圧指示手段と
    を備えていることを特徴とする車両の蓄圧装置。
  2. 前記アキュムレータの油圧が前記下限圧力より低圧の場合に、前記動力源の動力で前記ポンプを駆動して該ポンプが発生する油圧の少なくとも一部を前記アキュムレータに蓄える緊急蓄圧指示手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両の蓄圧装置。
  3. 前記緊急蓄圧指示手段は、前記アキュムレータの油圧が前記下限圧力に達するまで蓄圧を継続させる手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両の蓄圧装置。
  4. 前記動力源からトルクが伝達されて動作することにより油圧を発生する第1ポンプモータと、
    該第1ポンプモータが出力した油圧が供給されてモータとして動作する第2ポンプモータと、
    これら第1ポンプモータと第2ポンプモータとの間で油圧を流通させる油圧回路とを備え、
    前記ポンプはその油圧回路に圧油を供給するチャージポンプを含み、
    前記アキュムレータは前記油圧回路に選択的に連通されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両の蓄圧装置。
  5. 前記ポンプは、前記動力源によって駆動される発電機が出力した電力で動作させられる電動ポンプを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両の蓄圧装置。
  6. 前記蓄圧指示手段は、前記アキュムレータへの蓄圧中における前記油圧回路の圧力が前記油圧回路に許容される予め定めた上限圧力を超える場合には、予め定めた前記アキュムレータの上限圧力より低い圧力を目標圧力とし、かつ前記アキュムレータへの蓄圧中における前記油圧回路の圧力が前記油圧回路に許容される予め定めた上限圧力を超えない場合には、前記アキュムレータの上限圧力を目標圧力として前記ポンプを駆動する手段を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の車両の蓄圧装置。
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