この問題は、請求項1に記載の車両用の液圧ハイブリッドパワートレインによって解決される。液圧ハイブリッドパワートレインの特殊な実施形態は、複数の従属項に記載されている。
本出願で提案されている、車両用の液圧ハイブリッドパワートレインは、例えばトルクコンバータのうち少なくとも1つ、および、速度方向変更装置を介して、段階的レシオトランスミッションの入力に選択的に駆動係合される内燃エンジン(ICE)であって、段階的レシオトランスミッションの出力軸が、例えばクラッチ装置を介して車両出力に選択的に駆動係合する、内燃エンジンと、
通常、1もしくは複数の中間歯車、および/または、1もしくは複数の中間軸を有する中間歯車セットであって、中間歯車セットは、例えば速度方向変更装置およびトルクコンバータのうち少なくとも1つを介して、ICEと駆動係合、または選択的に駆動係合し、中間歯車セットは段階的レシオトランスミッションの入力と駆動係合、または選択的に駆動係合する、中間歯車セットと、
液圧アキュムレータアセンブリと流体連結している液圧機械であって、液圧機械の伝動軸は、エネルギーおよび/またはトルクを中間歯車セットに提供するべく、また、中間歯車セットからエネルギーおよび/またはトルクを吸収するべく、中間歯車セットと駆動係合、または選択的に駆動係合する、液圧機械とを備える。
本文書の範囲において、「x1...xnのうち少なくとも1つ」という記述は、完全なセットを含む、x1...xnの任意のサブセットを含み得る。
第2エネルギー蓄積装置として液圧アキュムレータアセンブリ、および第2モータとして液圧機械を備える液圧システムは、例えば多くのオフハイウェイ用途で必要とされている、高いトルクを提供できる。さらに、液圧アキュムレータは、長期間にわたって定常的または実質的に定常的な高いエネルギー密度蓄積容量を提供できる。液圧機械は、加速中にICEへの補助を提供でき、従来の制動動作では本来、熱として失われることになるエネルギーを制動時に回生でき、ICE出力でトルクを加減することで、負荷平準化装置として機能できるので、最適なエンジンの管理が可能となる。
段階的レシオトランスミッションは、ICEおよび/または液圧機械を車両出力と係合させるべく、複数の固定歯車比を提供し得る。例えば、段階的レシオトランスミッションは、1または複数のレンジギア、および、1または複数のレンジクラッチを含み得る。レンジクラッチは、選択的にレンジギアのうち1もしくは複数を互いに駆動係合させるように、選択的にレンジギアのうち1もしくは複数を段階的レシオトランスミッションの入力と駆動係合させるように、および/または、選択的にレンジギアのうち1もしくは複数を段階的レシオトランスミッションの出力軸と駆動係合させるように適合され得る。トルクコンバータは既知のタイプであって良い。例えば、トルクコンバータは、インペラ部およびタービン部を備えていて良く、インペラ部とタービン部との間で流体結合を提供するように構成されていて良い。
トルクコンバータはさらに、インペラ部とタービン部との間に挿入されたステータを有し得る。このステータは、タービン部とインペラ部との間で流体の流れを変更するように適合されている。トルクコンバータは、トルクを増倍するように適合され得る。インペラ部はICEの出力軸と駆動係合、または選択的に駆動係合し得る。タービン部は、速度方向変更装置と駆動係合、または選択的に駆動係合し得る。トルクコンバータにおける損失を最小化するべく、機械的ロックアップ機構が設けられ得る。この合ロックアップ機構は、トルクコンバータのインペラ部を、トルクコンバータのタービン部に対し、選択的にロックするように適合される。
速度方向変更装置は、例えば前進方向クラッチおよび後進方向クラッチなど、1または複数の方向のクラッチを含み得る。 例えば、ICEが前進方向クラッチを通して車両出力と駆動係合している場合、車両は前進方向に移動し、ICEが後進方向クラッチを通して車両出力と駆動係合している場合、車両は後進方向に移動する。速度方向変更装置は、トルクコンバータ、特にトルクコンバータのタービン部を、段階的レシオトランスミッションおよび中間歯車セットと選択的に駆動係合させるように適合され得る。
車両出力は、何らかの接地構造を含み得る。例えば、車両出力は、ファイナルドライブ、駆動軸、1または複数のホイールハブ減速歯車、および1または複数のホイールのうち少なくとも1つを含み得る。
アキュムレータアセンブリは、1または複数の液圧アキュムレータを含み得る。アキュムレータアセンブリは、液圧アキュムレータのうち少なくとも1つにおける液圧流体の量を増加させることによってチャージされ得て、それにより、それぞれの液圧アキュムレータにおける静液圧が増加する。同様に、アキュムレータアセンブリは、液圧アキュムレータのうち少なくとも1つにおける液圧流体の量を減らすことによって解放され得て、それにより、それぞれの液圧アキュムレータにおける静液圧が減少する。通常、液圧流体は油などの液体である。
1または複数の液圧アキュムレータは、圧縮気体アキュムレータとして構成され得る。圧縮気体アキュムレータは一般的に公知である。例えば、圧縮気体アキュムレータは、弾性ダイヤフラム、ピストン、またはクローズドのブラダによって分離された2つのチャンバを含む蓄積空間を有し得る。2つのチャンバのうち、第1のチャンバは、不活性気体などの気体を含み得る。2つのチャンバのうち、第2のチャンバは、液圧流体で充填されるように構成され得る。圧縮気体アキュムレータは、第2チャンバに液圧流体を充填または部分的に充填することでチャージされ得て、それにより、第1チャンバに含まれる気体の量を圧縮する。同様に、圧縮気体アキュムレータは、第1チャンバに含まれる圧縮気体を膨張させることによって解放され得て、それにより、第2チャンバに含まれる液圧流体を第2チャンバから押し出して、流体の流れを生み出す。
アキュムレータアセンブリは、少なくとも300bar、少なくとも400bar、または少なくとも450barの最大動作圧力の静液圧で動作するように適合され得る。アキュムレータアセンブリは、例えば、アキュムレータアセンブリ、または、アキュムレータアセンブリの1もしくは複数のアキュムレータを、液圧機械から選択的に流体的に分離するように適合された、1もしくは複数の方向弁、および/または、1もしくは複数の遮断弁を含む少なくとも1つの弁を通して液圧機械と流体連結し得る。
特許請求の範囲はさらに、本出願で提案されているタイプのパワートレインを備える車両を対象とし得る。車両は、例えばオフハイウェイ車両であって良い。オフハイウェイ車両には、限定されないが、トラクタ、ハーベスタ、クローラ、鉱業車両又は材料運搬車両、例えばホイールローダ、ホイールエクスカベータ、バックホーローダ、テレハンドラ、ダンプトラック、又は同様のものなどが含まれ得る。
補助機械とも呼ばれる、提案されているパワートレインの液圧機械は、以下の特性のうち少なくとも1つを有し得る。
a)可変液圧吐出量(液圧吐出量は液圧機械の伝動軸の1回転あたりに液圧機械を通って移動する液圧流体の体積として定義され得る)
b)時計回り方向および反時計回り方向に回転する能力(双方向液圧機械)
c)液圧機械の伝動軸の所与の回転方向について、液圧機械を流れる液圧流体の流れの方向を選択的に変更するための、正および負の液圧吐出量設定
液圧機械は、機械的エネルギーを、アキュムレータアセンブリ内に蓄積され得る液圧エネルギーに変換するための液圧ポンプを含み得る。機械的エネルギーは通常、中間歯車セットを通して、また、液圧機械の伝動軸を通して、回転エネルギーの形態で液圧機械に伝達される。付加的または代替的に、液圧機械はアキュムレータアセンブリ内に蓄積される液圧エネルギーを、液圧機械の伝動軸で通常提供される機械的エネルギーに、回転エネルギーの形態で変換する液圧モータを含み得る。液圧機械の伝動軸は、また、液圧機械の入力軸とも呼ばれる。
可変吐出量液圧機械(特徴aを参照)は、液圧機械から中間歯車セットへ伝達されるトルク量を制御することを可能にする。例えば、液圧機械は、可動式斜板を有するアキシアルピストンポンプ/モータを含み得るか、そのように構成され得る。次に、液圧機械の吐出量を変更することは、斜板を傾けることで達成される。斜板は通常、ピストンポンプ/モータの回転軸に鉛直に配置される旋回軸に対して傾けられ得る。
液圧機械が可変吐出量を特徴とする場合、提案されているパワートレインは付加的に、液圧機械の吐出量を制御するための吐出量制御装置を備え得て、吐出量の制御は、吐出量の増加、吐出量の減少、吐出量の維持のうち少なくとも1つを含み得る。例えば、吐出量制御装置は、液圧ピストンなどの液圧アクチュエータと、液圧アクチュエータの位置を制御するための少なくとも1つの電動弁とを有し得る。電動弁は、例えば方向弁として構成され得る。液圧アクチュエータは、斜板を移動させるべく、液圧機械の可動式斜板に機械的に結合し得る。吐出量制御装置は、アキュムレータアセンブリおよび液圧機械を有する液圧回路と流体連結し得る。例えば、液圧回路内の液圧は、液圧アクチュエータの位置を制御するのに使用され得る。このように、液圧機械の吐出量は、最小量の電気エネルギーを使用して、変更され得る。
液圧機械を双方向型機械として構成することで(特徴bを参照)、中間歯車セットの回転方向、または、中間歯車セットの中間軸の回転方向に関係なく、液圧機械を中間歯車セットと駆動係合できる。このことは通常、車両出力、ICEの出力軸、トルクコンバータ、および速度方向変更装置のうち少なくとも1つの回転方向に関係なく、液圧機械は中間歯車セットと駆動係合し得ることを示唆する。液圧機械をこのように双方向型機械として構成することで、液圧機械がパワートレイン内で使用され得る態様の数が増加し、それにより、パワートレインの多用途性および柔軟性がより向上する。
正および負の吐出量設定(特徴cを参照)両方を有する液圧機械は、液圧機械の伝動軸の所与の回転方向について(および、一般的に、車両出力、ICEの出力軸、トルクコンバータ、および速度方向変更装置のうち少なくとも1つの所与の回転方向について)、アキュムレータアセンブリを選択的にチャージおよび解放できる。これにより、液圧機械およびアキュムレータアセンブリの動作モードの数がさらに増加し得る。特徴cを含む、液圧機械の非限定的な例は、オーバセンタ斜板設計による液圧アキシアルピストンポンプ/モータである。つまり、斜板がピストンポンプ/モータの回転軸に鉛直に配置されるニュートラル位置(吐出量ゼロに対応)から、斜板は上述の旋回軸に対して両方向に傾けられ得る。
液圧ポンプとして、および液圧モータとして選択的に機能し得て、特性a)、b)、c)を特徴として有する液圧機械は、トルク‐速度図の4象限すべてにおいて動作するように適合されているので、4象限機械として知られている。つまり、4象限機械は、車両の前進方向および後進方向の両方への移動中にトルクを提供し、トルクを吸収するように適合されている。
液圧機械が一方向機械として構成されている場合(つまり、液圧機械が特性bを特徴として有しない場合)、例えばクラッチなどの切断装置は、液圧機械と中間歯車セットとの間に付加的に設けられ得る。切断装置は次に、例えば液圧機械の回転方向が中間歯車セットの回転方向と対応しない場合に、液圧機械を中間歯車セットから選択的に係合解除するように適合される。この場合、液圧機械は前進方向または後進方向いずれかの単一方向だけに使用され得る。
代替的に、液圧機械が一方向機械として構成されている場合(すなわち、特性bを特徴として有しない場合)、液圧機械は機械的シャトル装置を通して中間歯車セットと駆動係合し得て、機械的シャトル装置は、中間歯車セットの回転方向と関係なく、または、中間歯車セットの中間軸と関係なく、液圧機械の伝動軸において正確な回転方向を維持するように適合される。一方向機械およびシャトル装置は、このように組み合わせられる場合、双方向型機械と同一の機能を提供する。
パワートレインは、液圧機械と流体連結する液体タンクを備え得る。液体タンク内の静液圧は、大気圧であって良い。通常、液体タンク内の静液圧は、アキュムレータアセンブリ内の静液圧より低い。液圧機械は、液圧流体をアキュムレータアセンブリから液体タンクに吐出するように適合され得る。例えば、アキュムレータアセンブリと液体タンクとの間の圧力勾配は、液圧機械を通して流体をアキュムレータアセンブリから液体タンクへ吐出するのに使用され得て、それにより、液圧機械を駆動し、液圧機械の伝動軸で出力トルクを提供する。また、液圧機械は、アキュムレータアセンブリをチャージするべく、流体を液体タンクからアキュムレータアセンブリに吐出するように適合され得る。例えば、液圧機械は、機械的エネルギーまたはトルクを中間歯車セットから吸収し得て、流体を液体タンクからアキュムレータアセンブリに送り込むべく、吸収したエネルギー/トルクを使用し得る。
代替的に、アキュムレータアセンブリは、液圧機械と流体連結している、少なくとも1つの高圧アキュムレータ、および、液圧機械と流体連結している、少なくとも1つの低圧アキュムレータを有し得る。液圧機械は次に、流体を高圧アキュムレータから低圧アキュムレータへ吐出するように、また、液圧流体を低圧アキュムレータから高圧アキュムレータへ吐出するように適合され得る。このセットアップにおいて、高圧アキュムレータ、低圧アキュムレータ、および液圧機械は通常、大気圧から隔離された、液圧閉回路を形成する。
高圧アキュムレータは、少なくとも300bar、少なくとも400bar、または、少なくとも450barの最大静液圧で動作するように適合され得る。アキュムレータアセンブリ内に蓄積された液圧エネルギーは、液圧機械を通して流体を高圧アキュムレータから低圧アキュムレータへ吐出することで、液圧機械を駆動するように、また、液圧機械の伝動軸で出力トルクを提供するように使用され得る。逆に、液圧機械は、機械的エネルギーまたはトルクを中間歯車セットから吸収し得て、流体を低圧アキュムレータから高圧アキュムレータに送り込むべく、吸収したエネルギー/トルクを使用し得て、それによりアキュムレータアセンブリをチャージする。高圧アキュムレータおよび低圧アキュムレータは、少なくとも1つの弁を通して液圧機械に流体的に接続され得る。少なくとも1つの弁は、例えば、1もしくは複数の方向弁、および/または、1もしくは複数の遮断弁を含み得る。弁は少なくとも3つのスプール位置または構成を有し得る。第1スプール位置/構成である場合、弁は高圧アキュムレータおよび低圧アキュムレータのうち少なくとも1つを液圧機械から流体的に分離し、第2スプール位置/構成である場合、弁は液圧機械の第1流体ポートを高圧アキュムレータに流体的に接続し、液圧機械の第2流体ポートを低圧アキュムレータに流体的に接続し、第3スプール位置/構成である場合、弁は液圧機械の第1流体ポートを低圧アキュムレータに流体的に接続し、液圧機械の第2流体ポートを高圧アキュムレータに流体的に接続する。高圧アキュムレータを液圧機械の特定の流体ポートに流体的に接続することは通常、高圧アキュムレータを他の流体ポートから流体的に切断することを示唆する。低圧アキュムレータについても同様である。
この設定の1つの利点は、上述のように、少なくとも1つの弁を通して、高圧および低圧アキュムレータに連結されている場合に、単一吐出の液圧機械(すなわち、特性cを有しない液圧機械(上を参照))でも、正および負の吐出量設定の両方を特徴とする液圧機械と同一の機能を提供し得るという点である。例えば、アキュムレータアセンブリは、弁を適切なスプール位置または構成に切り替えることで、所与の回転方向で回転している液圧機械の伝動軸と、選択的にチャージまたは解放され得る。
パワートレインは、液圧機器および当該機器を駆動するための液圧作動ポンプを含む液圧作動アセンブリを備え、液圧作動ポンプの伝動軸は、ICEの出力軸と駆動係合、または選択的に駆動係合し得る。機器は、液圧エネルギーを機械的エネルギーに変換するように適合された、液圧ピストン、または、他の何らかのタイプの機構を有し得る。非限定的な例として、機器はリフト機構または傾け機構のうち少なくとも1つの一部であるか、またはそれらを含み得る。
液圧作動ポンプは、例えば、静液圧アキシアルピストンポンプであり得る。液圧作動アセンブリは、アキュムレータアセンブリと流体連結し得る。例えば、作動ポンプはアキュムレータアセンブリを加圧/チャージするべく、アキュムレータアセンブリと流体連結され得る。作動ポンプは次に、液体タンクと流体連結し得て、アキュムレータアセンブリをチャージするべく、流体を液体タンクからアキュムレータアセンブリに吐出するように適合され得る。これは、例えば車両が動いていない場合に、ICEを使用してアキュムレータアセンブリをチャージするための特に効率的な方法である。付加的または代替的に、アキュムレータアセンブリは液圧機器を駆動するべく、機器と流体連結し得る。これにより、ICEがオフの場合に機器を駆動することが可能となる。
作動アセンブリは、作動アセンブリをアキュムレータアセンブリから、または、アキュムレータアセンブリのうち1もしくは複数のアキュムレータから選択的に流体的に分離するように適合されている少なくとも1つの弁を通して、アキュムレータアセンブリに流体的に接続し得る。前述した少なくとも1つの弁は、例えば、1もしくは複数の方向弁、および/または、1もしくは複数の遮断弁を含み得る。液圧作動ポンプおよび液圧機器のうち少なくとも1つは、前述の弁を通してアキュムレータアセンブリと流体的に接続し得る。
提案されているパワートレインは、液体タンクと流体連結し液圧機械と流体連結する液圧昇圧回路を備え得て、昇圧回路は、特に液圧機械がアキュムレータアセンブリから流体的に切断されている場合に液圧機械にパイロット圧を提供するように適合される。
昇圧回路は、パイロット圧を提供するべく、流体を液体タンクから液圧機械へ吐出するように適合されている液圧昇圧ポンプを有する。昇圧ポンプの入力軸は、ICEの出力軸と駆動係合、または選択的に駆動係合し得る。昇圧回路は、液圧作動アセンブリと流体連結し得る。換言すると、液圧作動アセンブリは、昇圧回路を通して液圧機械と流体連結し得る。このセットアップにおいて、液圧作動アセンブリの作動ポンプは、昇圧ポンプとして機能するように構成され得る。
通常、液圧作動アセンブリは静液圧で動作し得て、その最大動作圧力は、最大250barまたは最大300barである。つまり、液圧作動アセンブリの最大動作圧力は、アキュムレータアセンブリおよび液圧機械を有する液圧回路における最大動作圧力より低くて良く、さらには大幅に低くても良い。従って、液圧作動アセンブリ、ならびにアキュムレータアセンブリおよび液圧機械を有する液圧回路が流体連結している場合、液圧作動アセンブリと前述の液圧回路との間に安全機構が提供され得て、安全機構は、アキュムレータアセンブリおよび液圧機械を有する液圧回路において損傷を与える可能性のある静液圧から作動アセンブリを保護するように適合されている。安全機構は、上述の昇圧回路の一部であり得る。安全機構は、例えば、作動アセンブリから、アキュムレータアセンブリおよび液圧機械を含む液圧回路への流体の流れを可能にし、前述の液圧回路から作動アセンブリへの流体の流れを阻害するように適合された少なくとも1つのチェック弁を有する。
提案されているパワートレインはさらに、機械的スプリッタボックスを備え得て、スプリッタボックスは、ICEの出力軸を液圧作動ポンプの伝動軸と選択的に駆動係合させることと、例えば、トルクコンバータおよび速度方向変更装置のうち少なくとも1つを通して、ICEの出力軸を中間歯車セットと選択的に駆動係合させることと(例えば、スプリッタボックスは、トルクコンバータのインペラ部と駆動係合、または選択的に駆動係合し得る)、例えば、トルクコンバータおよび速度方向変更装置のうち少なくとも1つを通して、中間歯車セットを液圧作動ポンプの伝動軸と選択的に駆動係合させることとのうち少なくとも1つに適合される。
そのようなスプリッタボックスは、パワートレインの動作モードの数を大幅に増加させる。例えば、スプリッタボックスは、液圧機械および液圧作動ポンプからICEを係合解除させつつ、液圧機械を液圧作動ポンプと駆動係合させることを可能にする。このように、液圧作動ポンプは液圧機械を通して駆動され得る。
本出願はさらに、本出願で提案されている液圧ハイブリッドパワートレインを動作させるための多くの方法に関する。これらの方法は、以下でさらに詳細に記載されている。これらの方法を実行するべく、パワートレインは、それぞれの方法の段階を実行するのに使用されるパワートレインの要素を制御することで方法の段階を実行するように適合されている、制御ユニットまたは電子制御ユニット(ECU)を付加的に備え得る。例えば、制御ユニットは、ICEと、スプリッタボックスと、液圧作動アセンブリを液圧アキュムレータアセンブリに選択的に流体的に接続させるための少なくとも1つの(方向)弁と、トルクコンバータと、トルクコンバータのロックアップ機構と、速度方向変更装置と、段階的レシオトランスミッションと、段階的レシオトランスミッションを車両出力と選択的に駆動連結させるためのクラッチ装置と、液圧機械と中間歯車セットとの間の切断装置およびシャトル装置と、液圧機械の吐出量を制御するための電動弁および/または液圧アクチュエータと、および、アキュムレータアセンブリもしくはアキュムレータアセンブリのうち1もしくは複数のアキュムレータを液圧機械に選択的に流体的に接続するための少なくとも1つの(方向)弁とのうち少なくとも1つを制御するように適合され得る。通常、制御ユニットは、電気信号を通して前述の要素を制御するように適合される。制御ユニットは、1または複数の入力装置を通して、操作者によって操作され得る。入力装置は、例えば1または複数のノブ、スイッチ、レバー、キー、またはタッチスクリーンを含み得る。
以下では、本出願で提案されている液圧ハイブリッドパワートレインを操作する前述の方法が記載される。
本出願は、本出願で提案される液圧ハイブリッドパワートレインを備える車両の回生制動の方法に関する。この方法は、以下の段階を備える。
‐液圧機械を車両出力と駆動係合させ、液圧機械を液圧アキュムレータアセンブリと流体的に接続させる
‐運動エネルギーを車両出力から液圧機械へ伝達することで液圧機械を駆動し、それにより、車両出力を制動する
‐液圧機械を使用して制動エネルギーを液圧エネルギーに少なくとも部分的に変換し、液圧エネルギーを液圧アキュムレータアセンブリ内に蓄積する
好ましくは、この方法は、例えば速度方向変更装置をロック解除することによって、液圧機械および段階的レシオトランスミッションをICEから駆動係合解除する段階をさらに備え、これにより、制動エネルギーはICEによって吸収され、制動エネルギーの最大量がアキュムレータアセンブリ内に蓄積され得る。液圧機械が正および負の吐出量設定を有する場合、液圧機械の吐出量を適切に調節することで、車両の前進および後進方向への移動中に回生制動が実行され得る。
本出願はさらに、本出願で提案されている液圧ハイブリッドパワートレインのアキュムレータアセンブリをチャージする方法に関する。この方法は以下の段階を備える。
‐車両出力を係合解除し、例えばトルクコンバータのロックアップ機構および速度方向変更装置を通してICEを液圧機械と駆動係合させ、液圧機械をアキュムレータアセンブリと流体的に接続させる。
‐内燃エンジンから液圧機械へトルクを伝達し、内燃エンジンから液圧機械へと伝達されたトルクを使用して液圧アキュムレータアセンブリをチャージする。
この方法は、車両が動いていない場合にアキュムレータアセンブリをチャージすることを可能にする。さらに、この方法は、アキュムレータアセンブリの最大動作圧力まで、アキュムレータアセンブリをチャージ/加圧することを可能にする。車両出力の係合解除は通常、段階的レシオトランスミッションと車両出力との間で切断装置またはクラッチを係合解除する段階を含む。
本出願はさらに、本出願で提案されている液圧ハイブリッドパワートレインの液圧アキュムレータアセンブリをチャージする別の方法に関し、液圧ハイブリッドパワートレインは液圧作動ポンプを備え、液圧作動ポンプはICEと選択的に駆動係合し、液圧作動ポンプは液圧アキュムレータアセンブリと選択的に流体的に接続される。この方法は以下の段階を備える。
‐ICEを液圧作動ポンプと駆動係合させ、液圧作動ポンプを液圧アキュムレータアセンブリと流体的に接続させる。
‐内燃エンジンから作動ポンプへトルクを伝達し、内燃エンジンから作動ポンプへと伝達されたトルクを使用して液圧アキュムレータアセンブリをチャージする。
一般的に、この方法は、通常はアキュムレータアセンブリの最大動作圧力より低い作動アセンブリの最大動作圧力までに限って、アキュムレータアセンブリをチャージ/加圧することを可能にする。
この方法は、車両が動いている間に実行され得る。また、この方法は、例えば速度方向変更装置を係合解除することによって、車両出力および液圧機械のうち少なくとも1つからICEを係合解除する段階を備える。この方法は次に、車両が動いていない場合にアキュムレータアセンブリをチャージすることを可能にする。ICEおよび作動ポンプを通したアキュムレータアセンブリのチャージ/加圧は、上述の方法のようにICEおよび液圧機械を通したアキュムレータアセンブリのチャージより効率が高いことがあり得る。例えば、ICEと作動ポンプとの間の機械的結合と比較して、ICEと液圧機械との間の機械的結合は、より損失が発生しやすいことがあり得、または、駆動または方向転換(Turn)する場合により多くのエネルギーを消費する、より重い機械部品を有し得る。
本出願はさらに、本出願で提案されている液圧ハイブリッドパワートレインの内燃エンジンを始動する方法に関し、この方法は以下の段階を備える。 ‐車両出力を係合解除させ、液圧機械をICEと駆動係合させ、液圧アキュムレータアセンブリを液圧機械と流体的に接続させる。 ‐液圧アキュムレータアセンブリ内に蓄積された液圧エネルギーを使用して液圧機械を駆動し、ICEを始動するべく液圧機械からICEへトルクを伝達する。
この方法は、電力なしでICEを始動することを可能にする。液圧機械を車両出力から係合解除させる段階は、段階的レシオトランスミッションを車両出力から係合解除させる段階を含み得る。液圧機械は、トルクコンバータのロックアップ機構および速度方向変更装置のうち少なくとも1つを通してICEと駆動係合され得る。
本出願はさらに、本出願で提案されている液圧ハイブリッドパワートレインの液圧機器を駆動する方法に関し、この方法は次の段階を備える。
液圧アキュムレータアセンブリ内の静液圧が閾値圧力より下である場合:
‐液圧アキュムレータアセンブリを液圧機器と流体的に接続させる
‐液圧アキュムレータアセンブリ内に蓄積された液圧エネルギーを使用して、液圧機器を駆動する
液圧アキュムレータアセンブリ内の静液圧が閾値圧力より上である場合:
‐トルクコンバータのロックアップ機構、およびスプリッタボックスを通して、液圧機械を液圧作動ポンプと駆動係合させ、液圧アキュムレータアセンブリを液圧機械と流体的に接続させる
‐液圧アキュムレータアセンブリ内に蓄積された液圧エネルギーを使用して、液圧機械および液圧作動ポンプを通して液圧機器を駆動する
通常、閾値圧力は液圧作動アセンブリの最大動作圧力であり、一般的には200barから300barの間である。換言すれば、アキュムレータアセンブリ内の静液圧が高く、液圧作動アセンブリを損傷する可能性がある場合、機器は液圧機械および作動ポンプを通して駆動される。さらに、液圧機械を作動ポンプと車両出力との両方に駆動係合し、液圧アキュムレータアセンブリ内に蓄積された静液圧エネルギーを使用して車両出力および作動ポンプを同時に駆動することが想定される。
アキュムレータアセンブリ内の静液圧が閾値圧力の下である場合のみ、機器はアキュムレータアセンブリによって直接駆動され得る。この目的で、直接的な流体接続がアキュムレータアセンブリと機器との間に確立される。
本発明の上述の利点、および他の利点は、次の添付図面を考慮することで、以下の詳細な記載から、当業者にとって容易に明らかとなるであろう。
本発明は、別途逆に明示した場合を除き、種々の代替的な方向および段階の順序を想定可能であることが理解されるべきである。また、添付の図面に示され、以下の仕様書に記載されている特定の装置およびプロセスは、本明細書で定義されている発明概念の例示的な実施形態にすぎないことが理解されるべきである。従って、開示される複数の実施形態に関連した、具体的な寸法、方向、または、その他の物理的な特性は、そうでないということが明示的に述べられていなければ、限定的であるとみなされるべきではない。
大型オフハイウェイ車両において既に現在見られるように、オフハイウェイ市場において、液圧ハイブリッドは出力密度がより高く、また、オフハイウェイ市場における液圧技術の成熟度がより高いので、電気ハイブリッドより一般的に好まれる。
本文書に記載されている発明は、大部分の公知の並列ハイブリッドの実装に関連する限界を克服し、オフハイウェイ車両に適用されているような液圧技術を含む並列ハイブリッドアーキテクチャを使用するための適切な解決策を提供する。図2に示される、提案されている解決策は、並列ハイブリッド液圧トランスミッション202を含むパワートレイン200である。パワートレイン200は、ICE204、トルクコンバータ206、速度方向変更装置208、段階的レシオトランスミッション210、車両出力212、液圧機械214、および、少なくとも1つの液圧アキュムレータ216からなる。
ICE204は、液圧ポンプなどの補助装置218を駆動する。補助装置218は一般的に、パワートレイン200と関連する機器に動力を供給する。トルクコンバータ206は、ICE204とトランスミッション220との間に動的な流体連結を提供する。トランスミッション220は、速度方向変更装置208および段階的レシオトランスミッション210を有する。速度方向変更装置208は、前進クラッチ(図示せず)および後進クラッチ(図示せず)を使用して、パワートレイン200の駆動方向の変更を促進する。段階的レシオトランスミッション210は、パワートレイン200が動作し得る複数の固定歯車比を提供する。車両出力212は、ファイナルドライブ222およびホイールハブ減速歯車セット224を有するが、車両出力212は、何らかの接地構造であり得ることが理解されるべきである。液圧機械214は、トランスミッション220の中間歯車セット226と駆動係合する液圧ポンプ/モータである。液圧アキュムレータ216は、液圧機械214と流体連結する。
トルクコンバータ206は、ICE204、および、トランスミッション220の速度方向変更装置208と駆動係合する。また、速度方向変更装置208は、中間歯車セット226と駆動係合する。また、液圧機械214は、中間歯車セット226にエネルギーを提供するか、中間歯車セット226からエネルギーを吸収するべく、中間歯車セット226と駆動係合する。
図3は、並列ハイブリッド液圧トランスミッション202の詳細な実装を示す。ここで、そして以下のすべてにおいて、繰り返される特徴は、同一の参照符号で表される。図3は、液圧機械214、遮断弁228、および液圧アキュムレータ216を示す。
液圧機械214は、以下の特性によって特徴付けられる。
a)中間軸230に加えられるトルク量を制御するべく、可変吐出量を有する。
b)中間軸230は速度方向変更装置208の係合位置に応じて2つの異なる方向に回転し得るので、時計回りおよび反時計回り方向の両方に回転する能力を有する。
c)所与の速度方向について、流動方向を変化させるべく、正および負の吐出量設定を有し(液圧機械214はオーバセンタ斜板設計)、従って、液圧アキュムレータ216をチャージするか解放するか選択することが可能になる。
d)液圧ポンプまたは液圧モータのいずれかとして機能する能力を有する。
図2に関して、液圧機械214は、例えば中間軸230を通して、中間歯車セット226と駆動係合する。
液圧機械214の入口は、液体タンク232と流体連結し、一方、液圧機械214の出口は、液圧管路234を通して、遮断弁228と流体連結する。遮断弁228は、2つのポートおよび2つのスプール位置を有する。遮断弁228の残りのポートは、高圧液圧アキュムレータである液圧アキュムレータ216と流体連結する。
遮断弁228が(図3で示されているように)ニュートラル位置にある場合、液圧アキュムレータ216は、液圧管路234から隔離され、液圧機械214は、吐出量ゼロ位置にある必要がある。遮断弁228が、そうではなく他の位置にある場合、液圧管路234は液圧アキュムレータ216と流体連結し、液圧アキュムレータ216と同じ圧力を受ける。
吐出量の正負、および、中間軸230の速度の正負に応じて、液圧機械214は液圧モータとして、または、液圧ポンプとして機能し得る。液圧モータとして実行している場合、液圧機械214は流体を液圧アキュムレータ216から液体タンク232へ吐出し、中間軸230のトルクを追加する。液圧ポンプとして実行している場合、液圧機械214は、流体を液体タンク232から液圧アキュムレータ216へ送り込みながら、トランスミッション220のトルクを下げ、それにより、液圧アキュムレータ216内の圧力を上げる。非限定的な例として、液圧機械214は、回生制動中に液圧ポンプとして機能し得る。
液圧機械214における吐出量設定は、トルクの値、および、液圧機械214を通る流体の流れを決定する。
図3で示されている並列ハイブリッド液圧トランスミッション202の詳細な実装は、車両の前進方向および後進方向の両方で動作し、いずれかの方向で、パワートレイン200のトルクを上げる、または下げることができる。
それぞれa)、b)、c)、d)として示される、上述の4つの特性の各々を備える液圧機械214などの液圧機械は、トルク‐速度図の4象限すべてにおいて動作する能力により、4象限機械として知られている。4象限機械は市販されているが、あまり一般的ではなく、通常、4象限機械が組み込まれるパワートレインの費用を増加させる。図4‐6は、図2および3で示される並列ハイブリッド液圧トランスミッション202の代替的な実施形態を示す。図4‐6に示されている実施形態は、特性が減らされた液圧機械を利用している。
図4は、本発明の別の実施形態に係る(部分的に示される)パワートレイン400の並列ハイブリッド液圧トランスミッション402の詳細な実装を示す。 図4で示される実施形態は、図2および3で図示されている並列ハイブリッド液圧トランスミッション202と同様の要素を含む。図4で示される、この実施形態と同様の特徴は、下記の特徴を除いて、同様に連続で番号が付けられている。
パワートレイン400は上述の特性a)、b)、d)のみを有する液圧機械414を備える。液圧機械414は、可変吐出量を有する一般的な閉回路アキシアルピストンモータである。液圧機械414の吐出量は、正の範囲のみで可変である。液圧機械414は、トランスミッション420と駆動係合する中間軸430と駆動係合する。第1液圧管路440および第2液圧管路442は、液圧機械414と方向弁444との間の流体連結を提供する。方向弁444は、4つのポートおよび3つのスプール位置を有し、スプールの移動は方向弁444を通る流体の流れを制御する。方向弁444の反対側において、第3液圧管路446および第4液圧管路448は、高圧アキュムレータ450と低圧アキュムレータ452との間で流体連結を提供する。
方向弁444が配置される位置に応じて、方向弁444は、アキュムレータ450、452を液圧管路440、442から分離し、高圧アキュムレータ450を第1液圧管路440、低圧アキュムレータ452を第2液圧管路442と流体的に接続するか、または、高圧アキュムレータ450を第2液圧管路442、低圧アキュムレータ452を第1液圧管路440と流体的に接続する。方向弁444がニュートラル位置にある場合、アキュムレータ450、452は、液圧管路440、442から隔離され、液圧機械414は実質的に吐出量ゼロである必要がある。方向弁444が他の2つの位置のうちの1つである場合、液圧機械414の吐出量、および、液圧管路440と442との間の圧力差の量によって、供給されるトルクの値が決定し、一方、正負は方向弁444の位置によって決定する。方向弁444は、液圧管路440、442のうちの1つを高圧アキュムレータ450と連結し、管路440、442のうち残りのうちの1つを低圧アキュムレータ452に接続する。管路440と442との間の圧力差の正負は、液圧機械414によって供給されるトルクの正負を決定する。
パワートレイン400が前進方向に動作している間、第1液圧管路440を高圧アキュムレータ450と、第2液圧管路442を低圧アキュムレータ452と流体的に接続することで、トルクの上昇が得られ、正の出力トルクが発生する。例えば回生制動に使用される負のトルクは、第2液圧管路442を高圧アキュムレータ450と、第1液圧管路440を低圧アキュムレータ452と連結することによって得られる。
図5は、本発明の別の実施形態に係る(部分的に示された)パワートレイン500の並列ハイブリッド液圧トランスミッション502の詳細な実装を示す。図5で示されている実施形態は、図2および3で図示されている並列ハイブリッド液圧トランスミッション202と同様の要素を含む。図5で示される実施形態と同様の特徴は、下記の特徴を除いて、同様に連続で番号が付けられている。
パワートレイン500は、正/負の可変吐出量、および、単一の回転方向を有する液圧ポンプである、液圧機械514を備える。そのような特徴は、標準のオーバセンタポンプで一般的である。液圧機械514は、上述の特性a)、c)、d)のみを有する。従って、液圧機械514の入力軸554と、トランスミッション520と駆動係合する中間軸530との間に、機械的シャトル装置556が設けられる。機械的シャトル装置556は、中間軸530の回転方向と関係なく、入力軸554上の正確な回転方向を維持することができる。
液圧機械514の入口は、液体タンク532と流体連結し、一方で出口は、液圧管路558を通して遮断弁560と流体連結する。
遮断弁560は、2つのポートと、2つのスプール方向を有し、液圧管路558と高圧アキュムレータ562との間の流れを制御する。遮断弁560がニュートラル位置にある場合、高圧アキュムレータ562は、液圧管路558から隔離され、液圧機械514は、実質的に吐出量ゼロである必要がある。残りの位置において、液圧管路558は、高圧アキュムレータ562と流体連結し、液圧管路558は高圧を受ける。
液圧機械514の吐出量、および、液圧管路558での圧力は、トルクの値を決定し、吐出量の正負は、トルクおよび流れの方向を決定する。中間軸530の回転方向に応じて、正の吐出量は正のトルクまたは負のトルクのいずれかを決定し、従って、液圧機械および機械的シャトル装置556の制御は、パワートレイン500の速度および方向に適合される必要がある。
図6は、本発明の別の実施形態に係る(部分的に示される)パワートレイン600の並列ハイブリッド液圧トランスミッション602の詳細な実装を示す。図6で示されている実施形態は、図2および3で図示されている並列ハイブリッド液圧トランスミッション202と同様の要素を含む。図6で示されている実施形態と同様の特徴は、下記の特徴を除いて、同様に連続で番号が付けられている。
パワートレイン600は、正/負の可変吐出量、および、単一の回転方向を有する液圧ポンプである、液圧機械614を備える。そのような特徴は、標準のオーバセンタポンプで一般的である。液圧機械614は、上述の特性a)、c)、d)のみを有する。従って、液圧機械614の入力軸654と、トランスミッション620と駆動係合する中間軸630との間に、切断装置664が設けられる。
液圧機械614とトランスミッション620の中間軸630との間の切断装置664は、液圧機械614の入力軸654をトランスミッション620の中間軸630から駆動係合解除することを可能にする。
液圧機械614の入口は、液体タンク632と流体連結し、一方で出口は、液圧管路666を通して遮断弁668と流体連結する。
遮断弁668は、2つのポート、2つのスプール方向を有し、液圧管路666と高圧アキュムレータ670との間の流れを制御する。遮断弁668がニュートラル位置にある場合、高圧アキュムレータ670は、液圧管路666から隔離され、液圧機械614は、実質的に吐出量ゼロである必要がある。残りの位置において、液圧管路666は、高圧アキュムレータ670と流体連結し、液圧管路666は高圧を受ける。液圧機械614によって発生したトルクの値は、液圧機械614の吐出量、および液圧管路666内の圧力によって決定し、吐出量の符号(正負)は、液圧機械614が液圧ポンプとして機能するか、液圧モータとして機能するか決定する。
切断装置664は、中間軸630の回転(従って、パワートレイン600の駆動方向)が液圧機械614の回転方向に対応しない場合に、液圧機械614がトランスミッション620から駆動係合解除することを可能にする。従って、並列ハイブリッド液圧トランスミッション602は、前進または後進のいずれか単一方向のみで有効となる。
作動機械の耐用期間の一部は、アイドリング状態に置かれることを含み、この状態において、作動機械は停止し、一方で作動機械のエンジンは最低限の速度で稼働している。さらに、作動機械には操作者からのいかなる要求もない。アイドリング状態において、作動機械のICEは、作動機械の燃料消費を減らすべく、停止させることができる。ICEを再始動するには、燃料噴射および点火プロセスを可能にする最低限の速度までICEを加速させるべく、一般的にスタータと呼ばれる電動モータが使用され得る。通常、自動始動機能および自動停止機能(通常は、操作者からの入力が無いこと、および、一定時間のICEのアイドリングの認識に基づく)を有する車両は、車両の全耐用期間の間にエンジン始動の要求が増加するので、特大の電気スタータおよび主バッテリを備える。
本出願で提案されているパワートレインはさらに、電気スタータではなくハイブリッド機械を使用してICE204上で始動および停止動作を実行できる、並列ハイブリッド構成で構築された特定の配置に関する。図7A‐C、11A‐C、および13に係る配置は、液圧式であるハイブリッド機械への使用に関して詳細が説明されており、ハイブリッド機械に関連する蓄積装置は、液空圧アキュムレータである。また、同一のシステムアーキテクチャは、電気ハイブリッドの解決策に適用され得る。
図7Aに示されているように、パワートレイン1200は、機器の操作などのために補助装置218(例えば液圧ポンプ)に動力を供給するICE204と、ICE204とトランスミッションとの間に動的な流体連結を提供するトルクコンバータ206と、前進および後進駆動モードを可能にする方向クラッチの対を含む速度方向変更装置208と、複数の速度比および駆動の切断を提供する(切断によって、液圧機械214が駆動中でも車両を停止させることが可能になるので、これは提案されている構想にとって重要な特徴である)段階的レシオトランスミッション210と、ファイナルドライブ減速歯車222およびホイールハブ減速歯車224(図2を参照、図7Aでは図示せず)と、中間歯車セット226と駆動係合する液圧機械214と、昇圧ポンプBPと、液圧機械214を液圧アキュムレータ216と選択的に流体的に接続させる遮断弁228と、ICE204を液圧ポンプ218およびトルクコンバータ206のうち少なくとも1つと選択的に駆動係合させるように適合されているスプリッタボックス260とを備える。スプリッタボックス260はさらに、液圧ポンプ218およびトルクコンバータ206をICE204から係合解除しながら、液圧ポンプ218をトルクコンバータ206と駆動係合させるように適合され得る。
トルクコンバータ206は、ICE204および方向クラッチ208の対と駆動係合される。また、方向クラッチ208は、中間歯車セット226と駆動係合される。また、液圧機械214は、中間歯車セット226にエネルギーを提供するか、または中間歯車セット226からエネルギーを吸収するべく、中間歯車セット226と駆動係合する。
液圧機械214は、以下の特性によって特徴付けられる。
a)中間軸に適用されるトルク量を制御するべく、可変吐出量を有する。
b)中間軸は、方向クラッチのうちの1つの係合状態に応じて2つの異なる方向に回転するので、時計回り方向および反時計回り方向の両方に回転する能力を有する。
c)所与の速度方向について、流動方向を変化させるべく、正および負の吐出量設定(例えばオーバセンタ斜板設計)を有し、従って、液圧アキュムレータ216をチャージするか解放するか選択することが可能になる。
d)液圧ポンプまたは液圧モータのいずれかとして動作する能力を有する。
液圧機械214の吐出量は、電動弁215によって制御される。電動弁215は、4つのポートおよび3つのスプール位置を有する。しかしながら、複数の弁の組み合わせによって、同様の機能が提供され得ることが理解されるべきである。液圧機械214は通常閉じているので、作動液圧アセンブリWHの軸に取り付けられている昇圧ポンプBPは、昇圧ポンプBPと液圧機械214との間の液圧管路240、241を加圧し、液圧機械214のパイロット操作を保証するのに必要である。液圧機械214は、例えば伝動軸230の使用を通して、中間歯車セット226と駆動係合する。
液圧機械214の入口は、液体タンク232と流体連結し、一方で出口は、液圧管路241を通して遮断弁228と流体連結する。遮断弁228は、2つのポート、および、2つのスプール位置を有する。遮断弁228の残りのポートは、高圧アキュムレータ216と流体連結する。
遮断弁228が(図7Aで示されているように)ニュートラル位置にある場合、高圧アキュムレータ216は液圧管路241から隔離され、液圧機械214は、実質的に吐出量ゼロに設定される必要がある。残りの位置において、液圧管路241は、高圧アキュムレータ216と流体連結し、液圧管路241は、一般的に高圧である高圧アキュムレータ216の圧力を受ける。ポンプ吐出量の正負、および、軸速度の正負に応じて、液圧機械214は液圧モータとして、または、液圧ポンプとして機能し得る。
液圧機械214が液圧モータとして操作されている場合、液圧機械214は、伝動軸230にトルクを加えながら、流体を高圧アキュムレータ216から液体タンク232へ吐出する。液圧機械214が液圧ポンプとして操作されている場合、(例えば回生制動中に)液圧流体を液体タンク232から高圧アキュムレータ216へ送り込みながら、トルクをトランスミッション210から吸収し、それにより、高圧アキュムレータ216内の圧力を上昇させる。液圧機械214上での吐出量設定は、トルクの値および液圧流体の流れを決定する。 液圧機械214は、前進方向および後進方向の両方で操作でき、いずれの方向でもトルクを上げる、または下げることができる。
制動操作の最後に、高圧アキュムレータ216はチャージされた状態となり、例えば約200barまで加圧される。そのような状態において、操作者が液圧ハイブリッドパワートレイン1200に対し、いかなる命令も提供しない場合、ICE204は停止され得る。ICE204をいつ停止させ、再始動させるか定義するための複数の戦略が、以下に詳細に記載されている。
特定の制御設定に基づき、ICE204は自動的に2つの方法で停止され得る。第1の方法は、燃料噴射を抑制する特定の命令をエンジン制御ユニット(ECU)に送信することである。第2の方法は、燃料噴射器に対する電子的命令を制御し、要求に応じて燃料噴射器を抑制する、または作動させるべく、ECUと内燃エンジンとの間の電子回路を変更することである。
図7Aで示されているように、以下の条件が定義されている。
‐液圧管路には圧力が無いので、ICE204は稼働せず、液圧機械214は自動的に旋回して吐出量ゼロへ戻る。
‐高圧アキュムレータ216は(例えば約200barまで)チャージされる。そのような条件において、液圧管路内に圧力が無いので、液圧機械214は、いずれかの方向へ旋回して出るように命令され得ない。
インペラ部206aをトルクコンバータ206のタービン部206bへ物理的に連結させるロックアップ(図示せず)を通して、滑りおよび大きな動力損失を回避するべく、トルクコンバータ206は、効果的に機械的結合へと変更される。トルクコンバータ206のロックアップを作動させ、ギアボックスクラッチ(図示せず)を用いてトランスミッション210を切断し、高圧アキュムレータ216を液圧機械214と連結させることで、液圧ハイブリッドパワートレイン1200は、図7Bで示されている様式で操作され得る。
図7Bで示されているような液圧ハイブリッドパワートレイン1200の状態において、液圧機械214は、回り継手で回転される(swiveled out)ように、液圧管路241に圧力をかける。液圧機械214は、高圧アキュムレータ216から液体タンク232へ流れを導くように作動され、その結果、伝動軸230はICE204と同様の方向(ICE204の構成に依存する)に回転し、伝動軸230はそれにより、ICE204を駆動する。ICE204に損傷が発生するのを防止するべく、最適な液圧機械/ポンプの開口率は、後述する複数の要素に依存することが理解されるべきである。
ICEがアイドリング速度に到達すると、液圧ハイブリッドパワートレイン1200は、図7Cで示されているように、パイロット操作され得る。図7Cで示されているように、電動弁215は、液圧機械214を旋回させて実質的に吐出量ゼロへ戻すよう命令するべく作動される。
液圧機械214がニュートラル位置に到達すると、高圧アキュムレータ216は、キャビテーションのいかなるリスクもなく、流体的に切断され得る。なぜなら、この場合、パイロット圧は昇圧ポンプBPによって提供され、電動弁215はニュートラル位置のままであり、トルクコンバータのロックアップおよびギアボックスクラッチは、通常の駆動構成を復旧するように作動されるからである。
図8Aおよび8Bは、図7A‐Cに係る液圧ハイブリッドパワートレイン1200の始動動作中に存在する主な作動および変数をまとめたものである。図8Aに示されているプロットは、次の作動を示す。
‐c_GB:ギアボックス210の出力軸のクラッチ
‐LU:トルクコンバータ206のロックアップ
‐HMV:液圧機械214の吐出量を制御する液圧機械弁215の位置
‐HV:高圧アキュムレータ216を液圧管路240から隔離するのに使用される遮断弁
図8Bに示されているプロットは、主なシステム変数である。
‐pL:液圧管路240の圧力
‐pHP:高圧アキュムレータ216の圧力
‐pBP:昇圧ポンプBPの圧力
‐α:液圧機械214の吐出量
-ICE:ICEの回転速度
上述の説明に従って、上のトレンドの重要点は以下のように定義できる。
t<t1のとき、ICE204は稼働せず、高圧アキュムレータ216は、約200barの最大圧力でチャージされる。
t=t1のとき、始動手順が開始される。ギアボックスクラッチが開かれ、トランスミッション210をホイールから係合解除し、トルクコンバータロックアップは、液圧機械214からICE204へのトランスミッションを最適化するべくロックされる。同時に、液圧機械214に所与の方向へ旋回するよう命令するべく電動弁215が制御され、遮断弁228に命令することで高圧アキュムレータ216が液圧管路240へ連結される。液圧管路240の圧力pLは、高圧アキュムレータ216の圧力pHPと同一の値を有する。
t1からt2までの期間中、液圧機械214が旋回し(αが増加する)、圧力を受けるので回転を開始する。液圧機械214は液体タンク232への流体の輸送を促進しているので、高圧アキュムレータ216からの圧力および管路圧力は減少する。結果として、ICE204は、機構を通して引きずられ(dragged out)、また、昇圧ポンプBPは回転し、圧力pBPは増加する。
t2は、ICE204がアイドリング状態に到達し、液圧機械214が旋回して実質的に吐出量ゼロに戻るように命令を受ける(そして電動弁215が閉位置に配置される)時間である。この状態において、液圧管路240および高圧アキュムレータ216の圧力は、ICE204の全体的な加速性能に応じて、中間値p*((p_min+p_max)/2の範囲)に到達する。昇圧ポンプBPは、代わりに、補助機械214のパイロット操作を保証するべく、公称圧力(例えば約30bar)を発生させる。
t2からt3までの期間、液圧機械214は旋回して戻る。ICE204はアイドリング状態であるが、キャビテーションを回避するべく、吐出量αが実質的にゼロに等しくなるまで、高圧アキュムレータ216を流体的に切断することはできない。従って、この期間において、液圧機械214はまだ、流体を液体タンク232へ輸送することが可能であり、圧力pLおよびpHPは、より遅い速度で減少する。
t=t3において、ICE204は稼働中であり、液圧機械214は実質的に吐出量ゼロにある。始動手順はこのように完了し、高圧アキュムレータ216は、液圧管路240から流体的に切断でき(遮断弁228は閉位置に配置される)、ギアボックスクラッチおよびトルクコンバータロックアップは、液圧ハイブリッドパワートレイン1200の通常の駆動状態を復旧させるべく作動できる。
最適な機械/ポンプの旋回角度は、複数の要素に依存することに留意することは重要である。トルクを最大化するべく、トレンドは角度を最大化するものである必要があるが、方程式T=α・pHPに従って、高圧アキュムレータ216のチャージ状態にも依存する。
さらに、タイミングは、方向クラッチ218の動力学、1または複数のアキュムレータのチャージの状態、ICE204の慣性および抵抗、液圧機械214の効率、および付加的な要素など、いくつかの要素に依存する。
高圧アキュムレータ216に蓄積されているエネルギーを使用することでICE204を停止させICE204を再始動する方法を上述した。次に、ICE204をいつどのように停止させ、再始動させるか定義するのに使用される根拠が論じられる。
ICE204は、以下の2つの条件が満たされた場合に停止できる。1.操作者入力‐ICE204の停止は、これらに限定されないが、ステアリングホイール、1または複数のペダル、ジョイスティック、レバー、またはボタンなど、複数の操作者入力からの入力に依存する。操作者の入力に基づき、停止が適切であるかどうか決定するのに、時間ベースのロジックが適切である。例えば、ICE204がアイドリング状態であり、所与の時間にわたって操作者からの命令が無い場合、ICE204は停止し得る。2.1または複数のアキュムレータのチャージ状態‐考慮される第2の根拠は、1または複数のアキュムレータのチャージ状態を指す。ハイブリッド制動プロセスの最後に、高圧アキュムレータがチャージされ、一方で低圧アキュムレータが最小圧力であることが言及された。この最小圧力は通常、チャージ前圧力より少し高い。しかしながら、制動操作の開始時に利用できるエネルギー量(車両の運動エネルギー、および、アキュムレータに既に蓄積されているエネルギー量に影響され得る)に依存するので、これは常に当てはまるとは限らない。その結果、ICE204を再始動させるのに十分なエネルギーがアキュムレータ216内に蓄積されている場合のみ、ICE204を停止させることができる。さらに、操作者入力に関する条件が満たされているが、アキュムレータ216のチャージ状態が低すぎる場合、液圧ハブ配置を用いることで、ICE204および液圧機械214を利用してエネルギーをアキュムレータ216内に自動的に蓄積することが可能である。そのような段階の後に、アキュムレータ216のチャージ状態に関する条件が満たされ、ICE204を停止させることができる。
ICE204の停止手順に関する上記の根拠は、図9で概略的に示されている。ICE204がオフになると、電池からの放電を最小化するべく、未使用のセンサおよびアクチュエータなど、不必要な電気負荷がすべて除去される。
再始動手順は、図10に概略的に示されている。再始動手順は、2つの以下の条件のうちの1つが発生した場合に実行される。1.操作者入力‐操作者がシステムに対し何らかの入力を与える場合、ICE204を再始動するための手順が実行される必要がある。2.電池の充電状態‐照明、センサなどの動作など、何らかの理由で、電池の充電状態が、再始動手順に必要なすべての作動を保証するための最小閾値に近くなった場合に、ICE204を動作状態にするべく再始動手順が実行されるだろう。
上述の始動および停止手順は、制御戦略を適切に変更することによって、異なる液圧ハイブリッドアーキテクチャにも適用され得る。
図11Aで示されているように、上述のパワートレイン1200の変形例である液圧ハイブリッドパワートレイン2200は、上述の特性a)、b)、d)のみを有する液圧機械2414に基づく。液圧機械2414は、可変吐出量を有する一般的な閉回路アキシアルピストンモータであり得る。特性c)が無いのは、吐出量が、1範囲(正)のみで変化するからである。液圧機械2414の吐出量は、オンオフ弁215の位置に依存する。オンオフ弁215がニュートラル位置にある場合、液圧機械2414の吐出量は、実質的にゼロに等しい。液圧機械2414は、トランスミッションの軸230に直接連結する。複数の液圧管路240、242は、方向弁244を通して液圧機械2414を高圧アキュムレータ250および低圧アキュムレータ252と流体的に接続する。
位置に応じて、方向弁244は、アキュムレータ250、252を液圧管路240、242から分離し、高圧アキュムレータ250を管路240、低圧アキュムレータ252を管路242と流体連結し得る。または、逆も同様である。方向弁が(図11Aで示される)ニュートラル位置にある場合、アキュムレータ250、252は、液圧管路240、242から隔離され、液圧機械2414は実質的に吐出量ゼロである必要がある。
作動液圧アセンブリWHの軸上に取り付けられる昇圧ポンプBPは、液圧機械2414を潤滑することが求められ、液圧機械2414をパイロット操作するべく液圧管路240、242内の最小圧力を保証することが求められる。ホイールを切断するべく、クラッチがギアボックス210上に存在する。
図11Aで示されているように、制動操作の最後に、高圧アキュムレータ250が(約200barに)チャージされ、一方、低圧アキュムレータ252は、最小圧力(約20bar)である。操作者がいかなる命令も提供しない場合、ICE204は停止され得る。ICE204を停止および再始動するときを定義する戦略が上述された。
図11Aに関して、以下の条件が定義されている。
‐ICE204が稼働しておらず、液圧機械2414が自動的に旋回して吐出量ゼロへ戻る(液圧管路240、242に圧力なし)。
‐高圧アキュムレータ250が(約200barに)チャージされ、低圧アキュムレータ252が(約20barに)チャージされる。
そのような条件において、液圧管路240、242内に圧力が無いので、液圧機械2414は、いずれかの方向へ旋回して出るように命令されることができない。トルクコンバータロックアップを作動し、ギアボックス210のクラッチを開き、アキュムレータ250、252を液圧機械2414と連結することで、パワートレイン2200は、図11Bに示されているように配置される。そのような条件において、液圧機械2414は圧力差を受け、高圧アキュムレータ250から低圧アキュムレータ252へと流れを導くように作動され、その結果、軸230は、ICE204の配置に依存する適切な方向に回転する。しかしながら、アキュムレータ250、252、および、管路240、242へのそれぞれ接続の組み合わせ、ならびに、液圧機械2414の旋回の方向は、方向弁244の位置に依存することが理解されるべきである。高圧アキュムレータ250を第1管路に連結することで、軸230を一方向(例えば時計回り)に駆動すること、および、液圧機械2414を前進方向に旋回させることは可能であり、逆も同様である。一方、アキュムレータ250、252の連結と、旋回方向との間の誤った関係は、軸(およびICE)の誤った回転方向の原因となり、エンジンの故障につながり得る。
ICE204がアイドリング速度に到達すると、図11Cに示されているように、システムをパイロット操作できる。液圧機械2414が旋回して実質的に吐出量ゼロに戻るように命令するべく、オンオフ弁215が作動され、パイロット圧はここで昇圧ポンプBPによって提供されている。
液圧機械2414がニュートラル位置に到達すると、キャビテーションのいかなるリスクもなく、アキュムレータ250、252を流体的に切断でき、方向弁244はニュートラル位置となるよう命令され、トルクコンバータロックアップおよびギアボックスクラッチは、駆動条件を復旧するように命令される。
図12Aおよび12Bは、図11A‐Cに係る液圧ハイブリッドパワートレイン2200の始動動作中における主な作動および変数をまとめたものである。図12Aおよび12Bに示されているプロットは、それぞれ、上記の図8Aおよび8Bに関して定義されている作動およびシステム変数を図示している。
上述の他の実施形態について定義された方法と同一の方法において、本発明の第1の変形例に関するトレンドの重要点は以下のようにまとめられる。
t<t1のとき、ICE204は稼働せず、高圧アキュムレータ250は、約200barの最大圧力でチャージされ、低圧アキュムレータ252は約20barの最小圧力でチャージされる。
t=t1のとき、始動手順が開始される。ギアボックス210のクラッチが開かれ、トランスミッションをホイールから駆動係合解除し、トルクコンバータロックアップは、液圧機械2414からICE204へのトランスミッションを最適化するべく係合される。同時に、オンオフ弁215は、液圧機械2414が所与の方向へ旋回するよう命令するべく制御され、アキュムレータ250、252は、方向弁244に命令することによって、液圧管路240、242と流体的に接続する(上述の他の実施形態については、液圧管路の圧力は、連結されたアキュムレータの圧力と同一であり、従って、そのトレンドは図示されていない)。
t1からt2までの期間中、液圧機械2414が旋回し(αが増加する)、圧力を受けるので回転を開始する。液圧機械2414は高圧アキュムレータ250から低圧アキュムレータ252への流体の輸送を促進しているので、pHPは減少し、pLPは増加する。その結果、ICE204に動力が加えられ、昇圧ポンプBPも回転し、従って、圧力pBPが増加する。
t2において、ICE204はアイドリング状態に到達し、液圧機械2414は、旋回して実質的に吐出量ゼロへ戻るように命令される(オンオフ弁215が閉じる)。そのような条件において、アキュムレータ250、252の圧力は、全体的なICE204の加速性能に依存する、中間値pLP*およびpHP*に到達する。昇圧ポンプBPは、代わりに、液圧機械2414のパイロット操作を保証するべく、公称圧力(約30bar)を発生させる。
t2からt3までの期間中、液圧機械2414は、旋回して戻り、ICE204はアイドリング状態であるが、キャビテーションを回避するべく、α=0となるまで、アキュムレータ250、252を流体的に切断することができない。従って、この期間の間、液圧機械2414はまだ高圧アキュムレータ250から低圧アキュムレータ252へ流体を輸送している。
t=t3において、ICE204は稼働中であり、ポンプは吐出量ゼロである。始動手順はこのように完了し、アキュムレータ250、252は、液圧管路240、242から切断でき(方向弁244は閉位置に配置される)、ギアボックス210のクラッチおよびトルクコンバータロックアップは、通常の駆動状態を復旧させるべく作動できる。
上述のパワートレイン1200の他の変形例である、更なる液圧ハイブリッドパワートレイン3200が図13に示されている。図13に示されているように、正/負の可変吐出量、および、一方向の回転方向を有する液圧機械3514が選択される(標準的なオーバセンタ開回路ポンプ)。これは、上述の特性b)が無いことを意味する。そのため、機械的シャトル装置256が液圧機械3514の軸とトランスミッションの軸230との間に存在する。また、機械的シャトル装置256は、中間軸230の回転方向に関係なく、液圧ポンプ軸上で正確な回転方向を維持することができる。
液圧機械3514の入口は、液体タンク232と流体的に接続し、一方で出口は、液圧管路240を通して遮断弁228と流体的に接続する。遮断弁228は2つのポート、2つのスプール方向を有し、液圧管路240と高圧アキュムレータ216との間の流れを制御する。遮断弁228がニュートラル位置にある場合、高圧アキュムレータ216は、液圧管路240から隔離され、液圧機械3514は、実質的に吐出量ゼロである必要がある。遮断弁228の残りの位置において、管路240は高圧である。図13で示されている変形例において、昇圧ポンプBPが必要である。昇圧ポンプBPは、液圧機械3514が吐出量ゼロである場合でも、液圧管路240を加圧し、パイロット圧を保証するのに使用される。
液圧機械3514の吐出量は、トルクの値を決定し、吐出量の正負は、トルクおよび流れの方向を決定する。液圧機械3514の軸の回転方向に応じて、正の吐出量は、正または負のトルクのいずれかを決定し得て、従って、制御は車両の方向に適合される必要がある。
さらに、図13に記載の液圧機械3514とシャトル装置256との組み合わせは、上述の一実施形態のような4象限機械を有することに等しい。結果として、ICE204始動手順、および、好ましい実施形態について詳述された動作モードは、図13に示されている変形例へ容易に拡張でき、唯一の違いは、シャトル装置256が適切に命令される必要があるという点である。
シャトル装置256が、液圧機械3514を中間歯車セット226から駆動切断するように適合された切断装置と置き換えられている点を除いて、液圧ハイブリッドパワートレインの第3の変形例(図示せず)は図13に示されている液圧ハイブリッドパワートレインの変形例と同一である。従って、この第3の変形例では、車両の移動の一方向のみでハイブリッド動作が可能となる。
第3の変形例に係る切断装置は、車両の方向(例えば、軸230の回転方向)が液圧機械3514の回転方向に対応していない場合、液圧機械3514がトランスミッションから係合解除されることを可能にする。従って、液圧ハイブリッドパワートレインは、前進方向または後進方向のいずれか一方向のみで有効である。さらに、ICE204始動手順は、上述の手順と同一であるが、切断装置の管理に関する制限が追加されている。
図14は、更なる液圧ハイブリッドパワートレイン4200を示す。パワートレイン4200は、機械的スプリッタボックス260、トルクコンバータ206、および速度方向変更装置208を通して段階的レシオトランスミッション210の入力と選択的に駆動係合する内燃エンジン(ICE)204を備える。段階的レシオトランスミッション210の出力は、切断装置またはクラッチ211を通して車両出力212と選択的に駆動係合する。車両出力212は、ファイナルドライブ、ホイールハブ減速歯車セット、および、1または複数のホイールのうち少なくとも1つを有し得る。速度方向変更装置208は、前進方向および後進方向のクラッチを有し得る。トルクコンバータ206は、ICE204と速度方向変更装置208との間に動的な流体結合を提供する。トルクコンバータ206は、インペラ部206a、タービン部206b、および、インペラ部206aとタービン部206bとの間の流体の流れを変更するためのステータを有する。トルクコンバータ206はさらに、インペラ部206aをタービン部206bと選択的にロックするためのロックアップ機構(図示せず)を有する。段階的レシオトランスミッション210は、入力と出力との間に多くの固定歯車比を提供する。
パワートレイン4200はさらに、中間歯車セット226を備える。中間歯車セット226は、速度方向変更装置208、トルクコンバータ206、および、スプリッタボックス260を通して、ICE204と選択的に駆動係合する。中間歯車セット226はさらに、段階的レシオトランスミッション210の入力と駆動係合する。中間歯車セット226は、速度方向変更装置208と、段階的レシオトランスミッション210との間に挿入される。
パワートレイン4200はさらに、液圧機械214および高圧液圧アキュムレータ216を有する液圧システム備える。液圧機械214は、伝動軸230を通して中間歯車セット226と駆動係合する。高圧アキュムレータ216および液圧機械214は、遮断弁228a、方向弁228b、および流体管路240を通して流体連結する。アキュムレータ216はさらに、弁228a、228b、および流体管路241を通して、液圧作動アセンブリ236(後述)と流体連結する。弁228a、228bは、直列に配置されている。遮断弁228aは、2つの流体ポート、および、2つのスプール位置を有する。弁228bは、3つの流体ポート、および、2つのスプール位置を有する。遮断弁228aが第1スプール位置にある場合、アキュムレータ216は、弁228bを通して、液圧機械214、または、液圧作動アセンブリ236(以下を参照)と選択的に流体的に接続し得る。弁228aが第2スプール位置にある場合、アキュムレータ216を液圧機械214および作動アセンブリ236から流体的に切断または隔離する。
当業者にとって容易に明らかとなることであるが、ここで描かれている弁228a、228bは、単一の3方3位置弁(3−way 3−position valve)(3/3方弁(3/3 way valve)とも呼ばれる)に同様に置き換えられ得ることが理解されるべきである。例えば、第1スプール位置において、そのような3/3方弁は、アキュムレータ216を作動アセンブリ236、および、液圧機械214から流体的に分離し、第2スプール位置において、3/3方弁はアキュムレータ216を作動アセンブリ236と流体的に接続し、アキュムレータ216を液圧機械214から流体的に分離し、第3スプール位置において、3/3方弁はアキュムレータ216を液圧機械214と流体的に接続し、アキュムレータ216を液圧作動アセンブリ236から流体的に分離する。
液圧機械214は以下の特性を有する。a)中間軸230に加えられるトルク量を制御するための可変液圧吐出量b)時計回り方向および反時計回り方向の両方に回転する能力c)伝動軸230の所与の回転方向について、液圧機械214を流れる液圧流体の流動方向を変更するための正および負の吐出量設定d)液圧ポンプまたは液圧モータのいずれかとして動作する能力
本例において、液圧機械214は、オーバセンタ斜板設計の可動式斜板を有する静液圧アキシアルピストンユニットとして構成されている。液圧機械214はさらに、液体タンク232と流体連結する。液圧ポンプとして動作している場合、液圧機械214は、エネルギーを中間歯車セット226から吸収し、その吸収したエネルギーを使用して、液圧流体を液体タンク232から高圧アキュムレータ216へ吐出し得て、それにより、アキュムレータ216内の液圧を上昇させる。液圧流体は、例えば、油などの液体であり得る。液圧モータとして動作している場合、液圧機械214は、液圧流体を高圧アキュムレータ216から液体タンク232へ吐出し得て、それにより、高圧アキュムレータ216から液圧エネルギーを吸収する。液圧機械214は次に、吸収したエネルギーを機械的エネルギーに変換し、伝動軸230に出力トルクを提供し、この出力トルクは次に中間歯車セット226へ伝達される。
パワートレイン4200はさらに、液圧機械214の液圧吐出量を制御するための液圧吐出量制御機構を備える。制御機構は、制御装置217、電気制御式方向弁215、および圧力制御弁235を有する。制御装置217は、液圧アクチュエータを有する。液圧アクチュエータは、液圧機械214の可動式斜板と機械的に結合する液圧ピストンを有する。液圧ピストンの位置は、旋回軸に対する、斜板の旋回角度αを制御する。制御装置217は弁215を通して流体管路240および液体タンク232と流体連結する。圧力制御弁235は、流体管路240から制御装置217に適用される液圧を制限する。
制御装置217のピストンの位置、および、従って液圧機械214の液圧吐出量は、ピストンの反対側にある流体チャンバ217a、217b内の液圧および/または流体量を制御することで、方向弁215を通して制御される。方向弁215は、4つの流体ポート、および、3つのスプール位置を有する。第1スプール位置において、方向弁215は、装置217の第1流体チャンバ217aを液体タンク232と流体的に接続し、圧力制御弁235を通して制御装置217の第2流体チャンバ217bを流体管路240と流体的に接続する。第2スプール位置において、弁215は、両方のチャンバ217a、217bを液体タンク232と流体的に接続する。第2スプール位置は通常、液圧機械214の液圧吐出量ゼロに対応する。第3スプール位置において、方向弁215は、第2流体チャンバ217bを液体タンク232と流体的に接続し、圧力制御弁235を通して第1流体チャンバ217aを流体管路240と流体的に接続する。
上述の液圧作動アセンブリ236は、液圧駆動機器219と、液圧機器219を駆動するための液圧作動ポンプ218と、作動ポンプ218と流体連結する液体タンク223と、機器219を作動ポンプ218および流体管路214から流体的に分離することと機器219を作動ポンプ218および流体管路241と流体的に接続することとを選択的に行う方向弁221とを有する。作動ポンプ218の伝動軸237は、機械的スプリッタボックス260を通して、ICE204、および、トルクコンバータ206と選択的に駆動係合する。スプリッタボックス260は、ICE204、作動ポンプ218、および、トルクコンバータ206のうち少なくとも2つを互いに選択的に駆動連結させるように適合されている。換言すれば、作動ポンプ218は、ICE204を使用して駆動され得る。付加的または代替的に、作動ポンプ218は、速度方向変更装置208、トルクコンバータ206、およびスプリッタボックス260を通して、液圧機械214を作動ポンプ218と駆動係合させることで、液圧機械214を使用して駆動され得る。このように液圧機械214を作動ポンプ218と結合させる場合、トルクコンバータ206のロックアップ機構を係合することで、機械的損失を最小化できる。図14の例において、液圧機器219は液圧ピストンを有する。液圧機器219は、例えばリフト機構の一部であり得る。機器219のピストンの位置は、ピストンの反対側にある流体チャンバ内の液圧および/または流体量を制御することで、制御できる。
方向弁221は、4つの流体ポートおよび3つのスプール位置を有する。第1スプール位置において、方向弁221は、機器219の第1流体チャンバを作動ポンプ218の第1流体ポート、および、流体管路241と流体的に接続し、機器219の第2流体チャンバを液体タンク223と流体的に接続する。第2スプール位置において、弁221は機器219を作動ポンプ218、流体管路241、および液体タンク223から流体的に分離する。第3スプール位置において、方向弁221は、機器219の第2流体チャンバを作動ポンプ218の第1流体ポート、および、流体管路241と流体的に接続し、機器219の第1流体チャンバを液体タンク223と流体的に接続する。
作動ポンプ218は、機器219を駆動するべく、液圧流体を液体タンク223から機器219へ吐出するよう適合されている。作動ポンプ218はさらに、液圧流体を機器219から液体タンク223へ吐出するよう適合され得る。
液圧作動アセンブリ236は、高圧アキュムレータ216と流体連結されている。作動アセンブリ236は、流体管路241、および、弁228a、228bを通して、高圧アキュムレータ216と選択的に流体的に接続している。具体的には、作動ポンプ218は、流体管路241、および、弁228a、228bを通して、アキュムレータ216と選択的に流体的に接続している。また、機器219は、流体管路241、および、弁228a、228bを通して、アキュムレータ216と選択的に流体的に接続している。
作動アセンブリ236は、作動アセンブリ236の最大動作圧力、例えば200barまでの静液圧で動作し得る。一方、高圧アキュムレータ216は、少なくとも300barであるアキュムレータ216の最大動作圧力までの静液圧で動作するように適合されている。換言すれば、アキュムレータ216の最大動作圧力は、作動アセンブリ236の最大動作圧力より大幅に高い。作動アセンブリ236における静液圧を作動アセンブリ236の最大動作圧力より高く上昇させると、作動アセンブリ236、例えば、作動ポンプ218および/または機器219を損傷させ得る。
アキュムレータ216内の静液圧が作動アセンブリ236の最大動作圧力より低い場合、アキュムレータ216は、アキュムレータ216内に蓄積された液圧エネルギーを使用して、機器219を駆動するべく、弁228a、228b、および、流体管路241を通して、作動アセンブリ236と流体的に接続され得る。機器219は、作動ポンプ218およびアキュムレータ216によって同時に駆動され得る。
アキュムレータ216内の静液圧が作動アセンブリ236の最大動作圧力より低い場合、作動アセンブリ236は、作動ポンプ218を通してアキュムレータ216をチャージ/加圧するべく、流体管路241および弁228a、228bを通してアキュムレータ216と流体的に接続され得る。この目的で、作動ポンプ218は、液圧流体を液体タンク223からアキュムレータ216へ吐出するべく駆動され得て、それにより、アキュムレータ216内の静液圧を上昇させる。しかしながら、作動ポンプ218がこのようにアキュムレータ216を加圧するのに使用される場合、アキュムレータ216内の静液圧は、作動アセンブリ236の最大動作圧力を超えて上昇し得ない。作動アセンブリ236はさらに、液圧機械214と流体連結する。具体的には、作動ポンプ218の第2流体ポートは、昇圧回路225を通して、流体管路240と流体的に接続する。昇圧回路225は、遮断弁231、圧力制御弁229、およびチェック弁227を有し得る。チェック弁は、クラック弁、一方向弁、または逆止弁としても知られている。弁231、229、227は、直列に配置され、流体管路241を流体管路240と流体的に接続する。遮断弁231は選択的に、流体管路240および液圧機械214を作動アセンブリ236から流体的に切断するように適合されている。チェック弁227は、作動アセンブリ236の静液圧が流体管路240内の静液圧より高い場合に、作動アセンブリ236から流体管路240へ(従って、液圧機械214および圧力制御弁235へ)の流体の流れを可能にするように適合されている。一方、チェック弁227は、特に流体管路240内の静液圧が作動アセンブリ236内の静液圧より高い場合に、流体管路240から作動アセンブリ236への流体の流れを防止するように適合されている。このように、特に流体管路240が弁228a、228bを通して高圧アキュムレータ216と流体的に接続している場合に、昇圧回路225、特にチェック弁227は、作動アセンブリ236を流体管路240内の潜在的な高圧から保護する。
昇圧回路225の目的は、液圧機械214および/または制御装置217が高圧アキュムレータ216から流体的に切断されている場合、パイロット圧を液圧機械214および/または吐出量制御装置217に提供することである。この目的で、作動ポンプ218は、好ましくはICE204によって、昇圧回路225および流体管路240を通して流体を液体タンク223から液圧機械214および/または制御装置217へ吐出するように駆動され得る。
弁228a、228bは選択的に、高圧アキュムレータ216を作動アセンブリ236および液圧機械214から隔離すること、流体管路241を通してアキュムレータ216を作動アセンブリ236と流体的に接続すること、および、アキュムレータ216を液圧機械214と流体的に接続することとのうちの1つを行うように適合されている。
パワートレイン4200は、多くの動作モードに従って動作し得る。
パワートレイン4200の第1動作モードは、高圧アキュムレータ216をチャージする方法を提供する。この方法は、クラッチ211を係合解除することで車両出力212を係合解除する段階と、スプリッタボックス260、トルクコンバータ206のロックアップ機構、および速度方向変更装置208を通してICE204を液圧機械214と駆動係合させる段階と、弁228a、228bを通して液圧機械214を高圧アキュムレータ216と流体的に接続する段階と、液圧機械が液圧流体を液体タンク232からアキュムレータ216へと吐出し、それによりアキュムレータ216内の静液圧を上昇させるべく、トルクをICE204から液圧機械214へ伝達する段階とを備える。このように、アキュムレータ216は、アキュムレータ216の最大動作圧力まで加圧され得る。
パワートレイン4200の第2動作モードによると、高圧アキュムレータ216内に蓄積された液圧エネルギーは、伝動軸230にトルクを提供し、段階的レシオトランスミッション210およびクラッチ211を通してこのトルクを車両出力212へ伝達するべく使用され得る。アキュムレータ216内に蓄積された液圧エネルギーを、伝動軸230に供給されるトルクに変換するべく、アキュムレータ216は、弁228a、228bを通して、液圧機械214と流体的に接続され、その結果、流体は液圧機械214を通してアキュムレータ216から液体タンク232へ吐出され、それにより、液圧機械214を駆動する。液圧機械214の4象限の性質により、この動作は、車両が前進方向に移動している場合と、車両が後進方向に移動している場合との両方において実行され得る。
パワートレイン4200の第3動作モードは、回生制動の方法を提供する。回生制動の間、液圧機械214によって車両出力212から吸収された運動エネルギーは、液圧エネルギーへ変換され、液圧エネルギーはアキュムレータ216内に蓄積される。この方法は、段階的レシオトランスミッション210およびクラッチ211を通して液圧機械214を車両出力212と駆動係合させる段階と、弁228a、228bを通して液圧機械214をアキュムレータ216と流体的に接続する段階と、運動エネルギーを車両出力212から液圧機械214へ伝達することで液圧機械を駆動し、それにより車両出力212を制動する段階と、液圧機械214によって吸収された制動エネルギーを使用して液圧流体を液体タンク232からアキュムレータ216へ送り込み、それにより、アキュムレータ216内の液圧を上昇させる段階とを備える。好ましくは、回生制動の方法はさらに、いかなる制動エネルギーも速度方向変更装置208を通して伝達されないようにするべく、速度方向変更装置208を係合解除する段階を備える。やはり、正および負の吐出量設定の両方を有する液圧機械214により、回生制動は、車両が前進方向に移動している場合、および、車両が後進方向に移動している場合の両方において実行できる。
パワートレイン4200の第4動作モードは、アキュムレータ216をチャージする別の方法を提供する。この方法は、スプリッタボックス260を通してICE204を液圧作動ポンプ218と駆動係合する段階と、弁228a、228bを通して液圧作動ポンプ218をアキュムレータ216と流体的に接続する段階と、トルクをICE204から作動ポンプ218へ伝達して流体を液体タンク223からアキュムレータ216へ送り込み、それによりアキュムレータ216内の液圧を上昇させる段階とを備える。このように、アキュムレータ216は、作動アセンブリ236の最大動作圧力まで、または、作動ポンプ218によって提供される最大圧力まで加圧され得る。
パワートレイン4200の第5動作モードは、アキュムレータ216内の液圧が作動アセンブリ236の最大動作圧力より低い場合に液圧機器219を駆動する方法を提供する。この方法は、弁228a、228b、221を通して高圧アキュムレータ216を液圧機器219へ流体的に接続する段階と、液圧機器219を駆動するべく流体を高圧アキュムレータ216から液圧機器219へ吐出する段階とを備える。
パワートレイン4200の第6動作モードは、アキュムレータ216内の液圧が作動アセンブリ236の最大動作圧力より高い場合に液圧機器219を駆動する方法を提供する。この方法は、速度方向変更装置208、ロックアップ機構、トルクコンバータ206、およびスプリッタボックス260を通して、液圧機械214を作動ポンプ218と駆動係合させる段階と、弁228a、228bを通してアキュムレータ216を液圧機械214と流体的に接続する段階と、方向弁221を通して作動ポンプ218を機器219と流体的に接続する段階と、液圧機械214を駆動するべく液圧機械214を通して流体をアキュムレータ216から液体タンク232へ吐出する段階と、トルクを液圧機械214から作動ポンプ218へ伝達する段階と、機器219を駆動するべく、作動ポンプ218へ伝達されたトルクを使用して流体を液体タンク223から機器219へ吐出する段階とを備える。
パワートレイン4200の上述の第6動作モードに係る方法は追加で、スプリッタボックス260を通してICE204を作動ポンプ218と付加的に係合させ、トルクをICE204から作動ポンプ218へ伝達する段階と、クラッチ211を通して車両出力212を駆動係合する段階と、トルクを液圧機械214から車両出力へ伝達する段階と、スプリッタボックスを通してICE204を車両出力212に付加的に駆動係合させる段階と、トルクをICE204から車両出力212へ伝達する段階とを備える。換言すれば、ICE204および液圧機械214の両方は、車両出力212および液圧機器219を両方駆動するのに同時に利用できる。この構成において、液圧機械214の吐出量および速度方向変更装置208の方向クラッチは、ICE204および液圧機械214が協働してトルクを車両出力212および作動ポンプ218へ提供するように設定される必要がある。
パワートレイン4200の第7動作モードに従って、ICE204を始動する方法が提供される。この方法は、クラッチ211を係合解除することで車両出力212を係合解除する段階と、速度方向変更装置208およびトルクコンバータ206のロックアップ機構を通して液圧機械214をICE204と駆動係合させる段階と、弁228a、228bを通して高圧アキュムレータ216を液圧機械と流体的に接続する段階と、液圧機械214を通して流体をアキュムレータ216から液体タンク232へ吐出することによって液圧機械214を駆動する段階と、ICE204を始動するべく、トルクを液圧機械214からICE204へ伝達する段階とを備える。
本明細書では明示的に図示されない、パワートレイン4200の第1の変形例において、液圧機械214は、特性a)、c)、d)のみを有し、特性b)が無い。つまり、液圧機械214は、一方向のみに回転し得る。この第1の変形例の液圧機械214は、例えば、標準的なオーバセンタ開回路ポンプであり得る。この第1の変形例において、機械的シャトル装置が、液圧機械214と中間歯車セット226との間、または、液圧機械214の伝動軸230と中間歯車セット226との間に付加的に設けられる。シャトル装置は、一方向液圧機械214と中間歯車セット226との間で機械的結合を提供し、例えば、中間歯車セット226の中間軸など、中間歯車セット226と結合したシャトル装置の入力の回転方向と関係なく、液圧機械214で正確な回転方向を維持するように適合される。記載のシャトル装置との組み合わせによって、一方向液圧機械は、4象限機械と同一の機能を提供する。液圧機械214のトランスミッションとの機械的結合に関して、パワートレイン4200の第1の変形例は、シャトル装置556を備えた図5のパワートレイン500と同様である。そうでない場合、パワートレイン4200の第1の変形例は、図14で示される実施形態と同一の特徴および機能を備え得る。
同様に本明細書では明示的に図示されない、図14のパワートレイン4200の第2の変形例において、液圧機械214は、第1の変形例のように、特性a)、c)、d)のみを備え、液圧機械214は選択的に、例えばクラッチなどの切断装置を通して中間歯車セット226と駆動係合される。切断装置は、液圧機械214をトランスミッションから切断することを可能にする。このように、第1の変形例とは対照的に、第2の変形例は、車両の移動の一方向のみでハイブリッド動作を可能にする。液圧機械214のトランスミッションとの機械的結合に関して、パワートレイン4200の第2の変形例は、切断装置664を備えた図6のパワートレイン600と同様である。そうでない場合、パワートレイン4200の第2の変形例は、図14で示される実施形態と同一の特徴および機能を備え得る。
図15は他の液圧ハイブリッドパワートレイン5200を示す。図15のパワートレイン5200は、上述した図14のパワートレイン4200の変形例である。やはり、上述の実施形態の対応する特徴と同一である、パワートレイン5200の特徴は、同一の参照符号で指定されている。
図15のパワートレイン5200の駆動系は、図14のパワートレイン4200の駆動系と同一であり、パワートレイン5200の駆動系は、ICE204と、スプリッタボックス260と、ロックアップ機構(図示せず)を含むトルクコンバータ206と、前進方向および後進方向クラッチを含む速度方向変更装置208と、中間歯車セット226と、選択的にクラッチ211を通して車両出力212と駆動係合する段階的レシオトランスミッション210とを有する。
パワートレイン5200の作動液圧アセンブリ236は、図14のパワートレイン4200の対応する作動液圧アセンブリと同一であり、図15のパワートレイン5200の作動液圧アセンブリ236は、伝動軸237と、液圧機器219と、液体タンク223と、方向弁221とを通してスプリッタボックス260と駆動係合する作動ポンプ218を有する。図14のパワートレイン4200と同様に、図15のパワートレイン5200はさらに、補助機械としての液圧機械214と、伝動軸230を通して中間歯車セット226と駆動係合する液圧機械214と、液圧アキュムレータアセンブリと流体連結する液圧機械214とを備える。図14のパワートレイン4200と同様に、図15のパワートレイン5200の作動アセンブリ236は、液圧アキュムレータアセンブリ、および、液圧機械214と流体連結する。
図15のパワートレイン5200の液圧機械214は、上で定義されている特性a)、b)、およびd)のみを有し、特性c)が無いという点で、パワートレイン4200の液圧機械と異なる。換言すれば、パワートレイン5200の液圧機械214の液圧吐出量は、正の範囲、または負の範囲のいずれかのみで変化し得る。しかしながら、パワートレイン5200の液圧機械214は、4象限機械と同一の機能を提供するように適合されている。この目的で、パワートレイン5200のアキュムレータアセンブリは、多くの弁244a‐fを通して液圧機械214と流体連結する、高圧アキュムレータ250および低圧アキュムレータ252を有する。
弁244a‐fは選択的に、アキュムレータ250、252のうち少なくとも1つを液圧機械214から流体的に分離するか、高圧アキュムレータ250を液圧機械214の第1流体ポートと流体的に接続し、低圧アキュムレータ252を液圧機械214の第2流体ポートと流体的に接続するか、高圧アキュムレータ250を液圧機械214の第2流体ポートと流体的に接続して、低圧アキュムレータ252を液圧機械214の第1流体ポートと流体的に接続するように適合されている。このように、弁244a‐fは、図4のパワートレイン400の弁444、および、図11A‐Cのパワートレイン2200の弁244と同様の態様で機能する。つまり、伝動軸230の所与の回転方向について、液圧機械214は、液圧流体を高圧アキュムレータ250から低圧アキュムレータ252へ吐出するか、またはその逆のいずれかに使用され得る。換言すれば、伝動軸230の回転の各方向について、液圧機械214は、流体を高圧アキュムレータ250から低圧アキュムレータ252へ吐出することによってトルクを伝動軸230に追加し得るか(それによりアキュムレータアセンブリを解放する)、または、液圧機械は、流体を低圧アキュムレータ252から高圧アキュムレータ250へ吐出することによって伝動軸230からトルクを吸収し得る(それによりアキュムレータアセンブリをチャージする)。弁244a‐cは選択的に、高圧アキュムレータ250を液圧機械214から流体的に分離するか、流体管路240を通して、高圧アキュムレータ250を液圧機械214の第1流体ポートと流体的に接続し、同時に、高圧アキュムレータ250を液圧機械214の第2流体ポートから流体的に分離するか、流体管路242を通して高圧アキュムレータ250を液圧機械214の第2流体ポートと流体的に接続し、同時に、高圧アキュムレータ250を液圧機械214の第1流体ポートから流体的に分離するように適合されている。同様に、弁244d‐fは選択的に、低圧アキュムレータ252を液圧機械214から流体的に分離するか、流体管路240を通して低圧アキュムレータ252を液圧機械214の第1流体ポートと流体的に接続し、同時に、低圧アキュムレータ252を液圧機械214の第2流体ポートから流体的に分離するか、流体管路242を通して低圧アキュムレータ252を液圧機械214の第2流体ポートに流体的に接続し、同時に、低圧アキュムレータ252を液圧機械214の第1流体ポートから流体的に分離するように適合されている。
弁244aおよび244dは各々、3つの流体ポートおよび2つのスプール位置を有する。弁244b、244c、244eおよび244fは、単純な遮断弁として構成され、各々、2つの流体ポートおよび2つのスプール位置を有する。図15に示されているように、弁244aが第1スプール位置にある場合、弁244aは、弁244b、244cを通して、高圧アキュムレータ250と液圧機械214との間の流体連結を提供する。弁244aが第2スプール位置にある場合、高圧アキュムレータ250を液圧機械214から流体的に分離し、流体管路241を通して高圧アキュムレータ250を作動アセンブリ236と流体的に接続する。同様に、図15で示されているように、弁244dが第1スプール位置にある場合、弁244e、244fを通して、低圧アキュムレータ252と液圧機械214との間で流体連結を提供する。弁244dが第2スプール位置にある場合、低圧アキュムレータ252を液圧機械214から流体的に分離し、流体管路241を通して低圧アキュムレータ252を作動アセンブリ236と流体的に接続する。第1スプール位置にある場合、遮断弁244b、244c、244eおよび244fは、それぞれ、それらの流体ポートの間で流体の流れを可能にする。第2スプール位置にある場合、(図15で示されているように)遮断弁244b、244c、244eおよび244fは、それぞれ、それらの流体ポートを互いに流体的に分離し、それにより、弁を通る流体の流れを遮断する。
高圧アキュムレータ250は、弁244aを第1スプール位置に、弁244bを第1スプール位置に、弁244cを第2スプール位置に切り替えることで、液圧機械214の第1流体ポートと流体的に接続され、液圧機械214の第2流体ポートから流体的に分離され得る。高圧アキュムレータ250は、弁244aを第1スプール位置に、弁244bを第2スプール位置に、弁244cを第1スプール位置に切り替えることで、液圧機械214の第2流体ポートと流体的に接続し、液圧機械214の第1流体ポートから流体的に分離され得る。
同様に、低圧アキュムレータ252は、弁244dを第1スプール位置に、弁244eを第1スプール位置に、弁244fを第2スプール位置に切り替えることで、液圧機械214の第1流体ポートと流体的に接続され、液圧機械214の第2流体ポートから流体的に分離され得る。低圧アキュムレータ252は、弁244dを第1スプール位置に、弁244eを第2スプール位置に、弁244fを第1スプール位置に切り替えることで、液圧機械214の第2流体ポートと流体的に接続され、液圧機械214の第1流体ポートから流体的に分離され得る。
当業者にとって、弁244b、244cが、弁244b、244cと同一の機能を提供する、弁の何らかの他の組み合わせと置き換えられ得ることは、容易に明らかとなるであろう。例えば、弁244b、244cは、選択的に、液圧機械214から流体的に分離するか、液圧機械214の第1流体ポートと流体的に接続し、同時に、液圧機械214の第2流体ポートから流体的に分離するか、液圧機械214の第2流体ポートに流体的に接続し、同時に、液圧機械214の第1流体ポートから流体的に分離する、単一の3/3方弁によって置き換えられ得る。弁244e、244fは、同様に、必要な変更を加えることで、単一の3/3方弁によって置き換えられる。
既に言及されているように、パワートレイン5200の液圧作動アセンブリ236は、流体管路241を通して、アキュムレータ250、252を有するアキュムレータアセンブリと流体連結する。弁244aが(図15で示されているように)第1スプール位置にある場合、弁244aは、高圧アキュムレータ250を作動アセンブリ236から流体的に分離する。弁244aが第2スプール位置にある場合、高圧アキュムレータ250は、流体管路241を通して、作動アセンブリ236と流体的に接続される。同様に、弁244dが(図15で示されているように)第1スプール位置にある場合、弁244dは低圧アキュムレータ252を作動アセンブリ236から流体的に分離する。弁244dが第2スプール位置にある場合、弁244dは、流体管路241を通して、低圧アキュムレータ252を液圧作動アセンブリ236と流体的に接続する。
図14のパワートレイン4200のように、図15のパワートレイン5200の作動アセンブリ236は、流体管路241および昇圧回路225を通して、液圧機械214と流体連結する。
昇圧回路225は、遮断弁231、圧力制御弁229、および遮断弁227を有する。やはり、弁231、229、227は直列に配置される。昇圧回路225は、チェック弁243aを通して、流体管路240(および液圧機械214の第1流体ポート)と流体的に接続される。チェック弁227と同様に、特に、流体管路240が弁244b、244c、244e、244fを通してアキュムレータ250、252のいずれかと流体的に接続されている場合に、チェック弁243aは、作動アセンブリ236から流体管路240へ(および液圧機械214の第1流体ポート)の流体の流れを可能にし、流体管路240から作動アセンブリ236への流体の流れを防止する。昇圧回路225は、チェック弁243bを通して、流体管路242と(および液圧機械の第2流体ポートと)流体的に接続する。特に、流体管路242が、弁244b、244c、244e、244fを通して、アキュムレータ250、252のいずれかと流体的に接続されている場合、チェック弁243bは、作動アセンブリ236から流体管路242へ(および液圧機械214の第2流体ポートへ)の流体の流れを可能にし、流体管路242から作動アセンブリ236への流体の流れを防止する。
パワートレイン4200と同様に、図15のパワートレイン5200の液圧機械214の液圧吐出量は、液圧ピストンを含む吐出量制御装置217を通して制御される。装置217のピストンは、電子制御式の方向弁215を切り替えることで作動され得る。弁215は、吐出量制御装置217のピストンの反対側に配置された流体チャンバ内の液圧および流体の量を制御するように適合される。制御装置217は、対応するチェック弁を通して、流体管路240、242と流体連結する。昇圧回路225は、特に、液圧機械214および/または制御装置217がアキュムレータ250、252から流体的に分離している場合に、液圧機械214および吐出量制御装置217にパイロット圧を提供するように適合されている。パイロット圧は、作動ポンプ218によって提供され得る。パイロット圧を提供するべく、作動ポンプ218は、昇圧回路225を通して、流体を液体タンク223から液圧機械214へ、および/または、制御装置217へ吐出する。
図14のパワートレイン4200と同様に、図15のパワートレイン5200は、多くの動作モードに従って動作され得る。
パワートレイン5200の動作の第1のモードは、高圧アキュムレータ250をチャージする方法を提供する。この方法は、クラッチ211を係合解除またはロック解除することで車両出力212を係合解除する段階と、スプリッタボックス260、トルクコンバータ206ロックアップ機構、速度方向変更装置208、中間歯車セット226、および、伝動軸230を通してICE204を液圧機械214と駆動係合させる段階と、流体管路240および弁244a、244bを通して液圧機械214の第1流体ポートを高圧アキュムレータ250と流体的に接続する段階と、液圧機械214が液圧流体を高圧アキュムレータ250へ吐出し、それにより、高圧アキュムレータ250内の静液圧を上昇させるべく、トルクをICE204から液圧機械214へ伝達する段階とを備える。
高圧アキュムレータ250へ吐出される流体は、作動ポンプ218によって供給され得る。ICE204は次に、作動ポンプ218を駆動し、昇圧回路225、チェック弁243b、および流体管路242を通して、流体を作動アセンブリ236の液体タンク223から液圧機械214の第2流体ポートへ送り込む。代替的に、高圧アキュムレータ250へ吐出される流体は、低圧アキュムレータ252によって供給され得る。次に、低圧アキュムレータ252は、弁244d、244f、および、流体管路242を通して、液圧機械214の第2流体ポートと流体的に接続される。
このように、高圧アキュムレータ250は、少なくとも300bar、または、少なくとも400barであり得る、高圧アキュムレータ250の最大動作圧力まで加圧される。
パワートレイン5200の第1の動作モードの変形形態において、ICE204は、流体を低圧アキュムレータ252へ吐出するべく、上述のように液圧機械214を駆動し得る。この目的で、低圧アキュムレータ252は、例えば、弁244b、244cをそれらの第2スプール位置へそれぞれ切り替えることで、弁244d、244eおよび流体管路240を通して液圧機械214の第1流体ポートと流体的に接続され、高圧アキュムレータ250は、液圧機械214から流体的に分離される。低圧アキュムレータ252へ吐出される流体は、次に、上述のように、作動ポンプ218を通して、液圧機械214の第2流体ポートへ供給される。
パワートレイン5200の第2動作モードに従って、高圧アキュムレータ250と低圧アキュムレータ252との間の圧力勾配の形態でアキュムレータアセンブリ内に蓄積された液圧エネルギーは、液圧機械214の伝動軸230でトルクを提供し、段階的レシオトランスミッション210およびクラッチ211を通してこのトルクを車両出力212へ伝達するのに使用される。アキュムレータアセンブリ内に蓄積された液圧エネルギーを伝動軸230で提供されるトルクに変換するべく、アキュムレータ250、252はそれぞれ、液圧機械214の第1流体ポートおよび第2流体ポートと流体的に接続され(逆も同様)、その結果、流体は液圧機械214を通して高圧アキュムレータ250から低圧アキュムレータ252へ吐出され、それにより、液圧機械214を駆動する。アキュムレータ250、252の、液圧機械214の流体ポートへの流体接続に応じて、車両出力212は、前進方向または後進方向に駆動され得る。
パワートレイン5200の第3動作モードは、回生制動の方法を提供する。回生制動の間、液圧機械214によって車両出力212から吸収された運動エネルギーは、液圧エネルギーへ変換され、液圧エネルギーはアキュムレータアセンブリ内に蓄積される。この方法は、段階的レシオトランスミッション210およびクラッチ211を通して液圧機械214を車両出力212と駆動係合する段階と、液圧機械214の第1流体ポートおよび第2流体ポートをそれぞれアキュムレータ250、252(逆も同様)と流体的に接続する段階と、運動エネルギーを車両出力212から液圧機械214へ伝達することで液圧機械214を駆動し、それにより、車両出力212を制動する段階と、液圧機械214によって吸収された制動エネルギーを使用して液圧流体を低圧アキュムレータ252から高圧アキュムレータ250へ送り込む段階とを備える。好ましくは、回生制動の方法はさらに、いかなる制動エネルギーも速度方向変更装置208を通して伝達されないように、速度方向変更装置208を係合解除する段階を備える。やはり、アキュムレータ250、252の、液圧機械214の流体ポートへの流体接続に応じて、前進方向および後進方向での車両の移動中に回生制動が実行され得る。
パワートレイン5200の第4の動作モードは、高圧アキュムレータ250(代替的に、低圧アキュムレータ252)をチャージする別の方法を提供する。この方法は、スプリッタボックス260を通してICE204を液圧作動ポンプ218と駆動係合させる段階と、弁244aを通して液圧作動ポンプ218を高圧アキュムレータ250と(または、弁244dを通して低圧アキュムレータ252と)流体的に接続する段階と、流体を液体タンク223から高圧アキュムレータ250へ(または低圧アキュムレータ252へ)送り込むべく、トルクをICE204から作動ポンプ218へ伝達し、それにより、高圧アキュムレータ250内の(または低圧アキュムレータ252内の)液圧を上昇させる段階とを備える。このように、高圧アキュムレータ250(または低圧アキュムレータ252)は、作動アセンブリ236の最大動作圧力まで、または作動ポンプ218によって提供される最大圧力まで加圧され得る。
パワートレイン5200の第5の動作モードは、高圧アキュムレータ250内(または代替的に、低圧アキュムレータ252内)の液圧が作動アセンブリ236の最大動作圧力より低い場合に、液圧機器219を駆動する方法を提供する。この方法は、弁244a、221を通して(または、弁244d、221を通して)、高圧アキュムレータ250(または低圧アキュムレータ252)を液圧機器219と流体的に接続する段階と、液圧機器219を駆動するべく、流体を高圧アキュムレータ250から(または低圧アキュムレータ252から)液圧機器219へ吐出する段階とを備える。
パワートレイン5200の第6の動作モードは、特に、アキュムレータ250、252内の静液圧が作動アセンブリ236の最大動作圧力より高い場合に、液圧機器219を駆動する別の方法を提供する。この方法は、伝動軸230、中間歯車セット226、速度方向変更装置208、トルクコンバータ206のロックアップ機構、およびスプリッタボックス260を通して液圧機械214を作動ポンプ218と駆動係合する段階と、アキュムレータ250、252をそれぞれ、液圧機械214の第1流体ポートおよび第2流体ポートと流体的に接続する(速度方向変更装置208の設定に応じて逆も同様)段階と、弁221を通して作動ポンプ218を機器219と流体的に接続する段階と、液圧機械214を駆動するべく、液圧機械214を通して流体を高圧アキュムレータ250から低圧アキュムレータ252へ吐出する段階と、液圧機械214から作動ポンプ218へトルクを伝達する段階と、機器219を駆動するべく、作動ポンプ218へ伝達されるトルクを使用して流体を液体タンク223から機器219へ吐出する段階とを備える。
パワートレイン5200の上述の第6動作モードに係る方法は、スプリッタボックス260を通してICE204を作動ポンプ218と係合し、付加的に、トルクをICE204から作動ポンプ218へ伝達させる段階と、クラッチ211を通して、段階的レシオトランスミッション210を車両出力と駆動係合させる段階と、伝動軸230、中間歯車セット226、段階的レシオトランスミッション210、およびクラッチ211を通してトルクを液圧機械214から車両出力へ伝達する段階と、スプリッタボックス、トルクコンバータ206のロックアップ機構、速度方向変更装置208、段階的レシオトランスミッション210、およびクラッチ211を通してICE204を車両出力212と駆動係合させる段階と、トルクをICE204から車両出力212へ伝達する段階とを付加的に備え得る。換言すれば、車両出力212および液圧機器219を両方駆動するべく、ICE204および液圧機械214は両方同時に使用され得る。この構成において、アキュムレータ250、252と液圧機械214の流体ポートとの間の流体接続、および、速度方向変更装置208の方向クラッチの係合は、ICE204および液圧機械214が協働してトルクを車両出力212および作動ポンプ218へ提供するように構成される必要がある。
パワートレイン5200の第7の動作モードに従って、ICE204を始動する方法が提供される。この方法は、クラッチ211を係合解除することで車両出力212を係合解除する段階と、液圧機械214をICE204と駆動係合させる段階と、アキュムレータ250、252をそれぞれ、液圧機械の第1流体ポートおよび第2流体ポートと流体的に接続する(速度方向変更装置208の構成に応じて逆も同様)段階と、液圧機械214を通して流体を高圧アキュムレータ250から低圧アキュムレータ252へ吐出することで液圧機械214を駆動する段階と、ICE204を始動するべく、トルクを液圧機械214からICE204へ伝達する段階とを備える。