JP2002002594A - 舶用油圧式動力伝達装置 - Google Patents

舶用油圧式動力伝達装置

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JP2002002594A
JP2002002594A JP2000189637A JP2000189637A JP2002002594A JP 2002002594 A JP2002002594 A JP 2002002594A JP 2000189637 A JP2000189637 A JP 2000189637A JP 2000189637 A JP2000189637 A JP 2000189637A JP 2002002594 A JP2002002594 A JP 2002002594A
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hydraulic
pressure
shaft
engine
power transmission
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JP2000189637A
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English (en)
Inventor
Shuji Shiozaki
修司 塩崎
Takashi Ouchida
剛史 大内田
Junichi Hitachi
純一 常陸
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トルクリミッタ機能の発揮に基づき、エンジン
等を含めた動力伝達系全体として最適な稼働状態を実現
できる舶用油圧式動力伝達装置を提供する。 【解決手段】エンジンEの駆動力に基づき回転駆動され
る油圧ポンプ13が、主トルク伝達軸23とクラッチ3
2,40及び各ギヤ29,37,22を介してプロペラ
回転軸16に作動連結されている。前記油圧ポンプ13
と油圧モータ14との間には油圧閉回路85が形成さ
れ、同回路85の高圧側油路83と低圧側油路84との
間には圧力制御弁87を有するバイパス回路86が設け
られている。そして、前記油圧モータ14の斜板を中立
状態とし且つ前記油圧ポンプ13を直結状態としての航
走時に、前記高圧側油路83内の油圧が開弁圧に達する
と、圧力制御弁87が開放し、バイパス回路86が導通
して作動油の循環が始まり、油圧閉回路85ではそれ以
上の油圧上昇が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舶用エンジンと舶
用プロペラとの間を作動連結する動力伝達機構に配設さ
れる舶用油圧式動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、舶用エンジンと舶用プロペラと
の間は動力伝達機構によって作動連結されており、この
動力伝達機構には前進用及び後進用の各油圧クラッチを
備えた舶用減速逆転機が設けられている。すなわち、舶
用エンジンの駆動力はフライホイール等を介してクラッ
チ機構部に作動連結された駆動軸に伝達され、同駆動軸
の回転駆動力がクラッチ機構部の前進用クラッチ又は後
進用クラッチを介してプロペラ回転軸に伝達される。そ
のため、操船に際しては、前進用クラッチ及び後進用ク
ラッチのうち一方のクラッチを直結状態又はすべり状態
にすると共に、他方のクラッチを分離状態とすることに
より、船舶を前進又は後進させて所望する操船状態を得
られるようになっている。
【0003】また、船舶の航走速度を上昇させたい場合
には、エンジン回転数を上昇させること(つまり、プロ
ペラ回転数を上げること)で対応するようにしていた。
すなわち、例えば前進航走において加速したい時には、
前進用クラッチを直結状態にして前記駆動軸とプロペラ
回転軸とが同期回転するようにした状態で、エンジン回
転数を上昇させることによりプロペラ回転数を上昇さ
せ、その結果、所望する航走速度まで加速するようにし
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水上を
プロペラの回転推進力に基づき航走する船舶の場合は、
エンジン回転数の低回転域では負荷をあまり掛けられな
いという事情があった。また、例えば船体を微速航走さ
せるトローリング時のような低速低負荷時には、エンジ
ン回転数を低速にするため、エンジントルクが変動し易
く、場合によってはエンストを引き起こしてしまうとい
う問題があった。なお、従来、トローリング時は、一般
に、エンジン回転数をそれほど下げることなく油圧クラ
ッチをすべり状態とすることで対応していた。
【0005】一方、加速時には、エンジン回転数が低速
域から中速域にかけての状態時において、つまりエンジ
ンが負荷を背負えない状態の時に、プロペラ負荷がエン
ジンに100%掛かってしまい、エンジン回転数がスム
ーズに上昇しないことから、加速のためのエンジントル
クをなかなか得られず、加速性が悪いという問題があっ
た。また、このような加速時には燃料噴射量が多くなっ
て、排気色が黒くなってしまうという問題もあった。
【0006】本発明は上記各問題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、トルクリミッタ機能を発
揮させることにより、エンジンを含めた動力伝達系全体
として最適な稼働状態を実現できる舶用油圧式動力伝達
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1に記載の発明は、舶用エンジンの駆動
力に基づき回転駆動して吐出動作可能な油圧装置を備
え、同油圧装置の出力軸を舶用プロペラの回転軸に作動
連結すると共に、前記油圧装置に接続された油圧閉回路
には当該回路内油圧の所定の圧力に対応して開弁する圧
力制御弁を設けたことを要旨としている。従って、本願
請求項1の発明においては、所定の航走状態時において
油圧閉回路内の圧力制御弁が開放されると、舶用プロペ
ラ側から舶用エンジン側にかかる負荷が調整される。
【0008】なお、本明細書中において、「作動連結」
とは、一方の部材と他方の部材とを両部材間で動力伝達
が可能なように機構的に関連づけて連結することを意味
し、前記一方の部材と他方の部材とを直接的に連結する
場合、及び両部材の間に他の部材を介在させて間接的に
連結する場合の双方を含むものとする。
【0009】又、本願請求項2に記載の発明は、前記請
求項1に記載の発明において、前記圧力制御弁の開弁圧
は、複数種の航走状態毎に、各航走状態時における前記
所定の圧力に応じて各々設定されることを要旨としてい
る。従って、本願請求項2の発明においては、前記請求
項1の発明の作用に加えて、各種の航走状態時毎に舶用
プロペラ側から舶用エンジン側に伝達される負荷の調整
が可能とされる。
【0010】又、本願請求項3に記載の発明は、前記請
求項1又は請求項2に記載の発明において、前記圧力制
御弁の開弁圧は、前記舶用エンジンの回転数検出結果及
び前記舶用プロペラの回転数検出結果のうち少なくとも
何れか一方の検出結果に基づき制御手段により設定され
ることを要旨としている。従って、本願請求項3の発明
においては、前記請求項1又は請求項2の発明の作用に
加えて、舶用プロペラ側から舶用エンジン側に伝達され
る負荷の調整が当該航走時における航走状態の変化に適
合して対応可能とされる。
【0011】又、本願請求項4に記載の発明は、前記請
求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の発明におい
て、前記油圧装置には、その装置が有するシリンダブロ
ックに摺動自在に嵌合してシリンダブロックの端面から
一端が突出する環状配列のプランジャ群と、同プランジ
ャ群の各突出端に係合した状態でシリンダブロックの軸
線を中心にして回転可能なカム部材が設けられており、
前記油圧閉回路内の油圧が前記圧力制御弁の開弁圧に達
したとき同圧力制御弁が開放されることにより、前記プ
ランジャ群の各突出端とカム部材との間がすべり係合状
態とされてシリンダブロックとカム部材とが相対回転す
る構成とされていることを要旨としている。従って、本
願請求項4の発明においては、前記請求項1〜請求項3
のうち何れか一項の発明の作用に加えて、シリンダブロ
ックとカム部材とが相対回転することにより、舶用プロ
ペラ側から舶用エンジン側に伝達される負荷が軽減され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を舶用エンジンと舶
用プロペラとの間を作動連結する動力伝達機構に具体化
した一実施形態を図1〜図9を参照して説明する。
【0013】図1に示すように、本実施形態に係る動力
伝達機構11は、いわゆる舶用減速逆転機としての機能
を有するクラッチ機構部12と、第1油圧装置としての
油圧ポンプ13及び第2油圧装置としての油圧モータ1
4からなる舶用油圧式動力伝達装置としての変速機構部
15とを備えている。そして、図3に示すように、前記
クラッチ機構部12の出力側には舶用プロペラP(図8
参照)に作動連結されたプロペラ回転軸16が配置され
る一方、前記変速機構部15の入力側にはエンジンE
(図8参照)の駆動力に基づき回転するフライホイール
17が配置されている。
【0014】まず、クラッチ機構部12から説明する。
図2及び図3に示すように、前記クラッチ機構部12は
フロントケーシングとリアケーシングが接合されてなる
クラッチケース18内に機構の大部分が収容されてい
る。クラッチケース18内の下方位置には推力軸19が
前記プロペラ回転軸16と同一軸線上に位置して前後方
向(図2及び図3では左右方向)へ延びるように配設さ
れている。推力軸19はクラッチケース18の前後両壁
部に対して前後一対のコロ軸受け20を介して回転可能
に支持され、クラッチケース18の後壁部から突出する
後端部が前記プロペラ回転軸16の前端部と出力継手2
1を介して一体回転可能に連結固定されている。そし
て、図2〜図4に示すように、クラッチケース18内に
おいて、前記推力軸19の前端部には、大径の被動ギヤ
22が前記推力軸19と一体回転するように焼き嵌め結
合されている。
【0015】また、前記クラッチケース18内において
前記推力軸19から直上へ少し離間した位置には主トル
ク伝達軸(本実施形態では、後進軸として機能する。)
23が前後方向へ前記推力軸19と平行をなすように配
設されている。この主トルク伝達軸23はクラッチケー
ス18の前後両壁部に対して前後一対のコロ軸受け24
を介して回転可能に支持されている。また、前記クラッ
チケース18の前壁部略中央上部には主トルク伝達軸2
3を挿通可能な挿通孔25が形成されており、主トルク
伝達軸23の前端部は同挿通孔25から突出して前記変
速機構部15の油圧ポンプ13に作動連結されている。
【0016】一方、前記クラッチケース18の後壁部外
面において略中央上部には作動油ポンプ26が取付固定
されており、主トルク伝達軸23の後端部は前記クラッ
チケース18の後壁部から突出して前記作動油ポンプ2
6のポンプ軸に連結固定されている。そして、図2〜図
4に示すように、クラッチケース18内において、前記
主トルク伝達軸23の後端部には、中径の第1トルク伝
達ギヤ27が前記主トルク伝達軸23と一体回転するよ
うに焼き嵌め結合されている。なお、この第1トルク伝
達ギヤ27は前端側が環状壁をなすように延設されてお
り、その環状壁の内周側には多数の摩擦板からなる摩擦
板仕組28が配設されている。
【0017】また、前記クラッチケース18内において
前記主トルク伝達軸23の前端部には前記推力軸19の
被動ギヤ22と噛み合う小径の後進用ギヤ29が図示し
ないブッシュを介して前記主トルク伝達軸23と相対回
転可能に支持されている。前記後進用ギヤ29は後端側
が環状壁をなすように延設されており、その環状壁の外
周側には前記摩擦板仕組28の各摩擦板と互い違いに入
り組む多数の鋼鉄板からなる鋼鉄板仕組30が配設され
ている。そして、この鋼鉄板仕組30と前記第1トルク
伝達ギヤ27との間には前記摩擦板仕組28と鋼鉄板仕
組30を圧接状態にして前方へ押圧可能なドーナッツ状
をなす油圧アクチュエータ31が配設され、これら摩擦
板仕組28と鋼鉄板仕組30及び油圧アクチュエータ3
1により後進用クラッチ32が構成されている。
【0018】また、前記クラッチケース18内において
前記主トルク伝達軸23の側方(図4では左側)斜め下
方の位置には、逆転軸(本実施形態では、前進軸として
機能する。)33が前後方向へ前記推力軸19(及び主
トルク伝達軸23)と平行をなすように配設されてい
る。この逆転軸33はクラッチケース18の前後両壁部
に対して前後一対のコロ軸受け34を介して回転可能に
支持されている。そして、図2及び図4に示すように、
前記逆転軸33の後端部には、前記第1トルク伝達ギヤ
27と噛み合う中径の第2トルク伝達ギヤ35が前記逆
転軸33と一体回転するように焼き嵌め結合されてい
る。なお、この第2トルク伝達ギヤ35の前端側には前
記第1トルク伝達ギヤ27の場合と同様の環状壁が延設
されており、その環状壁の内周側には多数の摩擦板から
なる摩擦板仕組36が配設されている。
【0019】一方、クラッチケース18内において逆転
軸33の前端部には前記推力軸19の被動ギヤ22と噛
み合う小径の前進用ギヤ37が図示しないブッシュを介
して前記逆転軸33と相対回転するように支持されてい
る。前進用ギヤ37の後端側には前記後進用ギヤ29の
場合と同様の環状壁が延設されており、その環状壁の外
周側には前記摩擦板仕組36の各摩擦板と互い違いに入
り組む多数の鋼鉄板からなる鋼鉄板仕組38が配設され
ている。そして、この鋼鉄板仕組38と前記第2トルク
伝達ギヤ35との間には前記摩擦板仕組36と鋼鉄板仕
組38を圧接状態にして前方へ押圧可能なドーナッツ状
をなす油圧アクチュエータ39が配設され、これら摩擦
板仕組36と鋼鉄板仕組38及び油圧アクチュエータ3
9により前進用クラッチ40が構成されている。なお、
前記両クラッチ32,40のうちいずれのクラッチを前
進用及び後進用に使用するかは、当該船舶の仕様に合わ
せて適宜に選択されるものであり、場合によっては本実
施形態における前記両クラッチ32,40が後進用及び
前進用というような逆の場合もあり得る。
【0020】また、前記クラッチケース18内において
主トルク伝達軸23の前記逆転軸33とは反対側になる
側方(図4では右側)斜め下方の位置には、副トルク伝
達軸41が前後方向へ前記推力軸19(及び主トルク伝
達軸23)と平行をなすように配設されている。この副
トルク伝達軸41はクラッチケース18の前後両壁部に
対して前後一対のコロ軸受け42を介して回転可能に支
持されている。また、前記クラッチケース18の前壁部
右側には副トルク伝達軸41を挿通可能な挿通孔43が
形成されており、同挿通孔43を介して露出する副トル
ク伝達軸41の前端部が前記変速機構部15の油圧モー
タ14に作動連結されている。そして、図1,図2及び
図4に示すように、クラッチケース18内において、前
記副トルク伝達軸41の前端部には、前記推力軸19の
被動ギヤ22と噛み合う小径の第3トルク伝達ギヤ44
が前記副トルク伝達軸41と一体回転するように焼き嵌
め結合されている。
【0021】次に、前記変速機構部15について説明す
る。図1,図3及び図5に示すように、前記変速機構部
15は前端部が拡径されて開口するケース本体45内に
前記油圧ポンプ13と油圧モータ14を左右方向(図1
及び図5では上下方向、図3では紙面と直交する方向)
へ近接配置した状態で収容されている。即ち、ケース本
体45の内部には後壁部内面から前方側へ突出する隔壁
45aにより前面側を開口したポンプ室46とモータ室
47が区画形成されており、左側のポンプ室46内に油
圧ポンプ13が収容されると共に、右側のモータ室47
内には油圧モータ14が収容されている。そして、前記
隔壁45aの前端面には、前記各室46,47の前面側
開口を閉塞するようにバルブハウジング48が配置固定
されている。
【0022】また、前記ポンプ室46と対応する部位で
ケース本体45の後壁部略中央上部には前記クラッチケ
ース18の前壁部に形成された挿通孔25と対応する挿
通孔49が形成されている。また、前記モータ室47と
対応する部位でケース本体45の後壁部右側には前記ク
ラッチケース18の前壁部に形成された挿通孔43と対
応する挿通孔50が形成されている。そして、ケース本
体45は後壁部に形成された前記両挿通孔49,50が
クラッチケース18側の両挿通孔25,43と位置対応
するようにしてクラッチケース18の前壁部に対して図
示しないボルトを介して着脱可能に締付固定されてい
る。
【0023】一方、ケース本体45の前側には後端部に
開口を有するエンジンケース51が配置されており、前
記ケース本体45はフランジ状をなす前端周縁部がエン
ジンケース51の後端周縁部に対して図示しないボルト
を介して着脱可能に締付固定されている。なお、このエ
ンジンケース51内の後端部近傍には前記フライホイー
ル17が回転自在に収納されており、同フライホイール
17の後面にはラバーブロック52がフライホイール1
7と一体回転するように固定されている。
【0024】さて、前記油圧ポンプ13は固定容量のア
キシャル形ピストンポンプであり、図3及び図5に示す
ように、ポンプ軸53と、カム部材としての回転カム5
4、油圧ポンプ13の出力軸としての機能も有するシリ
ンダブロック55、及び同シリンダブロック55の後端
面から先端部が突出するように環状配列で配置される複
数本(本実施形態では7本)のプランジャ56とを備え
ている。前記ポンプ軸53は前端部から中途までが前記
バルブハウジング48を貫通する小径部53aとして形
成されると共に、中途部分が大径部53bとして形成さ
れ、中途部分から後端部までが前記大径部53bの周縁
から後方へ向けて延びる円筒壁状の側壁部53cとして
形成されている。そして、この側壁部53cの後端面に
対して前記回転カム54がボルト57にて連結固定され
ている。
【0025】前記ポンプ軸53は、小径部53aとされ
た前端部の外周面に入力継手58がスプライン結合によ
り挿通固定されており、同入力継手58はその前端縁に
形成されたフランジ部59が前記ラバーブロック52の
中央部後面に対してボルト締めにより連結固定されてい
る。前記入力継手58の後端部外周面には玉軸受け60
の内輪が一体化されており、同玉軸受け60は外輪が前
記バルブハウジング48の前面側に取付けられた受け継
手61の内周面に嵌入固定されている。なお、前記入力
継手58の外周面と受け継手61の内周面の間には公知
のシール構造が施されている。また、前記ポンプ軸53
の小径部53aの外周面においてバルブハウジング48
を貫通する部分には高圧シール部材62が介在されると
共に、前記ポンプ軸53の大径部53b前面とバルブハ
ウジング48の後面との間に形成された低圧油路形成用
の段部間にも高圧のシール部材62が介在されている。
【0026】前記回転カム54は、図6に示すように、
中央部に前記主トルク伝達軸23を挿通可能な挿通孔6
3が形成された略円盤状をなすカム部材であり、その前
面側外周縁には外周壁部64が形成され、この外周壁部
64に前記ボルト57を挿通するためのボルト穴65が
4箇所形成されている。一方、回転カム54の前面側内
周縁には前記挿通孔63の周縁に沿うように内周壁部6
6が形成され、この内周壁部66と前記外周壁部64と
の間が前記各プランジャ56の突出端との係合部位とな
るカム面67とされている。
【0027】このカム面67は、山形状の凸部カム面6
7aと谷形状の凹部カム面67bが周方向へ交互に滑ら
かに連なる環状のカム面であり、本実施形態では前記凸
部カム面67aと凹部カム面67bが45度の間隔をお
いて4つずつ交互に連続形成されている。即ち、前記カ
ム面67は、シリンダブロック55の軸線方向と直交す
る面内において複数の凹凸形状を有するカム面として構
成されている。また、回転カム54の後面には前記ケー
ス本体45における後壁部の挿通孔49と対応するボス
部68が形成されており、同ボス部68が前記挿通孔4
9に嵌入固定された玉軸受け69の内輪に圧入されてい
る。従って、前記ボルト57を介して一体連結されるこ
とで油圧ポンプ13における入力軸としての機能を有す
る前記ポンプ軸53と回転カム54は、ポンプ軸53の
小径部53aが前記玉軸受け60を介して支持されると
共に、回転カム54のボス部68が前記玉軸受け69に
支持されることにより、前記ケース本体45に対して一
体回転するように構成されている。
【0028】また、前記シリンダブロック55は、前記
ポンプ軸53の大径部53bと側壁部53c及び回転カ
ム54とにより囲み形成されるスペース内に収容配置さ
れ、同シリンダブロック55の中心に形成された中心孔
が前記主トルク伝達軸23の前端部外周にスプライン結
合により挿通支持されて同主トルク伝達軸23と一体回
転するように構成されている。また、前記各プランジャ
56は、シリンダブロック55に形成されたプランジャ
孔(本実施形態では7つのプランジャ孔が形成されてい
る。)70内に各々摺動自在に嵌合されており、常には
コイルスプリング71の付勢力により回転カム54のカ
ム面67と当接する方向へ付勢されている。従って、前
記油圧ポンプ13は、前記回転カム54の凸部カム面6
7aと凹部カム面67bの作用により、各プランジャ5
6が一定ストローク移動する固定容量の構成となってい
る。
【0029】また、前記シリンダブロック55における
各プランジャ孔70の底部には各孔70に対応して複数
(本実施形態では7つ)の小穴90が貫通形成されてい
る。そして、これら各穴90の前端側開口は前記ポンプ
軸53における大径部53bの後面にて構成される垂直
平面の摺動面53dに対して開口縁が摺接するように形
成されている。なお、前記摺動面53dには、図7に示
すように、前記回転カム54におけるカム面67の凹凸
数(本実施形態では凸部カム面67aが4つと凹部カム
面67bが4つ形成されているため合計8つ)に対応し
た数の腎臓形状(そら豆形状)をなすギドニー穴83
d,84dが円弧状配置となるように前記ポンプ軸53
の大径部53bを貫通するようにして形成されている。
【0030】前記各ギドニー穴83d,84dは、後述
する油圧閉回路85における高圧側油路83と連通する
高圧側ギドニー穴83dと低圧側油路84と連通する低
圧側ギドニー穴84dとが交互に配置された構成になっ
ている。そして、前記プランジャ56がポンプ軸53
(及び回転カム54)とシリンダブロック55との相対
回転(差動回転)に伴ってプランジャ孔70内へ没入さ
せられる吐出区間83e(図6参照)にあるとき、前記
各小穴90は高圧側ギドニー穴83dと連通するように
なっている。一方、前記プランジャ56がポンプ軸53
(及び回転カム54)とシリンダブロック55との相対
回転(差動回転)に伴ってプランジャ孔70内から突出
させられる吸入区間84e(図6参照)にあるとき、前
記各小穴90は低圧側ギドニー穴84dと連通するよう
になっている。
【0031】一方、前記油圧モータ14は可変容量のア
キシャル形ピストンモータであり、図5に示すように、
油圧モータ14の出力軸として機能するモータ軸72
と、シリンダブロック73、同シリンダブロック73に
摺動自在に配置される複数本(本実施形態では7本)の
プランジャ74、及び前記モータ室47に図示しないト
ラニオン軸を介して傾動可能に支持されるモータ斜板7
5とを備えている。前記モータ軸72は、その前端部が
前記バルブハウジング48の後面側に設けられた軸受け
部76に対して回転自在に支持されると共に、その後端
部がケース本体45後壁部の前記挿通孔50に嵌入固定
された玉軸受け77の内輪にスプライン結合されてい
る。そして、モータ軸72は、前記クラッチ機構部12
内の副トルク伝達軸41と一体回転するように、その後
端面が前記副トルク伝達軸41の前端面と当接結合され
ている。
【0032】また、前記シリンダブロック73は、その
中心孔が前記モータ軸72の外周にスプライン結合され
て同モータ軸72と一体回転するように構成されると共
に、その前端面が前記バルブハウジング48の後端面に
摺動自在に密着されている。そして、図1及び図5から
明らかなように、油圧モータ14におけるシリンダブロ
ック73は油圧ポンプ13におけるシリンダブロック5
5と軸線が平行となるように配置されている。
【0033】また、前記各プランジャ74は、シリンダ
ブロック73に形成された各プランジャ孔78内に摺動
自在に嵌合されており、常にはコイルスプリング79の
付勢力により先端部がプランジャ孔78内から突出する
方向へ付勢されている。そして、各プランジャ74の先
端部に形成された球状凹部74aには前記モータ斜板7
5の前面(即ち、斜板面)に摺接するシュープレート8
0と一体化された鋼球81が転動自在に嵌入されてい
る。従って、前記油圧モータ14は、前記トラニオン軸
を中心にしてモータ斜板75が制御手段としてのコント
ローラ82(図8参照)により傾斜角度を変更制御され
ることで、各プランジャ74の移動ストロークが変化し
て容量が増減する構成となっている。
【0034】図5に示すように、前記油圧ポンプ13と
油圧モータ14は、高圧側油路83と低圧側油路84と
を有する油圧閉回路85を介して相互に連通されてい
る。即ち、油圧ポンプ13側において前記ポンプ軸53
の大径部53bにはシリンダブロック55の吐出行程に
あるプランジャ孔70から吐出された高圧の作動油がギ
ドニー穴83dを介して流入する油路83aがポンプ軸
53の径方向へ放射状に形成されている。また、同油路
83aに連続して小径部53aにはポンプ軸53の軸方
向へ延びた後に径方向へ延びて小径部53aの外周面に
至る油路83bが形成されている。そして、同油路83
bは、小径部53aの外周面において前後一対の前記高
圧シール部材62により前後両側をシールされた乗り移
り部を介してバルブハウジング48内に形成された油路
83cに連通され、同油路83cが前記油圧モータ14
側のシリンダブロック73の吸入行程にあるプランジャ
孔78に連通されている。従って、本実施形態では、こ
れら各油路83a〜83cにより油圧ポンプ13側から
油圧モータ14側へ連なる高圧側油路83が構成されて
いる。
【0035】また、前記バルブハウジング48内には前
記油圧モータ14側のシリンダブロック73の吐出行程
にあるプランジャ孔78に連通する油路84aが形成さ
れており、同油路84aはバルブハウジング48の後面
とポンプ軸53の大径部53bの前面との間の間隙によ
り小径部53a周りに形成される円環状の油路84bに
連通されている。そして、同油路84bは前記大径部5
3bにその厚さ方向及び径方向に屈曲して前後方向から
見た場合に放射状をなすように形成された油路84cを
介して油圧ポンプ13側のシリンダブロック55の吸入
行程にあるプランジャ孔70にギドニー穴84dを介し
て連通されている。従って、本実施形態では、これら各
油路84a〜84cにより油圧モータ14側から油圧ポ
ンプ13側へ連なる低圧側油路84が構成されている。
【0036】また、前記バルブハウジング48内には前
記高圧側油路83と低圧側油路84との間を短絡するバ
イパス回路86が形成され(図8参照)、同バイパス回
路86には前記コントローラ82により開閉制御される
圧力制御弁87が設けられている(図8参照)。そし
て、この圧力制御弁87が開放されると、前記バイパス
回路86を介して作動油が前記高圧側油路83から低圧
側油路84へ流れ込み、前記油圧モータ14を経由せず
に油圧閉回路85内を作動油が循環するようになってい
る。
【0037】なお、前記高圧側油路83内の油圧は図示
しない油圧センサにより検出され、その検出信号は前記
コントローラ82に入力される。また、前記圧力制御弁
87の開弁圧は、加速時やトローリング時等の各航走状
態毎にコントローラ82により適宜に設定される。即
ち、前記コントローラ82は、図示しない操作手段(例
えば、トローリングレバー)や各センサ(油圧センサ、
エンジン回転数センサ及びプロペラ回転数センサ等)か
らの信号に基づき、各航走状態毎に、エンジンE及び動
力伝達機構11等を含めた動力伝達系システムにとって
最適な値(所定の圧力となるように前記開弁圧を設定す
る。
【0038】さらに、図4に示すように、前記クラッチ
ケース18内において副トルク伝達軸41は主トルク伝
達軸23よりも斜め下方の位置に配置されている。従っ
て、変速機構部15においても、前記副トルク伝達軸4
1と同一軸線上で連結されるモータ軸72は、前記主ト
ルク伝達軸23と同一軸線上でシリンダブロック55に
連結されるポンプ軸53の配設位置よりも斜め下方に配
設されることになる。そのため、図5においては、変速
機構部15の断面図示内容に一部破断線を入れること
で、油圧ポンプ13と油圧モータ14の両者の高さ方向
の配置関係に違いがあることを示している。なお、前述
したように、変速機構部15においては、ケース本体4
5内に油圧ポンプ13と油圧モータ14が一体収容され
ている構成のため、変速機構部15はケース本体45単
位(ユニット単位)で取り扱い可能な形態とされ、前記
舶用推進装置の動力伝達機構11に対しては必要に応じ
てユニットとしてのケース本体45単位で着脱自在な構
成とされている。
【0039】次に、前記のように構成した本実施形態に
係る動力伝達機構11の作用について説明する。さて、
水上を一定の速度で航走する通常航走時には、エンジン
Eの回転駆動力がフライホイール17等を介してポンプ
軸53に伝達されると、油圧ポンプ13ではポンプ軸5
3と一体的に回転カム54が回転する。なお、その際、
前記バイパス回路86の圧力制御弁87はコントローラ
82の制御に基づき開弁圧が最大値に設定された状態に
ある。また、前記モータ斜板75はモータ軸72の軸線
に対して斜板面が垂直位置の中立状態にある。従って、
この状態では前記油圧閉回路85内を作動油が循環しな
いため、油圧モータ14側において前記モータ軸72が
回転することはなく、そのため副トルク伝達軸41が回
転駆動されることもない。一方、油圧ポンプ13側にお
いては各プランジャ56の突出端がストローク運動をし
ない状態で回転カム54のカム面67に対して当接係合
するため、前記シリンダブロック55とポンプ軸53と
は直結状態となって一体回転する。
【0040】従って、この状態では前記油圧モータ14
が回転駆動されずに油圧ポンプ13のみが回転駆動され
るため、プロペラ回転軸16に対しては、前記ポンプ軸
53及び主トルク伝達軸23等からなる主トルク伝達経
路を介してのエンジントルクのみが伝達される。そし
て、この状態においてエンジンEの回転数が上昇すると
加速航走状態となり、トローリングレバーの操作に基づ
く目標プロペラ回転数と適合するようにエンジンEの回
転数が降下するとトローリング航走状態となる。そし
て、当該船舶が航走時において、例えば加速航走状態又
はトローリング航走状態等になると、コントローラ82
は、前記圧力制御弁87を開閉制御する際の基準、即
ち、前記開弁圧に関して以下のような設定を行う。
【0041】まず、加速航走状態における開弁圧設定に
ついて図9に基づき説明すると、この加速航走状態にあ
っては、次のような事項が開弁圧設定の前提となる。即
ち、一般に、加速時においてエンジン回転数Nが未だ低
速域や中速域の回転数N1,N2のときには、プロペラ
P側からエンジンE側に過大な負荷をかけたくないとい
う要請がある。その一方、加速時において機関出力(ト
ルク)Tは、エンジン回転数Nの上昇に伴い累進的に増
加した後、その実用最大回転数に達すると限界出力とな
り、それ以後は減少し始めるという傾向がある。そし
て、前記ポンプ軸53とシリンダブロック55とが直結
状態とされて一体回転する加速時には、前記油圧閉回路
85における高圧側油路83内の最高油圧が前記機関出
力(トルク)Tの変化を示すトルク曲線Taの上昇曲線
部分と略同様の変化度合い(変遷状況)で上昇するとい
うことも知られている。
【0042】そこで、加速航走状態時における開弁圧P
の設定軌跡Paに関しては、図9に示すように、エンジ
ン回転数Nが実用最大回転数近くの回転数NTになるま
では前記トルク曲線Taの上昇曲線部分と略一致するよ
うに低速域から中速域にかけての開弁圧P(P1,P2
…)が設定される。そして、更にエンジン回転数Nが上
昇して前記回転数NTまで至り、エンジンEに対してト
ルクが十分に掛けられるようになった後には、前記トル
ク曲線Taよりも高水準のところで通常航走状態時にお
ける開弁圧(Pmax)と同水準の一定圧力で維持され
るように、前記開弁圧Pの設定軌跡Paは設定される。
【0043】また、トローリング時のような微速航走状
態時における開弁圧の設定の場合は、まずトローリング
レバーの操作に基づき目標プロペラ回転数が設定され
る。そのため、コントローラ82は、プロペラ回転軸1
6の回転数が当該目標プロペラ回転数となるように、プ
ロペラ回転数センサの検出結果とエンジン回転数センサ
の検出結果とに基づき、エンジンEの回転数をフィード
バック制御する。そして、その際に、前記トローリング
レバーのレバー位置(目標プロペラ回転数をいくらにす
るかで異なる)とエンジン回転数の変化状況およびプロ
ペラ回転数の変化状況が各々対応するセンサからフィー
ドバックされることにより、コントローラ82は、当該
航走状態における前記高圧側油路83内の最高油圧の変
遷状況と対応するように前記開弁圧を適宜に設定する。
【0044】ちなみに、前記コントローラ82は、船舶
が一定速度で航走中の通常航走時には、前記圧力制御弁
87の開弁圧を最大値に設定しており、前記バイパス回
路86を介して作動油が低圧側油路84へ流れないよう
にしている。そして、この通常航走時には、前述したよ
うに、前記加速航走状態時における高速域での開弁圧
(Pmax)と同水準の一定圧力が通常航走状態時にお
ける開弁圧として設定される。
【0045】従って、コントローラ82は、当該船舶が
現在どの航走状態時であるかを判別すると、その判別し
た航走状態において使用することとなる開弁圧を前述し
たように設定する。そして、その航走状態において前記
油圧閉回路85における高圧側油路83内の油圧が上昇
し、当該航走状態に対応して設定された前記開弁圧に達
すると、圧力制御弁87が開放し、作動油がバイパス回
路86を経て油圧閉回路85内を循環する。その結果、
油圧は圧力制御弁87の開放時点での油圧、即ち、当該
航走状態時における油圧閉回路85の最適油圧でもある
最高油圧に維持される。この意味で、前記圧力制御弁8
7は油圧閉回路85においてトルクリミッタとしての機
能を果たすものである。
【0046】また、前記作動油の循環に基づき、油圧ポ
ンプ13側ではシリンダブロック55が各プランジャ5
6の突出端を前記カム面67上に摺接係合させながら回
転カム54に対して差動回転(相対回転)することにな
る。すると、前記各プランジャ56が、シリンダブロッ
ク55と回転カム54との相対回転に伴い前記カム面6
7上を摺接係合(すべり係合)しながらシリンダブロッ
ク55の軸線を中心にして周回移動するため、前記カム
面67の凸部カム面67aと凹部カム面67bの作用に
より前後方向へ一定のストローク運動を行う。
【0047】即ち、前記カム面67における吐出区間8
3eと摺接係合する際には同区間83eにおけるカム面
67からの押圧力を受けて没入方向へ移動する吐出行程
となり、プランジャ孔70内から高圧の作動油をシリン
ダブロック55内の前記油路83aへ吐出する。一方、
前記カム面67における吸入区間84eと摺接係合する
際にはコイルスプリング71に付勢されて突出方向へ移
動する吸入行程となり、シリンダブロック55内の前記
油路84cからプランジャ孔70内へ低圧の作動油を吸
入する。
【0048】なお、その際において、本実施形態では油
圧ポンプ13の各プランジャ56の突出端が摺接係合す
る回転カム54のカム面67には凸部カム面67aと凹
部カム面67bが都合4つ連続形成されている。そのた
め、プランジャの各突出端が摺接係合する斜板面が一様
平面に形成された構成の斜板の場合と異なり、シリンダ
ブロック55が1回転する間に吐出行程と吸入行程を行
うプランジャ数は4倍となる。従って、油圧ポンプ13
は、前記回転カム54が単なる斜板で構成されている場
合よりも、シリンダブロック1回転当たりの吐出容量が
増加する。
【0049】そして特に、前記吐出行程においては、コ
イルスプリング71の付勢力と油路83aへプランジャ
孔70内から作動油を吐出する際の圧力との双方に逆ら
って前記カム面67の吐出区間83eがプランジャ56
の突出端を没入方向へ押圧することになる。そのため、
この押圧時の摺動抵抗が作用してポンプ軸53と共に回
転する回転カム54側からシリンダブロック55側へト
ルク伝達が行われ、その伝達トルクはシリンダブロック
55に連結された主トルク伝達軸23に伝達される。従
って、この伝達トルクに基づき主トルク伝達軸23がク
ラッチ機構部12内において回転し、その回転駆動力は
第1トルク伝達ギヤ27から第2トルク伝達ギヤ35を
介して逆転軸33へ伝達される。
【0050】なお、前記シリンダブロック55の各プラ
ンジャ56が回転カム54のカム面67上を摺接係合
(すべり係合)することにより、ポンプ軸53と主トル
ク伝達軸23とは相対回転(差動回転)することになる
が、その際の相対回転数比は、各航走状態において異な
っている。例えば、加速時においては、入力軸としての
ポンプ軸53及び回転カム54の回転数(即ち、エンジ
ン回転数に相当する)が2000回転/分とした場合、
出力軸としてのシリンダブロック55の回転数は150
0回転/分となる。一方、トローリング時では、前記入
力軸側の回転数を1000回転/分とした場合、出力軸
側の回転数は100回転/分となる。
【0051】つまり、加速航走状態においては、圧力制
御弁87の開弁圧を前記トルク曲線Taに沿った設定と
することにより、プロペラ回転軸16への動力伝達を抑
制しつつ、エンジンEの回転数を速やかに上昇させ、負
荷を掛けられる状態とする。また、トローリング航走状
態においては、トローリングレバーの操作に対応して圧
力制御弁87の開弁圧を小さく設定し、圧力制御弁87
を開き易くすることで、エンジン回転数による動力伝達
力をバイパス回路86を介した作動油の循環で消費し、
プロペラ回転軸16への動力伝達を抑制する。従って、
例えばイカ釣り漁の灯船等においても、油圧クラッチ3
2,40を何ら大きなすべり状態とすることなく、エン
ジン回転数をある程度高く維持したままで微速航走が可
能とされる。
【0052】ここで、作動油ポンプ26からの圧油が前
進用クラッチ40に供給されている場合(即ち、後進用
クラッチ32が分離状態とされている場合)には、前記
作動油ポンプ26からの圧油を受けて前進用クラッチ4
0の油圧アクチュエータ39が摩擦板仕組36及び鋼鉄
板仕組38を圧接状態にして前方へ押圧する。そのた
め、前進用クラッチ40が直結状態とされ、前記逆転軸
33の回転駆動力は摩擦板仕組36から鋼鉄板仕組38
に伝達されて前進用ギヤ37が回転し、同ギヤ37と噛
み合う被動ギヤ22が回転することにより、推力軸19
は前進方向に回転駆動されることになる。
【0053】なお、本実施形態では、前記変速機構部1
5の圧力制御弁87を開閉制御することにより油圧ポン
プ13の回転カム54とシリンダブロック55を差動回
転(相対回転)させてエンジンEからプロペラ回転軸1
6への動力伝達を調整する構成としている。そして、前
記各油圧クラッチ32,40は前進又は後進の切り替え
装置としての機能を果たしている。また、作動油ポンプ
26からの圧油が後進用クラッチ32に供給されている
場合には、前記とは逆に、前進用クラッチ40が分離状
態とされる一方、後進用クラッチ32が直結状態とされ
る。従って、主トルク伝達軸23の回転駆動力が摩擦板
仕組28から鋼鉄板仕組30に伝達されて後進用ギヤ2
9が回転し、同ギヤ29と噛み合う被動ギヤ22が回転
することにより、推力軸19及びプロペラ回転軸16は
後進方向に回転駆動されることになる。
【0054】また、本実施形態の動力伝達機構11にあ
っては、前記圧力制御弁87がコントローラ82の制御
に基づき開弁圧を最大値に設定された状態においてモー
タ斜板75が中立状態から傾斜させられると、油圧モー
タ14側においては各プランジャ74のストローク運動
が許容されることになる。そのため、油圧ポンプ13側
でも各プランジャ56のストローク運動が許容され、そ
の結果、前記油圧閉回路85内には作動油の循環が発生
する。すると、この作動油の循環に伴い油圧ポンプ側1
3ではシリンダブロック55が各プランジャ56の突出
端を前記カム面67上に摺接係合させながら回転カム5
4に対して差動回転(相対回転)する。また、油圧モー
タ14側でも各プランジャ74がモータ斜板75の傾斜
した斜板面に案内されてモータ斜板75方向へのストロ
ーク運動を許容されつつ回転し、これに伴いシリンダブ
ロック73も回転する。
【0055】従って、前記油圧ポンプ13側ではシリン
ダブロック55と共に主トルク伝達軸23が一体回転す
るため、この主トルク伝達軸23及びポンプ軸53等か
らなる主トルク伝達経路を介してのプロペラ回転軸16
へのトルク伝達が可能とされる。一方、油圧モータ14
側ではシリンダブロック73と共にモータ軸72が回転
し、モータ軸72に連結された副トルク伝達軸41も回
転するため、この副トルク伝達軸41及びモータ軸72
等からなる副トルク伝達経路を介してのプロペラ回転軸
16へのトルク伝達も可能とされる。
【0056】従って、本実施形態に係る動力伝達機構1
1によれば、次のような効果を奏する。 (1)航走時において油圧閉回路85の高圧側油路83
内の油圧が圧力制御弁87について設定された開弁圧に
達すると、同圧力制御弁87が開放されて作動油の循環
が発生する。そのため、前記油圧閉回路85内の高圧側
油路83の油圧をエンジンE及び動力伝達機構11等を
含めた動力伝達系システムにとって、適宜、最適な値に
設定することによって、システム全体にとって良好な航
行状態を実現することができる。
【0057】(2)また、前記圧力制御弁87の開弁圧
を加速航走状態やトローリング航走状態等の各航走状態
毎に設定することで、各種航走状態毎に良好な航行状態
を実現できる。即ち、加速航走時にはエンジンEが低速
回転から高速回転に達するまでは各エンジン回転数に対
応した開弁圧とすることにより、作動油がバイパス回路
86を介して循環することでエンジンEからの回転エネ
ルギを消費し、動力伝達力を制限してエンジン回転数を
素早く立ち上げることができる。また、トローリング航
走時には開弁圧設定値をずっと小さく設定することで、
作動油をよりバイパスさせ易くし、エンジンEをある程
度の高回転に保ったままでトローリング航走を実現でき
る。
【0058】(3)しかも、前記圧力制御弁87の開弁
圧はエンジン回転数センサ及びプロペラ回転数センサの
各検出結果に基づきコントローラ82が各航走状態にお
いてフィードバック制御により設定するため、当該航走
状態の変遷状況に応じて適宜に対応でき、より一層確実
に良好な操船具合と航走力を確保できる。
【0059】(4)また、例えば加速時には、前記圧力
制御弁87の開放制御に伴い作動油の循環が始まると、
油圧ポンプ13における前記プランジャ56とカム面6
7とが小さな摺動抵抗でもって摺接係合する。そのた
め、その状態で加速力を得るべくエンジンEの回転数を
上昇させた際には、ポンプ軸53からプロペラ回転軸1
6への伝達負荷が少なくなり、加速時にエンジンEに過
大な負荷が加わることを防止できる。その結果、エンジ
ンEの回転数のみを低負荷状態で速やかに上昇させるこ
とができ、排気色も黒くならないので船体の汚損を招く
ことなく、航走速度を迅速にアップできる。
【0060】(5)また、例えばトローリング時のよう
な低速低負荷時には、前記圧力制御弁87の開放制御に
伴い作動油の循環が始まると、油圧ポンプ13における
前記プランジャ56とカム面67とが更に小さな摺動抵
抗でもって摺接係合する。そのため、従来と異なり油圧
クラッチ32,40をすべり状態にしなくても、エンジ
ントルクの変動及びガラ音の発生を容易且つ確実に防止
できると共に、エンジンEをある程度の高回転に保った
まま、油圧クラッチ32,40の焼損を防止して良好な
操船状態を維持できる。
【0061】(6)さらに、変速機構部15の油圧ポン
プ13では、回転カム54のカム面67が山形状をなす
凸部カム面67aと谷形状をなす凹部カム面67bが周
方向へ交互に複数(本実施形態では4つ)滑らかに連な
る環状のカム面とされているので、同カム面67と摺接
係合してストローク運動する各プランジャ56のシリン
ダ1回転当たりのストローク数を複数倍(本実施形態で
は4倍)にすることができる。従って、小径のプランジ
ャ孔70であっても吐出容量を多く確保でき、その結
果、シリンダブロック55を小型化でき装置構成のコン
パクト化に寄与できる。
【0062】(8)変速機構部15において油圧ポンプ
13と油圧モータ14の間を油圧閉回路85により作動
連結したので、油圧ポンプ13におけるシリンダブロッ
ク55と回転カム54とを差動回転(相対回転)させる
ことにより、前記油圧閉回路85内を循環する作動油を
介して油圧モータ14において第2トルク伝達経路用の
エンジントルクに容易に変換することができる。
【0063】なお、前記実施形態は次のような別例に変
更して具体化してもよい。 ・ 前記実施形態では、第1油圧装置としての油圧ポン
プ13と第2油圧装置としての油圧モータ14の間に油
圧閉回路85を設け、同回路85の高圧側油路83と低
圧側油路84との間に圧力制御弁87を有するバイパス
回路86を設けたが、副トルク伝達経路を介してのトル
ク伝達を必要なしとするならば、特に、油圧モータ14
は設けなくてもよい。この場合は、油圧ポンプ13の吸
入側及び吐出側を繋ぐ油圧閉回路を設け、同回路に前記
圧力制御弁87を設ければよい。
【0064】・ 前記実施形態では、エンジンE側から
のトルク伝達を主トルク伝達軸23等からなる主トルク
伝達経路と副トルク伝達軸41等からなる副トルク伝達
経路の二系統の経路を介してプロペラP側へ伝達するよ
うにしたが、これを副トルク伝達経路からのみ伝達され
るようにしてもよい。即ち、油圧ポンプ13においてシ
リンダブロック55と主トルク伝達軸23との連結を解
除し、油圧ポンプ13の吐出動作に基づき回転駆動され
る油圧モータ14の出力軸(モータ軸72)を副トルク
伝達軸41等を介してプロペラ回転軸16に作動連結す
ることにより、いわゆるHST(ハイドロスタティック
トランスミッション)として構成してもよい。
【0065】・ 前記実施形態では、航走時にコントロ
ーラ82が当該航走状態に応じて、その都度、エンジン
回転数センサ等からの検出結果に基づいて圧力制御弁8
7の開弁圧を設定していたが、各航走状態毎にエンジン
回転数やプロペラ回転数との関連性を考慮した開弁圧マ
ップを予め作成しておき、そのような開弁圧マップをコ
ントローラ82に格納記憶させておいてもよい。
【0066】・ 前記実施形態では、加速時及びトロー
リング時において、エンジン回転数及びプロペラ回転数
の双方の検出結果をコントローラ82にフィードバック
して各航走状態に応じた開弁圧設定を行っていたが、加
速時にはエンジン回転数の検出結果のみに基づき設定し
てもよく、トローリング時にはプロペラ回転数の検出結
果のみに基づき設定してもよい。
【0067】・ 前記実施形態では、前記圧力制御弁8
7の開弁圧を、通常航走状態時と加速航走状態時及びト
ローリング航走状態時の3種類の航走状態時について設
定したが、設定する航走状態の種類数は何種類でもよ
く、また、減速航走状態時などその他の航走状態時につ
いて設定することも可能である。
【0068】・ 前記実施形態では、回転カム54のカ
ム面67に凸部カム面67aと凹部カム面67bが4つ
ずつ形成された構成としていたが、シリンダブロック5
5の1回転当たりのプランジャストローク数を増加する
ためには、4つに限定されるものではなく、2つ以上の
複数ずつ形成した構成としてもよい。また、前述したプ
ランジャストローク数の増加を図る必要がない場合に
は、前記凸部カム面67aと凹部カム面67bは1つず
つ設けられた構成であってもよい。
【0069】・ 前記実施形態では、回転カム54とポ
ンプ軸53が一体回転すると共に、シリンダブロック5
5と主トルク伝達軸23が一体回転する構成としたが、
回転カム54が主トルク伝達軸23と一体回転すると共
に、シリンダブロック55がポンプ軸53と一体回転す
る構成としてもよい。
【0070】・ 前記実施形態では、カム部材を複数の
凹凸形状をなすカム面67が環状に形成された回転カム
54により構成したが、シリンダブロック55との差動
回転(相対回転)時に各プランジャ56にストローク運
動を付与するカム面を有するならば、モータ斜板75の
ような斜板により構成してもよい。
【0071】・ 前記実施形態では、油圧ポンプ13を
固定容量の油圧装置とすると共に、油圧モータ14を可
変容量の油圧装置としたが、油圧ポンプ13を可変容量
にすると共に油圧モータ14を固定容量にしてもよく、
又、両者13,14を共に可変容量にして構成してもよ
い。
【0072】・ 前記実施形態では、油圧ポンプ13の
出力軸たるシリンダブロック55と油圧モータ14の出
力軸たるモータ軸72の両方をプロペラ回転軸16に作
動連結していたが、前記シリンダブロック55又はモー
タ軸72のいずれか一方のみをプロペラ回転軸16に作
動連結する構成としてもよい。
【0073】次に、前記実施形態及び別例から把握でき
る請求項に記載した発明以外の技術的思想について、そ
の効果と共に以下に記載する。 (イ) 前記カム部材は、前記プランジャ群の各突出端
との係合部位がシリンダブロックの軸線方向と直交する
面内において複数の凹凸形状を有するカム面とされて当
該カム面がシリンダブロックの軸線を中心にして環状に
連続形成されている請求項4に記載の舶用油圧式動力伝
達装置。このようにすれば、油圧装置におけるシリンダ
ブロックの1回転当たりプランジャストローク数を増加
させることができ、小径のプランジャ孔でも吐出容量を
多くかせげるので、シリンダブロックの小型化を通じて
油圧装置のコンパクト化を図ることができる。
【0074】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、トルクリミッ
タ機能を発揮させることにより、エンジンからプロペラ
回転軸への動力伝達を適宜に調整することができ、エン
ジン及び動力伝達機構等を含めた動力伝達系全体として
最適な稼働状態を実現することができる。
【0075】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、各航走状態に応じた最適な動力伝達を
実現できる。請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2の発明の効果に加えて、当該航走状態においてエ
ンジン回転数等が変動した場合でも、トルクリミッタ機
能を確実に発揮できる。
【0076】請求項4の発明によれば、請求項1〜請求
項3のうち何れか一項の発明の効果に加えて、プランジ
ャ群の突出端とカム部材との間がすべり係合状態となっ
て、トルク伝達経路を直結状態から相対回転によるトル
ク伝達状態とするので、エンジン側からプロペラ側への
動力伝達の調整を確実に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における動力伝達機構の一部を示
す全体概略平断面図。
【図2】 クラッチ機構部の平断面図。
【図3】 動力伝達機構の縦断面図。
【図4】 クラッチ機構部における各ギヤの噛み合い関
係を示す断面図。
【図5】 変速機構部の平断面図。
【図6】 回転カムの斜視図。
【図7】 ポンプ軸を大径部側から見た側面図。
【図8】 トルク伝達経路の概略説明図。
【図9】 加速航走状態時に対応した開弁圧設定軌跡の
説明図。
【符号の説明】
11…動力伝達機構、 12…クラッチ機構部、 13
…油圧ポンプ、14…油圧モータ、 15…変速機構
部(舶用油圧式動力伝達装置)、16…プロペラ回転
軸、18…クラッチケース、 53…ポンプ軸、54…
回転カム(カム部材)、55…シリンダブロック、56
…プランジャ、67…カム面、 85…油圧閉回
路、 87…圧力制御弁、E…舶用エンジン、
P…舶用プロペラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常陸 純一 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーディーゼル株式会社内 Fターム(参考) 3J053 AA01 AB02 AB14 AB32 AB46 DA06 FC01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舶用エンジンの駆動力に基づき回転駆動
    して吐出動作可能な油圧装置を備え、同油圧装置の出力
    軸を舶用プロペラの回転軸に作動連結すると共に、前記
    油圧装置に接続された油圧閉回路には当該回路内油圧の
    所定の圧力に対応して開弁する圧力制御弁を設けた舶用
    油圧式動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力制御弁の開弁圧は、複数種の航
    走状態毎に、各航走状態時における前記所定の圧力に応
    じて各々設定される請求項1に記載の舶用油圧式動力伝
    達装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力制御弁の開弁圧は、前記舶用エ
    ンジンの回転数検出結果及び前記舶用プロペラの回転数
    検出結果のうち少なくとも何れか一方の検出結果に基づ
    き制御手段により設定される請求項1又は請求項2に記
    載の舶用油圧式動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 前記油圧装置には、その装置が有するシ
    リンダブロックに摺動自在に嵌合してシリンダブロック
    の端面から一端が突出する環状配列のプランジャ群と、
    同プランジャ群の各突出端に係合した状態でシリンダブ
    ロックの軸線を中心にして回転可能なカム部材が設けら
    れており、前記油圧閉回路内の油圧が前記圧力制御弁の
    開弁圧に達したとき同圧力制御弁が開放することによ
    り、前記プランジャ群の各突出端とカム部材との間がす
    べり係合状態とされてシリンダブロックとカム部材とが
    相対回転する構成とされている請求項1〜請求項3のう
    ち何れか一項に記載の舶用油圧式動力伝達装置。
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Cited By (4)

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