JP2015081054A - 変速機切換制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の変速ギヤを備えた減速機に対して安全に素早く変速ギヤを切り換えることが可能な変速機切換制御装置及び変速機切換方法を提供する。【解決手段】操縦ハンドル15が前進低速領域から前進高速領域に操作されると、制御部は、プロペラ回転が前進190[min−1]である場合に、前進低速クラッチ83Aを脱離して、その後、前進高速クラッチ83Bを嵌入する。操縦ハンドル15が前進高速領域から前進低速領域に操作されると、制御部は、エンジン回転数が550[min−1]未満である場合に前進高速クラッチ83Bを脱離する。そして、制御部は、プロペラ回転が前進140[min−1]である場合に前進低速クラッチ83Aを嵌入する。【選択図】図2

Description

本発明は、変速比の異なる複数の変速ギヤのいずれかを介して原動機の回転力をプロペラに伝達する船舶用変速機に対して前記変速ギヤの切換制御を行う変速機切換制御装置及び変速機切換方法に関する。
プロペラを回転駆動させて船舶を推進させる推進装置として、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の出力軸から回転力を得て前記プロペラを回転させる構成が公知である。この種の推進装置は、内燃機関の出力軸に減速機を介してプロペラ軸が連結されており、内燃機関から得られた回転力が減速機を介してプロペラに伝達されるように構成されている。エンジンテレグラフ信号などの船速信号に応じて内燃機関がガバナによって制御されることによりプロペラは任意の回転速度に変更される。
前記推進装置に用いられる前記減速機として、低速且つ高トルクで船舶を運航させるべく、前進側の減速比を2段に切り換えることができるように構成された減速機が公知である(特許文献1及び特許文献2参照)。また、特許文献3には、前進を2段に変速可能な減速機に対して、油圧クラッチを制御してエンジンの運転状態に応じて前進1速又は前進2速に切り換えることができる油圧制御方法が開示されている。また、特許文献4には、小減速クラッチと大減速クラッチとを備えた減速機に対して、小減速クラッチが嵌入している状態で、機関回転速度が設定回転速度以上になった場合に大減速側へ切換できないように制御する制御装置が開示されている。また、特許文献4には、従来技術として、オペレータの変速操作によって機関回転速度が設定回転速度になった場合に、その回転速度に見合った減速段となるように減速機を自動的に制御することが開示されている。
特開平8−200405号公報 特開2002−48199号公報 特開平10−291496号公報 特開平5−149420号公報
しかしながら、前掲の各特許文献に記載の従来の技術では、変速比の切換後にエンジンにかかる負荷の増加や黒煙の発生を防止するため、或いはクラッチや変速ギヤの破損などを防止するために、例えば、低速ギヤの1速から高速ギヤの2速に切り換えられる際に、エンジンの回転速度がアイドリング回転速度などの十分に低い回転速度に下げられる。このため、従来の技術は、操舵室から船速指令が出力されてから実際に減速機が変速されるまでに時間がかかり、応答性が悪いという問題がある。また、従来の技術は、操縦士の操船操作に対して船舶が素早く追従しないため、操船性が悪いという問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の変速ギヤを備えた減速機に対して安全に素早く変速ギヤを切り換えることが可能な変速機切換制御装置及び変速機切換方法を提供することである。
(1) 本発明は、変速比の異なる複数の変速ギヤのいずれかを介して原動機の回転力をプロペラに伝達する船舶用変速機に対して前記変速ギヤの切換制御を行う変速機切換制御装置である。この変速機切換制御装置は、第1検知手段と、第2検知手段と、ギヤ切換制御手段とを備える。前記第1検知手段は、前記原動機の回転速度を検知する。前記第2検知手段は、前記プロペラの回転速度を検知する。前記ギヤ切換制御手段は、いずれかの変速ギヤを介して前記原動機の回転力が前記プロペラに伝達された状態で船舶の操縦装置から切換信号が入力されたときに、前記第1検知手段により検知された前記原動機の回転速度及び前記第2検知手段によって検知された前記プロペラの回転速度に基づいて他の変速ギヤに切り換える。
このように構成されているため、原動機の回転速度及び船舶のプロペラの回転速度の双方に基づいて前記ギヤ切換制御手段による変速ギヤの切換が行われる。これにより、必要以上に原動機の回転速度を低下させることなく、安全にしかも素早く前記減速機の変速ギヤを切り換えることが可能になる。
(2) 前記複数の変速ギヤは、低速回転時に用いられる第1変速ギヤと、高速回転時に用いられる第2変速ギヤである。この場合、前記ギヤ切換制御手段は、前記第1変速ギヤから前記第2変速ギヤへの切換信号が入力されたときに、前記プロペラの回転速度が予め定められた第1回転速度以上であることを条件に、前記第1変速ギヤを脱離し前記第2変速ギヤを嵌入する。
これにより、第1変速ギヤから第2変速ギヤに切換可能な程にプロペラの回転速度が十分に上昇している場合は、原動機の回転速度を低下させずに変速ギヤが切り換えられる。これにより、第1変速ギヤから第2変速ギヤに切り換えて船速を増速させる場合でも、安全にしかも素早く変速ギヤが切り換えられる。
(3) 前記第1回転速度は、前記第2変速ギヤによって前記原動機が前記プロペラに伝達可能な下限回転数に対応する前記プロペラの回転速度であることが好ましい。
(4) 本発明の変速機切換制御装置は、前記プロペラの回転速度が前記第1回転速度未満である場合に前記原動機の回転速度を増速させる増速制御手段を更に備える。この場合、前記ギヤ切換制御手段は、前記増速制御手段による増速によって前記プロペラの回転速度が前記第1回転速度以上となったことを条件に、前記第1変速ギヤを脱離し前記第2変速ギヤを嵌入する。
これにより、前記プロペラの回転速度が前記第1回転速度未満であっても、前記第1回転速度まで増速されるため、前記原動機をアイドリング回転速度まで低下させることなく、前記ギヤ切換制御手段は、安全でしかも素早く変速ギヤを切り換えることができる。
(5) 前記複数の変速ギヤは、船舶の低速航行時に用いられる第1変速ギヤと、船舶の高速航行時に用いられる第2変速ギヤである。この場合、前記ギヤ切換制御手段は、前記第2変速ギヤから前記第1変速ギヤへの第2切換信号が入力されたときに、前記原動機の回転速度が予め定められた第2回転速度未満であることを条件に前記第2変速ギヤを脱離し、更に前記プロペラの回転速度が予め定められた第3回転速度未満であることを条件に前記第1変速ギヤを嵌入する。
このように構成されているため、第2変速ギヤを脱離可能な程に原動機の回転速度が十分に低下している場合に第2変速ギヤが脱離される。そして、変速ギヤが嵌入されていない状態でプロペラの回転速度が徐々に低下して、第1変速ギヤを嵌入可能な前記第3回転速度未満になると、前記第1変速ギヤが嵌入される。これにより、第2変速ギヤから第1変速ギヤに切り換えて船速を減速させる場合でも、安全にしかも素早く変速ギヤが切り換えられる。
(6) 前記第2回転速度は、前記第1変速ギヤ又は前記第2変速ギヤが嵌入又は脱離可能な前記原動機の上限回転速度であることが好ましい。また、前記第3回転速度は、前記第1変速ギヤによって前記原動機が前記プロペラに伝達可能な下限回転速度に対応する前記プロペラの回転速度であることが好ましい。
(7) 本発明の変速機切換制御装置は、前記原動機の回転速度が前記第2回転速度以上である場合に前記原動機の回転速度を減速させる減速制御手段を更に備える。この場合、前記ギヤ切換制御手段は、前記減速制御手段による減速によって前記原動機の回転速度が前記第2回転速度未満となったことを条件に前記第2変速ギヤを脱離する。
これにより、前記原動機の回転速度が前記第2回転速度以上であっても、前記第2回転速度未満まで減速されるため、素早く第2減速ギヤを脱離させることができる。
(8) 本発明は、変速比の異なる複数の変速ギヤのいずれかを介して原動機の回転力をプロペラに伝達する船舶用変速機に対して前記変速ギヤの切換制御を行う変速機切換方法である。この変速機切換方法は、第1ステップと、第2ステップとを含む。前記第1ステップは、いずれかの変速ギヤを介して前記原動機の回転力が前記プロペラに伝達された状態で船舶の操縦装置から切換信号が入力されたときに、前記原動機の回転速度及び前記プロペラの回転速度を検知する。前記第2ステップは、前記第1ステップにより検知された前記原動機の回転速度及び前記プロペラの回転速度に基づいて他の変速ギヤに切り換える。
このような変速機切換方法であっても、必要以上に原動機の回転速度を低下させることなく、安全にしかも素早く前記減速機の変速ギヤを切り換えることが可能になる。
また、上述の変速機切換制御装置において、前記複数の変速ギヤは、船舶の前進低速航行時に用いられる第1変速ギヤと、船舶の前進高速航行時に用いられる第2変速ギヤと、船舶の後進航行時に用いられる第3変速ギヤであり、前記ギヤ切換制御手段は、前記第2変速ギヤから前記第3変速ギヤへの第3切換信号が入力されたときに、前記第2変速ギヤの脱離後に前記第1変速ギヤの嵌入及び脱離を経たのちに前記第3変速ギヤに切り換える。つまり、前記ギヤ切換制御手段は、前記第3切換信号が入力されると、前記第2変速ギヤを脱離させた後に前記第1変速ギヤを嵌入し、その後、前記第1変速ギヤを脱離させた後に前記第3変速ギヤを嵌入する。これにより、前進から後進への切換時に、第2変速ギヤによるエンジンブレーキのみならず、第1変速ギヤによるエンジンブレーキをも利用できる。これにより、船舶の緊急停止を迅速に短時間で行うことが可能になる。
本発明によれば、複数の変速ギヤを備えた減速機に対して、安全に素早く変速ギヤを切り換えることが可能になる。
図1は、本発明の実施形態に係る推進装置及び推進システムの概略構成を模式的に示す構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係る推進装置が備える減速機の構成を模式的に示す模式図である。 図3は、本発明の実施形態に係る機関制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施形態に係る推進装置におけるハンドル位置とエンジン回転速度及びプロペラ回転速度との関係を示すグラフ図である。 図5は、本発明の実施形態に係る制御部によって実行される減速機のクラッチ切換制御の手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、本発明の実施形態に係る制御部によって実行される回転数マッチング制御の手順の一例を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施形態に係る制御部によって実行される減速機のクラッチ切換制御の手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施形態に係る制御部によって実行される減速機のクラッチ切換制御の手順の一例を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施形態に係る制御部によって実行される減速機のクラッチ切換制御の手順の一例を示すフローチャートである。 図10は、クラッチ切換制御中のエンジンの回転状態とプロペラの回転状態を示すグラフ図である。 図11は、クラッチ切換制御中のエンジンの回転状態とプロペラの回転状態を示すグラフ図である。 図12は、本発明の実施形態に係る制御部によって実行される減速機のクラッチ切換制御の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態は、本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
まず、本発明の一実施形態に係る推進システム11について説明する。推進システム11は、2つのプロペラ31を回転させて船舶を前進又は後進に推進させる所謂二機二軸の推進システムであって、図1に示されるように、2つの推進装置10(10A,10B)が並列に配置されたものである。推進装置10(10A,10B)は、船舶の推進機構であるプロペラ31を回転させて船舶の推進力を発生させるものである。推進装置10(10A,10B)は、主として、ディーゼルエンジン33(本発明の原動機の一例、以下「エンジン33」と略称する。)と、機関制御装置35(本発明の変速機切換制御装置の一例)と、減速機41(本発明の船舶用変速機の一例)、操縦ハンドル15(15A,15B)とを備えている。また、推進装置10(10A,10B)は、エンジン33の回転速度を検知する速度センサー24(24A,24B)と、プロペラ31の回転速度を検知する速度センサー25(25A,25B)とを備えている。なお、機関制御装置35は、2つの推進装置10に対して共通して用いられるものであるが、各推進装置10それぞれに機関制御装置35が設けられていてもよい。
本実施形態の推進システム11及び推進装置10は、様々なタイプの船舶に適用可能であり、例えば、コンテナ船やタンカーなどの貨物船、フェリーや客船などの旅客船、タグボートや海洋調査船などのような海上作業又は海中作業を行う特殊船、漁業に用いられる漁船、潜水船などの船舶に幅広く適用可能である。
エンジン33は、船舶において減速機41及びプロペラ31に回転駆動力を供給する駆動源として使用されるものであり、例えば、機関出力が数百kW〜数千kWの大型のディーゼルエンジンである。エンジン33は、操舵室14の操縦ハンドル15(15A,15B)から送られてきたテレグラフ信号などの船速信号に応じた回転速度となるように機関制御装置35の制御部50(図3参照)によって制御される。なお、本実施形態では、原動機の一例としてエンジン33を例示するが、これに限られず、エンジン33に代えてガスエンジンやガスタービンなどのように、回転駆動力を出力可能な内燃機関であれば様々なタイプの内燃機関が適用可能である。また、内燃機関、発電機、及び電動機によって構成される電動式の駆動源を本発明の原動機として適用することも可能である。
減速機41は、減速比(変速比)の異なる複数の減速ギヤ(変速ギヤ)のいずれかを介してエンジン33の回転駆動力をプロペラ31に伝達する船舶用の変速機である。減速機41は、エンジン33の回転速度を減速比T1で減速させる第1減速ギヤR1(本発明の第1変速ギヤの一例)と、エンジン33の回転速度を減速比T2で減速させる第2減速ギヤR2(本発明の第2変速ギヤの一例)とを有する。第1減速ギヤR1は、船舶を前進方向へ低速で航行させる低速航行時に用いられる。また、第2減速ギヤR2は、船舶を前進方向へ高速で航行させる高速航行時に用いられる。そのため、減速比T1は減速比T2よりも大きい。
図2に示されるように、減速機41は、エンジン33の出力軸48に連結されている。減速機41は、第1減速ギヤR1及び第2減速ギヤR2を含む複数のギヤや複数のクラッチを有している。具体的には、減速機41は、入力ギヤ80、伝達ギヤ81A〜81C、クラッチ83A〜83C、第1減速ギヤR1、第2減速ギヤR2、後進減速ギヤ87(第3変速ギヤ)、及び出力ギヤ90A,90Bを有する。なお、以下において、クラッチ83Aは前進低速クラッチ83A、クラッチ83Bは前進高速クラッチ83B、クラッチ83Cは後進クラッチ83Cと称する。
入力ギヤ80は出力軸48に連結されている。エンジン33の回転駆動力は、入力ギヤ80にダイレクトに伝達される。また、出力ギヤ90A,90Bはプロペラ軸93に連結されている。減速機41によって減速された回転速度は出力ギヤ90A又は出力ギヤ90Bのいずれかを介してプロペラ軸93からプロペラ31に伝達される。入力ギヤ80は、船舶を前進させる回転速度を伝達するために、伝達ギヤ81A、前進低速クラッチ83A、第1減速ギヤR1、及び出力ギヤ90Aに順次噛み合っている。これらの伝達ギヤなどを介してプロペラ軸93にエンジン33の回転速度が伝達される。また、入力ギヤ80は、船舶を前進させる回転速度を伝達するために、伝達ギヤ81B、前進高速クラッチ83B、第1減速ギヤR2、及び出力ギヤ90Bに順次噛み合っている。これらの伝達ギヤなどを介してプロペラ軸93にエンジン33の回転速度が伝達される。
伝達ギヤ81A及び伝達ギヤ81Bは、いずれも、同形同大であり同ピッチに形成された伝達ギヤである。第1減速ギヤR1の直径は第2減速ギヤR2より大きく、出力ギヤ90Aの直径は出力ギヤ90Bよりも小さく形成されている。このように構成された減速機41では、第1減速ギヤR1及び出力ギヤ90Aによってエンジン33の回転速度が減速比T1で減速される。また、第2減速ギヤR2及び出力ギヤ90Bによってエンジン33の回転速度が減速比T2で減速される。なお、本実施形態では、第1減速ギヤR1等による減速比T1は例えば「3.229」であり、第2減速ギヤR2等による減速比T2は例えば「2.388」である。もちろん、減速比T1,T2の数値はこれらに限定されない。
また、入力ギヤ80は、船舶を後進させる回転速度を伝達するために、伝達ギヤ81A、伝達ギヤ81C、後進クラッチ83C、後進減速ギヤ87、及び出力ギヤ(不図示)に順次噛み合っている。これらの伝達ギヤなどを介してプロペラ軸93にエンジン33の回転速度が伝達される。なお、本実施形態では、後進減速ギヤ87等による減速比T3は例えば「2.973」である。もちろん、減速比T3の数値はこれらに限定されない。
前進低速クラッチ83Aは、入力ギヤ80から第1減速ギヤR1を経て出力ギヤ90Aに至る伝達経路に設けられている。前進高速クラッチ83Bは、入力ギヤ80から第2減速ギヤR2を経て出力ギヤ90Bに至る伝達経路に設けられている。これらのクラッチ83A,83Bは、いずれも、船舶を前進させる回転速度を伝達するために用いられる。後進クラッチ83Cは、入力ギヤ80から後進減速ギヤ87を経てプロペラ軸93の出力ギヤ(不図示)に至る伝達経路に設けられている。後進クラッチ83Cは、船舶を後進させる回転速度を伝達するために用いられる。クラッチ83A〜83Cは、いずれも、油圧によって嵌入又は脱離が切り換えられる所謂油圧クラッチであり、より詳細には、回転駆動力の入力側と出力側との間に複数の円板(フリクションディスク)が設けられた多重板クラッチ構造の摩擦クラッチである。
クラッチ83A〜83Cを動作させる駆動機構としては、油圧を制御することによって前記複数の円板同士を接触させたり離間させたりする油圧作動方式が採用されている。前進低速クラッチ83Aの油圧経路には、電磁切換弁67が設けられている。電磁切換弁67は、機関制御装置35から入力された制御信号によって開状態又は閉状態のいずれかに切り換えられる。電磁切換弁67の開閉が制御されることによって、作動用オイルが供給される流路が開閉されて、前進低速クラッチ83Aの嵌入又は脱離が制御される。具体的には、電磁切換弁67が開状態にされると、前進低速クラッチ83Aに所定圧力以上の作動オイルが供給されて、前進低速クラッチ83Aが嵌入する。また、電磁切換弁67が閉状態にされると、前進低速クラッチ83A内の作動オイルが抜けて、前進低速クラッチ83Aが脱離する。また、前進高速クラッチ83Bの油圧経路には電磁切換弁68が設けられており、後進クラッチ83Cの油圧経路には電磁切換弁69が設けられている。これらの電磁切換弁68,69が制御されることにより、前進高速クラッチ83B及び後進クラッチ83Cの嵌入又は脱離が切り換えられる。なお、電磁切換弁67〜69は、推進装置10A,10Bそれぞれの減速機41に共通して用いられるものであり、電磁切換弁67〜69それぞれの二次側の油圧経路はもう一方の減速機41の油圧経路に接続されている。なお、クラッチ83A〜83Cの駆動機構として、前記油圧作動方式に代えて、圧縮空気圧、電動アクチュエータなどによって作動する方式が適用されてもよい。また、上述の油圧クラッチに限られず、前記伝達経路を接続又は遮断することが可能なクラッチであれば如何なる構成のものであっても適用可能である。
なお、本実施形態では、本発明のギヤ切換制御手段である機関制御装置35の制御部50(図3参照)が必要なタイミングで電磁切換弁67〜69に制御信号を出力することによって、クラッチ83A〜83Cそれぞれの嵌入又は脱離が切り換えられる。言い換えると、制御部50は、第1減速ギヤR1又は第2減速ギヤR2のいずれかの減速ギヤを介してエンジン33の回転駆動力がプロペラ31に伝達された状態で、速度センサー24から算出されたエンジン33の回転速度、及び速度センサー25から算出されたプロペラ31の回転速度の双方に基づいて、減速ギヤを切り換える後述のクラッチ切換制御を行う。
図1に示されるように、エンジン33には、出力軸48の回転速度を検知する速度センサー24が設けられている。速度センサー24の出力信号は機関制御装置35にフィードバックされ、機関制御装置35の制御部50が速度センサー24の出力信号に基づいてエンジン33の回転速度を算出する。また、プロペラ軸93には、プロペラ軸93の回転速度を検知する速度センサー25が設けられている。速度センサー25の出力信号は機関制御装置35にフィードバックされ、機関制御装置35の制御部50が速度センサー25の出力信号に基づいてプロペラ31の回転速度を算出する。制御部50によって算出された各々の回転速度は、制御部50によって実行される後述のクラッチ切換制御で用いられる。ここで、本実施形態では、制御部50が速度センサー24からの出力信号に基づいてエンジン33の回転速度を算出することによって、本発明の第1検知手段が実現される。また、制御部50が速度センサー25からの出力信号に基づいてプロペラ31の回転速度を算出することによって、本発明の第2検知手段が実現される。なお、速度センサー24,25が各回転速度を演算して算出するものである場合は、速度センサー24によって本発明の第1検知手段が実現され、速度センサー25によって本発明の第2検知手段が実現される。
図3に示されるように、機関制御装置35は、CPU51やROM52、RAM53、EEPROM54などで構成された制御部50を有している。制御部50は、推進装置10(10A,10B)が備える速度センサー24及び速度センサー25と接続されており、各速度センサー24,25からの出力信号が入力される。また、制御部50は、推進装置10(10A,10B)が備える操縦ハンドル15(15A,15B)と接続されており、各操縦ハンドル15から各種の船速信号が入力される。制御部50は、操縦ハンドル15から入力された船速信号に応じた回転速度となるように、エンジン33を制御する。具体的には、制御部50は、エンジン33に設けられた電子ガバナ34の燃料ラック位置を変更して、燃料噴射ポンプの噴射量を調整することにより、エンジン33の回転速度を制御する。また、制御部50は、速度センサー24からの出力信号から実際のエンジン33の回転速度を算出し、その回転速度に基づいて、エンジン33の回転速度が前記船速信号に応じた回転速度となるように電子ガバナ34をフィードバック制御する。また、制御部50は、推進装置10(10A,10B)の減速機41が備える電磁切換弁67〜69と接続されており、制御部50は、電磁切換弁67〜69に制御信号を出力することにより、電磁切換弁67〜69の開閉を制御する。これによりクラッチ83A〜83Cの嵌入又は脱離が制御される。
前記船速信号としては、例えば、操縦ハンドル15の操作範囲におけるハンドル位置を示すハンドル位置信号や、ハンドル位置が前進範囲にあることを示す前進信号、ハンドル位置が後進範囲にあることを示す後進信号などがある。本実施形態では、操縦ハンドル15にポテンショメーター56が設けられており、前進範囲及び後進範囲におけるハンドル位置信号はポテンショメーター56から出力される。つまりポテンショメーター56から出力される信号が前記ハンドル位置信号である。具体的には、操縦ハンドル15の前進側及び後進側それぞれの操作範囲が0ノッチから10ノッチの10段階に分けられており、制御部50は、前進範囲(前進0〜前進10の範囲)における操縦ハンドル15のハンドル位置や後進範囲(後進0〜後進10の範囲)における操縦ハンドル15のハンドル位置を、ポテンショメーター56からの出力信号によって判定できる。また、本実施形態では、前記前進範囲のうち、前進0ノッチから前進3.5ノッチが低速領域(以下「前進低速領域」という。)に定められており、前進3.5ノッチから前進10ノッチが高速領域(以下「前進高速領域」という。)に定められている。そして、制御部50は、ポテンショメーター56からの出力信号によって、操縦ハンドル15が低速領域にあるか、高速領域にあるかを判定できる。また、操縦ハンドル15には前記前進信号を出力する前進スイッチ56と、前記後進信号を出力する後進スイッチが設けられている。制御部50は、前進スイッチ56及び後進スイッチ57からのスイッチ信号によって操縦ハンドル15のハンドル位置が前進範囲にあるか、後進範囲にあるかを判定できる。
本実施形態では、上述した構成の推進システム11において、推進装置10A,10Bそれぞれのエンジン33の駆動制御、及びクラッチ切換制御における各種設定項目は表1に示される数値に設定されている。具体的には、エンジン33のアイドリング回転速度は425[min−1]、エンジン33の定格回転速度は850[min−1]、クラッチ83A〜83Cの嵌入又は脱離が可能なエンジン33の回転速度は550[min−1]未満、後進クラッチ83Cを嵌入可能なプロペラ33の回転速度は60[min−1]未満、ブーストアップ制御時のエンジン33の目標回転速度は455[min−1]、ブーストアップ制御時間は4[s]、クラッチ83A〜83Cを自動的に脱離させるエンジン33の回転速度は280[min−1]に設定されている。また、前記前進低速領域でのエンジン33の回転速度の制御範囲は425〜700[min−1]に設定されている。なお、このときのプロペラ31の回転速度は132〜217[min−1]である。また、前記前進高速領域でのエンジン33の回転速度の制御範囲は518〜850[min−1]に設定されている。なお、このときのプロペラ31の回転速度は217〜356[min−1]である。また、後進時のエンジン33の回転速度の制御範囲は425〜765[min−1]に設定されている。なお、このときのプロペラ31の回転速度は143〜257[min−1]である。また、前述したように、第1減速ギヤR1の減速比は3.229、第2減速ギヤR2の減速比は2.338、後進減速ギヤ87の減速比は2.973である。
Figure 2015081054
このように設定された推進装置10におけるエンジン33の回転速度とプロペラ31の回転速度とハンドル位置との関係は、図4のグラフに示されるとおりある。ここで、図4の太実線はハンドル位置とエンジン回転数との関係を示すグラフであり、図4の太破線はハンドル位置とプロペラ回転数との関係を示すグラフである。
以下、図5〜図9のフローチャート、図10及び図11のグラフを参照して、機関制御装置35の制御部50によって実行されるクラッチ切換制御の手順の一例、及び本発明の変速機切換方法について説明する。ここで、図5は、操縦ハンドル15が中立位置から前進低速領域まで操作されたときのクラッチ切換制御の手順を示すフローチャートである。図6は、プロペラ回転数から切換対象のクラッチの減速比(T1又はT2)で逆算された回転数となるように機関回転数を制御する回転数マッチング制御の手順を示すフローチャートである。図7は、操縦ハンドル15が前進低速領域から中立位置に戻されたときのクラッチ切換制御の手順を示すフローチャートである。図8は、操縦ハンドル15が前進低速領域から前進高速領域まで操作されたときのクラッチ切換制御の手順を示すフローチャートである。図9は、操縦ハンドル15が前進高速領域から前進低速領域まで戻されたときのクラッチ切換制御の手順を示すフローチャートである。なお、図5〜図9におけるS11、S12、…は処理手順(ステップ)の番号を表している。また、図5〜図9において同じ処理手順には同じ処理手順番号を付している。
制御部50は、操縦ハンドル15が中立位置にあるときに、クラッチ83A〜83C全てを脱離した状態で、エンジン33の回転速度をアイドリング回転速度425[min−1]に維持するように電磁切換弁67〜69及び電子ガバナ34を制御する。以下、このように制御された状態をエンジン33の待機状態という。
以下、図5及び図6のフローチャートを参照して、前記待機状態から操縦ハンドル15が中立位置から前進低速領域まで操作されたときのクラッチ切換制御について説明する。
(S11〜S13)
前記待機状態から操縦ハンドル15が中立位置から前進低速領域まで操作されると、制御部50は、前進スイッチ56及びポテンショメーター55からの船速信号に基づいて操縦ハンドル15が前進低速領域に移動されたと判定する(S11)。その後、制御部50は、速度センサー25からの信号に基づいて、プロペラ31の回転速度が後進60[min−1]未満であるかどうかを判定する(S12)。そして、後進60[min−1]未満であると判定されると、続いて、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満であるかどうかを判定する(S13)。なお、エンジン33が前記待機状態になる前に船舶が後進するように制御されていた場合、プロペラ31の回転速度が後進60[min−1]を越えている場合がある。この場合に前進低速クラッチ83Aが嵌入されるとクラッチやギヤが故障する。このため、ステップS12における判定処理が行われている。また、エンジン33が前記待機状態になる前に船舶が前進するように制御されていた場合、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]を越えている場合がある。この場合に、機関回転数がプロペラ31の実際の回転速度に適合していないことがある。この状態で前進低速クラッチ83Aが嵌入されるとオーバーレブが生じてエンジン33が故障する場合がある。このため、ステップS13における判定処理が行われている。なお、前進140[min−1]は、エンジン33がオーバーレブを生じない上限回転数である。
(S14〜S17)
ステップS13において、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満である場合は、制御部50は、ステップS14以降の処理と、ステップS16以降の処理とを並行して実行する。
ステップS13においてプロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満であると判定され、処理がステップS14に進むと、制御部50は、エンジン33の回転速度が450[min−1]未満であるかどうかを判定する。上述したように、エンジン33が前記待機状態の場合は、エンジン33の回転速度がアイドリング回転速度425[min−1]に維持されている。したがって、この場合は、制御部50は、次のステップS15において、エンジン33の回転速度を強制的に増速するブーストアップ制御を行う。具体的には、制御部50は、エンジン33の回転速度が455[min−1]となるように電子ガバナ34をT秒間(T=4s)だけ制御する。このブーストアップ制御は、前進低速クラッチ83Aが嵌入されたときに負荷が加えられてエンジン33の回転速度が落ちないようにするめに行われる。なお、後述するように前進低速クラッチ83Aが嵌入される前後においてエンジン33の回転速度が450[min−1]以上を維持している場合は、前記ブーストアップ制御は行われない。
一方、処理がステップS13からステップS16に進むと、制御部50は、エンジン33の回転速度が550[min−1]未満であるかどうかを判定する(S16)。つまり、制御部50は、エンジン33の回転速度が前進低速クラッチ83Aを嵌脱させることが可能な回転速度であるかどうかを判定する。仮に、エンジン33が前記待機状態になる前に船舶が前進全速で航行しており、その後に操縦ハンドル15が中立位置に戻されたとしても、機関回転数が550[min−1]を越えている場合がある。この状態で前進低速クラッチ83Aが嵌入されると、前進低速クラッチ83Aや連結部が故障することになる。このため、制御部50は、ステップS16において機関回転数が550[min−1]未満であるかどうかを判定し、そして、機関回転数が550[min−1]未満である場合に次のステップS17に処理を進める。
ステップS16において、エンジン33の回転速度が550[min−1]未満である場合は、前進低速クラッチ83Aを嵌入させることができると判定し、制御部50は、前進低速クラッチ83Aを嵌入させる指令を出す(S17)。具体的には、制御部50は、電磁切換弁67(図2参照)を開状態にする信号を出力して、前進低速クラッチ83Aに作動オイルを供給する。
(S18〜S19)
その後、制御部50は、前進低速クラッチ83Aの油圧が十分に高いかどうか、具体的には、前記油圧が1.0[MPa]以上であるかどうかを判定する(S18)。ここで、前記油圧が十分に高い場合は、制御部50は、前進低速領域における操縦ハンドル15の操作に応じてエンジン33の回転速度を増減速制御する(S19)。つまり、制御部50は、前進低速領域425〜700[min−1]の範囲内でエンジン33の回転速度を制御する。これにより、プロペラ31の回転速度が132〜217[min−1]の範囲内で制御される。
(S21〜S25)
一方、ステップS13において、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]以上である場合は、制御部50は、図6に示される回転数マッチング制御(ステップS21〜S25)を行う。回転数マッチング制御は、実際のプロペラ回転数に切換対象の減速ギヤ(R1又はR2)の減速比(T1又はT2)を乗じて逆算された目標回転速度Naとなるようにエンジン33の回転数を制御する制御である。具体的には、制御部50は、実際のプロペラ31の回転速度と第1減速ギヤR1の減速比T1とを乗じた値をエンジン33の目標回転速度Naに設定して、当該目標回転速度Naとなるように電子ガバナ34を制御する(S21)。なお、まだクラッチは繋がっていないのでプロペラ31の回転速度は徐々に低下することになるが、ステップS21では、低下するプロペラ31の回転速度に合わせて前記目標回転速度Naが随時変更されて、その変更後の目標回転速度Naとなるようにエンジン33の回転速度が制御される。
次のステップS22では、制御部50は、エンジン33の回転速度が目標回転速度Na±10%になったかどうかを判定する。ここで、エンジン33の回転速度が目標回転速度Na±10%に達していないと判定された場合は、制御部50は、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満であるかどうかを判定する(S25)。そして、ステップS25においてプロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満であると判定されると、処理はステップS14及びステップS16へ進む。つまり、当該回転数マッチング制御中にプロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満になると、制御部50は、回転数マッチング制御を中断して、ステップS14及びステップS16以降の処理を行う。
一方、回転数マッチング制御中にエンジン33の回転速度が目標回転速度Na±10%になった場合は、制御部50は、次のステップS23において、プロペラ31の回転速度が前進217[min−1]未満であるかどうかを判定する。図4に示されるように、第1減速ギヤR1によるプロペラ31の回転速度の上限は217[min−1]である。そのため、制御部50は、プロペラ31の回転速度が217[min−1]未満になるまで次の処理を行わない。つまり、制御部50は、プロペラ31の回転速度が217[min−1]未満になるまでステップS21〜S23の処理を繰り返す。そして、プロペラ31の回転速度が217[min−1]未満になると、制御部50は、そのときの目標回転速度Naにエンジン33の回転速度を維持する(S24)。その後、図5のステップS17に進み、制御部50は、前進低速クラッチ83Aを嵌入させる指令を出す。
(S31〜S34)
以下、図7のフローチャートを参照して、操縦ハンドル15が前進低速領域から中立位置に戻されたときのクラッチ切換制御について説明する。制御部50は、操縦ハンドル15が前進低速領域から中立位置まで操作されたと判定すると、エンジン33の回転速度をアイドリング回転速度425[min−1]となるように電子ガバナ34を制御する(S31,S32)。次に、制御部50は、エンジン33が前進低速クラッチ83Aを嵌脱させることが可能な回転速度550[min−1]未満であるかどうかを判定する(S33(S16))。ここで、エンジン33の回転速度が550[min−1]未満である場合は、制御部50は、前進低速クラッチ83Aを脱離させる指令を出す(S34)。具体的には、制御部50は、電磁切換弁67を閉状態にする信号を出力して、前進低速クラッチ83Aへの作動オイルの供給を止める。これにより、エンジン33が前記待機状態に戻される。
(S41〜S43)
以下、図8のフローチャート及び図10のグラフを参照して、操縦ハンドル15が前進低速領域から前進高速領域まで操作されたときのクラッチ切換制御について説明する。操縦ハンドル15が前進低速領域から前進高速領域まで操作されると、制御部50は、前進スイッチ56及びポテンショメーター55からの船速信号に基づいて操縦ハンドル15が前進高速領域に移動されたと判定する(S41)。なお、ステップS41において操縦ハンドル15から入力された前記船速信号は、第1減速ギヤR1から第2減速ギヤR2に切り換えるための信号であって、本発明の第1切換信号に相当する。その後、制御部50は、速度センサー25からの信号に基づいて、プロペラ31の回転速度が後進60[min−1]未満であるかどうかを判定する(S42(S12))。そして、後進60[min−1]未満であると判定されると、続いて、プロペラ31の回転速度が前進190[min−1]未満であるかどうかを判定する(S43)。
(S44〜S45)
ステップS43において、プロペラ31の回転速度が前進190[min−1]未満である場合は、制御部50は、エンジン33の回転速度を前進低速領域における最大回転速度700[min−1]となるように電子ガバナ34を制御して増速させる(S44)。このステップS44の増速制御を行うときの制御部50が本発明の増速制御手段の一例である。その後、制御部50は、ステップS44における増速制御中に、プロペラ31の回転速度が前進210[min−1]以上であるかどうかを判定する(S45)。なお、前進210[min−1]に第1減速ギヤR1の減速比T1を乗じて得られる回転速度は約678[min−1]である。したがって、ステップS45における判定時(S45のYes)においてエンジン33の回転速度は700[min−1]に達していないが、次の処理が行われるまでにエンジン33の回転速度は700[min−1]に達する。
ステップS45において、プロペラ31の回転速度が前進210[min−1]以上である場合は、制御部50は、次のステップS46の処理を実行する。なお、ステップS43における前進190[min−1]、及びS45における前進210[min−1]は、本発明の第1回転速度の一例である。これらの回転速度は、前進高速領域におけるエンジン33の最低回転速度518[min−1](図10参照、本発明の下限回転速度に相当)に対応するプロペラ31の回転速度217[min−1]の約88%〜96%の回転速度である。言い換えると、前進190[min−1]及び前進210[min−1]は、第2減速ギヤR2によってエンジン33がプロペラ31に伝達可能な最低回転速度518[min−1]に対応する回転速度である。
(S46〜S49)
次に、制御部50は、前進低速クラッチ83Aを脱離させる指令を出す(S46(S34))。その後、制御部50は、プロペラ31の回転速度210[min−1]に第2減速ギヤR2の減速比T2を乗じて得られる回転速度501[min−1]となるようにエンジン33の回転速度を制御する(S47)。次に、制御部50は、前進低速クラッチ83Aの油圧が十分に低くなったかどうか、具体的には、前記油圧が1.0[MPa]未満であるかどうかを判定する(S48)。ここで、前記油圧が十分に低い場合は、制御部50は、前進高速クラッチ83Bを嵌入させることができると判定し、前進高速クラッチ83Bを嵌入させる指令を出す(S49)。具体的には、制御部50は、電磁切換弁68を開状態にする信号を出力して、前進高速クラッチ83Bに作動オイルを供給する。
(S50〜S51)
その後、制御部50は、前進高速クラッチ83Bの油圧が十分に高いかどうか、具体的には、前記油圧が1.0[MPa]以上であるかどうかを判定する(S50)。ここで、前記油圧が十分に高い場合は、制御部50は、ステップS51において、前進高速領域における操縦ハンドル15の操作に応じてエンジン33の回転速度を増減速制御する。つまり、制御部50は、前進高速領域518〜850[min−1](図10参照)の範囲内でエンジン33の回転速度を制御する。これにより、プロペラ31の回転速度が217〜356[min−1](図10参照)の範囲内で制御される。
(S52〜S53)
一方、ステップS43において、プロペラ31の回転速度が前進190[min−1]以上である場合は、制御部50は、実際のプロペラ31の回転速度と第2減速ギヤR2の減速比T2とを乗じた値をエンジン33の目標回転速度Nbに設定して、当該目標回転速度Nbとなるように電子ガバナ34を制御する(S52)。次に、制御部50は、前進低速クラッチ83Aを脱離させる指令を出す(S53(S46,S34))。その後、制御部50は、ステップS48以降の処理を実行する。
なお、図8におけるステップS48とS49との間に、所定時間に設定されたタイマーを設けてもよい。例えば、所定時間に設定されたタイマーを設け、前進低速クラッチ83Aの油圧が1.0[MPa]未満であると判定されてから、タイマーによる所定時間が経過した後に、前進高速クラッチ83Bを嵌入させる指令を出すようにしてもよい。前記所定時間は、前進低速クラッチ83Aの油圧が1.0[MPa]未満であると判定されてから、実際に、前進低速クラッチ83Aが脱離されるまでに要する時間に設定されており、例えば、2[s]に設定されている。これにより、前進低速クラッチ83Aが実際に脱離されてから、前進高速クラッチ83Bを嵌入させることができる。
(S61〜S63)
以下、図9のフローチャート及び図11のグラフを参照して、操縦ハンドル15が前進高速領域から前進低速領域まで戻されたときのクラッチ切換制御について説明する。操縦ハンドル15が前進高速領域から前進低速領域まで操作されると、制御部50は、前進スイッチ56及びポテンショメーター55からの信号に基づいて操縦ハンドル15が前進低速領域に移動されたと判定する(S61)。なお、ステップS61において操縦ハンドル15から入力された前記船速信号は、第2減速ギヤR2から第1減速ギヤR1に切り換えるための信号であって、本発明の第2切換信号に相当する。次に、制御部50は、エンジン33の回転速度を前進高速領域における最低回転速度518[min−1]となるように電子ガバナ34を制御して減速させる(S62)。このステップS62の減速制御を行うときの制御部50が本発明の減速制御手段の一例である。なお、図11に示されるように、エンジン33の回転速度が前記最低回転速度518[min−1]まで下がると、プロペラ31の回転速度は217[min−1]になる。その後、制御部50は、エンジン33が前進高速クラッチ83Bを嵌脱させることが可能な回転速度550[min−1]未満であるかどうかを判定する(S63(S16))。なお、ステップS63における回転速度が550[min−1]が本発明の第2回転速度の一例である。
(S64)
ステップS63においてエンジン33の回転速度が550[min−1]未満になると、次のステップS64では、制御部50は、前進高速クラッチ83Bを脱離させる指令を出力する。具体的には、制御部50は、電磁切換弁68を閉状態にする信号を出力して、前進高速クラッチ83Bへの作動オイルの供給を止める。なお、ステップS63におけるエンジンの回転速度550[min−1]は、本発明の第2回転速度の一例である。
(S65〜S69)
次に、制御部50は、前進高速クラッチ83Bの油圧が十分に低くなったかどうか、具体的には、前記油圧が1.0[MPa]未満であるかどうかを判定する(S65)。ここで、前記油圧が十分に低い場合は、プロペラ31の回転速度が後進60[min−1]未満であり(S66(S12))、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満であり(S67(S13))、更に、エンジン33の回転速度が550[min−1]未満である(S68(S16))ことを条件に、制御部50は、前進低速クラッチ83Aを嵌入させる指令を出す(S69(S17))。ここで、図9には示されていないが、ステップS67においてYESと判定された場合は、ステップS68以降の処理と並行して、図5のステップS14及びS15のガバナブースト制御が行われる。つまり、制御部50は、エンジン33の回転速度が450[min−1]未満になった場合に、エンジン33の回転速度を強制的に455[min−1]となるように増速するブーストアップ制御をT秒間(T=4s)だけ行う。
一方、ステップS67において、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]以上である場合は、制御部50は、図6に示される回転数マッチング制御(ステップS21〜S25)を行う。なお、回転数マッチング制御については説明済みのため、ここでの説明は省略する。
ステップS67における前進140[min−1]は、前進低速領域におけるエンジン33の最低回転速度425[min−1](図11参照、本発明の下限回転速度に相当)に対応するプロペラ31の回転速度132[min−1]の106%の回転速度である。言い換えると、前記前進140[min−1]は、第1減速ギヤR1によってエンジン33がプロペラ31に伝達可能な最低回転速度425[min−1]に対応する回転速度であり、本発明の第3回転速度の一例である。
なお、図9におけるステップS65の次に、所定時間に設定されたタイマーを設けてもよい。例えば、所定時間に設定されたタイマーを設け、前進高速クラッチ83Bの油圧が1.0[MPa]未満であると判定されてから、タイマーによる所定時間が経過した後に、ステップS66以降の判定処理を行うようにしてもよい。前記所定時間は、前進高速クラッチ83Bの油圧が1.0[MPa]未満であると判定されてから、実際に、前進高速クラッチ83Bが脱離されるまでに要する時間に設定されており、例えば、2[s]に設定されている。これにより、前進高速クラッチ83Bが実際に脱離されてから、前進低速クラッチ83Aを嵌入させることができる。
(S70〜S71)
その後、制御部50は、前進低速クラッチ83Aの油圧が十分に高いかどうかを判定し(S70(S18))、前記油圧が十分に高い場合は、制御部50は、前進低速領域における操縦ハンドル15に操作に応じてエンジン33の回転速度を増減速制御する(S71(S19))。
上述したように、機関制御装置35が構成されているため、推進システム11における2つのエンジン33の回転速度及びプロペラ31の回転速度の双方に基づいて制御部50によるギヤ切換制御が行われる。これにより、必要以上にエンジン33の回転速度を低下させることなく、安全にしかも素早く減速機41の第1減速ギヤR1を第2減速ギヤR2に切り換えることができ、また、逆に、第2減速ギヤR2を第1減速ギヤR1に切り換えることができる。
特に、本実施形態のように二機二軸の推進システム11においては、各推進装置10(10A,10B)を個別に切換制御することなく、一度の操縦操作だけで各推進装置10(10A,10B)それぞれにおいてクラッチ切換制御が行われるため、素早く切り換えることができる。
以下、本発明の他の実施形態について説明する。本発明の他の実施形態として、上述の推進システム11において操縦ハンドル15が前進高速領域から後進範囲(後進0〜後進10の範囲)まで操作されたときに、制御部50によって行われるギヤの切換制御が考えられる。具体的には、制御部50は、操縦ハンドル15が前進高速領域から後進範囲まで操作されると、まず、第2減速ギヤR2を脱離させた後に第1減速ギヤR1を嵌入し、その後、第1減速ギヤR1を脱離させた後に後進減速ギヤ87を嵌入させる。航行中の船舶を緊急停止させるために、操縦ハンドル15を前進高速領域から後進範囲まで移動させてクラッチを前進側から後進側へ切り換える操作が行われる。このような操作はクラッシュアスターンと呼ばれている。クラッシュアスターンが行われた場合、船舶の船速を急激に減速させてクラッチを後進側に切り換える必要がある。以下に説明する本発明の他の実施形態によれば、第2減速ギヤR1の脱離後に第1減速ギヤR1の嵌入及び脱離が順次行われた後に後進減速ギヤ87が嵌入される。このため、第2減速ギヤR1のエンジンブレーキを利用することにより、船速を急激に減速させて、短時間でクラッチを後進側に切り換えることができる。以下、図12のフローチャートを参照して、操縦ハンドル15が前進高速領域から後進範囲まで操作されたときのクラッチ切換制御について説明する。なお、上述の実施形態で説明した処理手順と同じ処理手順については、同じステップ番号を付し示すことにより、その詳細な説明を省略する。
操縦ハンドル15が前進高速領域から後進範囲まで操作されると、制御部50は、前進スイッチ56及びポテンショメーター55からの信号や後進スイッチ57からの信号に基づいて操縦ハンドル15が後進範囲に移動されたと判定する(S81)。なお、ステップS81において操縦ハンドル15から入力された前記船速信号は、第2減速ギヤR2から後進減速ギヤ87に切り換えるための信号(第3切換信号)である。次に、制御部50は、エンジン33の回転速度をアイドリング回転速度425[min−1]となるように電子ガバナ34を制御する(S82(S32))。そして、制御部50は、エンジン33の回転数が、前進高速クラッチ83Bを嵌脱させることが可能な回転速度550[min−1]未満になった場合に(S83(S63,S16))、前進高速クラッチ83Bを脱離させる指令を出力する(S84(S64))。
次に、制御部50は、前進高速クラッチ83Bの油圧が十分に低くなったかどうか、具体的には、前記油圧が1.0[MPa]未満であるかどうかを判定する(S85(S65))。前記油圧が1.0[MPa]未満の場合は、次のステップS87において、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満であるかどうかを判定する。ここで、ステップS87において、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]以上である場合は、制御部50は、前記回転数マッチング制御(ステップS21〜S25、図6参照)を行う。なお、回転数マッチング制御については説明済みのため、ここでの説明は省略する。
前記回転数マッチング制御のステップS24において、エンジン33の回転速度を目標回転速度Naに維持する処理が行われると、制御部50は、前進低速クラッチ83Aの嵌入処理を行う。具体的には、制御部50は、前進低速クラッチ83Aを嵌入させる指令を出す(S88(S69,S17))。その後、制御部50は、前進低速クラッチ83Aの油圧が十分に高いかどうかを判定する(S89(S70,S18))。前記油圧が十分に高い場合は、制御部50は、再び、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満であるかどうかを判定する(S90)。そして、ステップS90において、制御部50によって前記回転速度が前進140[min−1]未満であると判定されると、制御部50は、前進低速クラッチ83Aを脱離させる指令を出す(S91(S46,S34))。その後、制御部50は、前進低速クラッチ83Aの油圧が十分に低くなったかどうか、具体的には、前記油圧が1.0[MPa]未満であるかどうかを判定し(S92(S48))、前記油圧が十分に低い場合は、制御部50は処理を次のステップS93に進める。
一方、ステップS87において、プロペラ31の回転速度が前進140[min−1]未満であると判定された場合は、前記回転数マッチング制御およびステップS88〜S92の処理(前進低速クラッチの嵌入処理)が行われないまま、制御部52は、処理を次のステップS93に進める。
処理がステップS93に進むと、制御部50は、プロペラ31の回転速度が低下して、前進60[min−1]未満になったかどうかを判定する。ステップS93において、制御部50によって前記回転速度が前進60[min−1]未満であると判定されると、この判定を条件に、制御部50は、後進クラッチ83Cを嵌入させる指令を出す(S94)。その後、制御部50は、後進クラッチ83Cの油圧が十分に高いかどうかを判定する(S95)。そして、後進クラッチ83Cの油圧が十分に高くなった場合、具体的には、前記油圧が1.0[MPa]以上になった場合に、制御部50は、後進速度領域における操縦ハンドル15の操作に応じてエンジン33の回転速度を増減速制御する(S96)。つまり、制御部50は、後進速度領域425〜765[min−1]の範囲内でエンジン33の回転速度を制御する。これにより、プロペラ31の回転速度が132〜257[min−1]の範囲内で制御される。
ここで、図12には示されていないが、ステップS93においてYESと判定された場合は、ステップS94以降の処理と並行して、図5のステップS14及びS15のガバナブースト制御が行われる。つまり、制御部50は、エンジン33の回転速度が450[min−1]未満になった場合に、エンジン33の回転速度を強制的に455[min−1]となるように増速するブーストアップ制御をT秒間だけ行う。なお、後進時のブーストアップ時間Tは、前進時のブーストアップ時間(4秒)よりも長く設定されており、具体的には、前記時間Tは7秒に設定されている。
このように、クラッシュアスターン操作に対応するクラッチ切換制御が行われるため、第2減速ギヤR2によるエンジンブレーキのみならず、第1減速ギヤR1によるエンジンブレーキをも利用できる。これにより、船舶の船速を急激に減速させることができ、緊急停止を従来よりも迅速に短時間で行うことが可能になる。
10:推進装置
11:推進システム
14:操舵室
15:操縦ハンドル
24:速度センサー
25:速度センサー
31:プロペラ
33:ディーゼルエンジン
35:機関制御装置
41:減速機
83A,83B,83C:クラッチ
87:後進減速ギヤ
R1:第1減速ギヤ
R2:第2減速ギヤ

Claims (8)

  1. 変速比の異なる複数の変速ギヤのいずれかを介して原動機の回転力をプロペラに伝達する船舶用変速機に対して前記変速ギヤの切換制御を行う変速機切換制御装置であって、
    前記原動機の回転速度を検知する第1検知手段と、
    前記プロペラの回転速度を検知する第2検知手段と、
    いずれかの変速ギヤを介して前記原動機の回転力が前記プロペラに伝達された状態で船舶の操縦装置から切換信号が入力されたときに、前記第1検知手段により検知された前記原動機の回転速度及び前記第2検知手段により検知された前記プロペラの回転速度に基づいて他の変速ギヤに切り換えるギヤ切換制御手段と、を備える変速機切換制御装置。
  2. 前記複数の変速ギヤは、船舶の低速航行時に用いられる第1変速ギヤと、船舶の高速航行時に用いられる第2変速ギヤであり、
    前記ギヤ切換制御手段は、前記第1変速ギヤから前記第2変速ギヤへの第1切換信号が入力されたときに、前記プロペラの回転速度が予め定められた第1回転速度以上であることを条件に、前記第1変速ギヤを脱離し前記第2変速ギヤを嵌入する請求項1に記載の変速機切換制御装置。
  3. 前記第1回転速度は、前記第2変速ギヤによって前記原動機が前記プロペラに伝達可能な下限回転速度に対応する前記プロペラの回転速度である請求項2に記載の変速機切換制御装置。
  4. 前記プロペラの回転速度が前記第1回転速度未満である場合に前記原動機の回転速度を増速させる増速制御手段を更に備え、
    前記ギヤ切換制御手段は、前記増速制御手段による増速によって前記プロペラの回転速度が前記第1回転速度以上となったことを条件に、前記第1変速ギヤを脱離し前記第2変速ギヤを嵌入する請求項2又は3に記載の変速機切換制御装置。
  5. 前記複数の変速ギヤは、船舶の低速航行時に用いられる第1変速ギヤと、船舶の高速航行時に用いられる第2変速ギヤであり、
    前記ギヤ切換制御手段は、前記第2変速ギヤから前記第1変速ギヤへの第2切換信号が入力されたときに、前記原動機の回転速度が予め定められた第2回転速度未満であることを条件に前記第2変速ギヤを脱離し、更に前記プロペラの回転速度が予め定められた第3回転速度未満であることを条件に前記第1変速ギヤを嵌入する請求項1から4のいずれかに記載の変速機切換制御装置。
  6. 前記第2回転速度は、前記第1変速ギヤ又は前記第2変速ギヤが嵌入又は脱離可能な前記原動機の上限回転速度であり、前記第3回転速度は、前記第1変速ギヤによって前記原動機が前記プロペラに伝達可能な下限回転速度に対応する前記プロペラの回転速度である請求項5に記載の変速機切換制御装置。
  7. 前記原動機の回転速度が前記第2回転速度以上である場合に前記原動機の回転速度を減速させる減速制御手段を更に備え、
    前記ギヤ切換制御手段は、前記減速制御手段による減速によって前記原動機の回転速度が前記第2回転速度未満となったことを条件に前記第2変速ギヤを脱離する請求項5又は6に記載の変速機切換制御装置。
  8. 変速比の異なる複数の変速ギヤのいずれかを介して原動機の回転力をプロペラに伝達する船舶用変速機に対して前記変速ギヤの切換制御を行う変速機切換方法であって、
    いずれかの変速ギヤを介して前記原動機の回転力が前記プロペラに伝達された状態で船舶の操縦装置から切換信号が入力されたときに、前記原動機の回転速度及び前記プロペラの回転速度を検知する第1ステップと、
    前記第1ステップにより検知された前記原動機の回転速度及び前記プロペラの回転速度に基づいて他の変速ギヤに切り換える第2ステップと、を含む変速機切換方法。
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