JP5547993B2 - 船外機の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は船外機の制御装置に関し、より詳しくは変速機を備えた船外機の制御装置に関する。
近年、船外機において、搭載される内燃機関とプロペラの間の動力伝達軸に変速機を介挿し、内燃機関の出力を変速してプロペラに伝達するようにした技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、上記したような変速機に加え、船体に対するトリム角を調整可能なトリム角調整機構(具体的には、電動モータや油圧シリンダなどからなるパワーチルトトリムユニット)を備える船外機も知られている。
特開2009−190671号公報
ところで、トリム角調整機構の動作を制御してトリム角を調整する際、その制御に異常が生じる場合がある。例えば船外機が障害物(例えば水面に浮遊するゴミなど)を巻き込むなどしてその動作が停止してしまうことがある。そのような場合にトリム角調整機構の制御を継続すると、例えば電動モータがロック状態となって故障(焼損)するなどの不具合が発生する恐れがあった。
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、変速機とトリム角を調整可能なトリム角調整機構とを備えると共に、トリム角調整機構の制御に異常が生じたとき、トリム角調整機構が故障するのを防止するようにした船外機の制御装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1にあっては、内燃機関とプロペラの間の動力伝達軸に介挿されると共に、少なくとも1速、2速からなる変速段を有し、前記内燃機関の出力を選択された変速段で変速して前記プロペラに伝達する変速機と、船体に対するトリム角を調整可能なトリム角調整機構とを備える船外機の制御装置において、前記トリム角調整機構を制御するトリム角調整機構制御手段と、前記トリム角調整機構の制御に異常が発生したか否か判定する異常判定手段とを備えると共に、前記トリム角調整機構制御手段は、前記異常判定手段によって前記異常が発生したと判定されるとき、前記トリム角調整機構の制御を停止すると共に、前記異常判定手段は、前記トリム角を検出するトリム角検出手段を備え、前記トリム角調整機構制御手段によって前記トリム角調整機構が制御されるとき、前記検出されたトリム角が所定時間以上継続して同一である場合、前記異常が発生したと判定する如く構成した。
請求項1に係る船外機の制御装置にあっては、トリム角を調整可能なトリム角調整機構を制御し、トリム角調整機構の制御に異常が発生したか否か判定すると共に、異常が発生したと判定されるとき、トリム角調整機構の制御を停止するように構成、即ち、トリム角調整機構の制御を継続しないように構成したので、例えば電動モータがロック状態になるなどの不具合が発生することはなく、よってトリム角調整機構が故障するのを防止することができる。
また、トリム角を検出し、トリム角調整機構が制御されるとき、検出されたトリム角が所定時間以上継続して同一である場合、トリム角調整機構の制御に異常が発生したと判定するように構成したので、前記異常が発生したことを正確に判定することができる。
この発明の実施例に係る船外機の制御装置を船体も含めて全体的に示す概略図である。 図1に示す船外機の部分断面拡大側面図である。 図1に示す船外機の拡大側面図である。 図2に示す変速機構の油圧回路を模式的に示す油圧回路図である。 図1に示す電子制御ユニットの変速制御動作とトリム角制御動作を示すフロー・チャートである。 図5に示す変速段判定処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図5に示すトリムアップ実行判定処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図5に示すトリムダウン実行判定処理のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図5から図8フロー・チャートの処理を説明するタイム・チャートである。
以下、添付図面に即してこの発明に係る船外機の制御装置を実施するための形態について説明する。
図1はこの発明の実施例に係る船外機の制御装置を船体も含めて全体的に示す概略図、図2は図1に示す船外機の部分断面拡大側面図、図3は船外機の拡大側面図である。
図1から図3において、符号1は船外機10が船体(艇体)12に搭載されてなる船舶を示す。船外機10は、図2に良く示すように、スイベルケース14、チルティングシャフト16およびスターンブラケット18を介して船体12の後尾(船尾)12aに取り付けられる。
スイベルケース14の付近には、スイベルケース14の内部に鉛直軸回りに回転自在に収容されるシャフト部20を駆動する転舵用電動モータ22と、船外機10の船体12に対するチルト角およびトリム角をチルトアップ/ダウンおよびトリムアップ/ダウンによって調整可能なパワーチルトトリムユニット(トリム角調整機構。以下「トリムユニット」という)24が配置される。転舵用電動モータ22の回転出力は減速ギヤ機構26、マウントフレーム28を介してシャフト部20に伝達され、よって船外機10はシャフト部20を転舵軸として左右に(鉛直軸回りに)転舵される。
トリムユニット24は、チルト角調整用の油圧シリンダ24aと、トリム角調整用の油圧シリンダ24bと、油圧シリンダ24a,24bに図示しない油圧回路を介して接続されるチルト/トリム角調整用の電動モータ24cとを一体的に備え、電動モータ24cの駆動によって油圧シリンダ24a,24bに作動油を供給し、油圧シリンダ24a,24bを伸縮させることで、スイベルケース14がチルティングシャフト16を回転軸として回転させられ、船外機10はチルトアップ/ダウンあるいはトリムアップ/ダウンさせられる。
船外機10の上部には、内燃機関(以下「エンジン」という)30が搭載される。エンジン30は火花点火式の水冷ガソリンエンジンで、排気量2200ccを備える。エンジン30は水面上に位置し、エンジンカバー32によって覆われる。
エンジン30の吸気管34には、スロットルボディ36が接続される。スロットルボディ36はその内部にスロットルバルブ38を備えると共に、スロットルバルブ38を開閉駆動するスロットル用電動モータ40が一体的に取り付けられる。
スロットル用電動モータ40の出力軸は減速ギヤ機構(図示せず)を介してスロットルバルブ38に接続され、スロットル用電動モータ40を動作させることでスロットルバルブ38が開閉され、エンジン30の吸気量が調量されてエンジン回転数が調節される。
船外機10は、水平軸回りに回転自在に支持されると共に、その一端にプロペラ42が取り付けられ、エンジン30の動力をプロペラ42に伝達するプロペラシャフト(動力伝達軸)44と、エンジン30とプロペラシャフト44の間に介挿されると共に、1速、2速、3速からなる複数の変速段を有する変速機(自動変速機)46を備える。
プロペラシャフト44は、トリムユニット24の初期状態(トリム角θが初期角度の状態)において、その軸線44aが船舶1の進行方向に対して略平行となるように配置される。また、変速機46は、複数の変速段を切換自在な変速機構50と、シフト位置を前進位置、後進位置およびニュートラル位置に切換自在なシフト機構52からなる。
図4は変速機構50の油圧回路を模式的に示す油圧回路図である。
図2および図4に示す如く、変速機構50は、エンジン30のクランクシャフト(図において見えず)に接続されるインプットシャフト54と、インプットシャフト54にギヤを介して接続されるカウンタシャフト56と、カウンタシャフト56に複数のギヤを介して接続されるアウトプットシャフト58とが平行に配置された平行軸式の有段式の変速機構からなる。
カウンタシャフト56には、後述する変速用の油圧クラッチや潤滑部に作動油(潤滑油。オイル)を圧送する油圧ポンプ(ギヤポンプ。図2にのみ示す)60が接続される。シャフト54,56,58や油圧ポンプ60などは、ケース(図2にのみ示す)62に収容される。ケース62の下部は作動油を受けるオイルパン62aを構成する。
上記の如く構成された変速機構50においては、シャフト上に相対回転自在に配置されたギヤを変速クラッチでシャフト上に固定することで複数の変速段、詳しくは1速、2速、3速のうちのいずれかの変速段が選択(確立)され、エンジン30の出力は選択された変速段で変速され、シフト機構52、プロペラシャフト44を介してプロペラ42に伝達される。尚、各変速段の変速比は1速が最も大きく、2速、3速となるにつれて小さくなるように設定される。
変速機構50について具体的に説明すると、図4に良く示すように、インプットシャフト54には、インプットプライマリギヤ64が支持される。カウンタシャフト56には、インプットプライマリギヤ64に噛合するカウンタプライマリギヤ66、カウンタ1速ギヤ68、カウンタ2速ギヤ70、カウンタ3速ギヤ72が支持される。
また、アウトプットシャフト58には、カウンタ1速ギヤ68に噛合するアウトプット1速ギヤ74、カウンタ2速ギヤ70と噛合するアウトプット2速ギヤ76、カウンタ3速ギヤ72に噛合するアウトプット3速ギヤ78が支持される。
上記において、アウトプットシャフト58に相対回転自在に支持されたアウトプット1速ギヤ74を1速用クラッチC1でアウトプットシャフト58に結合すると、1速(ギヤ。変速段)が確立する。尚、1速用クラッチC1は、ワンウェイクラッチからなり、後述する2速または3速用油圧クラッチC2,C3に油圧が供給されて2速または3速が確立し、アウトプットシャフト58の回転数がアウトプット1速ギヤ74のそれより大きくなるとき、アウトプット1速ギヤ74を空転させるように構成される。
カウンタシャフト56に相対回転自在に支持されたカウンタ2速ギヤ70を2速用油圧クラッチC2でカウンタシャフト56に結合すると、2速(ギヤ。変速段)が確立する。また、カウンタシャフト56に相対回転自在に支持されたカウンタ3速ギヤ72を3速用油圧クラッチC3でカウンタシャフト56に結合すると、3速(ギヤ。変速段)が確立する。尚、油圧クラッチC2,C3は、油圧が供給されるとき各ギヤ70,72をカウンタシャフト56に結合する一方、油圧が供給されないとき各ギヤ70,72を空転させる。
このように、クラッチC1,C2,C3によるギヤとシャフトの結合は、油圧ポンプ60から油圧クラッチC2,C3に供給される油圧を制御することで行われる。
図4を参照しつつ説明すると、油圧ポンプ60がエンジン30により駆動されるとき、オイルパン62aの作動油は油路80a、ストレーナ82を介して汲み上げられて吐出口60aから油路80bを介して第1切換バルブ84aに、油路80c,80dを介して第1、第2電磁ソレノイドバルブ(リニアソレノイドバルブ)86a,86bに送られる。
第1切換バルブ84aには、油路80eを介して第2切換バルブ84bが接続される。第1、第2切換バルブ84a,84bの内部には移動自在なスプールがそれぞれ収容され、スプールは一端側(図で左端)でスプリングによって他端側に付勢される。その他端側には、前記した第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bが油路80f,80gを介して接続される。
従って、第1電磁ソレノイドバルブ86aが通電(オン)されると、その内部に収容されたスプールが変位させられ、油圧ポンプ60から油路80cを介して供給される油圧は第1切換バルブ84aのスプールの他端側に出力される。これにより、第1切換バルブ84aのスプールは一端側に変位させられ、よって油路80bの作動油が油路80eに送出される。
第2電磁ソレノイドバルブ86bも、第1電磁ソレノイドバルブ86aと同様、通電(オン)されるときにスプールが変位させられ、油圧ポンプ60から油路80dを介して供給される油圧は第2切換バルブ84bの他端側に出力される。これにより、第2切換バルブ84bはスプールが一端側に変位させられ、よって油路80eの作動油は油路80hを介して2速用油圧クラッチC2に供給される。一方、第2電磁ソレノイドバルブ86bが通電されず(オフされ)、第2切換バルブ84bの他端側に油圧が出力されないときは油路80eの作動油は油路80iを介して3速用油圧クラッチC3に供給される。
即ち、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bが共にオフされるときは油圧クラッチC2,C3のいずれにも油圧が供給されないため、アウトプット1速ギヤ74とアウトプットシャフト58が1速用クラッチC1で結合されて1速が確立する。
また、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bが共にオンされるときは2速用油圧クラッチC2に油圧が供給されるため、カウンタ2速ギヤ70とカウンタシャフト56が結合されて2速が確立する。さらに、第1電磁ソレノイドバルブ86aがオン、第2電磁ソレノイドバルブ86bがオフされるときは3速用油圧クラッチC3に油圧が供給されるため、カウンタ3速ギヤ72とカウンタシャフト56が結合されて3速が確立する。このように、第1、第2切換バルブ84a,84bのオン・オフを制御することで、変速機46の変速段が選択される(変速制御が行われる)。
尚、油圧ポンプ60からの作動油(潤滑油)は、油路80b,80j、レギュレータバルブ88やリリーフバルブ90を介して潤滑部(例えばシャフト54,56,58など)にも供給される。また、第1、第2切換バルブ84a,84bと第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bにはそれぞれ、圧抜き用の油路80kが適宜に接続される。
図2の説明に戻ると、シフト機構52は、変速機構50のシャフト58に接続されると共に、鉛直軸と平行に配置されて回転自在に支持されるドライブシャフト(バーチカルシャフト)52aと、シャフト52aに接続されて回転させられる前進ベベルギヤ52bと後進ベベルギヤ52cと、プロペラシャフト44を前進ベベルギヤ52bと後進ベベルギヤ52cのいずれかに係合自在とするクラッチ52dなどからなる。
エンジンカバー32の内部にはシフト機構52を駆動するシフト用電動モータ92が配置され、その出力軸は、減速ギヤ機構94を介してシフト機構52のシフトロッド52eの上端に接続自在とされる。シフト用電動モータ92を駆動することにより、シフトロッド52eとシフトスライダ52fが適宜に変位させられ、それによってクラッチ52dを動作させてシフト位置がフォワード位置、リバース位置およびニュートラル位置の間で切り換えられる。
シフト位置がフォワード位置あるいはリバース位置のとき、変速機構50のシャフト58の回転はシフト機構52を介してプロペラシャフト44に伝達され、よってプロペラ42は回転させられ、船体12を前進あるいは後進させる方向の推力を生じる。尚、船外機10はエンジン30に取り付けられたバッテリなどの電源(図示せず)を備え、それから各電動モータ22,24c,40,92などに動作電源が供給される。
図3に示す如く、スロットルバルブ38の付近にはスロットル開度センサ96が配置され、スロットルバルブ38の開度(スロットル開度)THを示す出力を生じる。また、シフトロッド52eの付近にはニュートラルスイッチ100が配置され、変速機46のシフト位置がニュートラル位置のときにオン信号を、フォワード位置あるいはリバース位置のときにオフ信号を出力する。エンジン30のクランクシャフトの付近にはクランク角センサ102が取り付けられ、所定のクランク角度ごとにパルス信号を出力する。
チルティングシャフト16の付近にはトリム角センサ(トリム角検出手段。具体的には、ロータリエンコーダなどの回転角センサ)104が配置され、船外機10のトリム角θ(船体12に対する船外機10のピッチ軸回りの回転角)に応じた出力を生じる。また、チルト/トリム角調整用の電動モータ24cの付近には電流センサ(駆動電流検出手段)106が設けられ、電動モータ24cの駆動電流Iに応じた出力を生じる。
上記した各センサやスイッチの出力は、船外機10に搭載された電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「ECU」という)110に入力される。ECU110はCPUやROM,RAMなどを備えたマイクロ・コンピュータからなり、船外機10のエンジンカバー32の内部に配置される。
図1に示す如く、船体12の操縦席112の付近には、操船者(図示せず)によって回転操作自在なステアリングホイール114が配置される。ステアリングホイール114のシャフト(図示せず)には操舵角センサ116が取り付けられ、操船者によって入力されたステアリングホイール114の操舵角に応じた信号を出力する。
操縦席112付近にはリモートコントロールボックス120が配置され、そこには操船者の操作自在に配置されるシフト・スロットルレバー122が設けられる。レバー122は、初期位置から前後方向に揺動操作自在とされ、操船者からの前後進切換指示と、エンジン30に対する加速/減速指示を含むエンジン回転数の調節指示を入力する。リモートコントロールボックス120の内部にはレバー位置センサ124が取り付けられ、レバー122の位置に応じた信号を出力する。
操縦席112付近であって船体12の重心位置には、船体12に作用する加速度を検出する加速度センサ126が配置される。加速度センサ126は、船体12の上下方向(重力軸方向)などに作用する加速度を示す出力を生じる。
さらに、操縦席112の付近には、エンジン30の燃費(燃料消費量)を低減させる燃費低減指示を入力するスイッチ130が操船者に手動操作自在に設けられる。スイッチ130は、操船者が燃費を重視して走行することを所望する際に操作され(押され)、操作されるとき燃費低減指示を示す信号(オン信号)を出力する。これら各センサ116,124,126およびスイッチ130の出力もECU110に入力される。
ECU110は、入力されたセンサ出力などに基づいて各電動モータ22,40,92の動作を制御すると共に、変速機46の変速制御とトリムユニット24を制御してトリム角θを調整するトリム角制御を行う。このように、この実施例に係る船外機の制御装置は、操作系(ステアリングホイール114やレバー122)と船外機10の機械的な接続が断たれたDBW(Drive By Wire)方式の装置である。
図5は、ECU110の変速制御動作とトリム角制御動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは、ECU110によって所定の周期(例えば100msec)ごとに実行される。
以下説明すると、先ずS10において、変速機46の1速から3速のうちいずれの変速段を選択すべきか判定する変速段判定処理を行う。
図6は、その変速段判定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。同図に示す如く、S100において変速機46のシフト位置がニュートラル位置にあるか否か判断する。この判断は、ニュートラルスイッチ100からオン信号が出力されているか否か検出することで行う。S100で否定されるとき(インギヤ時)はS102に進み、スロットル開度THをスロットル開度センサ96の出力から検出(算出)し、S104に進んで検出されたスロットル開度THの所定時間(例えば500msec)当たりの変化量(変動量)DTHを検出(算出)する。
次いでS106に進み、操船者からエンジン30に対して減速が指示されたか否か、換言すれば、エンジン30が船舶1を減速させる運転状態にあるか否か判定する。この判定は、スロットルバルブ38が閉弁方向に駆動されているか否か判断することで行う。具体的にはスロットル開度の変化量DTHが負値に設定された減速判定用の所定値DTHa(例えば−0.5deg)未満の場合、スロットルバルブ38が閉弁方向に駆動されている、即ち、減速が指示されたと判定する。
S106で否定されるときはS108に進み、加速終了後に3速に変速されたことを示す加速後3速変速済みフラグ(後述。以下「3速変速フラグ」という)のビットが0か否か判断する。3速変速フラグは初期値が0とされるため、最初のプログラムループにおいてS108の判断は通例肯定されてS110に進む。
S110においてはクランク角センサ102の出力パルスをカウントしてエンジン回転数NEを検出(算出)し、S112に進んで検出されたエンジン回転数NEの変化量(変動量)DNEを検出(算出)する。変化量DNEは、前回のプログラムループで検出されたエンジン回転数NEから今回検出されたそれを減算して求める。
次いでS114に進み、加速後2速変速済みフラグ(以下「2速変速フラグ」という)のビットが0か否か判断する。このフラグのビットは、後述する如く、加速終了後に1速から2速に変速されるとき1にセットされる一方、それ以外のとき0にリセットされる。
2速変速フラグも初期値が0とされるため、最初のプログラムループにおいてS114の判断は通例肯定されてS116に進み、エンジン回転数NEが第1の所定回転数NE1以上か否か判断する。この第1の所定回転数NE1については後に説明する。
エンジン始動直後のプログラムループにおいては通例、エンジン回転数NEは第1の所定回転数NE1未満であるため、S116の判断は否定されてS118に進む。S118では、加速中判定フラグ(後述。図で「加速中フラグ」と示す)のビットが0か否か判断する。加速中判定フラグも初期値が0とされるため、最初のプログラムループにおいてここでの判断は肯定されてS120に進む。
S120では、操船者からエンジン30に対して加速(正確には急加速)が指示されたか否か、換言すれば、エンジン30が船舶1を加速(正確には急加速)させる運転状態にあるか否か判定する。この判定は、具体的にはスロットルバルブ38が開弁方向に急速に駆動されているか否か判断することで行う。
詳しくは、S104で検出されたスロットル開度の変化量DTHと加速判定用の所定値DTHbとを比較し、変化量DTHが所定値DTHb以上のとき、スロットルバルブ38が開弁方向に急速に駆動されている、即ち、加速が指示されたと判定する。従って、所定値DTHbは、減速判定用の所定値DTHaに比して大きい値(正値)で、加速の指示がなされたと判定できるような値、例えば0.5degに設定される。
S120で否定、即ち、エンジン30に対して加速/減速の指示がないときはS122に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86b(図で「第1SOL」「第2SOL」と示す)を共にオンして変速機46において2速の変速段を選択し、次いでS124に進み、加速中判定フラグのビットを0にリセットする。
他方、S120で肯定されるときはS126に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bを共にオフして変速機46の変速段を2速から1速に変速(シフトダウン)する。これにより、エンジン30の出力トルクは1速にシフトダウンさせられた変速機46(正確には、変速機構50)によって増幅させられてプロペラシャフト44を介してプロペラ42に伝達され、よって加速性が上昇する。
次いでS128に進み、加速中判定フラグのビットを1にセットする。即ち、このフラグは、スロットル開度の変化量DTHが加速判定用の所定値DTHb以上で、変速段が2速から1速に変速されるとき1にセットされる一方、それ以外のときは0にリセットされる。尚、このフラグのビットが1にセットされると、次回以降のプログラム実行時はS118で否定されてS120の処理をスキップする。
このように、エンジン30が始動させられてから加速が指示されるまでの通常運転時は変速段を2速にするように構成したため、急加速以外での船外機10の使い勝手を、変速機を備えない船外機と同等とすることができる。
次いでS130に進み、トリムアップ許可フラグ(初期値0)のビットを1にセットし、プログラムを終了する。即ち、トリムアップ許可フラグのビットが1にセットされることはスロットル開度の変化量DTHが加速判定用の所定値DTHb以上で、変速機46の変速段が1速に変速され、後述する如くエンジン回転数NEに応じて行われるトリムアップの実行が許可されていることを、0にリセットされることは例えばエンジン30に対して減速が指示されるなど、トリムアップの必要がないことを意味する。
変速機46の変速段を1速に変速した後、エンジン回転数NEが徐々に上昇し、そして1速でのトルク増幅を利用した加速が終了すると(加速領域が飽和すると)、エンジン回転数NEは第1の所定回転数NE1に到達し、よってS116の判断で肯定されてS132以降の処理に進む。従って、第1の所定回転数NE1は、比較的高い値に設定され、詳しくは1速での加速が終了したと判断できる値(例えば6000rpm)とされる。
S132では、エンジン回転数NEが安定しているか否か判断、換言すれば、エンジン30が安定した運転状態であるか否か判断する。この判断は、エンジン回転数の変化量DNEの絶対値を第1の既定値DNE1と比較することで行われ、変化量DNEの絶対値が第1の既定値DNE1未満の場合にエンジン回転数NEが安定していると判断する。従って、既定値DNE1はエンジン回転数NEが安定して、変化量DNEが比較的少ないと判定できるような値、例えば500rpmに設定される。
S132で否定されるときは1速のままプログラムを終了する一方、肯定されるときはS134に進んで第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bを共にオンして変速機46の変速段を1速から2速に変速(シフトアップ)すると共に、S136に進んで2速変速フラグのビットを1にセットする。これにより、ドライブシャフト52aおよびプロペラシャフト44の回転数が上昇し、結果として船速が(エンジン性能上の)最高速度に到達し、速度性が向上する。
S136において2速変速フラグのビットが1にセットされると、次回以降のプログラム実行時はS114で否定されてS138に進む。このように、S138以降の処理は、2速変速フラグのビットが1にセットされるとき、換言すれば、1速での加速が終了した後に2速に変速される場合に実行される。
S138では、スイッチ130がオン信号を出力しているか否か、即ち、操作者によってエンジン30の燃費低減が指示されているか否か判断する。S138で否定されるときはS140に進み、船体12にピッチング(縦揺れ)が発生しているか否か判定する。
ピッチングの発生の判定は、加速度センサ126の出力に基づいて行われる。具体的には、加速度センサ126の出力に基づいて船体12の上下方向に作用する振動加速度Gzを検出(算出)し、振動加速度Gzの絶対値と許容範囲とを比較し、Gzが許容範囲にない状態が連続して複数回(例えば2回)検出されたとき、ピッチングが発生したと判定する。許容範囲は、船体12の上下方向の振動が比較的少なく、船体12にピッチングが生じていないと判定できるような範囲、例えば0〜0.5Gの範囲に設定される。
S140で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS142に進んでトリムアップ許可フラグのビットを0にリセットする。次いでS144に進み、トリム角センサ104の出力に基づいて現在のトリム角θを検出、換言すれば、船体12にピッチングが発生した時点のトリム角θを検出して記憶し、S146に進んで記憶されたトリム角θから既定角度(例えば3deg)を減算した値を学習トリム角θa(後述)として決定する。
そしてS148に進み、学習トリム判定フラグ(初期値0)のビットを1にセットしてプログラムを終了する。即ち、このフラグが1にセットされることは学習トリム角θaが決定されたことを意味する。
他方、S138で肯定されるときはS150に進み、エンジン回転数NEが第2の所定回転数NE2以上か否か判断する。第2の所定回転数NE2は、第1の所定回転数NE1に比して僅かに低い値であって、後述する如く3速に変速可能と判断できるような値、例えば5000rpmに設定される。
S150で肯定されるときはS152に進み、S132と同様、エンジン回転数NEが安定しているか否か判断する。即ち、エンジン回転数の変化量DNEの絶対値を第2の既定値DNE2と比較し、既定値DNE2未満の場合にエンジン回転数NEが安定していると判断する。従って、既定値DNE2は、変化量DNEが比較的少なくエンジン回転数NEが安定していると判定できるような値、例えば500rpmとされる。
S152で否定、またはS150で否定されるときは前述のS140に進む一方、S152で肯定されるときはS154に進み、第1電磁ソレノイドバルブ86aをオン、第2電磁ソレノイドバルブ86bをオフして変速機46の変速段を2速から3速に変速(シフトアップ)する。これにより、エンジン回転数NEが低下するため、エンジン30の燃料消費量を低減、換言すれば、燃費が向上する。
次いでS156に進み、2速変速フラグのビットを0にリセットし、S158に進んで3速変速フラグのビットを1にセットする。このように、3速変速フラグは、加速終了後に2速から3速に変速されるとき1にセットされる一方、それ以外のとき0にリセットされる。尚、3速変速フラグのビットが1にセットされた後のプログラム実行時は、S108で否定されて、S154からS158の処理を実行して3速のままプログラムを終了する。
また、S106で肯定されるときはS160に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bを共にオンして変速機46の変速段を2速に変速する。その後、S162,S164,S166に進んで2速変速フラグ、3速変速フラグおよび加速中判定フラグのビットを全て0にリセットする。
次いでS168に進み、トリムアップ許可フラグのビットを0にリセットし、S170に進んでトリムダウン許可フラグ(初期値0)のビットを1にセットする。即ち、このトリムダウン許可フラグのビットが1にセットされることはスロットル開度の変化量DTHが減速判定用の所定値DTHa未満で、後述するトリムダウンの実行が許可されていることを、0にリセットされることはトリムダウンの必要がないことを意味する。
また、レバー122が操船者によって操作されて変速機46のシフト位置がニュートラル位置に切り換えられると、S100で肯定されてS172に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bをオフして変速機46の変速段を2速から1速に変速する。
図5フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS12に進み、船外機10のトリムアップを実行すべきか否かの判定処理を行う。
図7は、そのトリムアップ実行判定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。図7に示す如く、先ずS200においてトリム角センサ104の出力に基づいてトリム角θを検出(算出)し、S202に進んで電流センサ106の出力から電動モータ24cの駆動電流Iを検出(算出)する。
次いでS204に進み、学習トリム判定フラグのビットが0か否か判断する。このフラグは初期値が0であるため、S204の処理を最初に実行するときは肯定されてS206に進み、トリムアップ許可フラグのビットが1か否か判断する。
S206で否定されるときはトリムアップの必要がないことから、S208に進み、トリムアップを停止、正確にはトリムアップを行わない。一方、S206で肯定されるとき、具体的には、スロットル開度の変化量DTHが加速判定用の所定値DTHb以上で、変速機46の変速段を1速に変速している状態のときはS210に進み、エンジン回転数NEが1速での加速が終了して変速段を1速から2速に戻す直前の状態を示しているか否か判断する。
具体的には、エンジン回転数NEを、変速段を1速から2速に戻すしきい値である第1の所定回転数NE1より低い値に設定される第3の所定回転数NE3と比較し、エンジン回転数NEが所定回転数NE3以上のとき、1速での加速が終了して変速段を1速から2速に戻す直前の状態と判断する。従って、所定回転数NE3は、加速終了直前と判断できるような値、例えば5000rpmに設定される。
S210で否定されるときはトリムアップを開始するタイミングではないため、S208に進み、トリムアップを実行することなくプログラムを終了する。他方、S210で肯定されるときはS212以下に進み、トリムユニット24の制御に異常が生じたか否か判定する。
具体的にS212では、トリムユニット24の動作を制御(ここではトリムアップ)しているにもかかわらず、トリム角θが所定時間(例えば1sec)以上継続して同一か否か、換言すれば、所定時間以上変化しないか否か判断する。S212の処理を最初に実行するときは、トリムアップ開始前であるため否定されてS214に進む。
S214では、電動モータ24cに過大な電流が流れる異常が生じたか否か判定する。より具体的には、電動モータ24cの駆動電流Iと所定電流Iaとを比較し、駆動電流Iが所定電流Ia以上の場合、異常が生じたと判定する。従って、所定電流Iaは、駆動電流Iがその値以上であるとき、電動モータ24cに異常が生じていると判定できる値(例えば30A)に設定される。
S214で否定、即ち、トリムユニット24の制御に異常が生じていないときはS216に進み、トリムユニット24を動作させてトリムアップを実行する、正確にはトリムアップを開始する。
他方、トリムアップを開始した後のプログラム実行時にS212あるいはS214で肯定されるときはS208に進んでトリムユニット24の制御(ここではトリムアップ)を停止する。このように、トリムユニット24の制御に異常が発生したか否か判定、詳しくは、トリムユニット24が制御されるとき、トリム角θが所定時間以上継続して同一である場合、あるいは電動モータ24cの駆動電流Iが所定電流Ia以上の場合、異常が発生したと判定すると共に、異常が発生したと判定されるとき、トリムユニット24の制御を停止する。
また、S204で否定されるとき、即ち、上記した処理において船体12にピッチングが発生して学習トリム角θaが決定されるときはS218に進んでトリム角θが学習トリム角θaを超えているか否か判断する。
学習トリム角θaは、S146で述べたようにピッチングが発生した時点のトリム角θから既定角度を減算して得た値であることから、S218の処理を最初に実行するときは、トリム角θは学習トリム角θaを既に超えているため、肯定されてS220に進み、トリムアップを停止する。
尚、トリムアップを停止した後、例えば後述するトリムダウンによってトリム角θを初期角度(具体的には0deg)に戻した場合について説明すると、学習トリム判定フラグのビットは既に1にセットされているため、次回以降のプログラムループにおいては、S204で否定されてS218の処理を実行することとなる。
トリム角θが初期角度のときはS218の判断は否定され、S206〜S216に進み、エンジン回転数NEやトリム角θ、駆動電流Iに基づいてトリムアップを実行すべきか否か判定する。そして、S216でトリムアップが開始され、トリム角θが学習トリム角θaに到達すると、S218で肯定されてS220に進んでトリムアップを停止する。
このときの学習トリム角θaは、以前のプログラム実行時に船体12にピッチングが発生したときのトリム角θから既定角度を減算して得た値(別言すれば、ピッチングが発生する前のトリム角に相当する値)であることから、上記の如くトリム角θが学習トリム角θaに到達するときにトリムアップを停止することで、過度なトリムアップによって生じるピッチングなどの不具合を回避することができる。
また、加速時に変速機46で1速が選択されると共に、エンジン回転数NEが第3の所定回転数NE3以上のとき、トリムアップを開始してトリム角θが所定角度(学習トリム角θa)となるようにトリムユニット24の動作を制御するように構成したので、加速が終了して変速段を1速から2速に戻す前にトリムアップを開始でき、船速は上昇する。
図5フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS14に進み、船外機10のトリムダウンを実行すべきか否かの判定処理を行う。
図8は、そのトリムダウン実行判定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。図8に示すように、S300においてトリムダウン許可フラグのビットが1か否か判断する。S300で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるとき、別言すれば、スロットル開度の変化量DTHが減速判定用の所定値DTHa未満のときはS302に進み、トリム角θが初期角度か否か判断する。
S302で否定されるときはS304以下に進み、前記したS212以下と同様、トリムユニット24の制御に異常が生じたか否か判定する。具体的にS304では、トリムユニット24の動作を制御(ここではトリムダウン)しているにもかかわらず、トリム角θが所定時間(例えば1sec)以上継続して同一か否か判断する。S304の処理を最初に実行するときは、未だトリムダウン開始前であるため否定されてS306に進む。
S306では、S214と同様、電動モータ24cの駆動電流Iが所定電流Ia以上か否か判断し、所定電流Ia以上の場合、電動モータ24cに過大な電流が流れる異常が生じたと判定する。S214で否定、即ち、トリムユニット24の制御に異常が生じていないときはS308に進み、トリムダウンを開始してトリム角θが初期角度となるように(トリム角θを初期角度に戻すように)トリムユニット24の動作を制御する。
他方、トリムダウンを開始した後のプログラム実行時にS304あるいはS306で肯定されるときはS310に進んでトリムユニット24の制御(ここではトリムダウン)を停止し、S312に進んでトリムダウン許可フラグのビットを0にリセットし、プログラムを終了する。このように、トリムダウンもトリムアップのときと同様、トリムユニット24の制御に異常が発生したか否か判定すると共に、異常が発生したと判定されるとき、トリムユニット24の制御を停止する。
尚、異常が発生せずにトリム角θが初期角度になると、S302で肯定されて前述のS310,S312の処理を行う。
図9は上記した処理のうち、トリムユニット24の制御に異常が生じたときの動作を説明するタイム・チャートである。
以下説明すると、先ず時刻t0からt1の通常運転時において変速機46の変速段を2速に設定し(S122)、その後操船者のシフト・スロットルレバー122の操作によってスロットルバルブ38が開弁させられ、時刻t1においてスロットル開度の変化量DTHが加速判定用の所定値DTHb以上のとき(S120)、即ち、エンジン30に対して加速が指示されるとき、2速から1速に変速する(S126)。
その後も加速が継続されてエンジン回転数NEが徐々に上昇し、時刻t2において第3の所定回転数NE3以上になると、トリムユニット24の動作を制御して船外機10のトリムアップを開始する(S210,S216)。トリムアップ実行中、時刻t3で例えば電動モータ24cの駆動電流Iが所定電流Ia以上になった場合、トリムユニット24の制御に異常が発生したと判定してその制御を停止、具体的にはトリムアップを停止する(S214,S208)。尚、異常が発生しない場合は、図9に想像線で示す如く、トリム角θが学習トリム角θaとなるまでトリムアップを行う。
また、エンジン回転数NEがさらに上昇して第1の所定回転数NE1以上で(S116)、かつエンジン回転数の変化量DNEが第1の既定値DNE1未満と判断されるときは(S132。時刻t4)、異常発生の有無にかかわらず、変速段を1速から2速へ変速する(S134)。
次いでトリムダウン時の動作について説明すると、時刻t5において操船者によってシフト・スロットルレバー122が操作され、スロットル開度の変化量DTHが減速判定用の所定値DTHa未満のとき(S106,S170)、トリムユニット24の動作を制御して船外機10のトリムダウンを開始する(S300,S308)。
トリムダウン実行中、時刻t6で例えば電動モータ24cの駆動電流Iが所定電流Ia以上になった場合、トリムユニット24の制御に異常が発生したと判定してその制御(具体的にはトリムダウン)を停止する。尚、異常が発生しない場合は、想像線で示すように、トリム角θが初期角度となるまでトリムダウンを行う。
以上の如く、この発明の実施例にあっては、内燃機関(エンジン)30とプロペラ42の間の動力伝達軸(プロペラシャフト)44に介挿されると共に、少なくとも1速、2速からなる変速段を有し、前記内燃機関の出力を選択された変速段で変速して前記プロペラに伝達する変速機46と、船体12に対するトリム角θを調整可能なトリム角調整機構(パワーチルトトリムユニット)24とを備える船外機の制御装置において、前記トリム角調整機構24を制御するトリム角調整機構制御手段と(ECU110。S12,S14)、前記トリム角調整機構24の制御に異常が発生したか否か判定する異常判定手段と(ECU110。S212,S214,S304,S306)を備えると共に、前記トリム角調整機構制御手段は、前記異常判定手段によって前記異常が発生したと判定されるとき、前記トリム角調整機構24の制御を停止すると共に、前記異常判定手段は、前記トリム角θを検出するトリム角検出手段(トリム角センサ104,ECU110。S200)を備え、前記トリム角調整機構制御手段によって前記トリム角調整機構24が制御されるとき(具体的には、トリム角調整機構24が制御されてトリムアップ/ダウンがなされるとき)、前記検出されたトリム角θが所定時間以上継続して同一である場合、前記異常が発生したと判定する如く構成した(S208,S212,S304,S310)。
このように、トリム角調整機構24の制御に異常が発生したと判定されるとき、トリム角調整機構24の制御を停止するように構成、即ち、トリム角調整機構24の制御を継続しないように構成したので、例えば電動モータ24cがロック状態になるなどの不具合が発生することはなく、よってトリム角調整機構24が故障するのを防止(回避)することができる。
また、前記異常判定手段は、前記トリム角θを検出するトリム角検出手段(トリム角センサ104,ECU110。S200)を備え、前記トリム角調整機構制御手段によって前記トリム角調整機構24が制御されるとき(具体的には、トリム角調整機構24が制御されてトリムアップ/ダウンがなされるとき)、前記検出されたトリム角θが所定時間以上継続して同一である場合、前記異常が発生したと判定する如く構成したので(S208,S212,S304,S310)、制御に異常が発生したことを正確に判定することができる。
尚、上記においては、船外機を例にとって説明したが、変速機とパワーチルトトリムユニット(トリム角調整機構)を備えた船内外機についても本発明を適用することができる。
また、所定時間、所定電流Ia、減速/加速判定用の所定値DTHa,DTHbやエンジン30の排気量などを具体的な値で示したが、それらは例示であって限定されるものではない。
10 船外機、12 船体、24 パワーチルトトリムユニット(トリム角調整機構)、24c 電動モータ、30 エンジン(内燃機関)、42 プロペラ、44 プロペラシャフト(動力伝達軸)、46 変速機、104 トリム角センサ(トリム角検出手段)、106 電流センサ(駆動電流検出手段)、110 ECU(電子制御ユニット)

Claims (1)

  1. 内燃機関とプロペラの間の動力伝達軸に介挿されると共に、少なくとも1速、2速からなる変速段を有し、前記内燃機関の出力を選択された変速段で変速して前記プロペラに伝達する変速機と、船体に対するトリム角を調整可能なトリム角調整機構とを備える船外機の制御装置において、
    a.前記トリム角調整機構を制御するトリム角調整機構制御手段と、
    b.前記トリム角調整機構の制御に異常が発生したか否か判定する異常判定手段と、
    を備えると共に、前記トリム角調整機構制御手段は、前記異常判定手段によって前記異常が発生したと判定されるとき、前記トリム角調整機構の制御を停止すると共に、前記異常判定手段は、前記トリム角を検出するトリム角検出手段を備え、前記トリム角調整機構制御手段によって前記トリム角調整機構が制御されるとき、前記検出されたトリム角が所定時間以上継続して同一である場合、前記異常が発生したと判定することを特徴とする船外機の制御装置。
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