JP2009202732A - 船舶用推進システム - Google Patents

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Abstract

【課題】シフト機構に異常が発生した場合にも操縦に違和感を覚えにくい船舶用推進システムを提供する。
【解決手段】船外機20は、エンジン30と、プロペラ41と、シフトポジション切り替え機構36と、オイルポンプ71と、バルブ73,74,76と、ECU86とを備えている。シフトポジション切り替え機構36は、エンジン30とプロペラ41との間の接続状態を変化させる油圧式クラッチ61,62を有する。シフトポジション切り替え機構36は、リバースと、フォワードと、ニュートラルとを切り替える。バルブ73は、オイルポンプ71と油圧式クラッチ61とを断続する。バルブ74は、オイルポンプ71と油圧式クラッチ62とを断続する。バルブ76は、オイルポンプ71とバルブ73,74のそれぞれとを断続する。
【選択図】図5

Description

本発明は船舶用推進システムに関する。
従来、例えば特許文献1に記載のように、船外機のシフトポジション切り替え機構を電動アクチュエータで駆動することでシフトポジションを切り替える技術が提案されている。特許文献1に記載のシフトポジション切り替え機構は、プロペラ軸が配置された所謂砲弾部に配置されている。シフトポジション切り替え機構は、シフトポジション切り替え用のドッグクラッチを備えている。特許文献1に記載のシフトポジション切り替え機構では、電動アクチュエータでドッグクラッチを断続させることでフォワード、リバース及びニュートラルの間でシフトチェンジが行われる。
特開2006−264361号公報
特許文献1に記載の船舶用推進システムでは、シフトポジション切り替え機構に異常が発生した場合、操船者の操縦に違和感を覚える場合もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、シフトポジション切り替え機構に異常が発生した場合にも操縦に違和感を覚えにくい船舶用推進システムを提供することにある。
本発明に係る船舶用推進システムは、動力源と、プロペラと、シフトポジション切り替え機構と、オイルポンプと、第1のバルブと、第2のバルブと、第3のバルブと、制御装置とを備えている。動力源は、回転力を発生させる。プロペラは、動力源により駆動される。
シフトポジション切り替え機構は、動力源とプロペラとの間に配置されている。シフトポジション切り替え機構は、動力源とプロペラとの間の接続状態を変化させる第1の油圧式クラッチ及び第2の油圧式クラッチを有する。シフトポジション切り替え機構は、第1のシフトポジションと、第2のシフトポジションと、ニュートラルとを切り替える。第1のシフトポジションでは、第1の油圧式クラッチが接続される一方、第2の油圧式クラッチが切断されている。第1のシフトポジションでは、動力源の回転力は第1の回転方向の回転力としてプロペラに伝達される。第2のシフトポジションでは、第1の油圧式クラッチが切断される一方、第2の油圧式クラッチが接続されている。第2のシフトポジションでは、動力源の回転力は第1の回転方向とは逆の第2の回転方向の回転力としてプロペラに伝達される。ニュートラルでは、第1の油圧式クラッチと第2の油圧式クラッチとの両方が切断されている。ニュートラルでは、動力源の回転力はプロペラに実質的に伝達されない。
オイルポンプは、油圧を発生させる。オイルポンプは、油圧により第1のバルブ及び第2の油圧式クラッチを断続させる。第1のバルブは、オイルポンプと第1の油圧式クラッチとの間に配置される。第1のバルブは、オイルポンプと第1の油圧式クラッチとを断続する。第2のバルブは、オイルポンプと第2の油圧式クラッチとの間に配置されている。第2のバルブは、オイルポンプと第2の油圧式クラッチとを断続する。第3のバルブは、オイルポンプと第1及び第2のバルブとの間に配置されている。第3のバルブは、オイルポンプと第1のバルブ及び第2のバルブのそれぞれとを断続する。制御装置は、第1のバルブ、第2のバルブ及び第3のバルブを制御する。
本発明によれば、シフトポジション切り替え機構に異常が発生した場合にも操縦に違和感を覚えにくい船舶用推進システムを提供することができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について、図1に示す船舶用推進システムとしての船外機20を例に挙げて説明する。但し、以下の実施形態は、本発明を実施した好ましい形態の単なる例示である。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。本発明に係る船舶用推進システムは、例えば、所謂船内機や、所謂スタンドライブであってもよい。スタンドライブは、船内外機ともいう。なお、「スタンドライブ」とは、少なくとも動力源が船体上に載置される船舶用推進システムをいう。「スタンドライブ」には、推進部以外のものが船体上に載置されているものも含まれる。
図1は、本実施形態に係る船舶1の船尾11部分を側面視した際の概略的な部分断面図である。図1に示すように、船舶1は、船体10と、船外機20とを備えている。船外機20は、船体10の船尾11に取り付けられている。
(船外機20の概略構成)
船外機20は、船外機本体21と、チルト・トリム機構22と、ブラケット23とを備えている。
ブラケット23は、マウントブラケット24とスイベルブラケット25とを備えている。マウントブラケット24は、船体10に固定されている。マウントブラケット24とスイベルブラケット25とは、旋回軸26によって接続されている。スイベルブラケット25は、マウントブラケット24に対して、旋回軸26を中心として揺動可能である。
チルト・トリム機構22は、図示しない1または複数の油圧式シリンダを備えている。チルト・トリム機構22は、船外機本体21をチルト操作及びトリム操作するためのものである。具体的には、スイベルブラケット25をマウントブラケット24に対して揺動操作するためのものである。
船外機本体21は、ケーシング27と、カウリング28と、推進力発生装置29とを備えている。カウリング28は、ケーシング27の上部に取り付けられている。推進力発生装置29は、後述する推進部33の一部を除いて、ケーシング27とカウリング28との内部に配置されている。
図1及び図2に示すように、推進力発生装置29は、エンジン30と、動力伝達機構32と、推進部33とを備えている。
なお、本実施形態では、船外機20が動力源としてエンジン30を有する例について説明する。但し、動力源は、回転力を発生させることができるものである限り、特に限定されない。例えば、動力源は、電動モータであってもよい。
エンジン30は、図5に示すスロットルボディ87を有する燃料噴射式のエンジンである。エンジン30では、スロットル開度を調節することによってエンジン回転速度及びエンジン出力が調節される。エンジン30は、回転力を発生させる。図1に示すように、エンジン30は、クランクシャフト31を備えている。エンジン30は、発生した回転力を、クランクシャフト31を通じて出力する。
動力伝達機構32は、エンジン30と推進部33との間に配置されている。動力伝達機構32は、エンジン30において発生した回転力を推進部33に伝達する。動力伝達機構32は、シフト機構34と、減速機構37と、連動機構38とを備えている。
シフト機構34は、エンジン30のクランクシャフト31に接続されている。このクランクシャフト31からエンジン30の回転力がシフト機構34に入力される。図2及び図3に示すように、シフト機構34は、変速比切り替え機構35と、シフトポジション切り替え機構36とを備えている。
変速比切り替え機構35は、エンジン30とシフトポジション切り替え機構36との間に配置されている。変速比切り替え機構35は、エンジン30と推進部33との間の変速比を高速変速比(HIGH)と低速変速比(LOW)との間で切り替える。ここで、「高速変速比」とは、出力側回転速度の入力側回転速度に対する比が比較的大きい変速比をいう。一方、「低速変速比」とは、出力側回転速度の入力側回転速度に対する比が比較的小さい変速比をいう。
シフトポジション切り替え機構36は、変速比切り替え機構35と推進部33との間に配置されている。シフトポジション切り替え機構36は、シフトポジションをフォワード、リバース及びニュートラルとの間で切り替える。
減速機構37は、シフト機構34と推進部33との間に配置されている。減速機構37は、シフト機構34からの回転力を、減速して推進部33側に伝達する。なお、減速機構37の構造は、特に限定されない。減速機構37は、例えば、遊星歯車機構を有するものであってもよい。また、減速機構37は、例えば、減速ギア対を有するものであってもよい。
連動機構38は、減速機構37と推進部33との間に配置されている。連動機構38には、減速機構37を介して、図3に示すシフトポジション切り替え機構36の出力軸としての第3の動力伝達軸59の回転が伝達される。連動機構38は、伝達された回転をプロペラ軸40に伝達する。
具体的に、連動機構38は、図示しないベベルギア組を備えている。このベベルギア組によって、減速機構37からの回転力を、方向を変えて推進部33に伝達させる。
推進部33は、エンジン30において発生した回転力を推進力に変換する。推進部33は、プロペラ軸40と、プロペラ41とを備えている。プロペラ41は、プロペラ軸40に取り付けられている。プロペラ軸40は、図3に示すシフトポジション切り替え機構36の出力軸としての第3の動力伝達軸59の延びる方向とは異なる方向に延びている。具体的には、第3の動力伝達軸59の延びる方向と、プロペラ軸40の延びる方向とは、略垂直に設定されている。プロペラ軸40は、連動機構38からの回転力をプロペラ41に伝達する。
図1に示すように、プロペラ41は、第1のプロペラ41aと第2のプロペラ41bとの複数のプロペラを含んでいる。第1のプロペラ41aの螺旋方向と、第2のプロペラ41bの螺旋方向とは相互に逆方向である。動力伝達機構32から出力される回転力が正転方向であるとき、第1のプロペラ41aと第2のプロペラ41bとは互いに逆方向に回転し、前進方向の推進力が発生する。よって、シフトポジションがフォワードとなる。一方、動力伝達機構32から出力される回転力が逆転方向であるとき、第1のプロペラ41aと第2のプロペラ41bとのそれぞれは、前進時とは逆方向に回転する。これによって、後進方向の推進力が発生する。よって、シフトポジションがリバースとなる。
なお、プロペラ41は、単一のプロペラまたは3つ以上のプロペラにより構成されていてもよい。
(シフト機構34の詳細構造)
次に、主として図3を参照しながら、本実施形態におけるシフト機構34の構造について詳細に説明する。なお、図3は、シフト機構34を模式化して表している。このため、図3に示すシフト機構34の構造は、実際のシフト機構34の構造と厳密には一致しない。
シフト機構34は、シフトケース45を備えている。このシフトケース45の内部に、後述する遊星歯車機構52、変速比切り替え用油圧式クラッチ53、遊星歯車機構60、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62及び第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61などが収納されている。
シフトケース45は、外観視略円柱状に形成されている。シフトケース45は、第1のケース45aと、第2のケース45bと、第3のケース45cと、第4のケース45dとを備えている。第1のケース45aと、第2のケース45bとによって区画形成される空間内に遊星歯車機構52及び変速比切り替え用油圧式クラッチ53が配置されている。第3のケース45cと、第4のケース45dとによって区画形成される空間内に遊星歯車機構60、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62及び第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が配置されている。第1のケース45aと、第2のケース45bと、第3のケース45cと、第4のケース45dとは、ボルトなどによって一体に固定されている。
シフトケース45の内部には、オイルが満たされている。これによって、シフト機構34の各摺動部の潤滑やシールが行われている。また、シフトケース45の内への水の進入が抑制されている。
<変速比切り替え機構35>
変速比切り替え機構35は、第1の動力伝達軸50と、第2の動力伝達軸51と、変速ギア群としての遊星歯車機構52と、変速比切り替え用油圧式クラッチ53とを備えている。
遊星歯車機構52は、第1の動力伝達軸50の回転を、低速変速比(LOW)または高速変速比(HIGH)で第2の動力伝達軸51に伝達する。遊星歯車機構52の変速比は、変速比切り替え用油圧式クラッチ53の断続により切り替えられる。
第1の動力伝達軸50と第2の動力伝達軸51とは、同軸上に配置されている。第1の動力伝達軸50は、第1のケース45aによって回転可能に支持されている。第2の動力伝達軸51は、第2のケース45bと第3のケース45cとによって回転可能に支持されている。第1の動力伝達軸50は、クランクシャフト31に接続されている。また、第1の動力伝達軸50は、遊星歯車機構52に接続されている。
遊星歯車機構52は、サンギア54と、リングギア55と、キャリア56と、複数のプラネタリギア57とを備えている。リングギア55は、略円筒状に形成されている。リングギア55の内周面に、プラネタリギア57と噛合する歯が形成されている。リングギア55は、第1の動力伝達軸50に接続されている。リングギア55は、第1の動力伝達軸50と共に回転する。
サンギア54は、リングギア55の内部に配置されている。サンギア54とリングギア55とは同軸で回転する。サンギア54は、ワンウェイクラッチ58を介して、第2のケース45bに取り付けられている。ワンウェイクラッチ58は、正転方向の回転を許容する一方、逆転方向の回転を規制する。このため。サンギア54は、正転可能である一方、逆転不能である。
サンギア54とリングギア55との間には、複数のプラネタリギア57が配置されている。各プラネタリギア57は、サンギア54とリングギア55との両方と噛合している。各プラネタリギア57は、キャリア56によって回転可能に支持されている。このため、複数のプラネタリギア57は、各々が回転しながら、第1の動力伝達軸50の軸心回りを相互に同速度で旋回する。
なお、本明細書において、「回転」とは、部材が、その部材内に位置する軸を中心として回ることをいう。一方、「旋回」とは、部材が、その部材の外に位置する軸を中心として回ることをいう。
キャリア56は、第2の動力伝達軸51に接続されている。キャリア56は、第2の動力伝達軸51と共に回転する。
キャリア56とサンギア54との間には、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が配置されている。本実施形態では、この変速比切り替え用油圧式クラッチ53は、湿式多板式クラッチである。但し、本発明において、変速比切り替え用油圧式クラッチ53は、湿式多板式クラッチに限定されない。変速比切り替え用油圧式クラッチ53は、乾式多板式クラッチであってもよく、乾式多板式クラッチまたは所謂ドッグクラッチであってもよい。
なお、本明細書において「多板式クラッチ」とは、相互に回転可能な第1の部材及び第2の部材と、第1の部材と共に回転する1または複数の第1のプレートと、第2の部材と共に回転する1または複数の第2のプレートとを備え、第1のプレートと第2のプレートとが圧接されることによって第1の部材と第2の部材との回転が規制されるクラッチをいう。本明細書において「クラッチ」は、回転力が入力される入力軸と、回転力が出力される出力軸との間に配置され、前記入力軸と前記出力軸との間を断続させるものに限定されない。
変速比切り替え用油圧式クラッチ53は、油圧式のシリンダ53aと、クラッチプレート及びフリクションプレートを含むプレート群53bとを備えている。シリンダ53aが駆動されることで、プレート群53bが圧接状態となる。このため、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が接続状態となる。一方、シリンダ53aが非駆動状態のときは、プレート群53bが非圧接状態となる。このため、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が切断状態となる。
変速比切り替え用油圧式クラッチ53が接続状態となると、サンギア54とキャリア56とが相互に固定された状態となる。このため、プラネタリギア57の旋回に伴って、サンギア54とキャリア56とが一体に回転する。
<シフトポジション切り替え機構36>
シフトポジション切り替え機構36は、フォワードと、リバースと、ニュートラルとを切り替える。
なお、本明細書において、「ニュートラル」とは、シフトポジション切り替え機構36の入力軸の回転力がシフトポジション切り替え機構36の出力軸に実質的に伝達されないシフトポジションをいう。「フォワード」は、シフトポジション切り替え機構36の入力軸の回転力がシフトポジション切り替え機構36の出力軸に伝達されることによって、シフトポジション切り替え機構36の出力軸が前進方向に回転するシフトポジションをいう。一方、「リバース」は、シフトポジション切り替え機構36の入力軸の回転力がシフトポジション切り替え機構36の出力軸に伝達されることによって、シフトポジション切り替え機構36の出力軸が後進方向に回転するシフトポジションをいう。
「フォワード」及び「リバース」において、シフトポジション切り替え機構36の出力軸の回転速度は、シフトポジション切り替え機構36の入力軸の回転速度と同じであってもよく、相互に異なっていてもよい。また、シフトポジション切り替え機構36の入力軸の回転速度が同じである場合の「フォワード」におけるシフトポジション切り替え機構36の出力軸の回転速度と、「リバース」におけるシフトポジション切り替え機構36の出力軸の回転速度とは、同じであってもよく、相互に異なっていてもよい。
具体的に、本実施形態では、シフトポジション切り替え機構36の入力軸としての第2の動力伝達軸51の回転速度と、シフトポジション切り替え機構36の出力軸としての第3の動力伝達軸59の回転速度との比は、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションがフォワードの場合とリバースの場合とで相互に実質的に等しい。詳細には、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションがフォワードの場合における第2の動力伝達軸51の回転速度と、第3の動力伝達軸59の回転速度との比は、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションがリバースの場合における第2の動力伝達軸51の回転速度と、第3の動力伝達軸59の回転速度との比よりも若干だけ小さく設定されている。
より具体的には、本実施形態では、第1の動力伝達軸50の回転速度と、第3の動力伝達軸59の回転速度との比は、以下のようになっている。
高速フォワード : 1:1、減速比1
高速リバース : 1:1.08、減速比0.93
低速フォワード : 1:0.77、減速比1.3
低速リバース : 1:0.83、減速比1.21
シフトポジション切り替え機構36は、第2の動力伝達軸51と、出力軸としての第3の動力伝達軸59と、回転方向切り替え機構としての遊星歯車機構60と、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61と、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62とを備えている。
遊星歯車機構52は、第2の動力伝達軸51の回転方向に対する第3の動力伝達軸59の回転方向を切り替える。具体的には、遊星歯車機構52は、第2の動力伝達軸51の回転力を、正転方向または逆転方向の回転力として第3の動力伝達軸59に伝達する。遊星歯車機構52が伝達する回転力の回転方向は、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61と、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62との断続によって切り替えられる。
第3の動力伝達軸59は、第3のケース45cと第4のケース45dとにより回転可能に支持されている。第2の動力伝達軸51と、第3の動力伝達軸59とは同軸上に配置されている。本実施形態では、シフト切り替え用油圧式クラッチ61,62は湿式多板式クラッチである。但し、シフト切り替え用油圧式クラッチ61,62は、それぞれ乾式多板式クラッチまたはドッグクラッチであってもよい。
なお、第2の動力伝達軸51は、変速比切り替え機構35とシフトポジション切り替え機構36とが共有する部材である。
遊星歯車機構60は、サンギア63と、リングギア64と、複数のプラネタリギア65と、キャリア66とを備えている。
キャリア66は、第2の動力伝達軸51に接続されている。キャリア66は、第2の動力伝達軸51と共に回転する。このため、第2の動力伝達軸51の回転に伴って、キャリア66が回転すると共に、複数のプラネタリギア65が相互に同じ速度で旋回する。
複数のプラネタリギア65は、リングギア64と、サンギア63とに噛合している。リングギア64と第3のケース45cとの間には、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が配置されている。第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61は、油圧式のシリンダ61aと、クラッチプレートとフリクションプレートとを含むプレート群61bとを備えている。この油圧式のシリンダ61aが駆動されることで、プレート群61bが圧接状態となる。このため、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が接続状態となる。その結果、リングギア64が第3のケース45cに対して固定され、回転不能となる。一方、油圧式のシリンダ61aが非駆動状態のときは、プレート群61bが非圧接状態となる。このため、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が非接続状態となる。その結果、リングギア64が第3のケース45cに対して非固定状態となり、回転可能となる。
キャリア66とサンギア63との間には、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が配置されている。第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62は、油圧式のシリンダ62aと、クラッチプレート及びフリクションプレートを含むプレート群62bとを備えている。この油圧式のシリンダ62aが駆動されることで、プレート群62bが圧接状態となる。このため、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が接続状態となる。その結果、キャリア66とサンギア63とが一体に回転する。一方、油圧式のシリンダ62aが非駆動状態のときは、プレート群62bが非圧接状態となる。このため、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が非接続状態となる。その結果、リングギア64とサンギア63とが相互に回転可能となる。
図2に示すように、シフト機構34は、制御装置としてのelectronic control unit(ECU)86とアクチュエータ70とによって制御される。具体的には、変速比切り替え用油圧式クラッチ53と、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61と、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62との断続がアクチュエータ70によって行われる。アクチュエータ70は、ECU86よって制御される。
図4にアクチュエータ70の詳細な構成を示す。アクチュエータ70は、オイルポンプ71と、オイル経路75と、変速比切り替え用電磁バルブ72と、後進シフト接続用電磁バルブ73と、前進シフト接続用電磁バルブ74と、ポンプ側電磁バルブ76と、リリーフバルブ77とを備えている。
本実施形態では、オイルポンプ71は、エンジン30によって駆動される。具体的には、クランクシャフト31が回転することによって、オイルポンプ71が駆動される。但し、本発明において、オイルポンプは、プロペラに動力を供給する動力源によって駆動されるものでなくてもよい。プロペラに動力を供給する動力源とは別に、オイルポンプを駆動するための動力源を設けてもよい。オイルポンプを駆動するための動力源は、内燃機関であってもよいし、電動モータであってもよい。
オイルポンプ71は、オイル経路75によって油圧式シリンダ53a、61a、62aと接続されている。オイル経路75は、第1のオイル経路75aと、第2のオイル経路75bと、第3のオイル経路75cと、第4のオイル経路75dとを含む。第1のオイル経路75aは、オイルポンプ71に接続されている。第2のオイル経路75bは、第1のオイル経路75aと油圧式シリンダ53aとを接続している。第3のオイル経路75cは、第1のオイル経路75aと油圧式シリンダ61aとを接続している。第4のオイル経路75dは、第1のオイル経路75aと油圧式シリンダ62aとを接続している。
変速比切り替え用電磁バルブ72は、オイルポンプ71と油圧式シリンダ53aとの間に配置されている。具体的には、変速比切り替え用電磁バルブ72は、第2のオイル経路75bに配置されている。この変速比切り替え用電磁バルブ72によって油圧式シリンダ53aの油圧が調節されることで、変速比切り替え用油圧式クラッチ53の接続力が調整される。
後進シフト接続用電磁バルブ73は、オイルポンプ71と油圧式シリンダ61aとの間に配置されている。具体的には、後進シフト接続用電磁バルブ73は、第3のオイル経路75cに配置されている。この後進シフト接続用電磁バルブ73によって油圧式シリンダ61aの油圧が調節されることで、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61の接続力が調整される。
前進シフト接続用電磁バルブ74は、オイルポンプ71と油圧式シリンダ62aとの間に配置されている。具体的には、前進シフト接続用電磁バルブ74は、第4のオイル経路75dに配置されている。この前進シフト接続用電磁バルブ74によって油圧式シリンダ62aの油圧が調節されることで、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62の接続力が調整される。
なお、本実施形態では、変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74のそれぞれは、ノーマルハイ型の電磁バルブである。このため、変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74のそれぞれは、電圧が印加されていない状態でオイル経路75を解放する。変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74に電圧が印加されると、オイル経路75の流路面積が印加される電圧の大きさに応じた大きさの流路面積となるようにオイル経路75の流路面積が縮小される。
但し、本発明において、変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74のそれぞれは、ノーマルハイ型の電磁バルブに限定されない。変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74のそれぞれは、例えば、ノーマルロー型の電磁バルブであってもよい。
ポンプ側電磁バルブ76は、オイルポンプ71と、変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74との間に配置されている。具体的には、ポンプ側電磁バルブ76は、第1のオイル経路75aに配置されている。このため、ポンプ側電磁バルブ76が閉鎖されると、第2のオイル経路75b、第3のオイル経路75c及び第4のオイル経路75dへの油圧の供給がオフされる。よって、ポンプ側電磁バルブ76が閉鎖されれば、変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74の状態にかかわらず、油圧式クラッチ53,61及び62への油圧の供給はオフされる。このため、通常、メインスイッチ96がオンされているときにおいては、ポンプ側電磁バルブ76は解放されている。
なお、本実施形態では、ポンプ側電磁バルブ76は、ノーマルロー型の電磁バルブにより構成されている。但し、本発明において、ポンプ側電磁バルブ76は、ノーマルロー型の電磁バルブに限定されない。ポンプ側電磁バルブ76は、例えば、ノーマルハイ型の電磁バルブであってもよい。
リリーフバルブ77は、ポンプ側電磁バルブ76とオイルポンプ71との間に配置されている。具体的には、リリーフバルブ77は、第1のオイル経路75aに配置されている。このリリーフバルブ77によって、第2のオイル経路75b、第3のオイル経路75c及び第4のオイル経路75dの油圧の上限が決められている。
なお、変速比切り替え用電磁バルブ72と、後進シフト接続用電磁バルブ73と、前進シフト接続用電磁バルブ74と、ポンプ側電磁バルブ76とのそれぞれは、オイル経路75の経路面積を徐変可能である。このため、変速比切り替え用電磁バルブ72と、後進シフト接続用電磁バルブ73と、前進シフト接続用電磁バルブ74と、ポンプ側電磁バルブ76とを用いることによって、油圧式シリンダ53a、61a、62aの押圧力を徐変させることができる。従って、油圧式クラッチ53,61,62の接続力の徐変が可能となっている。よって、第2の動力伝達軸51の回転速度に対する第3の動力伝達軸59の比を調節することができる。その結果、入力軸としての第1の動力伝達軸50の回転速度に対する出力軸としての第3の動力伝達軸59の回転速度の比を実質的に連続的に調節することができる。
本実施形態では、変速比切り替え用電磁バルブ72と、後進シフト接続用電磁バルブ73と、前進シフト接続用電磁バルブ74と、ポンプ側電磁バルブ76とのそれぞれは、PWM(Pulse Width Modulation)制御されるソレノイドバルブにより構成されている。但し、変速比切り替え用電磁バルブ72と、後進シフト接続用電磁バルブ73と、前進シフト接続用電磁バルブ74と、ポンプ側電磁バルブ76とのそれぞれは、PWM制御されるソレノイドバルブ以外のバルブにより構成されていてもよい。例えば、変速比切り替え用電磁バルブ72と、後進シフト接続用電磁バルブ73と、前進シフト接続用電磁バルブ74と、ポンプ側電磁バルブ76とのそれぞれは、オン−オフ制御されるソレノイドバルブによって構成されていてもよい。
(シフト機構34の変速動作)
次に、シフト機構34の変速動作について、主として図3と図7を参照しつつ詳細に説明する。図7は、油圧式クラッチ53,61,62の接続状態と、シフト機構34のシフトポジションとを示す表である。シフト機構34では、第1〜第3の油圧式クラッチ53,61,62の断続によって、シフトポジションが切り替えられる。
<低速変速比と高速変速比との切り替え>
低速変速比と高速変速比との切り替えは変速比切り替え機構35において行われる。具体的には、変速比切り替え用油圧式クラッチ53の操作によって低速変速比と高速変速比とが切り替えられる。詳細には、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が切断状態にある場合に変速比切り替え機構35の変速比が「低速変速比」となる。一方、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が接続状態である場合に変速比切り替え機構35の変速比が「高速変速比」となる。
図3に示すように、リングギア55は第1の動力伝達軸50に接続されている。このため、第1の動力伝達軸50の回転に伴って、リングギア55が正転方向に回転する。ここで、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が切断状態にある場合、キャリア56とサンギア54とは相互に回転可能となっている。よって、プラネタリギア57が回転すると共に旋回する。その結果、サンギア54が逆転方向に回転しようとする。
しかしながら、図7に示すように、ワンウェイクラッチ58は、サンギア54の逆転方向回転を阻止する。このため、サンギア54はワンウェイクラッチ58によって固定される。その結果、リングギア55の回転に伴ってサンギア54とリングギア55との間でプラネタリギア57が旋回することで、キャリア56と共に第2の動力伝達軸51が回転する。この場合、プラネタリギア57は旋回すると共に回転するため、第1の動力伝達軸50の回転は、減速されて第2の動力伝達軸51に伝達される。従って、変速比切り替え機構35の変速比が「低速変速比」となる。
一方、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が接続状態にある場合、プラネタリギア57とサンギア54とが一体に回転する。よって、プラネタリギア57の回転が禁止される。従って、プラネタリギア57とキャリア56とサンギア54とがリングギア55の回転に伴ってリングギア55と同じ回転速度で正転方向に回転する。ここで、図7に示すように、ワンウェイクラッチ58は、サンギア54の正転を許容する。その結果、第1の動力伝達軸50と第2の動力伝達軸51とが同じ回転速度で正転方向に回転する。言い換えれば、第2の動力伝達軸51に第1の動力伝達軸50の回転力が同じ回転速度且つ同じ回転方向で伝達される。従って、変速比切り替え機構35の変速比が「高速変速比」となる。
<フォワード、リバース及びニュートラルの切り替え>
フォワード、リバース及びニュートラルの切り替えは、シフトポジション切り替え機構36において行われる。具体的には、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61と第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62との操作によってフォワード、リバース及びニュートラルの切り替えが行われる。
第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が切断状態である一方、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が接続状態である場合にシフトポジション切り替え機構36のシフトポジションが「フォワード」となる。第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が切断状態である場合、リングギア64は、シフトケース45に対して回転可能である。第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62は接続状態にある場合、キャリア66とサンギア63及び第3の動力伝達軸59とは一体に回転する。このため、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が接続状態である一方、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62は接続状態にある場合、第2の動力伝達軸51とキャリア66とサンギア63と第3の動力伝達軸59とが一体に正転方向に回転する。従って、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションが「フォワード」となる。
第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が接続状態である一方、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が切断状態である場合にシフトポジション切り替え機構36のシフトポジションが「リバース」となる。第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が接続状態である一方、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62は切断状態にある場合、リングギア64はシフトケース45によって回転規制される。一方、サンギア63は、キャリア66に対して回転可能となる。従って、第2の動力伝達軸51が正転方向に回転するにともなって、プラネタリギア65が回転しながら旋回する。その結果、サンギア63と第3の動力伝達軸59とが逆転方向に回転する。従って、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションが「リバース」になる。
また、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61と第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62との両方が切断状態である場合にシフトポジション切り替え機構36のシフトポジションが「ニュートラル」となる。第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61と第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62との両方が切断状態にある場合、遊星歯車機構60は空転状態となる。このため、第2の動力伝達軸51の回転は第3の動力伝達軸59へと伝達されない。従って、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションが「ニュートラル」となる。
以上説明したように、変速比切り替え機構35における変速比の切り替え、及びシフトポジション切り替え機構36のシフトポジションの切り替えが行われる。従って、図7に示すように、変速比切り替え用油圧式クラッチ53及び第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が切断状態にある一方、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が接続状態にある場合に、シフト機構34のシフトポジションが「低速フォワード」となる。変速比切り替え用油圧式クラッチ53と第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62とが接続状態である一方、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が切断状態である場合に、シフト機構34のシフトポジションが「高速フォワード」となる。第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61及び第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62との両方が切断状態の場合に、変速比切り替え用油圧式クラッチ53の接続状態に関わらず、シフト機構34のシフトポジションが「ニュートラル」となる。変速比切り替え用油圧式クラッチ53と第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62とが切断状態にある一方、第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が接続状態にある場合に、シフト機構34のシフトポジションは「低速リバース」となる。また、変速比切り替え用油圧式クラッチ53と第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61とが接続状態にある一方、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が切断状態にある場合に、シフト機構34のシフトポジションは「高速リバース」となる。
(船舶1の制御ブロック)
次に主として図5を参照しながら船舶1の制御ブロックについて説明する。
まず、図5を参照して、船外機20の制御ブロックについて説明する。船外機20には、制御装置としてのECU86が配置されている。具体的には、ECU86は、船外機20のカウリング28の内部に配置されている。このECU86によって、船外機20の各機構が制御される。
なお、ECU86の配置は、船外機20に限定されない。ECU86をコントローラー82内に配置してもよい。また、ECU86をコントローラー82内と船外機20内との両方に配置してもよい。
図6に本実施形態におけるECU86の詳細な構成を表す。図6に示すように、ECU86は、CPU86aと、メモリ86bと、第1のスイッチとしてのメインスイッチ96と、制御系低電圧変換部97と、メインスイッチ状態検出部98、第2のスイッチとしてのリレー99と、リレー駆動部100と、電源電圧監視部101と、バルブ駆動部102と、バルブ通電電流検出部103とを備えている。
ECU86は、電源としてのバッテリ95に接続されている。詳細には、ECU86は、第1の配線78と、第2の配線79とによってバッテリ95と接続されている。なお、第1の配線78と第2の配線79とは、途中部において接続されている。
第1の配線78には、メインスイッチ96が配置されている。このメインスイッチ96が操船者によって操作されることでバッテリ95とECU86との間がオン/オフされる。
第1の配線78には、制御系低電圧変換部97と、メインスイッチ状態検出部98とが接続されている。メインスイッチ状態検出部98は、メインスイッチ96の状態を検出する。具体的には、メインスイッチ状態検出部98は、メインスイッチ96がオン状態にあるか、またはオフ状態にあるかを検出する。メインスイッチ状態検出部98は、検出したメインスイッチ状態検出部98の状態をCPU86aに対して出力する。
制御系低電圧変換部97は、バッテリ95から供給される比較的高い電圧の電力を、CPU86aなどの制御系に対して供給される比較的低い電圧の電力に変換する。制御系低電圧変換部97は、変圧後の電力を制御系に供給する。
第2のスイッチとしての電源リレー99は、第2の配線79によってバッテリ95に直接接続されている。このため、メインスイッチ96がオフされているときであっても、第2の配線79を経由して電源リレー99に電力が供給される。
なお、第2の配線79の電源リレー99よりも下流側の部分と、第1の配線78のメインスイッチ96よりも下流側の部分とは接続されている。このため、メインスイッチ96がオフされた場合であっても、電源リレー99がオンされている状態では、制御系低電圧変換部97に電圧が供給される。
電源リレー99には、リレー駆動部100が接続されている。このリレー駆動部100によって、電源リレー99が駆動される。なお、リレー駆動部100は、CPU86aによって駆動される。
電源リレー99は、電源電圧監視部101と、バルブ駆動部102とに接続されている。電源電圧監視部101は、電源電圧監視部101に印加される電圧を検出する。電源電圧監視部101は、検出した電圧をCPU86aに対して出力する。
バルブ駆動部102は、ドライバ102aを備えている。ドライバ102aは、リリーフバルブ77、ポンプ側電磁バルブ76、変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74のそれぞれを駆動する。ドライバ102aは、CPU86aによって制御される。
リリーフバルブ77、ポンプ側電磁バルブ76、変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74のそれぞれには、バルブ通電電流検出部103が接続されている。このバルブ通電電流検出部103によって、リリーフバルブ77、ポンプ側電磁バルブ76、変速比切り替え用電磁バルブ72、後進シフト接続用電磁バルブ73及び前進シフト接続用電磁バルブ74のそれぞれを流れる電流の大きさが検出される。バルブ通電電流検出部103は、検出した各バルブを流れる電流の大きさをCPU86aに対して出力する。
CPU86aには、メモリ86bが接続されている。メモリ86bには、後述するマップなどの各種設定などが記憶されている。CPU86aは、各種演算を行う際に、メモリ86bに格納された必要な情報を読み出す。また、CPU86aは、必要に応じて、演算結果をメモリ86bに出力し、メモリ86bに演算結果などを記憶させる。
図5に示すように、ECU86には、エンジン30のスロットルボディ87と、スタータモータ39とが接続されている。スロットルボディ87は、このECU86によって制御される。これにより、エンジン30のスロットル開度が制御される。具体的には、コントロールレバー83の操作量と、感度切り替え信号とに基づいてエンジン30のスロットル開度が制御される。その結果、エンジン30の出力が制御される。
スタータモータ39は、操船者のスタータスイッチ39a操作に基づいて駆動される。具体的には、操船者によってスタータスイッチ39aがオンされると、LAN80を介してスタータスイッチ39aからオン信号が出力される。ECU86は、原則として、スタータスイッチ39aからのオン信号を受信したときにスタータモータ39を駆動させる。これによって、エンジン30の始動が行われる。
なお、エンジン30の始動時において、エンジン回転速度が比較的高い場合は、スタータモータ39を用いずにエンジン30の始動が行われる場合もある。
また、ECU86には、エンジン回転速度センサ88が接続されている。エンジン回転速度センサ88は、図1に示すエンジン30のクランクシャフト31の回転速度を検出する。エンジン回転速度センサ88は、検出したエンジン回転速度をECU86に出力する。
シフト機構34には、プロペラ回転速度センサ90が配置されている。具体的には、プロペラ回転速度センサ90は、シフト機構34のシフトケース45内に配置されている。プロペラ回転速度センサ90は、シフトポジション切り替え機構36の出力軸としての第3の動力伝達軸59の回転速度を検出する。プロペラ回転速度センサ90は、検出した第3の動力伝達軸59の回転速度をECU86に対して出力する。ECU86は、入力された第3の動力伝達軸59の回転速度及び減速機構37の減速比などからプロペラ41の回転速度を算出する。
なお、プロペラ回転速度センサ90の配置場所及びプロペラ回転速度センサ90が回転速度を検出する対象は、特に限定されない。プロペラ回転速度センサ90は、プロペラ軸40の回転速度またはプロペラ41の回転速度を直接検出するものであってもよい。また、プロペラ回転速度センサ90によってエンジン回転速度を検出し、その検出されたエンジン回転速度と、シフト機構34との状態などに基づいてECU86にプロペラ回転速度を算出させるようにしてもよい。
図5に示すように、ECU86には、シフトポジションセンサ67が配置されている。このシフトポジションセンサ67によって、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションがフォワード、リバース及びニュートラルのうちのいずれにあるかが検出される。シフトポジションセンサ67は、検出したシフトポジションをECU86に対して出力する。
ECU86には、変速比切り替え用電磁バルブ72と、前進シフト接続用電磁バルブ74と、後進シフト接続用電磁バルブ73とが接続されている。変速比切り替え用電磁バルブ72と、前進シフト接続用電磁バルブ74と、後進シフト接続用電磁バルブ73との開閉及び開度調整は、このECU86によって制御される。
推進部33には、水検知センサ93が配置されている。水検知センサ93は、推進部33が水中に位置しているか否かを検出する。水検知センサ93は、推進部33が水中に位置しているか否かをECU86に対して出力する。推進部33が水中に位置している場合は、水検知センサ93がオン状態となる。その場合、水検知センサ93は、オン信号がECU86に対して出力される。推進部33が水中に位置しない場合は、水検知センサ93がオフ状態となる。その場合、水検知センサ93は、オフ信号がECU86に対して出力される。
ECU86には、チルトスイッチ94が接続されている。操船者がこのチルトスイッチ94を操作することによって、図1に示すチルト・トリム機構22によって船外機本体21がチルトまたはトリムされる。具体的には、操船者によってチルトスイッチ94が操作されることによって、マウントブラケット24に対するスイベルブラケット25の角度が調節される。これによって、船外機本体21のチルトやトリムが行われる。
また、船外機20には、チルトセンサ19が配置されている。マウントブラケット24とスイベルブラケット25との角度が検出される。チルトセンサ19は、検出したマウントブラケット24とスイベルブラケット25との角度をECU86に対して出力する。
図5に示すように、船舶1は、local area network (LAN)80を備えている。LAN80は、船体10に巡らされている。船舶1では、このLAN80を介して装置間の信号の送受信が行われている。
LAN80には、船外機20のECU86、コントローラー82、表示装置81及び報知部89などが接続されている。表示装置81は、ECU86から出力された情報や、後述するコントローラー82から出力された情報を表示させる。具体的には、表示装置81は、船舶1の現在のスピード、シフト機構34のシフトポジションなどを表示させる。
報知部89は、操船者に対して各種異常などを報知する。報知部89は、操船者への報知が可能なものである限りにおいて特に限定されない。報知部89は、例えば、ブザー、スピーカー、表示装置、報知灯などであってもよい。
なお、本実施形態では、表示装置81と報知部89とが別に設けられている例について説明する。但し、表示装置81が報知部89を兼ねるようにしてもよい。
コントローラー82は、コントロールレバー83と、アクセル開度センサ84と、シフトポジションセンサ85と、スタータスイッチ39aと、プロペラ回転速度抑制制御の解除スイッチ92とを備えている。
コントロールレバー83には、船舶1の操船者の操作によってシフトポジションやアクセル開度が入力される。具体的に、操船者がコントロールレバー83を操作すると、コントロールレバー83の操作量及び位置に応じたアクセル開度及びシフトポジションが、アクセル開度センサ84とシフトポジションセンサ85とのそれぞれによって検出される。アクセル開度センサ84とシフトポジションセンサ85とのそれぞれは、LAN80に接続されている。アクセル開度センサ84とシフトポジションセンサ85とは、それぞれアクセル開度信号とシフトポジション信号とをLAN80に対して送信する。ECU86は、アクセル開度センサ84とシフトポジションセンサ85とから出力されたアクセル開度信号やシフトポジション信号を、LAN80を介して受信する。
具体的には、コントロールレバー83が中立領域に位置するときに、シフトポジションセンサ85は、ニュートラルに対応したシフトポジション信号を出力する。コントロールレバー83が前進領域に位置するときに、シフトポジションセンサ85は、フォワードに対応したシフトポジション信号を出力する。コントロールレバー83が後進領域に位置するときに、シフトポジションセンサ85は、リバースに対応したシフトポジション信号を出力する。
アクセル開度センサ84は、コントロールレバー83の操作量を検出する。具体的には、アクセル開度センサ84は、コントロールレバー83が中央位置からどれだけ操作されたかを表す操作角度θを検出する。コントロールレバー83は、その操作角度θをアクセル開度信号として出力する。
図5に示す解除スイッチ92は、プロペラ回転速度抑制制御を行わせる第1のモードとしての「通常モード」と、プロペラ回転速度抑制制御を行わせない第2のモードとしての「試運転モード」とを切り替えるためのスイッチである。解除スイッチ92は、選択されているモードが「通常モード」であるか、または「試運転モード」であるかを、LAN80を介してECU86に対して出力する。
なお、本実施形態では、船舶1の通常の走行時には、原則として「通常モード」が選択される。「試運転モード」は、船外機20の試運転時などにおいて選択される。
(船舶1の制御)
次に、船舶1の制御について説明する。
船舶1では、図8〜図10に示す第1の制御、図11〜図13に示す第2の制御、図14〜図14〜図20に示す第3の制御、図25に示す第4の制御、図29〜図31に示す第5の制御、及び図32〜図37に示す第6の制御が行われる。
なお、第1の制御は、メインスイッチ96がオンされたときのみに行われる制御である。一方、第2の制御、第3の制御、第4の制御、第5の制御及び第6の制御のそれぞれは、メインスイッチ96がオン状態にある間、同時並行で繰り返し行われる。すなわち、第2の制御、第3の制御、第4の制御、第5の制御及び第6の制御のそれぞれは、メインスイッチ96がオン状態にある期間にわたって、例えば5〜50ms程度の所定期間毎に繰り返し実施される。
(1)第1の制御:メインスイッチ96がオンされたときの制御
まず、本実施形態におけるメインスイッチ96がオンされたときに行われる第1の制御について、図8〜図10を主として参照しつつ詳細に説明する。
図6に示すメインスイッチ96がオンされると、制御系低電圧変換部97への通電が開始される。これによって、CPU86a等の制御系に電力が供給されることになる。
メインスイッチ96がオンされると、まず、図8に示すステップS1が行われる。ステップS1では、CPU86aによって、電源リレー99がオンされる。具体的には、メインスイッチ状態検出部98は、メインスイッチ96がオンされたことを検出する。メインスイッチ状態検出部98は、メインスイッチ96がオンされたことを表すオン信号をCPU86aに対して出力する。CPU86aにメインスイッチ状態検出部98からのオン信号が入力されると、CPU86aは、リレー駆動部100に電源リレー99をオンさせる。
ステップS1に続いてステップS2が行われる。ステップS2では、CPU86aによって、エンジン回転速度が閾値以上であるか否かが判断される。
なお、ステップS2における「閾値」は、船外機20の特性に応じて適宜設定することができる。ステップS2における「閾値」は、例えば、500〜1000rpm程度に設定することができる。
ステップS2において、エンジン回転速度が閾値以上であると判断された場合は、ステップS3に進む。
ステップS3では、シフト接続用電磁バルブ73,74がオンされると共に、ポンプ側電磁バルブ76がオフされる。これによって、油圧式シリンダ61a、62aへの油圧の供給がオフされる。その結果、油圧式クラッチ61,62が切断される。
なお、ステップS3において、シフト接続用電磁バルブ73,74のオンと、ポンプ側電磁バルブ76のオフとのうちのいずれか一方のみを行うようにしてもよい。
ステップS3が終了すると、再びステップS1に戻る。
一方、ステップS2において、エンジン回転速度が閾値未満であると判断された場合は、ステップS4に進む。
ステップS4では、電磁バルブ72〜74,76の全てがオフされる。ここで、ポンプ側電磁バルブ76は、ノーマルロー型の電磁バルブである。このため、ステップS4において電磁バルブ72〜74,76の全てがオフされると、油圧式クラッチ53a、61a、62aへの油圧の供給は規制される。従って、油圧式クラッチ53,61,62は切断状態となる。
ステップS4に続いてステップS5が行われる。ステップS5では、CPU86aは、リレー駆動部100に電源リレー99をオフさせる。
ステップS5に続いてステップS6が行われる。ステップS6では、CPU86aによって、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値以下であるか否かが判断される。具体的には、電源電圧監視部101は、電源電圧監視部101に印加された電圧が検出される。電源電圧監視部101は、検出した電圧をCPU86aに対して出力する。CPU86aは、メモリ86bに記憶された閾値と、入力された電圧とを比較することによって、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値以下であるか否かを判断する。
ここで、ステップS5において、電源リレー99がオフされている。このため、ステップS6では、通常、電源リレー99は、オフ状態にある。よって、通常、電源リレー99よりも下流側に配置された電源電圧監視部101には実質的に電圧が供給されていない。従って、電源リレー99に異常がない場合は、電源電圧監視部101によって検出される電圧は、原則として閾値以下となる。ステップS6において、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値以下である場合は、ステップS6からステップS7に進む。
一方、例えば、電源リレー99が短絡するなどしている場合には、電源電圧監視部101にも比較的高い電圧が供給されることとなる。従って、ステップS6において、電源リレー99が短絡するなどしている場合には、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値よりも大きいと判断される。その結果、ステップS6からステップS12に進む。
ステップS12では、CPU86aは、電源リレー99のショート異常を検出する。それと共に、CPU86aは、図5に示す報知部89に電源リレー99のショート異常を報知させる。その後、図8に示すように、ステップS7に進む。
なお、ステップS6における「閾値」は、船外機20の特性に応じて適宜設定することができる。ステップS6における「閾値」は、例えば、1〜5V程度に設定することができる。
なお、ステップS5が終了してから、ステップS6が開始されるまでに、例えば、待機時間を設けてもよい。ここで、待機時間は、ECU86内などのコンデンサ等に充電された電荷が放電されるのに必要な時間とすることができる。待機時間は、例えば、0.1〜0.5秒程度に設定することができる。
また、ステップS4において、バルブ72〜74,76をオフさせる前に、ステップS5を行うようにしてもよい。すなわち、ステップS2において、エンジン回転速度が閾値未満であると判断された場合は、まず、ステップS5を行い、その後、ステップS4を行うようにしてもよい。そうすることで、ステップS4終了時において、ECU86内などのコンデンサ等に充電された電荷を実質的になくすことができる。従って、この場合は、上記待機時間は必ずしも必要ない。
図8に示すように、ステップS6において、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値以下と判断された場合は、ステップS7に進む。
ステップS7では、CPU86aによって電磁バルブ72〜74,76のそれぞれに通電している電流が正常範囲内にあるか否かが判断される。
具体的には、図6に示すバルブ通電電流検出部103によって、電磁バルブ72〜74,76のそれぞれに通電している電流が検出される。バルブ通電電流検出部103は、検出した各電磁バルブ72〜74,76の電流をCPU86aに出力する。CPU86aは、メモリ86bから読み出した各電磁バルブ72〜74,76に通電される電流の正常範囲を読み出す。CPU86aは、読み出した正常範囲と入力された電流とを比較することによって、電磁バルブ72〜74,76に通電されている電流が正常範囲内にあるか否かを判断する。
ステップS7において、電磁バルブ72〜74,76に通電されている電流が正常範囲内にないと判断された場合は、ステップS8及びステップS9が順次行われる。ステップS8では、CPU86aは、バルブ駆動部102に異常が発生しているものと判定する。そして、ステップS9において、CPU86aは、図5に示す報知部89にバルブ駆動部102に異常が発生している旨を報知させ、第1の制御を終了させる。従って、ステップS7において、電磁バルブ72〜74,76に通電されている電流が正常範囲内にないと判断された場合は、エンジン30の始動が禁止されることとなる。
ステップS7において、電磁バルブ72〜74,76に通電されている電流が正常範囲内であると判断された場合は、ステップS10及びステップS11が順次行われる。
ステップS10では、CPU86aは、リレー駆動部100に電源リレー99をオンさせる。
ステップS11では、再びCPU86aによって、バルブ通電電流検出部103によって検出される各電磁バルブ72〜74,76に通電されている電流が正常範囲内にあるか否かが判断される。
ステップS11において電磁バルブ72〜74,76のそれぞれに通電されている電流が正常範囲内にないと判断された場合は、図8及び図10に示すように、ステップS27〜S30が順次行われる。
ステップS27において、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ72〜74,76をオフさせる。
ステップS28において、CPU86aは、バルブ駆動部102のショート異常を判定する。
ステップS29において、CPU86aは、図5に示す報知部89にバルブ駆動部102のショート異常を報知させる。ステップS30において、CPU86aは、リレー駆動部100に電源リレー99をオフさせる。このため、ステップS11において、電磁バルブ72〜74,76に通電されている電流が正常範囲内にないと判断された場合にも、エンジン30の始動が禁止されることとなる。
一方、図8及び図9に示すように、ステップS11において、各電磁バルブ72〜74,76に通電されている電流が正常範囲内であると判断された場合は、ステップS13に進む。
ステップS13では、CPU86aによって、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値以上であるか否かが判断される。具体的には、電源電圧監視部101は、電源電圧監視部101に印加された電圧を検出する。電源電圧監視部101は、検出した電圧をCPU86aに対して出力する。CPU86aは、メモリ86bに記憶された閾値と、入力された電圧とを比較することによって、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値以上であるか否かを判断する。
ここで、ステップS10において、電源リレー99はオンされている。このため、ステップS13では、通常、電源リレー99がオン状態にある。このため、電源電圧監視部101によって検出される電圧は、通常、バッテリ95の電圧と実質的に等しくなる。従って、ステップS13では、結果として、CPU86aによって、バッテリ95の電圧が閾値以上であるか否かが判断されることとなる。すなわち、ステップS13において、バッテリ95の電圧が不足していないか否かが判断される。
なお、ステップS13における「閾値」は、船外機20の特性に応じて適宜設定することができる。ステップS13における「閾値」は、通常、バッテリ95の好ましい電圧値以下の値に設定される。具体的には、ステップS13における「閾値」は、例えば、7〜10V程度に設定することができる。
図9に示すように、ステップS13において、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値未満である判断された場合は、ステップS22に進む。
ステップS22では、CPU86aによって、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値以下であるか否かが判断される。このステップS22における「閾値」は、ステップS13における「閾値」よりも小さい値に設定されている。具体的には、ステップS22における「閾値」は、実質的にゼロに近い値に設定される。ステップS22における「閾値」は、例えば、0〜3V程度に設定することができる。このため、ステップS22では、電源電圧監視部101に電圧が負荷されているか否かが判断される。すなわち、電源リレー99がオンされているか否かが判断される。
ステップS22において、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値以下であると判断された場合は、ステップS23及びステップS24が順次行われる。
ステップS23では、CPU86aは、電源リレー99のオープン異常を判定する。すなわち、電源リレー99がオンされていない旨の異常を判定する。
ステップS24では、CPU86aは、図5に示す報知部89に、電源リレー99のオープン異常を報知させ、第1の制御を終了する。
一方、ステップS22において、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値よりも大きいと判断された場合は、図9に示すように、ステップS25及びステップS26に進む。ここで、ステップS22において、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値よりも大きいと判断された場合は、電源電圧監視部101においてある程度の電圧が検出されているものの、電源電圧監視部101によって検出される電圧がバッテリ95の好ましい電圧よりも低い場合である。すなわち、バッテリ95の電圧が低下している場合に、ステップS22において、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値よりも大きいと判断される。
ステップS25では、CPU86aは、バッテリ95の電圧が異常に低下しているものとして、電源電圧低下異常を判定する。
ステップS26では、CPU86aは、図5に示す報知部89に、電源電圧低下異常警告を報知させる。
上述のように、ステップS13において、電源電圧監視部101によって検出される電圧が閾値以上であると判断された場合はステップS14に進む。ステップS14では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ72〜74,76を駆動させる。ステップS14において、電磁バルブ72〜74,76のそれぞれの駆動電圧は、Duty=50%程度とされる。
続いて、Duty=50%の電圧が電磁バルブ72〜74,76のそれぞれに印加された状態で、ステップS15が行われる。ステップS15では、CPU86aは、電磁バルブ72〜74,76のそれぞれを流れる電流値が正常範囲内にあるか否かを判断する。具体的には、図6に示すバルブ通電電流検出部103によって、各電磁バルブ72〜74,76を流れる電流値が検出される。バルブ通電電流検出部103は、検出した各電磁バルブ72〜74,76の電流値をCPU86aに対して出力する。CPU86aは、メモリ86bから読み出した各電磁バルブ72〜74,76を流れる電流の正常範囲と、入力された電流値とを比較することによって、電磁バルブ72〜74,76を流れる電流値が正常範囲内にあるか否かを判断する。
図8及び図9に示すように、ステップS15において各電磁バルブ72〜74,76を流れる電流値が正常範囲内にないと判断された場合は、ステップS8及びステップS9が順次行われる。
ステップS8では、CPU86aは、バルブ駆動部異常を判定する。
ステップS9では、図5に示す報知部89にバルブ駆動部102の異常を報知させ、第1の制御が終了される。
一方、ステップS15において各電磁バルブ72〜74,76を流れる電流値が正常範囲内であると判断された場合は、図9に示すように、ステップS16に進む。
ステップS16において、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ72〜74,76をオフさせる。これによって、油圧式クラッチ53,61,62への油圧供給がオフされる。その結果、油圧式クラッチ53,61,62が切断される。
ステップS16に続いてステップS17が行われる。
ステップS17では、CPU86aは、図5に示すシフトポジションセンサ67の出力に基づいて、シフト機構34のシフトポジションがニュートラルであるか否かを判断する。
ステップS17において、シフト機構34のシフトポジションがニュートラルではないと判断された場合は、ステップS18に進む。ステップS18では、CPU86aは、報知部89にシフトポジションがニュートラルでない旨の警告を報知させる。ステップS18が終了すると、再びステップS17に戻る。このため、シフト機構34のシフトポジションがニュートラルとなるまで、報知部89による警告の報知が継続される。
一方、ステップS17において、シフト機構34のシフトポジションがニュートラルあると判断された場合は、ステップS19〜ステップS21が順次行われる。
ステップS19では、CPU86aによって、ポンプ側電磁バルブ76がオンされる。
ステップS20では、CPU86aによって図5に示すスタータモータ39の駆動が許可される。
ステップS21では、CPU86aによってエンジン30の点火が許可される。
従って、ステップS21が終了した後に、図5に示すスタータスイッチ39aが操船者によって操作されると、エンジン30が始動する。一方、ステップS20においてスタータモータ39の駆動が許可されるまでは、メインスイッチ96がオンされた後においても、操船者がエンジン30を始動させることができないように設定されている。
(2)第2の制御:メインスイッチ96がオフされたときの制御
次に、本実施形態におけるメインスイッチ96がオフされたときの制御について、図11〜図13を主として参照しつつ詳細に説明する。なお、上述のように、この第2の制御は、メインスイッチ96がオン状態にある期間にわたって繰り返し行われる制御である。
図11に示すように、ステップS31において、CPU86aは、図6に示すメインスイッチ状態検出部98からの出力に基づいてメインスイッチ96がオフされたか否かを判断する。ステップS31において、メインスイッチ96がオフされていないと判断された場合は、CPU86aによって第2の制御が終了される。一方、ステップS31において、メインスイッチ96がオフされたと判断された場合は、ステップS32に進む。
ステップS32では、CPU86aは、メインスイッチ状態検出部98からの出力に基づいて所定期間にわたってメインスイッチ96のオフ状態が継続しているか否かを判断する。ここで、ステップS32における「所定期間」とは、例えば、0.1秒程度である。
ステップS32において所定期間にわたってメインスイッチ96のオフ状態が継続していないと判断された場合は、再びステップS31に戻る。このため、メインスイッチ96が確実にオフされていない場合は、ステップS33以下の終了動作が行われない。
一方、ステップS32において所定期間にわたってメインスイッチ96のオフ状態が継続したと判断された場合は、図11及び図12に示すように、ステップS33〜ステップS36が行われる。
ステップS33では、図5に示すCPU86aは、表示装置81に終了動作実施中である旨の表示をさせる。なお、ステップ33に替えて、音などによって終了動作実施中であることを報知させてもよい。その場合、例えば、メインスイッチ96がオフされたときに、表示装置81の電源をオフさせてもよい。
ステップS34では、CPU86aによって、スタータモータ39の駆動が禁止される。
ステップS35では、CPU86aによって、エンジン30の点火及び燃料の噴射が禁止される。
図12に示すステップS36では、CPU86aによって、メインスイッチ96がオフされてから所定の期間経過後におけるエンジン回転速度が所定の回転速度以下であるか否かが判断される。
ここで、ステップS36における「所定の期間」及び「所定の回転速度」は、船外機20の特性に応じて適宜設定することができる。ステップS36における「所定の期間」は、例えば、5秒程度に設定することができる。ステップS36における「所定の回転速度」は、例えば500〜1000rpm程度に設定することができる。
ステップS36において、CPU86aによって、メインスイッチ96がオフされてから所定の期間経過後におけるエンジン回転速度が所定の回転速度より大きいと判断された場合は、ステップS42に進む。そして、ステップS42において、図5に示すCPU86aは、報知部89に警告を報知させる。ステップS42が終了すると、ステップS39に進む。
一方、ステップS36において、メインスイッチ96がオフされてから所定の期間経過後におけるエンジン回転速度が所定の回転速度以下であると判断された場合は、ステップS37に進む。
ステップS37では、CPU86aによって、図5に示すエンジン回転速度センサ88により検出されたエンジン回転速度が所定の回転速度以下であるか否かが判断される。
ここで、ステップS37における「所定の回転速度」は、船外機20の特性に応じて適宜設定することができる。ステップS37における「所定の回転速度」は、例えば、100〜500rpm程度に設定することができる。
ステップS37において、エンジン回転速度が所定の回転速度よりも大きいと判断された場合は、図12及び図13に示すように、ステップS44に進む。ここで、ステップS44〜ステップS54に表される制御は、エンジン30の再始動させるときの制御を表している。
まず、ステップS44において、CPU86aによって、図6に示すメインスイッチ状態検出部98からの出力に基づいてメインスイッチ96がオンされているか否かが判断される。
ステップS44において、メインスイッチ96がオフであると判断されると図12に示すステップS37に再び戻る。
一方、ステップS44において、メインスイッチ96がオンであると判断されると、ステップS45に進む。ステップS45では、ECU86aは、エンジン回転速度センサ88からの出力に基づいて、エンジン回転速度が所定の回転速度以下であるか否かを判断する。
ここで、ステップS45における「所定の回転速度」は、船外機20の特性に応じて適宜設定することができる。ステップS45における「所定の回転速度」は、通常、スタータモータ39を駆動させることなくエンジン30を駆動することができる程度の回転速度に設定される。ステップS45における「所定の回転速度」は、例えば、500〜2000rpm程度に設定することができる。
ステップS45において、エンジン回転速度が所定の回転速度より大きいと判断され場合は、ステップS52、ステップS53及びステップS54が順次行われる。
ステップS52では、CPU86aによって、エンジン30の点火許可及び燃料の噴射許可が行われる。
ステップS53では、CPU86aによって、アクセル開度から算出されるスロットル開度に応じた出力まで、エンジン30の出力が漸増される。
ステップS54では、コントロールレバー83の位置に応じたシフトポジションとなるように、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62または第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が接続される。
一方、ステップS45において、エンジン回転速度が所定の回転速度以下であると判断された場合は、ステップS46〜ステップS50が順次行われる。
ステップS46では、CPU86aによって、シフト機構34のシフトポジションがニュートラルにされる。ステップS46において、シフト機構34のシフトポジションがニュートラルであった場合は、ニュートラルが維持される。
ステップS47では、CPU86aによって、変速比切り替え機構35の変速比が低速変速比にされる。ステップS47において、変速比切り替え機構35の変速比が低速変速比であった場合は、低速変速比が維持される。
ステップS48では、CPU86aによって、エンジン30の点火許可及び燃料の噴射許可が行われる。
ステップS49では、CPU86aによって、スタータモータ39の駆動許可が行われる。
ステップS49に続いて、ステップS50が行われる。ステップS50では、CPU86aによって、スタータスイッチ39aがオンされたか否かが判断される。
ステップS50においてスタータスイッチ39aがオンされていないと判断された場合は、ステップS50が繰り返し行われる。すなわち、スタータスイッチ39aがオンされるまで、ステップS50が繰り返し行われる。
ステップS50において、スタータスイッチ39aがオンされたと判断された場合は、ステップS51、ステップS53及びステップS54が順次行われる。
ステップS51では、CPU86aによって、スタータモータ39が駆動される。その結果、エンジン30が始動される。
ステップS53では、CPU86aによって、アクセル開度から算出されるスロットル開度に応じた出力まで、エンジン30の出力が漸増される。
ステップS54では、コントロールレバー83の位置に応じたシフトポジションとなるように、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62または第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が接続される。
図12に示すように、ステップS37において、エンジン回転速度が所定の回転速度以下であると判断された場合は、ステップS55に進む。ステップS55では、CPU86aによって、ステップS37においてエンジン回転速度が所定の回転速度以下であると判断されてから所定期間が経過しているか否かが判断される。ここで、ステップS55における「所定期間」は、例えば、5〜10秒程度に設定することができる。
ステップS55において、所定期間が経過していると判断された場合は、ステップS38を行わずに、ステップS39に進む。
一方、ステップS55において、所定期間が経過していないと判断された場合は、ステップS38に進む。ステップS38では、CPU86aによって、シフトポジションセンサ85からの出力に基づいて、コントロールレバー83の位置がニュートラルに対応する中立領域にあるか否かが判断される。
ステップS38において、コントロールレバー83の位置が中立領域にないと判断された場合は、ステップS43に進む。ステップS43では、図5に示すCPU86aは、コントロールレバー83の位置が中立領域にない旨の警告を報知部89に報知させる。ステップS43終了後、再びステップS38が行われる。すなわち、コントロールレバー83の位置が中立領域になるまで、コントロールレバー83の位置が中立領域にない旨の警告が報知部89から継続して報知される。
ステップS38において、コントロールレバー83の位置が中立領域にあると判断された場合は、ステップS39〜ステップS41が順次行われる。また、上述のように、ステップS42に続いてもステップS39〜ステップS41が順次行われる。
ステップS39では、CPU86aによって、シフト機構34のシフトポジションがニュートラルとされる。
ステップS40では、CPU86aによって、メインスイッチ96がオンされてから現在に至るまでの期間中に発生した異常がメモリ86bに記録される。
ステップS41では、CPU86aによって、電源リレー99がオフされ、第2の制御が終了する。
(3)第3の制御
次に、本実施形態における第3の制御について、図14〜図24を主として参照しつつ詳細に説明する。なお、この第3の制御と下記第4の制御及び第5の制御とは相互に相関する制御である。
図14に示すように、本実施形態における第3の制御では、まず、ステップS60が行われる。ステップS60では、CPU86aによって変速機能異常フラグがオフであるか否かが判断される。通常、変速機能異常フラグはオフされている。このため、通常は、ステップS60では、変速機能異常フラグがオフであるものと判断される。第3の制御のステップS84,S96及び第5の制御のステップS147において変速機能異常フラグがオンされた後にステップS60が行われると、ステップS60において、変速機能異常フラグがオンされていると判断される。
ステップS60において、変速機能異常フラグがオンされていると判断された場合は、ステップS64に進む。一方、ステップS60において、変速機能異常フラグがオフされていると判断された場合は、ステップS61に進む。
ステップS61では、CPU86aによって、シフトポジションセンサ85からの出力に基づいてコントロールレバー83の位置が低速領域にあるか否かが判断される。
ステップS61において、コントロールレバー83の位置が高速領域にあると判断された場合は、ステップS63に進む。ステップS63では、CPU86aによって、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が接続される。その結果、図2に示す変速比切り替え機構35の変速比が低速変速比となる。
一方、ステップS61において、コントロールレバー83の位置が低速領域にあると判断された場合は、ステップS62に進む。ステップS62では、CPU86aによって、変速比切り替え用油圧式クラッチ53の切断状態が維持される。
ステップS62及びステップS63に続いて、ステップS64が行われる。また、上述のように、ステップS60において変速機能異常フラグがオンされていると判断された場合にも、ステップS64が続いて行われる。
ステップS64では、CPU86aによって、シフトポジションセンサ85からの出力に基づいてコントロールレバー83が中立領域にあるか否かが判断される。
ステップS64において、コントロールレバー83が中立領域にあると判断された場合は、ステップS66に進む。
ステップS66では、CPU86aによって、前進シフト機能異常フラグ及び後進シフト機能異常フラグの両方がオフされているか否かが判断される。通常は、前進シフト機能異常フラグ及び後進シフト機能異常フラグの両方がオフされていると判断される。例えば、第3の制御のステップS75や第6の制御のステップS189において前進シフト機能異常フラグがオンされた後にステップS66が行われた場合は、ステップS66において、前進シフト機能異常フラグがオンされていると判断される。また、第3の制御のステップS76や第6の制御のステップS188において後進シフト機能異常フラグがオンされた後にステップS66が行われた場合は、ステップS66において、後進シフト機能異常フラグがオンされていると判断される。
ステップS66において、前進シフト機能異常フラグ及び後進シフト機能異常フラグのうちの少なくとも一方がオンされている場合は、ステップS68に進む。ステップS68では、CPU86aによってポンプ側電磁バルブ76がオフされる。
一方、ステップS66において、前進シフト機能異常フラグ及び後進シフト機能異常フラグの両方がオフされていると判断された場合は、ステップS67に進む。ステップS67では、CPU86aによって、シフト機構34のシフトポジションがニュートラルとされる。
ステップS67及びステップS68に続いてステップS69が行われる。ステップS69では、CPU86aによって、エンジン30が駆動中であるか否かが判断される。ステップS69において、エンジン30が駆動中ではないと判断された場合は、第3の制御が終了される。
一方、ステップS69において、エンジン30が駆動中であると判断された場合は、ステップS70に進む。ステップS70では、後述する第4の制御に含まれるプロペラ回転速度抑制制御が実施中であるか否かが判断される。
ステップS70においてプロペラ回転速度抑制制御が実施されていないと判断された場合は、第3の制御が終了される。
一方、ステップS70においてプロペラ回転速度抑制制御が実施中であると判断された場合は、図16に示すステップS71に進む。ステップS71では、CPU86aによって、待機時間が算出される。具体的には、CPU86aは、メモリ86から図21に示すマップを読み出す。図21に示すマップは、プロペラ回転速度と待機時間との関係を規定したマップである。CPU86aは、この図21に示すマップに、図5に示すプロペラ回転速度センサ90から入力されたプロペラ回転速度を当てはめることによって、待機時間を算出する。
ステップS71に続いてステップS72及びステップS73が順次行われる。
ステップS72では、CPU86aによって、ステップS71によって算出された待機時間だけ待機される。
ステップS73では、CPU86aによって、図5に示すプロペラ回転速度センサ90から入力に基づいてプロペラ回転速度の絶対値が閾値以下であるか否かが判断される。
ここで、ステップS73における「閾値」は、船外機20の特性に応じて適宜設定することができる。ステップS73における「閾値」は、例えば、300〜2000rpm程度に設定することができる。
ステップS73において、プロペラ回転速度の絶対値が閾値以下であると判断された場合は、第3の制御が終了される。
一方、ステップS73において、プロペラ回転速度の絶対値が閾値より大きいと判断された場合は、ステップS74に進む。ステップS74では、CPU86aによって、プロペラ41の回転方向が判断される。
ステップS74において、プロペラ41の回転方向が前進方向であると判断された場合は、ステップS75に進む。そして、ステップS75において、CPU86aによって、前進シフト機能異常が判定されると共に、前進シフト機能異常フラグがオンされ、第3の制御が終了される。
ステップS74において、プロペラ41の回転方向が後進方向であると判断された場合は、ステップS76に進む。そして、ステップS76において、CPU86aによって、後進シフト機能異常が判定されると共に、後進シフト機能異常フラグがオンされ、第3の制御が終了される。
図14及び図15に示すように、ステップS64において、コントロールレバー83の位置が中立領域にないと判断された場合は、ステップS65に進む。ステップS65では、CPU86aによって、シフトポジションセンサ85からの出力に基づいてコントロールレバー83の位置が判断される。
ステップS65において、コントロールレバー83の位置が前進領域であると判断された場合は、図17に示すステップS77に進む。
ステップS77では、CPU86aによって、前進シフト機能異常フラグがオフされているか否かが判断されている。通常は、前進シフト機能異常フラグはオフされている。例えば、第3の制御のステップS75や第6の制御のステップS189において前進シフト機能異常フラグがオンされた後にステップS77が行われた場合は、ステップS77において前進シフト機能異常フラグがオンされていると判断される。
ステップS77において前進シフト機能異常フラグがオンされていると判断された場合は、第3の制御が終了される。
一方、ステップS77において前進シフト機能異常フラグがオフされていると判断された場合は、ステップS78、ステップS79、ステップS80及びステップS81に順次進む。
ステップS78では、CPU86aによって、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションがフォワードとされる。
ステップS79では、CPU86aによって待機時間が算出される。具体的には、CPU86aは、メモリ86bに記憶された図24に示すマップを読み出す。図24に示すマップは、Kと待機時間との関係を定めたマップである。ここで、図24におけるKは、K={(プロペラ回転速度)×A}/{(減速比)×(エンジン回転速度)}で表される。但し、プロペラ41の回転方向が前進方向のときはA=1である。プロペラ41の回転方向が後進方向のときはA=−1である。CPU86aは、図24に示すマップに、図5に示すプロペラ回転速度センサ90からのプロペラ回転速度、エンジン回転速度センサ88からのエンジン回転速度及びシフトポジションセンサ67からの出力を当てはめることによって、待機時間を算出する。
ステップS80では、CPU86aは、ステップS79によって算出された待機時間だけ待機する。
ステップS81では、CPU86aによって、変速比切り替え機構35の変速比が判断される。ステップS81において、変速比切り替え機構35の変速比が高速変速比であると判断された場合は、図18に示すステップS86に進む。
ステップS86では、CPU86aによって、図5に示すプロペラ回転速度センサ90及びエンジン回転速度センサ88から入力に基づいて、プロペラ回転速度が正常範囲外か否かが判断される。具体的には、CPU86aは、メモリ86bから図23に示すマップを読み出す。図23に示すマップは、変速比切り替え機構35の変速比が高速変速比である場合のプロペラ回転速度とエンジン回転速度との関係の正常範囲を規定したマップである。図23においてハッチングが附された領域がプロペラ回転速度とエンジン回転速度との関係の正常範囲を表している。CPU86aは、この図23に示すマップに図5に示すプロペラ回転速度センサ90から入力されたプロペラ回転速度とエンジン回転速度センサ88から入力されたエンジン回転速度とを当てはめることによって、プロペラ回転速度が正常範囲外か否かを判断する。
ステップS86において、プロペラ回転速度が正常範囲内にあると判断された場合は、第3の制御が終了される。
一方、ステップS86において、プロペラ回転速度が正常範囲外にあると判断された場合は、ステップS87に進む。ステップS87では、CPU86aによって、図5に示すプロペラ回転速度センサ90及びエンジン回転速度センサ88から入力に基づいてプロペラ回転速度が図23に示すマップに規定された正常範囲よりも小さいか否かが判断される。
ステップS87において、プロペラ回転速度が正常範囲よりも小さいと判断された場合は、ステップS88に進む。ステップS88では、CPU86aによって、変速クラッチ異常の判定がなされると共に、変速クラッチ異常フラグがオンされる。ステップS88終了後、第3の制御が終了される。
一方、ステップS87において、プロペラ回転速度が正常範囲以上であると判断された場合は、図19に示すステップS97に進む。ステップS97では、CPU86aによって、前後進クラッチ異常が判定されると共に、前後進クラッチ異常フラグがオンされる。ステップS97終了後、第3の制御が終了される。
一方、図17に示すステップS81において変速比切り替え機構35の変速比が低速変速比であると判断された場合は、ステップS82に進む。
ステップS82では、CPU86aによって、図5に示すプロペラ回転速度センサ90及びエンジン回転速度センサ88から入力に基づいて、プロペラ回転速度が正常範囲外か否かが判断される。具体的には、CPU86aは、メモリ86bから図22に示すマップを読み出す。図22に示すマップは、変速比切り替え機構35の変速比が低速変速比である場合のプロペラ回転速度とエンジン回転速度との関係の正常範囲を規定したマップである。図22においてハッチングが附された領域がプロペラ回転速度とエンジン回転速度との関係の正常範囲を表している。CPU86aは、この図22に示すマップに図5に示すプロペラ回転速度センサ90から入力されたプロペラ回転速度とエンジン回転速度センサ88から入力されたエンジン回転速度とを当てはめることによって、プロペラ回転速度が正常範囲外か否かを判断する。
ステップS82において、プロペラ回転速度が正常範囲内にあると判断された場合は、第3の制御が終了される。
一方、ステップS82において、プロペラ回転速度が正常範囲外にあると判断された場合は、ステップS83に進む。ステップS83では、CPU86aによって、図5に示すプロペラ回転速度センサ90及びエンジン回転速度センサ88から入力に基づいてプロペラ回転速度が図22に示すマップに規定された正常範囲よりも大きいか否かが判断される。
ステップS83において、プロペラ回転速度が正常範囲よりも大きいと判断された場合は、ステップS84に進む。ステップS84では、CPU86aによって、変速機能異常の判定がなされると共に、変速機能異常フラグがオンされる。ステップS84終了後、第3の制御が終了される。
一方、ステップS83において、プロペラ回転速度が正常範囲以下であると判断された場合は、ステップS85に進む。ステップS85では、CPU86aによって、前後進クラッチ異常が判定されると共に、前後進クラッチ異常フラグがオンされる。ステップS85終了後、第3の制御が終了される。
図14に示すように、ステップS65において、コントロールレバー83の位置が後進領域であると判断された場合は、図19に示すステップS89に進む。
ステップS89では、CPU86aによって、後進シフト機能異常フラグがオフされているか否かが判断されている。通常は、後進シフト機能異常フラグはオフされている。例えば、第3の制御のステップS76や第6の制御のステップS188において後進シフト機能異常フラグがオンされた後にステップS89が行われた場合は、ステップS89において前進シフト機能異常フラグがオンされていると判断される。
ステップS89において後進シフト機能異常フラグがオンされていると判断された場合は、第3の制御が終了される。
一方、ステップS89において後進シフト機能異常フラグがオフされていると判断された場合は、ステップS90、ステップS91、ステップS92及びステップS93に順次進む。
ステップS90では、CPU86aによって、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションがリバースとされる。
ステップS91では、CPU86aによって待機時間が算出される。このステップS91における待機時間の算出方法は、ステップS79における待機時間の算出方法と同様である。
ステップS92では、CPU86aは、ステップS91によって算出された待機時間だけ待機する。
ステップS93では、CPU86aによって、変速比切り替え機構35の変速比が判断される。ステップS93において、変速比切り替え機構35の変速比が高速変速比であると判断された場合は、図20に示すステップS98に進む。
ステップS98では、CPU86aによって、図5に示すプロペラ回転速度センサ90及びエンジン回転速度センサ88から入力に基づいて、プロペラ回転速度が正常範囲外か否かが判断される。このステップS98は、ステップS86と実質的に同様である。
ステップS98において、プロペラ回転速度が正常範囲内にあると判断された場合は、第3の制御が終了される。
一方、ステップS98において、プロペラ回転速度が正常範囲外にあると判断された場合は、ステップS99に進む。ステップS99では、CPU86aによって、図5に示すプロペラ回転速度センサ90及びエンジン回転速度センサ88から入力に基づいてプロペラ回転速度が図23に示すマップに規定された正常範囲よりも小さいか否かが判断される。
ステップS99において、プロペラ回転速度が正常範囲以上であると判断された場合は、ステップS100に進む。ステップS100では、CPU86aによって、変速クラッチ異常の判定がなされると共に、変速クラッチ異常フラグがオンされる。ステップS100終了後、第3の制御が終了される。
一方、ステップS99において、プロペラ回転速度が正常範囲より小さいと判断された場合は、図19に示すステップS97に進む。ステップS97では、CPU86aによって、前後進クラッチ異常が判定されると共に、前後進クラッチ異常フラグがオンされる。ステップS97終了後、第3の制御が終了される。
一方、図19に示すステップS93において変速比切り替え機構35の変速比が低速変速比であると判断された場合は、ステップS94に進む。
ステップS94では、CPU86aによって、図5に示すプロペラ回転速度センサ90及びエンジン回転速度センサ88から入力に基づいて、プロペラ回転速度が正常範囲外か否かが判断される。このステップS94は、ステップS82と実質的に同様である。
ステップS94において、プロペラ回転速度が正常範囲内にあると判断された場合は、第3の制御が終了される。
一方、ステップS94において、プロペラ回転速度が正常範囲外にあると判断された場合は、ステップS95に進む。ステップS95では、CPU86aによって、図5に示すプロペラ回転速度センサ90及びエンジン回転速度センサ88から入力に基づいてプロペラ回転速度が図22に示すマップに規定された正常範囲よりも大きいか否かが判断される。
ステップS95において、プロペラ回転速度が正常範囲よりも大きいと判断された場合は、ステップS96に進む。ステップS96では、CPU86aによって、変速機能異常の判定がなされると共に、変速機能異常フラグがオンされる。ステップS84終了後、第3の制御が終了される。
一方、ステップS95において、プロペラ回転速度が正常範囲以下であると判断された場合は、ステップS97に進む。ステップS97では、CPU86aによって、前後進クラッチ異常が判定されると共に、前後進クラッチ異常フラグがオンされる。ステップS97終了後、第3の制御が終了される。
(4)第4の制御:プロペラ回転速度抑制制御
本実施形態では、コントロールレバー83の位置が中立位置のときに、プロペラ回転速度センサ90がプロペラ41の回転速度を検知した場合、プロペラ41の回転速度が低下するようにシフト機構34が制御される。具体的には、プロペラ回転速度センサ90が所定の回転速度以上のプロペラ41の回転速度を所定の期間以上にわたって検知したときに、プロペラ41の回転速度が低下するようにシフト機構34が制御される。また、船外機20がチルト状態にあるとき、及び推進部33が水中にないと水検知センサ93が判断したときにも、プロペラ41の回転速度が低下するようにシフト機構34が制御される。
以下、図25〜図27を参照しつつ、本実施形態におけるプロペラ回転速度抑制制御のさらに具体的な内容について説明する。
船外機20の駆動時において、図25に示す制御が繰り返し行われる。この制御では、まず、ステップS101において、解除スイッチ92の位置がCPU86aによって判断される。解除スイッチ92によって試運転モードが選択されている場合は、ステップS112に進む。
ステップS112では、CPU86aによる試運転制御が行われる。試運転制御では、CPU86aによって、図26に示すマップに基づくエンジン30の制御が行われる。具体的には、図26に示すマップは、図5に示すメモリ86bに記憶されている。CPU86aは、ステップS112において、メモリ86bに記憶された図26のマップを読み出す。CPU86aは、図26のマップの実線で表すグラフに従ってスロットル開度を制御する。
ここで、図26のマップの破線で表すグラフは、通常モードにおいてスロットル開度の制御の際に参照されるグラフである。図26のマップの実線で表すグラフでは、図26のマップの破線で表すグラフよりもスロットル開度が小さく設定されている。このため、ステップS112の試運転制御では、スロットル開度が通常モードよりも小さくなる。従って、ステップS112の試運転制御では、エンジン回転速度が通常モードよりも低くなる。
一方、解除スイッチ92によって通常モードが選択されている場合は、ステップS102に進む。
ステップS102では、CPU86aによって、チルト角が所定の角度以上であるか否かが判断される。ここで、「チルト角」とは、マウントブラケット24とスイベルブラケット25との角度である。ステップS102において、チルト角が所定の角度未満であると判断された場合は、ステップS103に進む。一方、チルト角が所定の角度以上であると判断された場合は、ステップS105に進む。
なお、ステップS102における「所定の角度」は、船外機20の特性などに応じて適宜設定することができる。ステップS102における「所定の角度」は、例えば、プロペラ41が水上に露出すると予想される角度に設定することができる。具体的には、ステップS102における「所定の角度」は、例えば、50°以上程度に設定することができる。
ステップS103では、水検知センサ93がオン状態にあるか否かがCPU86aによって判断される。推進部33が水中に位置する結果、水検知センサ93がオン状態であればステップS105に進む。一方、推進部33が水中に位置しない結果、水検知センサ93がオフ状態であればステップS104に進む。
ステップS104では、コントロールレバー83が所定期間以上ニュートラルに対応した中立位置に位置しているか否かがCPU86aによって判断される。
ここで、ステップS104における「所定期間」は、船外機20の特性に応じて適宜決定できる。ステップS104における「所定期間」は、例えば、0.1秒〜10秒程度に設定することができる。「所定期間」は、例えば、1秒程度に設定することができる。
ステップS104において、コントロールレバー83が所定期間以上中立位置に位置していると判断された場合は、ステップS105に進む。一方、コントロールレバー83が所定期間以上中立位置に位置していないと判断された場合は、ステップS107に進む。
ステップS107では、プロペラ回転速度抑制制御が解除される。具体的には、プロペラ回転速度抑制制御中の場合は、CPU86aによるプロペラ回転速度抑制制御が解除される。プロペラ回転速度抑制制御中ではない場合は、何も行われない。
ステップS105では、CPU86aによってエンジン回転速度の絶対値が所定の閾値以下であるか否かが判断される。ステップS105において、エンジン回転速度の絶対値が所定の閾値以下であると判断された場合は、ステップS106に進む。エンジン回転速度の絶対値が所定の閾値よりも大きい判断された場合は、ステップS106は行われない。
なお、ステップS105における「閾値」は、船外機20の特性などに応じて適宜設定することができる。ステップS105における「閾値」は、例えば、300rpm〜2000rpm程度に設定することができる。
ステップS106では、プロペラ回転速度抑制制御がCPU86aによって行われる。詳細には、プロペラ41の現在の回転方向とは逆の回転トルクがプロペラ41に付与されるシフトポジションにシフト機構34のシフトポジションがCPU86aによって制御される。具体的には、CPU86aがシフト接続用電磁バルブ73,74によってシフト切り替え用油圧式クラッチ61,62の接続力を変化させることで、プロペラ41の現在の回転方向とは逆の回転トルクがプロペラ41に付与されるシフトポジションにシフト機構34のシフトポジションが制御される。
次に、本実施形態におけるプロペラ回転速度抑制制御の具体的内容について説明する。まず、CPU86aは、プロペラ回転速度センサ90からプロペラ41の回転速度を取得する。CPU86aは、取得したプロペラ回転速度をゼロから引いた値にゲインを乗じる。CPU86aは、メモリ86bに記憶されている図9に示すマップを読み出す。CPU86aは、図9に示すマップに(ゲイン)×(−プロペラ回転速度)を入力することによって第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62及び第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61の目標とする接続力を算出する。そして、CPU86aは、アクチュエータ70に、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62及び第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61の接続力を算出した接続力にさせる。
本実施形態におけるプロペラ回転速度抑制制御において、上述のゲインは特に限定されない。ゲインは、例えば、比例ゲイン、微分ゲインまたは積分ゲインであってもよい。
なお、シフト切り替え用油圧式クラッチ61,62の接続力を増大させる際、本実施形態では、図28に示すように、シフト接続用電磁バルブ73,74の油圧が漸増される。その結果、シフト切り替え用油圧式クラッチ61,62の接続力が漸増される。なお、図28に符号「68」で示すグラフは、シフト接続用電磁バルブ73,74に対して出力されるPWM信号を表している。図10に符号「69」で示すグラフは、シフト接続用電磁バルブ73,74の油圧を表している。
このように、本実施形態では、コントロールレバー83の位置が中立位置のときに、プロペラ回転速度センサ90がプロペラ41の回転速度を検知した場合、プロペラ41の回転速度が低下するようにシフト機構34が制御される。このため、コントロールレバー83の位置が中立位置の際のプロペラ41の回転を抑制することができる。
特に、本実施形態では、プロペラ41の現在の回転方向とは逆の回転トルクがプロペラ41に付与されることでプロペラ41の回転を抑制される。従って、より迅速にプロペラ41の回転を抑制することができる。また、プロペラ41の回転速度をより小さな範囲に保持することができる。
また、本実施形態では、シフト接続用電磁バルブ73,74に供給される油圧の大きさを徐変させることができる。言い換えれば、シフト接続用電磁バルブ73,74に供給される油圧の大きさ任意の大きさにすることができる。従って、プロペラ41の回転速度を特に小さな範囲に保持することができる。
本実施形態では、シフト機構34の制御によりプロペラ回転速度抑制制御が行われる例について説明した。但し、プロペラ回転速度抑制制御は、シフト機構34のみの制御によって行われるものに限定されない。例えば、プロペラ回転速度抑制制御は、上記シフト機構34の制御と共に、エンジン30の出力を制御することで行ってもよい。また、例えば、プロペラ回転速度抑制制御は、上記シフト機構34の制御を行わず、エンジン30の出力を制御することで行ってもよい。
また、本実施形態では、チルト角が所定の角度以上であるときに、プロペラ回転速度センサ90がプロペラ41の回転速度を検知した場合にも、プロペラ41の回転速度が低下するようにシフト機構34が制御される。このため、例えばプロペラ41が水上に露出している場合のように、プロペラ41が推進に実質的に寄与していないような場合に、コントロールレバー83の位置が中立位置の際のプロペラ41の回転を抑制することができる。
(5)第5の制御
次に図29〜図31を主として参照しながら本実施形態における第5の制御について説明する。
図29に示すように、まずステップS130において、CPU86aによって、システム異常フラグがオフされているか否かが判断される。ここで、システム異常フラグとは例えば、エンジン回転速度センサ88、水検知センサ93、プロペラ回転速度センサ90などの異常を表わすフラグをいう。
ステップS130において、システム異常フラグがオンされていると判断された場合、ステップS134、ステップS135が順次行われる。
ステップS134では、CPU86aによって、エンジン30が停止される。
ステップS135では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ76をオフさせる。
ステップS136では、CPU86aは、アクチュエータ70に図2に示すシフトポジション切り替え機構36のシフトポジションをニュートラルにさせる。ステップS136に続いて、図30に示すステップS138が行われる。
一方、ステップS130において、システム異常フラグがオフされていると判断された場合は、ステップS131に進む。ステップS131では、CPU86aによって、バルブ通電電流検出部103からの出力に基づいて、電磁バルブ72〜74,76のいずれかに過電流が流れる異常が発生しているか否かが判断される。
ステップS131において、バルブ72〜74,76の少なくともひとつに過電流が流れる異常が発生していると判断された場合は、図30に示すステップS137に進む。
一方、図29に示すステップS131において、バルブ72〜74,76のいずれにも過電流が流れる異常が発生していないと判断された場合は、ステップS132に進む。ステップS132では、CPU86aによって、バルブ通電電流検出部103の出力に基づいて電池バルブ74の駆動回路に異常な電流が流れていないかが判断される。
ステップS132において、バルブ74の駆動回路に異常な電流が流れていると判断された場合は、ステップS133に進む。ステップS133では、CPU86aによって、バルブ通電電流検出部103からの出力に基づいてバルブ73の駆動回路に異常な電流が流れているかが判断される。ステップS133において、バルブ73の駆動回路に異常な電流が流れていると判断された場合は、図30に示すステップS137に進む。
ステップS137では、CPU86aによって、エンジン30が停止される。
ステップS137に続いて、図30に示すステップS138〜ステップS141が順次行われる。また、上述のように、図29に示すステップS136に続いて、ステップS138〜ステップS141が順次行われる。
ステップS138では、CPU86aは、リレー駆動部100に電源リレー99をオフさせる。
ステップS139では、CPU86aは、図5に示す報知部89に、シフト機能異常の警告を報知させる。
ステップS140では、CPU86aは、図6に示すメインスイッチ96がオンされてから現在に至るまでの期間において判定された異常をメモリ86bに記録させる。
ステップS141では、CPU86aは、メインスイッチ状態検出部98からの出力に基づいて、メインスイッチ96がオフされたか否かを判断する。
ステップS141において、メインスイッチ96がオン状態にあると判断された場合は、再びステップS141が行われる。一方、ステップS141において、メインスイッチ96がオフされたと判断された場合は、第5の制御を終了する。
図29に示すステップS132において、バルブ74の駆動回路に異常な電流が流れていないと判断された場合は、図31に示すステップS142に進む。ステップS142では、CPU86aは、バルブ通電電流検出部103からの出力に基づいて、電磁バルブ73の駆動回路に異常な電流が流れていないかを判断する。
ステップS142において、電磁バルブ73の駆動回路に異常な電流が流れていると判断された場合は、ステップS145に進む。また、図29に示すステップS133において、電磁バルブ73の駆動回路に異常な電流が流れていないと判断された場合も、ステップS145に進む。ステップS145では、CPU86aは、前後進クラッチ異常を判定するとともに、前後進クラッチ異常フラグをオンさせる。
ステップS145が終了後、図29に示すステップS130が再び行われる。
一方、ステップS142において、電磁バルブ73の駆動回路に異常な電流が流れていないと判断された場合は、ステップS143に進む。ステップS143では、CPU86aによって、バルブ通電電流検出部130からの出力に基づいて、電磁バルブ76の駆動回路に異常な電流が流れていないかが判断される。
ステップS143において、電磁バルブ76の駆動回路に異常な電流が流れていると判断された場合は、ステップS144に進む。
ステップS144では、CPU86aは、図5に示す報知部89にバルブ76が異常である旨の警告を報知させる。
ステップS144が終了後、図29に示すステップS130が再び行われる。
一方、ステップS143において、電磁バルブ76の駆動回路に異常な電流が流れていないと判断された場合は、ステップS146に進む。ステップS146では、CPU86aによって、バルブ通電電流検出部103からの出力に基づいて、電磁バルブ72の駆動回路に異常な電流が流れていないかが判断される。
ステップS146において、電磁バルブ72の駆動回路に異常な電流が流れていないと判断された場合は、図29に示すステップS130に戻る。
一方、ステップS146において、電磁バルブ72の駆動回路に異常な電流が流れていると判断された場合は、ステップS147に進む。ステップS147では、CPU86aによって、変速異常機能が判定されるとともに、変速機能異常フラグがオンされる。ステップS147が終了後、図29に示すステップS130が再び行われる。
(6)第6の制御
次に、図32〜図37を主として参照しながら、本実施形態における第6の制御について説明する。
図32に示すように、本実施形態における第6の制御では、まずステップS150が行われる。ステップS150では、CPU86aによって、前進シフト機能異常フラグがオンされているか否かが判断される。通常は、前進シフト機能異常フラグがオンされていない。例えば、第3の制御におけるステップS75や第6の制御におけるステップS189において前進シフト異常機能フラグがオンされた後にステップS150が行われた場合は、ステップS150において、前進シフト異常機能フラグがオンであると判断される。
ステップS150によって前進シフト異常機能フラグがオンであると判断された場合、ステップS151、ステップS152及びステップS153が順次行われる。
ステップS151では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ74の駆動を停止させる。
ステップS152では、CPU86aは、図5に示す報知部89に、前進シフト機能異常である旨の警告を報知させる。
ステップS153では、CPU86aによって、図5に示すシフトポジションセンサ85の出力に基づいて、コントロールレバー83がリバースに対応する後進領域に位置しているか否かが判断される。
ステップS153において、コントロールレバー83が後進領域に位置していないと判断された場合は、ステップS158に進む。ステップS158では、CPU86aは、バルブ駆動部102に、電磁バルブ76をオフさせる。ステップS158が終了後、ステップS156が行われる。
一方、ステップS153において、コントロールレバー83が、後進領域に位置していると判断された場合は、ステップS154及びステップS155が順次行われる。
ステップS154では、CPU86aは、図2に示すアクチュエータ70に、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションをリバースにさせる。
ステップS155では、CPU86aによって、後進シフト機能異常フラグがオフか否かが判断される。通常、後進シフト機能異常フラグはオフである。例えば、第3の制御におけるステップS76や第6の制御におけるステップS188において、後進シフト機能異常フラグがオンされた後に、ステップS155が行われた場合は、ステップS155において後進シフト機能異常フラグがオンであると判断される。
ステップS155において、後進シフト機能異常フラグがオンであると判断された場合は、図33に示すステップS159〜ステップS164が順次行われる。
ステップS159では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ76をオフさせる。
ステップS160では、CPU86aによってエンジン30が停止される。
ステップS161では、CPU86aは、図5に示す報知部89にシフト機能異常である旨の警告を報知させる。
ステップS162では、CPU86aは、リレー駆動部100に電源リレー99をオフさせる。
ステップS163では、CPU86aは、メインスイッチ96がオンされてから現在に至るまでの期間において判定された異常をメモリ86bに記録させる。
ステップS164では、CPU86aは、メインスイッチ状態検出部98からの出力に基づいて、メインスイッチ96がオフされたか否かを判断される。
ステップS164において、メインスイッチ96がオフされていないと判断された場合は、再びステップS164が行われる。一方、ステップS164において、メインスイッチ96がオフされたと判断された場合は、第6の制御が終了される。
図32に示すステップS150において、前進シフト異常機能フラグがオンされていないと判断された場合は、図34に示すステップS165に進む。ステップS165では、CPU86aによって、後進シフト機能異常フラグがオンされているか否かが判断される。
ステップS165において、後進シフト機能異常フラグがオンされていると判断された場合は、ステップS166、ステップS167及びステップS168が順次行われる。
ステップS166では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ73の駆動を停止させる。
ステップS167では、CPU86aは、図5に示す報知部89に後進シフト機能異常である旨の警告を報知させる。
ステップS168では、CPU86aは、図5に示すシフトポジションセンサ85からの出力に基づいて、コントロールレバー83が前進領域に位置しているか否かを判断する。
ステップS168において、コントロールレバー83の位置が前進領域にないと判断された場合は、図32に示すステップS158に進む。そして、ステップS158において、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ76をオフさせる。ステップS158に続いて、ステップS156が行われる。
一方、図34に示すステップS168において、コントロールレバー83が前進領域にあると判断された場合は、ステップS169及びステップS170が順次行われる。
ステップS169では、CPU86aは、図2に示すアクチュエータ70にシフトポジション切り替え機構36のシフトポジションをフォワードにさせる。
ステップS170では、CPU86aによって、前進シフト機能異常フラグがオフであるか否かが判断される。通常、前進シフト機能異常フラグはオフである。例えば、第3の制御におけるステップS75や第6の制御におけるステップS189において前進シフト機能異常フラグがオンされた後にステップS170が行われた場合は、ステップS170において前進シフト機能異常フラグがオンであると判断される。
ステップS170において前進シフト機能異常フラグがオンであると判断された場合も、ステップS155において後進シフト機能異常フラグがオンであると判断された場合と同様に、図33に示すステップS159〜ステップS164が順次行われる。
一方、ステップS170において前進シフト機能異常フラグがオフであると判断された場合は、図32に示すステップS156及びステップS157が順次行われる。また、ステップS155及びステップS158に続いてステップS156及びステップS157が順次行われる。
ステップS156では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ72の駆動を停止させる。
ステップS157では、CPU86aによって、エンジン出力が制限される。具体的には、アクセル回路に対するスロットル回路の大きさが制限される。ステップS157の終了後第6の制御が終了される。
図34に示すステップS165において、後進シフト機能異常フラグがオフであると判断された場合は、ステップS171に進む。ステップS171では、CPU86aによって、変速機能異常フラグがオンであるか否かが判断される。通常変速機能異常フラグはオフされている。例えば、第3の制御におけるステップS84やステップS196及び第5の制御におけるステップS147において変速異常機能フラグがオンされた後にステップS171が行われた場合は、ステップS171において変速機能異常フラグがオンであると判断される。
ステップS171において、変速機能異常フラグがオンであると判断された場合は、ステップS172及びステップS173が順次行われる。
ステップS172では、CPU86aは、図5に示す報知部89に変速機能異常である旨の警告を報知させる。
ステップS173では、CPU86aによって、通常のシフトポジション制御が行われる。すなわち、ステップS171において変速機能異常フラグがオンであると判断された場合であっても、通常のシフトチェンジが起用されることになる。
ステップS173終了後、図32に示す上述のステップS156及びステップS157が行われ、第6の制御が終了される。
一方、ステップS171において、変速機能異常フラグがオフであると判断された場合は、図35に示すステップS174に進む。ステップS174では、CPU86aによって、前後進クラッチ異常フラグがオンされているか否かが判断される。通常前後進クラッチ異常フラグはオフされている。例えば、第3の制御のステップS85やステップS97及び第5の制御のステップS145において前後進クラッチ異常フラグがオンされた後にステップS174が行われた場合は、ステップS174において前後進クラッチ異常フラグがオンであると判断される。
ステップS174において、前後進クラッチ異常フラグがオンであると判断された場合は、ステップS175〜ステップS178が順次行われる。
ステップS175では、CPU86aは、図5に示す報知部89にシフト系異常である旨の警告を報知させる。
ステップS176では、CPU86aは、エンジン30の出力を制限させる。
ステップS177では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ74の駆動を停止させる。
ステップS178では、CPU86aは、図5に示すシフトポジションセンサ85からの出力に基づいてコントロールレバー83が後進領域にあるか否かを判断する。
ステップS178において、コントロールレバー83が後進領域にあると判断された場合は、ステップS179に進む。ステップS179では、CPU86aは、図2に示すアクチュエータ70にシフトポジション切り替え機構36のシフトポジションをリバースにさせる。
一方、ステップS178においてコントロールレバー83が後進領域にないと判断された場合は、ステップS180に進む。ステップS180では、CPU86aは、図2に示すアクチュエータ70にシフトポジション切り替え機構36のシフトポジションをニュートラルにさせる。
ステップS179及びステップS180に続いて、図36に示すステップS181が行われる。ステップS181では、CPU86aによって、前後進シフト機能異常フラグがオンであるか否かが判断される。
ステップS181において、前後進シフト機能異常フラグがオフであると判断された場合は、ステップS189に進む。ステップS189では、CPU86aによって、前進シフト機能異常が判定されるとともに、前進シフト機能異常フラグがオンされる。ステップS189終了後、第6の制御が終了される。
一方、ステップS181において、前後進シフト機能異常フラグがオンであると判断された場合は、ステップS182〜ステップS184が順次行われる。
ステップS182では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ73の駆動を停止させる。
ステップS183では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ74の駆動を許可させる。
ステップS184では、CPU86aは、図5に示すシフトポジションセンサ85からの出力に基づいてコントロールレバー83が前進領域にあるか否かを判断する。
ステップS184において、コントロールレバー83が前進領域にあると判断された場合には、ステップS185に進む。ステップS185では、CPU86aは、図2に示すアクチュエータ70にシフトポジション切り替え機構36のシフトポジションをフォワードにさせる。
一方、ステップS184において、コントロールレバー83が前進領域にないと判断された場合は、ステップS186に進む。ステップS186では、CPU86aは、バルブ駆動部102に電磁バルブ76をオフさせる。
ステップS185及びステップS186に続いて、ステップS187が行われる。ステップS187では、CPU86aによって、前後進シフト機能異常フラグがオンされているか否かが判断される。ここで、ステップS181において、前後進シフト機能異常フラグがオンされていると判断された後に、前後進シフト機能異常フラグが取り消されていた場合は、ステップS187において、前後進シフト機能異常フラグがオフであると判断される。
ステップS187において、前後進シフト機能異常フラグがオンであると判断された場合は、図33に示すステップS159〜ステップS164が行われ、第6の制御が終了される。
一方、ステップS187において、前後進シフト機能異常フラグがオフであると判断された場合は、ステップS188に進む。ステップS188では、CPU86aによって、後進シフト機能異常が判定されるとともに、後進シフト機能異常フラグがオンされる。ステップS188の終了後、第6の制御が終了される。
図35に示すステップS174において、前後進クラッチ異常フラグがオフであると判断された場合は、ステップS190に進む。
ステップS190では、CPU86aによって、変速クラッチ異常フラグがオンであるか否かが判断される。通常、変速クラッチ異常フラグはオフされている。例えば、第3の制御のステップS88やステップS100において変速クラッチ異常フラグがオンされた後にステップS190が行われた場合は、ステップS190において変速クラッチ異常フラグがオンであると判断される。
ステップS190において、変速クラッチ異常フラグがオフであると判断された場合は、第6の制御が終了される。
一方、ステップS190において、変速クラッチ異常フラグがオンであると判断された場合は、ステップS191及びステップS192及び図37に示すステップS193〜ステップS196が順次行われる。
ステップS191では、CPU86aは、図5に示す報知部89にシフト系異常である旨の警告を報知させる。
ステップS192では、CPU86aによって、エンジン30の出力が制限される。
図37に示すステップS193では、CPU86aは、アクチュエータ70に変速比切り替え機構35の変速比を低速変速比にさせる。
ステップS194では、CPU86aによって、待機時間が算出される。このステップS194は、図17に示すステップS79と実質的に同様である。
ステップS195では、CPU86aは、ステップS194において算出された待機時間だけ待機する。
ステップS196では、CPU86aによって、プロペラ回転速度が正常範囲内にあるか否かが判断される。なお、このステップS196は、図17に示すステップS82と実質的に同様である。
ステップS196において、プロペラ回転速度が正常範囲内にないと判断された場合は、ステップS199に進む。ステップS199では、CPU86aは、図5に示す報知部89に油圧源異常である旨の警告を報知させる。ステップS199が終了した後に、第6の制御が終了される。
ステップS196において、プロペラ回転速度が正常範囲内にあると判断された場合は、ステップS197及びステップS198が順次行われる。
ステップS197では、CPU86aは、図5に示す報知部89に変速機能異常である旨の警告を報知させる。
ステップS198では、CPU86aによって、通常のシフトポジション制御が行われる。すなわち、通常のシフトチェンジが許容される。ステップS198が終了した後、第6の制御は終了される。
以上説明したように、本実施形態では、前進シフト接続用電磁バルブ74及び後進シフト接続用電磁バルブ73に加えて、ポンプ側電磁バルブ76が配置されている。そして、このポンプ側電磁バルブ76によって、前進シフト接続用電磁バルブ74及び後進シフト接続用電磁バルブ73とオイルポンプ71とを断続させることができる。このため、前進シフト接続用電磁バルブ74及び後進シフト接続用電磁バルブ73のいずれか一方に異常が発生した場合のシフトポジション選択幅をより広くすることができる。従って、シフトポジション切り替え機構36に異常が発生した場合の操縦の違和感を低減することができる。
具体的には、例えば、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62及び第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61のいずれか一方が固着する異常が発生した場合であっても、フォワードまたはリバースと、ニュートラルとの間でシフトチェンジが可能となる。
また、本実施形態では、変速比切り替え機構35に異常が発生した場合でも、シフトチェンジが許容される。従って、変速比切り替え機構35の異常時にも船舶1の走行が可能となる。
具体的には、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が切断状態で固着した異常が検出された際でも、ポンプ側電磁バルブ76を開放状態にすると共に、後進シフト接続用電磁バルブ73を断続させることで、リバースとニュートラルとの間のシフトチェンジが可能となる。第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が接続状態で固着した異常が検出された際でも、後進シフト接続用電磁バルブ73を開放状態にすると共に、ポンプ側電磁バルブ76を断続させることで、フォワードとニュートラルとの間のシフトチェンジが可能となる。
第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が切断状態で固着した異常が検出された際でも、ポンプ側電磁バルブ76を開放状態にすると共に、前進シフト接続用電磁バルブ74を断続させることで、フォワードとニュートラルとの間のシフトチェンジが可能となる。第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が接続状態で固着した異常が検出された際でも、前進シフト接続用電磁バルブ74を開放状態にすると共に、ポンプ側電磁バルブ76を断続させることで、リバースとニュートラルとの間のシフトチェンジが可能となる。
なお、第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62及び第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61の固着異常の検出方法は特に限定されない。例えば、前進シフト接続用電磁バルブ74及び後進シフト接続用電磁バルブ73の固着異常によって判断するようにしてもよい。
例えば、前進シフト接続用電磁バルブ74が開放状態で固着した異常を検出された場合に第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が接続状態で固着しているものと判断してもよい。前進シフト接続用電磁バルブ74が閉鎖状態で固着した異常を検出された場合に第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62が切断状態で固着しているものと判断してもよい。
後進シフト接続用電磁バルブ73が開放状態で固着した異常を検出された場合に第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が接続状態で固着しているものと判断してもよい。後進シフト接続用電磁バルブ73が閉鎖状態で固着した異常を検出された場合に第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61が切断状態で固着しているものと判断してもよい。
また、例えば、エンジン回転速度とプロペラ回転速度とに基づいて第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ62及び第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ61の固着異常を検出するようにしてもよい。
また、図9のステップS17によって、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションがニュートラルではない場合は、エンジン30を始動させることが規制されている。このため、エンジン30始動時において、フォワードまたはリバースであることが規制される。
また、図12に示すステップS38及びステップS39によって、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションがニュートラルではない場合は、電源がオフされないようになっている。このため、電源がオフ時には、確実に、シフトポジション切り替え機構36のシフトポジションがニュートラルとされる。
例えば、特許文献1に記載された船外機のように、連動機構38がシフトポジション切り替え機構を兼ねている場合は、プロペラ回転速度センサを連動機構よりもプロペラ41側に配置する必要がある。このため、プロペラ回転速度センサの配置可能な場所は、走行時に水中に位置する場所に限定される。従って、プロペラ回転速度センサの設置が困難である。さらに、連動機構よりもプロペラ側にプロペラ回転速度センサを配置すると、所謂砲弾部が大型化する傾向にある。このため、船外機の推進抵抗が増大する傾向にある。
それに対して、本実施形態では、図1に示すように、シフトポジション切り替え機構36が連動機構38よりも高い位置に配置されている。このため、連動機構38よりも高い位置にプロペラ回転速度センサ90を配置することができる。従って、プロペラ回転速度センサ90の配置が容易となる。
また、図1に示す砲弾部12よりも高い位置にプロペラ回転速度センサ90を配置できる。このため、船外機20の推進抵抗の増大を抑制することができる。
さらに、プロペラ回転速度センサ90に対する水の影響を低減することもできる。
特に本実施形態では、プロペラ回転速度センサ90がシフト機構34のシフトケース45内に収納されている。このため、プロペラ回転速度センサ90に対する水の影響をより低減することもできる。
さらに、本実施形態では、シフトケース45内がオイルで満たされている。このため、プロペラ回転速度センサ90に対する水の影響を特に低減することもできる。
本実施形態では、図4に示すポンプ側電磁バルブ76が所謂ノーマルロー型の電磁バルブによって構成されている。このため、電源がオフ状態であるときにおける油圧式シリンダ53a、61a、62aに油圧がかからないようにすることができる。従って、電源がオフ状態であるときに、油圧式クラッチ53,61,62を確実に切断状態に保持することができる。
《変形例》
上記実施形態では、後進シフト接続用電磁バルブ73と前進シフト接続用電磁バルブ74とを別個に設ける例について説明した。但し、本発明において、後進シフト接続用電磁バルブ73と前進シフト接続用電磁バルブ74とは、ひとつの電磁バルブによって構成されていてもよい。例えば、図38に示すように、電磁バルブ42によって、第3のオイル経路及び第4のオイル経路のそれぞれの流路面積を調整するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、オイルポンプ71がエンジン30によって駆動される例について説明した。但し、オイルポンプ71は、エンジン30以外の動力源によって駆動されるものであってもよい。例えば、図39に示すように、オイルポンプ71は、モータ71aによって駆動されるものであってもよい。その場合は、エンジン30の駆動状況にかかわらず、モータ71aを制御することができる。このため、図39に示すように、図4に示すリリーフバルブ77及びポンプ側電磁バルブ76を設ける必要は必ずない。
上記実施形態では、ポンプ側電磁バルブ76が所謂ノーマルロー型の電磁バルブで構成される一方、電磁バルブ72〜74が所謂ノーマルハイ型の電磁バルブで構成される例について説明した。但し、本発明において、電磁バルブ72〜74,76は、特に限定されない。
例えば、図40に示すように、ポンプ側電磁バルブ76を所謂ノーマルハイ型の電磁バルブで構成し、電磁バルブ72〜74を所謂ノーマルロー型の電磁バルブで構成してもよい。また、ポンプ側電磁バルブ76及び電磁バルブ72〜74の全てをノーマルハイ型またはノーマルロー型の電磁バルブによって形成してもよい。
図40に示すように、電磁バルブ72〜74を所謂ノーマルロー型の電磁バルブで構成することによって、このため、電源がオフ状態であるときにおける油圧式シリンダ53a、61a、62aに油圧がかからないようにすることができる。従って、電源がオフ状態であるときに、油圧式クラッチ53,61,62を確実に切断状態に保持することができる。
上記実施形態では、変速比切り替え機構35を制御するためのマップと、シフトポジション切り替え機構36を制御するためのマップとを船外機20に搭載されたECU86内のメモリ86bに記憶させている。また、電磁バルブ72,73,74を制御するための制御信号を船外機20に搭載されたECU86内のCPU86aから出力させている。
但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、船体10に搭載したコントローラー82に、記憶部としてのメモリと、演算部としてのCPUとを、メモリ86b及びCPU86aと共に、またはメモリ86b及びCPU86aに替えて設けてもよい。この場合、コントローラー82に設けられたメモリに変速比切り替え機構35を制御するためのマップと、シフトポジション切り替え機構36を制御するためのマップとを記憶させてもよい。また、コントローラー82に設けられたCPUから電磁バルブ72,73,74を制御するための制御信号を出力させてもよい。
上記実施形態では、ECU86がエンジン30と電磁バルブ72,73,74との両方の制御を行う例について説明した。但し、本発明は、これに限定されない。例えば、エンジンを制御するECUと、電磁バルブを制御するECUとを別個に設けてもよい。
上記実施形態では、コントローラー82が所謂「電子制御式コントローラー」である例について説明した。ここで、「電子制御式コントローラー」とは、コントロールレバー83の操作量を電気信号に変換すると共に、その電気信号をLAN80に出力するコントローラーをいう。
但し、本発明において、コントローラー82は電子制御式コントローラーでなくてもよい。コントローラー82は、例えば所謂機械式コントローラーであってもよい。ここで、「機械式コントローラー」とは、コントロールレバーと、コントロールレバーに接続されたワイヤを備え、コントロールレバーの操作量及び操作方向をワイヤの操作量及び操作方向という物理量として船外機に伝達するコントローラーをいう。
上記実施形態では、シフト機構34が変速比切り替え機構35を有する例について説明した。但し、シフト機構34は、変速比切り替え機構35を有さないものであってもよい。例えば、シフト機構34は、シフトポジション切り替え機構36のみを有するものであってもよい。
なお、クラッチの接続力とは、クラッチの接続状態を表す値である。すなわち、例えば、「変速比切り替え用油圧式クラッチ53の接続力が100%である」とは、プレート群53bが完全な圧接状態となるように油圧式ピストン53aが駆動され、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が完全に接続された状態を意味する。一方、例えば、「変速比切り替え用油圧式クラッチ53の接続力が0%である」とは、油圧式ピストン53aが非駆動状態となることによって、プレート群53bのプレート同士が離間して非圧接状態になり、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が完全に切断された状態を意味する。また、例えば、「変速比切り替え用油圧式クラッチ53の接続力が80%である」とは、プレート群53bが圧接状態となるように変速比切り替え用油圧式クラッチ53が駆動され、変速比切り替え用油圧式クラッチ53が完全に接続された状態に対して、入力軸としての第1の動力伝達軸50から出力軸としての第2の動力伝達軸51へ伝達される駆動トルクまたは、第2の動力伝達軸51の回転速度が80%となる状態で接続された、所謂半クラッチ状態であることを意味する。
なお、本明細書において、「プロペラ41の回転方向が前進方向」とは、プロペラ41によって前進方向の推進力が発生する場合のプロペラ41の回転方向である。「プロペラ41の回転方向が後進方向」とは、プロペラ41によって後進方向の推進力が発生する場合のプロペラ41の回転方向である。
実施形態に係る船舶の船尾部分を側面視した際の部分断面図である。 実施形態における推進力発生装置の構成を表す模式的構成図である。 実施形態におけるシフト機構の模式的断面図である。 実施形態におけるオイル回路図である。 船舶の制御ブロック図である。 ECUの構成を表すブロック図である。 第1〜第3の油圧式クラッチの接続状態と、シフト機構のシフトポジションとを示す表である。 第1の制御を表すフローチャートである。 第1の制御を表すフローチャートである。 第1の制御を表すフローチャートである。 第2の制御を表すフローチャートである。 第2の制御を表すフローチャートである。 第2の制御を表すフローチャートである。 第3の制御を表すフローチャートである。 第3の制御を表すフローチャートである。 第3の制御を表すフローチャートである。 第3の制御を表すフローチャートである。 第3の制御を表すフローチャートである。 第3の制御を表すフローチャートである。 第3の制御を表すフローチャートである。 プロペラ回転速度と待機時間との関係を規定するマップである。 低速変速比であるときのプロペラ回転速度とエンジン回転速度との関係の好ましい範囲を規定するマップである。 高速変速比であるときのプロペラ回転速度とエンジン回転速度との関係の好ましい範囲を規定するマップである。 プロペラ回転速度と待機時間との関係を定めたマップである。 第4の制御を表すフローチャートである。 アクセル開度とスロットル開度との関係を規定するマップである。 第1及び第2のシフト切り替え用油圧式クラッチの接続力と、{(ゲイン)×(−プロペラ回転速度)}との関係を表すマップである。 油圧式クラッチの接続力を漸増させるときの油圧式クラッチの接続力の経時変化を例示するグラフである。 第5の制御を表すフローチャートである。 第5の制御を表すフローチャートである。 第5の制御を表すフローチャートである。 第5の制御を表すフローチャートである。 第5の制御を表すフローチャートである。 第5の制御を表すフローチャートである。 第5の制御を表すフローチャートである。 第5の制御を表すフローチャートである。 第5の制御を表すフローチャートである。 第1の変形例におけるにおけるオイル回路図である。 第2の変形例におけるにおけるオイル回路図である。 第3の変形例におけるにおけるオイル回路図である。
符号の説明
20 船外機(船舶用推進システム)
30 エンジン(動力源)
35 変速比切り替え機構
36 シフトポジション切り替え機構
38 連動機構
40 プロペラ軸
41 プロペラ
45 シフトケース(ケーシング)
59 第3の動力伝達軸(出力軸)
61 第2のシフト切り替え用油圧式クラッチ(第2の油圧式クラッチ)
62 第1のシフト切り替え用油圧式クラッチ(第1の油圧式クラッチ)
71 オイルポンプ
73 後進シフト接続用電磁バルブ(第2のバルブ)
74 前進シフト接続用電磁バルブ(第1のバルブ)
76 ポンプ側電磁バルブ(第3のバルブ)
78 第1の配線
79 第2の配線
85 シフトポジションセンサ
86 ECU(制御装置)
90 プロペラ回転速度センサ(回転速度検出部)
95 バッテリ(電源)
96 メインスイッチ(スイッチ、第1のスイッチ)
99 電源リレー(第2のスイッチ)

Claims (13)

  1. 回転力を発生させる動力源と、
    前記動力源により駆動されるプロペラと、
    前記動力源と前記プロペラとの間に配置され、前記動力源と前記プロペラとの間の接続状態を変化させる第1の油圧式クラッチ及び第2の油圧式クラッチを有し、前記第1の油圧式クラッチが接続される一方、前記第2の油圧式クラッチが切断されており、前記動力源の回転力を第1の回転方向の回転力として前記プロペラに伝達させる第1のシフトポジションと、前記第1の油圧式クラッチが切断される一方、前記第2の油圧式クラッチが接続されており、前記動力源の回転力を前記第1の回転方向とは逆の第2の回転方向の回転力として前記プロペラに伝達させる第2のシフトポジションと、前記第1の油圧式クラッチと前記第2の油圧式クラッチとの両方が切断され、前記動力源の回転力を前記プロペラに実質的に伝達させないニュートラルとを切り替えるシフトポジション切り替え機構と、
    油圧を発生させるオイルポンプと、
    前記オイルポンプと前記第1の油圧式クラッチとの間に配置され、前記オイルポンプと前記第1の油圧式クラッチとを断続する第1のバルブと、
    前記オイルポンプと前記第2の油圧式クラッチとの間に配置され、前記オイルポンプと前記第2の油圧式クラッチとを断続する第2のバルブと、
    前記オイルポンプと前記第1のバルブ及び前記第2のバルブとの間に配置され、前記オイルポンプと前記第1のバルブ及び前記第2のバルブのそれぞれとを断続する第3のバルブと、
    前記第1のバルブ、前記第2のバルブ及び前記第3のバルブを制御する制御装置と、
    を備えた船舶用推進システム。
  2. 請求項1に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記制御装置は、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの異常を検出し、前記第1のバルブ及び前記第2のバルブの少なくとも一方の異常が検出された際に、前記第3のバルブによって前記オイルポンプと前記第1のバルブ及び前記第2のバルブとの間を切断させることによって前記第1の油圧式クラッチ及び前記第2の油圧式クラッチを切断させる船舶用推進システム。
  3. 請求項1に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記制御装置は、前記第1の油圧式クラッチが切断状態で固着した異常を検出し、前記第1の油圧式クラッチが切断状態で固着した異常を検出した際には、前記第2のバルブを開閉させることによって、前記シフトポジション切り替え機構のシフトポジションを前記第2のシフトポジションとニュートラルとの間で切り換えさせる船舶用推進システム。
  4. 請求項1に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記制御装置は、前記第1の油圧式クラッチが接続状態で固着した異常を検出し、前記第1の油圧式クラッチが接続状態で固着した異常を検出した際には、前記第2のバルブを解放させた状態で維持すると共に、前記第3のバルブを開閉させることによって、前記シフトポジション切り替え機構のシフトポジションを前記第1のシフトポジションとニュートラルとの間で切り換えさせる船舶用推進システム。
  5. 請求項3または4に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記制御装置は、前記第1のバルブが解放状態で固着した異常及び前記第1のバルブが閉鎖状態で固着した異常を検出し、前記第1のバルブが開放状態で固着した異常を検出した際に前記第1の油圧式クラッチが接続状態で固着しているものと判断する一方、前記第1のバルブが閉鎖状態で固着した異常を検出した際に前記第1の油圧式クラッチが切断状態で固着しているものと判断する船舶用推進システム。
  6. 請求項3または4に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記制御装置は、前記動力源の回転速度と、前記プロペラの回転速度とを検出し、前記動力源の回転速度と前記プロペラの回転速度とに基づいて前記第1の油圧式クラッチの固着異常を検出する船舶用推進システム。
  7. 請求項1に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記制御装置に電力を供給する電源と、
    前記電源と、前記制御装置との間をオン/オフするスイッチと、
    前記シフトポジション切り替え機構のシフトポジションを検出するシフトポジション検出部と、
    をさらに備え、
    前記制御装置は、操船者によって前記スイッチがオンされた際に、前記シフトポジション切り替え機構のシフトポジションが前記第1のシフトポジションまたは前記第2のシフトポジションである場合は、前記動力源の始動を禁止する船舶用推進システム。
  8. 請求項1に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記制御装置に電力を供給する電源と、
    前記電源と前記制御装置とを接続する第1の配線と、
    前記電源と前記制御装置とを接続する第2の配線と、
    前記第1の配線に配置され、操船者によって操作されることによって、前記電源と前記制御装置との間をオン/オフする第1のスイッチと、
    前記第2の配線に配置され、前記電源と、前記制御装置との間をオン/オフする第2のスイッチと、
    前記シフトポジション切り替え機構のシフトポジションを検出するシフトポジション検出部と、
    をさらに備え、
    前記制御装置は、前記第1のスイッチがオフされた際に前記第2のスイッチをオンさせ、操船者によって前記第1のスイッチがオフされた際に、前記シフトポジション切り替え機構のシフトポジションがニュートラルである場合は前記第2のスイッチをオフさせる一方、操船者によって前記第1のスイッチがオフされた際に、前記シフトポジション切り替え機構のシフトポジションが前記第1のシフトポジションまたは前記第2のシフトポジションである場合には前記第2のスイッチをオン状態に保持する船舶用推進システム。
  9. 請求項1に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記シフトポジション切り替え機構は、回転力を出力する出力軸をさらに有し、
    前記プロペラが取り付けられ、前記出力軸とは異なる方向に延びるプロペラ軸と、
    前記出力軸と、前記プロペラ軸との間に配置され、前記出力軸の回転を前記プロペラ軸に伝達する連動機構と、
    前記連動機構よりも前記動力源側に配置され、前記出力軸の回転速度を検出する回転速度検出部と、
    をさらに備えた船舶用推進システム。
  10. 請求項9に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記シフトポジション切り替え機構は、前記第1の油圧式クラッチ及び前記第2の油圧式クラッチを収納し、オイルが満たされたケーシングをさらに有し、
    前記回転速度検出部は、前記ケーシング内に配置されている船舶用推進システム。
  11. 請求項1に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記動力源と前記プロペラとの間に配置され、前記動力源と前記プロペラとの間の変速比を高速変速比と低速変速比との間で切り換える変速比切り替え機構をさらに備え、
    前記制御装置は、前記変速比切り替え機構の異常を検出し、前記変速比切り替え機構の異常を検出した場合には、前記変速比切り替え機構の駆動を禁止する一方、前記第1のバルブ、前記第2のバルブ及び前記第3のバルブの制御を継続して行う船舶用推進システム。
  12. 請求項1に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記第3のバルブは、電圧が印加されていない状態でクローズとなる船舶用推進システム。
  13. 請求項1に記載された船舶用推進システムにおいて、
    前記第1のバルブ及び第2のバルブのそれぞれは、電圧が印加されていない状態でクローズとなる船舶用推進システム。
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