JP2001039328A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JP2001039328A
JP2001039328A JP11216748A JP21674899A JP2001039328A JP 2001039328 A JP2001039328 A JP 2001039328A JP 11216748 A JP11216748 A JP 11216748A JP 21674899 A JP21674899 A JP 21674899A JP 2001039328 A JP2001039328 A JP 2001039328A
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JP
Japan
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steering
pump
switching means
sub
valve
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JP11216748A
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English (en)
Inventor
Hirotetsu Sonoda
博鐵 園田
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Bosch Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前2軸車用動力舵取装置をエンジン駆動式ポ
ンプ等の停止時にも操舵制御可能とし、しかも装置構造
の簡素化、コンパクト化、コスト低減を図る。 【解決手段】 前2輪車の前側、後側操舵輪2,3を転
舵する前側および後側パワーシリンダ27を備える。メ
インポンプ10およびサブポンプ11と、舵取ハンドル
操作により各ポンプからの供給流体の流路切換えを行う
コントロールバルブ15との間に、一方のポンプからの
供給流体または両ポンプからの供給流体を合流させて給
送する急操舵時切換え手段30を設ける。この急操舵時
切換え手段30とコントロールバルブとの間に、いずれ
か一方または両方のポンプからの供給流体をコントロー
ルバルブに給送するポンプ切換え手段40を設ける。コ
ントロールバルブからの供給流体を前側、後側パワーシ
リンダに選択的に給送するアクチュエータ切換え手段5
0を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前、後に各一対の
操向車輪(以下、操舵輪という)を備えている車輌、い
わゆる前2軸車に用いる動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば大型トレーラ、大型トラック等
のような大型車輌の中には車輌の前部に前、後に各一対
の操舵輪を並設した、いわゆる前2軸車が知られてい
る。このような前2軸車では、一般に前、後二対の操舵
輪を舵取ハンドルの舵取操作により転舵制御するために
操舵補助力をそれぞれの舵取リンク機構に作用させる動
力舵取装置が一般的に設けられている。このような従来
の前2軸車用の動力舵取装置としては、たとえば特開昭
55−148652号公報、特公昭61−14034号
公報等に示すものがある。
【0003】従来この種の動力舵取装置は、前側操舵輪
を前側舵取リンク機構を介して転舵させるためのたとえ
ばインテグラルタイプのパワーステアリング(パワーシ
リンダ内蔵)と、後側操舵輪を後側舵取リンク機構を介
して転舵させるためのパワーシリンダとを備えている。
【0004】これらのパワーシリンダに対して、車輌の
エンジンで駆動するポンプからの供給流体を、舵取ハン
ドルの舵取操作により流路切換えを行うコントロールバ
ルブを介して選択的に供給することにより、それぞれの
舵取リンク機構に操舵補助力を与え、前、後の操舵輪を
所要の状態で転舵させるように構成されている。勿論、
前、後の操舵輪を転舵させる舵取リンク機構は、舵取ハ
ンドルの舵取操作により連動して動作するように機械的
に連結されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の動力舵取装置では、一個のエンジン駆動式のポンプか
らの供給流体によって前、後の操舵輪をそれぞれのパワ
ーシリンダにより転舵制御しているから、以下のような
不具合を招くおそれがある。
【0006】すなわち、エンジン駆動式のポンプが故障
したり、またはこのポンプからの供給流体配管などが損
傷して、各パワーシリンダへの供給流体の供給ができな
くなると、舵取ハンドルの手動による舵取操作だけで
前、後の操舵輪を転舵させなければならず、重い操舵力
が必要となり、迅速な舵取操作が行えず、また操舵者に
とって大きな負担となる。
【0007】このため、従来の動力舵取装置において、
エンジン駆動式のポンプとは別に、たとえば車軸の回転
を駆動源とするサブポンプを設け、このサブポンプから
供給流体を後側操舵輪を転舵させるための後側のパワー
シリンダに供給することにより、操舵補助力を働かせて
操舵力を補助的に軽減できるようにしたものが、たとえ
ば特公昭62−22号公報等によって提案されている。
【0008】しかし、このような従来の動力舵取装置で
は、サブポンプからの供給流体を舵取ハンドルの舵取操
作に応じて後側のパワーシリンダに供給するための後側
の流路切換え用コントロールバルブが必要である。さら
に、車輌の走行中においてたとえばメイン側のパワーシ
リンダの出力が不足して舵取ハンドルの操舵抵抗が増加
し、通常以上の切り込みが必要となったときだけ、この
サブポンプとコントロールバルブとを作動させる構造を
採用する必要がある。
【0009】したがって、このような構造では、二系統
の流体圧回路を付設する等、装置全体の構成部品数が多
く構造が複雑となり、コスト高を招くという問題があっ
た。また、このような構造では、車輌の直進走行状態が
中立位置となるように各系統のコントロールバルブどお
しを位置合わせする必要があり、組立て時の作業性の面
で問題であった。
【0010】また、上述した従来の装置では、上述した
後側のコントロールバルブを、パワーステアリング本体
部内で舵取ハンドル側の入力軸の軸線方向において前側
のコントロールバルブに並べて配設することが必要で、
装置全体、特にパワーステアリング本体部の大型化が避
けられない。このようなパワーステアリング本体部が大
型化すると車輌への組込みスペース上からも問題とな
り、このような点を一掃することができるような何らか
の対策を講じることが望まれている。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、車輌のエンジン駆動式のポンプが故障等で
停止したり、このポンプからの供給流体の供給配管が損
傷したりしたときにも、前2軸車における前、後の操舵
輪の転舵制御を可能とし、また装置の構成部品数が少な
く構造も簡素化し、装置全体の小型化やコスト低減を図
ることができ、しかも上述したエンジン駆動式ポンプの
小型化を図り、取付け容易性、コスト低減、さらに少流
量化による燃費の向上を可能とする動力舵取装置を得る
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的に応える
ために本発明の請求項1に係る動力舵取装置は、前2軸
車の前、後各一対をなす操舵輪を転舵させるための動力
舵取装置であって、メインポンプおよびサブポンプと、
舵取ハンドルへの舵取操作により前記各ポンプからの供
給流体の流路切換えを行うコントロールバルブと、前側
の操舵輪を転舵制御する前側パワーシリンダと、後側の
操舵輪を転舵制御する後側パワーシリンダとを備え、前
記メインポンプ、サブポンプのいずれか一方の供給流体
または前記メインポンプ、サブポンプからの供給流体を
合流させて前記コントロールバルブ側に給送する急操舵
時切換え手段と、この急操舵時切換え手段を介して給送
されてくる供給流体を前記コントロールバルブに給送す
るポンプ切換え手段を設けるとともに、前記コントロー
ルバルブからの供給流体を前記前側パワーシリンダ、後
側パワーシリンダに選択的に給送するアクチュエータ切
換え手段を設けたことを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項2に記載の動力舵取
装置は、請求項1において、前記急操舵時切換え手段
は、前記メインポンプおよびサブポンプと前記コントロ
ールバルブとの間に配置され、いずれか一方のポンプま
たは両方のポンプを前記コントロールバルブに接続する
ように構成されていることを特徴とする。
【0014】また、本発明の請求項3に記載の動力舵取
装置は、請求項1または請求項2において、前記急操舵
時切換え手段、ポンプ切換え手段、アクチュエータ切換
え手段のうちの少なくとも一つを、舵取ハンドルの操舵
速度、車速、メインポンプの作動状態の検出結果に基づ
いて制御する手段を備えていることを特徴とする。
【0015】本発明によれば、エンジン駆動式等のメイ
ンポンプが正常に駆動しているときにおいて車両の通常
走行時には、急操舵時切換え手段はメインポンプからの
供給流体をポンプ切換え手段に給送する。このポンプ切
換え手段は、このメインポンプからの供給流体を流路切
換え用コントロールバルブに給送する。そして、このコ
ントロールバルブから舵取ハンドルの舵取操作に伴って
前側パワーシリンダ、後側パワーシリンダの第1のシリ
ンダからなるメインアクチュエータに供給流体が給送さ
れることにより、前、後の操舵輪は所要の操舵補助力で
補助されて操舵される。このとき、サブポンプからの供
給流体は急操舵時切換え手段およびポンプ切換え手段を
介してタンク側に送られ、このサブポンプは無負荷運転
状態となる。
【0016】また、本発明によれば、前記メインポンプ
が正常に駆動しているときにおいて車両が急操舵される
と、急操舵時切換え手段はメインポンプからの供給流体
とサブポンプからの供給流体をポンプ切換え手段に送
り、この合流した供給流体をこのポンプ切換え手段によ
り流路切換え用コントロールバルブに給送する。そし
て、このコントロールバルブから舵取ハンドルの舵取操
作に伴って前側パワーシリンダ、後側パワーシリンダの
第1のシリンダからなるメインアクチュエータに急操舵
に対応する流量を確保した供給流体が給送されることに
より、前、後の操舵輪は所要の操舵補助力で補助されて
操舵される。
【0017】また、本発明によれば、前記メインポンプ
が故障したり、このポンプからの供給流体給送用配管等
が損傷したりしたときには、急操舵時切換え手段および
ポンプ切換え手段がサブポンプをコントロールバルブに
接続するとともに、このサブポンプからコントロールバ
ルブに給送される供給流体をアクチュエータ切換え手段
の切換え動作によりサブアクチュエータとしての後側パ
ワーシリンダの第2のシリンダに供給することにより、
後側操舵輪を転舵制御することができる。また、舵取ハ
ンドルの舵取操作やこの後側操舵輪の転舵動作に伴って
前側操舵輪も転舵され、所要の操舵を行える。
【0018】本発明によれば、急操舵時切換え手段、ポ
ンプ切換え手段、アクチュエータ切換え手段を電磁ソレ
ノイド式の電磁弁等で構成することにより、舵取ハンド
ルの操舵速度、車速、メインポンプの作動状況を示すポ
ンプ圧力の検出結果に基づいてそれぞれを所要の状態に
制御することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は本発明に係る動
力舵取装置の一つの実施の形態を示す。これらの図にお
いて、符号1で示すものは前2軸車に用いる動力舵取装
置である。この動力舵取装置1は、図1や図6に示すよ
うに、全体の図示は省略したが大型車の車体前部(車体
シャーシフレームの前端部分)に前、後に並んで設けた
前、後各一対をなす操舵輪2,3を舵取ハンドル4の舵
取操作に応じてそれぞれ転舵させる際の操舵補助力を
前、後の操舵リンク系(図6にドラッグリンク2a,3
aとナックルアーム2b,3bのみを示す)に与えるこ
とができるように構成されている。
【0020】図5、図6中符号5で示すものは従来から
広く知られているインテグラルタイプのパワーステアリ
ング本体部である。この本体部5には、図6に示すよう
に、舵取ハンドル4からのステアリングシャフト4aに
連結された入力軸(スタブシャフト)7が配置され、ま
たこの本体部5は、図5に示すように前側操舵輪2を転
舵させるための前側パワーシリンダ6を有する。ここで
は、ボールねじ式のパワーステアリングである場合を示
す。
【0021】図5中8はこの前側パワーシリンダ6の出
力軸であるセクタギヤ、図6中9はこのセクタギヤ8の
回転を前記ドラッグリンク2a、ナックルアーム2bを
介して前側操舵輪2に伝達するピットマンアームであ
る。
【0022】図1、図6において符号10は車輌のエン
ジン(図示せず)で駆動されるエンジン駆動式のメイン
ポンプ、11はエンジン以外の駆動源、たとえば車軸の
回転や電動モータの回転によって駆動されるサブポンプ
で、これらのポンプ10,11は、タンク12,13か
ら流体(作動油)を吸込み、所要の流体圧力をもって吐
出する。これらのポンプ10,11からの流体圧(油
圧)は、後述する急操舵時切換え手段30およびポンプ
切換え手段40を介して前記本体部5内に設けた流路切
換え用コントロールバルブ15に給送される。
【0023】前記ステアリング本体部5の内部には、図
5に示すように従来からボールねじ式パワーステアリン
グとして広く知られている機構部が形成されている。こ
れを説明すると、図5中16,17は上述したステアリ
ング本体部5を構成するステアリングボディおよびその
開口端側を閉塞する弁カバーを兼るバルブハウジングで
ある。これらによって形成される内部空間には、図示し
ない舵取ハンドルの操舵操作に伴なって軸線方向に進退
動作し前記セクタギヤ8に噛合うラック歯を有するピス
トン18が配設されている。このピストン18の前、後
には二つの圧力室(左、右室)6a,6bが形成され、
これらの左、右室6a,6bによって前側パワーシリン
ダ6を構成している。
【0024】前記ピストン18が動作すると、このピス
トン18の側方に形成したラックがセクタギヤ8に噛合
し、このセクタギヤ8の軸を回転させる。この回転が前
記舵取り機構を構成するピットマンアーム9(図6参
照)を介して前側操舵輪2側に伝達されることにより操
舵が行われる。
【0025】前記バルブハウジング17には、舵取ハン
ドル4の舵取操作により回転するスタブシャフト7が貫
通支持され、さらにその先端側には一端が前記ピストン
18内に臨みボールねじ機構19を介して連結している
ウォームシャフト20が同軸上に配設されている。な
お、21はこれらのシャフト7,20内に同軸的に配設
されその両端がそれぞれのシャフト7,20側に一体的
に結合しているトーションバーである。このトーション
バー21のねじれにより、スタブシャフト7とウォーム
シャフト20とが相対的に回転してロータリ式のコント
ロールバルブ15が作動する。
【0026】このコントロールバルブ15は、前記スタ
ブシャフト7の内方端に一体的に回転するように設けら
れその外周に複数のバルブ溝を有するロータ15aと、
前記ウォームシャフト20と一体に設けられその内周に
複数のバルブ溝を有するスリーブ15bとを備えてい
る。このコントロールバルブ15は、ロータ15aとス
リーブ15bとの相対的な回転により作動して油圧流路
の切換え動作を行い、前記ポンプ10または11からの
圧油を舵取ハンドル4の舵取操作により前記前側パワー
シリンダ6の左、右室6a,6bに選択的に供給し、操
舵輪に操舵補助力を与えるピストン18を操舵方向に移
動させる。
【0027】上述したロータリ式のコントロールバルブ
15の具体的な構造、作動状態、さらに操舵時における
ピストン18の動き、この動きでセクタギヤ8が回動動
作することにより前側操舵輪2が所要の方向に転舵動作
する点は広く知られているから、ここでの詳細な説明は
省略する。
【0028】図6中25は車体シャーシフレームの側部
に一端を軸支した従動レバーで、この従動レバー25は
コネクティングロッド26により前記ピットマンアーム
9と連結され、このピットマンアーム9の動きに連動し
て揺動するように構成されている。この従動レバー25
の他端は前記ドラッグリンク3a、ナックルアーム3b
を介して前記後側操舵輪3に連結されている。
【0029】なお、上述した前側操舵輪2と後側操舵輪
3とは、これらの位置関係に対応してそれぞれ最適な比
をもって連動して転舵するように構成されている。ま
た、図示しないが、左、右の前側操舵輪2間、左、右の
後側操舵輪3間はそれぞれ図示しないタイロッドアーム
とタイロッドにより連動するように連結されていること
は勿論である。
【0030】27は前記従動レバー25の他端側に一端
が連結されるとともに他端が前記車体シャーシフレーム
の側部に連結されている後側パワーシリンダである。
【0031】この後側パワーシリンダ27は、メインポ
ンプ10からの供給流体によって作動する第1のシリン
ダ28と、サブポンプ11からの供給流体によって作動
する第2のシリンダ29とを備えている。なお、図1中
27aは後側パワーシリンダ27のピストンロッド、2
8a,28bは第1のシリンダ28の左、右室、29
a,29bは第2のシリンダ29の左、右室である。
【0032】本発明によれば、上述した前2軸車に用い
る動力舵取装置として、車輌のエンジンで駆動するメイ
ンポンプ10と、前記エンジン以外の駆動手段により駆
動するサブポンプ11と、前記舵取ハンドル4への舵取
操作により各ポンプ10,11からの供給流体の流路切
換えを行うコントロールバルブ15と、このコントロー
ルバルブ15で切換えられた供給流体によって得られる
操舵補助力により前側操舵輪2を転舵制御する前側パワ
ーシリンダ6と、コントロールバルブ15で切換えられ
た供給流体によって得られる操舵補助力により後側操舵
輪3を転舵制御する後側パワーシリンダ27とを備えて
いる。
【0033】そして、前記メインポンプ10とサブポン
プ11とからコントロールバルブ15に至る流体圧通路
の途中に、急操舵時切換え手段30とポンプ切換え手段
40とを設けている。また、前記コントロールバルブ1
5からの供給流体を前側パワーシリンダ6、後側パワー
シリンダ27に給送する流体圧通路の途中に、アクチュ
エータ切換え手段50を設けている。
【0034】前記急操舵時切換え手段30は、前記メイ
ンポンプ10、サブポンプ11と前記コントロールバル
ブ15との間に配置され、常時は前記各ポンプ10,1
1からの供給流体をそれぞれ給送するとともに、前記各
ポンプ10,11側のタンク12,13にそれぞれ別々
の流路(還流路)により戻り側流体を還流させるように
構成されている。この急操舵時切換え手段30は、急操
舵時であると判断されたときに作動し、前記メインポン
プ10とサブポンプ11からの供給流体を合流させて給
送するとともに、それぞれのタンク12,13への還流
路も合流させて還流させるように構成されている。
【0035】これを図1、図2〜図4を用いて詳述する
と、この急操舵時切換え手段30は、上述した流路を選
択的に形成するスプールバルブ31からなり、そのスプ
ール32を作動させるための電磁ソレノイド38と圧縮
コイルばね33とを備えた電磁弁によって構成されてい
る。図1では急操舵時切換え電磁弁として示す。
【0036】ここで、図2〜図4中符号34はバルブボ
ディ、35a,35b;36a,36bはボディ34の
側部に開口するメインポンプ10、サブポンプ11、メ
イン側のタンク12、サブ側のタンク13に接続される
ポンプ側への接続ポート(図中Pm、Psを付す)およ
びタンク側への接続ポート(図中Tm、Tsを付す)で
ある。
【0037】そして、このスプールバルブ31は、車輌
の走行時において急操舵が行われておらず、電磁ソレノ
イド38がオフ状態にあるときにはばね33の付勢力に
より図2または図4に示す状態にあり、メインポンプ1
0、サブポンプ11からの供給流体をそれぞれ別々の通
路により給送するようになっている。また、このスプー
ルバルブ31は、車輌の走行時において急操舵が行われ
ることにより電磁ソレノイド38がオン状態になるとば
ね33の付勢力に抗して作動して図3に示す状態にな
り、メインポンプ10、サブポンプ11からの供給流体
を合流させて給送するようになっている。
【0038】なお、タンク側に戻る還流路も、それぞれ
の状態での各ポンプ10,11からの圧油の給送状態と
同様に別々にまたは合流した流路を形成するようになっ
ている。また、図中31aはバルブボディ34内に形成
されたバルブ孔である。
【0039】前記ポンプ切換え手段40は、前記急操舵
時切換え手段30と前記コントロールバルブ15との間
に配置され、いずれか一方のポンプ(メインポンプ1
0)を切換えて前記コントロールバルブ15に供給流体
を給送するように接続したときに、他方のポンプ(サブ
ポンプ11)をタンク側に接続して短絡させるように構
成している。
【0040】これを図2〜図4を用いて詳述すると、こ
のポンプ切換え手段40は、スプールバルブ41からな
り、そのスプール42を作動させるための電磁ソレノイ
ド48と圧縮コイルばね43とを備えた電磁弁によって
構成されている。図1ではポンプ切換え電磁弁として示
す。
【0041】ここで、この実施の形態では、このスプー
ルバルブ41を、前述した急操舵時切換え手段30を組
込んだバルブボディ34に対して軸線が平行になるよう
に並設している。また、このスプールバルブ41の軸線
方向に後述するアクチュエータ切換え手段50を構成す
るスプールバルブ51を並設している。そして、このス
プールバルブ41のスプール42と前記スプールバルブ
51のスプール52とを軸線方向において直列に連設
し、圧縮コイルばね43により付勢するとともに電磁ソ
レノイド48により両スプール42,52を一体的に作
動させるようになっている。
【0042】このスプールバルブ41は、車輌の通常走
行時において前記メインポンプ10が正常に作動してい
る正常状態であって電磁ソレノイド48がオン状態にあ
るときにはばね43の付勢力に抗して図2、図3に示す
状態にある。この図2においては、メインポンプ10か
らの供給流体をINポート44に送り、一方サブポンプ
11からの供給流体は、OUTポート45からスプール
42の通路溝、通路孔、内部通路42a、通路孔、通路
溝を通り、前記急操舵時切換え手段30を介してタンク
側への接続ポートTs側に還流するように構成されてい
る。図3の状態では、前記急操舵時切換え手段30の切
換え動作によりメインポンプ10とサブポンプ11から
の供給流体が合流してINポート44からコントロール
バルブ15側に給送され、OUTポート45から戻る戻
り側の流体がメイン側とサブ側のタンク12,13に還
流するようになっている。
【0043】また、前記メインポンプ10またはその給
送系の何らかの原因で流体の供給がなくなると、電磁ソ
レノイド48がオフ状態になり、ばね43の付勢力によ
り図4に示す状態となる。このときには急操舵時切換え
手段30を介して給送されてくるサブポンプ11からの
供給流体がINポート44からコントロールバルブ15
に給送される。戻り側の流体はOUTポート45から入
り、前記急操舵時切換え手段30を経てタンク側の接続
ポートTsからサブ側のタンク13に還流されるように
なっている。
【0044】図中53は前記バルブボディ34に一体的
に連設され前記アクチュエータ切換え手段50となるス
プールバルブ51を組込んだバルブボディである。ま
た、図中41aはバルブボディ34内に形成したバルブ
孔、51aはこのバルブ孔41aに連続して同一軸線上
に位置するようにバルブボディ53に形成したバルブ孔
である。
【0045】上述したバルブ孔31a,41a間には4
本の通路が形成され、メインポンプ側、サブポンプ側か
らの供給流体が通る2本の通路と、メイン側のタンク、
サブ側のタンクに至る2本の通路とから構成されてい
る。また、急操舵時切換え手段30を構成するスプール
バルブ31、ポンプ切換え手段40を構成するスプール
バルブ41は、それぞれバルブ孔内周に形成した通路溝
とスプール外周に形成した通路溝との選択的な接続によ
って、上述したような供給流体の流通を制御する。
【0046】前記アクチュエータ切換え手段50は、図
1、図2〜図4、図6に示すように、前記コントロール
バルブ15と前側パワーシリンダ6および後側パワーシ
リンダ27との間に配置され、前記コントロールバルブ
15からの供給流体を前記前側パワーシリンダ6、後側
パワーシリンダ27への流路を切換えることにより選択
的に給送するように構成されている。
【0047】この実施の形態では、前述したように急操
舵時切換え手段30、ポンプ切換え手段40とともに一
体的に構成されたバルブボディ53内に設けられ、しか
も前記ポンプ切換え手段40をオン、オフする電磁ソレ
ノイド48と圧縮コイルばね43とによってスプール4
2と一体的に作動するスプール52を有するスプールバ
ルブ51によって、このアクチュエータ切換え手段50
が構成されている。
【0048】そして、メインアクチュエータ60として
の前側パワーシリンダ6と後側パワーシリンダ27の第
1のシリンダ28を前記コントロールバルブ15に接続
したときには、サブアクチュエータ61としての後側パ
ワーシリンダ27の第2のシリンダ29の左、右室29
a,29bを連通することにより短絡させるように構成
している。
【0049】また、前記後側パワーシリンダ27の第2
のシリンダ29(サブアクチュエータ61)をコントロ
ールバルブ15に接続したときには、前側パワーシリン
ダ6および後側パワーシリンダ27の第1のシリンダ2
8の各左、右室28a,28bを連通することにより短
絡させるように構成している。
【0050】ここで、図2〜図4においてC1,C2は
前記コントロールバルブ15からの圧油を舵取ハンドル
4の舵取り操作に応じて流路切換えを行うことにより、
一方が導入通路、他方が戻り通路となるポート(図中5
4a,54bを付す)である。また、C1i,C2iは
メインアクチュエータ60としてのインテグラルタイプ
(前側)のパワーシリンダ6およびその左、右室6a,
6bを介して後側パワーシリンダ27の第1のシリンダ
28の左、右室28a,28bに圧油を給送または還流
させるためのポート(図中55a,55bを付す)であ
る。
【0051】また、C1c,C2cはサブアクチュエー
タ61を構成する後側パワーシリンダ27の第2のシリ
ンダ29の左、右室29a,29bに接続されるポート
(図中56a,56bを付す)である。
【0052】前記アクチュエータ切換え手段50として
のアクチュエータ切換え電磁弁は、常時は図2および図
3の状態にあり、このときにはコントロールバルブ15
からの圧油をメインアクチュエータ60側に供給、還流
させるように、スプール52外周の通路溝が形成されて
いる。また、図4の状態では、サブアクチュエータ61
側をコントロールバルブ15に接続している。
【0053】図中57,58はスプールバルブ51を形
成するバルブボディ53内に形成した短絡時の連通用通
路であり、図2、図3の状態ではサブアクチュエータ6
1側のポートC1c,C2cが通路57により連通され
て短絡した状態となっている。また、図4の状態では、
メインアクチュエータ60側のポートC1i,C2iが
通路58により短絡している。
【0054】このようにコントロールバルブ15に接続
されない側のアクチュエータを短絡させるのは、該当す
るシリンダの左、右室を連通させて前、後の操舵輪2,
3に接続されるピストンロッドに抵抗を与えず、いわゆ
る油圧ロック状態が生じないようにするためである。
【0055】図2はメインポンプ10からの圧油の供給
が行われている正常運転状態を示し、このときにはメイ
ンアクチュエータ60としての前側パワーシリンダ6、
後側パワーシリンダ27の第1のシリンダ28への圧油
の供給によって、前、後各操舵輪2,3は所要の方向に
転舵制御される。図3は前述した急操舵時切換え手段3
0によりメインポンプ10とサブポンプ11からの圧油
が合流して給送されているときの状態であるが、このア
クチュエータ切換え手段50は同じ状態となっている。
【0056】図4はメインポンプ10からの圧油の供給
がなくなったときであり、このときには、メインアクチ
ュエータ60側はそれぞれ短絡状態となっている。した
がって、アクチュエータ切換え手段50で切り離される
側が短絡状態となり、後側操舵輪3が転舵する際の、い
わゆる油圧ロック状態を招くおそれはない。そして、サ
ブアクチュエータ61としての後側パワーシリンダ27
の第2のシリンダ29への圧油の供給に伴って後側操舵
輪3を転舵させ、これと舵取ハンドル操作とに伴って前
側操舵輪2も転舵させることができるのである。
【0057】なお、図2〜図4では、上述した各切換え
手段30,40,50を二つの電磁ソレノイド38,4
8により作動するスプールバルブ31,41,51で構
成し、全体を一体的なユニットとして構成している。ま
た、この例では、ポンプ切換え用のスプールバルブ41
とアクチュエータ切換え用のスプールバルブ51とを、
同一のバルブ孔(41a,51aを付した部分)内に直
列に配置したスプール42,52によって構成してい
る。
【0058】このような構造を採ると、メインポンプ1
0とサブポンプ11、メインアクチュエータ60とサブ
アクチュエータ61との間での二系統の流体供給系を所
要の状態で作動させる切換え手段をユニットとして一体
的に構成できるから、各部の配管が容易に行え、しかも
装置の車輌への組込みや保守、点検時の作業が簡単に行
える。しかし、上述した構造には限定されず、それぞれ
を個別のボディに組込んで構成してもよい。要はそれぞ
れの流体通路を適切に接続すればよい。
【0059】図1、図6において符号70は車輌に搭載
したコントローラ、71は舵取ハンドルの操舵速度を検
出する操舵速度センサ、72は車輌の走行速度を検出す
る車速センサ、73は前記メインポンプ10からの供給
流体の給送状態を検出するメインポンプ圧力センサで、
また74は車載バッテリ、75はイグニッションスイッ
チである。前記コントローラ70は、各センサ71,7
2,73での検出結果に基づき前述した急操舵時切換え
手段30、ポンプ切換え手段40、アクチュエータ切換
え手段50のそれぞれの作動を制御するように構成され
ている。
【0060】たとえばコントローラ70は、各センサ7
1,72,73によって検出された操舵速度、車速、メ
インポンプ圧力のいずれもが設定値以上であることを感
知したときに、車輌の走行時に急操舵が行われたと判断
し、前記急操舵時切換え手段30を作動させる。電磁ソ
レノイド38がオンされた図3の状態になる。この急操
舵時切換え手段30の作動時には、前記サブポンプ11
からの供給流体が前記メインポンプ10からの供給流体
に合流して給送され、前記コントロールバルブ15を介
してパワーシリンダ6,27によるメイン、サブアクチ
ュエータ60,61に供給されることになる。
【0061】このような構造を採用すると、メインポン
プ10は操舵速度が設定値以下である大多数の場合を満
足する程度の供給流量をもつものでよいからポンプの小
型化が可能となる。しかも、操舵速度が設定値以上の急
操舵時にはサブポンプ11からの供給流体が追加される
から十分な流量を確保でき、前、後側パワーシリンダ
6,27による転舵追従性の劣化は生じない。
【0062】上述した三つの条件の一つでも条件を満足
しないときには急操舵が行われていない正常状態である
と判断する。前記操舵速度センサ71は、舵取ハンドル
が急操舵されたか否かを判断するためのセンサである
が、ここでは操舵速度のみの検出が可能であればよく、
操舵方向や絶対位置等の検出は不要であるので、安価な
フォトインタラプタ等によるセンサでよい。
【0063】また、前記車速センサ72は車載されてい
る車速表示パネル部からの信号でよいから、特別なセン
サは不要である。ここで、この車速センサ72により検
出する車速が設定値以上であることを条件とするのは、
車輌が停止している時などにおいて、サブポンプ11が
車軸駆動である場合、サブポンプ11が停止しているか
ら、メインポンプ10側の作動圧が圧力がないサブポン
プ11側に抜けてしまい、パワーシリンダ6,27側に
給送されなくなってしまうのを避けるためである。この
サブポンプ11がモータ駆動式である場合にも、必要時
以外停止しておくという同様の問題がある。
【0064】前記メインポンプ圧力センサ73は、メイ
ンポンプ10からの供給流体が流れる供給通路中の流れ
または圧力によって接点がオン、オフする簡単なもので
よく、安価である。耐久性、信頼性を考慮すると、この
ようなセンサ73としては、マグネット式で接点を保護
するために不活性雰囲気中に入れた構造のものがある
が、このようなセンサ73も安価である。
【0065】また、この実施の形態では、前記ポンプ切
換え手段40とアクチュエータ切換え手段50とを電磁
弁によって構成し、上述したコントローラ70で急操舵
時切換え手段30とともに作動制御しているが、本発明
はこれに限定されない。たとえばメインポンプ10から
の供給流体の流れの状況を検出するためにこの部分の供
給流体を用いたパイロット圧式で作動させてもよい。こ
こで、本発明によれば、メインポンプ10が小型化し少
流量となると、パイロット圧もより低い圧力となるか
ら、パイロット圧作用面すなわちそれぞれのバルブスプ
ール42,52のスプール径を大きくする必要はある。
【0066】また、上述したポンプ切換え電磁弁(4
0)、アクチュエータ切換え電磁弁(50)は通常時に
はソレノイド48に通電してオンし、何らかの故障を生
じた失陥時にはソレノイド48をオフしてばね43で切
換え作動される構造であるため、車輌のエンジン始動時
に、イグニッションスイッチ75がオンし、メインポン
プ圧力センサ73がオンでないような電気系統のトラブ
ルに対しても、警報を発する手段を設けておけば、手動
で失陥時のモード(ソレノイド48がオフの状態)に切
換えることができる。
【0067】上述した構造による動力舵取装置1におい
ては、たとえ一方の流体圧供給源(メインポンプ10、
供給流体給送路など)がポンプ10の故障や給送路の破
損などによって故障したとしても、他方の流体圧供給源
(サブポンプ11)からの供給流体をポンプ切換え手段
40を利用して供給することによって、前、後いずれか
の操舵輪2,3を、舵取ハンドル4への操舵要求に応じ
て、適切に転舵制御することができる。
【0068】また、上述した動力舵取装置1では、二台
のポンプ10,11からの供給流体を舵取ハンドルが急
操舵されたときに合流させて流路切換え用コントロール
バルブ15から前側、後側操舵輪2,3を転舵させる際
の操舵補助力を得るメインアクチュエータ60、サブア
クチュエータ61で構成した二系統のパワーアシスト系
に供給する構成とすることにより、急操舵時という必要
時に十分な流量を得て所要の操舵補助力を得ることがで
きる。しかも、通常はメインポンプ10からの少流量化
を図った供給流体により所要の操舵補助力を得ることが
できるから、メインポンプ10の小型化が図れ、取付け
容易性やコスト低減を図り、また駆動馬力の減少により
燃費を向上させることもできる。
【0069】なお、本発明は上述した実施の形態で説明
した構造には限定されず、各部の形状、構造等を適宜変
形、変更し得ることはいうまでもない。たとえば前側操
舵輪2を転舵制御するための動力舵取装置1を作動させ
る油圧源を自動車用エンジンによって駆動されるポンプ
10によって構成し、補助用のパワーシリンダへの油圧
を自動車の車軸または電動モータの回転によって駆動さ
れるポンプ11で構成しているが、これに限らない。た
とえばメインポンプ10とサブポンプ11とを共に電動
モータで駆動するタイプにしてもよい。
【0070】勿論、補助用パワーシリンダ(後側パワー
シリンダ27の第2のシリンダ29)への油圧源となる
サブポンプ11としては、上述したような車軸駆動方式
や電動モータなどによる電動駆動式のものに限らず、エ
ンジン以外の適宜の駆動源で駆動できるものであればよ
い。
【0071】また、上述した実施の形態では、パワース
テアリング本体部5をボールねじ式である場合を説明し
たが、本発明はこれに限らず、ラックピニオン式やその
他のタイプのパワーステアリング構造のものであっても
よい。
【0072】また、上述した実施の形態では、急操舵時
切換え手段30、ポンプ切換え手段40、アクチュエー
タ切換え手段50として電磁ソレノイド式の電磁弁を用
い、コントローラ70で電気的に駆動制御している例を
述べたが、本発明はこれに限定されず、たとえばリニア
モータ式の電磁弁を始め、供給流体によって切換え作動
されるものであってもよい。要するに、前述した条件下
において各切換え手段30,40,50を所要の状態で
制御することができる構造であればよい。
【0073】また、上述した実施の形態では、上述した
各切換え手段30,40,50を一体的なボディに設け
ているが、本発明はこれに限定されず、別々に構成して
もよい。また、ポンプ切換え手段40とアクチュエータ
切換え手段50を構成するスプール41,51を軸線方
向に直列に並べ、電磁ソレノイド48により駆動させた
場合を述べたが、これに限定されず、並列に並べてそれ
ぞれを駆動させるようにしてもよい。それぞれの通路配
管の接続が所要の状態で行われるとよい。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る動力舵
取装置によれば、たとえばエンジン駆動式のメインポン
プが故障したり、このポンプからの供給流体給送用配管
等が損傷したりしたときには、急操舵時切換え手段、ポ
ンプ切換え手段がサブポンプをコントロールバルブに接
続するとともに、このサブポンプからコントロールバル
ブに給送される供給流体をアクチュエータ切換え手段の
切換え動作によりサブアクチュエータ(後側パワーシリ
ンダの第2のシリンダ)に供給してこれを作動させ、操
舵補助力を与えて後側操舵輪を転舵制御することができ
る。そして、このような舵取ハンドルの舵取操作やこの
後側操舵輪の転舵動作に伴って前側操舵輪も転舵するか
ら、所要の操舵を行える。
【0075】また、このような本発明に係る動力舵取装
置によれば、二個のポンプと一個の流路切換え用コント
ロールバルブ、前側、後側操舵輪を転舵させる際の操舵
補助力を得るメインアクチュエータ(前側パワーシリン
ダと後側パワーシリンダの第1のシリンダ)、サブアク
チュエータ(後側パワーシリンダの第2のシリンダ)に
よって構成した二系統のパワーアシスト系を、単純な切
換えバルブからなる急操舵時切換え手段とポンプ切換え
手段とアクチュエータ切換え手段とによって簡単に切り
替えて使用することができ、構成部品数が少なく構造も
簡単で、コスト低減も図れるという利点がある。
【0076】また、本発明によれば、エンジン駆動式の
メインポンプが正常に駆動しているときにおいて、急操
舵を除く通常走行時には、メインポンプの供給流体を、
急操舵切換え手段、ポンプ切換え手段、流路切換え用コ
ントロールバルブを介してメインアクチュエータ(前側
パワーシリンダと後側パワーシリンダの第1のシリン
ダ)に給送し、舵取操作に応じて前、後の操舵輪を転舵
制御できるが、このときに、エンジン以外(たとえば車
軸回転や電動モータ)で駆動されるサブポンプはタンク
側に短絡状態となっているから、このサブポンプはいわ
ゆる無負荷運転状態となっており、エネルギ効率の面で
優れている。
【0077】また、本発明によれば、メインポンプが正
常に駆動しているときにおいて急操舵されると、急操舵
切換え手段が作動し、メインポンプからの供給流体とサ
ブポンプからの供給流体を合流させてポンプ切換え手段
に給送し、コントロールバルブを介してメインアクチュ
エータに給送することができるから、急操舵時に流量不
足は生ぜず、メインアクチュエータによる十分な操舵補
助力を得ることができる。そして、このような本発明に
よれば、急操舵のような必要時にサブポンプからの供給
流体を利用できるから、メインポンプを相対的に小型化
することができる。
【0078】したがって、本発明によれば、装置全体が
小型となり、車輌への取付けが容易になるとともに、コ
スト低減を図ることができ、しかもメインポンプによる
供給流体の流量が少流量であるから、車輌に搭載したと
きエンジンに対しての駆動馬力損失が少なくなり、その
結果エンジンの燃費を向上させることができるという利
点がある。
【0079】また、本発明によれば、急操舵時切換え手
段、ポンプ切換え手段、アクチュエータ切換え手段とし
て電磁ソレノイド式の電磁弁を用い、コントローラで電
気的に駆動制御しているので、メインポンプを小型化
し、吐出流量も少なくなると、パイロット圧もより低く
なるため、パイロット圧で駆動する構造に適用する場合
はパイロット圧作用面(すなわちバルブスプール径)が
大きくなり過ぎるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る動力舵取装置の一つの実施の形
態を示し、前2軸車の前、後各一対をなす操舵輪を転舵
制御する際のシステム全体の概要を説明するための概略
構成図である。
【図2】 図1における急操舵時切換え手段、ポンプ切
換え手段およびアクチュエータ切換え手段を一体的に構
成した切換えユニットを示し、正常動作時であって急操
舵されていない通常走行時の拡大断面図である。
【図3】 図2の切換えユニットにおいて、正常動作時
であって急操舵されているときの拡大断面図である。
【図4】 図2、図3の切換えユニットにおいて、メイ
ンポンプ側に故障が生じたときの状態を示す拡大断面図
である。
【図5】 図1における流路切換え用コントロールバル
ブと前側操舵輪を転舵制御する前側パワーシリンダとか
らなるインテグラルタイプのパワーステアリング本体部
の概要を示す要部断面図である。
【図6】 本発明に係る動力舵取装置を適用する前2軸
車における操舵系の一部の構成部品を説明するための概
略図である。
【符号の説明】
1…前2軸車用の動力舵取装置、2…前側操舵輪(前側
操向車輪)、3…後側操舵輪(後側操向車輪)、4…舵
取ハンドル、4a…ステアリングシャフト、5…ステア
リング本体部、6…前側パワーシリンダ、6a,6b…
左、右室、7…入力軸(スタブシャフト)、8…セクタ
ギア、9…ピットマンアーム、10…エンジン駆動式の
メインポンプ、11…エンジン以外の駆動式のサブポン
プ、12,13…タンク、15…流路切換え用コントロ
ールバルブ、16…ステアリングボディ、17…バルブ
ハウジング、18…ピストン、19…ボールねじ機構、
20…ウォームシャフト、25…従動レバー、27…後
側パワーシリンダ、28…第1のシリンダ、28a,2
8b…左、右室、29…第2のシリンダ、29a,29
b…左、右室、30…急操舵時切換え手段(急操舵時切
換え電磁弁)、31…スプールバルブ、32…スプー
ル、38…電磁ソレノイド、40…ポンプ切換え手段
(ポンプ切換え電磁弁)、41…スプールバルブ、42
…スプール、48…電磁ソレノイド、50…アクチュエ
ータ切換え手段(アクチュエータ切換え電磁弁)、51
…スプールバルブ、52…スプール、60…メインアク
チュエータ、61…サブアクチュエータ、70…コント
ローラ(制御手段)、71…操舵速度センサ、72…車
速センサ、73…メインポンプ圧力センサ、74…イグ
ニッションスイッチ、75…バッテリ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前2軸車の前、後各一対をなす操舵輪を
    転舵させるための動力舵取装置であって、 メインポンプおよびサブポンプと、 舵取ハンドルへの舵取操作により前記各ポンプからの供
    給流体の流路切換えを行うコントロールバルブと、 前側の操舵輪を転舵制御する前側パワーシリンダと、 後側の操舵輪を転舵制御する後側パワーシリンダとを備
    え、 前記メインポンプ、サブポンプのいずれか一方の供給流
    体または前記メインポンプ、サブポンプからの供給流体
    を合流させて前記コントロールバルブ側に給送する急操
    舵時切換え手段と、 この急操舵時切換え手段を介して給送されてくる供給流
    体を前記コントロールバルブに給送するポンプ切換え手
    段を設けるとともに、 前記コントロールバルブからの供給流体を前記前側パワ
    ーシリンダ、後側パワーシリンダに選択的に給送するア
    クチュエータ切換え手段を設けたことを特徴とする動力
    舵取装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の動力舵取装置におい
    て、 前記急操舵時切換え手段は、前記メインポンプおよびサ
    ブポンプと前記コントロールバルブとの間に配置され、 いずれか一方のポンプまたは両方のポンプを前記コント
    ロールバルブに接続するように構成されていることを特
    徴とする動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の動力舵
    取装置において、 前記急操舵時切換え手段、ポンプ切換え手段、アクチュ
    エータ切換え手段のうちの少なくとも一つを、舵取ハン
    ドルの操舵速度、車速、メインポンプの作動状態の検出
    結果に基づいて制御する手段を備えていることを特徴と
    する動力舵取装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1574418A1 (en) 2004-03-11 2005-09-14 Isuzu Motors Limited Power steering system for a vehicle
JP2013018379A (ja) * 2011-07-12 2013-01-31 Hitachi Automotive Systems Steering Ltd パワーステアリング装置

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