JP2001036175A - レーザーダイオード励起固体レーザー - Google Patents
レーザーダイオード励起固体レーザーInfo
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Abstract
率、高出力、低コストのレーザーダイオード励起固体レ
ーザーを得る。 【解決手段】 希土類元素イオンのうち少なくともPr
3+が添加された固体レーザー結晶14を、GaN系レーザ
ーダイオード11から発せられたレーザービーム10によっ
て励起し、それにより得られた固体レーザービーム20を
光波長変換素子16に通して紫外域の第2高調波21等に波
長変換する。
Description
をレーザーダイオード(半導体レーザー)によって励起
するレーザーダイオード励起固体レーザーに関し、特に
詳細には、紫外光を得るように構成されたレーザーダイ
オード励起固体レーザーに関するものである。
ー励起による生体細胞の蛍光分析等においては、紫外域
で連続発振する高効率、高出力のレーザーが求められて
いる。
nGaN、InGaNAsあるいはGaNAsからなる
活性層を有するGaN系の半導体レーザーが知られてい
る。このGaN系の半導体レーザーとしては、近時、発
振波長400 nm、出力数mWで連続1000時間発振す
るものも提供されている。
2高調波発生)あるいはTHG(第3高調波発生)によ
り発振光を短波長化して、波長400 nm以下の紫外域の
レーザービームを得る波長変換固体レーザーも知られて
いる。
体レーザーにおいては、現状、多くの用途で求められる
単一横モード発振で100 mW以上の出力を得ることは困
難となっている。また波長380 nm以下では、発振効率
が低下し、かつ寿命も大幅に短くなるという問題が認め
られている。
る波長変換固体レーザーでは、 700〜 800nmの波長帯
で効率良く発振する固体レーザー媒質が見出されていな
いため、高出力を得るのが難しくなっている。
波長変換固体レーザーは、本来効率が低く、実際にはパ
ルスモード発振しか実現されていない。それを連続モー
ドで発振させるためには、基本波のSHG光を共振させ
る必要があるが、そのためには共振器を誤差0.01℃以下
で高精度に温度調節しなければならず、コストを考える
と実用化は極めて困難となっている。
m以下の波長帯の紫外光を連続発振させることができる
高効率、高出力、低コストのレーザーダイオード励起固
体レーザーを提供することを目的とする。
イオード励起固体レーザーは、希土類元素イオンのうち
少なくともPr3+が添加された固体レーザー結晶と、I
nGaN、InGaNAsあるいはGaNAsからなる
活性層を有し、上記固体レーザー結晶を励起するレーザ
ービームを発するGaN系レーザーダイオードと、上記
固体レーザー結晶を励起して得られた固体レーザービー
ムを紫外光に波長変換する光波長変換素子とを備えたこ
とを特徴とするものである。
Pr3+のみがドープされたものや、Er3+、Ho3+、D
y3+、Eu3+、Sm3+、Pm3+およびNd3+のうちの少
なくとも1つとPr3+とが共ドープされたものが好適に
用いられ得る。
レーザーの好ましい実施形態は、固体レーザー結晶にお
ける 3P0 → 3F4 の遷移によって波長がほぼ720 nm
の固体レーザービームを発振させ、この固体レーザービ
ームを前記光波長変換素子により第2高調波に波長変換
して波長がほぼ 360nmの紫外光を得るように構成され
る。
ドメイン反転構造を有する非線形光学結晶からなるもの
を好適に用いることができる。
体レーザー結晶は、GaN系レーザーダイオードにより
励起されて、700 〜800 nmの波長帯で効率良く発振す
る。つまり例えば 3P0 → 3F4 の遷移によって、Pr
3+の発振ラインである波長720nmの赤外域の固体レー
ザービームを効率良く発振させるので、この固体レーザ
ービームを光波長変換素子により第2高調波に波長変換
すれば、波長 360nmの高強度の紫外光を得ることがで
きる。
m3+、Pm3+およびNd3+は波長380 〜430 nmに吸収
帯があり、GaN系レーザーダイオードによって励起さ
れ得る。そして、励起された電子をPr3+の励起準位
(例えば 3P0 もしくは 3P1)にエネルギー移動し、
3P0 → 3F4 等の遷移によって下準位に落とすことに
より、この場合もPr3+の発振ラインである波長 720n
mの赤外域の固体レーザービームを効率良く発振させる
ことができる。そこで上記と同様に、この固体レーザー
ビームを光波長変換素子により第2高調波に波長変換す
れば、波長 360nmの高強度の紫外光を得ることができ
る。
ムを第2高調波に波長変換する場合は、第3高調波を発
生させる場合のように構成が複雑化することがなく、低
コストのレーザーダイオード励起固体レーザーが実現さ
れる。
系レーザーダイオードが比較的発振しやすい波長帯であ
り、そして特に波長 400〜 410nmは、現在提供されて
いるGaN系レーザーダイオードの最大出力が得られる
波長帯であるので、Er3+、Ho3+、Dy3+、Eu3+、
Sm3+、Pm3+およびNd3+をGaN系レーザーダイオ
ードによって励起すれば、励起光の吸収量が大きくな
り、高効率化および高出力化が達成される。
導係数が130 W/m℃と、ZnMgSSe系レーザーダ
イオードの4W/m℃等と比べて極めて大きい。またそ
れに加えて、転移の移動度もZnMgSSe系レーザー
ダイオードと比べて非常に小さいことから、COD(カ
タストロフィック・オプティカル・ダメージ)が非常に
高く、高寿命、高出力が得やすいものである。このよう
な特性のGaN系レーザーダイオードを励起光源として
用いたことにより、本発明のレーザーダイオード励起固
体レーザーは、高寿命で、高出力の紫外域のレーザービ
ームを発生可能となる。
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実
施形態によるレーザーダイオード励起固体レーザーを示
すものである。このレーザーダイオード励起固体レーザ
ーは、励起光としてのレーザービーム10を発するレーザ
ーダイオード11と、発散光である上記レーザービーム10
を集光する例えば屈折率分布型レンズからなる集光レン
ズ13と、Pr3+がドープされた固体レーザー媒質である
LiYF4 結晶(以下、Pr:YLF結晶と称する)14
と、このPr:YLF結晶14の前方側(図中右方側)に
配された共振器ミラー15と、Pr:YLF結晶14と共振
器ミラー15との間に配された光波長変換素子16およびエ
タロン17とを有している。
る共通のマウント30に取り付けられ、このマウント30は
温度調節手段を構成するペルチェ素子31の上に固定され
ている。またレーザーダイオード11と集光レンズ13もそ
れぞれ銅等からなるマウント32、33に取り付けられ、こ
れらのマウント32、33もペルチェ素子31の上に固定され
ている。このペルチェ素子31は、光出射窓35を有する密
閉型ケース36の中に収納されている。
ミスタ34が出力する温度検出信号に基づいて図示外の温
度制御回路によりペルチェ素子31の駆動が制御されて、
レーザーダイオード11および固体レーザー共振器(後述
のようにPr:YLF結晶14および共振器ミラー15によ
って構成される)内の要素が全て共通の所定温度に制御
される。
る、MgOがドープされたLiNbO3 結晶に周期ドメ
イン反転構造が設けられてなるものである。本例の場
合、周期ドメイン反転構造の周期は、後述の基本波波長
720nmおよび第2高調波波長360nmに対して1次の
周期となるように1.65μmとされている。また波長選択
素子としてのエタロン17は、固体レーザーを単一縦モー
ド発振させて低ノイズ化を実現する。
N活性層を有し、波長 450nmで発振するブロードエリ
ア型のものが用いられている。またPr:YLF結晶14
の光入射面である後方端面14aには、波長 450nmの光
は80%以上の透過率で良好に透過させる一方、Pr3+の
1つの発振線である波長 720nmに対して高反射率(反
射率99%以上さらに好ましくは99.9%以上)で、 720n
m以外のPr3+の発振線 490〜650nmおよび800nm以
上に対しては低反射率(反射率60%以下さらに好ましく
は30%以下)のコーティングが施されている。またP
r:YLF結晶14の前方端面14bには、波長 720nmに
対して低反射率(反射率0.2%以下)で、その第2高調
波波長 360nmに対しては高反射率(反射率95%以上)
のコーティングが施されている。一方共振器ミラー15の
ミラー面15aには、波長 720nmの光に対して高反射率
(99%以上さらに好ましくは99.9%以上)で、波長 360
nmの光を95%以上透過させ(反射率99%)、上記 490
〜650nmおよび800nm以上の光に対しては低反射率
(60%以下さらに好ましくは30%以下)のコーティング
が施されている。
450nmのレーザービーム10は、上記端面14aを透過し
てPr:YLF結晶14に入射する。Pr:YLF結晶14
はこのレーザービーム10によってPr3+が励起されるこ
とにより、波長 720nmの光を発する。このときの遷移
は、 3P0 → 3F4 と考えられる。そしてPr:YLF
結晶14の後方端面14aと共振器ミラー15のミラー面15a
とで構成される共振器によりレーザー発振が引き起こさ
れて、波長 720nmの固体レーザービーム20が得られ
る。このレーザービーム20は光波長変換素子16に入射し
て、波長が1/2すなわち 360nmの第2高調波21に変
換される。
通りのコーティングが施されているので、この共振器ミ
ラー15からはほぼ第2高調波21のみが出射する。この第
2高調波21は、光出射窓35を透過して密閉型ケース36の
外に出射する。
レーザーは、上記の通りPr:YLF結晶14をInGa
Nレーザーダイオード11によって励起する構成を有する
ので、先に詳しく説明した理由により、高効率化、高出
力化が実現される。具体的には、レーザーダイオード11
の出力が2Wの場合で、第2高調波21の出力は 100mW
であった。
イッチ素子を共振器内に挿入することで、パルス動作に
はなるが、波長変換効率を高め、2W励起で 500mWの
出力を得ることも可能である。あるいは、GaN系レー
ザーダイオードは高いCODを有することから、励起用
レーザーダイオードをパルス駆動することで、同様に高
効率、高出力の紫外パルス光を得ることも可能である。
形態について説明する。なおこの図2において、図1中
の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらに
ついての重複した説明は省略する。
起固体レーザーは、図1の構成と比べると基本的に、P
r:YLF結晶14に代えてPr3+およびEr3+が共ドー
プされたLiYF4 結晶(以下、Pr,Er:YLF結
晶と称する)44が用いられ、またレーザーダイオード11
に代えて、波長 400nmのレーザービーム40を発するブ
ロードエリア型InGaNレーザーダイオード41が用い
られている点が異なるものである。
る後方端面44aには、波長 400nmの光は80%以上の透
過率で良好に透過させる一方、Pr3+の1つの発振線で
ある波長 720nmに対して高反射率(99%以上さらに好
ましくは99.9%以上)で、 720nm以外のPr3+の発振
線 490〜650nmおよび800nm以上に対しては低反射率
(60%以下さらに好ましくは30%以下)のコーティング
が施されている。またPr,Er:YLF結晶44の前方
端面44bには、波長 720nmに対して低反射率(反射率
0.2%以下)で、その第2高調波波長 360nmに対して
は高反射率(反射率95%以上)のコーティングが施され
ている。一方共振器ミラー15のミラー面15aには、波長
720nmの光に対して高反射率(99%以上さらに好まし
くは99.9%以上)で、波長 360nmの光を95%以上透過
させ、上記 490〜650nmおよび800nm以上の光に対し
ては低反射率(60%以下さらに好ましくは30%以下)の
コーティングが施されている。
400nmのレーザービーム40は、上記端面44aを透過し
てPr,Er:YLF結晶44に入射する。Pr,Er:
YLF結晶44はこのレーザービーム40によってEr3+が
励起され、励起された電子がPr3+の励起準位にエネル
ギー移動し、下準位に落ちることにより、Pr3+の1つ
の発振線である波長 720nmの光を発する。なお、この
場合の遷移は 3P0 →3F4 と考えられる。
面44aと共振器ミラー15のミラー面15aとで構成される
共振器によりレーザー発振が引き起こされて、波長 720
nmの固体レーザービーム20が得られる。このレーザー
ビーム20は光波長変換素子16に入射して、波長が1/2
すなわち 360nmの第2高調波21に変換される。
通りのコーティングが施されているので、この共振器ミ
ラー15からはほぼ第2高調波21のみが出射する。この第
2高調波21は、光出射窓35を透過して密閉型ケース36の
外に出射する。
レーザーは、上記の通りPr,Er:YLF結晶44をI
nGaNレーザーダイオード41によって励起する構成を
有するので、先に詳しく説明した理由により、高効率
化、高出力化が実現される。具体的には、レーザーダイ
オード41の出力が2Wの場合で、第2高調波21の出力は
100mWであった。
ーザーダイオードについて説明したが、InGaNAs
系材料あるいはGaNAs系材料から活性層を構成した
レーザーダイオードを励起用光源として用いることも可
能である。特に、固体レーザー結晶の吸収帯が長波長側
にずれている場合は、InGaN系レーザーダイオード
と比べてより長波長化が実現しやすいInGaNAs系
あるいはGaNAs系レーザーダイオードを用いるのが
望ましく、それにより吸収効率を向上させることができ
る。
形態で説明したYLFに限らず、BaY2 F8 、Ba
(Y,Yb)2 F8 、LaF3 、Ca(NbO3 )2 、
CaWO4 、SrMoO4 、YAlO3 (YAP)、Y
3 Al5 O12(YAG)、Y2SiO5 、YP5 O14 、
LaP5 O14 、LuAlO3 、LaCl3 、LaBr
3 、PrBr3 等を用いることもできる。
造には、1次の周期に限らず、2次の周期を適用しても
よい。720nm発振の時の3次周期は、 4.95μmとな
る。また光波長変換素子としては、周期ドメイン反転構
造を有するものに限らず、B−BaBO3 、LBO、C
LBO、GdYCOB、YCOB等からなるものを用い
ることもできる。さらに励起用レーザーダイオードとし
ては、ブロードエリア型のものだけでなく、MOPA、
α−DFB構造を有するもの等も同様に適用可能であ
る。
ド励起固体レーザーを示す概略側面図
ド励起固体レーザーを示す概略側面図
Claims (4)
- 【請求項1】 希土類元素イオンのうち少なくともPr
3+が添加された固体レーザー結晶と、 InGaN、InGaNAsあるいはGaNAsからな
る活性層を有し、前記固体レーザー結晶を励起するレー
ザービームを発するレーザーダイオードと、 前記固体レーザー結晶を励起して得られた固体レーザー
ビームを紫外光に波長変換する光波長変換素子とを有す
ることを特徴とするレーザーダイオード励起固体レーザ
ー。 - 【請求項2】 前記固体レーザー結晶が、Er3+、Ho
3+、Dy3+、Eu3+、Sm3+、Pm3+およびNd3+のう
ちの少なくとも1つとPr3+とが共ドープされたもので
あることを特徴とする請求項1記載のレーザーダイオー
ド励起固体レーザー。 - 【請求項3】 前記固体レーザー結晶における 3P0 →
3F4 の遷移によって波長がほぼ720 nmの固体レーザ
ービームを発振させ、 この固体レーザービームを前記光波長変換素子により第
2高調波に波長変換して波長がほぼ360 nmの紫外光を
得る構成とされたことを特徴とする請求項1または2記
載のレーザーダイオード励起固体レーザー。 - 【請求項4】 前記光波長変換素子が、周期ドメイン反
転構造を有する非線形光学結晶からなることを特徴とす
る請求項1から3いずれか1項記載のレーザーダイオー
ド励起固体レーザー。
Priority Applications (2)
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- 1999-07-21 JP JP20657399A patent/JP2001036175A/ja active Pending
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