JP2001036138A - エピタキシャルウエハの製造方法 - Google Patents

エピタキシャルウエハの製造方法

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JP2001036138A
JP2001036138A JP20824099A JP20824099A JP2001036138A JP 2001036138 A JP2001036138 A JP 2001036138A JP 20824099 A JP20824099 A JP 20824099A JP 20824099 A JP20824099 A JP 20824099A JP 2001036138 A JP2001036138 A JP 2001036138A
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layer
carrier concentration
junction
type layer
epitaxial
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Tadashige Sato
忠重 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高キャリア濃度のp型層における曇りやかす
れが少なく、かつ高光出力のLEDを実現しうるエピタ
キシャルウエハを提供すること。 【解決手段】 構成元素として少なくともGaを含みp
n接合17を有する化合物半導体エピタキシャルウエハ
を気相成長法により製造する方法において、p型層30
を成長する工程内に、該pn接合の接合面形成時の成長
温度よりも3℃以上高い成長温度で該p型層の一部を成
長する工程が含まれていることを特徴とするエピタキシ
ャルウエハの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化合物半導体エピタ
キシャルウエハの製造方法に関する。特に、高光出力の
発光ダイオード(以下「LED」)を実現しうるエピタ
キシャルウエハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体結晶を構成材料とするLEDは表
示用素子として現在幅広く用いられている。その中でも
III−V族化合物半導体は可視光、赤外光の波長に相当す
るバンドギャップを有するため、発光素子へ応用する際
の利点が大きい。このため、III−V族化合物半導体はL
EDのほとんどに材料として利用されており、特にGa
AsPはLED用としての需要が極めて大きい。これら
の材料には、LEDの特性として最も重要な発光出力を
向上させることが要求されている。
【0003】図2は、GaP単結晶基板上にGaAs
1-xx(0.45≦x<1)のエピタキシャル層を有す
る一般的なエピタキシャルウエハの構造を示したもので
ある。このエピタキシャルウエハは、n型のGaP単結
晶基板20上に、基板と同一組成のホモ層24、基板と
最上層の格子定数の差を緩和するために混晶比xを連続
的に1.0〜x0まで変化させたGaAs1-xx組成変
化層21、GaAs1-x0x0一定組成層22、窒素
(N)をドープしたGaAs1-x0x0低キャリア濃度一
定組成層23を順次エピタキシャル成長した構造を有す
る。
【0004】このエピタキシャルウエハでは、最上層で
ある低キャリア濃度一定組成層23が発光層となる。一
定組成層23の組成を変化させるとバンドギャップも変
化するため、組成に応じて赤色から緑色に発光するLE
Dを製造することができる。このため一定組成層23
は、通常はLEDの発光波長に対応する混晶率x0の組
成を有し、窒素(N)と、n型のドーパントであるテル
ル(Te)又は硫黄(S)を所定のキャリア濃度になる
ようにドープしている。例えば赤色発光(波長630n
m)用としては、x0は約0.65である。
【0005】近年、LEDの低消費電力化、すなわちよ
り少ない消費電力で高い光出力が得られるLEDを開発
することが求められるようになってきている。これらの
要求に応えるために、エピタキシャルウエハ構造を改良
することによって品質を向上させることが提案されてい
る(特開平6−196756号公報)。それによると、
発光層となるNドープ低キャリア濃度一定組成層のキャ
リア濃度を3×1015cm-3以下にすれば、光出力の向
上と長寿命化が同時に実現できることが明らかにされて
いる。また、発光層の結晶の完全性が破壊されるのを最
小限にとどめ、注入されたキャリアの寿命を長くして高
光出力のLEDを得るためには、キャリア濃度を3.5
〜8.8×1015cm-3にすれば良いことも明らかにさ
れている(特公昭58−1539号公報)。
【0006】しかしながら、上記の技術はあくまでもL
EDの品質向上、特に光出力の向上にかかわるものであ
る。実際にはLEDは1枚のウエハから大量に製造され
る。例えば前記のGaAsPエピタキシャルウエハは直
径が50mmのウエハ1枚から約20000個が製造さ
れる。これまでは個々のLEDの品質に注目されてきた
ため、LEDの製造面から見た品質の向上を図る必要が
ある。
【0007】エピタキシャルウエハの品質として非常に
重要なのはエピタキシャル層の表面状態である。ボイド
やヒルロック等の欠陥があると、LEDチップの形状不
良や光出力低下不良が発生してしまう。さらにエピタキ
シャル層表面は鏡面であることが品質向上のためには重
要である。GaAsPエピタキシャルウエハは、基板と
エピタキシャル層の格子定数の違いによりクロスハッチ
と呼ばれる非常に細かいスジ状のうねりが生じるが、肉
眼では鏡面を保っているように見える。実際には、かす
れや曇りが生じて透明度が悪くなり、光出力が低下する
等のLEDの品質低下が問題になっていた。また、最近
ではLEDチップの外観検査等の工程で画像認識装置に
よる自動化がすすみ、曇りやかすれがあると、正しく認
識出来ないという問題も生じている。曇りやかすれの目
安としては、肉眼で鏡面であることが必要である。
【0008】気相成長法でp型層を成長ことによりpn
接合を形成する方法が、GaPエピタキシャル層の場合
について提案されている(特公昭55−43898号公
報)。GaAsPの場合でも気相成長法でp型層を成長
することが、特開8−335715に記載されている。
しかしながら、この公報には約5×1018cm-3以上の
キャリア濃度のp型層を気相成長法で得ることは困難で
あると記載されている。p型層のキャリア濃度を1×1
18cm-3以上にすると、p型層のエピタキシャル層表
面の曇りが肉眼で見えはじめ、それ以上になるとキャリ
ア濃度の増加とともに曇りやかすれがきつく見えるよう
になる。曇りがきつくなるにつれて結晶の欠陥が増加し
てp型層の光吸収量が大きくなり、光出力の低下が生じ
ることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解決することを課題とした。すなわち本
発明は、高キャリア濃度のp型層における曇りやかすれ
が少ないエピタキシャルウエハを提供することを解決す
べき課題とした。また、気相成長だけで製造することが
可能で、より高出力のLEDを実現することができるエ
ピタキシャルウエハを製造することも解決すべき課題と
した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
を解決すべく鋭意検討を進めた結果、p型層を形成する
際の成長温度をpn接合形成時の成長温度よりも高く制
御すれば、所期の効果を有する優れたエピタキシャルウ
エハを製造しうることを見出し、本発明を提供するに至
った。
【0011】すなわち本発明は、構成元素として少なく
ともGaを含みpn接合を有する化合物半導体エピタキ
シャルウエハを気相成長法により製造する方法におい
て、p型層を成長する工程内に、該pn接合の接合面形
成時の成長温度よりも3℃以上高い成長温度で該p型層
の一部を成長する工程が含まれていることを特徴とする
エピタキシャルウエハの製造方法を提供する。形成する
p型層の一部は、キャリア濃度が1×1018cm-3以上
であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のエピタキ
シャルウエハの製造方法について具体的な実施態様を示
しながら詳細に説明する。本発明は、構成元素として少
なくともGaを含みpn接合を有する化合物半導体エピ
タキシャルウエハの製造方法である。その特徴は、p型
層を成長する工程内に、pn接合の接合面形成時の成長
温度よりも3℃以上高い成長温度で該p型層の一部を成
長する工程が含まれている点にある。図1は、本発明の
方法により製造されるエピタキシャルウエハの代表例を
示す断面図である。図1のエピタキシャルウエハは、単
結晶基板10の上にホモ層14、組成変化層11、一定
組成層12、p型層30をこの順にエピタキシャル成長
させたものである。
【0013】単結晶基板10の種類は特に制限されるも
のではないが、通常はGaP又はGaAsの何れかが選
択される。pn接合を形成するn型層13が間接遷移型
のバンドギャップをもつGaAs1-xx(0.45≦x
<1)からなる場合は、LEDの発光色に対して透明で
あり、かつLEDとして高い光出力を得るために、単結
晶基板10はGaPであることが好ましい。単結晶基板
の厚さは好ましくは200〜700μmであり、GaP
単結晶基板の場合は220〜350μmが好ましい。
【0014】単結晶基板10の上に形成するホモ層14
は、単結晶基板10と同じ結晶からなる。ホモ層14は
特に形成しなくてもよいが、ミスフィット転位の発生を
抑制して安定な高輝度を得るためには、ホモ層14を
0.1〜100μm、好ましくは0.5〜15μm形成
するのがよい。
【0015】その上に形成するエピタキシャル層は、単
結晶基板とは異なる組成を有し、少なくとも構成元素と
してGaを含む。その組成として例えば、GaAsP、
AlGaAs、InGaP、InGaAs等の3元混晶
や、GaPなどの2元混晶を例示することができる。中
でもGaAsPとGaPは需要が大きく、GaAsPは
特にLEDを製造した際の効果が大きいため好ましい。
特に、pn接合がGaAs1-xx(0.45≦x<1)
である態様は好ましい。エピタキシャル層を、組成の観
点から見た場合、少なくとも組成変化層11及び一定組
成層12を有する図1の態様が一般的である。基板とエ
ピタキシャル層の格子定数の差が大きいため、組成変化
層を用いることでより結晶欠陥の少ない一定組成層を得
ることができる。
【0016】組成変化層11は、基板からの距離に応じ
て組成が変化する層である。例えば、単結晶基板10が
GaPであるときは、組成変化層11をGaAs1-xx
として基板から遠ざかるにつれて混晶率xが1から低下
するように構成することができる。混晶率xは0≦x<
1の間で変化させることができるが、好ましくは0.4
5≦x<1の間で変化させる。また、単結晶基板10が
GaAsであるときは、組成変化層11をGaAs1-m
mとして基板から遠ざかるにつれて混晶率mが0から
増加するように構成することができる。このときの混晶
率mは0<m≦1の間で変化させることができるが、好
ましくは0<m≦0.45の間で変化させる。
【0017】組成変化層11の組成変化は、連続的であ
っても段階的であってもよい。また、組成変化層11の
組成変化は、逆の組成変化部分を有しない単調増加であ
ることが好ましい。いずれの態様を採用しても、エピタ
キシャル層の比抵抗は主にキャリア濃度で決定されるた
め効果は同じである。組成変化層11のキャリア濃度
は、0.5〜30×1017cm-3であることが好まし
い。特に1×1017cm-3以上あることと、30×10
17cm-3以下であることが好ましい。中でも、平均で1
〜10×1017cm-3であることがLED化した時の順
方向電圧を下げ、良好な結晶性が得られる点で特に好ま
しい。キャリア濃度が30×1017cm-3を越えると、
結晶性が悪化してエピタキシャル層表面に結晶欠陥が発
生したり、LEDの光出力の低下を生じる等の問題が生
じやすくなる傾向がある。組成変化層11の層厚は、好
ましくは2〜100μm、より好ましくは10〜80μ
mである。
【0018】組成変化層11の上には、組成一定層12
が形成されており、該組成一定層12の表面がpn接合
を形成していることが好ましい。pn接合を形成するn
型層側が間接遷移型のバンドギャップをもつGaAs
1-xx(0.45<x<1)からなる場合は、pn接合
のn層側は低キャリア濃度領域となる。低キャリア濃度
領域13は、平均キャリア濃度が20×1015cm-3
下が好ましく、9×1015cm-3以下がより好ましい。
0.1×1015cm-3以下になるとキャリア濃度の制御
が困難となったり、比抵抗が高くなってLEDの順方向
電圧の増加を招くことがある。高光出力を得ることがで
き、しかも電気特性を安定化するためには、平均キャリ
ア濃度を0.5〜9×1015cm-3にすることが好まし
い。低キャリア濃度領域13の厚さは通常は1〜100
μmであり、好ましくは1〜50μm、さらに好ましく
は1〜25μmである。100μmを越えると低キャリ
ア濃度領域による抵抗の増大で順方向電圧の増加を招く
傾向がある。
【0019】低キャリア濃度領域13以外の一定組成層
12は、組成変化層11と同じキャリア濃度範囲内に設
定することが好ましい。また、低キャリア濃度領域13
以外の一定組成層12の厚さは、3〜50μmにするの
が好ましく、成長時間が長くなることによるコスト上昇
を避けるためには5〜20μmとすることがより好まし
い。
【0020】pn接合17には少なくともNがドープさ
れていると光出力が向上するので好ましい。Nのドープ
は、pn接合17を形成するp型層とn型層の両側また
はいずれか一方、および低キャリア濃度領域に限定され
るものではない。これら以外のエピタキシャル層のいず
れかの部分にドープされていても、発光はpn接合で生
じるため問題は生じない。一定組成層12中の組成はミ
スフィット転位等の結晶欠陥をできるだけ抑制するた
め、できる限り一定であることが望ましい。一定組成層
12の組成の変動は±0.05以内、好ましくは±0.
02以内である。
【0021】本発明の製造方法では、pn接合形成時の
成長温度よりも3℃以上高い成長温度でp型層の一部を
成長する工程を含む。pn接合の成長温度は400〜1
100℃、好ましくは500〜1050℃の範囲内から
選択され、るが、GaAsPまたはGaPにおいては5
50〜980℃の範囲から選択される。特にGaAs
1-xx(0.45≦x<1)またはGaPでpn接合に
Nがドープされる場合は、成長温度は780〜950
℃、好ましくは800〜940℃の間で選択される。
【0022】pn接合の成長温度はLEDの光出力等の
品質に非常に大きく影響するため、これらの品質が最も
良くなるように決定することが好ましい。また、高キャ
リア濃度のp型層の成長温度も、曇りが少なくなるよう
に決定することが望ましい。そこで、曇りの少ない高い
キャリア濃度のp型層の成長を得るために鋭意研究を行
った結果、pn接合の成長温度よりp型層の成長温度を
3℃以上高くするという本発明の構成を採用することに
より、曇りが大幅に改善できることが本発明者により明
らかにされた。
【0023】pn接合形成時の成長温度より3℃以上高
い成長温度で形成されるp型層は、キャリア濃度が1×
1018cm-3以上であることが好ましい。キャリア濃度
は2〜30×1018cm-3がより好ましく、3〜20×
1018cm-3が特に好ましい。これらのキャリア濃度を
採用することによって、より曇りが少なく、かつ光吸収
の少ないp型層が得られる。逆に、キャリア濃度が30
×1018cm-3を越えると結晶性が著しく悪くなる傾向
にある。成長温度は3℃以上高ければよいが、3〜20
0℃高いことが好ましく、5〜150℃高いことがより
好ましく、9〜100℃高いことが特に好ましい。これ
らの温度範囲であれば、高い光出力を維持し、安定で曇
りが極めて少ないp型層を形成することができる。逆
に、3℃未満では曇り低減効果がなく、200℃を越え
ると光出力が低下する傾向にある。
【0024】pn接合形成時の成長温度より3℃以上高
い成長温度で形成されるp型層の層厚は、成長温度にも
響されるが通常は0.5〜100μmであり、0.5〜
80μmであることが好ましい。また、形成されるp型
層は、特にLEDを製造する場合にはエピタキシャル層
表面に隣接していることが好ましい。ただし、LED以
外の用途に用いる場合は、特にエピタキシャル層表面に
隣接させる必要はなく、p型層内の任意の領域に形成さ
せることができる。
【0025】図1のp型層30は、本発明の製造方法に
より形成されたp型層の典型例である。p型層30は、
第1p型層31と第2p型層32の2種類の層から構成
されている。第1p型層31は低キャリア濃度層であ
り、pn接合17を形成するためキャリア濃度が0.0
5〜4.5×1018cm-3であることが好ましい。第2
p型層32の平均キャリア濃度は、第1p型層31の平
均キャリア濃度の1.2倍以上であることが好ましく、
1.5倍以上であることがより好ましく、2倍以上であ
ることが特に高光出力が得られるので好ましい。すなわ
ち、第2p型層32の平均キャリア濃度は、3〜30×
1018cm-3であることが好ましく、3〜16×1018
cm-3であることが、最も良い良好な結晶性を維持しな
がらp型層が安定に得られるので好ましい。
【0026】エピタキシャル層内のキャリア濃度プロフ
ァイルは、エピタキシャル層を斜めに研磨した後、ショ
ットキーバリアダイオードをその表面に作製して、C−
V法によって測定することができる。特にp型層のキャ
リア濃度プロファイルの測定には、日本バイオ・ラッド
・ラボラトリー社のセミコンダクタ・プロファイル・プ
ロッタPN4300の様に、直接エピタキシャル層を電
解液でエッチングしながら測定する方法が有効である。
図1の構成では、第2p型層32の少なくとも一部をp
n接合形成時の成長温度より3℃以上高い成長温度で形
成する。
【0027】p型層30の全層厚は2〜300μmあれ
ば良いが、好ましくは2〜200μm、さらに好ましく
は4〜75μmあればさらに高光出力が得られるので好
ましい。第1p型層31と第2p型層32の間には任意
のキャリア濃度プロファイルのp型層が有っても構わな
い。また、第1p型層31と第2p型層32の間のキャ
リア濃度の変化は急峻であっても階段状であってもよ
く、任意の態様を採用することができる。さらに、第2
p型層32のエピタキシャル層表面側には他の層が形成
されていてもよい。また、第2p型層32がエピタキシ
ャル層表面に隣接する場合は、エピタキシャル層表面か
ら数μm、通常は1μm以下の部分はキャリア濃度が粗
れや酸化等で変動してしまうのが一般的である。このよ
うな経時の変動を受けたエピタキシャルウエハであって
も、製造時ないしは出荷時に本発明の要件を充足してい
れば本発明の範囲内に包含される。なお、p型層30は
pn接合と同じ組成をもつ一定組成層であることが一般
的であるが、pn接合部以外の領域では違う組成になっ
ていても構わない。
【0028】本発明のエピタキシャルウエハの製造方法
は、複雑なエピタキシャル層構造を製造できる気相成長
法により行う。具体的にはハロゲン輸送法または有機金
属気相成長法(MOCVD)のいずれかを選択して用い
ることが好ましい。原料としてハロゲン化合物原料を少
なくとも1つ以上有するハロゲン輸送法は、高純度のエ
ピタキシャル層が得られ、かつ量産性に富むことから有
利である。特にハイドライド法が一般的である。p型ド
ーパントとしてはZn、Mg、Cd、Be等がある。高
光出力が得られ、有害性も少ないことからZnまたはM
gが選択される。ドーパントガスとしては高純度の原料
が得られ、使いやすいことからZnはジエチル亜鉛(C
252Zn、Mgはシクロペンタジエニルマグネシウ
ム(C55)Mg(またはCp2Mg)などの有機金属
化合物として使用される。
【0029】なお成長温度の定義であるが、直接基板の
温度を測定しても良いが、実際には基板の温度を直接測
定することは困難であるため、基板温度を代表する測温
点または間接的に測定した温度で代用しうる。たとえ
ば、ハイドライド法による場合は反応性ガスを原料とす
るため熱電対をリアクタ内に配置出来ない。このため、
通常は基板近くでありかつリアクタの外側に配置した熱
電対温度を成長温度と見なす。または、基板からの輻射
光で温度を測定する光放射温度計で直接リアクタ外から
基板の温度を測定した温度を成長温度とすることができ
る。また、リアクタ内で成長するために基板を配置する
ホルダーの温度を成長温度と見なすこともできる。
【0030】本発明の方法により製造されたエピタキシ
ャルウエハは、さまざまな用途に供することができる。
例えば、本発明の方法により製造されたエピタキシャル
ウエハを用いてLEDを製造することができる。LED
の構成や製造方法は特に制限されるものではなく、エピ
タキシャルウエハからLEDを製造する際に用いられる
通常の方法を利用して製造することができる。LEDの
好ましい一実施態様として、図3に断面図を示すLED
を挙げることができる。図3に示すLEDは、本発明の
エピタキシャルウエハのエピタキシャル層側と基板側に
それぞれ電極18を設けることにより製造される。従来
のエピタキシャルウエハを用いて同型のLEDを製造す
ると、p型層のキャリア濃度が低いために電流がpn接
合17全体に拡がらず、電極18の下で主に発光してし
まうために光出力が向上しない。第2p型層32を有す
る本発明のエピタキシャルウエハを用いればこのような
問題を解消することができ、高出力のLEDを製造する
ことができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を記載して本発明をさらに具体
的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割
合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変
更することができる。したがって、本発明の範囲は以下
に示す具体例に制限されるものではない。なお、以下の
説明では、ガス流量単位として標準状態に換算したSC
CMを用いた。 (実施例)GaP基板および高純度ガリウム(Ga)
を、Ga溜め用石英ボ−ト付きのエピタキシャル・リア
クタ−内の所定の場所に、それぞれ設置した。GaP基
板として、硫黄(S)が3〜10×1017原子個/cm
3添加され、直径50mmの円形で、(100)面から
[001]方向に10゜偏位した面をもつGaP基板を
用いた。これらを、同時にホルダー上に配置した。ホル
ダーは毎分3回転させた。
【0032】窒素(N2)ガスを該リアクタ−内に15
分間導入し空気を充分に置換除去した後、キャリヤガス
として高純度水素(H2)を9600SCCM導入し、
2の流れを止めて昇温工程に入った。上記Ga入り石
英ボ−ト設置部分及びGaP単結晶基板設置部分の温
度、すなわち成長温度がそれぞれ800℃及び930℃
の一定温度に保持されていることをリアクタ外側に配置
した熱電対の測定により確認した後、確認した後、尖頭
発光波長630±5nmのGaAs1-xxエピタキシャ
ル膜の気相成長を開始した。最初、濃度50ppmに水
素ガスで希釈したn型不純物であるジエチルテルル
((C252Te)を15SCCM導入し、周期律表
第III族元素成分原料としてのGaClを、369SC
CM生成させるため高純度塩化水素ガス(HCl)を上
記石英ボ−ト中のGa溜に毎分369cc吹き込み、G
a溜上表面より吹き出させた。また、周期律表第V族元
素成分として、H2で濃度10%に希釈したりん化水素
(PH3)を毎分737SCCM導入しつつ、20分間
にわたり、第1層であるGaP層をGaP単結晶基板上
に成長させた。
【0033】次に、(C252Te、HCl、PH3
各ガスの導入量を変えること無く、H2で濃度10%に
希釈したひ化水素(AsH3)の導入量を、0SCCM
から492SCCMまで徐々に増加させ、同時にGaP
基板の温度(すなわち成長温度)を930℃から870
℃まで徐々に降温させ、90分間にわたり、第2層であ
るGaAs1-xxエピタキシャル層を第1層上に成長さ
せた。次の30分間は、(C252Te、HCl、P
3、AsH3の導入量を、それぞれ15SCCM,36
9SCCM,858SCCM,492SCCMで一定に
保持しつつ、第3層であるGaAs1-xxエピタキシャ
ル層を第2層上に成長させた。
【0034】次の20分間は(C252Te、HC
l、PH3、AsH3の導入量を変えることなく導入しな
がらこれにNアイソ・エレクトロニック・トラップ添加
用として214SCCMの高純度アンモニア・ガス(N
3)を添加して第4層であるGaAs1-xxエピタキ
シャル層を第3層上に成長させた。次の10分間は(C
252Te、HCl、PH3、AsH3、NH3の導入量
を変えることなく、p型ドーパンントを供給するために
25℃に一定に保温された(C252Zn入りのボン
ベにH2ガスを15SCCM導入して(C252Zn蒸
気を含ませて、そのH2ガスを導入して、第5層である
p型のGaAs1-x xエピタキシャル層を第4層上に成
長させた。
【0035】次の20分間は(C252Te、HC
l、PH3の導入量を変えることなく、(C252Zn
の導入量を15SCCMから150SCCMまで徐々に
増加させ、同時に最初のGaP基板の温度(すなわち成
長温度)を870℃から885℃まで徐々に上昇させ
て、第6層であるp型のGaAs1-xxエピタキシャル
層を第5層上に成長させた。次の20分間は(C25
2Te、HCl、PH3、(C252Znの導入量を変
えることなく、成長温度を885℃に保持したままで、
第7層であるp型のGaAs1-xxエピタキシャル層を
第6層上に成長させて、気相成長を終了した。
【0036】第1〜7層の膜厚は、それぞれ4μm、3
9μm、13μm、9μm、5μm、8μm、6μmで
あった。pn接合形成時の成長温度より3℃以上高い成
長温度で形成されたp型層の厚さは、第6層と第7層の
合計である14μmである。第1〜4層のキャリア濃度
を、エピタキシャル層を約1゜斜めに研磨してその表面
にショットキーバリアダイオードを作製して測定した。
第1〜3層のキャリア濃度は2〜3×1017cm-3であ
った。第4層はn型であり、そのキャリア濃度は3×1
15cm-3であった。なお、第4層のキャリア濃度はL
ED化した後に直接pn接合に逆方向電圧を印可してC
V測定をしても、ほぼ同じであった。
【0037】第5〜7層のp型層のキャリア濃度は、日
本バイオ・ラッド・ラボラトリー社のセミコンダクタ・
プロファイル・プロッタPN4300によって測定し
た。第5層のキャリア濃度は、0.7×1018cm-3
あった。第6層および第7層のキャリア濃度は、第6層
で変化して、第7層で6.5×1018cm-3であった。
エピタキシャル層表面にはわずかに曇りが見られたが、
鏡面であった。続いて、真空蒸着による電極形成等を行
って500μm×500μm×280μm(厚さ)の角
柱型LEDを形成した。エポキシコートなしで測定した
ところ、5チップで光出力は98で、ピーク波長は63
0±1nmであった。順方向電圧は1.9Vであった。
【0038】(比較例1)第5〜7層の成長温度を87
0℃に保持したままで成長した以外は、実施例と同一条
件で製造しエピタキシャルウエハを得た。第1〜5層の
膜厚は、それぞれ5μm、39μm、14μm、8μ
m、20μmであった。第1〜4層のキャリア濃度を実
施例と同様に測定したところ、同じ値が得られた。第5
層のキャリア濃度は、0.7×1018cm-3であった。
また、第6層および第7層のキャリア濃度は、第6層で
変化して、第7層で7.5×1018cm-3であった。エ
ピタキシャル層表面は鏡面ではなく、肉眼でもはっきり
と曇っていることが確認され、荒れも少し生じていた。
実施例と同様にLEDを形成して、エポシキコートなし
で測定したところ、5チップで光出力は52、ピーク波
長は631±1nmであった。順方向電圧は1.9Vで
あった。
【0039】(比較例2)第5層を(C252Znの
導入量を15SCCMにして50分間成長し、第6層お
よび第7層を形成しなかったこと以外は、実施例と同一
条件で製造しエピタキシャルウエハを得た。第1〜5層
の膜厚は、それぞれ5μm、39μm、14μm、9μ
m、20μmであった。第1〜4層のキャリア濃度を実
施例と同様に測定したところ、同じ値が得られた。第5
層のキャリア濃度は、0.7×1018cm-3であった。
エピタキシャル層表面は鏡面で曇りはまったくなかっ
た。実施例と同様にLEDを形成して、エポシキコート
なしで測定したところ、5チップで光出力は35で、ピ
ーク波長は630±1nmであった。順方向電圧は2.
5Vで、良好なオーミック電極が出来ていなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高キャリア濃度
のp型層における曇りやかすれが少ないエピタキシャル
ウエハを提供することができる。このため、気相成長だ
けでより高出力のLEDを製造することが可能であり、
本発明はさまざまな分野に広範に応用し、特にLEDの
需要増大に貢献しうるものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法により製造されるエピタキシャ
ルウェハの層構成例を示す断面説明図である。
【図2】 従来のエピタキシャルウェハの一般的層構成
を示す断面説明図である。
【図3】 LEDの構成例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
10 単結晶基板 11 組成変化層 12 一定組成層 13 低キャリア濃度領域 14 ホモ層 15 高キャリア濃度領域 16 エピタキシャル層 17 pn接合 18 電極 20 GaP単結晶基板 21 GaAs1-xx組成変化層 22 GaAs1-x0x0一定組成層 23 NドープGaAs1-x0x0低キャリア濃度一定組
成層 24 GaPホモ層 30 p型層 31 第1p型層 32 第2p型層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA03 AA40 CA37 CA38 CA48 CA55 CA65 5F045 AA04 AB11 AB17 AC15 AC19 AD09 AD10 AD11 AD12 AD13 AD14 AF04 AF13 BB16 CA10 DA53 DA58 DA60 5F052 DA04 DB01 GC01 JA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成元素として少なくともGaを含みp
    n接合を有する化合物半導体エピタキシャルウエハを気
    相成長法により製造する方法において、p型層を成長す
    る工程内に、該pn接合の接合面形成時の成長温度より
    も3℃以上高い成長温度で該p型層の一部を成長する工
    程が含まれていることを特徴とするエピタキシャルウエ
    ハの製造方法。
  2. 【請求項2】 pn接合の接合面形成時の成長温度より
    も3℃以上高い成長温度で成長させるp型層が1×10
    18cm-3以上のキャリア濃度を有することを特徴とする
    請求項1のエピタキシャルウエハの製造方法。
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