JP3785705B2 - りん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハおよび発光ダイオード - Google Patents

りん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハおよび発光ダイオード Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は発光ダイオード(以下「LED」)等に用いられるりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハおよび発光ダイオードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体結晶を構成材料とするLEDは表示用素子として現在幅広く用いられており、その中でもIII−V族化合物半導体はそのほとんどの材料として用いられている。III−V族化合物半導体は可視光、赤外光の波長に相当するバンドギャップを有するため、発光素子への応用がなされてきた。その中でもGaAsPはLED用として需要は大きい。
【0003】
従来、GaAs1-xx(0.45<x<1)混晶エピタキシャル・ウエハは、発光効率を上げるために、通常のキャリア濃度を得るためのドーパントの他に、アイソエレクトロニックトラップとして窒素(N)をドープして、LEDとしての光出力を10倍程度向上させることが行われている。一般には石英製のリアクタを用いた気相成長法により、N型の層だけ成長した後に、発光層表面に亜鉛を拡散してp型の層を形成してpn接合を形成し、これにより安定にLEDを得るようにしている。
【0004】
図3にGaAsP混晶エピタキシャルウエハの一般的な構造を示す。図においてGaP基板1上に、基板と同一組成のホモ層2、基板と最上層の格子定数の差を緩和し、格子不整合に起因する欠陥を軽減するために組成を連続的に1.0〜x0まで連続的に変化させてなるGaAs1-xx組成グレード層3、GaAs1-x0x0一定組成層4、窒素をドープしたGaAs1-x0x0Nドープ層5を順次形成した構造からなっている。エピタキシャルウエハの最上層は発光層となり、LEDの発光波長を得るための一定組成x0をもち、窒素とテルル(Te)または硫黄(S)を所定のキャリア濃度になるようにドープしている。通常は赤色発光(波長630nm)用としては、x0=約0.65である。窒素は発光センターとなるアイソエレクトロニックトラップとなるが、電気的には不活性でキャリア濃度には寄与しない。
【0005】
発光層表面に亜鉛を熱拡散してpn接合を形成する時に、発光層の結晶の完全性が破壊されるのを最小限にとどめ、注入されたキャリアの寿命を長くして高光出力のLEDを得るためには、キャリア濃度を3.5〜8.8×1015cm-3にすれば良い(特公昭58−1539)。さらにキャリア濃度を3×1015cm-3以下すれば、光出力の向上と長寿命化が同時に実現でき(特開平6−196756)、さらに発光層以外の層はLED化したときの電気抵抗を少なくするために、キャリア濃度が1〜5×1017cm-3の高濃度になるようにTeやSをドープすることが知られている。
【0006】
LEDの特性として発光出力は最も重要であり、この品質の向上が要求されてきた。GaAsPでは、発光出力はこれまで、上述した様に、グレード層を形成することや、発光層のキャリア濃度、窒素濃度を最適化することが行われてきた。
最近の研究の結果、基板のオフアングル方向やその角度にも、光出力が影響することが明らかになってきた。気相成長では一般には低次の面指数をもつ(100)面などの{100}面群を用いて、さらに成長における結晶表面の原子ステップを故意に形成して成長しやすくするため、わざと数度ずらした面をもつ基板を用いている。その様なジャストの面からのずれの角度をオフアングルといい、例えば、GaAsPエピタキシャルウエハの気相成長用のGaP基板は、(100)面から[01−1]方向へ6゜傾いた面を用いることが一般的であった。これによって良好なエピタキシャル成長層表面を得ることができ、また良質な結晶性をもつことができる。なお、エピタキシャル成長した層は基板と同じ面方位を有する。
【0007】
しかし、不思議なことにせん亜鉛鉱型の結晶構造をもつGaP基板やGaAs基板のオフアングルの方向、即ち、ジャストの面からのずれの方向は、(100)面を基準にすると[01−1]方向、[011]方向などの劈開方向と平行または垂直、または[010]方向などの劈開方向に45゜傾いた方向、などに限られていた。
【0008】
【発明が解決すべき課題】
従来のエピタキシャルウエハでも、これまでの検討の結果、LEDの発光出力は向上してきているが、LEDの応用用途が多様化し、屋内外のマトリックス式の表示装置などの需要が増加しているため、これまでの限界まで高められたと考えられてきたLEDの発光出力をさらに向上させるエピタキシャルウエハおよびその様なLEDを提供することが求められている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、エピタキシャル層の結晶性等と特性は、使用する単結晶基板表面のオフアングルの方向が必ずしもジャストの方向である場合に最良とはならないものと推定し、LEDの光出力のオフアングル方向への依存性を詳細に検討してみた結果、オフアングルの方向が、ジャストの方向からずれた特定範囲に入る場合に大きな光出力が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
即ち、本発明の要旨は、せん亜鉛鉱型の結晶構造を有する単結晶基板上にりん化ひ化ガリウム混晶GaAs1-xx(0.45<x<1)エピタキシャル層を成長してなるエピタキシャルウエハにおいて、該単結晶基板表面の結晶学的な面方位が、
(1)(100)面から、
[001]方向 から[011]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[010]方向 から[011]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[00−1]方向から[0−1−1]方向へ8〜37゜ずれた方向
もしくは[0−10]方向から[0−1−1]方向へ8〜37゜ずれた方向、
(2)(−100)面から、
[001]方向 から[0−11]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[0−10]方向から[0−11]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[00−1]方向から[01−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向
もしくは[010] 方向から[01−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
(3)(010)面から、
[100]方向 から[101]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[001]方向 から[101]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[−100]方向から[−10−1]方向へ8〜37゜ずれた方向
もしくは[00−1]方向から[−10−1]方向へ8〜37゜ずれた方向、
(4)(0−10)面から、
[100]方向 から[10−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[00−1]方向から[10−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[−100]方向から[−101]方向へ 8〜37゜ずれた方向
もしくは[001]方向 から[−101]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
(5)(001)面から、
[010] 方向から[110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[100] 方向から[110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[0−10]方向から[−1−10]方向へ8〜37゜ずれた方向
もしくは[−100]方向から[−1−10]方向へ8〜37゜ずれた方向
または
(6)(00−1)面から、
[010]方向 から[−110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[−100]方向から[−110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[0−10]方向から[1−10]方向へ 8〜37゜ずれた方向
もしくは[100]方向 から[1−10]方向へ 8〜37゜ずれた方向
へ6゜以上16゜以下傾いていることを特徴とするりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハに存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図4にせん亜鉛鉱型の結晶の面方位を(100)面を基準にした説明図を示す。従来はせん亜鉛鉱型の結晶構造を有する単結晶基板のオフアングル方向は(100)面を基準にすると[01−1]方向、[011]方向や、[010]方向などに限られていた。本発明では単結晶基板表面のオフアングルの方向をその中間の特定範囲とすること、およびオフアングルの傾け角度を最適化することを特徴とする。具体的には、基板表面は、
(1)(100)面から、
[001]方向 から[011]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[010]方向 から[011]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[00−1]方向から[0−1−1]方向へ8〜37゜ずれた方向
もしくは[0−10]方向から[0−1−1]方向へ8〜37゜ずれた方向、
(2)(−100)面から、
[001]方向 から[0−11]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[0−10]方向から[0−11]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[00−1]方向から[01−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向
もしくは[010] 方向から[01−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
(3)(010)面から、
[100]方向 から[101]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[001]方向 から[101]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[−100]方向から[−10−1]方向へ8〜37゜ずれた方向
もしくは[00−1]方向から[−10−1]方向へ8〜37゜ずれた方向、
(4)(0−10)面から、
[100]方向 から[10−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[00−1]方向から[10−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[−100]方向から[−101]方向へ 8〜37゜ずれた方向
もしくは[001]方向 から[−101]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
(5)(001)面から、
[010] 方向から[110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[100] 方向から[110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[0−10]方向から[−1−10]方向へ8〜37゜ずれた方向
もしくは[−100]方向から[−1−10]方向へ8〜37゜ずれた方向
または
(6)(00−1)面から、
[010]方向 から[−110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[−100]方向から[−110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
[0−10]方向から[1−10]方向へ 8〜37゜ずれた方向
もしくは[100]方向 から[1−10]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
へそれぞれ6゜以上16゜以下傾いた面の何れか一つである。これら(1)〜(6)の方向は、いずれも結晶学的に全く等価である。
【0012】
なお、図4において、(100)面を例にとれば、(100)面から、[010]方向から[011]方向に45゜ずれた方向は[011]方向と同じであり、[010]方向から[01−1]方向へ45゜ずれた方向は[01−1]方向と同じことになる。また、(100)面上で、[010]方向から[011]方向にずれることと[001]方向から[011]方向へずれることとは、結晶学的には鏡面対称となるが、原子ステップから見て同質であることは明らかである。
【0013】
また、さらに高い光出力を得るためには、ずれの角度は12〜33゜であることが好ましい。同様に、傾け角度はさらに好ましくは8〜15゜である。なぜなら高い光出力を得るためには8゜以上であればよく、また後のLED加工工程でのLED欠け不良が少ないので15゜以下が好ましいからである。
本発明による高い発光出力実現のメカニズムは詳細不明であるが、次の様に推察される。
【0014】
従来、通常はGaP基板は、その表面が[01−1]方向に6゜傾いた角度(オフアングル)をもつ(100)面である。気相成長に当たっては、良質の結晶性を得るためには、通常基板表面すなわちエピタキシャル成長面にはオフアングルをつけることにより基板表面すなわち成長表面に故意に成長ステップを形成する。これによりエピタキシャル成長面の表面状態が著しく改善される。
【0015】
エピタキシャル層の結晶性は成長速度に強く依存するが、オフアングルによる面方位の違いは明らかにその品質に強く影響を及ぼす。成長に関する理論は良く研究されているが、エピタキシャル成長方法、エピタキシャル層の種類、基板の種類、エピタキシャルウエハの用途などによって、最良のオフアングル角度および面方位は、おもに実験によって決定されている。
【0016】
気相成長のメカニズムから、基板表面は出来る限り原子ステップを多くするためにオフアングルを付ければ、成長速度を大きくできると考えられる。原子ステップには気相中から基板表面に拡散したエピタキシャル層の構成原子が、成長面をマイグレーションして原子ステップに到達して、エピタキシャル成長が発生する。ところがGaAsPエピタキシャル層の成長の場合、大きく分けてGaのIII族原子とAsとPのV族原子の2種類がある。オフアングルの方向に基づく結晶の最大の違いは原子ステップの方向とその密度である。エピタキシャル層はこの基板の面方位をそのまま保存しながら成長する。オフアングルのとり方によってマイグレーションに何らかの差を生じると予想される。
【0017】
例えばGaP基板で(100)面から[011]方向にオフアングルを付ければIII族すなわちGaの原子ステップが多く形成され、[01−1]方向ならV族すなわちPの原子ステップが多く形成される。また[010]方向ならGaとPの原子ステップが均等に発生することになる。
前述の通り、いずれも原子ステップは一方が支配的か均等になっている。一方、マイグレーションには原子による違いがあると考えれば、これらのうちのいずれかの方向が高出力を与える高品質の結晶を成長するのに最適とは考えにくい。むしろそれらの中間に最適なゾーンがあると考えられる。即ち、本発明における特定のオフアングルおよびその方向を有する単結晶基板表面は、マイグレーションの原子による差をちょうど打ち消す様な最適の原子ステップの差を有することにより、高い光出力を与える高品質の結晶成長を可能としていると考えられる。
【0018】
本発明のりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャル・ウエハおよび発光ダイオードは、その表面の結晶学的面方位が、上記の特定の方向に6〜16゜傾いている、せん亜鉛鉱型の結晶構造を有する単結晶基板上にGaAs1-xx(0.45<x<1)エピタキシャル層を成長してなるものである限り、公知の如何なる構造・態様のものも包含し得るが、最大の発光出力を得るには、上述した、図3に示す層構成のエピタキシャル・ウエハとすることが好ましい。
【0019】
エピタキシャル層は最初にホモ層、グレード層、一定組成層を順次成長させる。ホモ層はなくともよいが、ミスフィット転位の発生の抑制を考えれば1〜50μm以上有することが好ましい。グレード層は連続的に組成を変化させても、複数の階段状に変化させても、またその組み合わせでもよい。グレード層の厚さは5μm以上で、好ましくは5〜50μmである。一定組成層は組成が0.45<x<1であり、少なくとも窒素がドープされている。一定組成層中に意識的にわずかな組成段差等を設けたりしたも、発光層となる低キャリア濃度部分がpn接合の品質に影響がなければ問題にならない。
【0020】
また、エピタキシャル層はキャリア濃度とNドープの有無でも構造を見ることができる。通常はエピタキシャル層表面から一定組成層内に、少なくとも8μm以上、好ましくは10〜40μmにわたってNがドープされ、かつキャリア濃度が9×1015cm-3以下、好ましくは0.5〜9×1015cm-3の低キャリア濃度になるようにn型ドーパントをドープする。窒素ドープはこの低キャリアの部分範囲以外にわたっても問題ない。これ以外のエピタキシャル層は高キャリア濃度にドープされる。とくにホモ層を除くGaAsP層部分は3元混晶であるため結晶欠陥が多く、比抵抗が高くなり易い。エピタキシャル層の比抵抗が高くなりすぎるとLEDの順方向電圧が高くなり不良を生じる。そのため低キャリア濃度部分(とホモ層)以外においては、少なくとも低キャリア濃度部分よりも高く、好ましくは0.5×1017cm-3以上の高キャリア濃度にドープし、平均で2〜20×1017cm-3にドープする。
【0021】
LEDとして加工する時は、エピタキシャル層表面に亜鉛を封管法で拡散して、p層を形成して、pn接合を作ることが一般的である。拡散深さは2〜15μm、好ましくは4〜11μmである。
p層の形成は拡散法によることが一般的であるが、気相成長中の最後に、有機金属ガス、例えばジエチル亜鉛(C252Zn)を導入することで、エピタキシャル成長中に形成してもよい。
【0022】
なお、エピタキシャル成長法はハロゲン輸送法、とくにハイドライド法が量産性とエピタキシャルウエハの品質の良さのため好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、下記実施例により限定されるものではない。
(実施例、参考例および比較例)
GaP基板は、硫黄(S)が4.5〜5.5×1017cm-3添加され、下記の(1)から(4)の面方位をもつものを同時にエピタキシャル成長した。
【0024】
(1)(100)面から[010]方向より[01−1]方向へ18゜、27゜、36゜、45゜ずれて10゜傾いたGaP基板を各1枚(比較例)
(2)(100)面から[010]方向より[011]方向へ9゜、18゜、27゜、36゜、45゜ずれて10゜傾いたGaP基板を各1枚(実施例;45°のみ比較例)、
(3)(100)面から[010]方向へ7.3゜、8.4゜、10.0゜、11.9゜、14.8゜傾いたGaP基板を各1枚(参考例)
(4)(100)面から[01−1]方向へ6゜傾いたGaP基板、即ち、従来一般的に用いられてきたGaAs基板を1枚(比較例)
これらの15枚を同時にホルダー上に配置した。
なお、上記の中で
a.(100)面から[010]方向より[01−1]方向へ45゜ずれて10゜傾いたGaP基板は、(100)面から[01−1]方向へ10゜傾いたGaP基板と同じである。
【0025】
b.(100)面から[010]方向より[011]方向へ45゜ずれて10゜傾いたGaP基板は、(100)面から[01−1]方向へ10゜傾いたGaP基板と同じである。また、上記面方位は結晶学的に等価な他の面でも同じである。上記(4)の基板は従来用いられてきたものである。
エピタキシャル成長用ガス組成はAsH3−PH3−HCl−Ga−H2系、いわゆる、ハイドライド輸送法を用いた。n型ドーパントガスとしてはジエチルテルル((C252Te)、窒素ドープガスとしてはアンモニア(NH3)を用いた。
【0026】
石英製リアクタを用いて、図3に示す層構成を有する、発光ピーク波長630nmの赤色発光ダイオード用りん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハGaAs1-xx(一定組成層のx=0.65)の気相成長を開始した。層1から層3までキャリア濃度が2〜8×1017cm-3になるように供給し、層4はキャリア濃度が1〜4×1015cm-3になるようにn型ドーパントガスを供給し、かつアンモニアを供給して窒素をドープした。
【0027】
エピタキシャル膜の第1、第2、第3、第4のエピタキシャル層の膜厚はそれぞれ4μm、22μm、7μm、19μmで、第4のエピタキシャル層のキャリア濃度はエピタキシャル層表面に金属電極を蒸着してショトキーバリアダイオードを作製してCV法により測定して、1.5×1015cm-3であった。第1から第3の層のキャリア濃度はエピタキシャル層をその表面より約1゜の角度で斜めに研磨して、同様にショトキーバリアダイオード作製して、CV法で測定した。第2、第3の層のキャリア濃度は1×1017cm-3以上で、平均は5×1017cm-3であった。
【0028】
次に、ZnAs2を拡散源としてp型不純物であるZnと何もコーティングしないエピタキシャルウエハを石英アンプル内に封管させて、760゜Cの温度で拡散させて表面から4μmの深さにpn接合を形成し、所定のLED工程を行なってLEDを作製し、光出力を測定した結果を図1および図2に示す。図1の実線で結んだ各点は、上記(1)および(2)の基板から製造されたLEDについて、ずれ角度と光出力の関係を示し、図1の左端に示された実線で結ばれていない単独の点は、上記(4)の基板、即ち、従来一般的に使用されている基板から製造されたLEDの光出力を比較のために示したものである。図2は、上記(3)の基板から製造されたLEDについてずれ角度と光出力の関係を示す。
【0029】
図1から、ずれの角度は[011]方向にずれる方が、ずれ角度8〜37゜になると光出力が、通常品に比較して約35%向上し、12〜33゜ずれると光出力が約50%以上、最高で120%向上するのでさらに好ましい。ずれの角度が45゜の場合、オフアングル方向は[011]方向と同じであるが、この方向にずれたとき光出力は反対方向に比べ高くなっている。逆に[01−1]方向にずれると、光出力は次第に減少し、最終的に[01−1]方向になれば、約40%減少してしまう。
【0030】
図2から[010]方向へ傾けた場合、その角度を6〜16゜で高い光出力が得られることがわかる。さらに好ましくは8〜15゜とすることで、さらに高い光出力が得られている。
すなわち、[011]方向にずれる方が光出力は高く、そのずれの角度は8〜37゜であり、好ましくは12〜33゜である。また傾け角度は、6〜16゜であればよく、さらに好ましくは8〜15゜とすることで、さらに高い光出力が得られる。
【0031】
なお、上記実施例、参考例では赤色発光LED(発光波長630nm x=0.65)用のみを示したが、黄色発光LED((発光波長590nm x=0.9)から、さらに長波長の赤色発光LED(発光波長650nm x=0.55)用でも、効果は同じである。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、従来のエピタキシャルウエハに対して光出力のさらなる向上が実現できる。光出力の向上は35%以上にもおよび、可視光のLED用途には応用範囲が格段に広がる。基板のオフアングル方向の仕様を変えるという簡便な構成で、エピタキシャル成長工程の大幅な変更もなく、確実に光出力の向上が実現できるので、多大な工業的価値を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願実施例および比較例の発光ダイオードのすれ角度と光出力の関係を示すグラフである。図中0°は[010]方向のことであり、正のずれ角度は[011]方向へのずれ角度、負のずれ角度は[01-1]方向へのずれ角度を示す。
【図2】本願参考例の発光ダイオードの傾け角度と光出力の関係を示すグラフである。
【図3】一般的なGaAsP/GaPエピタキシャル・ウエハの層構成の説明図である。
【図4】せん亜鉛鉱型結晶の面方位の説明図である。図中θは[010]方向からの[011]方向へのずれ角度である。
【符号の説明】
1.GaPホモ層 2.GaAs1-xxグレード層 3.GaAs1-x0x0一定組成層 4.GaAs1-x0x0Nドープ一定組成層 5.GaP基板 6.高キャリア濃度層 7.低キャリア濃度層

Claims (7)

  1. りん化ガリウム(GaP)単結晶基板上にりん化ひ化ガリウム混晶GaAs1−x(0.45<x<1)エピタキシャル層を成長してなるエピタキシャルウエハにおいて、該単結晶基板表面の結晶学的な面方位が、
    (1)(100)面から、
    [001]方向 から[011]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [010]方向 から[011]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [00−1]方向から[0−1−1]方向へ8〜37゜ずれた方向
    もしくは[0−10]方向から[0−1−1]方向へ8〜37゜ずれた方向、
    (2)(−100)面から、
    [001]方向 から[0−11]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [0−10]方向から[0−11]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [00−1]方向から[01−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向
    もしくは[010] 方向から[01−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    (3)(010)面から、
    [100]方向 から[101]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [001]方向 から[101]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [−100]方向から[−10−1]方向へ8〜37゜ずれた方向
    もしくは[00−1]方向から[−10−1]方向へ8〜37゜ずれた方向、
    (4)(0−10)面から、
    [100]方向 から[10−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [00−1]方向から[10−1]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [−100]方向から[−101]方向へ 8〜37゜ずれた方向
    もしくは[001]方向 から[−101]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    (5)(001)面から、
    [010] 方向から[110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [100] 方向から[110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [0−10]方向から[−1−10]方向へ8〜37゜ずれた方向
    もしくは[−100]方向から[−1−10]方向へ8〜37゜ずれた方向
    または
    (6)(00−1)面から、
    [010]方向 から[−110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [−100]方向から[−110]方向へ 8〜37゜ずれた方向、
    [0−10]方向から[1−10]方向へ 8〜37゜ずれた方向
    もしくは[100]方向 から[1−10]方向へ 8〜37゜ずれた方向
    へ6゜以上16゜以下傾いていることを特徴とするりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハ。
  2. 方向ずれ角度が12゜以上33゜以下であることを特徴とする請求項1に記載のりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハ。
  3. 単結晶基板の表面の傾きの角度が8゜以上15゜以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハ。
  4. りん化ひ化ガリウム混晶GaAs1−x(0.45<x<1)エピタキシャル層としてグレード層および一定組成層を有し、少なくとも一定組成層には窒素がドープされていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハ。
  5. 窒素をドープした層にはキャリア濃度が9×1015cm−3下である部分を、厚さ8μm以上、有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハ。
  6. 窒素をドープした層にはキャリア濃度が0.5〜9×1015cm−3である部分を、厚さ10〜40μm有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項 記載のりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハ。
  7. 請求項1から項のいずれか一項に記載のりん化ひ化ガリウム混晶エピタキシャルウエハから作製されることを特徴とする発光ダイオード。
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