JP2001032901A - 中空ボールネジの製造方法及び該方法で製造された中空ボールネジを装備したステアリング装置 - Google Patents

中空ボールネジの製造方法及び該方法で製造された中空ボールネジを装備したステアリング装置

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JP2001032901A
JP2001032901A JP21009299A JP21009299A JP2001032901A JP 2001032901 A JP2001032901 A JP 2001032901A JP 21009299 A JP21009299 A JP 21009299A JP 21009299 A JP21009299 A JP 21009299A JP 2001032901 A JP2001032901 A JP 2001032901A
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浩司 八木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工時間の短縮、加工コストの低廉化、及び
軽量化を図ることができる中空ボールネジの製造方法を
提供すること。 【解決手段】 マンドレル15を正回転させつつ鋼管2
0の他端開口部から鋼管20内に押し込み、外型13の
螺旋状凹溝11とマンドレル15の螺旋状突条14a、
14b、14cとにより、鋼管20の周壁部を塑性加工
して、鋼管20の外周面にボールネジ溝31を形成す
る。ボールネジ30の内周面には、ボールネジ溝31に
倣った螺旋状凹凸32が同時に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉鋼管を塑性加
工してボールネジ溝を形成するボールネジの製造方法、
及び該方法によって製造されたボールネジを装備したス
テアリング装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ボールネジ及び該ボー
ルネジにボールを介して螺合するボールナットとの組合
せは、回転運動を直線運動に変換する変換機構として知
られており、例えば自動車用操舵装置等で使用されてい
る。
【0003】自動車用操舵装置等で使用されるボールネ
ジは、通常、中空鋼管素材の外周面に総型砥石による研
削加工や、多刃工具による切削加工を施してボールネジ
溝を形成することにより製造するか、あるいは中実棒鋼
素材の外周面に転造加工を施してボールネジ溝を形成し
た後、ガンドリルにより中空孔を形成することにより製
造される。
【0004】しかし、中空鋼管素材を使用する前者の製
造方法にあっては総型砥石による研削加工や、多刃工具
による切削加工を施すため、加工に非常に手間がかか
り、加工時間が長くなって、加工コストの高騰化につな
がる等の問題がある。
【0005】また、中実棒鋼素材を使用する後者の製造
方法にあっては、ボールネジ溝の加工後に中空孔を形成
するために加工時間が長くなって、同様に加工コストの
高騰化につながる等の問題があるさらに上述した両製造
方法では、いずれもボールネジ溝のネジ山部分の肉厚が
谷部分の肉厚よりも厚くなる一方、中空孔はストレート
形状であり、軽量化を図るために、ボールネジ溝に倣う
ようにボールネジの内周面に螺旋状の窪みを形成するに
は更に切削加工等を施さなければならない問題がある。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、加工時間の短縮、加工コストの低廉化、及び軽量化
を図ることができる、中空ボールネジの製造方法及び該
中空ボールネジを装備したステアリング装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の中空ボールネジの製造方法は、管状素材の周壁部に
塑性加工により所定ピッチ、リードのボールネジを形成
するボールネジの製造方法にして、内周面にボールネジ
と同じピッチ、リードの螺旋状凹溝を設けた成形孔を有
する外型と、外周面にボールネジ溝と同じピッチ、リー
ドの螺旋状突条を設けた中実棒状の内型とからなる成形
用型を準備する工程と、成形用型の外型内に管状素材を
配置する工程と、外型内に配置した管状素材内に、内型
を回転させつつ圧入することにより、外型の螺旋状凹溝
と内型の螺旋状突条との間で管状素材の周壁部を塑性加
工して、管状素材の外周面にボールネジ溝を形成する工
程とを具備し、管状素材の内周面には、外周面に形成し
たボールネジ溝に倣った螺旋状凹凸が形成されることを
特徴とする。
【0008】前記製造方法において、管状素材が内型に
よって外型内部で回転しないように周り止めを施す工程
を設けることが好ましい。また、内型の螺旋状突条部分
の直径を、該内型の一端部から他端部にかけて順次大き
くなるように形成すれば、塑性加工の進行に伴って徐々
に管状素材の周壁部に塑性加工力が作用するようにな
り、螺旋状突条と螺旋状凹溝との間で該周壁部をスムー
ズに塑性加工を施すことが可能となる。更に、内型の螺
旋状突条部分の軸線方向に沿った長さを、内型の一端部
から他端部にかけて順次長くなるように形成すれば、さ
らにスムーズに塑性加工することが可能となる。
【0009】なお、内型の前記螺旋状突条部分の直径を
変化させずに、軸線方向に沿った長さを、内型の先端部
から基端部にかけて順次長くなるように形成した場合で
も塑性加工時に管状素材の周壁部に無理な力がかから
ず、螺旋状凹溝と螺旋状突条との間で管状素材の周壁部
をスムーズに塑性加工することが可能となる。
【0010】また、外型の成形孔の内周面にボールネジ
溝と同じピッチ、リードの螺旋状凹溝を設ける代わりに
螺旋状突条を設け、一方、内型の外周面にボールネジ溝
と同じピッチ、リードの螺旋状突条を設ける代わりに螺
旋状凹溝を設けた成形用型を使用して、外型の螺旋状突
条と内型の螺旋状凹溝との間で管状素材の周壁部を塑性
加工して、管状素材の外周面にボールネジ溝を形成する
ようにしてもよい。
【0011】また、上記目的を達成する本発明のステア
リング装置は、ボールネジと該ボールネジにボールを介
して螺合するボールナットを備え、ハンドル軸の回転を
ギヤ伝達系を介して直線運動に変換し、車輪を操舵する
ステアリング装置にして、ボールネジは、上述した方法
によって製造された中空ボールネジであることを特徴と
する。
【0012】ボールネジの軸線方向一端に、前記ハンド
ル軸により操作されるピニオンが噛合するラックバーが
連結され、前記ボールナットは、電動モータで回転駆動
されるようにすると、パワーステアリング効果を得るこ
とが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例について添
付図面を参照して説明する。図1乃至図5に本発明の中
空ボールネジの製造方法の一実施例を示す。図1は外型
内に管状素材である鋼管を設置した過程を説明するため
の、半截断面図、図2は図1の鋼管内に内型を回転させ
つつ圧入させる過程を説明するための、半截断面図、図
3は鋼管内に内型を通過させた過程を説明するための、
半截断面図、図4は内型を鋼管から抜き出した状態を説
明するための、半截断面図、図5は塑性加工後の鋼管を
外型、内型から完全に抜き出した状態を説明するため
の、半截断面図である。
【0014】本実施例の中空ボールネジの製造方法によ
れば、図1に示すように、製造されるボールネジ30
(図7参照)と同じピッチ(リード)Pの螺旋状凹溝1
1を内周面に形成した成形孔12を有する外型13と、
ボールネジ30と同じピッチ(リード)Pの螺旋状突条
14を外周面に形成した中実棒状のマンドレル(内型)
15とからなる成形用型10が使用される。
【0015】外型13は、例えば合金工具鋼からなり、
塑性加工後のボールネジ30を抜き出し易くするために
例えば2つ割型に形成される。成形孔12は外型13の
軸線方向に貫通して形成され、螺旋状凹溝11は成形孔
12の内周面に成形孔12の軸線方向一端から他端に向
けて連続して形成される。
【0016】マンドレル(内型)15は、例えば合金工
具鋼からなり、その外周面に螺旋状突条14が形成され
る。図1に示すように、螺旋状突条14の部分の直径
は、若干ではあるが、マンドレル15の先端部側で本来
の直径よりも小さく、先端部側から離れるにしたがって
順次大きなり、最終的に本来の直径となるように形成さ
れる。すなわち、螺旋状突条14は、最小直径の螺旋状
突条14a部分(マンドレル15のベース部分から高さ
1だけ高く設定された部分)と、この螺旋状突条14
aよりも直径が若干大きい螺旋状突条14b部分(マン
ドレル15のベース部分から高さh2だけ高く設定され
た部分)と、最大直径を有する螺旋状突条14c部分
(マンドレル15のベース部分から高さh3だけ高く設
定された部分であって、本来の直径を有する部分)とか
らなり、螺旋状突条14a部分と螺旋状突条14b部分
とで予備的に塑性加工をしてから、螺旋状突条14c部
分で仕上げるようにしてある。なお、螺旋状突条14部
分(14a、14b、14c)の軸線方向の長さW(W
1、W2、W3)を、若干ではあるが、マンドレル15の
先端部側で短く、先端部側から離れるにしたがって順次
長くなるように形成することも可能である。この場合、
螺旋状突条14間にある溝16の幅を変化させるだけで
あって、螺旋状突条14のピッチ(リード)Pについて
は製造するボールネジ30と同じピッチ(リード)であ
る。マンドレル15は、外型13の他端側(図1の右
側)に、外型13と同心軸状に配置され、図示しない駆
動装置によって正逆回転駆動されつつ軸線方向に移動さ
せられる。マンドレル15を1正回転させると、マンド
レル15は螺旋状突条14の1ピッチ分前進し、1逆回
転させると、マンドレル15は螺旋状突条14の1ピッ
チ分後退する。
【0017】外型13とマンドレル15とは、図示しな
い駆動装置によりマンドレル15が回転して前進すると
き、外型13の螺旋状凹溝11内にマンドレル15の螺
旋状突条14が位置するように(外型13の螺旋状凹溝
11間の突起19がマンドレル15の螺旋状突条14間
の溝16内に位置するように)位置決めされる(図2の
X-Y線参照)。
【0018】外型13の成形孔12の軸線方向一端側
(図1の左側)には、円筒状のストッパー部材17が配
置される。このストッパー部材17には、成形孔12内
の管状素材である鋼管20の一端面と対向する先端面に
突起17aが複数個(本実施例では4個)設けられてお
り、これら突起17aが鋼管20の一端面に係止して、
塑性加工中にマンドレル15から受ける回転モーメント
により鋼管20が回転するのを防止する。ストッパー部
材17の内径は、マンドレル15の最大直径部分(マン
ドレル15に形成された螺旋状突条14のうち最大の直
径を有する部分14c)よりも僅かに大きく設定され、
塑性加工後、マンドレル15の螺旋状突条14がストッ
パー部材17内に進入するのを許容するようにしてあ
る。
【0019】なお、図6に示すように、管状素材である
鋼管20として図1に示すものよりも長いものを使用
し、成形孔12から突出した鋼管20の端部を把持具1
8により把持して、塑性加工中にマンドレル15から受
ける回転モーメントにより鋼管20が回転するのを防止
するようにしてもよい。
【0020】また、外型13の成形孔12の内周面に、
螺旋状凹溝11の代わりにボールネジ30と同じピッチ
(リード)Pの螺旋状突条を形成し、またマンドレル1
5の外周面に、螺旋状突条14の代わりにボールネジ3
0と同じピッチ(リード)Pの螺旋状凹溝を形成した、
成形用型10を使用してもよい。
【0021】ボールネジ30を製造するには、外型13
の成形孔12内に、鋼管20を、螺旋状凹溝11間の突
起19上に載るようにして配置する(図1参照)。これ
により、鋼管20は外型13に対して同心軸上に配置さ
れることになる。そして、ストッパー部材17により鋼
管20が塑性加工中に回転しないようにする。
【0022】次いで、外型13の螺旋状凹溝11と対応
する箇所にマンドレル15の螺旋状突条14が位置する
ように、マンドレル15の外型13に対する設置位置を
調整して位置決めをする。
【0023】この後、図示しない駆動装置を作動させて
マンドレル15を正回転させつつ鋼管20の他端開口部
(図1の右側)から鋼管20内に押し込み、外型13の
螺旋状凹溝11とマンドレル15の螺旋状突条14とに
より、鋼管20の周壁部を塑性加工して、鋼管20の外
周面にボールネジ溝31を形成する(図2参照)。この
ときマンドレル15が鋼管20の他端開口部から進入す
ると、まずマンドレル15の最小直径の螺旋状突条14
a部分により鋼管20の周壁部を予備的に塑性加工を
し、次いで螺旋状突条14b部分により更に予備的に塑
性加工をし、最後に本来の直径を有する螺旋状突条14
c部分により仕上げ塑性加工をする。螺旋状突条14c
部分が鋼管20内を通過して鋼管20の一端開口部から
抜け出るまでマンドレル15を正回転させた後(図3参
照)、マンドレル15を逆回転させて後退させ、鋼管2
0の一端開口部から抜き出す。このとき、螺旋状突条1
4c部分が鋼管20の一端開口部から鋼管20内に進入
し、次いでこれよりも直径の小さい螺旋状突条14b部
分、最後に最小直径を有する螺旋状突条14a部分が鋼
管20を内に進入して再度塑性加工を施しながら、鋼管
20の他端端開口部から抜け出る。鋼管20の内周面に
は、外周面に形成したボールネジ溝31に倣った螺旋状
凹凸32が形成される。
【0024】図7は以上のようにして製造されたボール
ネジ30を示しており、このボールネジ30は、外周面
にボールネジ溝31が形成され、内周面にボールネジ溝
31に倣った螺旋状凹凸32が形成されて、ボールネジ
溝31のネジ山部分と谷部分の肉厚が略等しく、すなわ
ちボールネジ30全体の肉厚t(図5参照)が略均一と
なって、軽量化を図ることができる。
【0025】上記実施例によれば、外型13とマンドレ
ル15とを使用して鋼管20を塑性加工することにより
製造しているので、軽量化を目的としたボールネジを短
時間で効率よく製造することが可能となる。
【0026】また、先ず、外型13の螺旋状凹溝11
と、マンドレル15の最小直径の螺旋状突条14a部分
とにより鋼管20の周壁部を予備的に塑性加工をし、次
いで、螺旋状凹溝11と、螺旋状突条14b部分とによ
り更に進んで予備的に塑性加工をし、最後に、螺旋状凹
溝11と、本来の直径を有する螺旋状突条14c部分と
により仕上げ塑性加工するようにしているので(一度に
塑性加工をするのではなく、3段階に分けて塑性加工を
して最終製品に仕上げるようにしているので)、鋼管2
0の周壁部に過大な負荷がかからず、該周壁部に亀裂、
しわ等が生じることなく、スムーズに塑性加工が行え
る。また、外型13、マンドレル15にも過大な負荷が
かからず、金型の寿命が長い等の副次的効果もある。
【0027】図8及び図9はマンドレルの変形例を示す
半截断面図である。この変形例によれば、マンドレル1
5を、最小直径の螺旋状突条14a部分を設けた第1マ
ンドレル部材(第1内型部材)15a(図8参照)と、
最小直径の螺旋状突条14aよりも若干直径の大きい螺
旋状突条14b部分と本来の直径を有する螺旋状突条1
4c部分を設けた第2マンドレル部材(第2内型部材)
15b(図9参照)とに分割して構成している。
【0028】先ず、第1マンドレル部材15aを図示し
ない駆動装置により正回転させつつ鋼管20の他端開口
部から鋼管20内に押し込んで、外型13の螺旋状凹溝
11と螺旋状突条14aとにより、鋼管20の周壁部を
予備的に塑性加工をする。次いで、図示しない駆動装置
に第2マンドレル15bを装着し、同様に正回転させつ
つ鋼管20の他端開口部から鋼管20内に押し込んで、
外型13の螺旋状凹溝11と螺旋状突条14bとaとに
より、鋼管20の周壁部をさらに進んだ予備的な塑性加
工と仕上げ塑性加工をしてボールネジ30を製造する。
【0029】マンドレル15の分割個数は2個に限定さ
れず、必要に応じて分割個数を2個以上にすることがで
きる。上記変形例のようにマンドレル15を複数のマン
ドレル部材に分割して構成すると、塑性加工時に個々の
マンドレル部材を駆動するのに必要な駆動推力、駆動ト
ルクは分割しない場合に比して小さくすることが可能で
ある。
【0030】図10は、上記実施例の方法により製造さ
れた中空ボールネジ30を装備してなるパワーステアリ
ング装置の概略図である。このパワーステアリング装置
は、外周面に軸線方向に沿ってラック歯列41が形成さ
れた中空ラックバー40と、該中空ラックバー40の軸
線方向一端に連結され、上記実施例の方法により製造さ
れた中空ボールネジ30とを具備する。ラック歯列41
には、ハンドル軸(ステアリングシャフト)42に固定
されたピニオン43が噛合する。ボールネジ溝31に
は、ボール33を介してボールナット34が螺合する。
ボールナット34の外周面には歯35が形成され、該歯
35には中間歯車36を介して電動モータ37の駆動歯
車38が連結される。
【0031】ステアリング操作時に、電動モータ37が
作動し、駆動歯車38の回転が中間歯車36を介してボ
ールナット34に伝達され、該ボールナット34が回転
して中空ボールネジ30、ラックバー40をステアリン
グ方向(図10の矢印方向)に移動させて、パワーステ
アリング効果を得る。
【0032】上記パワーステアリング装置は、中空ラッ
クバー40と中空ボールネジ30を使用しているので、
軽量化を図ることができ、また中空ボールネジ30の製
造が容易で、コストダウンを図ることが可能となる上
に、バッテリを電源とする電動モータ37を使用してい
るので、油圧式のパワーシリンダ装置の如く、複雑な油
圧回路を必要とせず、構造が簡単で、組立性に優れ、ま
たエンジン馬力を必要とせず、パワーステアリングを駆
動するためにエンジン出力が低下するおそれもない。
【0033】なお、上記実施例の方法により製造された
中空ボールネジ30を装備したステアリング装置として
は図10に示す装置に限定されず、例えばボールナット
の外周面に、軸線方向に沿ってラック歯を形成し、該ラ
ック歯にセクタシャフトに設けたセクタギヤを噛合し、
ボールナットの往復動に伴ってセクタギヤ(セクタシャ
フト)を回転させて車輪を旋回させるタイプのステアリ
ング装置にも装備することが出来る。
【0034】上記実施例では、ステアリング装置のボー
ルネジで一般的に使用される鋼材からなる管状素材を塑
性加工する場合について説明したが、これに限定され
ず、非鉄金属、プラスチック等、塑性加工可能なあらゆ
る材料からなる管状素材に適用することが出来る。
【0035】本発明の中空ボールネジの製造方法は、上
述したステアリング装置のボールネジ以外に、例えばN
C機械のボールネジを製造する場合は勿論のこと、比較
的肉厚の薄いパイプの外周面にネジ溝を形成する場合に
も適用することが出来る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の中空ボー
ルネジの製造方法によれば、内周面に螺旋状凹溝を設け
た成形孔を有する外型と、外周面に螺旋状突条を設けた
中実棒状の内型とからなる成形用型を使用し、外型の螺
旋状凹溝と内型の螺旋状突条との間で管状素材の周壁部
を塑性加工して、管状素材の外周面にボールネジ溝を形
成するので、ボールネジの外周面にボールネジ溝を形成
すると同時に、ボールネジの内周面にボールネジ溝に倣
うように螺旋状凹凸が形成され、ボールネジの外周面に
ボールネジ溝を形成した後に、ボールネジの内周面に切
削加工等を施さなくても済み、加工時間の短縮、加工コ
ストの低廉化、及び軽量化を図ることができる。
【0037】また、本発明のパワーステアリング装置に
よれば、本発明の方法によって製造された中空ボールネ
ジを使用するので、軽量化を図ることができ、また中空
ボールネジの製造が容易であることから、コストダウン
を図ることが可能となる。また、中空ボールネジの一端
に、ハンドル軸により操作されるピニオンが噛合するラ
ックバーを連結し、中空ボールネジにボールを介して螺
合するボールナットを電動モータで駆動するようにした
場合には、パワーステアリング効果が得られ、パワース
テアリングを駆動するためにエンジン出力が低下するお
それもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】外型内に管状素材である鋼管を設置した過程を
説明するための、半截断面図である。
【図2】図1の鋼管内に内型を回転させつつ圧入させる
過程を説明するための、半截断面図である。
【図3】鋼管内に内型を通過させた過程を説明するため
の、半截断面図である。
【図4】内型を鋼管から抜き出した状態を説明するため
の、半截断面図である。
【図5】塑性加工後の鋼管を外型、内型から完全に抜き
出した状態を説明するための、半截断面図である。
【図6】ストッパー部材の変形例を示す、半截断面図で
ある。
【図7】本発明の方法によって製造されたボールネジ全
体を示す斜視図である。
【図8】マンドレルの変形例を示す、部分半截断面図で
ある。
【図9】マンドレルの変形例を示す、部分半截断面図で
ある。
【図10】本発明の方法によって製造されたボールネジ
を使用したパワーステアリング装置の概略図である。
【符号の説明】
10 成形用型 11 螺旋状凹溝 12 成形孔 13 外型 14 螺旋状突条 15 内型(マンドレル) 15a 第1内型部材(第1マンドレル部材) 15b 第2内型部材(第2マンドレル部材) 17 ストッパー部材 20 管状素材(鋼管) 30 ボールネジ 31 ボールネジ溝 32 螺旋状凹凸 34 ボールナット 37 電動モータ 40 ラックバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 5/22 B62D 5/22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状素材の周壁部に塑性加工によりボー
    ルネジ溝を形成する中空ボールネジの製造方法にして、 内周面に前記ボールネジと同じピッチ、リードの螺旋状
    凹溝を設けた成形孔を有する外型と、外周面に前記ボー
    ルネジと同じピッチ、リードの螺旋状突条を設けた中実
    棒状の内型とからなる成形用型を準備する工程と、 前記外型の成形孔内に管状素材を配置する工程と、 前記外型内に配置した前記管状素材内に、前記内型を回
    転させつつ圧入することにより、前記外型の螺旋状凹溝
    と前記内型の螺旋状突条との間で前記管状素材の周壁部
    を塑性加工して、前記管状素材の外周面に前記ボールネ
    ジ溝を形成する工程とを具備し、 前記管状素材の内周面には、前記外周面に形成したボー
    ルネジ溝によって螺旋状凹凸が形成されることを特徴と
    する中空ボールネジの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の中空ボールネジの製造
    方法にして、 前記管状素材が前記内型によって前記成形孔の内部で回
    転しないように周り止めを施す工程をさらに含むことを
    特徴とする中空ボールネジの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の中空ボールネジ
    の製造方法にして、 前記内型の前記螺旋状突条の直径を、該内型の一端部か
    ら他端部にかけて順次大きくなるように形成してなるこ
    とを特徴とする中空ボールネジの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3のいずれかに記載の
    中空ボールネジの製造方法にして、 前記内型の前記螺旋状突条の軸線方向に沿った長さを、
    該内型の一端部から他端部にかけて順次長くなるように
    形成してなることを特徴とする中空ボールネジの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4のいずれかに記
    載の中空ボールネジの製造方法にして、 前記内型を複数の内型部材に分割して構成し、該内型部
    材を、順次、前記管状素材内に回転させつつ圧入するこ
    とにより前記螺旋状凹溝と前記螺旋状突条との間で前記
    管状素材の周壁部を塑性加工することを特徴とする中空
    ボールネジの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の中空ボールネジの製造
    方法にして、 前記内型を、前記螺旋状突条部分の直径が最も小さい部
    分からなる第1内型部材と、それ以外の部分からなる第
    2内型部材とに分割して構成し、第1内型部材を前記管
    状素材内に回転させつつ圧入して前記螺旋状凹溝と前記
    螺旋状突条との間で前記管状素材の周壁部を予備的に塑
    性加工をし、次いで第2内型部材を前記管状素材内に回
    転させつつ圧入することにより前記螺旋状凹溝と前記螺
    旋状突条との間で前記管状素材の周壁部を仕上げ塑性加
    工をすることを特徴とする中空ボールネジの製造方法。
  7. 【請求項7】 管状素材の周壁部に塑性加工によりボー
    ルネジ溝を形成する中空ボールネジの製造方法にして、 内周面に前記ボールネジと同じピッチ、リードの螺旋状
    突条を設けた成形孔を有する外型と、外周面に前記ボー
    ルネジと同じピッチ、リードの螺旋状凹溝を設けた中実
    棒状の内型とからなる成形用型を準備する工程と、 前記外型の成形孔内に管状素材を配置する工程と、 前記外型内に配置した前記管状素材内に、前記内型を回
    転させつつ圧入することにより、前記外型の螺旋状突条
    と前記内型の螺旋状凹溝との間で前記管状素材の周壁部
    を塑性加工して、前記管状素材の外周面に前記ボールネ
    ジ溝を形成する工程とを具備し、 前記管状素材の内周面には、前記外周面に形成したボー
    ルネジ溝によって螺旋状凹凸が形成されることを特徴と
    する中空ボールネジの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の中空
    ボールネジの製造方法にして、 前記管状素材が薄肉鋼管であることを特徴とするボール
    ネジの製造方法。
  9. 【請求項9】 ボールネジと該ボールネジにボールを介
    して螺合するボールナットを備え、ハンドル軸の回転を
    ギヤ伝達系を介して直線運動に変換し、車輪を操舵する
    ステアリング装置にして、 前記ボールネジは、請求項1乃至8のいずれかに記載の
    方法によって製造された中空ボールネジであることを特
    徴とするステアリング装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のステアリング装置に
    して、 前記ボールネジの軸線方向一端に、前記ハンドル軸によ
    り操作されるピニオンが噛合するラックバーが連結さ
    れ、前記ボールナットは、電動モータで回転駆動される
    ことを特徴とするステアリング装置。
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