JP3995528B2 - ウォームの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネジ部が転造により成形されるウォームに関し、詳細には、ウォームのネジ部を転造のみで成形するために使用される転造用素材からウォームを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、転造によりウォームのネジ部を成形する技術として、特開平7−112230号公報に開示されたものがある。この技術では、ウォームシャフトを製造するために使用される軸状素材は、シャフト部と、ウォーム部(ネジ部に相当)が形成される円柱状の下地部とを有する。素材はそのシャフト部にて案内筒に保持された後、該案内筒から突出した下地部に1対の転造ダイスが回転しながら接触して押圧することにより、下地部にウォーム部(ネジ部に相当)が成形される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ウォームのネジ部は、完全ネジ部を構成する完全ネジ山と、不完全ネジ部を構成する不完全ネジ山とから構成される。
【0004】
なお、この明細書において、完全ネジ山は、ネジ部を構成するネジ山のうち、ウォームホイールと噛合するネジ山と該ネジ山の山部(すなわち、歯形形状)と同一の形状の山部を有するネジ山とから構成され、また不完全ネジ山は、ネジ部を構成するネジ山のうち、完全ネジ山以外のネジ山であり、ネジ部のネジ山の端部から完全ネジ山の端部に至るネジ山で構成される。
【0005】
ここで、「断面」とは、ウォームの中心軸線を含む平面での断面を意味し、「山部」とは、該断面におけるネジ山を意味する。また、「ネジ山の断面積」とは、図7に示されるように、ネジ部の断面において、完全ネジ部mでの歯底m1に接して各歯底m1を連ねる直線nと1つの山部r1,r2(ここで、山部r1は完全ネジ山の山部であり、r2は不完全ネジ山の山部である。)とで囲まれる面積s1,s2である。さらに、総断面積とは、ネジ部における1つの断面でのネジ山の断面積の総和である。
【0006】
それゆえ、山部の形状およびネジ山の断面積は、完全ネジ山と不完全ネジ山とで異なる。例えば、不完全ネジ山の歯先円の径は、完全ネジ山の歯先円の径以下であり、不完全ネジ山の断面積は、完全ネジ部の断面積よりも小さい。そして、不完全ネジ山の断面積はウォームの周方向位置で異なる一方、完全ネジ部の断面積は周方向位置に関わらず同じである。
【0007】
このことを、ネジ山が2条ネジからなるウォームの例について、図8(A),(B)を参照して説明する。ウォームaのネジ部bにおいて、周方向位置w1での断面でのネジ山の山部の数は4であり、周方向位置w1とは異なる周方向位置w2での断面でのネジ山の山部の数は5である。そして、周方向位置w1での山部(以下、「4山部分」という。)は、完全ネジ山の4つの山部からなり、周方向位置w2での山部(以下、「5山部分」という。)は、完全ネジ山の5つの山部からなる。
【0008】
このようなウォームaのネジ部bが転造により成形されるとき、図9(A1)に示されるように、周方向位置w1では、周方向位置w2に比べて、ネジ山の総断面積が小さいことに起因して、周方向位置w1での転造時にダイスeにより押し込まれる素材fの肉の量は、図9(B1)示される周方向位置w2での転造時にダイスeにより押し込まれる素材fの肉の量よりも多くなること、そして成形されるネジ山の盛り上がり量が多くなって素材fの肉の逃げ場がなくなることから、ダイスeに対する素材fの押し込み抵抗、すなわちダイスeが素材fから受ける抵抗が大きくなる。
【0009】
そのため、予め設計された歯形のネジ山cからなるネジ部bを成形するときの転造荷重が、5山部分を成形するときの値に設定されると、5山部分の歯形は設計歯形g(図9(A2),(B2)参照)に成形される一方で、4山部分を成形するときには、素材fの押し込み抵抗が5山部分のときよりも大きくなることにより、転造盤のダイスeを支持しているフレームが、5山部分を成形するときに比べて素材fから離れる方向に撓むために、転造量が不足して、図9(A2)に示されるように設計歯形gよりも歯厚が大きい歯形hを有するネジ山cが成形されて、歯筋に大きな誤差が発生する。
【0010】
逆に、転造荷重が4山部分を成形するときの値に設定されると、4山部分の歯形は設計歯形gに成形される一方で、5山部分を成形するときには、素材fの押し込み抵抗が4山部分のときよりも小さくなり、フレームの撓みも、4山部分を成形するときよりも小さくなるために、転造量が過剰となって、図9(B2)に示されるように設計歯形gよりも歯厚が小さい歯形kを有するネジ山cが成形されて、この場合も歯筋に大きな誤差が発生する。
【0011】
以上では、完全山部のみを含む周方向位置w1,w2同士での押し込み抵抗の差について説明したが、押し込み抵抗の差の大小の違いはあるものの、同様の現象が、完全ネジ山および不完全ネジ山を含む周方向位置(例えば、図8(B)の位置w3)と完全ネジ山のみを含む周方向位置(例えば、同図の位置w2)との間、および完全ネジ山および不完全ネジ山を含む周方向位置(例えば、同図の位置w3と位置w4)同士の間でも生じる。そして、押し込み抵抗の差が最も大きくなるのは、前述のことから明らかなように、完全ネジ山のみを含む周方向位置であって、異なる数の山部が存する周方向位置でのネジ山の成形時である。
【0012】
このようなことから、従来では、転造のみにより、歯筋の誤差が少なく、精度の高いネジ部を有するウォームを得ることは困難であり、そのため、ネジ部を仕上がり状態とするためには、転造で成形されたネジ部に対して、さらに研削加工を施す必要があって、ウォームの製造コストが高くなる難点があった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、転造のみにより精度の高いネジ部を有するウォームを製造することが可能で、ウォームの製造コストが削減されるウォームの製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、ウォームの転造用素材に、ダイスを使用して転造によりネジ山を有するネジ部が成形されるネジ成形部と、前記ダイスに対する前記素材の押し込み抵抗を前記ネジ成形部の周方向で均等化するために、前記素材の中心軸線方向での前記ネジ成形部の端部に、前記ネジ山の端部が成形される周方向位置を含む周方向範囲に渡って形成されて、前記ネジ成形部の前記端部の肉の量を減少させる切欠部とが形成され、その後、前記切欠部により分断されない前記ネジ山が成形されると共に前記ネジ成形部の前記端部において前記周方向位置に前記ネジ山の前記端部が成形されるように、前記ダイスにより前記ネジ成形部に前記ネジ山が成形されるウォームの製造方法である。
【0015】
このように、転造用素材において、ネジ成形部の端部に形成された切欠部により、ダイスに対する素材の押し込み抵抗が、ネジ成形部において異なる周方向位置で均等化されているので、ネジ部のどの周方向位置におけるネジ山を成形する際にも、ほぼ同様の転造量で転造されて、ネジ部全体でネジ山の歯形は、仕上げ加工が不要な程度に成形される。
ダイスに対する押し込み抵抗を周方向で均等化するために切欠部が形成されることにより、ネジ成形部の端部において肉の量が減少するので、押し込み抵抗が小さくなって、転造荷重を小さくすることができ、しかも素材からの押し込み抵抗に基づく反力による生じるダイスの支持部材の撓みも少なくなる。
【0016】
この結果、請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、ネジ部を有するウォームにおいて、転造用素材のネジ成形部のダイスに対する押し込み抵抗を周方向で均等化するための切欠部が、中心軸線方向でのネジ成形部の端部に形成されたことにより、押し込み抵抗がネジ成形部において異なる周方向位置で均等化されて、ネジ部のどの周方向位置におけるネジ山もほぼ同様の転造量で転造されるので、ネジ山の歯形、ひいてはネジ部は、仕上げ加工が不要な程度に、歯筋の誤差が少なく、高い精度で成形される。そのため、前記従来技術とは異なり、ネジ部を仕上がり状態にするための研削加工が不要になって、転造により成形されるウォームの製造コストを削減できる。
さらに、ダイスに対する押し込み抵抗を周方向で均等化するために切欠部が形成されることにより、転造荷重を小さくすることができ、しかも素材からの反力による生じるダイスの支持部材の撓みも少なくなるので、ネジ部の精度を一層向上させることができる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のウォームの製造方法において、前記ネジ成形部が転造される前の前記素材において、前記切欠部の径方向側面は、前記素材の径方向で前記ネジ部の歯底よりも前記素材の中心軸線寄りに形成されていないものである。
【0020】
なお、この明細書において、ダイスに対する押し込み抵抗の均等化とは、ネジ成形部にネジ部を成形するときのダイスに対する素材の押し込み抵抗を、転造終了後のネジ部が、仕上げのための別の機械加工が不要となる仕上がり状態になるように、調整することを意味する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1ないし図6を参照して説明する。
本発明の実施例である転造用素材を使用して転造により加工されたネジ部を有するウォームが使用される電動式パワーステアリング装置の部分平断面図である図1を参照すると、電動式パワーステアリング装置1のギヤボックス2内には、電動機3の回転を減速するウォームギヤ4を使用した減速機構が収容される。ウォームギヤ4の一方の歯車であるウォーム10は、ギヤボックス2に取り付けられた電動機3の回転軸3aに結合され、他方の歯車であるウォームホイール5は、一端部にピニオンが形成された出力軸6に一体回転するように結合される。ギヤボックス2内において、出力軸6のピニオンが形成された前記一端部とは反対側の他端部は、入力軸(図示されず)にトーションバー7を介して結合され、ピニオンは、ラック軸(図示されず)に形成されたラックと噛み合う。
【0022】
そして、ステアリングホイールに加えられた操舵力は、該ステアリングホイールに連結された前記入力軸に入力され、さらにトーションバー7、出力軸6および前記ラック軸等を介して転舵輪に伝達される。同時に、前記入力軸に作用する操舵力と出力軸6に作用する路面の抵抗力に基づくトーションバー7の捩れ量を検出する操舵トルクセンサの出力に応じて駆動制御される電動機3が、ウォーム10を回転駆動する。これにより、電動機3が発生する操舵補助力が、前記減速機構、出力軸6および前記ラック軸を介して転舵輪に伝達されて、運転者による操舵力が軽減される。
【0023】
図2(A)を併せて参照すると、ウォーム10は、その中央部に2条ネジからなるネジ山121,122を有するネジ部11と、回転軸線(ウォーム10の中心軸線Lでもある。)の方向A1(以下、「中心軸線方向A1」という。)でネジ部11の両端に隣接する1対の軸部13と、ウォーム10の両端部となる基端部14および先端部15とを備える。基端部14には、一方の軸部13から端部に向かって、緩衝用カラー16が装着される装着部14aと、玉軸受17が装着されてウォーム10がギヤボックス2に回転自在に支持される部分である被支持部14bと、回転軸3aとスプライン結合される結合部14cとが設けられる。また、先端部15には、他方の軸部13から端部に向かって、緩衝用カラー16が装着される装着部15aと、玉軸受17が装着されてウォーム10がギヤボックス2に回転自在に支持される部分である被支持部15bとが設けられる。
【0024】
さらに、図2(B)を併せて参照すると、ネジ部11は、中心軸線方向A1での中央部の完全ネジ部11aと両端部の1対の不完全ネジ部11bとからなる。各ネジ山121,122は、完全ネジ部11aを構成する完全ネジ山121a,122aと、不完全ネジ部11bを構成する不完全ネジ山121b,122bとを有する。
【0025】
この実施例では、各ネジ山121,122の端部121b1,122b1は、基端部14寄りの2個所および先端部15寄りの2個所で、それぞれ、ほぼ180°の角度を形成する周方向位置P1,P2に周方向に離れて形成されている。また、完全ネジ山121a,122aの端部121a1,122a1は、基端部14寄りの2個所で、周方向位置P1,P2からそれぞれ角度αを形成する周方向位置P3,P4に、そして先端部15寄りの2個所で、周方向位置P2,P1からそれぞれ角度αを形成する周方向位置P5,P6に、それぞれ端部121b1,122b1から周方向に離れて形成されている。なお、周方向位置P3,P4および周方向位置P5,P6は、それぞれ、ほぼ180°の角度を形成する位置に周方向に離れている。
【0026】
なお、「完全ネジ部11a」、「不完全ネジ部11b」、「完全ネジ山121a,122a」、「不完全ネジ山121b,122b」、「断面」、「山部」、「ネジ山の断面積」および「総断面積」は、前述の定義による。
【0027】
このネジ部11において、ウォーム10の周方向での異なる位置における断面での山部の数は、次のようになっている。例えば、各ネジ山121,122の端部121b1,122b1 を通る断面である周方向位置P1,P2における断面では、n個(nは自然数である。)、この実施例では4個の山部が形成されており(以下、この4個の山部が形成されている部分を「4山部分」という。)、完全ネジ山121a,122aの端部121a1,122a1を通る断面である周方向位置P3〜P6における断面では、n+1個、この実施例では5個の山部が形成されている(以下、この5個の山部が形成されている部分を「5山部分」という。)。
【0028】
そして、各周方向位置P1,P2での4山部分は、完全ネジ山121a,122aの4つの山部からなり、各周方向位置P3〜P6での5山部分は、完全ネジ山121a,122aの4つの山部と不完全ネジ山121b,122bの1つの山部とからなる。このとき、前述したように、完全ネジ山121a,122aの山部の形状は全て同一であること、および不完全ネジ山121b,122bの断面積は完全ネジ山121a,122aの断面積よりも小さいことから、5山部分の総断面積は、4山部分の総断面積よりも大きい。
【0029】
ウォーム10は、図3(A),(B),(C)に示される転造用の第1素材としての素材20を、1対のダイス31を備える転造盤30(図4参照)を使用して転造することにより成形される。切削加工により異径断面を有する円柱状の棒材に成形された素材20は、素材20の中心軸線L(ウォーム10の中心軸線Lでもある。)の方向である中心軸線方向A1での中央部の大径部21と、中心軸線方向A1での大径部21の両端部にそれぞれ連なる1対のテーパ部22と、各テーパ部22に中心軸線方向A1で大径部21とは反対側において連なる1対の小径部23と、中心軸線方向A1での第1,第2端部24,25とを有する。
【0030】
各テーパ部22は、大径部21寄りの端部が大径部21と同じ径を有し、大径部21よりも小径の小径部23寄りの端部が、小径部23と同じ径を有する。そして、大径部21およびテーパ部22によりネジ成形部Tが構成され、該ネジ成形部Tに、転造盤30により、図2(A)に示されるようなネジ部11が成形される。
【0031】
このとき、両テーパ部22は、ネジ成形部Tの中心軸線方向A1での両端部を構成すると共に、またネジ部11の不完全ネジ部11bが形成される部分であることから、不完全ネジ部11bに対応する部分である。また、小径部23の径は、転造終了後の後述する仕上がり状態でのネジ部11の歯底円の径よりも小さく設定される。
【0032】
そして、各テーパ部22には、素材20の周方向の所定範囲に渡って、部分的に切欠部26が、切削加工等の機械加工等の加工手段により形成されている。転造時に周方向位置におけるネジ成形部Tの肉の量を調整するための調整部であるこの切欠部26は、転造盤30のダイス31によるネジ山の転造時に、ネジ成形部Tにおいて、異なる周方向位置でのダイス31に対する素材20の押し込み抵抗を均等化するためのものである。
【0033】
切欠部26の形状は、例えば次のようにして決定される。すなわち、ネジ成形部Tに切欠部26が設けられないとき、すなわちネジ成形部Tが回転体から構成される標準ネジ成形部であると仮定したとき(このとき、この実施例では、テーパ部22の外周面全体が円錐面で構成されることになる。)に、前記標準ネジ成形部へのダイス31の食い込みの態様をシミュレートするなどして、押し込み抵抗を増加させる要因である過剰な肉が存する位置、およびその肉の量を計算等で求める。そして、これに基づいて、前記標準ネジ成形部を基準として、そのテーパ部22に形成される範囲やその外周面からの深さ等を含む切欠部26の形状が決定される。
【0034】
図2,図3を併せて参照すると、この実施例では、切欠部26は、テーパ部22における周方向位置P1,P2を中心に素材20の周方向に渡って部分的に形成されて、後述する仕上がり状態でのネジ山121,122の歯底円における周方向位置P1,P2での接平面上にほぼ位置して中心軸線方向A1に延びる平面で削り取られて形成された径方向側面26aと、テーパ部22の大径部21寄りの端部で中心軸線Lと直交して径方向に延びる平面で削り取られて形成された中心軸線方向側面26bとにより形成される。
それゆえ、切欠部 26 は、テーパ部 22 において端部 12 1 b1 , 12 2 b1 が成形される周方向位置 P1 , P2 を含む周方向範囲に渡って形成される。
【0035】
それゆえ、切欠部26においては、前記標準ネジ成形部を使用したと仮定した場合に、ウォーム10の周方向位置での転造時に、最も大きな押し込み抵抗を示す位置である周方向位置P1,P2で、最も多く肉が削り取られ、そして周方向位置P1,P2から、該周方向位置P1,P2よりも小さな押し込み抵抗を示す周方向位置P3〜P6に向かって、次第に削り取られた肉の量が少なくなっている。
【0036】
これにより、ウォーム10のネジ部11において、周方向位置での断面におけるネジ山121,122の総断面積が異なることに起因する、異なる周方向位置での押し込み抵抗の差が減少して、ネジ部11の異なる周方向位置での押し込み抵抗が均等化される。例えば、ネジ山121,122の端部121b1,122b1に対応する部分、すなわち周方向位置P1,P2に対応する4山部分を成形するときのダイス31に対する素材20の押し込み抵抗と、完全ネジ山121a,122aの端部121a1,122a1に対応する部分、すなわち周方向位置P3〜P6に対応する5山部分を成形するときのダイス31に対する素材20の押し込み抵抗との差が減少して均等化される。
【0037】
一方、図4を参照すると、制御装置により転造荷重および後述するダイス31の回転数等が制御される転造盤30は、支持部材としてのフレーム(図示されず)に回転自在に支持される1対の丸ダイスからなるダイス31と、ダイス31毎に該ダイス31の回転軸線方向A2で該ダイス31に隣接して配置され、前記フレームに回転自在に支持される1対の押し当てカラー32と、素材20を回転自在に支持すると共に中心軸線方向A1に移動可能なセンタ台(図示されず)とを備える。両ダイス31は、サーボモータ等の駆動装置により、正回転および逆回転するように、しかも同一回転方向で同一の回転数で回転駆動される。また、各ダイス31は、中心軸線方向A1でのネジ成形部Tの幅以上、この実施例ではネジ成形部Tの該幅よりも大きな回転軸線方向A2での幅を有する。
【0038】
素材20は、ネジ成形部Tが両ダイス31の前記幅の範囲に収まるように中心軸線方向A1で位置決めされた状態で、前記センタ台に、中心軸線Lを中心に回転自在に支持される。このとき、中心軸線方向A1と回転軸線方向A2とは平行になる。その後、非転造位置で正回転された両ダイス31が、図4(A1),(A2)に示されるように、素材20の大径部21およびテーパ部22と接触する転造位置まで、同時に押し当てカラー32が第1,第2端部24,25にそれぞれ接触する位置まで、それぞれ、図示されないアクチュエータにより素材20の径方向に移動される。
【0039】
そして、両ダイス31は、予め設計された歯形のネジ山121,122が成形されるように設定された転造荷重で、素材20を径方向から押圧する。このとき、素材20は、両ダイス31とは反対方向に回転させられると同時に、両ダイス31の前記幅の範囲内で、第2端部25がダイス31から遠ざかるように(図4では、下方に)前記センタ台と共に中心軸線方向A1に所定距離だけ移動する。ここで、両ダイス31の加工歯先の形状は、加工歯の直角断面での形状が円弧、この実施例では複数の曲率を有する複合円弧からなり、しかも加工歯の断面での中心線に対して対称な形状となるように設計されている。
【0040】
前記所定距離だけ移動した時点で、素材20の中心軸線方向A1での位置を検出する位置センサ(図示されず)からの信号が前記制御装置に入力されて、両ダイス31の回転が停止され、その後所定の停止時間が経過した後、図4(B1),(B2)に示されるように、両ダイス31の回転方向が逆転される。この逆回転により、素材20は、両ダイス31とは反対方向に回転しつつ、第2端部25が両ダイス31に近づくように(図4では、上方に)中心軸線方向A1に、前記所定距離だけ移動する。そして、正回転時と同様に、前記所定距離だけ移動した時点で、前記位置センサからの信号が前記制御装置に入力されて、両ダイス31の回転が停止される。その後、所定の停止時間が経過した後、図4(C1),(C2)に示されるように、前記制御手段により、両ダイス31が再度正回転するように制御される。それゆえ、転造中は、ネジ成形部Tが、常時、中心軸線方向A1でダイス31の範囲内に位置する。
【0041】
そして、両ダイス31の回転方向の切換を複数回、例えば3〜6回繰り返した後、前記制御装置の制御により、両ダイス31および押し当てカラー32が径方向外方に移動して素材20から離れ、非転造位置を占めた後、両ダイス31の回転が停止されて、転造が終了する。このようにして、転造により成形されたネジ部11を有する第2素材が得られる。
【0042】
この一連の転造にあたり、図5(A),(B)に示されるように、素材20には切欠部26(図5(A)では、二点鎖線でその一部が示されている。)が形成されていることにより、例えば、ネジ成形部Tに4山部分を形成するときのダイス31に対する素材20の押し込み抵抗と5山部分を成形するときのダイス31に対する素材20の押し込み抵抗とが均等化されているので、前記第2素材では、4山部分および5山部分における歯形、ひいてはネジ部11は、仕上がり状態、すなわち転造終了後のネジ部11に対して、仕上げのための切削加工等の別の機械加工が不要である状態になっている。
【0043】
その後、この第2素材に対して、必要に応じて後加工、例えば、切削加工および研削加工等の機械加工が施されて、小径部23から軸部13が、第1,第2端部24,25から装着部14a,15a、被支持部14b,15bおよび結合部14cがそれぞれ成形されて、図2に示されるように、切欠部 26 により分断されないネジ山 12 1 , 12 2 が成形されたウォーム10が製造される。
【0044】
次に、前述のように構成された実施例の効果について説明する。
2条のネジ山121,122からなるネジ部11を有するウォーム10において、転造用の素材20のネジ成形部Tのダイス31に対する押し込み抵抗をネジ成形部Tの周方向で均等化するための切欠部26が、中心軸線方向A1でのネジ成形部Tの端部であるテーパ部22に形成されたことにより、ダイス31に対する素材20の押し込み抵抗が、ネジ成形部Tにおいて異なる周方向位置で均等化されて、ネジ部11のどの周方向位置におけるネジ山121,122もほぼ同様の転造量で転造されるので、ネジ山121,122の歯形、ひいてはネジ部11は、仕上げ加工が不要な程度に、歯筋の誤差が少なく、高い精度で成形される。そのため、前記従来技術とは異なり、ネジ部11を仕上がり状態にするための研削加工等の機械加工が不要になって、転造により成形されるウォーム10の製造コストを削減できる。
【0045】
テーパ部22に周方向に渡って形成された切欠部26により、テーパ部22においてダイス31により押し込まれる肉の量が減少するので、転造荷重を小さくすることができ、しかも素材20の押し込み抵抗に基づく反力による生じる前記フレームの撓みも少なくなるので、ネジ部11の精度を一層向上させることができる。
【0046】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
前記実施例では、第1周方向位置における中心軸線方向での山部の数nは、前記実施例では4であったが、2または3または5以上であってもよい。また、ネジ部11は、2条ネジではなく、3条ネジ以上の多条ネジで構成されてもよい。
【0047】
前記実施例では、ネジ成形部Tは大径部21とテーパ部22とから構成されたが、ネジ成形部Tが、大径部21のみからなるものであってもよい。
【0048】
切欠部の形状は、前記実施例における形状に限定されることなく、ネジ山11の形態に応じて、様々な形状とすることができる。例えば、図6(A)に示されるように、ネジ部11(図2参照)の歯底の径が軸部13と同径になるときは、切欠部261の径方向側面261aが小径部23と接するように、前記標準ネジ成形部の外周面から径方向に深く削り取られてもよい。それゆえ、この場合、径方向側面 26 1 a は、素材 20 の径方向でネジ部 11 の歯底よりも中心軸線L寄りに形成されていない。また、図6(B)に示されるように、径方向側面262aが、中心軸線Lと直交する平面での断面が円弧状を呈する切欠部262であってもよい。さらに、図6(C1),(C2)に示されるように、ネジ成形部Tの中心軸線方向A1での1対のテーパ部22a,22bでの切欠部263,264の位置が、互いに周方向でずれていてもよい。その他、切欠部の形状は、ネジ成形部Tにおいて周方向で押し込み抵抗を極力均等化するための適宜形状とすることができる。
【0049】
前記実施例では、調整部は、前記標準ネジ成形部から肉が削り取られた部分である切欠部から構成されたが、前記標準ネジ成形部に肉が付加された部分である突出部から調整部を構成することにより、異なる周方向位置でのダイス31に対する素材20の押し込み抵抗が均等化されてもよい。
【0050】
転造盤は、正転および逆転が可能な1対の丸ダイス以外に、複数の丸ダイスを使用するいかなる転造盤であってもよく、さらに1対の平ダイスを使用する転造盤であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示し、本発明に係る素材を使用して転造により加工されたウォームが使用される電動式パワーステアリング装置の部分平断面図である。
【図2】(A)は、図1のウォームの正面図であり、(B)は(A)のB−B線での拡大された断面図である。
【図3】図2のウォームを製造するための転造用素材を示し、(A)は素材の正面図であり、(B)は(A)のB矢視図であり、(C)は、(A)のC−C線での拡大断面図である。
【図4】 転造盤による図3の素材の転造工程を説明する図であり、(A1)は、正回転するダイスにより転造が開始されるときの概略の様子を示し、(B1)は、逆回転するダイスにより、転造が続けられるときの概略の様子を示し、(C1)は、再度正回転するダイスにより転造が続けられるときの概略の様子を示し、(A2),(B2)および(C2)は、それぞれ、(A1),(B1)および(C1)でのダイスおよび素材の回転方向を示す。
【図5】図3の素材の転造中の様子を説明する模式図であり、(A)は、4山部分を転造しているときのダイスと素材との概念的な部分断面図であり、(B)は、5山部分を転造しているときのダイスと素材との概念的な部分断面図である。
【図6】図3の素材に形成される切欠部の変形例を示すもので、(A)は、第1変形例を示し、図3(C)に相当する断面図であり、(B)は、第2変形例を示し、図3(C)に相当する断面図であり、(C1)は、第3変形例を示し、図3(B)に相当する要部断面図であり、(C2)は、(C)のC2−C2線での断面図である。
【図7】ネジ山の山部の断面積を説明する図である。
【図8】従来技術を示し、(A)はウォームの要部正面図であり、(B)は(A)のB−B線での拡大された断面図である。
【図9】従来技術を示し、ウォームの転造用素材の転造中の様子を説明する図であり、(A1)は、4山部分を転造しているときのダイスと素材との部分断面図であり、(A2)は、転造されたネジ部の歯形と設計歯形とを示し、(B1)は、5山部分を転造しているときのダイスと素材との部分断面図であり、(B2)は、転造されたネジ部の歯形と設計歯形とを示す。
【符号の説明】
1…電動式パワーステアリング装置、2…ギヤボックス、3…電動機、4…ウォームギヤ、5…ウォームホイール、6…出力軸、7…トーションバー、
10…ウォーム、11…ネジ部、121,122…ネジ山、13…軸部、14…基端部、15…先端部、16…緩衝用カラー、17…玉軸受、
20…素材、21…大径部、22…テーパ部、23…小径部、24,25…端部、26,261,262,263,264…切欠部、
30…転造盤、31…ダイス、32…押し当てカラー、
L…中心軸線、A1…中心軸線方向、T…ネジ成形部、A2…回転軸線方向、P1〜P6…周方向位置。
Claims (2)
- ウォームの転造用素材に、
ダイスを使用して転造によりネジ山を有するネジ部が成形されるネジ成形部と、
前記ダイスに対する前記素材の押し込み抵抗を前記ネジ成形部の周方向で均等化するために、前記素材の中心軸線方向での前記ネジ成形部の端部に、前記ネジ山の端部が成形される周方向位置を含む周方向範囲に渡って形成されて、前記ネジ成形部の前記端部の肉の量を減少させる切欠部と
が形成され、
その後、前記切欠部により分断されない前記ネジ山が成形されると共に前記ネジ成形部の前記端部において前記周方向位置に前記ネジ山の前記端部が成形されるように、前記ダイスにより前記ネジ成形部に前記ネジ山が成形されることを特徴とするウォームの製造方法。 - 前記ネジ成形部が転造される前の前記素材において、前記切欠部の径方向側面は、前記素材の径方向で前記ネジ部の歯底よりも前記素材の中心軸線寄りに形成されていないことを特徴とする請求項1記載のウォームの製造方法。
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