JP4514853B2 - 中空ボールネジの製造方法及び該方法で製造された中空ボールネジを装備したステアリング装置 - Google Patents

中空ボールネジの製造方法及び該方法で製造された中空ボールネジを装備したステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄肉鋼管を塑性加工してボールネジ溝を形成するボールネジの製造方法、及び該方法によって製造されたボールネジを装備したステアリング装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ボールネジ及び該ボールネジにボールを介して螺合するボールナットとの組合せは、回転運動を直線運動に変換する変換機構として知られており、例えば自動車用操舵装置等で使用されている。
【0003】
自動車用操舵装置等で使用されるボールネジは、通常、中空鋼管素材の外周面に総型砥石による研削加工や、多刃工具による切削加工を施してボールネジ溝を形成することにより製造するか、あるいは中実棒鋼素材の外周面に転造加工を施してボールネジ溝を形成した後、ガンドリルにより中空孔を形成することにより製造される。
【0004】
しかし、中空鋼管素材を使用する前者の製造方法にあっては総型砥石による研削加工や、多刃工具による切削加工を施すため、加工に非常に手間がかかり、加工時間が長くなって、加工コストの高騰化につながる等の問題がある。
【0005】
また、中実棒鋼素材を使用する後者の製造方法にあっては、ボールネジ溝の加工後に中空孔を形成するために加工時間が長くなって、同様に加工コストの高騰化につながる等の問題がある
さらに上述した両製造方法では、いずれもボールネジ溝のネジ山部分の肉厚が谷部分の肉厚よりも厚くなる一方、中空孔はストレート形状であり、軽量化を図るために、ボールネジ溝に倣うようにボールネジの内周面に螺旋状の窪みを形成するには更に切削加工等を施さなければならない問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、加工時間の短縮、加工コストの低廉化、及び軽量化を図ることができる、中空ボールネジの製造方法及び該中空ボールネジを装備したステアリング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の中空ボールネジの製造方法は、管状素材の周壁部に塑性加工により所定ピッチ、リードのボールネジを形成するボールネジの製造方法にして、内周面にボールネジと同じピッチ、リードの螺旋状凹溝を設けた成形孔を有する外型と、外周面にボールネジ溝と同じピッチ、リードの螺旋状突条を、該螺旋状突条の直径が該内型の一端部から他端部にかけて順次大きくなるように設けた中実棒状の内型とからなる成形用型を準備する工程と、成形用型の外型内に管状素材を配置する工程と、外型内に配置した管状素材内に、内型を回転させつつ圧入することにより、外型の螺旋状凹溝と内型の螺旋状突条との間で管状素材の周壁部を塑性加工して、管状素材の外周面にボールネジ溝を形成する工程とを具備し、管状素材の内周面には、外周面に形成したボールネジ溝に倣った螺旋状凹凸が形成されることを特徴とする。
【0008】
前記製造方法において、管状素材が内型によって外型内部で回転しないように周り止めを施す工程を設けることが好ましい。
また、内型の螺旋状突条部分の直径を、該内型の一端部から他端部にかけて順次大きくなるように形成すれば、塑性加工の進行に伴って徐々に管状素材の周壁部に塑性加工力が作用するようになり、螺旋状突条と螺旋状凹溝との間で該周壁部をスムーズに塑性加工を施すことが可能となる。更に、内型の螺旋状突条部分の軸線方向に沿った長さを、内型の一端部から他端部にかけて順次長くなるように形成すれば、さらにスムーズに塑性加工することが可能となる。
【0009】
なお、内型の前記螺旋状突条部分の直径を変化させずに、軸線方向に沿った長さを、内型の先端部から基端部にかけて順次長くなるように形成した場合でも塑性加工時に管状素材の周壁部に無理な力がかからず、螺旋状凹溝と螺旋状突条との間で管状素材の周壁部をスムーズに塑性加工することが可能となる。
【0010】
また、外型の成形孔の内周面にボールネジ溝と同じピッチ、リードの螺旋状凹溝を設ける代わりに螺旋状突条を設け、一方、内型の外周面にボールネジ溝と同じピッチ、リードの螺旋状突条を設ける代わりに螺旋状凹溝を設けた成形用型を使用して、外型の螺旋状突条と内型の螺旋状凹溝との間で管状素材の周壁部を塑性加工して、管状素材の外周面にボールネジ溝を形成するようにしてもよい。
【0011】
また、上記目的を達成する本発明のステアリング装置は、ボールネジと該ボールネジにボールを介して螺合するボールナットを備え、ハンドル軸の回転をギヤ伝達系を介して直線運動に変換し、車輪を操舵するステアリング装置にして、ボールネジは、上述した方法によって製造された中空ボールネジであることを特徴とする。
【0012】
ボールネジの軸線方向一端に、前記ハンドル軸により操作されるピニオンが噛合するラックバーが連結され、前記ボールナットは、電動モータで回転駆動されるようにすると、パワーステアリング効果を得ることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例について添付図面を参照して説明する。
図1乃至図5に本発明の中空ボールネジの製造方法の一実施例を示す。図1は外型内に管状素材である鋼管を設置した過程を説明するための、半截断面図、図2は図1の鋼管内に内型を回転させつつ圧入させる過程を説明するための、半截断面図、図3は鋼管内に内型を通過させた過程を説明するための、半截断面図、図4は内型を鋼管から抜き出した状態を説明するための、半截断面図、図5は塑性加工後の鋼管を外型、内型から完全に抜き出した状態を説明するための、半截断面図である。
【0014】
本実施例の中空ボールネジの製造方法によれば、図1に示すように、製造されるボールネジ30(図7参照)と同じピッチ(リード)Pの螺旋状凹溝11を内周面に形成した成形孔12を有する外型13と、ボールネジ30と同じピッチ(リード)Pの螺旋状突条14を外周面に形成した中実棒状のマンドレル(内型)15とからなる成形用型10が使用される。
【0015】
外型13は、例えば合金工具鋼からなり、塑性加工後のボールネジ30を抜き出し易くするために例えば2つ割型に形成される。成形孔12は外型13の軸線方向に貫通して形成され、螺旋状凹溝11は成形孔12の内周面に成形孔12の軸線方向一端から他端に向けて連続して形成される。
【0016】
マンドレル(内型)15は、例えば合金工具鋼からなり、その外周面に螺旋状突条14が形成される。図1に示すように、螺旋状突条14の部分の直径は、若干ではあるが、マンドレル15の先端部側で本来の直径よりも小さく、先端部側から離れるにしたがって順次大きなり、最終的に本来の直径となるように形成される。すなわち、螺旋状突条14は、最小直径の螺旋状突条14a部分(マンドレル15のベース部分から高さh1だけ高く設定された部分)と、この螺旋状突条14aよりも直径が若干大きい螺旋状突条14b部分(マンドレル15のベース部分から高さh2だけ高く設定された部分)と、最大直径を有する螺旋状突条14c部分(マンドレル15のベース部分から高さh3だけ高く設定された部分であって、本来の直径を有する部分)とからなり、螺旋状突条14a部分と螺旋状突条14b部分とで予備的に塑性加工をしてから、螺旋状突条14c部分で仕上げるようにしてある。なお、螺旋状突条14部分(14a、14b、14c)の軸線方向の長さW(W1、W2、W3)を、若干ではあるが、マンドレル15の先端部側で短く、先端部側から離れるにしたがって順次長くなるように形成することも可能である。この場合、螺旋状突条14間にある溝16の幅を変化させるだけであって、螺旋状突条14のピッチ(リード)Pについては製造するボールネジ30と同じピッチ(リード)である。マンドレル15は、外型13の他端側(図1の右側)に、外型13と同心軸状に配置され、図示しない駆動装置によって正逆回転駆動されつつ軸線方向に移動させられる。マンドレル15を1正回転させると、マンドレル15は螺旋状突条14の1ピッチ分前進し、1逆回転させると、マンドレル15は螺旋状突条14の1ピッチ分後退する。
【0017】
外型13とマンドレル15とは、図示しない駆動装置によりマンドレル15が回転して前進するとき、外型13の螺旋状凹溝11内にマンドレル15の螺旋状突条14が位置するように(外型13の螺旋状凹溝11間の突起19がマンドレル15の螺旋状突条14間の溝16内に位置するように)位置決めされる(図2のX-Y線参照)。
【0018】
外型13の成形孔12の軸線方向一端側(図1の左側)には、円筒状のストッパー部材17が配置される。このストッパー部材17には、成形孔12内の管状素材である鋼管20の一端面と対向する先端面に突起17aが複数個(本実施例では4個)設けられており、これら突起17aが鋼管20の一端面に係止して、塑性加工中にマンドレル15から受ける回転モーメントにより鋼管20が回転するのを防止する。ストッパー部材17の内径は、マンドレル15の最大直径部分(マンドレル15に形成された螺旋状突条14のうち最大の直径を有する部分14c)よりも僅かに大きく設定され、塑性加工後、マンドレル15の螺旋状突条14がストッパー部材17内に進入するのを許容するようにしてある。
【0019】
なお、図6に示すように、管状素材である鋼管20として図1に示すものよりも長いものを使用し、成形孔12から突出した鋼管20の端部を把持具18により把持して、塑性加工中にマンドレル15から受ける回転モーメントにより鋼管20が回転するのを防止するようにしてもよい。
【0020】
また、外型13の成形孔12の内周面に、螺旋状凹溝11の代わりにボールネジ30と同じピッチ(リード)Pの螺旋状突条を形成し、またマンドレル15の外周面に、螺旋状突条14の代わりにボールネジ30と同じピッチ(リード)Pの螺旋状凹溝を形成した、成形用型10を使用してもよい。
【0021】
ボールネジ30を製造するには、外型13の成形孔12内に、鋼管20を、螺旋状凹溝11間の突起19上に載るようにして配置する(図1参照)。これにより、鋼管20は外型13に対して同心軸上に配置されることになる。そして、ストッパー部材17により鋼管20が塑性加工中に回転しないようにする。
【0022】
次いで、外型13の螺旋状凹溝11と対応する箇所にマンドレル15の螺旋状突条14が位置するように、マンドレル15の外型13に対する設置位置を調整して位置決めをする。
【0023】
この後、図示しない駆動装置を作動させてマンドレル15を正回転させつつ鋼管20の他端開口部(図1の右側)から鋼管20内に押し込み、外型13の螺旋状凹溝11とマンドレル15の螺旋状突条14とにより、鋼管20の周壁部を塑性加工して、鋼管20の外周面にボールネジ溝31を形成する(図2参照)。このときマンドレル15が鋼管20の他端開口部から進入すると、まずマンドレル15の最小直径の螺旋状突条14a部分により鋼管20の周壁部を予備的に塑性加工をし、次いで螺旋状突条14b部分により更に予備的に塑性加工をし、最後に本来の直径を有する螺旋状突条14c部分により仕上げ塑性加工をする。螺旋状突条14c部分が鋼管20内を通過して鋼管20の一端開口部から抜け出るまでマンドレル15を正回転させた後(図3参照)、マンドレル15を逆回転させて後退させ、鋼管20の一端開口部から抜き出す。このとき、螺旋状突条14c部分が鋼管20の一端開口部から鋼管20内に進入し、次いでこれよりも直径の小さい螺旋状突条14b部分、最後に最小直径を有する螺旋状突条14a部分が鋼管20を内に進入して再度塑性加工を施しながら、鋼管20の他端端開口部から抜け出る。鋼管20の内周面には、外周面に形成したボールネジ溝31に倣った螺旋状凹凸32が形成される。
【0024】
図7は以上のようにして製造されたボールネジ30を示しており、このボールネジ30は、外周面にボールネジ溝31が形成され、内周面にボールネジ溝31に倣った螺旋状凹凸32が形成されて、ボールネジ溝31のネジ山部分と谷部分の肉厚が略等しく、すなわちボールネジ30全体の肉厚t(図5参照)が略均一となって、軽量化を図ることができる。
【0025】
上記実施例によれば、外型13とマンドレル15とを使用して鋼管20を塑性加工することにより製造しているので、軽量化を目的としたボールネジを短時間で効率よく製造することが可能となる。
【0026】
また、先ず、外型13の螺旋状凹溝11と、マンドレル15の最小直径の螺旋状突条14a部分とにより鋼管20の周壁部を予備的に塑性加工をし、次いで、螺旋状凹溝11と、螺旋状突条14b部分とにより更に進んで予備的に塑性加工をし、最後に、螺旋状凹溝11と、本来の直径を有する螺旋状突条14c部分とにより仕上げ塑性加工するようにしているので(一度に塑性加工をするのではなく、3段階に分けて塑性加工をして最終製品に仕上げるようにしているので)、鋼管20の周壁部に過大な負荷がかからず、該周壁部に亀裂、しわ等が生じることなく、スムーズに塑性加工が行える。また、外型13、マンドレル15にも過大な負荷がかからず、金型の寿命が長い等の副次的効果もある。
【0027】
図8及び図9はマンドレルの変形例を示す半截断面図である。
この変形例によれば、マンドレル15を、最小直径の螺旋状突条14a部分を設けた第1マンドレル部材(第1内型部材)15a(図8参照)と、最小直径の螺旋状突条14aよりも若干直径の大きい螺旋状突条14b部分と本来の直径を有する螺旋状突条14c部分を設けた第2マンドレル部材(第2内型部材)15b(図9参照)とに分割して構成している。
【0028】
先ず、第1マンドレル部材15aを図示しない駆動装置により正回転させつつ鋼管20の他端開口部から鋼管20内に押し込んで、外型13の螺旋状凹溝11と螺旋状突条14aとにより、鋼管20の周壁部を予備的に塑性加工をする。次いで、図示しない駆動装置に第2マンドレル15bを装着し、同様に正回転させつつ鋼管20の他端開口部から鋼管20内に押し込んで、外型13の螺旋状凹溝11と螺旋状突条14bとaとにより、鋼管20の周壁部をさらに進んだ予備的な塑性加工と仕上げ塑性加工をしてボールネジ30を製造する。
【0029】
マンドレル15の分割個数は2個に限定されず、必要に応じて分割個数を2個以上にすることができる。
上記変形例のようにマンドレル15を複数のマンドレル部材に分割して構成すると、塑性加工時に個々のマンドレル部材を駆動するのに必要な駆動推力、駆動トルクは分割しない場合に比して小さくすることが可能である。
【0030】
図10は、上記実施例の方法により製造された中空ボールネジ30を装備してなるパワーステアリング装置の概略図である。
このパワーステアリング装置は、外周面に軸線方向に沿ってラック歯列41が形成された中空ラックバー40と、該中空ラックバー40の軸線方向一端に連結され、上記実施例の方法により製造された中空ボールネジ30とを具備する。ラック歯列41には、ハンドル軸(ステアリングシャフト)42に固定されたピニオン43が噛合する。ボールネジ溝31には、ボール33を介してボールナット34が螺合する。ボールナット34の外周面には歯35が形成され、該歯35には中間歯車36を介して電動モータ37の駆動歯車38が連結される。
【0031】
ステアリング操作時に、電動モータ37が作動し、駆動歯車38の回転が中間歯車36を介してボールナット34に伝達され、該ボールナット34が回転して中空ボールネジ30、ラックバー40をステアリング方向(図10の矢印方向)に移動させて、パワーステアリング効果を得る。
【0032】
上記パワーステアリング装置は、中空ラックバー40と中空ボールネジ30を使用しているので、軽量化を図ることができ、また中空ボールネジ30の製造が容易で、コストダウンを図ることが可能となる上に、バッテリを電源とする電動モータ37を使用しているので、油圧式のパワーシリンダ装置の如く、複雑な油圧回路を必要とせず、構造が簡単で、組立性に優れ、またエンジン馬力を必要とせず、パワーステアリングを駆動するためにエンジン出力が低下するおそれもない。
【0033】
なお、上記実施例の方法により製造された中空ボールネジ30を装備したステアリング装置としては図10に示す装置に限定されず、例えばボールナットの外周面に、軸線方向に沿ってラック歯を形成し、該ラック歯にセクタシャフトに設けたセクタギヤを噛合し、ボールナットの往復動に伴ってセクタギヤ(セクタシャフト)を回転させて車輪を旋回させるタイプのステアリング装置にも装備することが出来る。
【0034】
上記実施例では、ステアリング装置のボールネジで一般的に使用される鋼材からなる管状素材を塑性加工する場合について説明したが、これに限定されず、非鉄金属、プラスチック等、塑性加工可能なあらゆる材料からなる管状素材に適用することが出来る。
【0035】
本発明の中空ボールネジの製造方法は、上述したステアリング装置のボールネジ以外に、例えばNC機械のボールネジを製造する場合は勿論のこと、比較的肉厚の薄いパイプの外周面にネジ溝を形成する場合にも適用することが出来る。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の中空ボールネジの製造方法によれば、内周面に螺旋状凹溝を設けた成形孔を有する外型と、外周面に螺旋状突条を設けた中実棒状の内型とからなる成形用型を使用し、外型の螺旋状凹溝と内型の螺旋状突条との間で管状素材の周壁部を塑性加工して、管状素材の外周面にボールネジ溝を形成するので、ボールネジの外周面にボールネジ溝を形成すると同時に、ボールネジの内周面にボールネジ溝に倣うように螺旋状凹凸が形成され、ボールネジの外周面にボールネジ溝を形成した後に、ボールネジの内周面に切削加工等を施さなくても済み、加工時間の短縮、加工コストの低廉化、及び軽量化を図ることができる。
【0037】
また、本発明のパワーステアリング装置によれば、本発明の方法によって製造された中空ボールネジを使用するので、軽量化を図ることができ、また中空ボールネジの製造が容易であることから、コストダウンを図ることが可能となる。また、中空ボールネジの一端に、ハンドル軸により操作されるピニオンが噛合するラックバーを連結し、中空ボールネジにボールを介して螺合するボールナットを電動モータで駆動するようにした場合には、パワーステアリング効果が得られ、パワーステアリングを駆動するためにエンジン出力が低下するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】外型内に管状素材である鋼管を設置した過程を説明するための、半截断面図である。
【図2】図1の鋼管内に内型を回転させつつ圧入させる過程を説明するための、半截断面図である。
【図3】鋼管内に内型を通過させた過程を説明するための、半截断面図である。
【図4】内型を鋼管から抜き出した状態を説明するための、半截断面図である。
【図5】塑性加工後の鋼管を外型、内型から完全に抜き出した状態を説明するための、半截断面図である。
【図6】ストッパー部材の変形例を示す、半截断面図である。
【図7】本発明の方法によって製造されたボールネジ全体を示す斜視図である。
【図8】マンドレルの変形例を示す、部分半截断面図である。
【図9】マンドレルの変形例を示す、部分半截断面図である。
【図10】本発明の方法によって製造されたボールネジを使用したパワーステアリング装置の概略図である。
【符号の説明】
10 成形用型
11 螺旋状凹溝
12 成形孔
13 外型
14 螺旋状突条
15 内型(マンドレル)
15a 第1内型部材(第1マンドレル部材)
15b 第2内型部材(第2マンドレル部材)
17 ストッパー部材
20 管状素材(鋼管)
30 ボールネジ
31 ボールネジ溝
32 螺旋状凹凸
34 ボールナット
37 電動モータ
40 ラックバー

Claims (9)

  1. 管状素材の周壁部に塑性加工によりボールネジ溝を形成する中空ボールネジの製造方法にして、
    内周面に前記ボールネジと同じピッチ、リードの螺旋状凹溝を設けた成形孔を有する外型と、外周面に前記ボールネジと同じピッチ、リードの螺旋状突条を、該螺旋状突条の直径が該内型の一端部から他端部にかけて順次大きくなるように設けた中実棒状の内型とからなる成形用型を準備する工程と、
    前記外型の成形孔内に管状素材を配置する工程と、
    前記外型内に配置した前記管状素材内に、前記内型を回転させつつ圧入することにより、前記外型の螺旋状凹溝と前記内型の螺旋状突条との間で前記管状素材の周壁部を塑性加工して、前記管状素材の外周面に前記ボールネジ溝を形成する工程とを具備し、
    前記管状素材の内周面には、前記外周面に形成したボールネジ溝によって螺旋状凹凸が形成されることを特徴とする中空ボールネジの製造方法。
  2. 請求項1に記載の中空ボールネジの製造方法にして、
    前記管状素材が前記内型によって前記成形孔の内部で回転しないように周り止めを施す工程をさらに含むことを特徴とする中空ボールネジの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の中空ボールネジの製造方法にして、
    前記内型の前記螺旋状突条の軸線方向に沿った長さを、該内型の一端部から他端部にかけて順次長くなるように形成してなることを特徴とする中空ボールネジの製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の中空ボールネジの製造方法にして、
    前記内型として複数の内型部材を用い、該内型部材を、順次、前記管状素材内に回転させつつ圧入することにより前記螺旋状凹溝と前記螺旋状突条との間で前記管状素材の周壁部を塑性加工することで、予備的な塑性加工と仕上げの塑性加工を順次行うことを特徴とする中空ボールネジの製造方法。
  5. 請求項4に記載の中空ボールネジの製造方法にして、
    前記内型を、前記螺旋状突条部分の直径が最も小さい部分からなる第1内型部材と、それ以外の部分からなる第2内型部材とに分割して構成し、第1内型部材を前記管状素材内に回転させつつ圧入して前記螺旋状凹溝と前記螺旋状突条との間で前記管状素材の周壁部を予備的に塑性加工をし、次いで第2内型部材を前記管状素材内に回転させつつ圧入することにより前記螺旋状凹溝と前記螺旋状突条との間で前記管状素材の周壁部を仕上げ塑性加工をすることを特徴とする中空ボールネジの製造方法。
  6. 管状素材の周壁部に塑性加工によりボールネジ溝を形成する中空ボールネジの製造方法にして、
    内周面に前記ボールネジと同じピッチ、リードの螺旋状突条を、該螺旋状突条の直径が該外型の一端部から他端部にかけて順次大きくなるように設けた成形孔を有する外型と、外周面に前記ボールネジと同じピッチ、リードの螺旋状凹溝を設けた中実棒状の内型とからなる成形用型を準備する工程と、
    前記外型の成形孔内に管状素材を配置する工程と、
    前記外型内に配置した前記管状素材内に、前記内型を回転させつつ圧入することにより、前記外型の螺旋状突条と前記内型の螺旋状凹溝との間で前記管状素材の周壁部を塑性加工して、前記管状素材の外周面に前記ボールネジ溝を形成する工程とを具備し、
    前記管状素材の内周面には、前記外周面に形成したボールネジ溝によって螺旋状凹凸が形成されることを特徴とする中空ボールネジの製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の中空ボールネジの製造方法にして、
    前記管状素材が薄肉鋼管であることを特徴とするボールネジの製造方法。
  8. ボールネジと該ボールネジにボールを介して螺合するボールナットを備え、ハンドル軸の回転をギヤ伝達系を介して直線運動に変換し、車輪を操舵するステアリング装置にして、
    前記ボールネジは、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法によって製造された中空ボールネジであることを特徴とするステアリング装置。
  9. 請求項8に記載のステアリング装置にして、
    前記ボールネジの軸線方向一端に、前記ハンドル軸により操作されるピニオンが噛合するラックバーが連結され、前記ボールナットは、電動モータで回転駆動されることを特徴とするステアリング装置。
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