JP2001031917A - 感圧接着シート及びその製造方法 - Google Patents

感圧接着シート及びその製造方法

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JP2001031917A JP11189081A JP18908199A JP2001031917A JP 2001031917 A JP2001031917 A JP 2001031917A JP 11189081 A JP11189081 A JP 11189081A JP 18908199 A JP18908199 A JP 18908199A JP 2001031917 A JP2001031917 A JP 2001031917A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性の悪いフッ素系材料基材と粘着剤との
間の接着性を簡単な方法で向上させること。 【解決手段】 粘着剤をコーティングしたフッ素系材料
基材に電子線を照射すると、基材と粘着剤との間に化学
結合を形成する。また、粘着剤を重合硬化させると共に
基材を架橋させることも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感圧接着シート及
びその製造方法に関する。より具体的には、フッ素系材
料シート上に、例えばアクリル系、シリコーン系、フッ
素系などの感圧接着剤(粘着剤)層が形成された粘着剤
付き接着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素含有材料、例えば、Dyneon
TM THV(Dyneon社製 Tetrafluoroethylene, Hexafl
uoropropylenと Vinylidene fluorideの3元共重合体)
やPVDF(polyvinylidene fluoride )などは炭化水
素系材料にはない優れた特性を有しており工業的に非常
に重要な位置を占める。例えば、看板、反射材や太陽電
池等の表面保護材料、特に屋外用途に適している。それ
らは、化学的に安定で、耐候性に優れ、熱安定性が高い
などの特性によるものである。
【0003】しかし、それらの材料ははめ込んだり、ネ
ジ止めしたりするなどの部品として単独で使われる場合
もあるが、一般的に高価であることもあり他の材料と組
み合わせ(積層や被覆など)、機能性を向上させた複合
材料として使われることが多い。それらの複合材料とし
ての用途として、例えば、塗装代替フィルムや看板の保
護フィルムなどが期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、元来、フッ素
系材料の低表面エネルギーのために、異種材料、例え
ば、粘着剤や接着剤との接着性に極めて乏しい。それ
故、今迄に接着性を向上させる多様な方法が検討されて
きた。それらの方法を簡単に分類すると、1)接着性の
乏しいフッ素系材料を既存の炭化水素材料(接着剤)に
接着する様に変性する方法、2)感圧接着剤や接着剤を
接着性の乏しい材料に接着する様に変性する方法、ある
いは3)それら異種材料間に何か特殊な接着層を導入す
る方法とに大別されるであろう。具体的には、1)の場
合には、フッ化炭素材料の表面処理として火炎処理やコ
ロナ処理(米国特許第3133854号の例10)など
の乾式処理、アルカリ溶液、液体アンモニアとナトリウ
ムの組合せ、金属ナトリウム−ナフタレン・テトラヒド
ロフラン錯体溶液の組合せなどの湿式処理(米国特許第
3133854号及び同4,740,562号、特開昭
61−7337号公報)がある。あるいは、フッ素ポリ
マー全体を変性(例えばポリマーブレンドや脱フッ化水
素化など(米国特許第4,230,768号))するこ
とによって異種材料との接着性を向上させる方法が提案
されている。2)の場合には、ヤギらは特開平3−16
3182号公報でアクリルモノマーに含フッ素モノマー
を溶解、硬化させ、アクリルポリマーとフッ素ポリマー
とのIPNスタイルの接着剤に関して、ウサミらは特開
昭61−31411号公報において比較的相溶性の良い
アクリルモノマー又はオリゴマーとフッ素ゴムとの混合
による接着剤に関して、 Kumarらは、フッ化アクリルシ
ロキサンを有するアクリル系粘着剤に関して(米国特許
第5482991号)、その有効性を述べている。理論
的研究として、Paciorekらによってフッ化ビニリデンを
含むフッ素ポリマー、ここでは、PVDFが、脱HFの
後にアミンと反応することがJ. Polym. Sci. 45. 405-4
13 (1960)に報告されている。 Schonhornらは、PVD
Fがジアミン硬化剤を含むエポキシ樹脂と反応すること
を J. Adhesion Sci. Technol., 4. 277 (1989)で報告
している。3)の場合には2)の場合と明確に区別する
ことは難しいが、2種以上のポリマー混合物を用いる方
法も結合層として異種材料の接着性を向上させる方法と
して報告されている。欧州特許EP−0523644に
おいて、川島らはフッ素ポリマーとポリアミド樹脂の組
合せによる接着性の向上を提唱している。工業的に有用
な一つの応用例として、特開平2−28239号公報に
記載されたデンカ社のDenka DXフィルムがあ
る。これは基本的には混合比の異なる二層を溶融共押出
することによって作成されたフィルムである。例えば、
外側の層はPVDF/PMMA=80/20の組成から
成り、内側の層はPVDF/PMMA=20/80の組
成から成る。最終的にはPMMA成分(ポリメタクリル
酸メチル)が多く極性の高い内側の層の上に粘着剤が塗
布される。
【0005】次に、本発明の最も重要な点は、電子線照
射によるセルフ・プライミングにある。ここでは、本発
明の最も重要な点であるセルフ・プライミングに関連し
た従来技術を説明する。電子線照射がポリエチレンなど
の高分子を架橋し、耐熱性を向上させることは良く知ら
れている。例えば次の文献を参照されたい。Modern flu
oropolymers, edited by John Scheirs, John Wiley &
Sons, New York (1997) 。また、マクウチらは、 J. Po
ly. Sci., Poly. Chem. Ed., 14, 617-625 (1976)の中
で、ポリフッ化ビニリデンに電子線照射を行うと、ラジ
カルが発生し、それらが架橋構造を形成することを示唆
している。
【0006】L. Sidneyらは、特開平2−209928
号公報と国際学会での発表(Proceedings of Rad Tech
Asia '91, Osaka, Japan, April 15-18, 1991 )の中
で、電子線照射によって、フッ素ゴムが多官能アクリレ
ート、例えば、トリメチルプロパンアクリレート(TM
PTA)によって架橋されること、そして、TMPTA
重合体がフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン
の共重合体の主鎖にグラフトすることを示唆している。
早味らは特開平8−245850号公報において、電子
線照射によってTMPTAやトリアリルイソシアネート
(TAIC)などの架橋助剤がTHVなどの熱特性を向
上させることを述べている。
【0007】一方、電子線照射は粘着剤、接着剤を架橋
させる手段としても知られている、米国特許第2956
904号では、Hendriksは、ゴム系粘着剤が電子線照射
により架橋することが報告されている。米国特許第52
66400号では、 Yarussoらは、電子線に対して崩壊
しやすい紙(セルロース)や、ポリプロピレンやポリテ
トラフルオロエチレン上でゴム系粘着剤を架橋するため
に、加速電圧を低くする方法を開示している。しかし、
電子線が基材に作用する程度に加速電圧を高くすると基
材は崩壊する。
【0008】米国特許第5209971号では、Babuら
は、ポリオレフィン系粘着剤に電子線を照射し、粘着剤
を架橋させ凝集力や耐熱性を向上させることを開示して
いる。米国特許第4563388号では、Bonkらは、ポ
リオレフィン系フィルム材料上にぬったアクリル系粘着
剤に電子線を照射することにより、界面での接着性が向
上することを報告している。同様に、特開昭63−15
0330号公報では、森らがアクリル系モノマーを介し
てポリオレフィンフィルムと金属板を積層し、電子線照
射することにより、ポリオレフィンとアクリル材料との
接着性を向上させることを提示している。米国特許第3
252880号の例8では、 Magatらが、テフロン板を
アクリルモノマー中に浸漬し、γ−線を3日間当てるこ
とにより、テフロン板表面に、アクリロニトリルポリマ
ーをグラフトさせ表面にタックがあったことを示してい
る。しかし、ポリアクリロニトリル単独でのTgは約1
00℃であり、これは粘着剤としては有効ではない。
【0009】その他、電子線による界面接着性に関する
報告をまとめると、特開平3−250034号公報は、
「プラスチック基材上にポリフッ素化基含有モノマーに
オリゴマー又はポリマーを添加したコーティング溶液を
用いかつ電子線照射してプラスチック基材上に含フッ素
ポリマー層を形成する方法」を提案している。その方法
は、0.1〜30重量%のオリゴマー(モノマーの中に
溶解または分散される)をポリフッ化基を持つ電子線重
合可能なモノマーに加え、そのモノマー溶液をプラスチ
ック表面にコーティングし、0.5〜20Mradの電子線
で、そのモノマーを重合硬化させるものである。この発
明の特徴は、ポリフッ化基からなる薄いポリマーフィル
ムが、プラスチックの表面上でフレオン溶剤を含まず、
短時間で良い接着性を有し形成されることにある。
【0010】J. Kelberらは、米国特許第703603
9号及び同第4861408号にポリマー薄膜の表面を
高真空中で低エネルギー電子線で照射して基材との接着
性を向上させる方法を提案している。これは、ポリマー
表面、例えばPTFEの非常に表面近傍(50〜100
00Å)を低エネルギー電子線照射(100〜1000
0eV)、かつ、高真空(10-8Torr)で処理することに
より、基材表面の炭素−フッ素結合からフッ素を除去し
て、炭素−炭素、炭素−酸素などの結合に変換して、種
々の材料に対する接着性を向上させる方法である。処理
後のフィルムは真ちゅう、銅や鋼鉄表面に一般的な接着
剤を使用して接着可能である。
【0011】J. Evansらは、米国特許第4533566
号にシリコーン剥離ライナー用基材としてのポリエステ
ルフィルムを電子線照射して接着性を向上させることを
提案している。彼らは、剥離ライナーの製造に関して、
柔軟なポリエステル・フィルム上に、シリコーンの薄い
層を接着する方法を提唱している。つまり、酸素濃度が
500ppm 望ましくは40ppm 以下の雰囲気中を、ポリ
エステルフィルムが連続的に流れる中で、そのフィルム
が少なくとも2Mrad、望ましくは2〜20Mrad、さらに
望ましくは5〜10Mradの電子線照射に曝され、フィル
ムの表面に薄いシリコーンの層が形成される。
【0012】しかし、フッ素系材料と粘着剤との接着性
については、十分な接着性が得られないか、あるいはそ
れを実現するための工程が複雑であったり、コストが高
いなどの問題があり、よりシンプルな方法でフッ素系材
料と粘着剤との十分な接着性を提供する方法が求められ
ている。以上は、フッ素系材料と粘着剤との接着性につ
いて述べたが、フッ素系材料と中間層を介して粘着剤を
接着する場合にフッ素系材料と中間層との接着性につい
ても全く同様のことがいえる。例えば、フッ素系材料の
表面に中間層としてプライマー層あるいは樹脂印刷層を
形成することは困難である。
【0013】東レはフッ素樹脂フィルムを基材とする一
連の発明を開示しているが、その中で、特開平10−5
8617号公報は、フッ素樹脂フィルムの一方の面に防
汚層、他方の面に粘着層を設けた補修用シートを開示し
ている。フッ素樹脂フィルムと防汚層や粘着層等との接
着は表面処理や下塗り処理によって促進されている。フ
ッ素樹脂フィルムと粘着層の間に紫外線吸収層を設け、
この紫外線吸収層に架橋剤を添加するとき、加熱、紫外
線、電子線等で架橋可能である。しかし、フッ素樹脂フ
ィルムと紫外線吸収層の間の接着は表面処理や下塗り処
理によって促進されるものである。
【0014】なお、特開平4−146129号公報は、
金属の表面に、インキ樹脂組成物によって形成された印
刷層を有するフッ素系樹脂フィルムが熱融着されてなる
樹脂被覆金属を形成するために、このインキ樹脂組成物
をエネルギー線硬化型樹脂で構成することを記載してい
る。この印刷層を有するフッ素系樹脂フィルムは、感圧
接着シートではなく、熱融着によって金属基材に接着さ
れるものである。
【0015】また、特開平5−8353号公報は、車両
用燃料配管等として好適な樹脂チューブとして、ポリア
ミド樹脂外側層とフッ素樹脂内側層を有する樹脂チュー
ブに放射線架橋して架橋構造を導入することが提案され
ている。これは二重押出樹脂製品であり、感圧接着シー
トである本発明とは異なる。以上の如き従来技術の現状
から、より簡単な方法でフッ素系材料シートに、中間層
の有無にかかわらず、粘着剤層を十分な接着性を持って
形成する方法を提供することが求められている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、表面処理や特殊な接着剤を必要としな
い、フッ素系粘着シート形成法に関する。本発明では、
接着性に乏しいフッ素系材料シートと粘着剤(例えばア
クリル系やオレフィン系)を含む多層構造材料を形成す
る方法とそれにより得られる粘着シートに関連する。
【0017】本発明の方法の基本は、粘着剤(モノマ
ー、シロップ、オリゴマーまたは重合物のホット・メル
トや重合物溶液、水性ディパージョン)又は中間層材料
を基材シート上にコーティング又は積層し、電子線照射
を行うことにある。電子線照射により、粘着剤成分は重
合(架橋)し、粘着剤分子のラジカルと基材分子のラジ
カルとが反応することにより、本来、接着性が非常に低
い両層の間に強固な化学結合が形成され、さらには、基
材シートを架橋させることも可能である。
【0018】本発明による粘着シートの構造は、フッ素
系材料シート上に粘着剤層又は中間層を形成するため
に、従来の様に、両層の間に接着層を用いたり、フッ素
系材料の表面を特別に処理する必要は全くない。粘着剤
の重合(架橋)と異種材料界面での反応は極めて重要な
要素であるが、基材シートの架橋に関しては、電子線の
強度に対応して、シート全体を架橋させることも可能で
あるし、粘着剤との界面付近の基材部分だけを架橋させ
ることも可能である。しかし、中には電子線で分子結合
が崩壊する材料もあるため、その点には注意を要する。
【0019】こうして、本発明によれば、下記が提供さ
れる。 (1)電子線崩壊性でないフッ素系材料シートを基材と
し、中間層を有し又は有さずに、外側表面に感圧接着剤
層を有する感圧接着シートであって、前記フッ素系材料
シートが、前記フッ素系材料シートと直接に接触する感
圧接着剤層又は中間層との間に、少なくとも前記フッ素
系材料シートに電子線照射して形成された化学結合を有
していることを特徴とする感圧接着シート。
【0020】(2)前記フッ素系材料シートが電子線照
射で架橋された重合体を含む(1)に記載の感圧接着シ
ート。 (3)前記感圧接着剤層が電子線照射で架橋された感圧
接着剤を含む(1)又は(2)に記載の感圧接着シー
ト。 (4)前記フッ素系材料シートがフッ素を10重量%以
上含む(1)〜(3)に記載の感圧接着シート。
【0021】(5)前記感圧接着シートが透明である
(1)〜(4)に記載の感圧接着シート。 (6)前記感圧接着シートが保護フィルムである(1)
〜(5)に記載の感圧接着シート。 (7)電子線崩壊性でないフッ素系材料シートを基材と
し、中間層を有し又は有さずに、外側表面に感圧接着剤
層を有する感圧接着シートの製造方法であって、電子線
崩壊性でないフッ素系材料シート表面に感圧接着剤層又
は中間層をコーティングし、そしてコーティングされた
前記フッ素系材料シートに電子線を照射して前記感圧接
着剤層又は中間層と前記フッ素系材料シートとの間に化
学結合を形成する工程を含むを特徴とする感圧接着シー
トの製造方法。
【0022】(8)電子線崩壊性でないフッ素系材料シ
ートを基材とし、中間層を有し又は有さずに、外側表面
に感圧接着剤層を有する感圧接着シートの製造方法であ
って、電子線崩壊性でないフッ素系材料シート表面に電
子線を照射した後、前記フッ素系材料シート表面に感圧
接着剤層又は中間層をコーティングして、前記フッ素系
材料シートと前記感圧接着剤層又は中間層との間に化学
結合を形成させる工程を含むことを特徴とする感圧接着
シートの製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の感圧接着シートの基材に
用いるフッ素系材料(即ち、含フッ素材料又はフッ素化
材料)としては、例えば、フッ化炭素の単独重合体、共
重合体、及びそれら(同志)のブレンド物や非フッ素系
材料とのブレンド物などであることができる。
【0024】有用な含フッ素モノマーとしては、ヘキサ
フルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレ
ン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTF
E)、2−クロロペンタフルオロプロピレン、ペルフル
オロアルキルビニルエーテル、例えば、CF3 OCF=
CF2 又はCF3 CF2 OCF=CF2 、1−ヒドロペ
ンタフルオロプロピレン、2−ヒドロペンタフルオロプ
ロペン、ジクロロジフルオロエチレン、トリフルオロエ
チレン、1,1−ジクロロフルオロエチレン、ビニルフ
ルオリド、およびペルフルオロ−1,3−ジオキサンな
どがある(米国特許第4,558,142号参照)。含
フッ素ジオレフィンにも有用なものがあり、例えば、ペ
ルフルオロジアリルエーテル、ペルフルオロ−1,3−
ブタンジエンがある。上記の含フッ素モノマーはフッ素
不含末端不飽和モノオレフィンコモノマー、例えば、エ
チレン又はプロピレンと共重合させてもよい。重合体混
合物中の全モノマーの少なくとも50重量%が含フッ素
モノマーであることが好ましい。上記の含フッ素モノマ
ーはヨウ素又は臭素含有硬化部位モノマーと共重合して
過酸化物硬化性重合体を調製することができる。適当な
硬化部位モノマーには末端不飽和の炭素原子数2〜4個
のモノオレフィン、例えばブロモジフルオロエチレン、
ブロモトリフルオロエチレン、ヨウドトリフルオロエチ
レン、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブ
テン−1がある。
【0025】さらに、上記の如きフッ素化炭素の単独重
合体、共重合体、又はこれらと他の重合体との混合物、
架橋物などでもよい。ここで、使用可能なフッ素ポリマ
ーとしては、たとえば、ポリビニリデンフロライド(PVD
F)、ポリビニルフロライド(PVF) 、テトラフルオロエチ
レン・パーフルオロアルキルビニルエ−テル共重合体(P
FA) 、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETF
E)、テトラフルオロエチレン・エチレン・プロピレン共
重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン・パーフル
オロアルキルビニルエ−テル共重合体、テトラフルオロ
エチレン・エチレン・ヘプタフルオロペンテン共重合
体、テトラフルオロエチレン・エチレン・(パーフルオ
ロブチル)エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン
・エチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体テトラ
フルオロエチレン・プロピレン共重合体、テトラフルオ
ロエチレン・プロピレン・ビニリデンフロライド共重合
体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体(FEP) 、テトラフルオロエチレン・ヘキサフ
ルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエ−テ
ル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロ
プロピレン・ビニリデンフロライド共重合体(THV) 、テ
トラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビ
ニリデンフロライド・テトラフルオロヨードプロポキシ
トリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレ
ン・ビニリデンフロライド共重合体、クロロトリフルオ
ロエチレン・エチレン共重合体、クロロトリフルオロエ
チレン・ビニリデンフロライド共重合体、ビニリデンフ
ロライド・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリ
デンフロライド・トリフルオロエチレン共重合体などの
重合体または共重合体があげられ、また、これらの重合
体のグラフト、ブロック、ブレンドポリマーでもよく、
たとえば、ビニリデンフロライド共重合体にクロロトリ
フルオロエチレン・ビニリデンフロライド共重合体をグ
ラフトさせたもの、テトラフルオロエチレン・エチレン
共重合体とビニリデンフロライド・ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体のブロックポリマーなどがあげらる。
【0026】これらの市販品としては、例えば、下記を
挙げることができる。 Halar クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体 (Allied Corp.) KFポリマー ポリビニリデンフロライド( 呉羽化学) Teflon FEP テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体 (E.I. DuPont) Aclon クロロトリフルオロエチレン・ビニリデンフロライド共重合体 (Allied Corp.) KynarFlex 2800 ビニリデンフロライド・ヘキサフルオロプロピレン共重合体 (Atochem) THV 220G テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリ デンフロライド共重合体(Dyneon) THV 500G テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリ デンフロライド共重合体(Dyneon) Aflon COP テトラフルオロエチレン・エチレン系共重合体(旭硝子) Cefral Soft ビニリデンフロライド系グラフトポリマー(セントラル硝子) Daiel T-530 ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフロライド系ブロック ポリマー( ダイキン) HTE X1500 テトラフルオロエチレン・エチレン系共重合体(Dyneon) NeoflonEP-610 テトラフルオロエチレン・エチレン系共重合体(ダイキン) Aflas 150E テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体(旭硝子) Aflas 200 テトラフルオロエチレン・プロピレン・ビニリデンフロライド 共重合体(旭硝子) Teflon PFA テトラフルオロエチレン・パフルオロプロピルビニルエーテル 共重合体(E.I. DuPont) Tedlar ポリビニルフロライド(E.I. DuPont) 本発明の感圧接着シートの基材を構成するフッ素系材料
は、フッ素を含有することにより耐薬品性、耐熱性、機
械的性質、電気的性質などに優れているが、そのために
少なくとも10重量%のフッ素を含有するべきであり、
好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%
以上含有する。さらには50重量%以上含むことができ
る。最大では76重量%のフッ素を含む。ここで、本発
明の基材は電子線照射に対して架橋型が望ましい。電子
線崩壊性のものは電子線の加速電圧や線密度を低く保持
し、照射時間に関しても、特別に考慮する必要がある。
例えばポリテトラフルオロエチレンは電子線照射に対し
て崩壊性の重合体であり、本発明では適当ではない。し
かしポリテトラフルオロエチレンでも崩壊性を改良した
変成ポリテトラフルオロエチレンであれば好適に用いる
ことができる。また、電子線崩壊性の材料でも、電子線
崩壊型でないあるいは架橋型の材料と混合するなどした
ものは、電子線照射によってフィルムを損なわないこと
が可能であり、そのようなもの、そのような照射条件で
は使用できる。
【0027】本発明の感圧接着シートの基材の厚さは特
に限定されず、ポリ塩化ビニル製の保護シートの場合に
は、5mm厚のものも市販されており、フィルムと呼ばれ
る数100μm未満の厚さのものも含む。一般的には5
0〜1000μm程度である。シートの形状も、接着テ
ープ、グラフィックフィルム、絶縁シートなど、限定さ
れない。
【0028】フッ素系材料には、さらに必要に応じて各
種の添加剤、例えば着色剤(顔料や染料)、充填剤、紫
外線吸収剤などを添加してもよい。本発明の感圧接着シ
ートに用いる感圧接着剤(粘着剤)は、特に限定され
ず、公知の全ての感圧接着剤を用いることができる。感
圧接着剤としては粘着性を有するべきであり、さらに再
剥離性(粘着剤を、被接着材上に残さず剥離、取り除く
こと)を有することが望ましいが、再粘着性は必須では
ない。粘着性とは、加圧下で被接着材に対して接着(粘
着)できることをいう。再剥離性とは、粘着後に感圧接
着シートを被接着材から剥離するときに粘着剤が感圧接
着シート側に移行して被接着材に残らないことをいう。
再粘着性とは、再剥離後に感圧接着シートを再び被接着
材に粘着(接着)できることをいう。なお、本発明にお
いて感圧接着と粘着とは同じ意味である。
【0029】本発明の感圧接着剤は、常温粘着性を有す
るために、ガラス転移点が常温以下、より好適には0℃
以下であることが好ましい。ガラス転移点が常温以下で
あることは、粘弾性を有して、粘着性を発揮することが
できる。感圧接着剤は、その低温ガラス転移温度(室温
以下)により、常温でタックを示すが、粘着性付与剤
(タッキファイヤー)を添加してもよい。
【0030】代表的な感圧接着剤は米国特許第4,18
1,752号、同第4,329,384号及び米国再発
行特許第24,906号に記載されたものを挙げること
ができる。感圧接着剤を構成する成分は、炭化水素系
(アクリレート系、ゴム系やポリオレフィン系など)、
シリコーン系、フッ素系などのいずれでもよい。本発明
では、特に一般に幅広く用いられている炭化水素系のア
クリレートが、有用であるが、基材が耐薬品性や耐候性
に優れるフッ素系材料であるため、粘着剤も同様である
ことが望ましい場合もあり、その場合にはシリコーン
系、フッ素系やポリオレフィン系が用いられる。さらに
粘着剤には架橋剤、オリゴマー又はポリマーを配合して
もよいし、粘着剤モノマー単独を重合して形成してもよ
い。電子線官能性モノマー、オリゴマー、ポリマーや架
橋剤を用いて粘着性組成物を形成すると、電子線照射に
より基材と感圧接着剤との結合が促進されさらに、粘着
剤の凝集力が増加し、粘着剤の剪断保持力や耐熱性が向
上するので好ましい。
【0031】粘着剤の具体例は、後で詳細に述べる。感
圧接着剤にこれらのエラストマーと共に、粘着性付与剤
を添加すると、感圧接着剤のタック、低粘度、塗布性、
熱安定性、剥離強度、剪断強度などを改良することがで
きる。粘着性付与剤としては、C5 〜C9 の不飽和炭化
水素モノマーから得られる樹脂、ポリターペン、合成ポ
リターペンなどがある。Babuの米国特許第520997
1号に多くの例示がある。
【0032】感圧接着剤には、さらに必要に応じて、各
種の添加剤、例えば、顔料、染料、可塑剤、充填材、安
定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、界面
活性剤、プロセスオイルなどを少量添加してもよい。本
発明の感圧接着剤は、無溶剤系(シロップやオリゴマ
ー、又はポリマーのホット・メルトなど)、有機溶剤
系、水分散系(乳化物や懸濁物)いずれでも実施可能で
ある。
【0033】本発明の感圧接着剤をフッ素系材料基材又
はその上に形成した中間層上にコーティングする方法は
特に限定されない。塗布後に溶剤を乾燥する溶剤型塗工
法でも、また無溶剤型塗工法でもよい。溶剤型(通常ポ
リマー溶液)のための溶剤としては、一般に酢酸エチ
ル、メチルエチルケトンや、それらの混合溶剤が広く用
いられている。
【0034】また、無溶剤型としては、溶剤なしで感圧
接着剤組成物(モノマー、シロップ、オリゴマー、ポリ
マー又はそれらの混合物)を直接に塗布してもよいし、
スプレーなどでコーティングしてもよい。また、特にポ
リマーの場合にはホットメルトによるコーティングでも
よい。感圧接着剤をフッ素系材料基材に濡れやすくする
ために、感圧接着剤組成物にフッ素系界面活性剤、カッ
プリング剤や水酸基、カルボキシル基、エーテル基など
の官能基を有するフッ化炭素(例えばパーフルオロポリ
エーテルジオール(Dynamar FC−2202,
3M)などを添加してもよい。また、感圧接着剤となる
モノマーに光開始剤を加え、紫外線の照射量を調整して
シロップ状になるまで分子量を増大させて粘度を増加さ
せたものを基材上に塗布することにより、濡れ性を向上
させてもよい。
【0035】具体的な塗工法としては、例えば、バー・
コーティング、ワイヤ・バー・コーティング、マイヤー
・バー・コーティング、4本ロール・コーティング、グ
ラビア・ロール・コーティング、スプレー・コーティン
グ、ノッチ・バー・コーティング、ダイ・バー・コーテ
ィングなどが採用できる。本発明の感圧接着シートは、
フッ素系材料基材と感圧接着剤層又は中間層との間に電
子線照射により化学結合を形成することを特徴としてい
る。従来の感圧接着シートでは、感圧接着剤がフッ素系
材料基材に対して接着性がないために、フッ素系材料を
基材としたものでは、基材と感圧接着剤層との間の結合
力が不十分であった。そこで、基材と感圧接着剤層との
間の結合力を高めるために、基材表面に特別の処理(金
属ナトリウム処理、コロナ放電など)をしたり、間に特
別の中間結合層(フッ素系材料及び粘着剤に対して接着
性のある材料の層)を挿入することが提案されている
が、性能(接着力や透明性など)と経済性を兼ね備える
ことは困難であった。これに対して、本発明によれば、
電子線照射するだけで、フッ素系材料基材と感圧接着剤
層又は中間層との間に化学結合が形成されて、その間の
結合力が顕著に増加し、感圧接着剤層がフッ素系材料基
材に十分な強度で結合した実用的なフッ素系材料基材の
感圧接着シートを得ることができることを見出した。電
子線照射されたフッ素系材料基材表面で重合体の結合が
切断されてラジカルを発生し、これに感圧接着剤の活性
部位が結合する。感圧接着剤も電子線照射でラジカルを
発生するので、相互の結合が容易にされる。また、後で
詳しく説明するが、フッ素系材料基材表面に粘着剤層に
代えて先ず中間層を形成し、この中間層とフッ素系材料
基材との間を電子線照射により化学結合させることも可
能である。こうして形成される中間層と粘着剤層の間の
接着性は問題がない。
【0036】本発明では、電子線は少なくともフッ素系
材料基材に照射する必要があるが、フッ素系材料基材と
その上に形成した粘着剤層又は中間層の両方に照射する
方が簡便であり、かつ結合力も大きいので好ましい。フ
ッ素系材料基材に電子線が照射されると、フッ素系材料
基材の重合体に架橋構造が導入されることが可能であ
る。
【0037】また、このフッ素系材料基材と粘着剤層又
は中間層との間に電子線照射により化学結合が形成され
る場合、金属ナトリウム処理やコロナ放電などの他の方
法で化学結合を形成した場合とは、異なる層および層間
結合の構造を持つ。本発明の感圧接着シートは、このよ
うな電子線照射にもとづく構造を有することを特徴とす
るものである。
【0038】本発明の感圧接着シートにおいて、フッ素
系材料基材と粘着剤層又は中間層の間に電子線照射によ
り化学結合が形成される場合、フッ素系材料基材表面
は、金属ナトリウム処理やコロナ放電などの表面処理を
されていないことをもう1つの特徴としている。金属ナ
トリウム処理などの表面処理をされたフッ素系材料基材
表面は、金属ナトリウム処理などの表面処理に基づく痕
跡があるが、本件発明ではそのような痕跡はない。例え
ば、金属ナトリウム処理ではフッ素系材料基材表面が黒
化する。黒化すると、感圧接着シートが透明であること
はできない。
【0039】また、本発明によれば、フッ素系材料基材
表面に感圧接着剤をコーティングして電子線で結合させ
る場合、電子線照射により、感圧接着剤の重合、架橋も
同時に行うことができるので、フッ素系材料基材と感圧
接着剤層との間の結合を形成するために従来と比べて特
別の工程の追加を必要としない利点がある。さらに、電
子線照射により基材も架橋させることが可能であるの
で、基材の耐薬品性、耐熱性などを向上させることがで
きる。
【0040】電子線は感圧接着剤層又は中間層側及び基
材側のどちらから行ってもよい。電子線の照射条件は、
感圧接着剤層又は中間層と接する基材表面にラジカルが
発生すればよく、フッ素系材料基材と感圧接着剤の種類
と厚さなどに依存するが、一般的には、10keV 以上、
3Mrad以上がよい。好ましくは、50〜200keV 、3
〜100Mradがよい。
【0041】さらに、本発明によれば、基材に電子線照
射して基材表面にラジカルを発生させた後、直ちに感圧
接着剤又は中間層を基材表面に塗布することによって
も、フッ素系材料基材と感圧接着剤層又は中間層との間
に化学結合を形成することができることを見出した。た
だし、基材表面に感圧接着剤層又は中間層を形成した後
に電子線照射する場合に比べて、形成される化学結合の
大きさは若干低下した。基材表面に電子線照射した後感
圧接着剤又は中間層を塗布するまでの間は真空を破らず
に行って、基材表面のラジカルが酸素ラジカルによって
停止反応が起こらないようにすることが理論上、最も好
ましいが、EB照射後、直ちに、通常の雰囲気下(酸素
濃度約20%)でアクリレート・シロップを塗布し、紫
外線硬化させても、実用上差しつかえない界面接着強度
を示した。
【0042】本発明により、フッ素系材料基材と感圧接
着剤層又は中間層との間に形成された化学結合の大きさ
は、得られる感圧接着シートの剥離試験で評価すること
ができる。具体的方法の例は実施例に記載されている。
本発明によれば、フッ素系材料基材と感圧接着剤層の間
に化学接合を形成した感圧接着シートの剥離試験の結果
として、原則的に、基材と粘着剤の間で破壊が起こるこ
となく、粘着剤と被粘着物の間で破壊するか、粘着剤の
凝集破壊のモードになっていることから、フッ素系材料
基材と感圧接着剤層との間の強力な化学結合が形成され
ていることが確認される。また、仮に、粘着剤と被着体
との間で破壊したとしても、その強度が、数100g/
inch以上、特に500g/inch以上であれば、実用上は
全く差しつかえない。つまり、通常のポリ塩化ビニルフ
ィルムに粘着剤が塗られたビニール・テープのガラスや
ステンレス板への接着力は数100g/inchであるから
である。
【0043】上記において述べたように、本発明では、
フッ素系材料基材と感圧接着剤層との間に1又は2以上
の中間層を設けて、フッ素系材料基材とそれに直接に接
する中間層の間を電子線照射で化学結合を形成させても
よい。例えば、フッ素系材料基材の表面に感圧接着剤と
の濡れ性の高い材料でプライマー処理してもよい。この
ようなプライマーとしては、プライマー処理後に、ロー
ル状に巻き取ることを考えると、プライマーにタック
(粘着性)が無い場合が望ましく、例えば、t−ブチル
・アクリレート・モノマーやi−ボロニルアクリレート
・モノマーなどを用いることができる。ただし、本発明
におけるプライマーの膜厚は薄い方が良く、さらには数
μm以下が望ましい。本発明の重要な点は、フッ素系フ
ィルムと粘着剤との間の接着力を如何にして向上させる
かであり、そのために電子線照射を、好ましくは、同時
に、粘着剤成分の重合、架橋や被着体の架橋をも同時に
行なうことである。つまり、フッ素系フィルムに粘着剤
とはならないアクリレートやビニルモノマーをプライマ
ー状にコーティングし、電子線で重合、界面反応を行な
い、その後、粘着剤を、その接着性に優れるアクリレー
ト重合物の上にコーティングする場合も、本発明の範囲
内である。
【0044】その他の中間層としては、感圧接着シート
に弾性を付与するためのウレタン材料、アクリルゴム材
料などの弾性層、単色ベタ塗り層や文字と背景や画像の
印刷層、コスト低減のためにフッ素系材料基材を薄くし
ながらフィルムとしての取扱性をもたせるバッキング層
(アクリル層やウレタン層が好適)などが挙げられる
が、特に限定されない。
【0045】これらの中間層の目的、用途について簡単
に述べると下記の如くである。プライマー層 プライマー層によれば、例えば、非常に薄いプライマー
層を高ラインスピードで電子線硬化・界面反応させ、巻
取り後に、通常の粘着剤溶液をコーティングしたり、粘
着剤モノマーを紫外線硬化させたりすることができる。
この場合、粘着剤のコーティングは電子線照射とは別の
場所で行うことも可能である。
【0046】弾性層 ウレタン材料、アクリルゴム材料や発泡材料などの弾性
層を中間層に用いる目的は、耐久性のあるフッ素材料表
面層を薄くしながら、フィルムとしての取り扱い性を損
なわないままコストを低減させたり、それら弾性層があ
ることにより、粘着剤付き積層フィルムとして曲面追従
性(曲面への貼り性能)や急激な温度変化に対する安定
性や耐久性が向上することにある。さらには、基材の下
側に弾性層があると、保護フィルムとして使用中に小石
が当たったり、硬い材料で擦られた場合に、保護される
材料に傷が達することを防止あるいは低減したり、ある
いはフッ素フィルムそのものに傷が付くことを防止また
は低減させる効果がある。
【0047】印刷層 印刷層としては例えば単色ベタ塗り層や文字・図柄と背
景から成る印刷層がある。例えば、通常の塗料であれ
ば、再塗装の際に表面研磨や溶剤洗浄の後に塗装される
が、印刷層を有して着色や印字された高耐候性粘着剤付
きフッ素フィルムであれば、その様な工程が必要ない
か、短縮できる。また、塗装の代わりに使う場合でなく
ても、保護フィルムとして着色が必要な場合がある。着
色でも、下地が見えない(隠す)着色や、半透明な着
色、さらには保護フィルム自体に図柄や社名を印刷する
場合もある。
【0048】バッキング層 コスト低減のために耐久性のあるフッ素材料表面層を薄
くしながら、フィルムとしての取り扱い性を持たせるた
めに、粘着層との間のバッキング層として、アクリル
層、ウレタン層や軟質ビニル層などが好適である。これ
らの中間層の数も限定されず、例えば、フッ素系材料基
材/プライマー層/粘着剤層、フッ素系材料基材/プラ
イマー層/弾性層/粘着剤層、フッ素系材料基材/プラ
イマー層/着色層(印刷層)/粘着剤層などの構造であ
ることができる。本発明は、フッ素系材料基材が他の層
との間で接着性が低いので、フッ素系材料基材とそれに
直接に接触する中間層又は粘着剤層の間を電子線照射で
化学結合(接着)させることを特徴とするものである。
【0049】フッ素系材料基材上に中間層をコーティン
グ又は積層する方法は、粘着剤層のコーティングについ
て記載したと同様でよいが、特に限定されない。そのほ
か、特に粘度が高い場合にはホットメルトコーティン
グ、また、フッ素ポリマーと溶融物との共押出し法など
も採用できる。図面を参照して、本発明の感圧接着シー
トの構成例を示す。
【0050】図1は、フッ素系材料基材1上に中間層な
しで直接に粘着剤層2を形成した例を示す。図2は、フ
ッ素系材料基材1の両面に直接に粘着剤層2,3を形成
した例を示す。図3は、フッ素系材料基材1の表面にプ
ライマー層4を形成し、その上に粘着剤層2を形成した
例を示す。図4は、フッ素系材料基材1の表面にプライ
マー層4を形成し、その上に弾性層や印刷層あるいはバ
ッキング層などの中間層5を形成し、さらにその上に粘
着剤層2を形成した例を示す。図4では、プライマー層
4なしで、フッ素系材料基材1上に中間層5を直接に形
成してもよい。これらの例において、本発明の感圧接着
シートは、フッ素系材料基材1と、その上に直接に接す
る層(図1,図2の粘着剤層2,3、図3,4のプライ
マー層4あるいはプライマー層4を省略した場合の中間
層5)との間の結合を、電子線照射による化学結合とす
ることを特徴としている。その他の層の間をも電子線照
射による化学結合とすることは任意である。
【0051】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるわけではな
い。 (A)フッ素系基材と粘着剤の接着基材フィルム 表1に実施例及び比較例で使用したフッ化炭素系基材フ
ィルムを示す。
【0052】 表1 基材フィルム 略称 商品名あるいは組成 厚さ、μm 発売元 THV500 TFE-HFP-VDF 三元共重合体 200 Dyneon LLC THV200 TFE-HFP-VDF 三元共重合体 350 Dyneon LLC PFA PFA6510N, TFE-PPVE共重合体 100 Dyneon LLC FEP FEP6107, TFE-HFP共重合体 100 Dyneon LLC PVDF Kynar 740 260 Atochem VDF-HFP Kynar 2800, VDF-HFP共重合体 260 Atochem ECFTE Halar 300, エチレン−CTFE共重合体 235 Ausimont ETFE ET 6235J エチレン−TFE 共重合体 120 Dyneon LLC PTFE Naflon Tape 9001 100 Nichias m-PTFE TFM-1700, 変性PTFE 100 Dyneon LLC Fluorel FE-5831Q フッ素ゴム 1200 Dyneon LLCブレンド PVDF/PMMA=80/20 200 − 表1中、THVはTFE−HFP−VDFの三元共重合
体(TFEはテトラフルオロエチレン、HFPはヘキサ
フルオロプロピレン、VDFはビニリデンフルオリ
ド)、PFAはTFE−PPVEの共重合体、PPVE
はパーフルオロプロピルビニルエーテル、FEPはTF
EとHFPの共重合体、PVDFはポリビニリデンフロ
ライド、ECTFEはエチレン−CTFEの共重合体、
CTFEはクロロトリフルオロエチレン、ETFEはエ
チレン−TFEの共重合体、PTFEはポリテトラフル
オロエチレン、m−PTFEは変性ポリテトラフルオロ
エチレンである。
【0053】PFA,FEP,PVDF,VDF−HF
P,E−CTFE,E−TFEは上記原料をヒートプレ
スにより成型しフィルムを作製した。PTFEは市販の
フィルムを使用した。m−PTFEは上記の原料をラム
成型したのち、スカイビィングによりフィルムを作成し
た。THV500とTHV200に関しては、Tダイ付
押出機からフィルムを作成した。
【0054】LLDPEとEVAフィルムに関しては、
それらのペレットから熱プレス機を使用してフィルムを
作製した。FluorelTMフィルムに関しては、以下
の原料から作製した。100部のフッ素ゴムFE−58
31Q(TFE−HFP−VDF3元共重合体、Dyn
eon LLC)、30部のMT Carbon(N9
90,Cancarb Co. )、3部の酸化マグネシウムMgO
#150(協和化学製)と6部のCa(OH)2 (近江
化学製)を2本ロールのラバーミルで十分に混合し、1
70℃で10分、熱プレスを用いて、厚さ1.2mmに加
硫圧縮成形した。その後このシートを230℃で24時
間の二次加硫をオーブンで行った。
【0055】フッ素ポリマーと炭化水素ポリマーとのブ
レンド・フィルムとして、PVDF呉羽化学工業(株)
KF1100とPMMA アクリペットM001 三菱
レイヨン(株)製を80対20の重量分率で溶融混練
し、ヒートプレスにより成型しフィルムを作製した。粘着剤 表2に実施例及び比較例で使用した粘着剤の一覧を示
す。
【0056】 表2 粘着剤 略 称 組 成 無溶剤型粘着剤シロップ for EB IOA/AA=90/10 +0.01wt%光開始剤 無溶剤型粘着剤シロップ for UV IOA/AA=90/10 + 0.5wt%光開始剤 溶剤型アクリル粘着剤 IOA/AA=90/10 、44wt%酢酸エチル溶液 IOA/FC-2211 for EB IOA/FC-2211 =80/20 IOA/FC-2211 for UV IOA/FC-2211 =80/20 + 0.5wt%光開始剤 BA/FC-2211 for EB BA/FC-2211=60/40 BA/FC-2211 for UV BA/FC-2211=60/40 + 0.5wt%光開始剤 IOA/FX-13 for EB IOA/FX-13 =90/10 IOA/FX-13 for UV IOA/FX-13 =90/10 + 0.5wt%光開始剤 ポリ(α−オレフィン) ポリ(α−オレフィン) SIS スチレン−イソプレン−スチレン L−シリコーン 線状シリコーンX−シリコーン 架橋型シリコーン 表2中、IOAはイソオクチルアクリレート、AAはア
クリル酸(acrylic acid)、FCはフッ素ゴム、BAは
ブチル・アクリレート、FXはフッ化アクリレートモノ
マーである。
【0057】無溶剤系粘着剤として無溶剤型粘着剤シロ
ップ、IOA/FC−2211、BA/FC−221
1、IOA/FX−13を用い、基材フィルム(例えば
THV)上にコーティングし、シリコーン・リリースラ
イナー(SP−PET−01−50Bu、50μm厚、
Panac Co. )で表面をカバーした。硬化前の粘着剤の厚
さはナイフ・バー・コーターで約60μmに調整した。
硬化後の粘着剤の厚さは、それの硬化収縮により30か
ら60μmの範囲内となった。
【0058】一方、溶剤系の粘着剤(溶剤型アクリル粘
着剤、 poly-alpha-olefin, SIS,L−silico
neとX−silicone)は、基材フィルム上にコ
ーティングした後、溶剤を充分に蒸発させ、それから粘
着面を保護するためにシリコーン・リリースライナーで
カバーした。シリコーン系の粘着剤(L−とX−)にシ
リコーン系ライナーを使用すると剥離できなくなるため
に、フッ素系のライナーを用いた。溶剤系粘着剤の乾燥
後の厚さも30から60μmの範囲になる様に作製し
た。
【0059】粘着剤の組成に関しては、電子線硬化用
(実験例)と、紫外線硬化または単に溶剤を蒸発させた
だけのもの(比較例)とは以下の様に若干の相違がある
場合がある。 (1)無溶剤型粘着剤シロップ ここで、シロップとは、塗布可能な粘度まですなわち使
用する塗布方法によって異なるが、好ましくは約300
〜20,000センチポワズ以上に増粘した混合物のこ
とであり、単量体を部分的に重合化してシロップを形成
した混合物およびシリカなどの充填剤で増粘した単量体
混合物も含む。好ましくは、本発明のシロップは、当業
者によって知られ、かつ、熱エネルギー又は紫外線など
の放射線エネルギーによって活性化される遊離基開始剤
によって単量体を部分的に重合することよって生成され
る。ある例では、別の単量体をシロップに添加する他、
光開始剤およびその他の添加剤も添加することが好まし
いことがある。効果的な量の少なくとも1つの遊離基開
始剤をアクリレートモノマー又はシロップに添加する。
【0060】電子線硬化用では、塗布時の粘着剤の粘度
を上げるために0.01wt%の光開始剤(Darocu
r 1173、Ciba Specialty Chemicals K. K.)をI
OA/AA=90/10の溶液の中に混合した。全体の
比率はIOA/AA/1173=90/10/0.00
01である。その溶液をガラス容器中に入れ、その容器
中に窒素を封入し、紫外線を照射しながら、その溶液の
粘度をコーティング出来る程度まで上昇させた。その粘
着剤のシロップを基材フィルム上に塗布しながら、シリ
コーン・ライナーを上から被せた。それを電子線照射に
供した。
【0061】一方、紫外線硬化用粘着剤(比較例)に関
しては、0.5wt%の光開始剤(Darocur 11
73)をIOA/AA=90/10の溶液に混合した。
混合後の組成はIOA/AA/1173=60/40/
0.005である。その溶液をガラス容器中に入れ、そ
の容器中に窒素を封入し、紫外線を照射しながら、その
溶液の粘度をコーティング出来る程度まで上昇させた。
その粘着剤のシロップを基材フィルムの上に塗布しなが
ら、シリコーン・ライナーを上から被せた。その粘着剤
を約2000mJ/sq. cmの紫外線照射によって硬化させ
た。
【0062】(2)溶剤型アクリル粘着剤 これはアクリル系の高分子共重合体が、酢酸エチル溶液
となっているものである。比較例(溶剤蒸発のみ)とし
て、この溶剤型アクリル粘着剤を基材フィルムにコーテ
ィングした後、溶剤を充分に蒸発させ、シリコーン・ラ
イナーを粘着剤表面の保護のために被せた。
【0063】電子線照射(実施例)用の試料として、同
じ方法で作製したもう一つの試料を作製し、電子線照射
に供した。 (3)IOA/FC−2211及びBA/FC−221
1 FC−2211(FluorelTMフルオロエラストマ
ー、ヘキサフルオロプロピレンとビニリデンフロライド
の2元共重合体、Dyneon LLC)をIOA又は
BAに溶解した。比率はIOA/FC−2211=80
/20、BA/FC−2211=60/40であった。
その溶液はコーティングのための適度な粘度を有してい
るため、電子線照射試料(実施例)として、基材フィル
ムの上に塗布しながら、シリコーン・ライナーを上から
被せた。それを電子線照射に供した。
【0064】一方、比較例(紫外線硬化)として、0.
5wt%の光開始剤(Darocur1173)をIOA
/FC−2211溶液、BA/FC−2211溶液に混
合した。混合後の組成はIOA/FC−2211/11
73=80/20/0.4、BA/FC−2211/1
173=60/40/0.3であった。その溶液はコー
ティングのための適度な粘度を有しているため、その溶
液を基材フィルムの上に塗布しながら、シリコーン・ラ
イナーを上から被せた。そして、それらの粘着剤を約2
000mJ/sq. cmの紫外線照射によって硬化させた。
【0065】(4)IOA/FX−13 FX−13(FluoradTM、ペルフルオロアルキル
アクリレート、3M)をIOAにIOA/FX−13=
90/10の比率で溶解させた。その溶液はコーティン
グのための適度な粘度を有しているため、電子線照射試
料(実施例)として、基材フィルムの上に塗布しなが
ら、シリコーン・ライナーを上から被せた。それを電子
線照射に供した。
【0066】一方、比較例(紫外線硬化)として、0.
5wt%の光開始剤(Darocur1173)をIOA
/FX−13溶液に混合した。混合後の組成はIOA/
FX−13/1173=90/10/0.005であ
る。その溶液はコーティングのための適度な粘度を有し
ているため、その溶液を基材フィルムの上に塗布しなが
ら、シリコーン・ライナーを上から被せた。そして、粘
着剤を約2000mJ/sq. cmの紫外線照射によって硬化
させた。
【0067】(5)ポリ(α−オレフィン) ポリ(1−オクテン)が米国特許第5209971(E
x.14)に従って作製された。その粘着性重合物をト
ルエンに固形分15wt%になる様に溶解させた。その溶
液はコーティングのための適度な粘度を有していた。比
較例(溶剤蒸発のみ)として、その溶液を基材フィルム
にコーティングした後、溶剤を充分に蒸発させ、シリコ
ーン・ライナーを粘着剤表面の保護のために被せた。
【0068】電子線照射(実施例)用の試料として、同
じ方法で作製したもう一つの試料を作製し、電子線照射
に供した。 (6)SIS スチレン−イソプレン−スチレン型の溶剤系粘着剤(3
M製)が用いられた。これは、トルエン/IPAの混合
溶剤で希釈されており、固形分は40wt%であった。
【0069】比較例(溶剤蒸発のみ)として、その溶液
を基材フィルムにコーティングした後、溶剤を充分に蒸
発させ、シリコーン・ライナーを粘着剤表面の保護のた
めに被せた。電子線照射(実施例)用の試料として、同
じ方法で作製したもう一つの試料を作製し、電子線照射
に供した。
【0070】(7)L−シリコーン 比較例(溶剤蒸発のみ)として、SD4570 PSA
(線状シリコーンポリマーのトルエン10−20wt%と
キシレン30−30wt%溶液、東レダウコーニングシリ
コーン製)を基材フィルム上にコーティングした後、溶
剤を充分に蒸発させ、フッ素系ライナー(既出)を粘着
剤表面の保護のために被せた。
【0071】電子線照射(実施例)用の試料として、同
じ方法で作製したもう一つの試料を作製し、電子線照射
に供した。 (8)X−シリコーン 比較例(溶剤蒸発と熱架橋)として、3wt%の架橋剤S
RX212(東レダウコーニングシリコーン製)をSD
4570溶液の中に混合した。その溶液を基材フィルム
にコーティングした後、100℃で溶剤を充分に蒸発さ
せながら、その粘着剤を架橋剤で架橋させた(約5
分)。その後、フッ素系ライナーを粘着剤表面の保護の
ために被せた。
【0072】電子線照射(実施例)用の試料として、同
じ方法で作製したもう一つの試料を作製し、電子線照射
に供した。電子線照射 電子線照射はリリース・ライナー側から行った。条件
は、加速電圧が150〜250kV、線量が5〜20Mrad
s 、ライン・スピードが2〜5m/min で、窒素雰囲気
中(酸素濃度は約50ppm )で常温で行った。装置はEn
ergy Science, Inc.製のsystem 7824を用い
た。
【0073】粘着剤の接着性と破壊様式の評価 粘着剤層を有するフィルム試料(実施例と比較例)は、
1インチ幅に切断し、陽極酸化アルミ・シート(30mm
幅、300μm厚、150mm長)上に重ね、フィルム上
を2kgのゴム・ローラーで一往復させることによって圧
着した。20分後にT−剥離強度を測定した。一つの条
件に付き、試験片の数は3として平均値を求めた。引張
速度は300mm/min として常温でT−剥離試験した。
【0074】結 果 (1)陽極酸化アルミと溶剤型アクリル粘着剤との接着
性の確認 溶剤型アクリル粘着剤をプライマー処理したPETフィ
ルム(UV−25−150、25μm厚、ユニチカ製)
に塗布し、溶剤を十分に蒸発させた。蒸発後の粘着剤の
厚さは約50μmであった。その粘着面を陽極酸化アル
ミの表面に重ね、PETフィルムの上から2kgのゴムロ
ーラーを1往復させた。T−剥離強度は平均で1826
g/inchであった。破壊は肉眼ではアルミ表面と粘着剤
の間で起った。陽極酸化アルミに対するアクリレート系
標準粘着剤の基準T−剥離強度は、約1800g/inch
とした。
【0075】(2)電子線照射とT−剥離強度、粘着剤
の重合度合の関係 電子線照射とT−剥離強度、粘着剤の重合度合の関係
を、無溶剤型粘着剤シロップとTHV500フィルムの
構成から評価した。結果を表3に示す。電子線はライナ
ー側(50μm厚)から照射した。幅広い電子線照射の
条件下で良好な結果が得られた。以下の実験において
は、250kV/20Mrads の条件を統一して用いた。
【0076】 表3 電子線照射とT−剥離強度、重合度合の関係 粘着剤厚 重合 T−剥離強度、 kV Mrads (μm) 度合 g/inch #1 250 5 30 良好 1428(アルミと接着剤界面での破壊) #2 150 10 30 良好 1553(アルミと接着剤界面での破壊) #3 200 10 30 良好 1598(アルミと接着剤界面での破壊) #4 250 10 50 良好 1625(アルミと接着剤界面での破壊) #5 250 12.5 50 良好 1604(アルミと接着剤界面での破壊) #6 250 15 50 良好 1712(アルミと接着剤界面での破壊) #7 250 20 50 良好 1618(アルミと接着剤界面での破壊) #8 250 30 50 ごく一部 1351(アルミと接着剤界面での破壊) に発泡 (3)電子線照射による無溶剤型粘着剤シロップとTH
V500の間の接着性の再確認 表3の#7試料に関して、さらに無溶剤型粘着剤シロッ
プとTHV500の間の接着性の再確認を行った。
【0077】電子線照射後の無溶剤型粘着剤シロップの
上に約百余りの碁盤目(約2mmサイズ)をJIS K−
5400に準じて鋭利なカミソリでTHVの表面に達す
るまでの深さで作製した。その後、その粘着面を、上記
(1)に記載した如く陽極酸化アルミニウム、洗浄ガラ
ス並びに洗浄ステンレス鋼(SUS)面上にそれぞれ貼
り、上からゴムローラーで何度も押え付けながら強固に
粘着剤を貼り付けた。24時間後、THVフィルムを手
で非常に素早く90°並びに180°剥離させたが、粘
着剤の碁盤目は一つたりともTHV側から剥れなかっ
た。
【0078】(4)T−剥離強度と破壊様式 剥離強度と破壊様式の結果を以下に示す。全ての試料は
250kV/20Mrads の条件で電子線照射した。ここで
のショッキー破壊とはスリップ−スティック型の破壊様
式、つまり、剥離強度と変位との関係を示すチャート紙
上で、極大と極小が交互に示される破壊様式のことを言
う。ここではmin−maxの形で表記した。また、安
定破壊とは、それが、ほぼ一定値の状態で続くことをい
う。測定不能とは、剥離ライナーを剥した時に本来くっ
つかないはずの剥離ライナー側に粘着剤が移行してしま
った場合のことをいう。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】(B)フッ素系材料シートと中間層との接
着 以下の実施例では、フッ素フィルム(ここではTHV フィ
ルムとPVDFフィルムを使用)に対して接着性の低い粘着
剤以外の材料(中間層)を電子線照射によって接着し
た。例えば、ウレタンやアクリルエラストマー等の弾性
材料である場合、イソボロニルアクリレートやブチルア
クリレートとアクリル酸のブレンド物など重合後にプラ
イマー層またはアンカー層となる場合、塗料やインクで
ある場合などである。さらに、それら(弾性材料、プラ
イマー層や塗料など)の上から着色したりする場合もあ
る。ここでは、それらの可能性を検討した。なお、これ
らの中間層を形成した場合に、最終的に最外層に粘着剤
をコーティングすることは容易である。
【0083】被着体(フッ素系材料シート) THV500フィルム(Tダイ付押出機から作製、厚さ約200
μm)とPVDFフィルム(市販フィルム、厚さ約260 μ
m)フッ素系材料シート上に形成される粘着剤以外の材料
(中間層) (a)弾性材料 ウレタン系として、ウレタンアクリレート(M−1310、
東亜合成化学(株)、2官能性のため架橋型)、アクリ
ルゴム系としてアクリル酸2−メトキシエチル(和光純
薬工業(株))を使用した。アクリル酸2−メトキシエ
チルは単官能性のため架橋剤添加も試みた。
【0084】ウレタンアクリレートは常温での粘度が高
いため、フッ素フィルム上に約80℃で約200 μmの厚さ
にホットメルトコーティングした。溶剤希釈や界面活性
剤を添加しても良い。メトキシエチルアクリレートは常
温での粘度が低いため、光開始剤(Darocur 1173, Ch
iba Specialty Chemicals K.K. )を0.01%(電子線
硬化用の実施例の場合)または0.5 %(紫外線硬化用の
比較例の場合)添加し、紫外線を照射しながら良好に塗
布可能な粘度まで増粘させた。必要に応じて界面活性剤
を添加しても良い。その後、実施例によっては架橋剤
(KAYARAD HDDA,日本化薬(株))を添加した。コー
テイング厚は約200 μmに制御した。コーティング後、
透明なシリコーン剥離ライナーで表面を保護し、電子線
照射(実施例)または紫外線照射(比較例)し硬化させ
た。組成を表5に示した。
【0085】(b)プライマー層 イソボルニルアクリレート(IBA、IB−XA、共栄
社油脂化学工業(株))、アクリル酸t―ブチル(TB
A,大阪有機化学工業(株))、ブチルアクリレート
(BA、和光純薬工業(株))とアクリル酸(AA、和
光純薬工業(株))のブレンド物(ブレンド比はBA/
AA=30/70)の3種類を用いた。いずれの場合も
上記(a)と同様に微量(0.01%または0.5 %)の光開
始剤を添加し、紫外線照射により増粘させた後にコーテ
ィングした。コーテイング厚は約30μmに制御した。コ
ーティング後、透明なシリコーン剥離ライナーで表面を
保護し、電子線硬化(実施例)または紫外線硬化(比較
例)させた。組成を表5に示した。
【0086】(c)塗料またはインク 紫外線硬化型インク(UV FILインク 190 番、帝
国インキ製造株式会社)で幅約300 μmの線を描き、電
子線硬化(実施例)または紫外線硬化(比較例)させ
た。電子線照射ならびに紫外線照射条件 電子線照射は加速電圧250 kV 、線密度20Mradの条件で
行った。紫外線照射は1500mJ /cm2 の照射量で行っ
た。
【0087】 表5.組成とフッ素フィルムとの組合せ 組成 フッ素フィルム 実施例23 M−1310 THV 比較例23 M−1310+光開始剤0.5 % THV 実施例24 M−1310 PVDF 比較例24 M−1310+光開始剤0.5 % PVDF 実施例25 MEA+光開始剤0.01% THV 比較例25 MEA+光開始剤0.5 % THV 実施例26 MEA+光開始剤0.01% PVDF 比較例26 MEA+光開始剤0.5 % PVDF 実施例27 MEA+光開始剤0.01%+架橋剤0.5 % THV 比較例27 MEA+光開始剤0.01%+架橋剤0.5 % THV 実施例28 MEA+光開始剤0.01%+架橋剤0.5 % PVDF 比較例28 MEA+光開始剤0.01%+架橋剤0.5 % PVDF 実施例29 MEA+光開始剤0.01%+架橋剤1% THV 比較例29 MEA+光開始剤0.01%+架橋剤1% THV 実施例30 MEA+光開始剤0.01%+架橋剤1% PVDF 比較例30 MEA+光開始剤0.01%+架橋剤1% PVDF 実施例31 IBA+光開始剤0.01% THV 比較例31 IBA+光開始剤0.5 % THV 実施例32 IBA+光開始剤0.01% PVDF 比較例32 IBA+光開始剤0.5 % PVDF 実施例33 TBA+光開始剤0.01% THV 比較例33 TBA+光開始剤0.5 % THV 実施例34 TBA+光開始剤0.01% PVDF 比較例34 TBA+光開始剤0.5 % PVDF 実施例35 BA/AA=30/70+光開始剤0.01% THV 比較例35 BA/AA=30/70+光開始剤0.01% THV 実施例36 BA/AA=30/70+光開始剤0.01% PVDF 比較例36 BA/AA=30/70+光開始剤0.01% PVDF 実施例37 UV FIL 190 THV 比較例37 UV FIL 190 THV 実施例38 UV FIL 190 PVDF比較例38 UV FIL 190 PVDF 結果 電子線または紫外線硬化後に保護ライナーを取り去り
(実施例37と38と比較例37と38以外)、全てのサンプル
をメチルエチルケトン中に室温で24時間浸漬し、層間の
接着性や耐溶剤性を確認した。実施例23から38までのサ
ンプルに関してはフッ素フィルムと弾性層、プライマー
層や塗料層との間で剥離したり、溶剤に溶解して消失す
る事も無く、特に変化は認められなかった。比較例に関
しては、層間剥離したり、溶剤に溶解した。表6に結果
をまとめた。
【0088】 表6.溶剤浸漬後の変化 実施例23 特に変化なし 比較例23 ウレタン層が剥離して溶剤中に浮遊 実施例24 特に変化なし 比較例24 ウレタン層が剥離して溶剤中に浮遊 実施例25 特に変化なし 比較例25 アクリルゴム層が溶剤に溶解 実施例26 特に変化なし 比較例26 アクリルゴム層が溶剤に溶解 実施例27 特に変化なし 比較例27 アクリルゴム層が剥離し溶剤中に浮遊 実施例28 特に変化なし 比較例28 アクリルゴム層が剥離し溶剤中に浮遊 実施例29 特に変化なし 比較例29 アクリルゴム層が剥離し溶剤中に浮遊 実施例30 特に変化なし 比較例30 アクリルゴム層が剥離し溶剤中に浮遊 実施例31 特に変化なし 比較例31 アクリレート層が溶剤に溶解 実施例32 特に変化なし 比較例32 アクリレート層が溶剤に溶解 実施例33 特に変化なし 比較例33 アクリレート層が溶剤に溶解 実施例34 特に変化なし 比較例34 アクリレート層が溶剤に溶解 実施例35 特に変化なし 比較例35 アクリレート層が溶剤に溶解 実施例36 特に変化なし 比較例36 アクリレート層が溶剤に溶解 実施例37 特に変化なし 比較例37 塗料が溶剤に溶解 実施例38 特に変化なし比較例38 塗料が溶剤に溶解 多層構造形成 上述の実施例の中から代表的な実施例23、35、37に関
し、電子線照射後に粘着剤を塗布し、多層構造フィルム
を作製した。それぞれ実施例39,40,41とした。構造は
フッ素フィルム/電子線硬化材料/粘着剤の3層構造で
ある。フッ素フィルムと電子線硬化材料(中間層)との
接着性は本発明によって著しく向上した。中間層の表面
を離型ライナーで保護せず(表面にシリコーンが移行す
る事を防ぐため)に電子線硬化した後、溶剤系粘着剤
(既出)をコーティングし溶剤を100℃のオーブン中
で揮発させた。粘着剤の乾燥厚は約50μmであった。
アルミ・シートとのT−剥離強度を既出の方法で確認し
た。粘着剤と中間層(弾性材料、プライマー層や塗料)
との間の接着性に優れた多層構造材料が得られた。粘着
剤として無溶剤型粘着剤シロップ(既出)を用いて紫外
線硬化させた場合においても粘着剤と中間層(弾性材
料、プライマー層や塗料)との間の接着性に優れた多層
構造材料が得られた。
【0089】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、電子線照
射により接着性の悪いフッ素系材料基材と粘着剤又は中
間層との間の接着性を簡単な方法で飛躍的に向上させる
ことができる。本発明の重要な効果の1つは、接着性の
低いフッ素系の材料(シート)に対する表面処理を必要
とせず、入れる特殊な粘着剤も必要とせず、また、それ
らの異種材料の間に接着層を用いる必要も無く、既存の
粘着剤をただ単に接着性の低いその材料に塗布し、電子
線照射するだけで、粘着剤の重合や架橋は勿論、粘着剤
とシートの界面での化学結合に基づく強固な接着性の形
成(セルフ・プライミング)、さらには、電子線の強度
によってはシート側の架橋をも行い、そのシートの耐熱
性や耐薬品性の向上までをも同時に行うこと(オール・
イン・ワン・プロセス)を可能にしたことにある。
【0090】しかし、フッ素系材料基材と粘着剤の間に
接着性を高めるために中間層を挿入してもよく、その場
合にも、中間層はフッ素系材料基材に対する接着性を有
する必要はなく、電子線照射するだけで強固な接着が形
成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧接着シートを示す断面図である。
【図2】本発明の両面感圧接着シートを示す断面図であ
る。
【図3】本発明のプライマーを有する感圧接着シートを
示す断面図である。
【図4】本発明の中間層を有する感圧接着シートを示す
断面図である。
【符号の説明】
1…フッ素系材料基材 2,3…感圧接着剤層 4…プライマー 5…中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 頼信 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA05 AA06 AA07 AA10 AA11 AB01 CA04 CA05 CC02 CC03 CD08 EA05 FA04 GA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線崩壊性でないフッ素系材料シート
    を基材とし、中間層を有し又は有さずに、外側表面に感
    圧接着剤層を有する感圧接着シートであって、前記フッ
    素系材料シートが、前記フッ素系材料シートと直接に接
    触する感圧接着剤層又は中間層との間に、少なくとも前
    記フッ素系材料シートに電子線照射して形成された化学
    結合を有していることを特徴とする感圧接着シート。
  2. 【請求項2】 前記フッ素系材料シートが電子線照射で
    架橋された重合体を含む請求項1に記載の感圧接着シー
    ト。
  3. 【請求項3】 前記感圧接着剤層が電子線照射で架橋さ
    れた感圧接着剤を含む請求項1又は2に記載の感圧接着
    シート。
  4. 【請求項4】 前記フッ素系材料シートがフッ素を10
    重量%以上含む請求項1,2又は3に記載の感圧接着シ
    ート。
  5. 【請求項5】 前記感圧接着シートが透明である請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の感圧接着シート。
  6. 【請求項6】 前記感圧接着シートが保護フィルムであ
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の感圧接着シー
    ト。
  7. 【請求項7】 電子線崩壊性でないフッ素系材料シート
    を基材とし、中間層を有し又は有さずに、外側表面に感
    圧接着剤層を有する感圧接着シートの製造方法であっ
    て、電子線崩壊性でないフッ素系材料シート表面に感圧
    接着剤層又は中間層をコーティングし、そしてコーティ
    ングされた前記フッ素系材料シートに電子線を照射して
    前記感圧接着剤層又は中間層と前記フッ素系材料シート
    との間に化学結合を形成する工程を含むを特徴とする感
    圧接着シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 電子線崩壊性でないフッ素系材料シート
    を基材とし、中間層を有し又は有さずに、外側表面に感
    圧接着剤層を有する感圧接着シートの製造方法であっ
    て、電子線崩壊性でないフッ素系材料シート表面に電子
    線を照射した後、前記フッ素系材料シート表面に感圧接
    着剤層又は中間層をコーティングして、前記フッ素系材
    料シートと前記感圧接着剤層又は中間層との間に化学結
    合を形成させる工程を含むことを特徴とする感圧接着シ
    ートの製造方法。
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