JP2001031855A - 難燃性ポリカーボネートの製造方法およびそれよりなる成形体 - Google Patents

難燃性ポリカーボネートの製造方法およびそれよりなる成形体

Info

Publication number
JP2001031855A
JP2001031855A JP11205339A JP20533999A JP2001031855A JP 2001031855 A JP2001031855 A JP 2001031855A JP 11205339 A JP11205339 A JP 11205339A JP 20533999 A JP20533999 A JP 20533999A JP 2001031855 A JP2001031855 A JP 2001031855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
polycarbonate
parts
solution
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11205339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001031855A5 (ja
Inventor
Koji Kinoshita
宏司 木下
Satoshi Takano
聖史 高野
Kazuyoshi Tanaka
一義 田中
Masaharu Goto
正治 後藤
Yutaka Hashimoto
豊 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP11205339A priority Critical patent/JP2001031855A/ja
Publication of JP2001031855A publication Critical patent/JP2001031855A/ja
Publication of JP2001031855A5 publication Critical patent/JP2001031855A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性と難燃性に優れたポリカーボネート成
形体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】5重量%水溶液あるいは水分散液のpHが
5〜9であるパーフルオロアルキルスルホン酸塩を添加
して難燃性ポリカーボネートを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、5重量%水溶液あ
るいは水分散液のpHが5〜9であるパーフルオロアル
キルスルホン酸塩を添加してなる難燃性ポリカーボネー
トの製造方法およびそれよりなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートへの難燃性付与に関し
ては、従来より合成樹脂用として公知の難燃剤を添加す
ることが提案されているが、それらは多量の添加量を要
するためにポリカーボネート自体の性能を悪化させるこ
と、また添加剤とポリカーボネートとの相溶性や高い加
工温度における熱安定性等の問題点があった。
【0003】上記の相溶性、熱安定性等の問題点を解決
すると同時に少量の添加量で優れた難燃性を付与するも
のとして、炭素数4〜8のパーフルオロアルキルスルホ
ン酸のアルカリ金属塩あるいは第4級アンモニウム塩
(特公昭47ー40445号)、炭素数1〜3のパーフ
ルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩(特公昭5
4ー32456号)が知られている。しかしながら、単
に前述のようなパーフルオロアルキル基含有スルホン酸
塩を用いただけでは、ポリカーボネート成形後の外観に
おいてヘイズが発生し、透明性の点で不十分であるとい
う問題点がある。また、より透明性の高い成形体を得る
ためには、難燃剤として粒経が100ミクロン以下であ
るパーフルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩または第4級アンモニウム塩を添加
すること(特開平6−136247)も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような粒径を制御
したフッ素系化合物を用いると、透明性を維持しつつ難
燃性に優れた成形体を得ることもできるが、要求レベル
の向上に伴って難燃性が充分に満足されたものでは無く
なってきている。そこで、さらに優れた難燃性を得るた
めには添加量を増加させる必要性があるがヘイズが発生
し透明な成形体が得られない。
【0005】ヘイズを低下させずに目標とする難燃性を
有する成形物を得るためにこのようなフッ素系化合物単
独ではなく、臭素系あるいはリン系難燃剤を併用する必
要があるが、その場合に併用される難燃剤の添加量はフ
ッ素系の難燃剤の添加量の10〜100倍程度になるた
め成形物の物性低下が問題になってくる。
【0006】本発明の目的は、このような問題点が解決
された透明性と難燃性に優れたポリカーボネート成形体
及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑みて鋭意検討した結果、5重量%水溶液ある
いは水分散液のpHが5〜9であるパーフルオロアルキ
ルスルホン酸塩を難燃剤として単独で用いることによ
り、透明性を維持しつつ、優れた難燃性を有するポリカ
ーボネート成形体を得ることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0008】即ち、本発明は、5重量%水溶液あるいは
水分散液のpHが5〜9であるパーフルオロアルキルス
ルホン酸塩を添加してなる難燃性ポリカーボネートの製
造方法および難燃性ポリカーボネートからなる成形体に
関する。
【0009】
【発明の実施形態】本発明でいうパーフルオロアルキル
スルホン酸塩とは、トリフルオロメタンスルホン酸カリ
ウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフ
ルオロヘキサンスルホン酸カリウム、パーフルオロオク
タンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエタンスルホ
ン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリ
ウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、ト
リフルオロメタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブ
タンスルホン酸リチウム、パーフルオロヘプタンスルホ
ン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸セシウ
ム、パーフルオロオクタンスルホン酸セシウム、パーフ
ルオロヘキサンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタ
ンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタンスルホン酸
テトラメチルアンモニウム、トリフルオロメタンスルホ
ン酸テトラエチルアンモニウム等が挙げられるが、これ
らの具体例によって本発明が何ら限定されるものでない
ことは勿論である。
【0010】ここでいうpHとは、水溶液の水素イオン
濃度の負の常用対数値であり、25℃における測定値を
表す。pHのおおよその値は指示薬によりの知ることが
できるが、正確には電気化学的方法により測定する。一
般的にはpHメーターと呼ばれる市販の測定器により測
定することができる。
【0011】本発明では、このようにして測定される5
%水溶液のpHが5〜9であるパーフルオロアルキルス
ルホン酸塩を難燃剤として用いることで、透明性、難燃
性に優れるポリカーボネートを得ることができる。pH
は、透明性に大きく影響し、5より低いpHでは成形時
にガスの発生が起こり良好な成形物が得られず、9以上
では成形時に大幅な粘度低下が起こり良好な成形物が得
られない。より優れた透明性を得るためには好ましく
は、pHが6〜8であり、さらに好ましくは、pHが6
〜7である。
【0012】パーフルオロアルキルスルホン酸塩の製造
方法については、特に制限はなく、公知慣用の方法が用
いられる。一般的には、パーフルオロアルキルスルホン
酸を塩基性化合物で中和する方法やパーフルオロアルキ
ルスルホニルフルオリドを塩基性化合物で中和する方法
が使用されるが、これらの方法に限定されるものではな
い。しかしヘイズの良好なポリカーボネート成形体を得
るためにはpHが重要であり、pHが5〜9になるよう
に調整し製造する必要があるが、再結晶、再沈澱等の精
製方法を併用することで、目的のpHのものを得ること
も勿論可能である。
【0013】パーフルオロアルキルスルホン酸塩は、ポ
リカーボネートに対して0.01〜3重量%添加するこ
とによりポリカーボネートに不利なヘイズを生じること
なく、燃焼性を極度に低下させることが可能であり、特
に経済性と性能のバランスを考慮して0.05〜0.3
重量%という極少量の添加が好ましい。
【0014】これらの難燃剤は上述の添加量により1種
のみで用いても良いし、あるいは2種以上を併用しても
良い。更に、例えば従来公知である塩素または臭素のよ
うなハロゲンを含有する難燃剤が従来公知の方法により
ポリカーボネート中に添加される系においても、本発明
の難燃剤を併用することにより総添加量を低減できると
同時に、難燃性を更に大きく向上させる場合がある。
【0015】本発明により難燃性を付与すべきポリカー
ボネートとしては特に制限はなく、基本的には下記一般
式(1)で示される化合物を用いることができる。
【0016】
【化1】
【0017】ここで、Rは2価の芳香族あるいは脂肪族
連結基である。
【0018】本発明にける、ポリカーボネートを製造す
る方法にも特に制限はなく公知慣用の方法を用いること
ができる。古くから知られている方法として例えば、
(1)炭酸のジエステルとジオキシ化合物とのエステル
交換反応、(2)ジオキシ化合物と、それ自身あるいは
他のジオキシ化合物のビスアルキル或いはビスアリール
カーボネートとのエステル交換反応、(3)酸結合剤存
在下でジオキシ化合物とホスゲンとの反応、(4)酸結
合剤存在下でジオキシ化合物とジオキシ化合物のビスク
ロル炭酸エステルとの反応が挙げられる。
【0019】このような例示された反応の中で共通する
原料であり、ポリカーボネートの物性を決定付けるジオ
キシ化合物としては具体例をとして、ハイドロキノン、
レゾルシノール、4,4’ージヒドロキシジフェニル、
例えばC1−C8−アルキレン−叉はC2−C8ーアルキリ
デン−ビスフェノールのようなビスー(ヒドロキシーフ
ェニル)ーアルカン、例えばC5−C15−シクロアルキ
レン−叉はC5−C15−シクロアルキリデンービスフェ
ノールのようなビスー(ヒドロキシーフェニル)ーシク
ロアルカン、ビスー(ヒドロキシーフェニル)ースルフ
ィド、ーエーテル、ーケトン、ースルフォキシド叉はス
ルフォンである。更に叉α,α’−ビス−(ヒドロキシ
ーフェニル)ージイソプロピルベンゼン及び対応する核
アルキル化叉は核ハロゲン化された化合物、ビスー(4
−ヒドロキシーフェニル)ープロパン−2,2(ビスフ
ェノールA)、ビスー(4−ヒドロキシー3,5ージク
ロロ−フェニル)ープロパン−2,2(テトラクロロ−
ビスフェノールA)、ビスー(4−ヒドロキシー3,5
ージブロモ−フェニル)ープロパン−2,2(テトラブ
ロモ−ビスフェノールA)、ビスー(4−ヒドロキシー
3,5ージメチル−フェニル)ープロパン−2,2(テ
トラメチル−ビスフェノールA)、ビスー(4−ヒドロ
キシーフェニル)ーシクロヘキサン−1,1(ビスフェ
ノールZ)に基本とするポリカーボネート及びα,α’
−ビス−(4−ヒドロキシーフェニル)ーp−ジイソプ
ロピルベンゼンのような三核ビスフェノールに基礎を置
くものが挙げられる。これらの具体例によって本発明が
何ら限定されるものでないことは勿論である。
【0020】また、本発明に関わるポリカーボネート樹
脂は、異なったジオキシ化合物を原料とするコポリカー
ボネート、カーボネート結合とエステル結合、ウレタン
結合等の他の結合をポリマー主鎖中に有するランダム、
ブロック、交互共重合体であっても良い。
【0021】さらに、溶融粘度などの成形条件の最適
化、最終成形物の目的に合った性能発現のために、ポリ
カーボネートに対して任意な割合で、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹
脂、フッ素樹脂、ABC樹脂を加えた、いわゆるポリマ
ーブレンド、ポリマーアロイであっても構わない。
【0022】さらにまた、加工過程中或いは加工後に
熱、紫外線、電子線、X線等のエネルギー線により、場
合によっては硬化剤、架橋剤と称される添加剤を加えて
公知慣用の方法にて3次元化した構造のものであっても
構わない。
【0023】本発明において、ポリカーボネート樹脂に
対するパーフルオロアルキルスルホン酸塩の添加方法に
も特に制限はなく公知慣用の方法を用いることができ
る。例えば、成形時に目的とするポリカーボネートと同
時に加えるドライブレンド法、予め最終添加量よりも高
濃度のパーフルオロアルキルスルホン酸塩を添加したポ
リカーボネート(マスターバッチ)を準備するマスター
バッチ法が挙げられるが、その他にもポリカーボネート
に相溶する第三成分中にパーフルオロアルキルスルホン
酸塩を添加しした後ポリカーボネートに添加する方法、
ポリカーボネートを製造する過程、例えば重合する段階
にパーフルオロアルキルスルホン酸塩を存在させて添加
する方法等を採用しても構わない。これらの具体例によ
って本発明が何ら限定されるものでないことは勿論であ
る。
【0024】本発明に関わる難燃性ポリカーボネートに
は、必要に応じて公知慣用の方法により染料、顔料、流
動性等を制御する成形助剤、ガラス繊維等の強化充填
材、耐熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、潤滑剤、表
面改質剤等の公知慣用の添加剤を併用することが可能で
ある。
【0025】本発明に関わる難燃性ポリカーボネートの
成形方法にも特に制限はなく、目的とする用途、成形体
の形状、サイズ、成形設備、コスト等に応じて射出成形
法、押出成形法、吹込成形法、圧縮成形法、粉末成形
法、キャスティング法等の公知慣用の方法を使用でき
る。これらの具体例によって本発明が何ら限定されるも
のでないことは勿論である。
【0026】また、成形体の形状、サイズにも特に制限
はなく、例えばフィルム、シート、パイプ、ロッドの他
目的に応じた異型成形体が挙げられる。さらに、得られ
た成形体を、切断、切削、打抜、タップ立て、ねじ切
り、真空成形、熱間加工、冷間加工、ホットスタンプ、
溶接、接着、塗装、メッキ、蒸着、印刷、ラミネート、
エンボス等の目的に応じた2次加工をすることも可能で
ある。
【0027】また本発明に関わる難燃性ポリカーボネー
トの用途についても特に制限なく、透明性と難燃性を活
かし広範な用途に適用することができる。例えば、各種
機械容器、機械部品、各種機械のハウジング、ディスプ
レー、照明等の各種保護カバー、保護眼鏡、各種レン
ズ、電子・電気機器のハウジング及び各種部品、食品用
容器、パネル、防護壁、窓材、各種絶縁材料、医療機器
のハウジング及び部品等が挙げられる。これらの具体例
によって本発明が何ら限定されるものでないことは勿論
である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳述す
るがこれらは本発明の単なる例示にすぎず、本発明を限
定するものではない。
【0029】参考例1 パーフルオロブタンスルホン酸
カリウム塩の製造例 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、イオン交換水の100
部、イソプロパノールの200部を仕込んだ後、攪拌し
ながら、水酸化カリウムの18.8部をイオン交換水の
100部に溶解した溶液を室温にて30分かけて添加し
た。さらに、5重量%の水酸化カリウム水溶液によりp
Hを6.9に調整した。pHは反応溶液に水を加え、5
重量%溶液に調整して測定した。80℃まで昇温し2時
間攪拌を続けた後、同温度で減圧によりイオン交換水お
よびイソプロパノールを除去することにより得られた湿
潤パウダーを、80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥する
ことにより目的物を得た。得られたパーフルオロブタン
スルホン酸カリウム塩の5重量%に水で調整した液のp
Hは、7.2であった。
【0030】参考例2 パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、メタノールの300部
を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化ナトリウムの1
3.3部をメタノールの100部に溶解した溶液を室温
にて30分かけて添加した。さらに、5重量%の水酸化
ナトリウムのメタノール溶液によりpHを6.8に調整
した。pHは反応溶液に水を加え、5重量%溶液に調整
して測定した。50℃まで昇温し2時間攪拌を続けた
後、室温まで冷却し、濾過によりメタノール不溶分を除
去した。濾液を50℃で減圧下メタノールの除去を行う
ことにより得た湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風
乾燥機で乾燥することにより目的物を得た。得られたパ
ーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム塩の5重量%に
水で調整した液のpHは、7.0であった。
【0031】参考例3 パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、イオン交換水の300
部を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化ナトリウムの1
3.3部をイオン交換水の100部に溶解した溶液を室
温にて30分かけて添加した。さらに、5重量%の水酸
化ナトリウムのメタノール溶液によりpHを7.0に調
整した。pHは反応溶液に水を加え、5重量%溶液に調
整して測定した。50℃まで昇温し2時間攪拌を続けた
後、室温まで冷却さらに氷冷した。氷冷後に析出した結
晶を濾過により取り出した。得られたパーフルオロブタ
ンスルホン酸ナトリウム塩の5重量%に水で調整した液
のpHは、6.7であった。
【0032】参考例4 パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、メタノールの300部
を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化ナトリウムの1
3.3部をメタノールの100部に溶解した溶液を室温
にて30分かけて添加した。さらに、5重量%の水酸化
ナトリウムのメタノール溶液によりpHを8.8に調整
した。pHは反応溶液に水を加え、5重量%溶液に調整
して測定した。50℃まで昇温し2時間攪拌を続けた
後、室温まで冷却し、濾過によりメタノール不溶分を除
去した。濾液を50℃で減圧下メタノールの除去を行う
ことにより得た湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風
乾燥機で乾燥することにより目的物を得た。得られたパ
ーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム塩の5重量%に
水で調整した液のpHは、9.0であった。
【0033】参考例5 パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、メタノールの200部
を仕込んだ後、攪拌しながら、ナトリウムメチラートの
15部をメタノールの100部に溶解した溶液を室温に
て1時間かけて添加した。さらに、5重量%のナトリウ
ムメチラートのメタノール溶液によりpHを4.9に調
整した。pHは反応溶液に水を加え、5重量%溶液に調
整して測定した。50℃まで昇温し2時間攪拌を続けた
後、室温まで冷却し、濾過によりメタノール不溶分を除
去した。濾液を50℃で減圧下メタノールの除去を行う
ことにより得た湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風
乾燥機で乾燥することにより目的物を得た。得られたパ
ーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム塩の5重量%に
水で調整した液のpHは、5.0であった。
【0034】参考例6 パーフルオロブタンスルホン酸
リチウム塩の製造例 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、メタノールの200部
を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化リチウムの8部を
メタノールの200部に溶解した溶液を室温にて30分
かけて添加した。さらに、5重量%の水酸化リチウムの
メタノール溶液によりpHを6.5に調整した。pHは
反応溶液に水を加え、5重量%溶液に調整して測定し
た。50℃まで昇温し2時間攪拌を続けた後、室温まで
冷却し、濾過によりメタノール不溶分を除去した。濾液
を50℃で減圧下メタノールの除去を行うことにより得
た湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥
することにより目的物を得た。得られたパーフルオロブ
タンスルホン酸リチウム塩の5重量%に水で調整した液
のpHは、6.8であった。
【0035】参考例7 パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コに、水酸化ナトリウムの33部、イオン交換水の20
0部を仕込んだ後、攪拌しながら、C49SO 2Fの1
00部を室温にて1時間かけて添加した。80℃まで昇
温し7時間攪拌を続けた後、室温まで冷却、さらに氷冷
した。氷冷後に析出した結晶を濾過により取り出した。
得られたパーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム塩の
5重量%に水で調整した液のpHは、6.9であった。
【0036】参考例8 パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、メタノールの300部
を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化ナトリウムの11
部をメタノールの100部に溶解した溶液を室温にて3
0分かけて添加した。さらに、5重量%の水酸化ナトリ
ウムのメタノール溶液によりpHを3.7に調整した。
pHは反応溶液に水を加え、5重量%溶液に調整して測
定した。50℃まで昇温し2時間攪拌を続けた後、室温
まで冷却し、濾過によりメタノール不溶分を除去した。
濾液を50℃で減圧下メタノールの除去を行うことによ
り得た湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風乾燥機で
乾燥することにより目的物を得た。得られたパーフルオ
ロブタンスルホン酸ナトリウム塩の5重量%に水で調整
した液のpHは、4.2であった。
【0037】参考例9 パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、イオン交換水の300
部を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化ナトリウムの1
3.3部をメタノールの100部に溶解した溶液を室温
にて30分かけて添加した。さらに、5重量%の水酸化
ナトリウムのイオン交換水によりpHを11.0に調整
した。pHは反応溶液に水を加え、5重量%溶液に調整
して測定した。50℃まで昇温し2時間攪拌を続けた
後、同温度で減圧下イオン交換水の除去を行うことによ
り得た湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風乾燥機で
乾燥することにより目的物を得た。得られたパーフルオ
ロブタンスルホン酸ナトリウム塩の5重量%に水で調整
した液のpHは、10.5であった。
【0038】実施例1 120℃にて5時間熱風乾燥機で乾燥したパンライトL
−1225(帝人化成株式会社製、ポリカーボネート樹
脂)の100重量部に対して、参考例1で製造したパー
フルオロブタンスルホン酸カリウムの0.1重量部を添
加した試料を調整した。次に住友重機工業株式会社製成
形機SYCAP165/75により、成形温度305
℃、金型温度100℃にて射出成形を行い125mm×
12mm×3.2mmの成形物を得た。
【0039】得られた成形物の燃焼性についてはアンダ
ーライター実験室UL−94、第3版(1980)に従
って行った。即ち、各難燃性ポリカーボネート成形物試
片を5個準備し、各試料に対して2度の着火を行った。
その際、第1回目および第2回目の着火では何れの試料
でも滴下せず、難燃性グレードはV0であった。
【0040】また、厚み方向の650nmにおける透過
率は92%、隠蔽紙上に成形物を置いた際の目視による
下記基準による5段階評価では5であった。
【0041】 5:透明 4:成形物にごく僅かに濁りが見える。 3:成形物に白くは見えないが明らかに濁りが見える。 2:成形物が僅かに白く見える。 1:成形物が明らかに白く見える。
【0042】得られた成形物の黄変度については、スペ
クトロカラーメーターSZ−Σ80(カラーメーター株
式会社製)によりX、Y、Zを測定し、以下の計算式で
計算されるN値に基づいて評価した。測定は、透明成形
板の裏側に白色板を張り付けたものをサンプルとするこ
とにより測定した。
【0043】
【式1】N=100(1.28X−1.06Z)/Y
【0044】
【式2】△N=N−N0
【0045】(N0は、難燃剤を無添加の透明成形物の
裏側に白色板貼り付けたもののN値) その結果、△N値は、4.2であった。
【0046】実施例2〜7,比較例1〜2 参考例1で得られた化合物の種類及び添加量を変化させ
た以外は実施例1と同様にして、成形物を得、実施例1
と同様の項目について評価を行った。
【0047】表1には、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩の種類及びポリカーボネート100重量部に対する
添加量、得られた成形物の透明性、難燃性評価の結果を
まとめて示した。
【0048】
【表1】表 1
【0049】表中、添加量はポリカーボネート100重
量部に対する重量%の値を示す。表中、難燃性評価の結
果、実施例1〜9の全てのサンプルにおいて、第1回目
の着火での滴下試料数および第2回目の着火での滴下試
料数は、いずれも0個であった。
【0050】
【表2】表 1(つづき)
【0051】表中、添加量はポリカーボネート100重
量部に対する重量%の値を示す。表中、難燃性評価の
( )内の数字は、(第1回目着火での滴下試料数/第
2回目着火での滴下試料数)を示す。
【0052】
【表3】表 1(つづき)
【0053】
【発明の効果】 表1および表2より明らかなように、
pHが5〜9のパーフルオロアルキルスルホン酸塩を用
いることにより透明性および難燃性に優れる難燃性ポリ
カーボネートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 豊 大阪府堺市桃山台4−21−4−208 Fターム(参考) 4J002 CG011 CG021 CG031 EV256 FD136

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5重量%水溶液あるいは水分散液のpHが
    5〜9であるパーフルオロアルキルスルホン酸塩を添加
    してなる難燃性ポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】パーフルオロアルキルスルホン酸塩がパー
    フルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、パーフル
    オロアルキルスルホン酸アルカリ土類金属塩またはパー
    フルオロアルキルスルホン酸第4級アンモニウム塩から
    選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の難燃性
    ポリカーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】パーフルオロアルキルスルホン酸塩の炭素
    数が1〜8である請求項1に記載の難燃性ポリカーボネ
    ートの製造方法。
  4. 【請求項4】パーフルオロアルキルスルホン酸塩がパー
    フルオロブタンスルホン酸ナトリウムである請求項1に
    記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1から4に記載の製造方法により製
    造された難燃性ポリカーボネートからなる成形体。
JP11205339A 1999-07-19 1999-07-19 難燃性ポリカーボネートの製造方法およびそれよりなる成形体 Pending JP2001031855A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11205339A JP2001031855A (ja) 1999-07-19 1999-07-19 難燃性ポリカーボネートの製造方法およびそれよりなる成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11205339A JP2001031855A (ja) 1999-07-19 1999-07-19 難燃性ポリカーボネートの製造方法およびそれよりなる成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001031855A true JP2001031855A (ja) 2001-02-06
JP2001031855A5 JP2001031855A5 (ja) 2006-01-26

Family

ID=16505276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11205339A Pending JP2001031855A (ja) 1999-07-19 1999-07-19 難燃性ポリカーボネートの製造方法およびそれよりなる成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001031855A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002265432A (ja) * 2001-03-12 2002-09-18 Dainippon Ink & Chem Inc パーフルオロアルキル基含有スルホン酸塩、難燃剤、難燃性ポリカーボネート及びその成形体
JP2005112974A (ja) * 2003-10-07 2005-04-28 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2005112973A (ja) * 2003-10-07 2005-04-28 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2005225994A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Teijin Chem Ltd 透明熱可塑性樹脂組成物の製造方法、および該方法により製造された透明熱可塑性樹脂組成物
WO2006008858A1 (ja) * 2004-07-20 2006-01-26 Teijin Chemicals Ltd. 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびその製造方法
JP2006045282A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2006077114A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Teijin Chem Ltd 光高反射性ポリカーボネート樹脂組成物
WO2008013579A2 (en) * 2006-03-23 2008-01-31 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Flame retardant polycarbonate compositions having good transparency and low haze, method of manufacture, and articles prepared therefrom

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002265432A (ja) * 2001-03-12 2002-09-18 Dainippon Ink & Chem Inc パーフルオロアルキル基含有スルホン酸塩、難燃剤、難燃性ポリカーボネート及びその成形体
JP2005112974A (ja) * 2003-10-07 2005-04-28 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2005112973A (ja) * 2003-10-07 2005-04-28 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP4649103B2 (ja) * 2003-10-07 2011-03-09 帝人化成株式会社 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2005225994A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Teijin Chem Ltd 透明熱可塑性樹脂組成物の製造方法、および該方法により製造された透明熱可塑性樹脂組成物
WO2006008858A1 (ja) * 2004-07-20 2006-01-26 Teijin Chemicals Ltd. 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびその製造方法
US8110622B2 (en) 2004-07-20 2012-02-07 Teijin Chemicals Ltd. Aromatic polycarbonate resin composition and manufacturing process thereof
JP2006045282A (ja) * 2004-08-02 2006-02-16 Teijin Chem Ltd 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2006077114A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Teijin Chem Ltd 光高反射性ポリカーボネート樹脂組成物
WO2008013579A2 (en) * 2006-03-23 2008-01-31 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Flame retardant polycarbonate compositions having good transparency and low haze, method of manufacture, and articles prepared therefrom
WO2008013579A3 (en) * 2006-03-23 2008-06-05 Gen Electric Flame retardant polycarbonate compositions having good transparency and low haze, method of manufacture, and articles prepared therefrom

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5602997B2 (ja) ガラス繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP5280669B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
JP5571279B2 (ja) 難燃光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物
EP2031020B1 (en) Flame-retardant and light-diffusing polycarbonate resin composition and light-diffusing plate made of the same
JP5524463B2 (ja) ガラス繊維強化難燃性樹脂組成物からなる鏡筒
JP5150494B2 (ja) 樹脂組成物
JP5805927B2 (ja) ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体、成形品およびその製造方法
WO2014148641A1 (ja) ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物
JP5048948B2 (ja) ガラス繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP5371973B2 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
WO2008047672A1 (fr) Composition de resine de polycarbonate ignifuge, article moule en resine de polycarbonate et procede de production dudit article
JP2006249291A (ja) ガラス強化ポリカーボネート樹脂組成物
JP2001031854A (ja) パーフルオロアルキルスルホン酸塩の製造方法、難燃性ポリカーボネートの製造方法およびそれよりなる成形体
WO2013183521A1 (ja) 導光性能を有する樹脂組成物、並びにそれからなる導光板および面光源体
JP2001031855A (ja) 難燃性ポリカーボネートの製造方法およびそれよりなる成形体
KR101256262B1 (ko) 난연성 열가소성 수지 조성물 및 이를 이용한 성형품
JP6895778B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP4058862B2 (ja) 難燃剤、それを使用する難燃性ポリカーボネートの製造方法およびその成形体
KR20160043610A (ko) 투명성 및 기계적 강도가 우수한 열가소성 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품
JPH06136247A (ja) 難燃性ポリカーボネート系樹脂の製造方法
JP5432046B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品
JP2001115004A (ja) 難燃剤、それを使用する難燃性ポリカーボネートの製造方法及びその成形体
JP2001031856A (ja) 難燃性ポリカーボネートの製造方法およびその成形物
JP4802377B2 (ja) 難燃剤、難燃性ポリカーボネート及びその成形体
KR100234854B1 (ko) 열변형 온도 특성 및 기계적 특성이 향상된 난연성 고분자 수지조성물

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050721

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051207

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080701

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081111