JP2001115004A - 難燃剤、それを使用する難燃性ポリカーボネートの製造方法及びその成形体 - Google Patents

難燃剤、それを使用する難燃性ポリカーボネートの製造方法及びその成形体

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JP2001115004A
JP2001115004A JP29811199A JP29811199A JP2001115004A JP 2001115004 A JP2001115004 A JP 2001115004A JP 29811199 A JP29811199 A JP 29811199A JP 29811199 A JP29811199 A JP 29811199A JP 2001115004 A JP2001115004 A JP 2001115004A
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Koji Kinoshita
宏司 木下
Satoshi Takano
聖史 高野
Masaharu Goto
正治 後藤
Kazuyoshi Tanaka
一義 田中
Yutaka Hashimoto
豊 橋本
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明性と難燃性がともに優れたポリカーボネー
ト成形体用難燃剤及び難燃性ポリカーボネートの製造方
法を提供する。 【解決手段】アルコール不溶成分の含有量を低減化した
パーフルオロアルキルスルホン酸塩からなる難燃剤及び
この難燃剤をポリカーボネートに添加する難燃性ポリカ
ーボネートの製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコール不溶成
分の含有量を低減化したパーフルオロアルキルスルホン
酸塩からなる難燃剤およびそれを添加する難燃性ポリカ
ーボネートの製造方法およびその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートへの難燃性付与に関し
ては、従来より合成樹脂用として公知の難燃剤を添加す
ることが提案されているが、それらは多量の添加量を要
するためにポリカーボネート自体の性能を悪化させるこ
と、また添加剤とポリカーボネートとの相溶性や高い加
工温度における熱安定性等の問題点があった。
【0003】上記の相溶性、熱安定性等の問題点を解決
すると同時に少量の添加量で優れた難燃性を付与するも
のとして、炭素数4〜8のパーフルオロアルキルスルホ
ン酸のアルカリ金属塩あるいは第4級アンモニウム塩
(特公昭47−40445号)、炭素数1〜3のパーフ
ルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩(特公昭5
4−32456号)が知られている。しかしながら、単
に前述のようなパーフルオロアルキル基含有スルホン酸
塩を用いただけでは、ポリカーボネート成形後の外観に
おいてヘイズが発生し、透明性の点で不十分である。
【0004】また、より透明性の高い成形体を得るため
には、難燃剤として粒子径が100ミクロン以下である
パーフルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩または第4級アンモニウム塩を添加す
ること(特開平6−136247号公報)も知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような粒子径を制
御したフッ素系化合物を用いると、透明性を維持しつつ
難燃性に優れた成形体を得ることもできるが、要求レベ
ルの向上に伴って難燃性が充分に満足されたものでは無
くなってきている。
【0006】そこで、さらに優れた難燃性を得るために
は添加量を増加させる必要性があるが、この場合ヘイズ
が発生し透明な成形体が得られない。ヘイズを低下させ
ずに目標とする難燃性を有する成形物を得るためにこの
ようなフッ素系化合物単独ではなく、臭素系あるいはリ
ン系難燃剤を併用する必要があるが、その場合に併用さ
れる難燃剤の添加量はフッ素系の難燃剤の添加量の10
〜100倍程度になるため成形物の物性の低下が問題に
なってくる。
【0007】本発明の目的は、このような問題点が解決
された透明性と難燃性がともに優れたポリカーボネート
成形体用難燃剤及び難燃性ポリカーボネートの製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑みて鋭意検討した結果、アルコール不溶成分
を低減したパーフルオロアルキルスルホン酸塩からなる
難燃剤を用いることにより、透明性を維持しつつ、優れ
た難燃性を有するポリカーボネート成形体が得られるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、[I]本発明は、アルコール不溶成
分の含有量を低減化したパーフルオロアルキルスルホン
酸塩からなる難燃剤を提供するものであり、[II]本発
明は、パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、パーフル
オロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、パーフルオロ
アルキルスルホン酸アルカリ土類金属塩またはパーフル
オロアルキルスルホン酸第4級アンモニウム塩からなる
群から選ばれる少なくとも1種である上記[I]に記載
の難燃剤を提供するものであり、[III]本発明は、パ
ーフルオロアルキルスルホン酸塩の炭素数が1〜8であ
る上記[I]又は[II]に記載の難燃剤を提供するもの
であり、[IV]本発明は、パーフルオロアルキルスルホ
ン酸塩が、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウムで
ある上記[I]に記載の難燃剤を提供するものであり、
また[V]本発明は、アルコール不溶成分の含有量を低
減化したパーフルオロアルキルスルホン酸塩をポリカー
ボネートに添加することを特徴とする難燃性ポリカーボ
ネートの製造方法を提供するものであり、[VI]本発明
は、パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、パーフルオ
ロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、パーフルオロア
ルキルスルホン酸アルカリ土類金属塩またはパーフルオ
ロアルキルスルホン酸第4級アンモニウム塩からなる群
から選ばれる少なくとも1種である上記[V]に記載の
難燃性ポリカーボネートの製造方法を提供するものであ
り、[VII]本発明は、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩の炭素数が1〜8である上記[V]記載の難燃性ポ
リカーボネートの製造方法を提供するものであり、[VI
II]本発明は、パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、
パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウムである上記
[V]に記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法を提
供するものであり、さらに[IX]本発明は、上記[V]
から[VIII]に記載の製造方法により得られる難燃性ポ
リカーボネートからなる成形体を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明でいうパーフルオロアルキ
ルスルホン酸塩とは、例えばトリフルオロメタンスルホ
ン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウ
ム、パーフルオロヘキサンスルホン酸カリウム、パーフ
ルオロオクタンスルホン酸カリウム、ペンタフルオロエ
タンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホ
ン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナト
リウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、パー
フルオロブタンスルホン酸リチウム、パーフルオロヘプ
タンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン
酸セシウム、パーフルオロオクタンスルホン酸セシウ
ム、パーフルオロヘキサンスルホン酸セシウム、パーフ
ルオロブタンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタン
スルホン酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロメ
タンスルホン酸テトラエチルアンモニウム等が挙げられ
るが、これらの具体例によって本発明が何ら限定される
ものでないことは勿論である。
【0011】ここでいうアルコールとは、1分子中に1
個以上の水酸基をもつ化合物であり、それらの一例を挙
げるにとどめれば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノー
ル、tert−ブタノール、ヘキサノール、オクタノー
ル等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール等のジオール
類;グリセリン等のポリオール類が挙げられる。このア
ルコール不溶成分の含有量を低減化したことによりポリ
カーボネートに添加した時の透明性、難燃性を向上する
ことができる。
【0012】パーフルオロアルキルスルホン酸塩は、そ
の製造工程でアルコール不溶の不純物等が生じる場合に
は、この不溶成分を除去することによりアルコール不溶
成分を低減したパーフルオロアルキルスルホン酸塩を得
ることができる。
【0013】アルコール不溶成分の除去方法については
特に制限はなく、公知慣用の方法が用いられる。一般的
には、パーフルオロアルキルスルホン酸塩をアルコール
に溶解しアルコール溶液とする。この場合アルコールと
しては、上記のアルコールのうち、溶解性の点でメタノ
ール、エタノール、プロパノール等のモノアルコールが
好ましく、メタノールがより好ましい。アルコール溶液
の濃度には特に制限はないが、常温で処理したいパーフ
ルオロアルキルスルホン酸塩が溶解する濃度にすること
が好ましい。上記のアルコール溶液から、静置により不
溶物を沈降させ上澄みを分離する方法、遠心分離するこ
とにより上澄みを分離する方法、濾紙、セルロースフィ
ルターあるいはテフロンフィルター等で濾過する方法に
より不溶成分の分離が行うことができる。これらの方法
に限定されるものではない。
【0014】パーフルオロアルキルスルホン酸塩の製造
方法については、特に制限はなく、公知慣用の方法が用
いられる。一般的には、パーフルオロアルキルスルホン
酸を塩基性化合物で中和する方法やパーフルオロアルキ
ルスルホニルフルオリドを塩基性化合物で中和する方法
が使用されるが、これらの方法に限定されるものではな
い。パーフルオロアルキルスルホン酸塩は、ポリカーボ
ネートに対して0.01〜3重量%添加することにより
ポリカーボネートに不利なヘイズを生じることなく、燃
焼性を極度に低下させることが可能であり、特に経済性
と性能のバランスを考慮して0.05〜0.3重量%と
いう極少量の添加が好ましい。
【0015】これらの難燃剤は上述の添加量により1種
のみで用いても良いし、あるいは2種以上を併用しても
良い。更に、本発明に係る難燃剤と、例えば従来公知で
ある塩素または臭素のようなハロゲンを含有する難燃剤
もしくはリン原子を含有する難燃剤等の従来公知慣用の
難燃剤とを併用して、ポリカーボネート中に添加される
系においても総添加量を低減することができ、同時に難
燃性を更に大きく向上することもできる。
【0016】本発明により難燃性を付与すべきポリカー
ボネートとしては特に制限はなく、基本的には下記一般
式(1)で示される化合物を用いることができる。
【0017】
【化1】
【0018】ここで、Rは2価の芳香族あるいは脂肪族
連結基である。
【0019】本発明における、ポリカーボネートを製造
する方法にも特に制限はなく公知慣用の方法を用いるこ
とができる。古くから知られている方法として例えば、
(1)炭酸のジエステルとジオキシ化合物とのエステル
交換反応による方法、(2)ジオキシ化合物と、それ自
身あるいは他のジオキシ化合物のビスアルキル或いはビ
スアリールカーボネートとのエステル交換反応による方
法、(3)酸結合剤存在下でジオキシ化合物とホスゲン
との反応による方法、(4)酸結合剤存在下でジオキシ
化合物とジオキシ化合物のビスクロル炭酸エステルとの
反応による方法等が挙げられる。
【0020】このような例示された反応の中で共通する
原料であり、ポリカーボネートの物性を決定付けるジオ
キシ化合物としては、具体例として、ハイドロキノン、
レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、
C1−C8−アルキレン−叉はC2−C8−アルキリデン−
ビスフェノールのようなビス−(ヒドロキシ−フェニ
ル)−アルカン、C5−C15−シクロアルキレン−叉は
C5−C15−シクロアルキリデン−ビスフェノールのよ
うなビス−(ヒドロキシ−フェニル)−シクロアルカ
ン、ビス−(ヒドロキシ−フェニル)−スルフィド、−
エーテル、−ケトン、−スルフォキシド叉はスルフォン
である。更にα,α’−ビス−(ヒドロキシ−フェニ
ル)−ジイソプロピルベンゼン及び対応する核アルキル
化叉は核ハロゲン化された化合物、ビス−(4−ヒドロ
キシ−フェニル)−プロパン−2,2(ビスフェノール
A)、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−フ
ェニル)−プロパン−2,2(テトラクロロ−ビスフェ
ノールA)、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロ
モ−フェニル)−プロパン−2,2(テトラブロモ−ビ
スフェノールA)、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−
ジメチル−フェニル)−プロパン−2,2(テトラメチ
ル−ビスフェノールA)、ビス−(4−ヒドロキシ−フ
ェニル)−シクロヘキサン−1,1(ビスフェノール
Z)に基本とするポリカーボネート及びα,α’−ビス
−(4−ヒドロキシ−フェニル)−p−ジイソプロピル
ベンゼンのような三核ビスフェノールに基礎を置くもの
が挙げられる。これらの具体例によって本発明が何ら限
定されるものでないことは勿論である。
【0021】また、本発明に関わるポリカーボネート樹
脂は、異なったジオキシ化合物を原料とするコポリカー
ボネート、カーボネート結合とエステル結合、ウレタン
結合等の他の結合をポリマー主鎖中に有するランダム、
ブロック、交互共重合体であっても良い。
【0022】さらに、ポリカーボネートは、溶融粘度な
どの成形条件の最適化、最終成形物の目的に合った性能
発現のために、ポリカーボネートに対して任意な割合
で、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、アクリ
ル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂を加
えた、いわゆるポリマーブレンド、ポリマーアロイであ
っても構わない。
【0023】さらにまた、ポリカーボネートは、加工過
程中或いは加工後に、必要に応じ硬化剤、架橋剤等を加
えて加熱し、紫外線、電子線、X線等のエネルギー線の
照射により、公知慣用の方法にて3次元化した構造のも
のであっても構わない。
【0024】本発明において、ポリカーボネート樹脂に
対するパーフルオロアルキルスルホン酸塩の添加方法に
も特に制限はなく公知慣用の方法を用いることができ
る。例えば、成形時に目的とするポリカーボネートと同
時に加えるドライブレンド法、予め押し出し機により、
パーフルオロアルキルスルホン酸塩を添加したポリカー
ボネートのペレットを準備し成形する方法、予め最終添
加量よりも高濃度のパーフルオロアルキルスルホン酸塩
を添加したポリカーボネート(マスターバッチ)を準備
するマスターバッチ法が挙げられる。またその他にもポ
リカーボネートに相溶する第三成分中にこれらのパーフ
ルオロアルキルスルホン酸塩を添加した後ポリカーボネ
ートに添加する方法、ポリカーボネートを製造する過
程、例えば重合する段階にこれらのパーフルオロアルキ
ルスルホン酸塩を存在させて添加する方法等を採用して
も構わない。これらの具体例によって本発明が何ら限定
されるものでないことは勿論である。
【0025】本発明に関わる難燃性ポリカーボネートに
は、必要に応じて公知慣用の方法により染料、顔料、流
動性等を制御する成形助剤、ガラス繊維等の強化充填
材、耐熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、潤滑剤、表
面改質剤等の公知慣用の添加剤を併用することが可能で
ある。
【0026】本発明に関わる難燃性ポリカーボネートの
成形方法にも特に制限はなく、目的とする用途、成形体
の形状、サイズ、成形設備、コスト等に応じて射出成形
法、押出成形法、吹込成形法、圧縮成形法、粉末成形
法、キャスティング法等の公知慣用の方法を使用でき
る。これらの具体例によって本発明が何ら限定されるも
のでないことは勿論である。
【0027】また、成形体の形状、サイズにも特に制限
はなく、例えばフィルム、シート、パイプ、ロッドの他
目的に応じた異型成形体が挙げられる。さらに、得られ
た成形体を、切断、切削、打抜、タップ立て、ねじ切
り、真空成形、熱間加工、冷間加工、ホットスタンプ、
溶接、接着、塗装、メッキ、蒸着、印刷、ラミネート、
エンボス等の目的に応じた2次加工をすることも可能で
ある。
【0028】また本発明に関わる難燃性ポリカーボネー
ト成形体の用途についても特に制限なく、透明性と難燃
性を活かし広範な用途に適用することができる。例え
ば、各種機械容器、機械部品、各種機械のハウジング、
ディスプレー、照明等の各種保護カバー、保護眼鏡、各
種レンズ、電子・電気機器のハウジング及び各種部品、
食品用容器、パネル、防護壁、窓材、各種絶縁材料、医
療機器のハウジング及び部品等が挙げられる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳述す
るがこれらは本発明の単なる例示にすぎず、本発明を限
定するものではない。
【0030】実施例1(パーフルオロブタンスルホン酸
カリウム塩の製造例) 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、イオン交換水の300
部を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化カリウムの1
8.8部をイオン交換水の100部に溶解した溶液を室
温にて30分かけて添加した。80℃まで昇温し2時間
攪拌を続けた後、冷却し、濾過にすることににより得ら
れた湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風乾燥機で乾
燥した。乾燥したパウダーをエタノールの1000部に
溶解し、エタノール不溶成分を濾過により除去した後、
エバポレーターにより濾液からエタノールを除去し、さ
らに80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥することにより
目的物を得た。
【0031】実施例2(パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例) 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、イオン交換水の300
部を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化ナトリウムの1
3.3部をイオン交換水の100部に溶解した溶液を室
温にて30分かけて添加した。さらに、5重量%の水酸
化ナトリウム水溶液によりpHを6.7に調整した。p
Hは反応溶液に水を加え、5重量%溶液に調整して測定
した。50℃まで昇温し2時間攪拌を続け、80℃まで
昇温し、同温度で減圧によりイオン交換水を除去した
後、80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥した。得られた
パウダーをメタノールの1000部に溶解し、メタノー
ル不溶成分を濾過により除去した後、エバポレーターに
より濾液からメタノールを除去し、さらに80℃で20
時間熱風乾燥機で乾燥することにより目的物を得た。
【0032】実施例3(パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例) 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コに、水酸化ナトリウムの33部、イオン交換水の20
0部を仕込んだ後、攪拌しながら、C49SO 2Fの1
00部を室温にて1時間かけて添加した。80℃まで昇
温し7時間攪拌を続けた後、室温まで冷却、さらに氷冷
した。氷冷後に析出した結晶を濾過により取り出した。
得られた濾過物を80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥
後、得られたパウダーをメタノールの700部およびエ
タノールの300部に溶解し、エタノール及びメタノー
ル不溶成分を遠心分離により除去した。エバポレーター
により上澄み液からメタノールおよびエタノールを除去
し、さらに80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥すること
により目的物を得た。
【0033】実施例4(パーフルオロブタンスルホン酸
カリウム/ナトリウム混合塩の製造例) 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Kの20部、C49SO3Naの80
部、メタノールの400部を仕込んだ後、攪拌しながら
均一に溶解させた。メタノール不溶分を濾過により除去
した後、濾液を50℃で減圧下メタノールの除去を行う
ことにより得た湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風
乾燥機で乾燥することにより目的物を得た。
【0034】実施例5(パーフルオロブタンスルホン酸
カリウム/ナトリウム混合塩の製造例) 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの300部、イオン交換水の300
部を仕込んだ後、水酸化カリウムの22.5部および水
酸化ナトリウムの24部をイオン交換水の500部に溶
解させたものを滴下した。2時間攪拌を続けた後、80
℃で減圧下イオン交換水を除去することにより得られた
パウダーを80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥した。乾
燥した試料を1000部のメタノールに溶解し、メタノ
ール不溶分を濾過により除去した後、濾液を50℃で減
圧下メタノールの除去を行った。得られた湿潤パウダー
を、80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥することにより
目的物を得た。
【0035】比較例1(パーフルオロブタンスルホン酸
カリウム塩の製造例) 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、イオン交換水の300
部を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化カリウムの1
8.8部をイオン交換水の100部に溶解した溶液を室
温にて30分かけて添加した。80℃まで昇温し2時間
攪拌を続けた後、冷却し、濾過にすることににより得ら
れた湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風乾燥機で乾
燥することにより目的物を得た。
【0036】比較例2(パーフルオロブタンスルホン酸
ナトリウム塩の製造例) 撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラス
コにC49SO3Hの100部、イオン交換水の300
部を仕込んだ後、攪拌しながら、水酸化ナトリウムの1
3.3部をイオン交換水の100部に溶解した溶液を室
温にて30分かけて添加した。さらに、5重量%の水酸
化ナトリウム水溶液によりpHを6.7に調整した。p
Hは反応溶液に水を加え、5重量%溶液に調整して測定
した。50℃まで昇温し2時間攪拌を続け、80℃まで
昇温し、同温度で減圧によりイオン交換水を除去した
後、80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥することにより
目的物を得た。
【0037】実施例6 120℃にて5時間熱風乾燥機で乾燥したパンライトL
−1225(帝人化成株式会社製、ポリカーボネート樹
脂)の100重量部に対して、実施例1で得られた化合
物の0.15重量部を添加した試料を調整し、IKG株
式会社製PMS40−32(V)押出機により、290
℃にて押し出しを行い、ペレットを作成した。
【0038】次に作成したペレットを用いて、住友重機
工業株式会社製成形機SYCAP165/75により、
成形温度305℃、金型温度100℃にて射出成形を行
い125mm×12mm×3.2mmおよび125mm
×12mm×1.6mmの成形物を得た。 <測定方法及び評価基準> 燃焼性;アンダーライター実験室UL−94、第3版
(1980)に従って、1.6mm厚および3.2mm
厚の試料を用いて評価した。即ち、各難燃性ポリカーボ
ネート成形物試片を5個準備し、各試料に対して2度の
着火を行った。
【0039】透明性;3.2mm厚の試料を用いて厚み
方向の650nmにおける透過率を日立製作所製紫外可
視分光光度計U−3200を用いて測定することにより
評価した。また96%で隠蔽紙上に成形物を置いた際の
目視による観察を行った。
【0040】 5:透明 4:成形物にごく僅かに濁りが見える。 3:成形物に白くは見えないが明らかに濁りが見える。 2:成形物が僅かに白く見える。 1:成形物が明らかに白く見える。
【0041】実施例7〜11 難燃剤の種類及び添加量を変化させた以外は実施例3と
同様にして、成形物を得、実施例3と同様の項目につい
て評価を行った。
【0042】表1、2には、難燃剤の種類及びポリカー
ボネート100重量部に対する添加量、得られた成形物
の透明性、難燃性評価の結果をまとめて示した。
【0043】比較例1〜2 難燃剤の種類及び添加量を変化させた以外は実施例3と
同様にして、成形物を得、実施例3と同様の項目につい
て評価を行った。
【0044】表1、2には、難燃剤の種類及びポリカー
ボネート100重量部に対する添加量、得られた成形物
の透明性、難燃性評価の結果をまとめて示した。
【0045】
【表1】
【0046】添加量はポリカーボネート100重量部に
対する重量%の値を示す。
【0047】難燃性評価の下段の数字は、(第1回目着
火での滴下試料数/第2回目着火での滴下試料数)を示
す。
【0048】
【表2】
【0049】添加量はポリカーボネート100重量部に
対する重量%の値を示す。
【0050】難燃性評価の下段の数字は、(第1回目着
火での滴下試料数/第2回目着火での滴下試料数)を示
す。
【0051】表1、2から、本発明の実施例は、第1回
目および第2回目の着火で何れの試料でも滴下せず、難
燃性グレードはV0であり、また透明性は5段階評価で
は4又は5であり、比較例に比べ、難燃性及び透明性に
優れることがわかる。
【0052】
【発明の効果】アルコール不溶成分を低減化したパーフ
ルオロアルキルスルホン酸塩を難燃剤として用いること
により透明性および難燃性に優れる難燃性ポリカーボネ
ートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 豊 大阪府堺市桃山台4−21−4−208 Fターム(参考) 4J002 CG011 CG021 CG031 EV256 FD136 GB01 GC00 GG01 GL00 GM00 GQ00 GQ01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコール不溶成分の含有量を低減化した
    パーフルオロアルキルスルホン酸塩からなる難燃剤。
  2. 【請求項2】パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、パ
    ーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、パーフ
    ルオロアルキルスルホン酸アルカリ土類金属塩またはパ
    ーフルオロアルキルスルホン酸第4級アンモニウム塩か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に
    記載の難燃剤。
  3. 【請求項3】パーフルオロアルキルスルホン酸塩の炭素
    数が1〜8である請求項1又は2に記載の難燃剤。
  4. 【請求項4】パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、パ
    ーフルオロブタンスルホン酸ナトリウムである請求項1
    に記載の難燃剤。
  5. 【請求項5】アルコール不溶成分の含有量を低減化した
    パーフルオロアルキルスルホン酸塩をポリカーボネート
    に添加することを特徴とする難燃性ポリカーボネートの
    製造方法。
  6. 【請求項6】パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、パ
    ーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩、パーフ
    ルオロアルキルスルホン酸アルカリ土類金属塩またはパ
    ーフルオロアルキルスルホン酸第4級アンモニウム塩か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5に
    記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法。
  7. 【請求項7】パーフルオロアルキルスルホン酸塩の炭素
    数が1〜8である請求項5記載の難燃性ポリカーボネー
    トの製造方法。
  8. 【請求項8】パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、パ
    ーフルオロブタンスルホン酸ナトリウムである請求項5
    に記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項5から8に記載の製造方法により得
    られる難燃性ポリカーボネートからなる成形体。
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