JP4058862B2 - 難燃剤、それを使用する難燃性ポリカーボネートの製造方法およびその成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムを含んでなる難燃剤、それを使用する難燃性ポリカーボネートの製造方法およびその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートへの難燃性付与に関しては、従来より合成樹脂用として公知の難燃剤を添加することが提案されているが、それらは多量の添加量を要するためにポリカーボネート自体の性能を悪化させること、また添加剤とポリカーボネートとの相溶性や高い加工温度における熱安定性等の問題点があった。
【0003】
上記の相溶性、熱安定性等の問題点を解決すると同時に少量の添加量で優れた難燃性を付与するものとして、炭素数4〜8のパーフルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩あるいは第4級アンモニウム塩(特公昭47−40445号公報)、炭素数1〜3のパーフルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩(特公昭54−32456号公報)が知られている。しかしながら、単に前述のようなパーフルオロアルキル基含有スルホン酸塩を用いただけでは、ポリカーボネート成形後の外観においてヘイズが発生し、透明性の点で不十分である。
【0004】
また、より透明性の高い成形体を得るためには、難燃剤として粒子径が100ミクロン以下であるパーフルオロアルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または第4級アンモニウム塩を添加すること(特開平6−136247号公報)も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような粒子径を制御したフッ素系化合物を用いると、透明性を維持しつつ難燃性に優れた成形体を得ることもできるが、要求レベルの向上に伴って難燃性が充分に満足されたものでは無くなってきている。そこで、さらに優れた難燃性を得るためには添加量を増加させる必要性があるがヘイズが発生し透明な成形体が得られない。
【0006】
透明性を低下させずに目標とする難燃性を有する成形物を得るためにこのようなフッ素系化合物単独ではなく、臭素系あるいはリン系難燃剤を併用する必要があり、その場合に併用される難燃剤の添加量はフッ素系の難燃剤の添加量の10〜100倍程度になるため成形物の物性の低下が問題になってくる。
【0007】
本発明の目的は、このような問題点が解決された透明性と難燃性がともに優れたポリカーボネート成形体を得るための難燃剤及び難燃性ポリカーボネートの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような状況に鑑みて鋭意検討した結果、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムを難燃剤として併用して用いることにより、透明性を維持しつつ、優れた難燃性を有するポリカーボネート成形体を得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、[I]本発明は、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムを含んでなる難燃剤を提供するものであり、
[II]本発明は、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよび/またはパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの炭素数が1〜8である上記[I]に記載の難燃剤を提供するものであり、
[III]本発明は、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよび/またはパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの炭素数が4である上記[II]に記載の難燃剤を提供するものであり、
また[IV]本発明は、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムに対するパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの配合量が等重量%以上である上記[I]〜[III]のいずれか記載の難燃剤を提供するものであり、
[V]本発明は、ポリカーボネートに、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムを含んでなる難燃剤を添加することを特徴とする難燃性ポリカーボネートの製造方法を提供するものであり、
[VI]本発明は、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよび/またはパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの炭素数が1〜8である上記[V]に記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法を提供するものであり、
[VII]本発明は、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよび/またはパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの炭素数が4である上記[VI]に記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法を提供するものであり、
[VIII]本発明は、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムに対するパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの配合量が等重量%以上である上記[VII]に記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法を提供するものであり、
さらに[IX]本発明は、上記[VI]から[VIII]に記載の製造方法により得られる難燃性ポリカーボネートからなる成形体を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明でいうパーフルオロアルキルスルホン酸カリウムは、CnF2n+1SO3K(nは整数を表す。)で表される化合物である。CnF2n+1は直鎖状であっても、分岐状であっても良い。パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムの具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸カリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム等を挙げることができる。
【0011】
また、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムは、CnF2n+1SO3Na(nは整数を表す。)で表される化合物である。CnF2n+1は直鎖状であっても、分岐状であっても良い。パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0012】
CnF2n+1SO3K(nは整数を表す。)およびCnF2n+1SO3Na(nは整数を表す。)のうち、少なくともいずれか一方におけるnは、ポリカーボネート樹脂に添加した時の難燃性の観点からは1〜8が好ましい。また、透明性と難燃性のバランスを考慮した時には、nは4の時が最も好ましく、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムとパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムとの具体的な組み合わせでは、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムとパーフルオロブタンスルホン酸ナトリウムとの組み合わせが最も好ましい。
【0013】
パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの製造方法については、特に制限はなく、公知慣用の方法が用いられる。一般的には、パーフルオロアルキルスルホン酸を塩基性化合物で中和する方法やパーフルオロアルキルスルホニルフルオリドを塩基性化合物で中和する方法等が使用される。
【0014】
パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの合計添加量として、ポリカーボネートに対して0.01〜3重量%添加することによりポリカーボネートに不利なヘイズを生じることなく、燃焼性を極度に低下させることが可能であり、特に経済性と性能のバランスを考慮して0.05〜0.3重量%という極少量の添加が好ましい。
【0015】
パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムとパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの配合量は、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムに対してパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムが等重量以上であることが透明性の点から好ましく、より好ましくは、パーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムとパーフルオロアルキルスルホン酸カリウムの重量比が55/45〜95/5であり、透明性と難燃性のバランスの点から、70/30〜90/10であることが最も好ましい。
【0016】
パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムは、上述の添加量によりこれらのみで用いても良いし、あるいはその他のパーフルオロアルキルスルホン酸塩を併用しても良い。更に、本発明に係る難燃剤と、例えば従来公知である塩素または臭素のようなハロゲンを含有する難燃剤もしくはリン原子を含有する難燃剤等の従来公知慣用の難燃剤とを併用することもできる。このような難燃剤を併用することによりポリカーボネート中の総添加量を低減できると同時に、難燃性を更に大きく向上させることも可能である。
【0017】
本発明により難燃性を付与すべきポリカーボネートとしては、特に制限はなく、基本的には下記一般式(1)で示される化合物を用いることができる。
【0018】
【化1】
【0019】
ここで、Rは2価の芳香族あるいは脂肪族連結基である。
【0020】
本発明における、ポリカーボネートを製造する方法にも特に制限はなく公知慣用の方法を用いることができる。古くから知られている方法として例えば、(1)炭酸のジエステルとジオキシ化合物とのエステル交換反応による方法、(2)ジオキシ化合物と、それ自身あるいは他のジオキシ化合物のビスアルキル或いはビスアリールカーボネートとのエステル交換反応による方法、(3)酸結合剤存在下でジオキシ化合物とホスゲンとの反応による方法、(4)酸結合剤存在下でジオキシ化合物とジオキシ化合物のビスクロル炭酸エステルとの反応による方法等が挙げられる。
【0021】
このような例示された反応の中で共通する原料であり、ポリカーボネートの物性を決定付けるジオキシ化合物としては、具体例として、例えばハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、C1−C8−アルキレン−叉はC2−C8−アルキリデン−ビスフェノールのようなビス−(ヒドロキシ−フェニル)−アルカン、C5−C15−シクロアルキレン−叉はC5−C15−シクロアルキリデン−ビスフェノールのようなビス−(ヒドロキシ−フェニル)−シクロアルカン、ビス−(ヒドロキシ−フェニル)−スルフィド、−エーテル、−ケトン、−スルフォキシド叉はスルフォンを挙げることができる。更に叉α,α’−ビス−(ヒドロキシ−フェニル)−ジイソプロピルベンゼン及び対応する核アルキル化叉は核ハロゲン化された化合物、ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−2,2(ビスフェノールA)、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロ−フェニル)−プロパン−2,2(テトラクロロ−ビスフェノールA)、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ−フェニル)−プロパン−2,2(テトラブロモ−ビスフェノールA)、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−フェニル)−プロパン−2,2(テトラメチル−ビスフェノールA)、ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−シクロヘキサン−1,1(ビスフェノールZ)に基本とするポリカーボネート及びα,α’−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−p−ジイソプロピルベンゼンのような三核ビスフェノールに基礎を置くものが挙げられる。これらの具体例によって本発明が何ら限定されるものでないことは勿論である。
【0022】
また、本発明に関わるポリカーボネート樹脂は、異なったジオキシ化合物を原料とするコポリカーボネート、カーボネート結合とエステル結合、ウレタン結合等の他の結合をポリマー主鎖中に有するランダム、ブロック、交互共重合体であっても良い。
【0023】
さらに、ポリカーボネート樹脂は、溶融粘度などの成形条件の最適化、最終成形物の目的に合った性能発現のために、任意な割合で、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂を加えた、いわゆるポリマーブレンド、ポリマーアロイであっても構わない。
【0024】
さらにまた、加工過程中或いは加工後に、必要に応じ硬化剤、架橋剤等を加えて、加熱し、又は紫外線、電子線、X線等のエネルギー線を照射することにより、公知慣用の方法にて3次元化した構造のものであっても構わない。
【0025】
本発明において、ポリカーボネート樹脂に対するパーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの添加方法にも特に制限はなく公知慣用の方法を用いることができる。例えば、ポリカーボネート樹脂の成形時に同時に加えるドライブレンド法、予め押し出し機により、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムを添加したポリカーボネートのペレットを準備し成形する方法、予め最終添加量よりも高濃度のパーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムを添加したポリカーボネート(マスターバッチ)を準備するマスターバッチ法が挙げられ、その他にもポリカーボネートに相溶する第三成分中にこれらのパーフルオロアルキルスルホン酸塩を添加した後ポリカーボネートに添加する方法、ポリカーボネートを製造する過程、例えば重合する段階にこれらのパーフルオロアルキルスルホン酸塩を存在させて添加する方法等を採用しても構わない。これらの具体例によって本発明が何ら限定されるものでないことは勿論である。
【0026】
本発明に関わる難燃性ポリカーボネートには、必要に応じて公知慣用の方法により染料、顔料、流動性等を制御する成形助剤、ガラス繊維等の強化充填材、耐熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、潤滑剤、表面改質剤等の公知慣用の添加剤を併用することが可能である。
【0027】
本発明に関わる難燃性ポリカーボネートの成形方法にも特に制限はなく、目的とする用途、成形体の形状、サイズ、成形設備、コスト等に応じて射出成形法、押出成形法、吹込成形法、圧縮成形法、粉末成形法、キャスティング法等の公知慣用の方法を使用できる。これらの具体例によって本発明が何ら限定されるものでないことは勿論である。
【0028】
また、成形体の形状、サイズにも特に制限はなく、例えばフィルム、シート、パイプ、ロッドの他目的に応じた異型成形体が挙げられる。さらに、得られた成形体を、切断、切削、打抜、タップ立て、ねじ切り、真空成形、熱間加工、冷間加工、ホットスタンプ、溶接、接着、塗装、メッキ、蒸着、印刷、ラミネート、エンボス等の目的に応じた2次加工をすることも可能である。
【0029】
また本発明に関わる難燃性ポリカーボネートの成形体の用途についても特に制限なく、透明性と難燃性を活かし広範な用途に適用することができる。例えば、各種機械容器、機械部品、各種機械のハウジング、ディスプレー、照明等の各種保護カバー、保護眼鏡、各種レンズ、電子・電気機器のハウジング及び各種部品、食品用容器、パネル、防護壁、窓材、各種絶縁材料、医療機器のハウジング及び部品等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳述するがこれらは本発明の単なる例示にすぎず、本発明を限定するものではない。
【0031】
実施例1(パーフルオロブタンスルホン酸カリウム/ナトリウム混合塩の製造例)
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコにC4F9SO3Kの20部、C4F9SO3Naの80部、メタノールの400部を仕込んだ後、攪拌しながら均一に溶解させた。不溶分を濾過により除去した後、濾液を50℃で減圧下メタノールの除去を行うことにより得た湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥することにより目的物を得た。
【0032】
実施例2(パーフルオロブタンスルホン酸カリウム/ナトリウム混合塩の製造例)
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコにC4F9SO3Hの300部、イオン交換水の300部を仕込んだ後、水酸化カリウムの22.5部および水酸化ナトリウムの24部をイオン交換水の500部に溶解させたものを滴下した。2時間攪拌を続けた後、80℃で減圧下イオン交換水を除去することにより得られたパウダーを80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥した。乾燥した試料を1000部のメタノールに溶解し、不溶分を濾過により除去した後、濾液を50℃で減圧下メタノールの除去を行った。得られた湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風乾燥機で乾燥することにより目的物を得た。
【0033】
実施例3
120℃にて5時間熱風乾燥機で乾燥したパンライトL−1225(帝人化成株式会社製、ポリカーボネート樹脂)の100重量部に対して、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムの0.05重量部、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウムの0.10重量部を添加した試料を調整し、IKG株式会社製PMS40−32(V)押出機により、290℃にて押し出しを行い、ペレットを作成した。
次に作成したペレットを用いて、住友重機工業株式会社製成形機SYCAP165/75により、成形温度305℃、金型温度100℃にて射出成形を行い125mm×12mm×3.2mmおよび125mm×12mm×1.6mmの成形物を得た。
【0034】
得られた成形物の燃焼性についてはアンダーライター実験室UL−94、第3版(1980)に従って、1.6mm厚および3.2mm厚の試料を用いて評価した。
<試験方法及び評価基準>
難燃性;各難燃性ポリカーボネート成形物試片を5個準備し、各試料に対して2度の着火を行った。
【0035】
透明性;3.2mm厚の試料を用いて厚み方向の650nmにおける透過率を日立製作所製紫外可視分光光度計U−3200を用いて測定することにより評価した。また96%で隠蔽紙上に成形物を置いた際の目視による観察を行った。
【0036】
5:透明
4:成形物にごく僅かに濁りが見える。
3:成形物に白くは見えないが明らかに濁りが見える。
2:成形物が僅かに白く見える。
1:成形物が明らかに白く見える。
【0037】
実施例4〜12
難燃剤の種類及び添加量を変化させた以外は実施例3と同様にして、成形物を得、実施例3と同様の項目について評価を行った。
【0038】
表1〜3には、難燃剤の種類及びポリカーボネート100重量部に対する添加量、得られた成形物の透明性、難燃性評価の結果をまとめて示した。
【0039】
比較例1〜2
難燃剤の種類及び添加量を変化させた以外は実施例3と同様にして、成形物を得、実施例3と同様の項目について評価を行った。
【0040】
表1〜3には、難燃剤の種類及びポリカーボネート100重量部に対する添加量、得られた成形物の透明性、難燃性評価の結果をまとめて示した。
【0041】
【表1】
【0042】
添加量はポリカーボネート100重量部に対する重量%の値を示す。
【0043】
難燃性評価の下段の数字は、(第1回目着火での滴下試料数/第2回目着火での滴下試料数)を示す。
【0044】
【表2】
【0045】
添加量はポリカーボネート100重量部に対する重量%の値を示す。
【0046】
難燃性評価の下段の数字は、(第1回目着火での滴下試料数/第2回目着火での滴下試料数)を示す。
【0047】
【表3】
【0048】
添加量はポリカーボネート100重量部に対する重量%の値を示す。
【0049】
難燃性評価の下段の数字は、(第1回目着火での滴下試料数/第2回目着火での滴下試料数)を示す。
表1〜3から、難燃性については、第1回目および第2回目の着火では何れの実施例でも滴下せず、難燃性グレードはV0であり、また透明性については、下記基準による5段階評価では5であり、難燃性及び透明性が優れることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明のパーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムを含む難燃剤を使用することにより透明性および難燃性に優れる難燃性ポリカーボネートが得られる。
Claims (9)
- パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムを含んでなる難燃剤。
- パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよび/またはパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの炭素数が1〜8である請求項1に記載の難燃剤。
- パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよび/またはパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの炭素数が4である請求項2に記載の難燃剤。
- パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムに対するパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの配合量が等重量%以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の難燃剤。
- ポリカーボネートに、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよびパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムを含んでなる難燃剤を添加することを特徴とする難燃性ポリカーボネートの製造方法。
- パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよび/またはパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの炭素数が1〜8である請求項5に記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法。
- パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムおよび/またはパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの炭素数が4である請求項6に記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法。
- パーフルオロアルキルスルホン酸カリウムに対するパーフルオロアルキルスルホン酸ナトリウムの配合量が等重量%以上である請求項7に記載の難燃性ポリカーボネートの製造方法。
- 請求項6から8に記載の製造方法により得られる難燃性ポリカーボネートからなる成形体。
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