JP2001031485A - 石灰窒素質肥料の製造方法 - Google Patents

石灰窒素質肥料の製造方法

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JP2001031485A
JP2001031485A JP11204591A JP20459199A JP2001031485A JP 2001031485 A JP2001031485 A JP 2001031485A JP 11204591 A JP11204591 A JP 11204591A JP 20459199 A JP20459199 A JP 20459199A JP 2001031485 A JP2001031485 A JP 2001031485A
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拓司 直川
Fumiyoshi Shiroyama
文義 白山
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    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05CNITROGENOUS FERTILISERS
    • C05C7/00Fertilisers containing calcium or other cyanamides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】石灰窒素の窒素含有量を低下させない、生産性
に優れる石灰窒素質肥料の製造方法を提供する。 【解決手段】石灰窒素中の生石灰を80℃以上の温度を
保ちながら水蒸気で消和する石灰窒素質肥料の製造方法
であり、好ましくは、80℃以上の温度の石灰窒素に該
石灰窒素中の生石灰と反応して全量が水蒸気を形成する
量の消和水を添加する前記方法であり、更に好ましく
は、石灰窒素100重量部に対し5〜20重量部の消和
水を添加した混合物を80℃以上の温度に保持する前記
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石灰窒素単独から
なる、或いは前記石灰窒素に他の窒素、カリ、リン酸等
の含有成分を複合して得られる石灰窒素質肥料に関す
る。
【0002】石灰窒素肥料は、カルシウムシアナミドを
主成分とする緩効性肥料であり、農薬効果をも有するこ
とから、長年にわたって賞用されているが、その組成中
に生石灰(CaO)や消石灰(Ca(OH)2)を含有
するのが一般的である。生石灰は、主に水分と反応して
発熱、膨張するために、生石灰(CaO)を多く含有す
る石灰窒素肥料は過熱、特に粒状の場合には粒崩壊など
が発生し、取り扱い上、注意を必要としている。
【0003】このため、生石灰を予め水と反応させ消石
灰(Ca(OH)2)とする消和処理を施した石灰窒素
が提供されている。そして、このような観点から生石灰
を未消和石灰とも呼んでいる。しかし、水を用いて消和
する場合、消和に長時間を要することなどの理由で生産
性や製造コストの点で問題があり、また消和操作におい
て、生石灰とともに石灰窒素自身も部分的に加水分解さ
れて、シアナミド態窒素などの有効窒素成分量が低下す
るという欠点があった。未消和石灰を迅速に消和終了さ
せ、また石灰窒素の加水分解を可能な限り低く抑える消
和技術が望まれている。
【0004】
【従来の技術】従来、粉状肥料を原料として使用し、賦
型して粒状肥料を製造する際、或いは、粉状石灰窒素の
みを原料として粒状石灰窒素を製造する際に、含水有機
物などの水溶液或いは水そのものなど、水を含むバイン
ダーを用いることが経済的に有利であるため一般的な方
法として用いられている。
【0005】石灰窒素は工業的にはカルシウムカーバイ
ドを窒化して製造され、通常約13重量%〜20重量%
程度のCaOを含有している。粉状の石灰窒素を原料に
用いて粒状肥料を製造した場合には、造粒後においても
なおCaOが残存している場合があり、このときには造
粒時に使用するバインダーの水分や石灰窒素以外の肥料
が含む水分、長期的には空気中の水分と反応して体積膨
張を起こし、最終的には造粒した肥料を崩壊せしめた
り、風化粉が発生するという不都合が生じることがあ
る。
【0006】このため、賦型時にCaOを消和するか、
または賦型前の原料の段階で石灰窒素のCaOを消和す
ることが重要であり、粉状石灰窒素のみを原料に用いて
粒状石灰窒素を製造する場合では、石灰窒素に対しCa
O含量を、少なくとも2.0重量%以下、望ましくは
1.0重量%以下にまで低減する必要がある。
【0007】CaOを消和するに当たっては、消和反応
時の温度条件は高温である方が効率的ではあるが、反
面、石灰窒素の主成分であるカルシウムシアナミド自体
の反応も進みアンモニアとして揮散したり、肥料成分と
して好ましくないジシアンジアミドやメラミンといった
副生物の産生が無視できなくなる問題がある。逆に、副
成物の生成が少ない低温では、消和反応が進みにくいと
いう問題点を抱えている。
【0008】消和に必要とされる水分量は、理論的には
CaOとモル等量であるが、理論量では消和に伴う発熱
で蒸発する損失が生じるため充分に消和ができず、多す
ぎるときにはカルシウムシアナミドからアンモニアの揮
散が生じて窒素を減ずるほか、余剰の付着水分を乾燥し
なければ一層の窒素の損失を招き、酷いときには、消和
工程でシアナミド態窒素などの有効窒素成分量の損失率
は10重量%を超えるという問題があった。なお、付着
水は、石灰窒素の重量100部に対して1.5部以下で
あれば実用上の問題はない。
【0009】上記事情のために、石灰窒素の消和方法に
関して、消和温度、水の添加量、水添加のタイミング、
及びこれらを組み合わせて各種の提案がなされている。
【0010】特公昭34−6211号公報には、消和反
応の第一段階として混合装置内で70℃未満の温度で部
分的に消和を行い、第二段階として回転胴内で175℃
までの高温での消和反応を行う方法が開示されている。
この方法では、造粒後の崩壊等の原因となるCaOをほ
ぼ完全に消和できるという点で優れているものの、消和
に要する装置が二台以上必要であり、また、水との緩慢
な反応の終結するまでに放置のための敷地面積を必要と
することや、製造時間が長期化するという問題点があ
る。
【0011】特公昭32−7725号公報には、数分間
で水添混練造粒を行い、直ちに70℃以下で消和を行う
というものであるが、消和反応時にジシアンジアミドや
メラミン態窒素の副成が小さく、装置がコンパクトに済
むという点で優れているものの、消和に2〜3時間もの
時間を要し生産効率が悪い上、消和条件が穏やか過ぎる
ため、肝心のCaOの消和が必ずしも充分に進まないと
いう欠点がある。
【0012】特公昭34−6211号公報には、消和反
応時の温度制御に水蒸気を利用する方法が開示されてい
るが、完全に消和反応が終了するためには90分から1
20分もの時間が必要である。
【0013】特公昭35−3815号公報には、水によ
る消和反応にハロゲン化水素を添加することにより比較
的低温でも効率よく消和をすすめられる点で優れている
が、腐食性のあるハロゲン化水素を用いるために消和反
応装置等を耐腐食性材料で構成しなければならないとい
う欠点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであって、その目的は、副成物の
生成を実用上問題のない程度まで減少させ、石灰窒素の
窒素含有量を低下させない、しかも消和に要する時間を
短縮して、生産性に優れる石灰窒素質肥料の製造方法を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、石灰窒
素中の生石灰を80℃以上の温度を保ちながら水蒸気で
消和することを特徴とする石灰窒素質肥料の製造方法で
あり、より具体的には、水蒸気の温度が80℃以上であ
ることを特徴とする前記の石灰窒素質肥料の製造方法で
あり、或いは、80℃以上の温度の石灰窒素に該石灰窒
素中の生石灰と反応して全量が水蒸気を形成する量の消
和水を添加することを特徴とする前記の石灰窒素質肥料
の製造方法であり、好ましくは、石灰窒素100重量部
に対し5〜20重量部の消和水を添加した混合物を80
℃以上の温度に加熱することを特徴とする前記の石灰窒
素質肥料の製造方法である。
【0016】また、本発明は、消和温度を100〜15
0℃に保持することを特徴とする前記の石灰窒素質肥料
の製造方法である。
【0017】更に、本発明は、石灰窒素の加水分解を遅
延する物質の存在下で消和することを特徴とする前記の
石灰窒素質肥料の製造方法であり、好ましくは、石灰窒
素の加水分解を遅延する物質がグルコン酸とその塩、コ
ーンシロップ、廃糖蜜、パルプ廃液であることを特徴と
する前記の石灰窒素質肥料の製造方法である。
【0018】更に、本発明は、消和操作中に、造粒する
ことを特徴とする前記の石灰窒素質肥料の製造方法であ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】下記の化学反応で示すとおり、石
灰窒素に含まれる未消和石灰(CaO)は、主に空気中
の水分と反応して加水分解する際、発熱を伴うために粒
状から粉状への崩壊などが起こり、肥料としての保管や
取り扱いに注意を要する。このため、あらかじめ未消和
石灰(CaO)を水で消和した消和処理品が流通してい
る。
【0020】 CaO+H2O→Ca(OH)2 ΔH=15.3Kcal CaCN2+H2O→Ca(OH)2+H2CN2 ΔH= 3.4Kcal
【0021】上記反応式からわかる様に、水は生石灰、
石灰窒素の両者に作用するが、ΔHの大きいCaOに優
先的に使用される。しかし、一部の水はCaCN2にも
接触し加水分解がおこり、肥料の有効成分が低下する問
題がある。H2CN2+2H2O→CO2+2NH3
【0022】また、生石灰を水で消和させるときに、そ
の反応温度が70℃より高いときには、ジシアンジアミ
ドやメラミン等を副成し、有効な肥料成分が失われ易い
という問題もある。
【0023】本発明者らは、上記事情に鑑みて、いろい
ろ実験を重ねた結果、石灰窒素中の生石灰を80℃以上
の温度に保ちながら水蒸気で消和するときに、驚くべき
ことにジシアンジアミドやメラミン等を実質的に副成す
ることなく、また、石灰窒素自身の極端な加水分解を起
こすこと無く、石灰窒素中の生石灰を短時間で消和する
ことができることを見いだし、本発明に至ったものであ
る。
【0024】即ち、本発明は、石灰窒素中の生石灰を、
水蒸気で消和することを本質としている。この特定な条
件で消和させることで、有効窒素成分の高い消和された
石灰窒素肥料を得ることができる。尚、消和時の反応温
度が80℃未満であると、短時間での消和反応が進行し
なかったり、石灰窒素粉末内に水を凝集したりしてジシ
アンジアミド等が副成する場合がある。
【0025】尚、前記消和温度については、本発明者ら
の実験的検討によれば、80℃以上であることが必要で
あるが、100〜150℃とすることが一層好ましい。
100℃以上では、石灰窒素粉体内部に水が凝集される
ことがなく、本発明の特徴である水蒸気による生石灰の
消和を確保できるからである。しかし、150℃を超え
る温度になると、石灰窒素自体の分解反応が次第に発生
してきて、得られる消和後の石灰窒素の有効窒素含有量
が低下してしまう。尚、本発明に於いて、前記消和温度
領域での保持時間に就いては、30〜80分あれば十分
である。
【0026】本発明に於いて、消和する際の温度を80
℃以上とする具体的方法としては、いろいろな方法を挙
げることができ、例えば、80℃以上の水蒸気を生石灰
を含有する石灰窒素に接触させる方法、或いは、80℃
以上の温度の石灰窒素に該石灰窒素中の生石灰と反応し
て全量が水蒸気を形成する量の消和水を添加する方法等
が挙げられる。
【0027】前者の方法は、熱源として水蒸気のみを用
いれば良いので、設備が簡単でありしかも操作も容易で
ある長所を有するが、一方で、多量の肥料生産をする場
合には、安定条件に至るまでの間に生石灰を含む石灰窒
素が80℃以下の水により消和される欠点もある。
【0028】後者の方法は、予め生石灰を含有する石灰
窒素を加熱するための設備は要するものの、消和反応で
生じる熱も作用して、水蒸気により生石灰を消和するこ
とが一層確実となるので、品質の安定した肥料を得るこ
とができ、好ましい方法である。
【0029】ことに、消和反応で発生する熱が多量であ
るため石灰窒素中の生石灰量を予め知った上で、適量の
水を加え断熱性に優れた装置を使用して混合保管すれ
ば、ことさらに石灰窒素の予熱することなく混合物を8
0℃以上の温度で保持することができ、その結果として
品質の安定した肥料が得られるので、一層好ましい。
【0030】この場合に於いて、石灰窒素100重量部
に対する水の量は5〜20重量部であり、好ましくは7
〜15重量部である。5重量部では、混合物を80℃以
上に温度保持するために熱発生が不足することがある
し、20重量部を超える場合には、一般に石灰窒素中の
生石灰に対し水が過量となることが多い。
【0031】また、本発明は、上述の消和操作を、石灰
窒素の加水分解を遅延させる物質の存在下で行わしめる
ことを特徴としている。本発明者らは、石灰窒素の加水
分解を遅延させる物質を未消和石灰(CaO)の消和操
作時に存在させることによって、石灰窒素の加水分解速
度を低下させ、結果的に有効窒素成分の高い消和された
石灰窒素質肥料がえられないかという考えに基づき、実
験的にいろいろ検討した結果、消和水に添加する石灰窒
素改質剤の種類と量を調整することで、前記石灰窒素の
加水分解をかなり低いレベルまで抑制できることを見出
し、本発明に至ったものである。
【0032】本発明は、石灰窒素の加水分解を遅延させ
る物質を消和の際に作用させることを特徴としている。
石灰窒素の加水分解速度を遅延させる物質(以下、単に
改質剤という)としては、特開平10−297985号
公報に開示されている。本発明に於いて、改質剤を単独
または組み合わせて用いることができ、消和または消和
造粒時に適量を添加すると、石灰窒素の加水分解を抑制
でき、未消和石灰窒素中のシアナミド態窒素含有量に近
い高窒素含有率の石灰窒素を得ることができる。
【0033】本発明で用いることのできる改質剤として
は、グルコン酸、グルコヘプトン酸、酒石酸、クエン酸
などのオキシカルボン酸及びその塩(但し、カルシウム
塩を除く)が挙げられ、また、糖類としてはラクトー
ス、グルコース、β−シクロデキストリン、サッカロー
スデキストラン或いはこれらを成分に含む廃糖蜜、糖廃
液、コーンシロップなどが挙げられる。このうちグルコ
ン酸とその塩、廃糖蜜、パルプ廃液、コーンシロップは
安価で入手しやすいという理由から、特に好ましい。
【0034】改質剤の石灰窒素に対する配合量の下限に
ついては、用いる改質剤の種類、組み合わせにより異な
るが、消和または消和造粒時に石灰窒素100重量部に
対して0.1重量部以上の適当量を配合することで、石
灰窒素の加水分解を抑制することができ、前記要請に対
応することができる。
【0035】また、改質剤の石灰窒素に対する配合量の
上限については、特に定める必要はないが、改質剤の多
量の添加は、結果的に窒素含有率の低下をもたらす。ま
た、改質剤の多量の添加は、改質剤の特徴である石灰窒
素の加水分解速度遅延効果が現れるため、肥料等に用い
た時に、石灰窒素の加水分解速度が予想よりも遅くな
り、遅効性窒素肥料となってしまうので、通常の石灰窒
素として用いる場合は具合が悪い。従って、未消和生石
灰(CaO)を消和するのに添加される水の一部が石灰
窒素に一部接触し、部分的な石灰窒素の加水分解が起こ
る際、この加水分解を可能な限り低減させる効果のみを
目的に、消和または消和造粒時に改質剤を使用すること
が最良であり、そのためには改質剤による分解遅延効果
が顕著に現れない石灰窒素100重量部に対して0.1
〜5重量部の範囲で添加するのが望ましい。
【0036】具体的には、例えばグルコン酸ナトリウム
の場合、前記添加量は0.5〜1.5重量部である。ま
た水分の量や石灰窒素の加水分解遅延剤量、加熱条件を
正確に決めるには、様々な条件で行う水和(消和)反応
後にX線回折法によりCaOの回折ピークの消失を確認
するなどして行うのが良い。
【0037】石灰窒素質肥料は、特に石灰窒素単独から
なる石灰窒素肥料は、粉末の場合には作業時に飛散しや
すいという理由から、粒状であることが望まれている。
本発明の方法の一つは、消和操作において、造粒時に用
いる液体として、水単独または改質剤を含有する水溶液
を用いることができ、容易に消和した石灰窒素質肥料の
粒状品を提供できることにある。
【0038】造粒品を得ようとする場合、未消和の石灰
窒素質肥料粉体に改質剤を含有する水溶液を加えて、一
般に混練して均一度を高めた後、押し出し、型押し等の
造粒方法で、或いはパン型造粒機等を用いて粉末から造
粒するなどの従来公知の方法で造粒し、加熱、送風など
の手段で乾燥することにより、容易に造粒品とすること
ができる。又、粉状のリン酸肥料や加里肥料との混合
物、粉状のリン酸肥料や加里肥料との混合後造粒物につ
いても、本発明を利用して石灰窒素中の生石灰を消和す
ることができる。
【0039】以下、実施例、比較例に基づき、本発明を
更に詳細に説明する。
【0040】
【実施例】〔実施例1〕直径1m深さ40cmのコンク
リート用ミキサーに石灰窒素40kgを入れ、次に水
4.0kg(石灰窒素100重量部に対して10重量
部)を如雨露で添加し、蒸気抜きとして頂部に直径5cm
の穴を穿った円錐形の蓋をし、直ちに3分間攪拌を行
い、そのまま放置した。頂部穴より温度計を差し込み品
温を計測した。撹拌後10分後に品温が80℃に達し、
更にその10分後には120℃に達し、その後はほぼ一
定の品温であった。80℃に達してから40分後に分析
用サンプルを採取し、以後の分析に供した。
【0041】<全窒素の分析方法>「養賢堂」発行「第
二改訂詳解肥料分析法」記載の硫酸法に依った。
【0042】<シアナミド態窒素の分析方法>「養賢
堂」発行「第二改訂詳解肥料分析法」記載の硝酸銀法に
依った。
【0043】<石灰窒素中の生石灰の分析方法>X線回
折装置を用い、生石灰のピーク強度より定量した。検量
線は予め十分に消和した石灰窒素に炭酸カルシウムを焼
成した生石灰を標準添加し作成した。
【0044】<石灰窒素中の付着水の分析方法>「養賢
堂」発行「第二改訂詳解肥料分析法」記載の遊離水分通
風法に依った。
【0045】〔比較例1〕実施例1において、ミキサー
底部外壁面並びに側部外壁面に冷却水を散布し、3分間
撹拌3分間停止の間欠運転を行い、品温が60℃で保持
されるようにした。また、分析用試料は、第1回の撹拌
開始から50分後に採取した。
【0046】
【表1】
【0047】〔実施例2〕卓上万能ミキサー(丸菱科学
機械製作所製、型式50)の攪拌槽部分を60℃に湯煎
した。この状態で、石灰窒素1kgと水150g(石灰
窒素100重量部に対して15重量部)を攪拌槽に入
れ、1分間攪拌後直ちに攪拌槽を脱着し、再度湯煎した
上、攪拌槽上部開口部を発泡スチロール樹脂板で保温し
静置した。静置85分後に分析用試料を取得し分析に供
試した。尚、発泡スチロールから温度計を差し込み品温
を計測したが、静置後5分で品温が80℃に達し、その
後は80〜90℃の品温が保持された。
【0048】〔実施例3〕水添加量を250g(石灰窒
素100重量部に対して25重量部)としたこと以外
は、実施例2と同じ処理を行った。この場合も、静置後
5分で品温が80℃に達し、その後は80〜90℃の品
温が保持された。
【0049】〔比較例2〕水添加量を40g(石灰窒素
100重量部に対して4重量部)としたこと以外は実施
例2と同じ処理を行った。この場合は、品温の上昇は6
0℃程度にとどまっていた。
【0050】
【表2】
【0051】〔実施例4〜9〕三つの乳鉢に純水をそれ
ぞれに5、7.5、10ml秤量し、それぞれにグルコ
ン酸ナトリウムを0.5g加え、乳棒を用いて混合し、
溶解する。未消和の石灰窒素(電気化学工業(株)製;
粒径0.1mm以下)50gを前記乳鉢のそれぞれに採
取し、乳棒を用いて前記の改質剤水溶液と混合する。更
に、均一になるように乳棒で2分間混合した後、ポリエ
チレン袋に採取し、ボール状に丸く押し固める。これを
アルミホイルで包んで、130℃で2時間の条件で加熱
し、消和を進めるとともに、水分を蒸発し乾燥する。そ
の後、デシケータ中で放冷することで、消和した石灰窒
素粉を得た。また、改質剤を含まない水のみ消和した石
灰窒素粉を上記と同じ手順で作成した。消和反応完結の
確認はX線回折計により未消和石灰(CaO)のピーク
が消失し、消石灰(Ca(OH)2)になっていること
で行った。また、上記で得られた消和石灰窒素粉状品に
ついて全窒素量を測定した。
【0052】
【表3】
【0053】〔実施例10、11、比較例3、4〕グル
コン酸ナトリウムを0.5gを純水を5mlに溶解して
改質剤水溶液として、消和反応時の温度を60、90℃
で加熱し、加水分解を促進させ、水分を蒸発したこと以
外は、実施例4〜9と同一の操作で消和した石灰窒素粉
を得て、評価を行った。なお、130℃加熱の試料は実
施例4、実施例7と同一であるので、これらを含めて、
結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】〔実施例12〜17〕改質剤の種類と量を
変えて石灰窒素を120℃の温度で消和して得た消和石
灰窒素粉の全窒素量を測定した。対比実験として、前記
実施例のそれぞれについて、水のみで消和した実施例7
の消和品に改質剤を配合して得られる消和石灰窒素粉の
全窒素量を測定した。これらの結果を表5に示した。未
消和石灰窒素に改質剤を添加して消和したものの全窒素
量は、石灰窒素消和品に改質剤を配合したものよりも、
0.1〜0.8%高く、未消和石灰窒素の消和した後に
改質剤を配合して得られる石灰窒素肥料よりも、未消和
石灰窒素を改質剤の存在下に消和、更に造粒を行った石
灰窒素質肥料の方が、より高窒素含有率の石灰窒素質肥
料が得られることが明かである。
【0056】
【表5】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、石灰窒素中の生石灰が
本質的には水蒸気で消和されるので、低温の水が介在す
るときに発生し易いジシアンジアミドやメラミン等の副
成が防止でき、その結果として、窒素含有量の高い消和
された石灰窒素質肥料を容易に製造でき、産業上極めて
有用である。
【0058】本発明によれば、水の添加量及び品温を適
正な範囲に管理することにより、前記の消和反応を短時
間に達成できるので、従来の設備、工程の大幅な変更を
必要とせずに、全窒素量の高い消和された石灰窒素質肥
料を生産できる。
【0059】本発明によれば、前記消和反応において造
粒操作をも行うことができ、従来の製造工程を短縮で
き、安価に消和された石灰窒素質肥料の造粒品を提供で
きる。
【0060】更に、本発明によれば、前記消和操作を石
灰窒素の加水分解速度を遅延する物質の存在下で行うこ
とにより、一層全窒素量の高い、消和された石灰窒素質
肥料を紛状或いは粒状で得ることができるし、更に、前
記物質を比較的多量配合すれば消和されている加水分解
速度が調整された石灰窒素質肥料を製造できるので、産
業上極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 白山 文義 新潟県西頸城郡青海町大字青海2,209番 地 電気化学工業株式会社青海工場内 Fターム(参考) 4H061 AA02 BB13 DD20 EE02 EE27 EE61 FF07 FF08 GG26 GG28 LL02 LL26

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石灰窒素中の生石灰を80℃以上の温度を
    保ちながら水蒸気で消和することを特徴とする石灰窒素
    質肥料の製造方法。
  2. 【請求項2】水蒸気の温度が80℃以上であることを特
    徴とする請求項1記載の石灰窒素質肥料の製造方法。
  3. 【請求項3】80℃以上の温度の石灰窒素に、該石灰窒
    素中の生石灰と反応して全量が水蒸気を形成する量の消
    和水を添加することを特徴とする請求項1記載の石灰窒
    素質肥料の製造方法。
  4. 【請求項4】石灰窒素100重量部に対し5〜20重量
    部の消和水を添加した混合物を80℃以上の温度に保持
    することを特徴とする請求項3記載の石灰窒素質肥料の
    製造方法。
  5. 【請求項5】消和温度を100〜150℃に保持するこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求
    項4記載の石灰窒素質肥料の製造方法。
  6. 【請求項6】石灰窒素の加水分解を遅延する物質の存在
    下で消和することを特徴とする請求項1、請求項2、請
    求項3、請求項4又は請求項5記載の石灰窒素質肥料の
    製造方法。
  7. 【請求項7】石灰窒素の加水分解を遅延する物質がグル
    コン酸とその塩、コーンシロップ、廃糖蜜、パルプ廃液
    であることを特徴とする請求項6記載の石灰窒素質肥料
    の製造方法。
  8. 【請求項8】消和操作中に、造粒することを特徴とする
    請求項6記載の石灰窒素質肥料の製造方法。
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