JP2001030780A - トラクターの変速装置 - Google Patents

トラクターの変速装置

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JP2001030780A
JP2001030780A JP11202197A JP20219799A JP2001030780A JP 2001030780 A JP2001030780 A JP 2001030780A JP 11202197 A JP11202197 A JP 11202197A JP 20219799 A JP20219799 A JP 20219799A JP 2001030780 A JP2001030780 A JP 2001030780A
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Japan
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transmission
clutch
gear
case
chamber
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JP11202197A
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Inventor
Tomeo Umemoto
留男 梅本
Masatoshi Iwamoto
正寿 岩本
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾式クラッチ室内に潤滑を必要とするシャト
ル変速装置を設けることができるようにし、また、簡単
な潤滑経路で同期咬合式クラッチを潤滑することができ
るトラクターの変速装置を提供すること。 【解決手段】 エンジン1からの動力を車輪に伝達する
動力伝達経路において、車速を複数段に変速する主変速
装置24と、前進と後進が同数の変速段数となるシャト
ル変速装置21とをミッションケース2内に有し、該ミ
ッションケース2は、前記エンジン1からの動力を入り
切りする主クラッチ19を収納するクラッチ室16と前
記主変速装置24を収納するミッション室17とを隔壁
15で区画してなり、且つ、該ミッション室17内に貯
留された潤滑油が作動油として使用されるトラクターの
変速装置において、前記シャトル変速装置21は、前記
隔壁15に固定されて前記クラッチ室16内に位置する
ギヤケース20内に設けられ、該ギヤケース20内に前
記作動油の戻り油が供給されるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクターの変速
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクターでフロントローダ作業などを
行う場合、頻繁に前後進の切換を行う必要がある。そし
てこの作業においては、作業性をよくするために、前進
時と後進時の車速を略同速にするのが好ましい。このよ
うな仕様を満たすトラクターの変速装置として、例え
ば、特許第2763986号公報に記載のシャトル変速
装置(前後進切換装置)を備えたものが公知である。前
記シャトル変速装置は、同期咬合式クラッチを有するた
め、該クラッチに潤滑油を供給する必要がある。そのた
め、前記シャトル変速装置は、潤滑油が貯留されている
ミッション室内に設けられ、また潤滑油の供給経路は複
雑なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のものでは、
シャトル変速装置を潤滑油が貯留されているミッション
ケース内に設けなければならず、潤滑油を貯留しない乾
式クラッチ室に設けることができなかったので、ミッシ
ョンの設計に制約があった。また、同期咬合式クラッチ
への潤滑経路が複雑となり、製作が困難で、かつコスト
高になっていた。そこで、本発明は、乾式クラッチ室内
に潤滑を必要とするシャトル変速装置を設けることがで
きるようにし、また、簡単な潤滑経路で同期咬合式クラ
ッチを潤滑することができるトラクターの変速装置を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明の特徴と
するところは、エンジンからの動力を車輪に伝達する動
力伝達経路において、車速を複数段に変速する主変速装
置と、前進と後進が同数の変速段数となるシャトル変速
装置とをミッションケース内に有し、該ミッションケー
スは、前記エンジンからの動力を入り切りする主クラッ
チを収納するクラッチ室と前記主変速装置を収納するミ
ッション室とを隔壁で区画してなり、且つ、該ミッショ
ン室内に貯留された潤滑油が作動油として使用されるト
ラクターの変速装置において、前記シャトル変速装置
は、前記隔壁に固定されて前記クラッチ室内に位置する
ギヤケース内に設けられ、該ギヤケース内に前記作動油
の戻り油が供給されるように構成されている点にある。
【0005】前記構成によれば、潤滑を必要とするシャ
トル変速装置をギヤケース内に設けたので、該ギヤーケ
ースを乾式のクラッチ室内に設けることができ、設計の
自由度が向上する。なお、本発明では、前記ギヤケース
内と前記ミッション室とを連通する作動油連通孔が、前
記ギヤケースに設けられている。そして、該作動油連通
孔は、ギヤケース内の油面がミッション室内の油面より
高くなる位置に設けられている。このように構成するこ
とにより、ギヤケース内の潤滑油レベルを高く維持でき
るので、確実な潤滑が可能になる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づき説明する。図5,6に示すものは、本発明の
実施の形態の一例とするトラクターの平面図と側面図で
ある。トラクターは、前部にエンジン1を有し、該エン
ジン1の後部にミッションケース2が固定されて車体を
構成している。前記車体は、前輪3と後輪4により支持
され、エンジン1は、ボンネット5で被覆され、該ボン
ネット5の後部には計器パネル6と操行ハンドル装置7
が設けられている。前記後輪4はフェンダー8で被覆さ
れ、左右のフェンダー8間に操縦席9が設けられてい
る。車体の後端面には、PTO軸(動力取出軸)10が
突出している。
【0007】前記ミッションケース2内には、エンジン
1の動力を後輪4や前輪3、及びPTO軸10に伝達す
る動力伝達装置が設けられ、該装置中に変速装置が設け
られている。前記計器パネル6の下方には、主クラッチ
の入り切り操作を行うクラッチペダル11が吊り下げ式
に前後方向揺動自在に枢支されている。操行ハンドル装
置7と操縦席9の間のミッションケース2の上面には、
主変速操作レバー12が設けられ、操行ハンドル装置7
には、シャトル変速操作レバー13が設けられ、操縦席
9の側方には、副変速操作レバー14が設けられてい
る。
【0008】図1〜4に、前記ミッションケース2とそ
の内部の動力伝達装置が示されている。ミッションケー
ス2は、第1隔壁15を介して前部のクラッチ室16と
後部のミッション室17とに区画されている。クラッチ
室16は潤滑油が供給されない乾式とされている。ミッ
ション室17には、潤滑油兼作動油が所定レベルに貯留
されている。更にミッション室17の後方には第2隔壁
18が設けられている。前記クラッチ室16には、主ク
ラッチ19と、ギヤケース20が設けられ、このギヤケ
ース20は、前記第1隔壁15に固定されている。この
ギヤケース20内にシャトル変速装置21が収納されて
いる。ギヤケース20は、前部ケース22と後部ケース
23に分割構成されている。
【0009】前記ミッション室17には、4段変速の主
変速装置24と、高速と低速とに切り換える副変速装置
25と、超低速に切り換えるクリープ変速装置26と、
及び、前輪駆動装置27とが収納されている。そして、
ミッションケース2の後部には、図示省略の後輪駆動装
置やPTO変速装置等が設けられている。前記主クラッ
チ19は、エンジン1のクランク軸端部に固定されたフ
ライホイール28と、該フライホイール28の端面にプ
レッシャープレート29により押圧されるクラッチディ
スク30と、前記プレッシャープレート29に押圧力を
付与するダイヤフラムスプリング31と、該スプリング
31の押圧解除を行うレリーズハブ32とを有する。
【0010】前記レリーズハブ32は、前記前部ケース
22の前面に突出形成されたボス部に、前後方向摺動自
在に外嵌している。前記フライホイール28の軸心部に
は、PTO駆動軸33が直結されて、該PTO駆動軸3
3は前記ギヤケース20を貫通して後方に延出し、変速
装置(図示省略)を介して前記PTO軸10に結合され
ている。前記主クラッチ19には、筒軸の従動軸34が
後方に延出するように設けられており、該従動軸34は
前記PTO駆動軸33に相対回転可能に同軸心で外嵌し
ている。そして、この従動軸34に前記クラッチディス
ク30が固定されている。この従動軸34の前端は、フ
ライホイール28にベアリングを介して相対回転自在に
支持され、従動軸34の後部は、前記前部ケース22に
ベアリングを介して相対回転自在に支持されて、その後
端は前記ギヤケース20内に位置している。
【0011】前記クラッチ室16の側壁には、クラッチ
操作軸35が、左右方向の軸心を有して回動自在に支持
されている。このクラッチ操作軸35に主クラッチレリ
ーズフォーク36が固定され、該ホーク36の二股部先
端部が前記レリーズハブ32に係合している。このフォ
ーク36は、主クラッチ19と前記ギヤケース20との
間に配置され、主クラッチ19側に向かって凸状となる
よう湾曲成形されている。そして、前記クラッチ操作軸
35の一端部はクラッチ室16から外部に突出し、該突
出部にクラッチレバー37とクラッチロッド38とを介
して前記クラッチペダル11が連結されている(図6参
照)。
【0012】従来のレリーズフォーク36は、後方に向
かって凸状に屈曲成形されていたが、前方に向かって凸
状とすることにより、レリーズフォーク36がギヤケー
ス20に干渉しなくなるので、主クラッチ19とギヤケ
ース20間の距離を短縮することができ、その結果、伝
動装置の前後方向の長さを短縮できる。前記主クラッチ
19は、通常は、エンジン1の動力をクラッチディスク
30を介して従動軸34に伝達している。この動力伝達
を切るには、前記クラッチペダル11を踏み込む。この
クラッチペダル11の踏み込み操作により、クラッチロ
ッド38、クラッチレバー37を介して、クラッチ操作
軸35が回動し、主クラッチレリーズフォーク36が揺
動し、レリーズハブ32が前方に移動し、ダイヤフラム
スプリング31を押動して、その押圧力を解除すること
により、クラッチディスク30への動力伝達が切断さ
れ、従動軸34は自由状態になる。
【0013】前部ケース22と後部ケース23とから分
割構成されて成る前記ギヤケース20は、その内部にシ
ャトル変速装置21をサブアッセンブリーした後、分割
面を接着剤で接着することにより仮止めして一体化し、
その後、共通のボルト39により、前記第1隔壁15に
固定される。このような構成を採用することにより、組
立の効率化が図られる。またギヤケース20を組み付け
るだけで、シャトル変速装置なしのトラクターを、シャ
トル変速装置21を有するトラクターとすることができ
る。
【0014】前記ギヤケース20内のシャトル変速装置
21は、主クラッチ19の従動軸34の後端部に設けら
れた前後進切換クラッチ40を有する。このクラッチ4
0の前側の従動軸34に、バック駆動ギヤ41が遊転自
在に設けられ、このバック駆動ギヤ41にバック中間ギ
ヤ42が噛合し(図2参照)、そしてこの中間ギヤ42
にバック入力ギヤ43が噛合している。このバック入力
ギヤ43は、前方に突出するボス部を有し、該ボス部の
外周が、前部ケース22にベアリングを介して回転自在
に支持されている。このバック入力ギヤ43の軸心部に
は、スプライン孔が形成されている。このスプライン孔
に、後進入力軸44が挿脱自在に挿入されて、スプライ
ン結合されている。この後進入力軸44は、前記従動軸
34と平行な軸心を有して配置されている。この後進入
力軸44は、後部ケース23にベアリングを介して回転
自在に支持されて後方に延出し、その後端部は、第2隔
壁18にベアリングを介して支持されている。
【0015】このように後進入力軸44をバック入力ギ
ヤ43に差込自在としたので、ギヤケース20内へのシ
ャトル変速装置21のサブアッセンブリー化が可能にな
った。前記前後進切換クラッチ40の後側に、前進入力
軸45が、前記従動軸34と同軸心上に配置され、該前
進入力軸45は、後部ケース23にベアリングを介して
回転自在に支持されている。この前進入力軸45は、筒
軸に形成され、前記PTO駆動軸33に相対回転可能に
外嵌している。
【0016】前記前後進切換クラッチ40は、例えば、
特公平8−1221号公報に例示されている同期咬合式
クラッチとされており、従動軸34の後端部に該軸34
と一体回転可能に設けられたハブ46と、該ハブ46に
相対回転不能で軸方向移動自在に外嵌したシフター47
と、前記ハブ46の前後方向両側に配置された同期リン
グ(図示省略)とを有する。前記バック駆動ギヤ41に
は、前記同期リングを介して前記シフター47と咬み合
う咬合部48が設けられ、また、前記前進入力軸45に
も同期リングをを介してシフター47と咬み合う咬合部
49が設けられている。
【0017】前記シフター47には、シフトフォーク5
0が係合している。このシフトフォーク50は、ギヤケ
ース20の前部ケース22と後部ケース23間に固定さ
れたロッド51に、前後方向摺動自在に設けられてい
る。前部ケース22の下部には、前方に膨出する突出部
52が設けられ、該突出部52とミッションケース2の
上壁とに、シフトフォーク操作軸53が縦軸姿勢で回動
自在に支持されている。この操作軸53は、前記主クラ
ッチ19のレリーズフォーク36の後方でかつシャトル
変速装置21のシフター47の前方に位置するよう設け
られている。この操作軸53は、上部軸54と下部軸5
5とに上下二分割され、両者は、カップリング56を介
して挿脱可能に結合されている。下部軸55には、前記
突出部の内部においてヨーク57が固定され、該ヨーク
57の先端が前記シフトフォーク50に係合している。
上部軸54は、その上端がミッションケース2の上面よ
り上方に突出し、該突出端に、前記シャトル変速操作レ
バー13がリンク(図示省略)を介して結合されてい
る。操行ハンドル装置7に設けられたシャトル変速操作
レバー13を前後方向に操作することにより、操作軸5
3が回動し、その下部に設けられたヨーク57が前後方
向に揺動する。このヨーク57の揺動により、シフトホ
ーク50が前後方向に移動し、シフター47を前後方向
に移動させる。
【0018】しかして、前記シフター47が前後方向中
間位置にあるとき、中立位置であり、該中立位置からシ
フター47が前方に移動してバック駆動ギヤ41の咬合
部48と咬み合うと、従動軸34の動力は、バック駆動
ギヤ41、中間ギヤ42、バック入力ギヤ43を介して
後進入力軸44に伝達される。逆に中立位置から後方に
移動して前進入力軸45の咬合部49に咬み合うと、従
動軸34の動力は、前進入力軸45に伝達される。前記
構成の如く、シフトフォーク操作軸53を縦軸姿勢に、
その上端部とシャトル変速操作レバー13とを連結して
いるので、両者の連結が最短距離で行えるようになっ
た。また、操作軸53を上下二分割としたので、下部軸
55をギヤケース20に組み込むことができるので、シ
ャトル変速装置21のサブアッセンブリー化が容易にな
る。
【0019】前記ミッション室17内のPTO駆動軸3
3には、筒軸の変速出力軸58が相対回転可能に同一軸
心で外嵌されている。この変速出力軸58の前端部は、
前記前進入力軸45の内面にニードルベアリングを介し
て回転自在に支持され、その後端は、ミッションケース
2の第2隔壁18にベアリングを介して回転自在に支持
されている。前記ミッション室17内の前進入力軸4
5、後進入力軸44及び変速出力軸58に、4段変速の
前記主変速装置24が設けられている。
【0020】即ち、前記後進入力軸44には、その後部
から前部に至るに、第1速ギヤ60と第2速ギヤ61が
遊転自在に設けられ、第3速ギヤ62と第4速ギヤ63
が固定されている。第1速ギヤ60と第2速ギヤ61と
の間に、第1,2速切換クラッチ64が設けられてい
る。このクラッチ64は、前記前後進切換クラッチ40
と同じ構成の同期咬合式クラッチとして構成されてい
る。すなわち、第1,2速切換クラッチ64は、後進入
力軸44に固定されたハブ65を有し、該ハブ65にシ
フター66が軸方向移動可能に外嵌し、前記ハブ65の
前後両側に同期リング(図示省略)が設けられている。
そして、第1,2速ギヤ60,61の夫々の内端部に前
記シフター66と咬み合う咬合部67,68が設けられ
ている。
【0021】前記変速出力軸24には、前記第1,2速
ギヤ60,61と常時噛合するギヤ69,70が固定さ
れ、また第3速ギヤ62と常時噛合するギヤ71が相対
回転可能に外嵌されている。前記前進入力軸45の後部
には、前記第4速ギヤ63と常時噛合するギヤ72が形
成されている。そして、前進入力軸45の後端部と変速
出力軸58上の第3速ギヤ71との間に、同期咬合式ク
ラッチからなる第3,4速切換クラッチ73が設けられ
ている。
【0022】即ち、第3,4速切換クラッチ73は、変
速出力軸58に固定されたハブ74を有し、該ハブ74
にシフター75が軸方向移動可能に外嵌し、前記ハブ7
4の前後両側に同期リング(図示省略)が設けられてい
る。そして、前進入力軸45後端と第3速ギヤ71の内
端部に前記シフター75と咬み合う咬合部76,77が
設けられている。図7に、以上説明したシャトル変速装
置21と主変速装置24のギヤ線図が示されている。
【0023】図3に示すように、前記第1,2速切換用
シフター66及び第3,4速切換シフター75には、第
1,2速切換用シフトフォーク78及び第3,4速切換
シフトフォーク79が各々係合し、各シフトフォーク7
8,79は、同一水平面上で互いに平行に前後方向移動
自在に設けられた二本の第1,2速切換用シフトロッド
80と第3,4速切換用シフトロッド81に夫々固定さ
れている。各シフトロッド80,81はPTO駆動軸3
3と平行であり、各シフトロッド80,81の前後端部
は、ミッションケース2の第1及び第2隔壁15,18
に支持されている。そして、前記主変速操作レバー12
の下端部が、前記一対のシフトホーク78,79の何れ
かに選択的に係合するよう構成され、該係合した側のシ
フトフォーク78または79が、該操作レバー12の操
作で前後方向移動可能とされている。
【0024】前記第1、2速切換シフター66の内径
は、第1速ギヤ60の外径よりも大きいので、当該シフ
ター66を第1速側にシフトしたとき、咬合部67を通
り越して第1速ギヤ60側へ行きすぎる(オーバシフ
ト)おそれがある。そこで、図4に示すように、第1,
2速切換用シフター66のオーバシフトを防止すべく、
第1,2速切換用シフトロッド80の端部に切欠部82
を設け、当該切欠部82の段部に係合するストッパーピ
ン83を、ミッションケース2に設けた。このストッパ
ーピン83は、二本のシフトロッド80,81間のイン
ターロックボールを挿入するために開設されたボール挿
入孔84に、ねじ込むことにより、ミッションケース2
に取り付けられる。
【0025】前記変速出力軸58の後部には、後部から
前部に向かって、低速ギヤ85と高速ギヤ86が、当該
変速出力軸58と一体回転可能に列設されている。前記
ミッションケース2には、前記変速出力軸58と平行
に、走行軸87が設けられている。この走行軸87の前
端部は、前記ギヤケース20の後部ケース23にベアリ
ングを介して回転自在に支持され、その中途部が第2隔
壁18にベアリングを介して回転自在に支持され、その
後端部が後輪駆動用デファレンシャル装置(図示省略)
に入力している。
【0026】前記走行軸87には、第2隔壁18より前
方に至るに従い、超低速入力ギヤ88、低速ギヤ89、
高速ギヤ90、超低速出力ギヤ91が相対回転自在に設
けられ、更に、その前方に前輪駆動ギヤ92が固定され
ている。走行軸87上の低速ギヤ89と高速ギヤ90
は、前記変速出力軸58の低速ギヤ85と高速ギヤ86
とに常時噛合している。そして、走行軸87上の超低速
入力ギヤ88と低速ギヤ89とは、二連ギヤとして構成
されている。さらに前記ミッションケース2には、前記
走行軸87に平行な中間軸93が、ベアリングを介して
回転自在に設けられ、該中間軸93に、前記超低速入力
ギヤ88と超低速出力ギヤ91とに常時噛合するギヤ9
4,95が一体回転可能に設けられている。
【0027】前記低速ギヤ89と高速ギヤ90間の走行
軸87には、高低速切換クラッチ96が設けられてい
る。この高低速切換クラッチ96は、咬合クラッチであ
り、走行軸87に固定されたハブ97と、該ハブ97に
相対回転不能で軸方向移動可能に外嵌されたシフター9
8とを有し、前記低速ギヤ89と高速ギヤ90の内端部
には、前記シフター98と咬み合う咬合部が設けられて
いる。前記超低速出力ギヤ91の前側の走行軸87に
は、超低速切換クラッチ99が設けられている。この超
低速切換クラッチ99は、咬合クラッチであり、走行軸
87に固定されたハブ100と、該ハブ100に相対回
転不能で軸方向移動可能に外嵌されたシフター101と
を有し、前記超低速出力ギヤ91の内端部には、前記シ
フター101と咬み合う咬合部が設けられている。
【0028】図3に示すように、前記高低速切換用シフ
ター98と超低速切換用シフター101に、夫々シフト
フォーク102,103が係合している。そして、高低
速切換シフトフォーク102は、シフトロッド102a
に固定され、該シフトロッド102aの後端に契合する
ヨーク102b(図1参照)が、図5に示す副変速操作
レバー14の操作により揺動し、前記シフトフォーク1
02が前後方向に移動する。また、超低速切換フォーク
103もシフトロッド103aに固定され、該ロッド1
03aは図示省略の操作レバーの操作により、前後方向
の移動が操作される。
【0029】しかして、前記低速ギヤ85,89、高速
ギヤ86,90、及び、高低速切換クラッチ96等によ
り、前記副変速装置25が構成され、また、超低速ギヤ
88,91,94,95や、超低速切換クラッチ99等
で、前記クリープ変速装置26が構成されている。ま
た、前記前輪駆動ギヤ92は、中間ギヤ104を介して
出力ギヤ105に噛合している。この出力ギヤ105は
出力軸106に前輪駆動クラッチ107を介して入り切
り自在に結合される。この出力軸106の前端は、図示
省略の前輪駆動用デファレンシャル装置に入力してい
る。
【0030】しかして、前輪駆動ギヤ92や前輪駆動ク
ラッチ107等により、前記前輪駆動装置27が構成さ
れている。前記ミッション室17内に貯留された潤滑油
は、ギヤの回転で掻き上げられて、当該ミッション室1
7内の変速装置等の潤滑油に供されると共に、油圧ポン
プで汲み上げられて各種アクチュエータの作動油として
供される。前記作動油の戻り油は、変速出力軸58の後
部から、PTO駆動軸33と変速出力軸58との間の隙
間に供給され、前方に流され、同期咬合式クラッチ等の
潤滑に供される。そして、変速出力軸58の前端部より
流出して、前後進切換クラッチ40の潤滑を行うと共に
ギヤケース20内に貯留される。
【0031】このようにPTO駆動軸33と変速出力軸
58との隙間を潤滑油路とすることで、油路構成を簡単
なものとすることができる。前記ギヤケース20の後部
ケース23には、図3に示す如く、油連通孔108が開
設されている。この油連通孔108を通って、ギヤケー
ス20内の油はミッション室17内に戻るように構成さ
れている。しかし、この油連通孔108は、ミッション
室17内の潤滑油の貯留レベルよりも高い位置に設けら
れ、常時、ギヤケース20内の潤滑油レベルの方がミッ
ション室17内の潤滑油レベルよりも高くされている。
【0032】このようにギヤケース内の油面を高くする
ことにより、該ケース内の潤滑を確実に行うことができ
る。前記構成の実施の形態によれば、シャトル変速装置
をギヤケース内に組み込んだので、乾式のクラッチ室内
にシャトル変速装置を設けることが可能になった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、シャトル変速装置をギ
ヤケース内に組み込んだので、乾式のクラッチ室内にシ
ャトル変速装置を設けることが可能になり、ミッション
の設計の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態を示す変速装置の
断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A断面図である。
【図3】図3は、図1のB−B断面図である。
【図4】図4は、ミッションケースの平面図である。
【図5】図5は、トラクターの平面図である。
【図6】図6は、図5に示すトラクタの側面図である。
【図7】図7は、図1に示す変速装置のギヤ線図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 ミッションケース 15 隔壁 16 クラッチ室 17 ミッション室 19 主クラッチ 20 ギヤケース 21 シャトル変速装置 24 主変速装置 108 油連通孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの動力を車輪に伝達する動
    力伝達経路において、車速を複数段に変速する主変速装
    置と、前進と後進が同数の変速段数となるシャトル変速
    装置とをミッションケース内に有し、該ミッションケー
    スは、前記エンジンからの動力を入り切りする主クラッ
    チを収納するクラッチ室と前記主変速装置を収納するミ
    ッション室とを隔壁で区画してなり、且つ、該ミッショ
    ン室内に貯留された潤滑油が作動油として使用されるト
    ラクターの変速装置において、 前記シャトル変速装置は、前記隔壁に固定されて前記ク
    ラッチ室内に位置するギヤケース内に設けられ、該ギヤ
    ケース内に前記作動油の戻り油が供給されるように構成
    されていることを特徴とするトラクターの変速装置。
  2. 【請求項2】 前記ギヤケース内と前記ミッション室と
    を連通する作動油連通孔が、前記ギヤケースに設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載のトラクターの変
    速装置。
  3. 【請求項3】 前記作動油連通孔は、ギヤケース内の油
    面がミッション室内の油面より高くなる位置に設けられ
    ていることを特徴とする請求項2記載のトラクターの変
    速装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234109A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Yanmar Co Ltd 動力伝達機構を収容する筐体構造
KR100857310B1 (ko) * 2007-05-02 2008-09-05 동양물산기업 주식회사 농업용 트랙터의 트랜스미션

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