JP2001030391A - 機能性材料積層体及びその製造方法 - Google Patents

機能性材料積層体及びその製造方法

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JP2001030391A
JP2001030391A JP11207798A JP20779899A JP2001030391A JP 2001030391 A JP2001030391 A JP 2001030391A JP 11207798 A JP11207798 A JP 11207798A JP 20779899 A JP20779899 A JP 20779899A JP 2001030391 A JP2001030391 A JP 2001030391A
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Kazunari Iwamoto
和成 岩本
Kenji Kurimoto
健二 栗本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球状スペーサの沈降を防止して、高粘調液に
自重による下降を防止するとともに、その層厚を均一に
維持できる機能性材料積層体及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも一方の一部又は全部を透明と
なした基体2、3間の隙間に機能性材料4と球状スペー
サ6を配置した機能性材料積層体1において、機能性材
料4に臨む基体面の少なくとも一方に球状スペーサ6よ
りも軟質なフィルム層7を配置し、機能性材料4の配置
面積と球状スペーサの粒径の積100%に対し、機能性
材料4の配置容積を95〜50%に設定して、球状スペ
ーサ6がフィルム層7にめり込むように機能性材料4を
基体間2、3に封入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調光ガラスや防音
ガラスのように、2枚の透明板間に液状或いは湿潤なゲ
ル状の調光材料や防音材料等の機能性材料を積層してな
る機能性材料積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】2枚の透明板間に液状あるいは湿潤なゲ
ル状の機能性材料を積層しその周辺部分を封止材により
封止してなる機能性材料積層体(以下、単に積層体と称
する)として、例えば特開平6−255016号公報に
記載されているように、平行配置した2枚のガラス板間
に、機能性材料として温度上昇により、透明状態から白
濁状態に状態変化するサーモトロピックな高分子水溶液
を積層した、サーモトロピック調光ガラスが提案されて
いる。また、このサーモトロピック調光ガラスは、液晶
等を用いた調光ガラスよりも耐久性、遮光性に優れ、し
かも安価であることから脚光を浴びている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、流動性
を有するサーモトロピック高分子水溶液をガラス間に封
入しているため、ガラス面を水平にして使用しない限
り、水溶液がその自重により徐々に下降してガラスがた
わみ、下側程水溶液の総厚が大きくなって、調光ガラス
の屈折率が部位によって異なったり、遮光状態にムラが
生じたりするといった問題が発生する。しかも、調光ガ
ラスの面積を大きくするほど水溶液の層厚の差が大きく
なる傾向を示す。このようなことから、流動性をもつサ
ーモトロピック高分子水溶液などの高粘調液をガラス間
に封入した調光ガラスにおいては、高粘調液の総厚を均
一に保つ技術が、重要な課題となっている。
【0004】現在、この問題を解決するための方法とし
て、次のような、化学的な方法や構造的、機械的な方法
が提案されている。化学的な方法としては、高粘調液の
構成成分として使用する高分子を部分的に架橋させるこ
とにより、架橋型の膨潤ゲルとしてその流動を抑制する
方法が提案されている。しかしながら、高粘調液の下降
を防止できる程度まで架橋密度を上げると、本来の機能
性、耐久性等に影響が生じ、調光ガラス本来の可逆安定
性が充分得られないといった、致命的な欠陥が生じるこ
ととなる。また、構造的、機械的な方法として、ガラス
面内において接着剤等により隣接するガラスを点状や線
状に内側から接着固定し、層厚を維持するといった方法
が提案されているが、窓等への使用を考慮すると、この
接着部分の線や点が視覚的に欠陥となり、その使用場所
が著しく限定される要因となる。さらに、スペーサとし
て、視覚的な欠陥となり難いガラスビーズを用いる方法
も提案されているが、ガラスビーズの沈降防止が充分で
きていないのが現状である。
【0005】本発明の目的は、球状スペーサの沈降を防
止して、高粘調液に自重による下降を防止するととも
に、その層厚を均一に維持できる機能性材料積層体及び
その製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用】請求項1に
係る機能性材料積層体は、少なくとも一方の一部又は全
部を透明となした基体間の隙間に機能性材料と球状スペ
ーサを配置した機能性材料積層体において、前記機能性
材料に臨む基体面の少なくとも一方に球状スペーサより
も軟質なフィルム層を配置し、前記機能性材料の配置面
積と球状スペーサの粒径の積100%に対し、機能性材
料の配置容積を95〜50%に設定して、球状スペーサ
がフィルム層にめり込むように機能性材料を基体間に封
入したものである。
【0007】この機能性材料積層体においては、機能性
材料の配置面積と球状スペーサの粒径の積100%に対
し、機能性材料の配置容積を95〜50%に設定してい
るので、球状スペーサは機能性材料の配置容積の不足分
を補うため、その粒径の5〜50%の深さだけフィルム
層に対してめり込んだ状態となる。つまり、この機能性
材料積層体においては、球状スペーサがその粒径の少な
くとも5%以上の深さだけフィルム層に対してめり込む
ので、球状ビーズの沈降が確実に防止されるこになる。
また、フィルム層に対する球状スペーサのめり込み量が
粒径の50%を超えると、めり込み量のバラツキが大き
くなって、厚みむらが大きくなることが懸念されるの
で、機能性材料の配置面積と球状スペーサの粒径の積1
00%に対し、機能性材料の配置容積を50%以上に設
定することが好ましい。
【0008】請求項2記載の機能性材料積層体は、前記
球状スペーサの粒径100%に対しフィルム層の総厚み
を5〜50%に設定したものである。フィルム層の総厚
みが5%未満の場合には、球状スペーサを十分にめり込
ませることができず、また50%を越えると、球状スペ
ーサのめり込み量のバラツキが大きくなることが懸念さ
れるので、5〜50%に設定することが好ましい。
【0009】請求項3記載の機能性材料積層体は、前記
機能性材料の配置容積を、球状スペーサの粒径からフィ
ルム層の総厚を減算して得られる機能性材料の配置隙間
と、機能性材料の配置面積との積以上に設定したもので
ある。つまり、機能性材料の配置容積が、機能性材料の
配置隙間と機能性材料の配置面積との積未満の場合に
は、球状スペーサが2つの基体に圧接され、基体の破損
が懸念されるので、両者の積以上に設定することが好ま
しい。
【0010】請求項4記載の機能性材料積層体は、前記
機能性材料が、セルロース誘導体と水を構成成分とする
ものである。このような機能性材料は、温度変化により
透明状態と白濁状態とに可逆的に状態変化するサーモト
ロピック材料として機能する。
【0011】請求項5記載の機能性材料積層体は、前記
機能性材料が、前記構成成分に加え、非イオン性界面活
性剤、及び必要に応じて無機電解質を加えてなるもので
ある。非イオン性界面活性剤を加えることにより、白濁
状態の安定性を著しく向上でき、均一な白濁状態を長期
間維持しうる。又、必要に応じて無機電解質を加えるこ
とにより、透明と白濁に状態変化する温度を制御するこ
とが可能となり好ましい。
【0012】請求項6記載の機能性材料積層体は、前記
球状スペーサの配置間隔が25〜100mmである。球
状スペーサの配置間隔を25〜100mmにすることに
より、機能性材料積層体の厚みむらを小さくすることが
できる。
【0013】請求項7記載の機能性材料積層体の製造方
法は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の機能性材料
積層体の製造方法であって、少なくとも一方の基体上
に、機能性材料の配置面積と球状スペーサの粒径との積
95〜50%の分量の機能性材料と、球状スペーサとを
配置するとともに、少なくとも一方の基体の上面周囲に
重ね合わせて仮積層体を製作する仮積層工程と、仮積層
体の内部空間が略真空状態となるように、仮積層体を減
圧雰囲気下に保持し、その後封止材を変形させつつ基体
に密着せしめて、球状スペーサがフィルム層にめり込む
ように、基体間に機能性材料を封入する減圧封入工程と
を備えたものである。このような製造方法により、請求
項1〜6のいずれか1項に記載の機能性材料積層体を効
率的に且つ機能性材料に気泡が混入しないように製作す
ることが可能となる。
【0014】本発明の機能性材料積層体、及び本発明の
製造方法に従って得られた機能性材料積層体は、一般住
宅やビル等における、垂直面の窓、天窓、ルーバー窓、
引き違い窓、はめ殺し窓、出窓、外開き窓、横滑り窓、
両開き窓、上下スライド窓、コーナー窓、テラスドア、
腰パネルドア、高所内倒しドア、パティオドア、サンル
ーム、温室ガラス、更には、大型施設のアーケード、ト
ップライト、自動車のサンルーフ、リアウィンドウ、サ
イドウインドウ、カーポート、建物の外壁材や蓄熱壁等
に使用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。先ず、機能性材料積層
体の概略構成について説明する。図1に示すように、機
能性材料積層体1は、少なくとも一方の一部又は全部を
透明となした基体2、3間の隙間に、機能性材料4と球
状スペーサ6を配置し、基体2、3間の外縁部を封止材
5で封止したものであって、機能性材料4に臨む基体
2、3面の少なくとも一方に球状スペーサ6よりも軟質
なフィルム層7を配置し、機能性材料4の配置面積と球
状スペーサ6の粒径の積100%に対し、機能性材料4
の配置容積を95〜50%に設定して、図2に示すよう
に、球状スペーサ6がフィルム層7にめり込むように機
能性材料4を基体2、3間に封入したものである。
【0016】フィルム層7は、図1に示すように、基体
2、3の一方にのみ配置してもよいし、図3に示すよう
に、基体2、3の対向面にそれぞれ設けてもよい。ま
た、封止材5は、図1に示すように、1段封止構造とし
てもよいし、図3に示すように、第1封止材5aと第2
封止材5bとからなる2段封止構造としてもよい。更
に、機能性材料積層体1に対して更に1から複数枚の基
体を、同種又は異種の機能性材料を介在させた状態で積
層し、3枚以上の基体を有する機能性材料積層体を構成
することも可能である。また、この場合には、機能性材
料を充填しない空気層を基体間に形成して、断熱性や遮
音性を高めることも可能である。
【0017】次に、機能性材料積層体を構成する部材の
具体例について説明する。この機能性材料積層体1を調
光ガラスとして用いる場合には、機能性材料4として、
温度変化により白濁状態と透明状態とに状態変化するサ
ーモトロピック材料を用いることになる。一般的にこの
ような性状を示すサーモトロピック機能性材料として
は、曇点現象を示す非イオン性界面活性剤や非イオン性
水溶性高分子の等方性水溶液がある。このような機能性
材料の具体的な材料としては、ポリビニルアルコール部
分酢化物、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルロー
ス、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ヒ
ドロキシプロピル基を有する多糖類誘導体(例えばヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル・メチ
ルセルロース等)、ポリビニルメチルオキサゾリディノ
ン、ポリN−置換アクリルアミド誘導体(例えばポリN
−イソプロピルアクリルアミド、ポリN−エトキシエチ
ルアクリルアミド等)、ポリN,N−ジ置換アクリルア
ミド誘導体(例えばポリN−メチル−N−エチルアクリ
ルアミド等)、あるいはこれらの共重合体などの水溶性
高分子の水溶液や、アルコール等を溶媒とした高分子溶
液があげられる。これらの例示物質の中でも、太陽光を
充分に遮光するという点では、疎水−親水バランスがよ
いヒドロキシプロピル基をもつ多糖類誘導体が好適であ
り、構造的に安定性のあるセルロースを主鎖にもつセル
ロース誘導体、即ち、ヒドロキシプロピルセルロースが
好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、これらの溶液に酸化防止剤、凍結防止剤、安定剤
等の添加剤を加えることも本発明の範疇である。
【0018】ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロ
ース誘導体の水溶液等を単体で使用すると、白濁状態で
長時間放置すると、時間経過に伴って不均一な相分離状
態となることがある。不均一な相分離とは、白濁状態を
示すために凝集したヒドロキシプロピルセルロース等の
凝集物が時間経過に伴って更に凝集し沈降するため、溶
媒である水と2相に分離する状態を示す。しかしなが
ら、これに特開平6−255016号公報に記載されて
いるような、界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤を
加えることにより、均一な相分離状態を長時間維持でき
る。
【0019】ここで使用される非イオン性界面活性剤
は、オリゴマー領域の約3000以下の分子量、より好
ましくは約1000以下の分子量のものが使用しやす
く、イオン性基は親水性基が非常に大きいので、バラン
スをとるため、疎水基は高級アルキル基がよい。具体例
としては、ポリオキシプロピレン2−エチル−2−ヒド
ロキシメチル−1,3−プロパンジオール(ポリオキシ
プロピレントリメチロールプロパンエーテル)やポリプ
ロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、ポリオキシプロピレングリセリン、ラウリル
硫酸ナトリウム等が例示でき、その他にも同様の作用を
有する物質であれば使用することができる。また、上記
のような機能性材料の状態変化する温度を制御するた
め、必要に応じて塩化ナトリウム等の無機電解質を加え
ることにより、状態変化する温度を低温側に任意にシフ
トさせることができる。このような機能性材料は、耐候
性や安定性に優れ、比較的に安価であるため好適であ
る。
【0020】また、これらの水溶性高分子の一部を架橋
し、水等の溶媒に膨潤させたゲルを機能性材料として用
いても良い。例えば、米国特許5377042号に記載
されているような、前述の高分子溶液を一部架橋したゲ
ル、例えばヒドロキシエチルメタクリレート−ヒドロキ
シエチルアクリレート共重合体の部分架橋物と水からな
るゲル状の機能性材料は好ましい例の一つである。但
し、温度変化により白濁状態と透明状態とに状態変化す
る液状あるいは湿潤なゲル状の機能性材料であれば、前
記以外の種々の材料を使用してもかまわない。また、機
能性材料4としては、液状あるいは湿潤なゲル状の材料
であれば、光の変化に応じて光透過率が変化するフォト
クロミック材料や、電圧変化に応じて光透過率が変化す
るエレクトロミック材料などの様々な調光材料を用いる
ことが可能である。
【0021】基体2、3としては、通常は平板状の無機
ガラスやポリカーボネート等の有機ガラス等を使用す
る。熱線反射ガラス、低放射ガラス、合わせガラス、強
化ガラス、倍強度ガラス、UVカットガラス、網入りガ
ラス、型板ガラス、すりガラス等が任意に採用できる。
基体2、3は、通常は透明に構成することになるが、基
体2、3の一部は不透明に構成してもよいし、建築物の
外壁等として使用する場合には、少なくとも一方を不透
明なガラス板や金属板等で構成してもよい。
【0022】球状スペーサ6としては、無機ガラス製、
セラミック製、金属製等の中から、機能性材料の構成成
分と反応したり、吸着や吸収などにより、その組成を変
化させ、特性に影響を及ぼすようなものでなければ使用
可能である。特に、視覚的な欠陥となりにくい無色透明
の無機ガラス製ビーズが好適に利用できる。球状スペー
サ6は、封止材5の部分にも設置されていても構わな
い。この球状スペーサ6の働きにより、流動性を示す本
発明の機能性材料の層厚が所望の値に調整・維持される
とともに、垂直面に使用した際に、機能性材料の自重に
より、ガラスがたわみ、機能性材料積層体の上部と下部
で機能性材料の層厚が異なる現象を抑制することがで
き、長期間にわたり層厚を均質に維持することが可能と
なる。
【0023】球状スペーサ6の配置間隔は、25〜10
0mmが好ましい。球状スペーサ6の配置間隔が100
mmを超えると球状スペーサ6の存在部と未存在部で機
能性材料の層厚が波打ち、ガラス越しの風景が歪むなど
の問題点が生じる恐れがある。スペーサの材質として、
本発明の合成樹脂フィルムより硬質の材料からものを選
択した場合、スペーサは合成樹脂フィルムにめり込んだ
状態で保持されるため、スペーサと機能性材料の比重差
によるスペーサの沈降を抑制することができ好ましい。
【0024】フィルム層7としては、球状スペーサ6よ
りも軟質な合成樹脂製のフィルム層を用いることにな
る。つまり、本発明では、フィルム層7に対して球状ス
ペーサ6をめり込ませて、球状スペーサ6と機能性材料
4との比重差による球状スペーサ6の沈降を抑制する関
係上、フィルム層7は球状スペーサ6よりも軟質な素材
からなるものを用いることになる。また、フィルム層7
は、基体2、3が透明の場合、当然のことながら、透明
であることが好ましく、これらの条件を満たすためのフ
ィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹
脂、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹
脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリ−4−メチルペンテン
−1樹脂、ポリブテン−1樹脂、フッ化ビニリデン樹
脂、フッ化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリフェニレ
ンオキシド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリフ
ェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスル
ホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、芳香族ポリエス
テル樹脂、ポリアリレート樹脂等の各種樹脂のフィル
ム、又はこれらの積層フィルムが例示できる。又、上記
フィルム中でも、剛性、耐伸長性、寸法安定性、衝撃破
壊強度性、透明性、積層適性の観点から、ポリエステル
樹脂フィルムが好ましく、さら更にポリエチレンテレフ
タレート(PET)であることが好ましい。具体的に
は、東レ(株)製のルミラー、ユニチカ(株)製のエン
ブレット等の商品名で市販されているものが透明性が高
く好ましいが、これに限定されるものではない。
【0025】本発明のフィルム層7の膜厚は、球状スペ
ーサ6の粒径にもよるが、球状スペーサ6の粒径100
%に対しフィルム層7の総厚みを5〜50%に設定する
ことが好ましい。より好ましくは15〜45%に、さら
に好ましくは20〜40%に設定することになる。球状
スペーサ6の粒径100%に対しフィルム層7の総厚み
が5%に満たない場合は、球状スペーサ6をフィルム層
7に対して十分にめり込ませることができず、球状スペ
ーサ6の沈降を抑制できないので好ましくない。また、
50%を超えると、フィルム層7に対する球状スペーサ
6のめり込み量にバラツキが発生し易くなって、厚みむ
らが大きくなることが懸念されるので好ましくない。具
体的には、球状スペーサ6の粒径が500μmであれ
ば、図1に示すように、基体3のみにフィルム層7を配
置する場合には、この1つのフィルム層7の厚さを50
μm〜250μm程度に設定し、図3に示すように基体
2、3の両方にフィルム層7を配置する場合には、これ
ら2つのフィルム層の総厚みを50〜250μm程度に
設定することになる。
【0026】また、球状スペーサ6のフィルム層7への
めり込み深さは、機能性材料4の配置容積により調整す
る。機能性材料4の配置容積は、機能性材料4の配置面
積と球状スペーサ6の粒径の積100%に対し、95〜
50%に設定することが好ましい。また、機能性材料4
の配置容積は、球状スペーサ6の粒径に対するフィルム
層7の総厚みにより調整することが好ましい。すなわ
ち、球状スペーサ6の粒径からフィルム層7の総厚を減
算して得られる機能性材料の配置隙間と、機能性材料4
の配置面積との積以上に設定することが好ましい。具体
的には、球状スペーサ6の粒径100%に対しフィルム
層7の総厚みが10%であれば、機能性材料4の配置容
積は、95〜90%に調整するのが好ましい。また、球
状スペーサ6の粒径100%に対しフィルム層7の総厚
みが30%であれば、機能性材料4の配置容積は、95
〜70%に調整するのが好ましい。また、球状スペーサ
6の粒径100%に対しフィルム層7の総厚みが50%
であれば、機能性材料4の配置容積は、95〜50%に
調整するのが好ましい。機能性材料4の配置容積が95
%を超えると、球状スペーサ6のフィルム層7へのめり
込みが不十分となり、球状スペーサ6の沈降を防止でき
ず好ましくない。また、機能性材料4の配置容積が少な
すぎると、基体2、3の材質が無機ガラスである場合
は、割れの発生が懸念され好ましくない。ここで、機能
性材料4の配置容積が少ないほど、球状スペーサ6のフ
ィルム層7へのめり込み深さは深くなる。
【0027】これらのフィルム層は、必要に応じて、可
塑剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、充
填剤等の公知の添加剤が添加されていてもよい。又、フ
ィルム層7に紫外線遮蔽機能を付与されていることによ
り、それを室外側に配置した際には、機能性材料4、封
止材料5の紫外線による劣化を防止できる。また、室内
側に配置した場合であっても、室内の人や物の日焼け等
の紫外線による悪影響を低減できる。
【0028】紫外線遮蔽機能をフィルム層7に付与する
方法としては、概ね次の3種類に大別できる。 (1)アルミ箔に代表される遮光性材料を複合化させる
方法 (2)無機系紫外線遮断剤を用いる方法 (3)有機系紫外線吸収剤を用いる方法 (1)の方法は、紫外線を遮断するものであり、食品や
医薬品の包装材料に多く用いられる手法である。但し、
これらの方法は光そのものを遮断してしまうため、本発
明には不適合である。(2)の方法は、酸化チタン、酸
化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の白色粉
末をフィルムに練り込むまたは分散コートして使用する
方法であり、吸収と散乱により、紫外線を遮断するもの
である。フィルムの透明性を保持するためには、これら
の粉末の粒子径が可視光の波長に対して充分小さいこと
が必要であり、一般的には30nm以下の粒径の二酸化
チタンが用いられる。但し、これらの白色粉末が本発明
の材料に金属カチオンとして混入すると劣化変色を著し
く促進する恐れがあり充分注意を要する。(3)の方法
は、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系の有機系紫外線吸収剤を使用する方法であり、そ
の適用形態としては、フィルムに直接練り込む方法やコ
ートする方法がある。これら有機系紫外線吸収剤の特徴
としては、フィルムの基材となる合成樹脂と溶融混練す
ることができ、前記無機系紫外線遮断剤に比して高い透
明性を有することから、本発明の合成樹脂製のフィルム
層に紫外線遮蔽機能を付与する方法としては好ましい。
しかしながら、これら有機系紫外線吸収剤は、吸収域が
狭く、機能的に限度があることや、そのもの自体の耐光
性が劣るといった欠点を有していることから、必要に応
じて複数の有機系紫外線吸収剤を組み合わせることや前
記無機系紫外線遮断剤と併用する等の方法を採用しても
良い。
【0029】本発明で使用される紫外線吸収剤として
は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、インド
ール系、サリチル酸系化合物等公知のものが使用でき
る。ハードコート層は、前記フィルムの耐摩耗性を向上
させるために構成されるものであり、これによりフィル
ム表面に傷等がつきにくくなり、ハンドリング性が向上
する。フィルム層の透過率が低下することがないような
透明な材料が好ましく、シリコーン樹脂を主たる構成成
分としてなるようなものが使用される。
【0030】機能性材料に隣接する封止材5は、次の要
求特性を満たすものであれば、任意のものが選択でき、
2種類以上のものを組み合わせて使用することも好まし
く、本発明の範疇である。本発明の機能性材料積層体の
封止材に要求される特性としては、次のようなものが挙
げられる。 (1)機能性材料積層体を構成するガラス、および合成
樹脂フィルムによく接着する。 (2)ガス保持性が高く、封止材を介しての機能性材料
への気体の浸入や機能性材料の蒸気の放出が生じにく
い。 (3)機能性材料との接触部において、その特性に影響
を及ぼすような反応を生じない、また、物質を放出しな
い。 (4)使用場所に応じた耐光性、耐熱性、等の耐久性が
確保されたものである。
【0031】このような特性を満たす封止材としては、
接着性イソブチレン系樹脂封止材料を図1の封止材5と
して使用する方法や、図3に示したように第1封止材5
aと第2封止材5bの2段封止構成とすることも可能で
あり、いずれも本発明の範疇である。第1封止材5aと
して、熱可塑性のブチルゴム系、ポリイソブチレン系封
止材、接着性イソブチレン系封止材等のガス保持性の高
い材料を、その外側の第2封止材5bとして脱酢酸型や
脱オキシム型のシリコーン系封止材、紫外線硬化型のア
クリル系接着剤、接着性イソブチレン系樹脂封止材料等
の良好な接着性を示す材料を選択することが、本発明の
機能性材料積層体の封止材の好ましい構成として例示で
きるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】次に、この機能性材料積層体1を製造する
方法について説明する。この製造方法は、先ず、図4に
示すように、基体2、3の少なくとも一方に封止材5
a、5bを構成する封止材5a’、5b’を配置すると
ともに、基体2、3の少なくとも一方に機能性材料4を
構成する機能性材料4’と球状スペーサ6を配置し、次
に機能性材料4’を内側にして両基体2、3を重ね合わ
せて、図5に示すような仮積層体1’を製作し、次に仮
積層体1’の内部空間10が略真空状態となるように、
仮積層体1’を減圧雰囲気下に保持し、その後封止材5
a’、5b’を変形させつつ、封止材5a’、5b’と
基体或いは封止材5a’、5b’同士を密着せしめて、
球状スペーサ6をフィルム層7にめり込ませた状態に、
基体2、3間に機能性材料4’を封入するものである。
【0033】先ず、基体3上面の縁部に、第1封止材5
a’と第2封止材5b’を付着させる。但し、封止材5
a’、5b’は基体2上に付着させてもよいし、一方を
基体3に付着させ、他方を基体2に付着させてもよい。
また、基体2、3にそれぞれ付着させてもよい。更に、
1段封止構造を採用する場合には、前述した封止材5を
構成する封止材を付着させることになる。第1封止材5
a’の付着は、加温装置を併設した押し出し機や塗布機
を使用して行うことができる。これはダブルシールの複
層ガラスの1次シールを塗布するための装置が概ねその
まま使用できる。また、予めテープ状、紐状等に加工さ
れ、剥離テープ状に配置されたものは、室温で容易にハ
ンドリングでき好ましい。第2封止材5b’の付着は、
ディスペンサーを使用すれば定量的に精度よく塗布する
ことができる。また、シーラントカートリッジに入った
ものを使用する場合には、市販のコーキングガンがその
まま使用できる。更には、注射器等に移し換えて塗布し
てもよい。
【0034】ここで第1封止材5a’は、図5に示すよ
うに、その長さ方向の適所に凹み11を設けてもよい。
また、第2封止材5b’は、図4に示すように、概ね5
0〜100mm間隔毎に、概ね数mm〜10mmの間隔
をあけて間欠的に設けてもよい。このように封止材5
a’、5b’を付着させることで、後述する減圧工程に
おいて、仮積層体1’の内部空間10の空気を排出して
内部空間10を略真空状態にすることができる。また、
凹み11は続く密着工程において圧縮変形してなくな
り、機能性材料積層体1の第1封止材5aの内側には高
度な気密状態が得られることになる。
【0035】次に、機能性材料4’を基体3上に配置す
る。機能性材料4’は、図4に示すように独立した点状
に塗布してもよいし、図6に示すように線状や、図7に
示すように格子状や、図8に示すように破線状に塗布し
てもよい。機能性材料4’の配置は、ディスペンサーに
より定量的に塗布することが好ましい。このとき複数の
塗布ヘッドを有するディスペンサーを使用して塗布すれ
ば、定量的、かつ、迅速に配置することができる。球状
スペーサ6の配置は、機能性材料の塗布後、機能性材料
4’上に配置するのが好ましい。
【0036】次に、減圧封入工程において、図9に示す
ように、可とう性を有する膜体20で仕切られた、隣接
する2つの減圧槽21、22を有する減圧装置23を用
い、仮積層体1’を下側の減圧槽22内にセットして両
減圧槽21、22を減圧し、機能性材料4’が存在する
内部空間10を略真空状態にしてから、続く密着工程に
おいて、内部空間10が気密状になるように、上側の減
圧槽21の減圧を開放し、常圧にして膜体20で基体2
を圧縮し、第1封止材5a’を基体2に隙間なく密着さ
せ、同時に球状スペーサ6をフィルム層7にめり込ませ
る。減圧装置23としては、汎用の太陽電池パネル作製
用のラミネータを採用でき、具体的にはspire社
(米)製のもの等が例示できる。
【0037】減圧時における両減圧槽21、22の真空
度は小さいほど内部空間10の真空度が高くなって密着
した後の気泡が減少し、機能性材料4’が完全に充填さ
れやすくなる。このとき仮積層体1’を設置した状態
で、0.1〜20Torrの減圧雰囲気下に10〜10
0秒保持するのが好ましい。ここで到達真空度が低すぎ
ても、また、その保持時間が短くても、密着工程後の気
泡サイズが大きくなり、このましくない。また、保持時
間が長すぎる場合は、配置した機能性材料表面から構成
成分の水の蒸発量が多くなり好ましくない。ここで、機
能性材料積層体の面積が大きくなるにつれ、到達真空度
が低くなりやすいので、保持時間を長くするようにす
る。例えば、0.1Torrの減圧雰囲気下であれば、
10〜30秒の保持時間を取り、1Torrであれば1
0秒〜60秒、20Torrであれば、30秒〜100
秒というように設定するのが好ましい。
【0038】続いて、両減圧槽21、22を減圧して、
所定時間減圧雰囲気下に保持した後、内部空間10が気
密になるよう、減圧槽21を大気開放して常圧にし、膜
体20を介して仮積層体1’を3〜300秒圧縮せし
め、機能性材料4’を気密状の内部空間10に充満させ
るのが好ましい。圧縮時間が3秒よりも短い場合は、密
着工程後の気泡サイズが大きく、また、第1封止材5a
の密着と球状スペーサのめり込みが不十分となり好まし
くない。また、300秒を超えても、第1封止材5aの
密着性の向上効果も小さく、時間を要するだけで好まし
くない。この方法によれば、内部空間10を略真空状態
に維持し、基体2に対して第1封止材5aと第2封止材
5bを気密状になるよう、封止材5a’を変形させつつ
密着せしめながら、機能性材料4を内部空間10に充満
させ、同時に球状スペーサ6をフィルム層7にめり込ま
せることが可能となり好ましい。
【0039】
【実施例】次に、前記機能性材料積層体1の具体例の一
例について説明する。 (実施例1)使用する機能性材料を、次のように調製し
た。セルロース誘導体としてヒドロキシプロピルセルロ
ース(日本曹達(株)製HPC−L、以下HPC)、非
イオン性界面活性剤としてポリオキシプロピレントリメ
チロールプロパンエーテル(三洋化成工業(株)製サン
ニックストリオールTP−400)、無機電解質および
水として3%塩化ナトリウム水溶液をそれぞれ、5:
1:9の重量比で混合した。一方の基体として3mm厚
の600×600mmのJIS規格品フロート板ガラス
を使用し、フィルム層として100μm厚のポリエチレ
ンテレフタレート製フィルムを接着配置し使用した。前
記調整した機能性材料をディスペンサーにより、ガラス
上のフィルム層側に図4に示すように塗布(配置間隔5
0mm)した。また、粒径400μmの球状スペーサ
((株)ユニオン製SPL−400)を機能性材料上に
配置(配置間隔50mm)した。このときの機能性材料
の配置容積は、機能性材料の配置面積と球状スペーサの
粒径の積100%に対し、80%とした。封止材として
熱可塑性のブチルゴムテープ((株)ピーエムジー製ナ
フトサームブチルテープ芯なし1700)、更にその外
側にシリコーン系封止材(信越化学工業(株)製KE4
20)を配置した。次に、上側にもう一方の基体として
600×600mmのJIS規格品フロート板ガラスの
3mm厚(フィルム層なし)を積層し、減圧装置によ
り、仮積層体を減圧、密着し、機能性材料積層体を得
た。
【0040】(実施例2)上下の両方の基体として60
0×600mmのJIS規格品フロート板ガラスの3m
m厚を使用し、フィルム層として50μm厚のポリエチ
レンテレフタレート製フィルムを接着配置した以外は、
実施例1と同様に構成した機能性材料積層体を得た。
【0041】次に、前記実施例1、2の機能性材料積層
体の性能評価試験について説明する。比較例として次の
ような構成の機能性材料積層体を製作した。 (比較例1)機能性材料の配置容積を、機能性材料の配
置面積と球状スペーサの粒径の積100%に対し、98
%に設定した以外は実施例1と同様に構成した機能性材
料積層体を製作した。
【0042】(比較例2)機能性材料の配置容積を、機
能性材料の配置面積と球状スペーサの粒径の積100%
に対し、98%に設定した以外は実施例2と同様に構成
した機能性材料積層体を製作した。
【0043】(比較例3)機能性材料の配置容積を、機
能性材料の配置面積と球状スペーサの粒径の積100%
に対し、70%に設定した以外は実施例2と同様に構成
した機能性材料積層体を製作した。得られた機能性材料
積層体のガラスには割れが発生していた。
【0044】次に、実施例1、2及び比較例1、2の機
能性材料積層体を評価するため、これらの機能性材料積
層体を鉛直に1週間立て、球状スペーサの沈降状態を測
定した。表1に結果を示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、機能性材料の配
置面積と球状スペーサの粒径の積100%に対し、機能
性材料の配置容積が95〜50%である、実施例1と実
施例2の機能性材料積層体では、1週間鉛直放置しても
球状スペーサの落下は観察されなかった。一方、機能性
材料の配置面積と球状スペーサの粒径の積100%に対
し、機能性材料の配置容積が95%を超える比較例1、
2では、球状スペーサの落下が観察された。また、機能
性材料の配置面積と球状スペーサの粒径の積100%に
対し、機能性材料の配置容積が95〜50%であって
も、機能性材料の配置容積が、球状スペーサの粒径から
フィルム層の総厚を減算して得られる機能性材料の配置
隙間と機能性材料の配置面積との積に満たない比較例3
の機能性材料積層体では、球状スペーサが基体に圧接さ
れてガラスに割れが発生した。
【0047】
【発明の効果】実施例により本発明の効果が明らかとな
った。請求項1に係る機能性材料積層体によれば、機能
性材料の配置容積を適正に設定することで、球状スペー
サをその粒径の少なくとも5%以上の深さだけフィルム
層に対してめり込ませ、球状ビーズの沈降を確実に防止
できるとともに、球状スペーサのめり込み量のバラツキ
による、機能性材料積層体の厚みむらを防止できる。
【0048】請求項2記載のように、球状スペーサの粒
径100%に対しフィルム層の総厚みを5〜50%に設
定すると、球状スペーサをフィルム層に対して十分にめ
り込ませることができ、しかも球状スペーサのめり込み
量のバラツキによる、機能性材料積層体の厚みむらを防
止できる。請求項3記載のように、機能性材料の配置容
積を、球状スペーサの粒径からフィルム層の総厚を減算
して得られる機能性材料の配置隙間と、機能性材料の配
置面積との積以上に設定すると、球状スペーサが2つの
基体に圧接されることを防止して、基体の破損を確実に
防止できる。
【0049】請求項4記載のように、セルロース誘導体
を主たる構成成分とすることにより、安価で耐久性の優
れる機能性材料が得られる。又、請求項5記載のよう
に、非イオン性界面活性剤を加えることにより、透明と
白濁の繰り返しや、均一な白濁状態に長期間維持可能な
機能性材料が得られる。又、無機電解質を加えることに
より、使用場所に応じた最適な状態変化温度が設定でき
る。請求項6記載のように前記球状スペーサの配置間隔
が25〜100mmであるので、機能性材料積層体の厚
みむらを小さくすることができる。請求項7記載の製造
方法によれば、球状スペーサの沈降を改善した機能性材
料積層体を、効率的に且つ機能性材料に気泡が混入しな
いように製作することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機能性材料積層体の要部断面図
【図2】 同機能性材料積層体の要部断面図
【図3】 他の構成の機能性材料積層体の要部断面図
【図4】 封止材及び機能性材料の配置方法の説明図
【図5】 仮積層体の要部断面図
【図6】 封止材及び機能性材料の配置方法の説明図
【図7】 封止材及び機能性材料の配置方法の説明図
【図8】 封止材及び機能性材料の配置方法の説明図
【図9】 減圧装置の説明図
【符号の説明】
1 機能性材料積層体 2 基体 3 基体 4 機能性材料 5 封止材 5a 第1封止材 5b 第2封止材 6 球状スペーサ 7 フィルム層 5a’ 封止材 5b’ 封止材 4’ 機能性材料 10 内部空間 11 凹み 20 膜体 21 減圧槽 22 減圧槽 23 減圧装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2E016 AA01 BA00 BA02 BA07 CB01 CC02 EA03 EA05 FA00 4F100 AA40C AG00 AJ06C AK42 AR00A AR00D AS00C AT00B BA04 BA07 BA10A BA10B BA32 BA41A CA18C DC30C GB07 JA20D JH01 JK13D JN01A JN08 YY00D 4G061 AA25 BA01 BA02 CB02 CB03 CB06 CB16 CD11 CD14 CD22 DA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の一部又は全部を透明と
    なした基体間の隙間に機能性材料と球状スペーサを配置
    した機能性材料積層体において、 前記機能性材料に臨む基体面の少なくとも一方に球状ス
    ペーサよりも軟質なフィルム層を配置し、 前記機能性材料の配置面積と球状スペーサの粒径の積1
    00%に対し、機能性材料の配置容積を95〜50%に
    設定して、球状スペーサがフィルム層にめり込むように
    機能性材料を基体間に封入した、 ことを特徴とする機能性材料積層体。
  2. 【請求項2】 前記球状スペーサの粒径100%に対し
    フィルム層の総厚みを5〜50%に設定した請求項1記
    載の機能性材料積層体。
  3. 【請求項3】 前記機能性材料の配置容積を、球状スペ
    ーサの粒径からフィルム層の総厚を減算して得られる機
    能性材料の配置隙間と、機能性材料の配置面積との積以
    上に設定した請求項1又は2記載の機能性材料積層体。
  4. 【請求項4】 前記機能性材料が、セルロース誘導体と
    水を構成成分とすることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の機能性材料積層体。
  5. 【請求項5】 前記機能性材料が、前記構成成分に加
    え、非イオン性界面活性剤、及び必要に応じて無機電解
    質を加えてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の機能性材料積層体。
  6. 【請求項6】 前記球状スペーサの配置間隔を25〜1
    00mmに設定した請求項1〜5のいずれか1項記載の
    機能性材料積層体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の機
    能性材料積層体の製造方法であって、 少なくとも一方の基体上に、機能性材料の配置面積と球
    状スペーサの粒径との積95〜50%の分量の機能性材
    料と、球状スペーサとを配置するとともに、少なくとも
    一方の基体の上面周囲に重ね合わせて仮積層体を製作す
    る仮積層工程と、 仮積層体の内部空間が略真空状態となるように、仮積層
    体を減圧雰囲気下に保持し、その後封止材を変形させつ
    つ基体に密着せしめて、球状スペーサがフィルム層にめ
    り込むように、基体間に機能性材料を封入する減圧封入
    工程と、 を備えた機能性材料積層体の製造方法。
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