JP2001075132A - 機能性材料積層体 - Google Patents

機能性材料積層体

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JP2001075132A
JP2001075132A JP24843299A JP24843299A JP2001075132A JP 2001075132 A JP2001075132 A JP 2001075132A JP 24843299 A JP24843299 A JP 24843299A JP 24843299 A JP24843299 A JP 24843299A JP 2001075132 A JP2001075132 A JP 2001075132A
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sealing material
functional material
glass
glass plate
synthetic resin
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JP24843299A
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Kazunari Iwamoto
和成 岩本
Kenji Kurimoto
健二 栗本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたって温度変化が繰り返されても、
封止材のはがれが防止されたガラスとの密着性が良好な
機能性材料積層体を提供する 【解決手段】 ガラス板間の隙間に機能性材料を配置
し、機能性材料を取り囲むように配置する封止材からな
る機能性材料積層体において、ガラス板周縁部の封止材
と両ガラス板間に密着材層を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調光ガラスや防音
ガラスのように、2枚の透明板間に液状或いは湿潤なゲ
ル状の調光材料や防音材料等の機能性材料を積層してな
る機能性材料積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】2枚の透明板間に液状あるいは湿潤なゲ
ル状の機能性材料を積層しその周辺部分を封止材により
封止してなる機能性材料積層体(以下、単に積層体と称
する)として、例えば特開平6−255016号公報に
記載されているように、平行配置した2枚のガラス板間
に、機能性材料として温度上昇により、透明状態から白
濁状態に状態変化するサーモトロピックな高分子水溶液
を積層した、サーモトロピック調光ガラスが提案されて
いる。このサーモトロピック調光ガラスは、液晶等を用
いた調光ガラスよりも耐久性、遮光性に優れ、しかも安
価であることから脚光を浴びている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、調光ガ
ラスを長期間使用する場合、封止材がガラスから徐々に
はがれ空気が浸入するといった問題が発生する。しか
も、調光ガラスにかかる温度変化が大きくなるほど、封
止部がはがれやすい傾向を示す。このようなことから、
長期にわたって、密着不良のない封止技術が、重要な課
題となっている。
【0004】現在、この問題を解決する手段として、2
段封止法が提案されている。2段封止法としては、第1
封止材としてポリイソブチレン系、ブチルゴム系封止
材、ポリイソブチレン系封止材等のガス保持性の高い材
料を、その外側に第1封止材の密着不良がおこらないよ
うに、第2封止材としてアクリル系接着剤、シリコーン
系封止材等の良好な接着性を示す材料を用いる方法が提
案されている。しかしながら、第一封止材のガラスとの
密着性が十分ではないため、長期にわたって、温度変化
が繰り返された場合、第1封止材の内側から徐々にガラ
スからはがれるのが現状である。
【0005】本発明の目的は、長期にわたって温度変化
が繰り返されても、封止材のはがれが防止されたガラス
との密着性が良好な機能性材料積層体を提供するもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る機能性材
料積層体は、ガラス板間の隙間に機能性材料を配置し、
機能性材料を取り囲むように配置する封止材からなる機
能性材料積層体において、ガラス板周縁部の封止材と両
ガラス板間に密着材層を配置したことを特徴とする機能
性材料積層体である。この機能性材料積層体において
は、封止材と両ガラス間に密着材層を配置したので、封
止材の密着不良を改善できる。
【0007】請求項2記載の機能性材料積層体は、ガラ
ス板と合成樹脂フィルムを配置したガラス板間の隙間に
機能性材料を合成樹脂フィルムに臨むように配置し、機
能性材料を取り囲むように配置する封止材からなる機能
性材料積層体において、少なくともガラス板周縁部の封
止材と合成樹脂フィルムを配置していないガラス板間に
密着材層を配置したことを特徴とする機能性材料積層体
である。この機能性材料積層体においては、片側のガラ
ス板に合成樹脂フィルムを配置させたので、機能性材料
の厚みを均一に保持するためスペーサを配置する場合、
スペーサを合成樹脂フィルムにめり込ませ係止すること
ができる。また、合成樹脂フィルムに紫外線遮蔽合成樹
脂フィルムを使用して、合成樹脂フィルムを配置したガ
ラス板を室外側にすることにより、機能性材料が紫外線
により劣化するのを防止することができる。また、封止
材は合成樹脂フィルムよりもガラス板に密着しにくい
が、封止材の密着性が悪い封止材と合成樹脂フィルムを
配置していないガラス板間に密着材層を配置したので、
封止材の密着不良を改善できる。請求項3記載の機能性
材料積層体は、前記封止材が、ポリイソブチレン、ブチ
ルゴム、及びイソプレンから選択される少なくとも1種
を主たる構成成分からなる第1封止材と、第1封止材の
外側に配置されるシリコーン系封止材、アクリル系接着
剤、及びポリイソブチレン系封止材から選択される少な
くとも1種を主成分とする第2封止材からなる請求項1
又は2記載の機能性材料積層体である。この機能性材料
積層体においては、第1封止材にガス保持性の高い材料
を、第2封止材に良好な接着性を示す材料を用い、か
つ、密着材層を配置したので、高いガス保持性を持ち、
封止材の密着不良が著しく改善できる。
【0008】請求項4記載の機能性材料積層体は、前記
機能性材料が、セルロース誘導体と水を構成成分とする
ものである。このような機能性材料は、温度変化により
透明状態と白濁状態とに可逆的に状態変化するサーモト
ロピック材料として機能する。
【0009】請求項5記載の機能性材料積層体は、前記
機能性材料が、前記構成成分に加え、非イオン性界面活
性剤、及び必要に応じて無機電解質を加えてなるもので
ある。非イオン性界面活性剤を加えることにより、白濁
状態の安定性を著しく向上でき、均一な白濁状態を長期
間維持しうる。又、必要に応じて無機電解質を加えるこ
とにより、透明と白濁に状態変化する温度を制御するこ
とが可能となり好ましい。
【0010】請求項6記載の機能性材料積層体は、前記
密着材層の少なくとも1層に紫外線遮蔽機能を持たせた
ので、封止部が紫外線により劣化するのを防止すること
ができ好ましい。
【0011】本発明の機能性材料積層体、及び本発明の
製造方法に従って得られた機能性材料積層体は、一般住
宅やビル等における、垂直面の窓、天窓、ルーバー窓、
引き違い窓、はめ殺し窓、出窓、外開き窓、横滑り窓、
両開き窓、上下スライド窓、コーナー窓、テラスドア、
腰パネルドア、高所内倒しドア、パティオドア、サンル
ーム、温室ガラス、更には、大型施設のアーケード、ト
ップライト、自動車のサンルーフ、リアウィンドウ、サ
イドウインドウ、カーポート、建物の外壁材や蓄熱壁等
に使用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に実施例について図
面を参照しながら説明する。
【0013】先ず、機能性材料積層体の概略構成につい
て説明する。機能性材料積層体1は、図1に示すよう
に、ガラス板2とガラス板3を隣接させて平行配置し、
ガラス板2とガラス板3間の隙間に封止材5を介して機
能性材料4を封入するとともに、ガラス板2、3周縁部
の封止材5とガラス板2、3間に密着材層6を配置した
ものである。封止材5は、図1に示すように、1段封止
構造としてもよいし、図2に示すように、第1封止材5
aと第2封止材5bとからなる2段封止構造としてもよ
い。
【0014】更に、機能性材料積層体1に対して更に1
から複数枚のガラス板を、同種又は異種の機能性材料を
介在させた状態で積層し、3枚以上のガラス板を構成す
ることも可能である。また、この場合には、機能性材料
を充填しない空気層をガラス板間に形成して、断熱性や
遮音性を高めることも可能である。
【0015】次に機能性材料積層体を構成する部材の具
体例について説明する。
【0016】この機能性材料積層体1を調光ガラスとし
て用いる場合には、、機能性材料4として、温度変化に
より白濁状態と透明状態とに状態変化するサーモトロピ
ック材料を用いることになる。
【0017】一般的にこのような性状を示すサーモトロ
ピック機能性材料としては、曇点現象を示す非イオン性
界面活性剤や非イオン性水溶性高分子の等方性水溶液が
ある。このような機能性材料の具体的な材料としては、
ポリビニルアルコール部分酢化物、ポリビニルメチルエ
ーテル、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポ
リプロピレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレン
オキシドの共重合体、ヒドロキシブロピル基を有する多
糖類誘導体(例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピル・メチルセルロース等)、ポリビニル
メチルオキサゾリディノン、ポリN−置換アクリルアミ
ド誘導体(例えばポリN−イソプロピルアクリルアミ
ド、ポリN−エトキシエチルアクリルアミド等)、ポリ
N,N−ジ置換アクリルアミド誘導体(例えばポリN−
メチル−N−エチルアクリルアミド等)、あるいはこれ
らの共重合体などの水溶性高分子の水溶液や、アルコー
ル等を溶媒とした高分子溶液があげられる。これらの例
示物質の中でも、太陽光を充分に遮光するという点で
は、疎水−親水バランスがよいヒドロキシプロピル基を
もつ多糖類誘導体が好適であり、構造的に安定性のある
セルロースを主鎖にもつセルロース誘導体、即ち、ヒド
ロキシプロピルセルロースが好ましいが、本発明はこれ
に限定されるものではない。また、これらの溶液に酸化
防止剤、凍結防止剤、安定剤等の添加剤を加えることも
本発明の範疇である。
【0018】ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロ
ース誘導体の水溶液等を単体で使用すると、白濁状態で
長時間放置すると、時間経過に伴って不均一な相分離状
態となることがある。不均一な相分離とは、白濁状態を
示すために凝集したヒドロキシプロピルセルロース等の
凝集物が時間経過に伴って更に凝集し沈降するため、溶
媒である水と2相に分離する状態を示す。しかしなが
ら、これに特開平6−255016号公報に記載されて
いるような、界面活性剤、特に非イオン性界面活性剤を
加えることにより、均一な相分離状態を長時間維持でき
る。
【0019】ここで使用される非イオン性界面活性剤
は、オリゴマー領域の約3000以下の分子量、より好
ましくは約1000以下の分子量のものが使用しやす
く、イオン性基は親水性基が非常に大きいので、バラン
スをとるため、疎水基は高級アルキル基がよい。具体例
としては、ポリオキシプロピレン2−エチル−2−ヒド
ロキシメチル−1,3−プロパンジオール(ポリオキシ
プロピレントリメチロールプロパンエーテル)やポリプ
ロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、ポリオキシプロピレングリセリン、ラウリル
硫酸ナトリウム等が例示でき、その他にも同様の作用を
有する物質であれば使用することができる。
【0020】また、上記のような機能性材料の状態変化
する温度を制御するため、必要に応じて塩化ナトリウム
等の無機電解質を加えることにより、状態変化する温度
を低温側に任意にシフトさせることができる。
【0021】このような機能性材料は、耐候性や安定性
に優れ、比較的に安価であるため好適である。
【0022】また、これらの水溶性高分子の一部を架橋
し、水等の溶媒に膨潤させたゲルを機能性材料として用
いても良い。例えば、米国特許5377042号に記載
されているような、前述の高分子溶液を一部架橋したゲ
ル、例えばヒドロキシエチルメタクリレート−ヒドロキ
シエチルアクリレート共重合体の部分架橋物と水からな
るゲル状の機能性材料は好ましい例の一つである。但
し、温度変化により白濁状態と透明状態とに状態変化す
る液状あるいは湿潤なゲル状の機能性材料であれば、前
記以外の種々の材料を使用してもかまわない。
【0023】また、機能性材料4としては、液状あるい
は湿潤なゲル状の材料であれば、光の変化に応じて光透
過率が変化するフォトクロミック材料や、電圧変化に応
じて光透過率が変化するエレクトロミック材料などの様
々な調光材料を用いることが可能である。
【0024】ガラス板2、3としては、通常は平板状の
無機ガラスを使用する。熱線反射ガラス、低放射ガラ
ス、合わせガラス、強化ガラス、倍強度ガラス、UVカ
ットガラス、網入りガラス、型板ガラス、すりガラス等
が任意に採用できる。ガラス板2、3は、通常は透明に
構成することになるが、ガラス板2、3の一部は不透明
に構成してもよい。
【0025】機能性材料に隣接する封止材5は、次の要
求特性を満たすものであれば、任意のものが選択でき、
2種類以上のものを組み合わせて使用することも好まし
く、本発明の範疇である。本発明の機能性材料積層体の
封止材に要求される特性は、(1)機能性材料積層体を
構成するガラス、および合成樹脂フィルムによく接着す
ること、(2)ガス保持性が高く、封止材を介しての機
能性材料への気体の浸入や機能性材料の蒸気の放出が生
じにくいこと、(3)機能性材料との接触部において、
その特性に影響を及ぼすような反応を生じない、また、
物質を放出しないこと、(4)使用場所に応じた耐光
性、耐熱性、等の耐久性が確保されたものであること、
等である。このような特性を満たす封止材としては、接
着性イソブチレン系樹脂封止材料を図1の封止材5とし
て使用する方法や、図2に示したように第1封止材5a
と第2封止材5bの2段封止構成とすることも可能であ
り、いずれも本発明の範疇である。第1封止材5aとし
て、熱可塑性のブチルゴム系、ポリイソブチレン系封止
材、接着性イソブチレン系封止材等のガス保持性の高い
材料を、その外側の第2封止材5bとして脱酢酸型や脱
オキシム型のシリコーン系封止材、紫外線硬化型のアク
リル系接着剤、接着性イソブチレン系樹脂封止材料等の
良好な接着性を示す材料を選択することが、本発明の機
能性材料積層体の封止材の好ましい構成として例示でき
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】封止材5とガラス板2、3間に配置する密
着材層6としては、エポキシ系接着剤、シリコーン系接
着剤、アクリル系樹脂接着剤、ビニル系接着剤、ポリウ
レタン系接着剤、ポリサルファイド系接着剤、クロロプ
レン系接着剤等の接着剤、ゴム系粘着剤、アクリル系粘
着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤、ポリエステル合
成樹脂フィルム、塩化ビニル合成樹脂フィルム、ポリオ
レフィン合成樹脂フィルム、フッ素樹脂合成樹脂フィル
ム、ポリカーボネート合成樹脂フィルム等のプラスチッ
ク合成樹脂フィルムの支持体と粘着剤からなる粘着テー
プ、塩化ビニル系合成樹脂塗料、アクリル系合成樹脂塗
料、ビニル系合成樹脂塗料、シリコーン系合成樹脂塗料
等の合成樹脂塗料等の封止材5との密着性がガラス板よ
りも良いものであれば、任意に用いることができる。
【0027】密着材層6の厚みは、1層当たり1〜10
0μmが好ましく、さらに好ましくは、5〜50μmで
ある。
【0028】また、これらの密着材層6の少なくとも1
層に紫外線遮蔽機能を付与したものを用い、それを室外
側に配置した際には、封止材5の紫外線びよる劣化を防
止することができる。
【0029】紫外線遮蔽機能を密着材層7に付与する方
法としては、(1)酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カ
オリン、炭酸カルシウム等の無機系紫外線遮蔽剤を用い
る方法と(2)サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系の有機系紫外線遮蔽剤を用いる方法が
ある。(1)(2)の紫外線遮蔽剤を混合またはコート
した接着剤、粘着剤、粘着テープの粘着剤または合成樹
脂フィルム、合成樹脂塗料を密着材層に用いることによ
り紫外線遮蔽機能を付与させることができる。
【0030】図3に示すように、ガラス板2,3の間隔
を規定するため、機能性材料4の一部分にスペーサ7を
設けてよい。また、封止材5の一部分にもスペーサ7を
設けてもよい。
【0031】図4に示すように、スペーサ7を接着剤で
固定してもよいし、図5に示すように、合成樹脂フィル
ム8をラミネートしたガラス板を使用し、この合成樹脂
フィルム8が機能性材料4に臨むように配置すると、ス
ペーサ7が合成樹脂フィルム8内にめり込んだ状態で固
定される。合成樹脂フィルム8をラミネートしたガラス
板3を使用する場合は、合成樹脂フィルム8を配置しな
いガラス板2と封止材5間に密着材層6を配置する。さ
らに、合成樹脂フィルム8と封止材5の間にも密着材層
6を配置してもよい。
【0032】スペーサ7は球状、線状、網目状等が例示
できるが、これに限定されるものではない。
【0033】スペーサ7としては、無機ガラス製、セラ
ミック製、金属製、プラスチック製等の中から、機能性
材料の構成成分と反応したり、吸着や吸収などにより、
その組成を変化させ、特性に影響を及ぼすようなもので
なければ使用可能である。好ましくは、視覚的な欠陥と
なりにくい無色透明の無機ガラス製ビーズである。
【0034】合成樹脂フィルム層8は、ガラス板2,3
が透明の場合、当然のことながら、この合成樹脂フィル
ムも透明であることが好ましく、これらの条件を満たす
ための合成樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリビニルアルコ
ール、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1樹脂、ポリブテン−1樹脂、フッ
化ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹
脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエス
テル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹
脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂等の
各種樹脂の合成樹脂フィルム、又はこれらの積層合成樹
脂フィルムが例示できる。又、上記合成樹脂フィルム中
でも、剛性、耐伸長性、寸法安定性、衝撃破壊強度性、
透明性、積層適性の観点から、ポリエステル樹脂合成樹
脂フィルムが好ましく、さら更にポリエチレンテレフタ
レート(PET)であることが好ましい。
【0035】具体的には、東レ(株)製のルミラー、ユ
ニチカ(株)製のエンブレット等の商品名で市販されて
いるものが透明性が高く好ましいが、これに限定される
ものではない。
【0036】これらの合成樹脂フィルム層は、必要に応
じて、可塑剤、熱安定剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸
収剤、充填剤等の公知の添加剤が添加されていてもよ
い。
【0037】又、合成樹脂フィルム8に紫外線遮蔽機能
を付与されていることにより、それを室外側に配置した
際には、機能性材料4、封止材料5の紫外線による劣化
を防止できる。また、室内側に配置した場合であって
も、室内の人や物の日焼け等の紫外線による悪影響を低
減できる。
【0038】紫外線遮蔽機能を合成樹脂フィルム8に付
与する方法としては、概ね次の3種類に大別できる。
【0039】(1)無機系紫外線遮断剤を用いる方法 (2)有機系紫外線吸収剤を用いる方法 (3)アルミ箔に代表される遮光性材料を複合化させる
方法 (3)の方法は、紫外線を遮断するものであり、食品や
医薬品の包装材料に多く用いられる手法である。但し、
これらの方法は光そのものを遮断してしまうため、本発
明には不適合である。(1)の方法は、酸化チタン、酸
化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の白色粉
末を合成樹脂フィルムに練り込むまたは分散コートして
使用する方法であり、吸収と散乱により、紫外線を遮断
するものである。合成樹脂フィルムの透明性を保持する
ためには、これらの粉末の粒子径が可視光の波長に対し
て充分小さいことが必要であり、一般的には30nm以
下の粒径の二酸化チタンが用いられる。但し、これらの
白色粉末が本発明の材料に金属カチオンとして混入する
と劣化変色を著しく促進する恐れがあり充分注意を要す
る。(2)の方法は、サリチル酸系、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系の有機系紫外線吸収剤を使用
する方法であり、その適用形態としては、合成樹脂フィ
ルムに直接練り込む方法やコートする方法がある。これ
ら有機系紫外線吸収剤の特徴としては、合成樹脂フィル
ムのガラス板となる合成樹脂と溶融混練することがで
き、前記無機系紫外線遮断剤に比して高い透明性を有す
ることから、本発明の合成樹脂製の合成樹脂フィルム層
に紫外線遮蔽機能を付与する方法としては好ましい。し
かしながら、これら有機系紫外線吸収剤は、吸収域が狭
く、機能的に限度があることや、そのもの自体の耐光性
が劣るといった欠点を有していることから、必要に応じ
て複数の有機系紫外線吸収剤を組み合わせることや前記
無機系紫外線遮断剤と併用する等の方法を採用しても良
い。
【0040】ハードコート層は、前記合成樹脂フィルム
の耐摩耗性を向上させるために構成されるものであり、
これにより合成樹脂フィルム表面に傷等がつきにくくな
り、ハンドリング性が向上する。合成樹脂フィルム層の
透過率が低下することがないような透明な材料が好まし
く、シリコーン樹脂を主たる構成成分としてなるような
ものが使用される。
【0041】
【実施例】次に、具体例の一例について説明する。
【0042】(実施例1)ガラス板(3mm厚の65×
65mmのJIS規格品フロート板)2枚の周囲(ガラ
ス周縁部から15mmの範囲)に封止材とガラス板間に
配置する密着材層として合成樹脂塗料(ダックス(株)
製、UV−100)を塗布し乾燥して使用した。
【0043】使用する機能性材料を、次のように調製し
た。セルロース誘導体としてヒドロキシプロピルセルロ
ース(日本曹達(株)製HPC−L、以下HPC)、非
イオン性界面活性剤としてポリオキシプロピレントリメ
チロールプロパンエーテル(三洋化成工業(株)製サン
ニックストリオールTP−400)、無機電解質および
水として3%塩化ナトリウム水溶液をそれぞれ、5:
1:9の重量比で混合した。封止材として、機能性材料
と接触する第1封止材として複層ガラス用ホットメルト
ブチル((株)ピーエムジー製ナフトサームブチルテー
プ1700)、第1封止材の外部に積層状に配置する第
2封止材としてシリコーン系封止材(信越化学工業
(株)製KE420)を使用した。
【0044】上記材料を使用して、65mm×65mm
サイズ、機能性材料の層厚0.5mm、封止材の配置位
置がガラス周縁部より10mmの条件で調光ガラスのサ
ンプルを作成した。
【0045】得られた機能性材料積層体を20℃〜70
℃の昇降温を1000回繰り返し、封止材の密着不良の
発生を観察した。表1に結果を示す。
【0046】(実施例2)密着材層としてアクリル系接
着剤(サンライズMSI(株)製フォトボンド300)
を塗布し、光硬化して用いる以外は実施例1と同様にし
た。
【0047】(実施例3)一方のガラス板として、50μ
m厚のポリエチレンテレフタレート製合成樹脂フィルム
を接着配置したガラス板(3mm厚の65×65mmの
JIS規格品フロート板)を用い、機能性材料が合成樹
脂フィルムに臨むように配置し、封止材と合成樹脂フィ
ルム間には密着材層を配置しない以外は実施例1と同様
にした。
【0048】(比較例1)密着材層を配置しない以外は
実施例1と同様にした。
【0049】(比較例2)密着材層を封止材とガラス板
間に配置しない以外は実施例3と同様にした。
【0050】表1から明らかなように、封止材とガラス
板間に密着材層を配置した、実施例1〜3の機能性材料
積層体では、20℃〜70℃の昇降温を1000回繰り
返しても、封止材の密着不良は発生しなかった。一方、
封止材とガラス板間に密着材層がない比較例1、2で
は、第1封止材の密着不良が観察された。
【表1】
【0051】
【発明の効果】実施例により本発明の効果が明らかとな
った。
【0052】請求項1に係る機能性材料積層体によれ
ば、封止材とガラス板間に密着材層を配置することで、
昇降温の繰り返しによる封止材の密着不良の発生を確実
に防止できる。
【0053】請求項2記載のように、少なくともガラス
板周縁部の封止材と合成樹脂フィルムを配置していない
ガラス板間に密着材層を配置したので、昇降温の繰り返
しによる封止材の密着不良の発生を確実に防止できる。
【0054】請求項3記載のように、第1封止材にガス
保持性の高い材料を、第2封止材に良好な接着性を示す
材料を用い、かつ、密着材層を配置したので、高いガス
保持性を持ち、封止材の密着不良が著しく改善できる。
【0055】請求項4記載のように、セルロース誘導体
を主たる構成成分とすることにより、安価で耐久性の優
れる機能性材料が得られる。又、請求項5記載のよう
に、非イオン性界面活性剤を加えることにより、透明と
白濁の繰り返しや、均一な白濁状態に長期間維持可能な
機能性材料が得られる。又、無機電解質を加えることに
より、使用場所に応じた最適な状態変化温度が設定でき
る。
【0056】請求項6記載のように、密着材層の少なく
とも1層に紫外線遮蔽機能を持たせたので、封止材部が
紫外線により劣化するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能性材料積層体の要部断面図
【図2】他の構成の機能性材料積層体の要部断面図
【図3】他の構成の機能性材料積層体の要部断面図
【図4】他の構成の機能性材料積層体の要部断面図
【図5】他の構成の機能性材料積層体の要部断面図
【符号の説明】
1 機能性材料積層体 2 ガラス板 3 ガラス板 4 機能性材料 5 封止材 5a 第1封止材 5b 第2封止材 6 密着材層 7 スペーサ 8 合成樹脂フィルム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板間の隙間に機能性材料を配置
    し、機能性材料を取り囲むように配置する封止材からな
    る機能性材料積層体において、ガラス板周縁部の封止材
    と両ガラス板間に密着材層を配置したことを特徴とする
    機能性材料積層体。
  2. 【請求項2】 ガラス板と合成樹脂フィルムを配置した
    ガラス板間の隙間に機能性材料を合成樹脂フィルムに臨
    むように配置し、機能性材料を取り囲むように配置する
    封止材からなる機能性材料積層体において、少なくとも
    ガラス板周縁部の封止材と合成樹脂フィルムを配置して
    いないガラス板間に密着材層を配置したことを特徴とす
    る機能性材料積層体。
  3. 【請求項3】 前記封止材が、ポリイソブチレン、ブチ
    ルゴム、及びイソプレンから選択される少なくとも1種
    を主たる構成成分からなる第1封止材と、第1封止材の
    外側に配置されるシリコーン系封止材、アクリル系接着
    剤、及びポリイソブチレン系封止材から選択される少な
    くとも1種を主成分とする第2封止材からなる請求項1
    又は2記載の機能性材料積層体。
  4. 【請求項4】 前記機能性材料が、セルロース誘導体と
    水を構成成分とすることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の機能性材料積層体。
  5. 【請求項5】 前記機能性材料が、前記構成成分に加
    え、非イオン性界面活性剤、及び必要に応じて無機電解
    質を加えてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項記載の機能性材料積層体。
  6. 【請求項6】 前記密着材層の少なくとも1層に紫外線
    遮蔽機能を持たせた請求項1〜5のいずれか1項記載の
    機能性材料積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012505984A (ja) * 2008-10-17 2012-03-08 サン−ゴバン グラス フランス 少なくとも1つの反射防止膜を組み込む多重窓ガラスユニット及び多重窓ガラスユニットにおける反射防止膜の使用
JP7415638B2 (ja) 2020-02-13 2024-01-17 Toppanホールディングス株式会社 給電機構および調光体

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