JP2005068774A - 複層ガラス窓 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、防犯性、安全性、防災性に優れ、かつ耐久性、気密性に優れた複層ガラス窓を提供する。
【解決手段】 ガラス板と透明合成樹脂板とを透明粘着材を介して積層した合わせガラスを、前記透明合成樹脂板面が空気層側になるように、スペーサーを介して前記合わせガラス同士、または単板ガラスと向かい合わせて配置させ、封着材で固定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は防犯性、安全性、防災性、断熱性、防音性、防露性の要求される住宅やビルの建材用窓、および車両、船舶、航空機、機械装置等の窓に有用な複層ガラス窓に関する。
複層ガラス窓は、断熱性、防音性、防露性が良いことから、省エネルギーや快適生活環境の要求の高まりとともに広く用いられるようになっている。例えば、複層ガラス窓には、2枚のガラスをスペーサーで空間を形成させて配置し、空間部を乾燥空気で封止した構成や、空間部を真空にして封止した構成などがあり、空間部が吸湿しないように封止することが重要な技術となっている。
一方、近年ガラス窓の打ち破りや焼き破り等の犯罪が多発しており、住宅窓の防犯性能向上も望まれるようになり、防犯ガラス窓も普及してきている。例えば、防犯窓では単板ガラス窓に防犯フィルムを貼った構成や2枚のガラスを強靱な中間膜で合わせた構成、更には2枚のガラス板の間にポリカーボネート(PC)シートを入れて熱可塑性中間膜で合わせた構成などがあり、熱、衝撃、鋭利な道具に強い中間膜やシートをガラスに合わせる方法が重要な技術となっている。
これら従来技術を顧みると、複層ガラス窓は防犯性、安全性、防災性に関して不十分であり、一方防犯ガラス窓は断熱性、防音性、防露性に関して不十分である。
PC合わせガラスを用いたPC複層ガラス窓は、合わせガラスと複層ガラスの利点を両立できるため、窓として優れている。実際に、新幹線客車窓として、車外側からPC/中間膜/ガラス/空気層/ガラスの順で構成した複層ガラス窓の採用事例がある。しかし、最外層にPCを配置すると、ガラスに比べてキズが入りやすく、長期の外観品質を維持することが難しい。更に、PCとガラスのような異種材料間での2層合わせガラスでは線膨張係数が異なることから、従来のような硬い中間膜では反りが発生するという問題があり、窓のサイズを大きくすることはガラスの反りも大きくさせ、複層窓の気密性を低下させることから一般の住宅用窓までは普及していない状況である。
そこで本発明は、防犯性、安全性、防災性に優れ、かつ耐久性、気密性に優れた複層ガラス窓を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1の発明は、ガラス板1と透明合成樹脂板3とを透明粘着材2を介して積層した合わせガラスを、前記透明合成樹脂板面が空気層7側になるように、スペーサー5を介して前記合わせガラス同士、または単板ガラスと向かい合わせて配置させ、封着材6で固定したことを特徴とする複層ガラス窓を提供して前記課題を解決する。
この発明によれば、複層ガラス窓に透明合成樹脂板3とガラス板1の合わせガラスを使用しているため、防犯性、安全性、防災性に優れている。また、表層がガラスとなる構成であるので、耐久性に優れている。さらに、透明合成樹脂板3とガラス板1との間に、固い中間膜ではなく柔らかい素材である透明粘着材2を使用しているため、接着剤により貼り合わせた場合のように2層の位置関係が固定されることがないので、透明粘着材層がガラス板1と合成樹脂板3の線膨張差を吸収することによって、透明合成樹脂板3の反りを防止でき、複層ガラス窓の気密性を向上させることができる。
請求項2の発明は、前記透明粘着材2のガラス転移温度が−20℃以下、かつ保持力のズレ長さが1.0〜13mmであることを特徴とする。
ここで、保持力のズレ長さとは、透明粘着材2を用いて、38μmPETフィルムをSUS板に面積20mm×20mmで接着させた後、JIS Z0237に準じて、40℃の環境下で4.9Nの荷重を2時間かけた後のズレ長さを計測した値である。
この発明によれば、透明粘着材2が、比較的低いガラス転移温度および適度なズレ長さを有していることから、寒暖の気候の変化があっても、透明粘着材2の柔軟性、接着性を良好に保つことができるため、複層ガラス窓の反りを防止して、気密性をより向上させることができる。
請求項3の発明は、前記透明粘着材2の厚さが0.1〜2mmであることを特徴とする。
この発明によれば、ガラス板1と透明合成樹脂板3との接着性に優れた複層ガラス窓とすることができる。
請求項4の発明は、前記透明合成樹脂板3の空気層7に接する面、もしくは両面に、透明金属酸化物膜層4が積層され、前記透明金属酸化物膜層4とスペーサー5が封着材6で固定されていることを特徴とする。
この発明によれば、透明合成樹脂板3がガスバリヤー性の高い金属酸化物膜4で覆われているので、外界からの水分及び封着材6に含まれる添加剤成分が透明合成樹脂板層へ進入することを防止でき、気密性、耐久性に優れた複層ガラス窓とすることができる。
請求項5の発明は、前記合わせガラスの4辺の端部周囲がアルミテープ10で被覆処理され、前記アルミテープ10とスペーサー5が封着材6で固定されていることを特徴とする。
この発明によれば、アルミテープ10が外界からの水分及び封着材6に含まれる添加剤成分が透明合成樹脂板層へ進入することを防止するので、気密性、耐久性に優れた複層ガラス窓とすることができる。
請求項6の発明は、前記合わせガラスにおける前記透明合成樹脂板3が、前記ガラス板1より一回り小さい寸法であることを特徴とする。
この発明によれば、透明合成樹脂板3が封着材に接触しないため、封着材6に含まれる添加剤成分による透明合成樹脂板3の劣化を防ぐことができ、耐久性に優れた複層ガラス窓とすることができる。
本発明の複層ガラス窓は、透明合成樹脂板とガラス板の合わせガラスを使用しているため、防犯性、安全性、防災性に優れている。また、柔軟な透明粘着材を用いて合成樹脂板とガラス板を積層しているので、柔軟な粘着材層がガラス板と合成樹脂板の線膨張差を吸収する。そのため、寒暖の厳しい環境下に置かれても、透明合成樹脂板のみが伸縮することによる反りや剥離を防止することができ、ひいては複層ガラス窓の気密性を向上させることができる。さらに、透明蒸着膜層やアルミテープを介して封着材で固定したり、合わせガラスにおける透明合成樹脂板のサイズをガラス板より小さくすることで、封着材に含まれる添加剤成分による合成樹脂板の劣化を防止することができる。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
図1は、本発明の基本形態である複層ガラス窓の断面概略図である。図1の複層ガラス窓において、複層ガラスの一方は単層ガラス板1’であり、他方は、ガラス板1と透明合成樹脂板3とを透明粘着材2で積層させた合わせガラスの構造になっている。
本発明に用いられるガラス板1、1’は、通常の複層ガラスに使用しているガラス板を使用できるが、それ以外にも、熱処理や化学処理された強化ガラス板、すりガラス等の型ガラス板、網入りガラス板等も使用することができる。
透明合成樹脂板3としては、アクリル板、ポリカーボネート板、塩化ビニル板、脂環系ポリオレフィン板等の透明性の高いものが好ましく用いられるが、安全性や防犯性の点から、特にポリカーボネートが好ましい。また、透明合成樹脂板3に紫外線吸収および反射、熱戦吸収及び反射、透過率調整、反射防止等の機能を付与することもできる。このような機能を付すことによって複層ガラス窓の断熱効果が高まり、ひいては省エネルギーに寄与することにもなる。
透明粘着材2は、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ゴム系、スチレンエラストマー系等、どのような粘着材でもよいが、透明性、耐久性の観点からアクリル系やシリコーン系が好ましく、特にアクリル酸エステル共重合体と硬化剤と光重合開始剤からなるアクリル系の粘着剤が好ましい。
ベース樹脂と架橋剤との組合わせを特に限定するものではないが、中でも、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と紫外線架橋剤との組合わせが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を形成するために用いる(メタ)アクリレート、すなわち、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレート成分としては、アルキル基がn−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−ブチル、イソブチル、メチル、エチル、イソプロピルのうちのいずれか1つであるアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートの1種またはこれらから選ばれた2種以上の混合物が使用するのが好ましい。その他の成分として、カルボキシル基、水酸基、グリシジル基等の有機官能基を有するアクリレートまたはメタクリレートを共重合しても良い。前記アルキル(メタ)アクリレート成分と有機官能基を有する(メタ)アクリレート成分を適宜に選択、組み合わせたモノマー成分を出発原料として加熱重合して得ることができる。
ベース樹脂と架橋剤との最も好ましい組合わせの一例として、α、β不飽和カルボン酸を含有した(メタ)アクリル酸エステル系共重合体をベース樹脂とし、不飽和カルボン酸と反応する有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマー及び光開始剤を含有してなるものを挙げることができる。この際、α、β不飽和カルボン酸を含有した(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、例えば、イソ−オクチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等から少なく
とも1種類以上と、アクリル酸とを共重合させたものである。有機官能基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマー、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートモノマー、イソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマー等の前記不飽和カルボン酸と反応する官能基を有するものを用いることができる。その含有量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対し、0.01〜1.0質量部、特に0.02〜0.1質量部とするのが好ましい。光開始剤としては、着色性及び臭気性の少ないものが好ましい。例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンのいずれか或いはこれらの二種類以上の組合わせを用いることができる。その添加量は、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100質量部に対し、0.05〜2.0質量部、特に0.1〜1.0質量部とするのが好ましい。そして、このような不飽和カルボン酸と、(メタ)アクリレートモノマーの有機官能基とを反応させて(メタ)アクリロイル基をグラフトさせてシート状に成形し、得られたシート体に対して、直接或いは透明な離型フィルムを介して、高圧水銀ランプなどを用いて紫外線を照射して架橋させればよい。紫外線の照射に際し、モノマー及び光開始剤の量に応じて照射量を調節することにより好ましい弾性率を得ることができる。
透明粘着材2のガラス転移温度は、真冬の寒さの厳しい環境下でも粘着材の柔軟性を保てるように、−20℃以下であることが好ましく、さらには−70℃〜−40℃であることが好ましい。
また、真夏の暑さの厳しい環境下でも合わせた板材1、3がずり落ちたり剥がれたりしないように、透明粘着材2には保持力が必要であることから、透明粘着材2のズレ長さは、1.0mm〜13mmであることが好ましく、さらに5mm〜10mmであることがより好ましい。
このように透明粘着材2のガラス転移温度とズレ長さを調節することにより、透明粘着材2柔軟性と、接着耐久性を両立することができ、これにより合わせガラスの反りを防止したり、複層ガラスの気密性を向上させたりすることができる。すなわちこのことにより透明合成樹脂板3を空気層側に位置させたことと相まって、合わせガラスの反りの反復による呼吸作用も少なく、空気層の気密性を向上させて透明合成樹脂3を保護することができる。
本発明の複層ガラス窓において、ガラス板1や透明合成樹脂板3は微細な凹凸を有していることから、その凹凸を吸収してこれらを良好に接着させるために、透明粘着材2はある程度の厚さが必要となる。一方、あまり厚すぎると複層ガラス全体の厚さも厚くしなければならず、生産性に劣ることになる。したがって、透明粘着材2の厚さは、0.1〜2mmであることが好ましく、0.5〜1.5mmが特に好ましい。
合わせガラスの製造方法は、特に限定されない。例えば、予め透明粘着材2をシート状に成型しておき、ガラス板1と透明合成樹脂板3の間に挟んで高温、高圧下で貼り合わせる方法、紫外線硬化樹脂である透明粘着材2をシート状に成型し、ガラス板1と透明合成樹脂板3の間に挟んで紫外線を照射する方法、等が挙げられる。中でも、透明粘着材2として紫外線硬化樹脂を用いて、紫外線照射により貼り合わせることが好ましい。紫外線硬化樹脂を用いると、ガラス板1と透明合成樹脂板3の合わせガラスの作成時にオートクレーブ等の大型装置での加熱、加圧の必要がないため、経済性の点で優れており、また、室温で製造可能であることから、加熱による透明合成樹脂板3の反りが発生しないという利点も有する。
図1において、合わせガラスと単層ガラス1’は、合わせガラスの透明合成樹脂板面を空気層7側にして、スペーサー5を介して向かいあわせて配置され、封着材6により固定される。固定された複層ガラスは、アタッチメント8中にアタッチメントシーラー9で固定され、複層ガラス窓となる。スペーサー5、封着材6、アタッチメント8、およびアタッチメントシーラー9は、いずれも複層ガラス窓の作成に通常使用される公知のものを使用することができ、例えば、封着材6としては、ブチル系、シリコーン系、サルファイド系、クロロプレン系のものが挙げられる。
透明合成樹脂板3は、外気と接した場合に吸湿しやすい材料であることから空気層7側とするが、複層化する際には、気密性をあげる封止方法をとることが好ましい。また、合成樹脂板3は、封着材6と接触すると、封着材6に含まれる添加剤成分が空気層7側にこもって、それによって劣化(白化、クラック等)しやすいことから、封着材と接しないようにすることが好ましい。このような観点から、透明合成樹脂板3の空気層7側の面、あるいは両面に、透明金属酸化物膜4が形成されることが好ましい。図2の複層ガラス窓では、合成樹脂板の空気層側の面に透明金属酸化物膜4が形成されている。金属酸化物膜はガスバリヤー性が高いことから、これで透明合成樹脂板表面を覆うことにより、合成樹脂板の表面からの吸湿あるいは水分の揮散を防止させることができ、気密性を向上させることができる。また、スペーサー5と透明合成樹脂板3が封着材6で固定される際に、透明金属酸化物膜4の存在により、封着材6は透明合成樹脂板3と直接接することができないため、封着材6に含まれる添加剤成分が透明合成樹脂板3へ移行することを防ぐこともできる。
本発明に使用できる透明金属酸化物膜4は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、インジウムすず酸化物、窒化ケイ素、フッ化マグネシウムおよび酸化チタン等があり、真空蒸着、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、スパッタリング等の方法を用いて直接合成樹脂板3の表面に形成させても良いし、PETフィルム等の高剛性フィルムに形成させた状態で高剛性フィルムを合成樹脂板に積層させて使用しても良い。
透明金属酸化物膜4の他にも、気密性および耐久性を向上させるために、アルミテープを用いることも好ましい。本発明の別の形態の複層ガラス窓の断面概略図を示す図3では、合わせガラスの4辺端部周囲がアルミテープ10で被覆処理された構成となっている。このアルミテープは、透明金属酸化物膜4と同様、封着材6が透明合成樹脂板3と直接接するのを妨げるため、封着材6に含まれる添加剤成分が透明合成樹脂板3へ移行することを防ぎ、複層ガラス窓の耐久性を向上させることができる。
本発明の別の形態である、図4に示される複層ガラス窓では、ガラス板1に比べて透明合成樹脂板3が縦、横ともに一回り小さく、透明合成樹脂板3の上下左右にも空気層7が設けられている構成になっている。これにより、温度等の環境変化があっても複層窓の空気層7内で透明合成樹脂板3は自由に伸縮できるので、透明合成樹脂板3の反りが起こりにくく、さらに、封着材6との間にも隙間を有しているので、前述の透明金属酸化物膜4やアルミテープと同様、封着材6が透明合成樹脂板3に触れず、封着材6に含まれる添加剤成分が透明合成樹脂板3へ移行することを防ぐことができる。ガラス板1に対する透明合成樹脂板3の大きさの割合は、合成樹脂の種類により異なり、透明合成樹脂板3が最大限膨張する環境を把握して、封着材6に接触しないようなサイズにすればよい。例えば、透明合成樹脂板3がポリカーボネートである場合、封着剤6との間に1〜3mmの間隙があるのが好ましい。そのためにはガラス板1に対して6mm〜8mmの余白が生ずる大きさが好ましい。
図1〜4においては、複層ガラスの一方は単層ガラス1’の構成になっているが、単層ガラス1’の代わりに、合わせガラスとした構成であってもよい。複層ガラスの2つのガラス共に合わせガラスにすることにより、より防犯性、安全性、防災性に優れた複層ガラス窓とすることができる。
(実施例1)
<透明粘着材の作成>
アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、硬化剤として1,4−ノナンジオールジアクリレートを0.05質量部、光開始剤としてベンゾフェノンを0.3質量部添加して溶融攪拌した後、これを厚さ75μmと100μmの離型PETに挟んで、厚み0.5mmのシート状にホットメルト成形した。次いで、高圧水銀ランプを用いて片面積算光量が3600mJ/cmとなるようにランプを離型PET越しに表裏照射させて、透明粘着シートを得た。なお、用いたアクリル酸エステル共重合体の組成は、n−ブチルアクリレート78.4質量%、2−エチルヘキシルアクリレート19.6質量%、アクリル酸2.0質量%を共重合させたもので、Tgは−55℃、130℃溶融粘度は25万(mPa・s)であった。
<複層ガラスの作成>
透明合成樹脂板である、両面に直接シリカ膜を蒸着させたポリカーボネート(PC)板(厚さ2mm×巾610mm×長さ610mm)の一方に、片面の離型フィルムを剥がした上記透明粘着シートをニップロールと駆動ロール間で、初めて接触するようにロール間へ搬入させ、線圧力9.8N/cm、速度5m/分で貼った後、残りの離型フィルムを剥がした。
次に、上記粘着シートを貼ったPC板を粘着シートを介してガラス板(市販のフロートガラス、厚さ3mm×巾610mm×長さ610mm)に接触させずに向かい合わせ、2枚の板の端部をニップロールと駆動ロール間で、初めて接触するようにニップロール(線圧力:294N/cm、速度:0.5m/分)に挟んでPC合わせガラスを得た。
このPC合わせガラスのPC面が空気層側になるように配置して、もう1枚のガラス板と向かい合わせて、ガラス面とアルミスペーサーおよびシリカ蒸着面とアルミスペーサーとの間をブチルゴム系の封着材で固定してPC入り防犯複層ガラスを得た。
(実施例2)
実施例1で得た透明粘着シートを用いて、市販のPC板(厚さ2mm×巾610mm×長さ610mm)と市販のフロートガラス(厚さ3mm×巾610mm×長さ610mm)とを実施例1と同様の方法で貼り合わせることによりPC合わせガラスを作製し、端部周囲をアルミ粘着テープで被覆した。このPC合わせガラスのPC面が空気層側になるように配置して、もう1枚のガラス板と向かい合わせて、ガラス面とアルミスペーサーおよびアルミテープとアルミスペーサーとの間をブチルゴム系の封着材で固定してPC入り防犯複層ガラスを得た。
(実施例3)
実施例1で得た透明粘着シートを用いて、市販のフロートガラス(厚さ3mm×巾610mm×長さ610mm)に対し、ガラス板のサイズより約0.5%だけ巾と長さを小さくした市販のPC板(厚さ2mm×巾607mm×長さ607mm)とを実施例1と同様の条件でPC板をガラス板に額縁状に合わせて貼り合わせ、PC合わせガラスを得た。このPC合わせガラスのPC面が空気層側になるように配置して、もう1枚のガラス板と向かい合わせて、2枚のガラス面とアルミスペーサーをブチルゴム系の封着材で固定してPC入り防犯複層ガラスを得た。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う複層ガラスもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の基本形態の複層ガラス窓の断面概略図である。 金属酸化物膜層を有する複層ガラス窓の断面概略図である。 アルミテープを有する複層ガラス窓の断面概略図である。 ガラス板より一回り小さい寸法の透明合成樹脂板を有する複層ガラス窓の断面概略図である。
符号の説明
1、1’:ガラス板
2 :透明粘着材
3 :透明合成樹脂板
4 :金属酸化物膜層
5 :スペーサー
6 :封着材
7 :空気層
8 :アタッチメント
9 :アタッチメントシーラー
10:アルミテープ

Claims (6)

  1. ガラス板と透明合成樹脂板とを透明粘着材を介して積層した合わせガラスを、前記透明合成樹脂板面が空気層側になるように、スペーサーを介して前記合わせガラス同士、または単板ガラスと向かい合わせて配置させ、封着材で固定したことを特徴とする複層ガラス窓。
  2. 前記透明粘着材のガラス転移温度が−20℃以下、かつ保持力のズレ長さが1.0〜13mmであることを特徴とする請求項1記載の複層ガラス窓。
  3. 前記透明粘着材の厚さが0.1〜2mmであることを特徴とする請求項1または2記載の複層ガラス窓。
  4. 前記透明合成樹脂板の空気層に接する面、もしくは両面に、透明金属酸化物膜層が積層され、前記透明金属酸化物膜層とスペーサーが封着材で固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複層ガラス窓。
  5. 前記合わせガラスの4辺の端部周囲がアルミテープで被覆処理され、前記アルミテープとスペーサーが封着材で固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複層ガラス窓。
  6. 前記合わせガラスにおける前記透明合成樹脂板が、前記ガラス板より一回り小さい寸法であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複層ガラス窓。
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