JP5117959B2 - 複層ガラス窓 - Google Patents
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Description
複層ガラス窓は、内部に密閉空間を設けてあるため、断熱性、防音性、防露性などに優れており、住宅やビルなどに用いる建築用窓や車両、船舶、航空機などに用いる交通機関用窓として用いられている。
PC複層ガラス窓は、防犯ガラス窓と複層ガラス窓の利点を両立でき、実際に、新幹線客車窓として、車外側からPC/中間膜/ガラス/空気層/ガラスの順で構成したPC複層ガラス窓が採用されている。しかし、最外層にPCを配置すると、ガラスに比べてキズが入りやすく、長期の外観品質を維持することが難しい。
また、透明合成樹脂板をガラス板よりも一回り小さくし、透明合成樹脂板が膨張してガラス板及びスペーサーを封着する封着剤に触れないようにし、封着剤成分による透明合成樹脂板の劣化を防止できる複層ガラス窓が開発されている(下記特許文献1の図4など参照)。
(1)向かい合う2枚のガラス板の周囲を、スペーサーを介してシール材で封着して密閉空間を形成し、その空間内に、透明粘着剤を介してガラス板に積層した透明合成樹脂板を配してある構成を備えた複層ガラス窓において、
前記シール材は、スペーサーとガラス板とを封着する一次シール材と、スペーサーの外側に塗布し、ガラス板間を封着する無溶剤タイプの二次シール材とからなる複層ガラス窓。
(2)無溶剤タイプの二次シール材は、シリコーン系シール材である(1)に記載の複層ガラス窓。
(3)一次シール材は、ブチルゴム系シール材である(1)又は(2)に記載の複層ガラス窓。
これは、下記1)〜8)に示すように、従来では、二次シール材に含まれる溶剤が原因で中間膜を黄変させていたが、本発明では、二次シール材を無溶剤タイプとしたことにより中間膜の黄変を防止できると考えられる。なお、黄変防止の効果は、当該複層ガラス窓についてJIS R3209に基づく加速耐久試験(耐湿耐光性試験)を行うことで確認することができる。
1)複層ガラス窓内部の防湿性・気密性を確保するため、一次シール材にはブチルゴムなどを主成分とした未架橋のシール材が一般に用いられる。
2)複層ガラス窓を固定するため二次シール材には後硬化性のポリサルファイド系のシール材などが用いられることが多い。ポリサルファイド系シール材は、基材と硬化剤を混ぜ合わせて使用する2液タイプと、1液タイプとがあるが、両者とも使用時のハンドリング性を良くするべく粘度調整のためにトルエンなどの溶剤が数%程度含有されており、硬化後も二次シール材中には微量の溶剤が残留しているものと推測される。
3)このような2つのシール材の組合せで製作した、複層ガラス窓(図3と同様な構成)をJIS R3209に基づく加速耐久試験(耐湿耐光性試験)を実施した。
4)2次シール材には防湿性能はなく、加速耐久試験による55℃90%RHの高温高湿環境下では水分が2次シール材を通過して複層ガラス窓内部へ侵入しようとする。
5)水分は1次シール材でブロックされてそれ以上の内部へ入ることは防止されるが、水分が2次シール材を通過する際に2次シール材中の微量の残留溶剤を含有して1次シール材にアタックする。
6)溶剤のアタックによって、1次シール材中のブチルゴムなどの溶剤に溶出し易い低分子量成分が複層ガラス内部に蒸散・侵入する。
7)蒸散した低分子量成分は吸着し易い軟質材である中間膜の端部に吸着する。
8)加速耐久試験による紫外線照射環境下において、低分子量成分が紫外線劣化して黄変を引き起こす。故に、中間膜の周囲のみに加速耐久試験によって黄変が生じるものと考えられる。
図1は本発明の一実施形態の複層ガラス窓を模式的に示した断面図である。
また、透明合成樹脂板3に紫外線吸収及び反射、熱線吸収及び反射、透過率調整、反射防止等の機能を付与することもできる。このような機能を付すことによって複層ガラス窓の断熱効果が高まり、ひいては省エネルギーに寄与することにもなる。
ベースポリマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体であり、特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体を用いるのが好ましい。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体以外の樹脂を除外する意図ではなく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系共重合体以外の樹脂であっても、これと同様の結果が得られる樹脂が存在することは想定できる。
架橋モノマーとしては、アクリル系架橋モノマーを用いるのが好ましい。中でも、単官能(メタ)アクリレートよりは、2官能(メタ)アクリレート、3官能(メタ)アクリレート、4官能(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート、若しくは、単官能〜4官能(メタ)アクリレートの2種以上が混合してなる混合物などの多官能(メタ)アクリレートからなるモノマーを用いるのが好ましい。
中でも、好ましくは、例えば1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどを挙げることができ、その中でも1,9−ノナンジオールジアクリレートが好ましい。
架橋モノマーの分子量は、300〜2000、中でも400〜1500が、その中でも特に500〜1000であるのが好ましい。但し、かかる分子量に限定するものではない。
架橋モノマーの含有量は、所望の保持力が得られるよう他の要因と併せて調整すればよいが、目安としては、ベースポリマー100質量部に対し0.01〜40.0質量部、特に0.1〜30.0質量部、中でも特に0.5〜30.0質量部の割合の範囲内とするのが好ましい。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
架橋開始剤としては、光開始剤を用いるのが好ましく、例えば開裂型の光開始剤や水素引抜型の光開始剤を挙げることができる。いずれの光開始剤を用いても良く、両者を併用しても良い。
この際、開裂型の光開始剤としては、例えばベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシアセトフェノン、プロピオフェノンなどのいずれか或いはこれらのうちの二種類以上の組合わせからなる混合物を挙げることができる。中でもプロピオフェノンまたはその誘導体、その中でもオリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1メチルビニル)フェニル]プロパノン}が好ましい。
但し、水素引抜型や開裂型の光開始剤として前記に挙げた物質に限定するものではない。
上記成分のほか、必要に応じて、可塑剤や、赤外線吸収特性を有する顔料や染料などの色素、粘着付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、吸湿剤、紫外線吸収剤、天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズなどの各種の添加剤を適宜配合することもできる。
てるように、−20℃以下であることが好ましく、さらには−70℃〜−40℃であることが好ましい。
また、真夏の暑さの厳しい環境下でも合わせた透明合成樹脂板3がずれ落ちたり剥がれたりしないように、透明粘着剤4には保持力が必要であることから、透明粘着剤4のずれ長さは、1.0mm〜25mmであることが好ましく、さらに6.0mm〜22mmであることがより好ましい。
ここで、保持力のずれ長さとは、透明粘着剤を用いて、38μmPETフィルムをSUS板に面積20mm×20mmで接着させた後、JIS Z0237に準じて、40℃の環境下で4.9Nの荷重を2時間かけた後のずれ長さを計測した値である。
まず、透明合成樹脂板3を、ガラス板2の一面側に透明粘着剤4で、ガラス板2の周囲が透明合成樹脂板3の端部よりも外側に張り出すように貼り合わせる。貼り合わせ方法は、例えば、予め透明粘着剤4 をシート状に成型しておき、ガラス板2と透明合成樹脂板3の間に挟んで高温、高圧下で貼り合わせる方法、紫外線硬化樹脂である透明粘着剤4をシート状に成型し、ガラス板2と透明合成樹脂板3の間に挟んで紫外線を照射する方法等がある。
そして、貼り合わせたガラス板2,5の周囲に二次シール材8塗布して封着し、内部を密閉空間9とした複層ガラス窓1を製造することができる。
透明合成樹脂板として、両面に直接シリカ膜を蒸着させたポリカーボネート(PC)板(厚さ0.5mm×巾120mm×長さ170mm)を用い、この一面に、片面の離型フィルムを剥がした下記透明粘着シートをニップロールと駆動ロール間に搬入させて貼り合せた後、残りの離型フィルムを剥がした。
次に、上記粘着シートを貼ったPC板の粘着シート側を、ガラス板(市販のソーダライムガラス、厚さ3mm×巾150mm×長さ200mm)に、ガラス板の周囲がPC板の端部よりも張り出すように向かい合わせてニップロールと駆動ロール間に搬入して貼り合わせPC合わせガラスを形成した。
一次シール材を、ブチルゴム系シール材(テイパ化工(株)製ブチルテープPIB−521)とした以外は実施例1と同様にして複層ガラス窓を製作した。
一次シール材を、ブチルゴム系シール材(横浜ゴム(株)製ハマタイト)とした以外は実施例1と同様にして複層ガラス窓を製作した。
二次シール材を、溶剤としてトルエン5%含有する2液硬化型ポリサルファイド系のシール材(テイパ化工(株)製ペアシール2HS)とした以外は、実施例1と同様にして複層ガラス窓を製作した。
二次シール材を、溶剤としてトルエン5%含有する2液硬化型ポリサルファイド系のシール材(テイパ化工(株)製ペアシール2HS)とした以外は、実施例2と同様にして複層ガラス窓を製作した。
二次シール材を、溶剤としてトルエン5%含有する2液硬化型ポリサルファイド系のシール材(テイパ化工(株)製ペアシール2HS)とした以外は、実施例3と同様にして複層ガラス窓を製作した。
実施例1〜3及び比較例1〜3の複層ガラス窓について、JIS R3209に基づく加速耐久試験(耐湿耐光性試験)を実施した。試験のIII類である、耐湿耐光試験42日+冷熱繰り返し試験72サイクル後の複層ガラス窓の黄変を目視観察した。観察した結果、黄変が無いものを○、黄変が有るものを×として判断した。
実施例1:○
実施例2:○
実施例3:○
比較例1:×
比較例2:×
比較例3:×
Claims (3)
- 向かい合う2枚のガラス板の周囲を、スペーサーを介してシール材で封着して密閉空間を形成し、その空間内に、透明粘着剤を介してガラス板に積層した透明合成樹脂板を配してある構成を備えた複層ガラス窓において、
前記シール材は、スペーサーとガラス板とを封着する一次シール材と、スペーサーの外側に塗布し、ガラス板間を封着する無溶剤タイプの二次シール材とからなる複層ガラス窓。 - 無溶剤タイプの二次シール材は、シリコーン系シール材である請求項1に記載の複層ガラス窓。
- 一次シール材は、ブチルゴム系シール材である請求項1又は2に記載の複層ガラス窓。
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