JP2001028465A - 超伝導素子 - Google Patents

超伝導素子

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JP2001028465A JP11201573A JP20157399A JP2001028465A JP 2001028465 A JP2001028465 A JP 2001028465A JP 11201573 A JP11201573 A JP 11201573A JP 20157399 A JP20157399 A JP 20157399A JP 2001028465 A JP2001028465 A JP 2001028465A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑な構造や高度な加工技術を用いることな
く低消費電力と高速性を実現する。 【解決手段】 超伝導時における電気伝導方向に異方性
を有する酸化超伝導体2(YBa2Cu37- δ)をチャネル
部に用いる。ソース電極4およびドレイン電極5は、酸
化超伝導体2を貫通して基板1に到達するまで深く形成
する。ゲート電極6は、チャネル部の超伝導面に対して
垂直方向に設置し、且つ、「コ」字状に形成する。こうし
て、酸化超伝導体2の電気伝導の高い方向とチャネル部
全体の信号伝達方向とを一致させて、チャネル部がゲー
ト電極6からの電場の影響を受け難くして強磁場を発生
可能にする。こうして、チャネル部の信号伝達を高速で
行い、電場を用いる方法に比べて微細加工を必要とせ
ず、ゲート電流を低減して低消費電力化を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超伝導体を用い
た超伝導素子に関し、詳しくは低消費電力で且つ高速性
に優れた磁場制御方式の超伝導素子に関する。
【0002】
【従来の技術】素子に超伝導材料を用いることは、超伝
導時の低消費電力および高速応答性を利用できるという
利点があり、様々な応用展開の試みがなされてきてい
る。しかしながら、半導体素子のように電界効果型の素
子を超伝導材料で実現するためには、ジョセフソン素子
やSQUID(超伝導量子干渉素子)の場合ように微細加
工や高電圧を必要とする。そこで、磁場で制御する超伝
導素子が提案されている。例えば、特開平3−1965
84号公報や特開平7−30160号公報には、超伝導
体からチャネル部である半導体へ近接効果によって浸み
出す超伝導電流を磁場により制御する方法が提案されて
いる。また、特開平2−183583号公報には、磁歪
体を用いて超伝導体に圧力を掛けることによって超伝導
電流を制御する方法が提案されている。更に、特開平2
−194667号公報には、超伝導多結晶薄膜をチャネ
ルとして用い、このチャネルの弱結合部分に磁場を印加
することによって超伝導電流を制御する方法が提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のチャネルの電流を磁場で制御する超伝導素子には、
以下のような問題がある。すなわち、上記特開平3−1
96584号公報や特開平7−301602号公報のご
とく、近接効果によってチャネル部(半導体)に浸み出す
超伝導電流を磁場で制御する方法においては、超伝導体
と半導体(チャネル部)との接合を形成する技術や超伝導
体における浸み出しの長さに対応する微細化技術が要求
されるために、量産性に問題がある。また、特開平2−
183583号公報や特開平2−194667号公報に
おいては、チャネルの超伝導電流を制御するために、磁
歪体を用いて超伝導体に圧力を掛けたり超伝導多結晶薄
膜の弱結合に磁場を印加するのであるが、上記圧力や弱
結合部分の再現性に問題がある。さらに、臨界電流が低
く信頼性に欠けるという問題がある。
【0004】このように、上記各従来の技術において
は、構造が複雑になったり、加工が難しいという問題が
ある。また、チャネル部に流せる電流が小さいという問
題が生じる。すなわち、上述のように、超伝導が本来有
している低消費電力や高速応答性を十分に引き出してい
ないという問題点がある。
【0005】そこで、この発明の目的は、複雑な構造や
高度な加工技術を用いずに、チャネル部の特性が良好
で、再現性と信頼性に優れ、低消費電力と高速性に優れ
た超伝導素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、信号伝達部であるチャネル部に超伝導
を担うキャリアの伝導方向に異方性を有する超伝導体を
用いると共に,チャネル電流を磁場で制御する超伝導素
子において、上記チャネル電流方向と上記超伝導体の電
気伝導が高い方向とが上記チャネル部全体において一致
しており、上記磁場を印加する方向が超伝導面に対して
略垂直であることを特徴としている。
【0007】上記構成によれば、チャネル電流方向とチ
ャネル部を構成する超伝導体における電気伝導が高い方
向とが一致しているため、上記チャネル部の信号伝達が
高速に行われる。さらに、上記チャネル電流を磁場で制
御するために、ジョセフソン素子やSQUID等のよう
な微細加工によらずに形成される。さらに、上記磁場を
印加する方向が超伝導面に対して略垂直であるために、
最も効率的に磁場によってチャネル電流を制御でき、磁
場制御用の電流を低減して低消費電力化が図られる。
【0008】また、この発明の超伝導素子は、上記チャ
ネル電流を制御する磁場を発生させるためのゲート電極
を、上記チャネル部を構成する上記超伝導体に対して電
気伝導が低い方向に設置することが望ましい。
【0009】上記構成によれば、上記チャネル部とゲー
ト電極との間のキャリア突き抜けが防止されるため特性
劣化が起こり難い。さらに、上記チャネル部は、上記ゲ
ート電極からの電場の影響を受け難くなる。
【0010】また、この発明の超伝導素子は、上記ゲー
ト電極を一部が切れたループ形状に成し、上記ゲート電
極に電流を流すことによって上記磁場を発生させること
が望ましい。
【0011】上記構成によれば、上記ゲート電極に電流
を流すことによって磁場が効果的に発生され、小電流で
必要な磁場が発生される。こうして、低消費電力化が図
られる。
【0012】また、この発明の超伝導素子は、上記チャ
ネル部を単結晶の超伝導体で構成することが望ましい。
【0013】上記構成によれば、上記チャネル部を単結
晶で構成することによって粒界の影響が避けられる。さ
らに、欠陥が入り難いので上記チャネル部の特性向上が
図られ、再現性も良好になる。
【0014】また、この発明の超伝導素子は、上記チャ
ネル部にチャネル電流を流すためのソース電極およびド
レイン電極の少なくとも一方は、上記チャネル部におけ
る電気伝導が高い方向と交差するように形成された面を
有していることが望ましい。
【0015】上記構成によれば、上記ソース電極あるい
はドレイン電極とチャネル部との間のキャリアの流れが
良好であり、高速化と低消費電力化とが図られる。
【0016】また、この発明の超伝導素子は、上記ソー
ス電極,ドレイン電極,ゲート電極およびチャネル部の少
なくとも2つを、同じ組成の超伝導体で構成することが
望ましい。
【0017】上記構成によれば、上記ソース電極,ドレ
イン電極,ゲート電極およびチャネル部の少なくとも2
つを同じ組成の物質で構成することによって不純物の混
入の可能性が低減される。そして、上記同じ組成の物質
で構成される領域が互いに隣接する領域である場合に
は、両領域の接合部分の抵抗が低減される。
【0018】また、この発明の超伝導素子は、上記超伝
導体としてYBa2Cu37- δを用いることが望ましい。
【0019】上記構成によれば、上記超伝導体としてY
Ba2Cu37- δを用いることによって、酸化物超伝導体
の臨界温度が高いという利点が生かされ、酸素の組成比
の不均一に対する転移温度の変化が少なくなる。その結
果、生産性が向上される。さらに、経時変化による酸素
組成比の変化の影響が受け難くなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の超伝
導素子における概略構造を示す図である。図1(a)は平
面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A矢視断面
図であり、図1(b)はB−B矢視断面図である。非超伝
導体の基板1上に酸化物超伝導体2のパターンが形成さ
れ、その上全面に絶縁膜3が形成されている。そして、
絶縁膜3および酸化物超伝導体2パターンを貫通してソ
ース電極4およびドレイン電極5が形成され、ソース電
極4とドレイン電極5との中間における絶縁膜3上に
「コ」字状にパターニングされたゲート電極6が形成され
ている。
【0021】図2は、図1に示す超伝導素子の形成工程
の一例を示す図である。先ず、図2(a)に示すように、
基板1が形成される。基板1としては、例えばMgO,S
rTiO3,LaAlO3基板や、Siやサファイア(α−Al2
3)等の上にバッファ層としてYSZ(イットリア安定
化ZrO2),CeO2,CaF2を成膜した基板等を用いる。
本実施の形態においてはSrLaMnO4を用いた。ところ
で、上記基板1は、チャネル部となる超伝導体が形成で
きれば良く、様々な様態が考えられるが、成膜したい超
伝導材料の成膜条件に対応した熱的および化学的安定
性,格子定数および熱膨張率係数の整合性が必要であ
り、低誘電率を有するものが望ましい。本実施の形態に
おいては非導電性の高いものが望ましい。
【0022】次に、上記基板1上に、蒸着法,MBE(分
子線エピタキシャル)法,レーザアブレーション法または
スパッタ法等を用いて、例えばYBa2Cu37- δ単結晶
で成る酸化物超伝導体2を50Å〜10μmの膜厚で成
膜する。本実施の形態においては、レーザー蒸着法を用
いてYBa2Cu37- δを約500Å程度成膜した。
【0023】超伝導体の臨界磁場は、薄膜化してその厚
みを薄くしていくと小さくなっていく。したがって、チ
ャネル部における磁場が掛かる部分の単結晶は、必要な
チャネル電流が臨界電流を超えない範囲で、薄い方が好
ましい。但し、極端に薄膜化すると転移温度も下がって
くるので100Å以上が好ましい。
【0024】尚、本実施例においては、上記チャネル部
を構成する酸化物超伝導体2としてYBa2Cu37- δ
用いた例を示しているが、La2-XSrXCuO4+ δやBi2
Sr2Ca2Cu310+ δ等の超伝導に異方性を有するもの
であればチャネル部の材料として用いることができる。
特に、Bi2Sr2Ca2Cu310+ δやTl2Ba2Ca2Cu3
10等は良好な成膜性と高い超伝導転移温度を有している
ために好ましい。その中でも、本実施の形態で用いるY
Ba2Cu37- δは、上述の性能を有するとともに、比較
的簡単に製造でき、品質も良い。また、YBa2Cu37-
δは、60K付近と90K付近とに酸素含有量の変化に
対し安定な臨界温度を有している。したがって、他の物
質に比べて酸素濃度の不均一性に対し許容性を有する。
この性質を有することは、生産性の向上につながり、歩
留まりの向上、更には経時変化による特性劣化が起こり
にくいことを意味し、信頼性が高い。このような点か
ら、YBa2Cu37- δはより好ましい材料と言える。
【0025】図3は、本実施の形態において形成された
YBa2Cu37- δにおけるCuO鎖方向(b軸方向)の抵
抗率とCuO鎖に垂直な方向(a軸方向)の抵抗率とを示
す。横軸は温度を示している。図から分かるように、b
軸方向よりもa軸方向の方の抵抗率が高い。このよう
に、上記チャネル部の材料としてYBa2Cu37- δを用
いる場合には、上記CuO鎖(b軸方向)に垂直な方向(a
軸方向)をチャネル伝達方向とする方が、オフ電流を少
なくできるために望ましい。このことは、YBa2Cu3
7- δの代わりに、YBa2Cu48や、YBa2Cu37- δ
又はYBa2Cu48のYを他の元素で置き換えた類似の
超伝導体等を用いる場合にも言えることである。
【0026】上記チャネル部を構成する酸化超伝導体2
としては、多結晶をチャネル部の全域において配向させ
たものや人工的な格子構造を形成したものを用いてもよ
い。より好ましくは、単結晶を用いることで、例えば臨
界電流が小さいために電流が稼げない等の粒界の影響を
避けることができ、より大電流を流すことができる。ま
た、超伝導体の高速応答性を損なわない。更には、不純
物の混入や欠陥を少なくでき、均一で再現性もよい。こ
のような理由によって、上記チャネル部を構成する酸化
超伝導体2には単結晶を用いるのが好ましい。
【0027】こうして、上記基板1上に酸化超伝導体2
を成膜した後、チャネル部とする領域以外の不要な領域
をエッチングによって除去する。その場合、エッチング
によらずに、不純物の注入等によって上記不要な領域の
超伝導性を失わせる方法を用いることも可能である。
【0028】次に、上記基板1および酸化超伝導体2パ
ターン上に絶縁膜3を形成する。この絶縁膜3としてZ
rO2等を使用できる。本実施の形態においては、SrTi
3を膜厚5nmで成膜した。尚、チャネル上の絶縁膜3
は、ゲート電極6の電流を絶縁可能な範囲内において、
できる限り透磁率の高い物質をできるだけ薄く成膜する
ことが好ましい。
【0029】他の実施の形態として、上記絶縁膜3を形
成する代わりに、酸化物超伝導体2の超伝導性が失われ
る程度に、例えばAl,Mg等の不純物を酸化物超伝導体
2の表面にイオン注入等によって導入することも可能で
ある。更には、酸化物超伝導体2の組成比を変えること
によって表面側の超伝導性を失わせて、絶縁膜3の代用
とすることも可能である。例えば、成膜した上記YBa2
Cu37- δ単結晶の表面付近のみを脱酸素によって酸素
の化学量比を減少させ、表面のみを非超伝導領域とし絶
縁化することも可能である。
【0030】次に、図2(b)に示すように、ホトリソグ
ラフィとエッチングとによって、ソース電極4およびド
レイン電極5形成用の開口部7,8を形成する。そうし
た後に、図2(c)に示すように、ソース電極4,ドレイン
電極5およびゲート電極6となる例えば金属や酸化物超
伝導体等の物質9を積層する。本実施の形態において
は、酸化超伝導体2と同じYBa2Cu37- δの多結晶を
積層した。
【0031】次に、図2(c)に示すように、ホトリソグ
ラフィとエッチングとによって、ソース電極4,ドレイ
ン電極5および磁場印加用のゲート電極6を形成する。
その場合、ゲート電極6は、チャネル部を構成する酸化
超伝導体2の超伝導面に磁場を略垂直に掛けることがで
きるように「コ」字状に形成した。
【0032】ここで、上記開口部7,8を穿つ場合に
は、図2(b)に示すごとく、絶縁膜3とチャネル層(酸化
超伝導体2パターン)との境界よりも更にオーバーエッ
チングを行って、基板1の表面に到達するまで開口部
7,8を穿つことが好ましい。こうすることによって、
ソース電極4の側面の法線方向とドレイン電極5の側面
の法線方向とをチャネル部の電気伝導が高い方向に平行
にできる。したがって、図4に示すように、チャネル部
に対するソース電極4及びドレイン電極5の接続を、チ
ャネル電流がチャネル部を構成する単結晶のc軸方向の
電流成分を含まないように行うことができ、ソース電極
4とドレイン電極5との間にチャネル電流を効率よく流
すことができるのである。
【0033】比較のために、図5に、絶縁膜3とチャネ
ル層2との境界にまでしかエッチングを行わずにソース
電極11およびドレイン電極12を形成した、通常用い
られる方法による場合のチャネル電流の流れを示す。こ
の場合には、ソース電極11およびドレイン電極12の
近傍において、チャネル電流の流れる方向にチャネル部
を構成する単結晶のc軸方向の成分が含まれる。
【0034】一方において、磁場印加用のゲート電極6
が発生する磁場の方向が、チャネル部を構成する酸化超
伝導体2の超伝導面に対して略垂直である必要がある。
そのような磁場が形成できれば、ゲート電極6の形成場
所は任意である。しかしながら、本実施の形態のよう
に、チャネル部上における超伝導面に対して垂直方向に
ゲート電極6を設置した方が好ましく、チャネル部がゲ
ート電極6からの電場の影響を受け難い。すなわち、チ
ャネル部における電気伝導の低い方向にゲート電極6が
設置されているので、ゲート電極6からの電場に基づく
キャリアの注入による超伝導体の特性劣化を防ぐことが
できるのである。また、チャネル部の電流がゲート電極
6からの電場の影響を受け難くすることができ、安定し
た動作が可能となる。
【0035】さらに、上記ゲート電極6の形状は、本実
施の形態の場合のように「コ」字状に形成した方が直線形
状に形成する場合より同じ電流量で強磁場を発生させる
ことができ、図6に示すように磁場の方向性も良く好ま
しい。但し、磁場の方向は、ゲート電流が一方のゲート
電極6aの手前から奥の方へ向かって流れて、他方のゲ
ート電極6bの奥から手前に向かって流れる場合を示し
ている。
【0036】比較のために、図7に、従来のようにゲー
ト電極24が直線形状であって、電流が手前から奥へ流
れている場合の磁場の様子を示す。図中の矢印付き曲線
が磁場の方向を示している。本実施の形態のごとく、ゲ
ート電極6を「コ」字状に形成した方が、従来の直線形状
に形成した場合に比べて磁束密度が高く、チャネル部の
信号伝達方向に垂直に磁場を掛けることが容易である。
さらに、「コ」字状であれば、多層化することによって、
より少ない電流で強磁場を発生することも可能である。
【0037】また、本実施例では用いていないが、図1
0に示すように、ゲート電極34の周囲には絶縁膜33
を残し、ゲート電極34内のチャネル部における磁場が
掛かる部分の絶縁膜33を除去した方が、磁力線を絶縁
膜33を透過させるよりもチャネル部に掛かる実効磁場
が強くなって望ましい。尚、31は非超伝導の基板であ
り、32は酸化超伝導体である。
【0038】図2において、上記ソース電極4,ドレイ
ン電極5およびゲート電極6は伝導体であればよく、金
属等を用いることもできるが、ソース電極4,ドレイン
電極5,ゲート電極6およびチャネル部は基本的には同
じ組成で構成することが好ましい。例えば、本実施の形
態のごとくソース電極4,ドレイン電極5,ゲート電極6
およびチャネル部をYBa2Cu37- δで構成すれば、一
部に他の物質を用いた場合のような不純物の混入等によ
る性能劣化を防止しやすく、生産性が良い。また、ソー
ス電極4およびドレイン電極5をチャネル部と同じ物質
で構成することによって、ショットキー障壁を無くすこ
とができ、接合面の抵抗を低減できる。さらに、超伝導
体を用いるので略抵抗0で回路を形成でき、超低消費電
力化が可能になる。
【0039】上述のようにして、上記ソース電極4,ド
レイン電極5およびゲート電極6が形成されると、次に
熱アニールを行う。本実施の形態においては、930℃
〜950℃の酸素雰囲気中で6時間程度加熱し、その後
に徐冷した。これによってチャネル部(酸化超伝導体2)
の単結晶とソース電極4およびゲート電極5の多結晶と
の接合、および、多結晶内の粒界の接合を、良くするこ
とができた。
【0040】かくして、上記成膜された酸化物超伝導体
2(YBa2Cu37- δ)の転移温度は90Kであった。ア
ニールの条件は、用いる材料や得ようとする特性によっ
て異なるが、概ね600℃〜950℃の温度で5時間〜
20時間処理すればよい。
【0041】上記構成を有する超伝導素子の動作は、ソ
ース電極4とドレイン電極5との間のチャネル部(酸化
超伝導体2)を、ゲート電流により発生する磁場によっ
て超伝導状態と常伝導状態とに切り換え制御を行う。そ
の場合、酸化物超伝導体2の抵抗値は、常伝導状態では
非常に高く、超伝導状態では0である。したがって、ソ
ース電極4とドレイン電極5との間は超低電圧でよい。
また、チャネル部となる酸化物超伝導体2としての銅酸
化物超伝導体等の単結晶はCuO2面を超伝導面としてい
るので、多結晶の場合のような粒界の影響を受けず、よ
り高速スイッチングが可能となる。また、磁場をCuO2
面に垂直方向に掛けることによって弱い磁場で制御可能
となり、ゲート電流も微少でよい。図8は、本実施の形
態で用いたYBa2Cu37- δの単結晶に、磁場をc軸方
向に掛けた場合(H‖c)とc軸に垂直方向に掛けた場合
(H⊥c)の転移温度の変化を示す。図より、本実施の形
態のごとくc軸方向に磁場を掛ける方が効果的であるこ
とがわかる。
【0042】そして、上記YBa2Cu37- δを始めとす
る酸化物超伝導体2においては、c軸方向の抵抗率がC
uO2面に平行な方向の抵抗率に比べて一般に100倍以
上高い上に、磁場制御であるから高電圧を必要としない
ので、絶縁膜3の絶縁条件は格段に緩和されることにな
る。したがって、信頼性が高く、薄膜化が可能であるこ
とからより低磁場で制御できるのである。図9は、上述
のようにして形成された超伝導素子の種々転移温度での
磁場強度と抵抗率との関係を示す図である。
【0043】図11に、温度約88Kにおける本実施の
形態による超伝導素子の電流特性を示す。本実施の形態
における超伝導素子は非常に低抵抗であるので、保護抵
抗を用いて測定を行った。0磁場での電流値はこの保護
抵抗で決定されている。
【0044】以上のごとく、本実施の形態における超伝
導素子は、素子の信号伝達部であるチャネル部に超伝導
時の電気伝導方向に異方性を有するYBa2Cu37- δ
の酸化超伝導体2を用い、ソース電極4及びドレイン電
極5を酸化超伝導体2を貫通して基板1に到達するまで
深く形成している。こうして、酸化超伝導体2の電気伝
導の高い方向とチャネル部全体の信号伝達方向とを一致
させている。さらに、ゲート電極6をチャネル部上にお
ける酸化超伝導体2の超伝導面に対して垂直方向に設置
し、且つ、「コ」字状に形成している。こうして、チャネ
ル部がゲート電極6からの電場の影響を受け難くし、強
磁場を発生可能にしている。
【0045】すなわち、本実施の形態によれば、チャネ
ル部の信号伝達を高速で行うことができる。更に、チャ
ネル電流を磁場で制御するので、従来の電場を用いる方
法に比べて微細加工を必要としないのである。また、最
も効率的に磁場でチャネル部を制御できるので、ゲート
電流を低減でき、低消費電力化が可能である。
【0046】また、本実施の形態においては、上記チャ
ネル部の電流を制御するためのゲート電極6を、チャネ
ル部を構成する酸化超伝導体2の電気伝導の低い方向に
設置している。したがって、上記チャネル部とゲート電
極6との間のキャリア突き抜けを防止することができ、
特性劣化が起こり難くできる。また、チャネル部がゲー
ト電極6からの電場の影響を受け難くすることができ
る。
【0047】また、本実施の形態においては、上記ゲー
ト電極6の形状を「コ」字状にしている。したがって、チ
ャネル電流を制御する磁場を効果的に発生することがで
き、小電流で必要な磁場を発生することができる。した
がって、低消費電力化が可能となる。
【0048】また、本実施の形態においては、上記チャ
ネル部を構成する酸化超伝導体2をYBa2Cu37- δ
単結晶で形成している。したがって、単結晶を用いるこ
とで粒界の影響を避けることができ、欠陥が入り難くで
きる。したがって、チャネルの特性を向上することがで
き、再現性も良好になる。
【0049】ところで、この発明は、上述の説明や図面
等の内容に何ら限定を受けるものではなく、以下の内容
も含まれる。すなわち、 (1)上記実施の形態においてはゲート電極6を「コ」字
状に形成しているが、臨界磁場以上の磁場を発生できれ
ば形状にはこだわるものではない。 (2)上記実施の形態においてはゲート電極6を1つし
か設けていないが、上記チャネルの上下等に複数備えて
も一向に構わない。 (3)上記実施の形態においてはチャネル部の単結晶と
ゲート電極6とを絶縁膜3を挟んで積層しているが、臨
界磁場以上の磁場がチャネル部に加わればよく、磁場は
空間を伝播するのでチャネル部の単結晶とゲート電極6
とは離れていても差し支えない。 (4)上記実施の形態においては基板1に対して酸化超
伝導体2単結晶のc軸を略垂直にしているが、ゲート電
極6が発生する磁場が上記単結晶のc軸と略平行であれ
ばよく、基板1と酸化超伝導体2単結晶の軸方向との関
係には特にこだわるものではない。
【0050】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の超
伝導素子は、超伝導を担うキャリアの伝導方向に異方性
を有する超伝導体でチャネル部を構成するに際にして、
上記チャネル部全体においてチャネル電流の方向と上記
超伝導体の電気伝導が高い方向とを一致させるので、上
記チャネル部の信号伝達を高速に行うことができる。さ
らに、上記チャネル電流を磁場で制御するので、ジョセ
フソン素子やSQUID等の電場で制御する素子ように
微細加工を必要とはしない。さらに、上記チャネル電流
を磁場で制御するに際して、上記磁場の印加方向が超伝
導面に対して略垂直であるので、最も効率的に磁場によ
って上記チャネル電流を制御でき、磁場制御用の電流を
低減して低消費電力化を実現できる。
【0051】上述のように、この発明によれば、上記超
伝導体の特性である低消費電力,高速応答性を損なうこ
となく、従来の超伝導素子に比べて簡単な構造で、再現
性よく、高性能で高信頼性の超伝導素子を簡単に製造で
きる。したがって、高速且つ超低消費電力で動作する超
伝導素子を実現することができ、その実用的効果は大き
い。
【0052】また、この発明の超伝導素子は、上記チャ
ネル電流を制御する磁場を発生させるためのゲート電極
を、上記チャネル部を構成する上記超伝導体に対して電
気伝導が低い方向に設置すれば、上記チャネル部とゲー
ト電極との間のキャリア突き抜けが防止されて、特性劣
化が起こり難くできる。さらに、上記チャネル部に対す
る上記ゲート電極からの電場の影響を受け難くできる。
【0053】また、この発明の超伝導素子は、上記ゲー
ト電極を一部が切れたループ形状に成し、上記ゲート電
極に電流を流すことによって上記磁場を発生させるよう
にすれば、上記ゲート電極に電流を流すことによって上
記磁場を効果的に発生させることができ、小電流で必要
な磁場を発生できる。したがって、更なる低消費電力化
を実現できる。
【0054】また、この発明の超伝導素子は、上記チャ
ネル部を単結晶の超伝導体で構成すれば、上記チャネル
部に対する粒界の影響を避けることができ、上記チャネ
ル電流を大きくできる。また、上記チャネル部に欠陥を
入り難くして特性向上を図ることができる。さらに、再
現性も良好にできる。
【0055】また、この発明の超伝導素子は、上記チャ
ネル部にチャネル電流を流すためのソース電極およびド
レイン電極の少なくとも一方を、上記チャネル部におけ
る電気伝導が高い方向と交差するように形成された面を
有するように成せば、上記ソース電極あるいはドレイン
電極とチャネル部との間のキャリアの流れを良好にで
き、高速化と低消費電力化とを図ることができる。
【0056】また、この発明の超伝導素子は、上記ソー
ス電極,ドレイン電極,ゲート電極およびチャネル部の少
なくとも2つを同じ組成の超伝導体で構成すれば、上記
同じ組成の物質で構成された領域に対する不純物の混入
の可能性を低減できる。その場合に、上記同じ組成の物
質で構成される領域が互いに隣接する領域である場合に
は、両領域の接合部分の抵抗を低減できる。
【0057】また、この発明の超伝導素子は、上記超伝
導体としてYBa2Cu37- δを用いれば、酸化物超伝導
体の臨界温度が高いという利点を生かして酸素の組成比
の不均一に対する転移温度の変化を少なくできる。その
結果、生産性を向上できる。さらに、経時変化による酸
素組成比の変化の影響を受け難くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の超伝導素子における概略構造を示
す図である。
【図2】 図1に示す超伝導素子の形成工程の一例を示
す図である。
【図3】 図1におけるYBa2Cu37- δのb軸方向の
抵抗率とa軸方向の抵抗率とを示す図である。
【図4】 図1に示す超伝導素子におけるチャネル電流
の方向を示す図である。
【図5】 ソース電極およびドレイン電極が酸化超伝導
体と絶縁膜との境界まで形成された場合におけるチャネ
ル電流の方向を示す図である。
【図6】 図1に示す超伝導素子における磁場の方向を
示す図である。
【図7】 ゲート電極が直線形状である場合における磁
場の方向を示す図である。
【図8】 図1におけるYBa2Cu37- δの単結晶に対
する磁場の方向と転移温度変化との関係を示す図であ
る。
【図9】 図1に示す超伝導素子における各転移温度で
の磁場強度と抵抗率との関係を示す図である。
【図10】 図1とは異なる超伝導素子における縦断面
形状と磁場の方向を示す図である。
【図11】 図1に示す超伝導素子における電流特性を
示す図である。
【符号の説明】
1,31…基板、 2,32…酸化物超伝導体、3,33
…絶縁膜、 4…ソース電極、5…
ドレイン電極、 6,34…ゲート電
極、7,8…開口部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号伝達部であるチャネル部に超伝導を
    担うキャリアの伝導方向に異方性を有する超伝導体を用
    いると共に、チャネル電流を磁場で制御する超伝導素子
    において、 上記チャネル電流方向と上記超伝導体の電気伝導が高い
    方向とが上記チャネル部全体において一致しており、上
    記磁場を印加する方向が超伝導面に対して略垂直である
    ことを特徴する超伝導素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超伝導素子において、 上記チャネル電流を制御する磁場を発生させるためのゲ
    ート電極を、上記チャネル部を構成する上記超伝導体に
    対して電気伝導が低い方向に設置したことを特徴とする
    超伝導素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の超伝導素子において、 上記ゲート電極は一部が切れたループ形状を成してお
    り、上記ゲート電極に電流を流すことによって上記磁場
    を発生させることを特徴とする超伝導素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の超伝導素子において、 上記チャネル部を構成する超伝導体は単結晶であること
    を特徴とする超伝導素子。
  5. 【請求項5】 請求項1あるいは請求項2に記載の超伝
    導素子において、 上記チャネル部にチャネル電流を流すためのソース電極
    およびドレイン電極の少なくとも一方は、上記チャネル
    部における電気伝導が高い方向と交差するように形成さ
    れた面を有していることを特徴とする超伝導素子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の超伝導素子において、 上記ソース電極,ドレイン電極,ゲート電極およびチャネ
    ル部の少なくとも2つが同じ組成の超伝導体で構成され
    ていることを特徴とする超伝導素子。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6の何れか一つに記
    載の超伝導素子において、 上記超伝導体は、YBa2Cu37- δであることを特徴と
    する超伝導素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6490571A (en) * 1987-10-01 1989-04-07 Fujitsu Ltd High-gain cryotron
JPH01204484A (ja) * 1988-02-09 1989-08-17 Nec Corp 超電導体電子装置

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