JP2001026870A - スパッタリング方法とその装置 - Google Patents
スパッタリング方法とその装置Info
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Abstract
形平板ターゲットを有するロータリ式スパッタリング装
置において、基板の表面に均一な膜厚の薄膜が形成でき
るスパッタリング方法とその装置を提供する。 【解決手段】 一定の曲率を持った軌道上を移動する基
板と、前記基板の回転半径方向[a−b線]に2つ以上
のマグネトロン放電用磁気回路5a,5bを搭載した矩
形平板ターゲット1との間に電圧を印加して矩形平板タ
ーゲット1からターゲット原子をはじき出して成膜する
に際し、基板の回転半径方向[a−b線]に配置された
複数のマグネトロン放電用磁気回路5a,5bの磁界7
a,7bを制御してターゲット1のスパッタされる領域
を調節して基板に形成される薄膜の膜厚の内・外周差を
補正しながら成膜する。
Description
た軌道上を移動する基板と前記基板の対向面に配置され
たマグネトロン放電用磁気回路を搭載した矩形平板ター
ゲットとの間に電圧を印加して、前記矩形平板ターゲッ
トからターゲット原子をはじき出して前記基板の表面に
薄膜を形成するスパッタリング方法とその装置に関する
ものである。
高融点材料や化合物の薄膜が容易に形成できる薄膜形成
技術と言うことで、現在広く半導体や電子部品等の工業
分野で普及している。スパッタリング装置としては、例
えば、円周上に矩形平板ターゲットを配置し、その対面
に一定の曲率を持った軌道上を回転、通過する基板を配
置して成膜を行う装置(以下、「ロータリ式スパッタリ
ング装置」と称す。)が挙げられる。
タリング装置を示す。図5は、基板2と矩形平板ターゲ
ット1との位置関係を示す模式図である。矢印A方向に
回転するターンテーブル3には、複数の基板2が載置さ
れ、前記基板2の対向面には、矩形平板ターゲット1が
配置されている。ここでは矩形平板ターゲット1が一枚
配置された例を示したが、複数配置されていてもよい。
板2が矩形平板ターゲット1と向かい合う位置に配置さ
れると、基板2と矩形平板ターゲット1との間に電圧が
印加されて矩形平板ターゲット1からターゲット原子が
はじき出され、基板2の表面に薄膜が形成される。矩形
平板ターゲット1のa−b線はロータリ式スパッタリン
グ装置の基板2の回転半径方向を示し、aが内周側を示
し、bが外周側を示している。
沿う矩形平板ターゲット1の構成を示し、図7はc−d
線に沿う断面図を示す。矩形平板ターゲット1は、イン
ジウム等のハンダ材によりバッキングプレート4に装着
され装置本体に設置される。矩形平板ターゲット1の裏
面には、バッキングプレート4を介してマグネトロン放
電用磁気回路5eが矩形平板ターゲット1の表面に閉じ
た磁力線6を形成するとともに、少なくとも磁力線6の
一部が矩形平板ターゲット1の表面で平行になるように
配置される。
ーゲット1の表面には、トロイダル型の閉じたトンネル
状の磁力線6が発生し、磁界7eが形成される。なお、
この図8にはバッキングプレート4の裏面のマグネトロ
ン放電用磁気回路5eは図示していない。上記のように
構成されたロータリ式スパッタリング装置での薄膜形成
は、通常は真空槽の内部で行われる。
真空(〜10-5〔Pa〕程度)まで排気し、次いでAr等の
放電ガスを導入して内部の圧力を10-1〜100〔Pa〕程度
に保ち、矩形平板ターゲット1と基板2との間に直流あ
るいは交流電源により負の電圧を印加して、マグネトロ
ン放電用磁気回路5eのトロイダル型トンネル状磁界7
eの周辺でマグネトロン放電を発生させることにより、
ターゲット1の矢印Bで示す領域がスパッタされる。
ようなロータリ式スパッタリング装置では、基板2が円
周上を回転しながらスパッタリングされるため、図9に
示すように、基板2の回転半径方向の内周側では膜厚が
厚くなり、外周側では膜厚が薄くなってその膜厚に極端
な差が生じるという問題がある。
えば、図10に示すように、矩形平板ターゲット1と基
板2との間に開口部9が形成された補正板8を設けて、
この開口部9の形状を調整することにより基板2の回転
半径方向における膜厚の内・外周差を補正する方法が提
案されている。しかしながらこの方法では、補正板8に
もスパッタされた物質が付着してダストが発生したり、
事後の調整が困難であるという問題がある。
ゲット1の裏面に、基板2の内周側の磁界を外周側の磁
界よりも弱くするよう磁界を調節したマグネトロン放電
用磁気回路5fを配置したものも提案されている。この
方法によると、上記のような膜厚の内・外周差は解消さ
れるものの、図12に示すように、矩形平板ターゲット
1の中心から離れるにつれて膜厚が薄くなる傾向が生じ
るため、膜厚を均一にすることは困難である。
ン放電用磁気回路が設けられた矩形平板ターゲットを有
するロータリ式スパッタリング装置において、基板の表
面に均一な膜厚の薄膜が形成できるスパッタリング方法
とその装置を提供することを目的とする。
装置は、矩形平板ターゲットの裏面に配置されたマグネ
トロン放電用磁気回路の磁界を特殊な構成にしたことを
特徴とする。この本発明によると、矩形平板ターゲット
の裏面に配置されたマグネトロン放電用磁気回路の磁界
が制御できるため、基板の表面に膜厚の均一性の良い薄
膜を形成できる。
リング装置は、一定の曲率を持った軌道上を移動する基
板と前記基板の対向面に配置されたマグネトロン放電用
磁気回路を搭載した矩形平板ターゲットとの間に電圧を
印加して、前記矩形平板ターゲットからターゲット原子
をはじき出して前記基板の表面に薄膜を形成するスパッ
タリング装置であって、前記矩形平板ターゲットには、
前記基板の回転半径方向に沿って複数のマグネトロン放
電用磁気回路を設けて基板の回転半径方向の内周側と外
周側との膜厚差を調整するような合成磁界を形成するよ
う構成したことを特徴とする。
置は、請求項1において、矩形平板ターゲットに設けら
れた基板の回転半径方向に沿う複数のマグネトロン放電
用磁気回路の磁界をそれぞれ個別に調節可能としたこと
を特徴とする。本発明の請求項3記載のスパッタリング
方法は、一定の曲率を持った軌道上を移動する基板と、
前記基板の回転半径方向に2つ以上のマグネトロン放電
用磁気回路を搭載した矩形平板ターゲットとの間に電圧
を印加して前記矩形平板ターゲットからターゲット原子
をはじき出して成膜するに際し、基板の回転半径方向に
配置された複数のマグネトロン放電用磁気回路の磁界を
制御してターゲットのスパッタされる領域を調節して基
板に形成される薄膜の膜厚の内・外周差を補正しながら
成膜することを特徴とする。
装置を用いたスパッタリング方法を各実施の形態に基づ
いて説明する。なお、上記従来例を示す図5〜図12と
同様をなすものについては、同一の符号を付けて説明す
る。 (実施の形態1)図1と図2は、本発明の(実施の形態
1)を示す。
用される矩形平板ターゲット1を示し、基板2に形成さ
れる薄膜の膜厚を均一にするために矩形平板ターゲット
1に設けられた磁気回路の構成を上記従来例とは異なる
構成とした。詳しくは、図1に示すように、矩形平板タ
ーゲット1の裏面にロータリ式スパッタリング装置の基
板2の回転半径方向[a−b線]に沿って2つのマグネ
トロン放電用磁気回路5a,5bを形成する。a−b線
のa側は基板2の回転半径方向の内周側を示し、b側が
外周側を示す。
5bにより、それぞれトロイダル型の閉じたトンネル状
の磁界7a,7bが形成され、基板2の回転半径方向の
内周側と外周側とで合成磁界を形成するよう構成されて
いる。このような合成磁界を形成すると、ロータリ式ス
パッタリング装置を用いて基板2に薄膜を形成する際
に、矩形平板ターゲット1のスパッタされる領域を調整
できる。
布を示す。実線aはこの(実施の形態1)におけるロー
タリ式スパッタリング装置で形成された薄膜の膜厚分布
であり、実線bは従来のロータリ式スパッタリング装置
で形成された薄膜の膜厚分布である。この(実施の形態
1)では、上述のように基板の回転半径方向の内周側と
外周側との膜厚差を調整するような合成磁界が形成され
ているため、実線aで示すように、特に矩形平板ターゲ
ット1の中心からの距離が短い地点で膜厚が均一とな
り、従来よりも膜厚の均一性が改善される。
(実施の形態2)を示す。この(実施の形態2)では、
マグネトロン放電用磁気回路の一部を可動にした点で異
なるが、それ以外の基本的な構成は上記(実施の形態
1)と同様である。詳しくは、図3に示すように、基板
2の半径方向に沿って設けられた2つのマグネトロン放
電用磁気回路5c,5dを構成する磁石10a〜10d
の両端を、バッキングプレート4に穿設されたスリット
11にボルトナット12などを挿入してスリット11に
沿ってスライド自在に構成している。
とすると、磁界7c,7dがそれぞれ個別に調節可能と
なるため、矩形平板ターゲット1のスパッタされる領域
を調節して基板2に形成される薄膜の膜厚の内・外周差
を補正しながら成膜できる。また、放電時間によって膜
厚分布が変化した場合も、磁界の調整が容易であるため
簡便に対応できる。
布を示す。実線cはこの(実施の形態2)におけるロー
タリ式スパッタリング装置で形成された薄膜の膜厚分布
であり、上記(実施の形態1)における薄膜の膜厚分布
よりもさらに膜厚の均一性が向上している。なお、上記
説明では、マグネトロン放電用磁気回路5c,5dを構
成する磁石のうち磁石10a〜10dを可動磁石とした
が、本発明はこれに限定されるものではなく、マグネト
ロン放電用磁気回路5c,5dを構成する磁石の全部あ
るいは一部を可動磁石とすることができる。
ネトロン放電用磁気回路を設けたが、本発明はこれに限
定されるものではなく3つ以上設けても良い。
置によると、矩形平板ターゲットに、基板の回転半径方
向に沿って複数のマグネトロン放電用磁気回路を設けて
基板の回転半径方向の内周側と外周側との膜厚差を調整
するような合成磁界を形成するよう構成することで、基
板の回転半径方向の膜厚の均一性を向上できる。
板の回転半径方向に沿う複数のマグネトロン放電用磁気
回路の磁界をそれぞれ個別に調節可能とすることで、よ
り一層均一性の良い薄膜が得られるとともに、放電時間
によって膜厚分布が変化した場合も磁気回路の調整によ
り簡便に対応できる。
ン放電用磁気回路の構成を示す図
示す図
ン放電用磁気回路の構成を示す図
示す図
示す図
す図
ング装置の構成を示す模式図
図
た膜厚分布を示す図
Claims (3)
- 【請求項1】一定の曲率を持った軌道上を移動する基板
と前記基板の対向面に配置されたマグネトロン放電用磁
気回路を搭載した矩形平板ターゲットとの間に電圧を印
加して、前記矩形平板ターゲットからターゲット原子を
はじき出して前記基板の表面に薄膜を形成するスパッタ
リング装置であって、 前記矩形平板ターゲットには、前記基板の回転半径方向
に沿って複数のマグネトロン放電用磁気回路を設けて基
板の回転半径方向の内周側と外周側との膜厚差を調整す
るような合成磁界を形成するよう構成したスパッタリン
グ装置。 - 【請求項2】矩形平板ターゲットに設けられた基板の回
転半径方向に沿う複数のマグネトロン放電用磁気回路の
磁界をそれぞれ個別に調節可能とした請求項1記載のス
パッタリング装置。 - 【請求項3】一定の曲率を持った軌道上を移動する基板
と、前記基板の回転半径方向に2つ以上のマグネトロン
放電用磁気回路を搭載した矩形平板ターゲットとの間に
電圧を印加して前記矩形平板ターゲットからターゲット
原子をはじき出して成膜するに際し、 基板の回転半径方向に配置された複数のマグネトロン放
電用磁気回路の磁界を制御してターゲットのスパッタさ
れる領域を調節して基板に形成される薄膜の膜厚の内・
外周差を補正しながら成膜するスパッタリング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19968099A JP3880249B2 (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | スパッタリング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19968099A JP3880249B2 (ja) | 1999-07-14 | 1999-07-14 | スパッタリング方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001026870A true JP2001026870A (ja) | 2001-01-30 |
JP3880249B2 JP3880249B2 (ja) | 2007-02-14 |
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ID=16411836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3880249B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7799179B2 (en) | 2002-02-19 | 2010-09-21 | Singulus Technologies Ag | Sputtering cathode and device and method for coating a substrate with several layers |
-
1999
- 1999-07-14 JP JP19968099A patent/JP3880249B2/ja not_active Expired - Fee Related
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