JP3880249B2 - スパッタリング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一定の曲率を持った軌道上を移動する基板と前記基板の対向面に配置されたマグネトロン放電用磁気回路を搭載した矩形平板ターゲットとの間に電圧を印加して、前記矩形平板ターゲットからターゲット原子をはじき出して前記基板の表面に薄膜を形成するスパッタリング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スパッタリング法は、真空蒸着法に比べ高融点材料や化合物の薄膜が容易に形成できる薄膜形成技術と言うことで、現在広く半導体や電子部品等の工業分野で普及している。
スパッタリング装置としては、例えば、円周上に矩形平板ターゲットを配置し、その対面に一定の曲率を持った軌道上を回転、通過する基板を配置して成膜を行う装置(以下、「ロータリ式スパッタリング装置」と称す。)が挙げられる。
【0003】
図5〜図12は、従来のロータリ式スパッタリング装置を示す。
図5は、基板2と矩形平板ターゲット1との位置関係を示す模式図である。
矢印A方向に回転するターンテーブル3には、複数の基板2が載置され、前記基板2の対向面には、矩形平板ターゲット1が配置されている。ここでは矩形平板ターゲット1が一枚配置された例を示したが、複数配置されていてもよい。
【0004】
ターンテーブル3の回転により送られた基板2が矩形平板ターゲット1と向かい合う位置に配置されると、基板2と矩形平板ターゲット1との間に電圧が印加されて矩形平板ターゲット1からターゲット原子がはじき出され、基板2の表面に薄膜が形成される。
矩形平板ターゲット1のa−b線はロータリ式スパッタリング装置の基板2の回転半径方向を示し、aが内周側を示し、bが外周側を示している。
【0005】
図6は基板の回転半径方向[a−b線]に沿う矩形平板ターゲット1の構成を示し、図7はc−d線に沿う断面図を示す。
矩形平板ターゲット1は、インジウム等のハンダ材によりバッキングプレート4に装着され装置本体に設置される。
矩形平板ターゲット1の裏面には、バッキングプレート4を介してマグネトロン放電用磁気回路5eが矩形平板ターゲット1の表面に閉じた磁力線6を形成するとともに、少なくとも磁力線6の一部が矩形平板ターゲット1の表面で平行になるように配置される。
【0006】
その結果、図8に示すように、矩形平板ターゲット1の表面には、トロイダル型の閉じたトンネル状の磁力線6が発生し、磁界7eが形成される。なお、この図8にはバッキングプレート4の裏面のマグネトロン放電用磁気回路5eは図示していない。
上記のように構成されたロータリ式スパッタリング装置での薄膜形成は、通常は真空槽の内部で行われる。
【0007】
詳しくは、真空槽内を真空ポンプにより高真空(〜10-5〔Pa〕程度)まで排気し、次いでAr等の放電ガスを導入して内部の圧力を10-1〜100〔Pa〕程度に保ち、矩形平板ターゲット1と基板2との間に直流あるいは交流電源により負の電圧を印加して、マグネトロン放電用磁気回路5eのトロイダル型トンネル状磁界7eの周辺でマグネトロン放電を発生させることにより、ターゲット1の矢印Bで示す領域がスパッタされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなロータリ式スパッタリング装置では、基板2が円周上を回転しながらスパッタリングされるため、図9に示すように、基板2の回転半径方向の内周側では膜厚が厚くなり、外周側では膜厚が薄くなってその膜厚に極端な差が生じるという問題がある。
【0009】
このような問題を解決するものとして、例えば、図10に示すように、矩形平板ターゲット1と基板2との間に開口部9が形成された補正板8を設けて、この開口部9の形状を調整することにより基板2の回転半径方向における膜厚の内・外周差を補正する方法が提案されている。
しかしながらこの方法では、補正板8にもスパッタされた物質が付着してダストが発生したり、事後の調整が困難であるという問題がある。
【0010】
また、図11に示すように、矩形平板ターゲット1の裏面に、基板2の内周側の磁界を外周側の磁界よりも弱くするよう磁界を調節したマグネトロン放電用磁気回路5fを配置したものも提案されている。
この方法によると、上記のような膜厚の内・外周差は解消されるものの、図12に示すように、矩形平板ターゲット1の中心から離れるにつれて膜厚が薄くなる傾向が生じるため、膜厚を均一にすることは困難である。
【0011】
本発明は前記問題点を解決し、マグネトロン放電用磁気回路が設けられた矩形平板ターゲットを有するロータリ式スパッタリング装置において、基板の表面に均一な膜厚の薄膜が形成できるスパッタリング方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のスパッタリング方法は、矩形平板ターゲットの裏面に配置されたマグネトロン放電用磁気回路の磁界を調節して成膜することを特徴とする。
この本発明によると、矩形平板ターゲットの裏面に配置されたマグネトロン放電用磁気回路の磁界が制御できるため、基板の表面に膜厚の均一性の良い薄膜を形成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載のスパッタリング方法は、複数の基板を保持するターンテーブルを前記ターンテーブルの中心点を基軸に回転させながら、前記基板に対向して設けられた矩形平板ターゲットと前記ターンテーブルとの間に電圧を印加して前記基板の表面に薄膜を形成するスパッタリング方法であって、前記ターンテーブルの中心点と前記複数の基板の夫々の中心点とが異なり、前記矩形平板ターゲットの裏面とバッキングプレートとの間に複数のマグネトロン放電用磁気回路が配置され、前記複数のマグネトロン放電用磁気回路のうち前記ターンテーブルの略回転半径方向に長径が向いて配置された4つの矩形磁石を、前記バッキングプレートに形成されたスリットに対してスライドさせて前記基板に形成される薄膜の膜厚の内・外周差を補正することを特徴とする。
【0015】
以下、本発明のスパッタリング方法を実施の形態に基づいて説明する。なお、上記従来例を示す図5〜図12と同様をなすものについては、同一の符号を付けて説明する。
(参考例1)
図1と図2は、本発明の(参考例1)を示す。
【0016】
図1はロータリ式スパッタリング装置に使用される矩形平板ターゲット1を示し、基板2に形成される薄膜の膜厚を均一にするために矩形平板ターゲット1に設けられた磁気回路の構成を上記従来例とは異なる構成とした。
詳しくは、図1に示すように、矩形平板ターゲット1の裏面にロータリ式スパッタリング装置の基板2の回転半径方向[a−b線]に沿って2つのマグネトロン放電用磁気回路5a,5bを形成する。a−b線のa側は基板2の回転半径方向の内周側を示し、b側が外周側を示す。
【0017】
2つのマグネトロン放電用磁気回路5a,5bにより、それぞれトロイダル型の閉じたトンネル状の磁界7a,7bが形成され、基板2の回転半径方向の内周側と外周側とで合成磁界を形成するよう構成されている。
このような合成磁界を形成すると、ロータリ式スパッタリング装置を用いて基板2に薄膜を形成する際に、矩形平板ターゲット1のスパッタされる領域を調整できる。
【0018】
図2は、基板2に形成された薄膜の膜厚分布を示す。
実線aはこの(参考例1)におけるロータリ式スパッタリング装置で形成された薄膜の膜厚分布であり、実線bは従来のロータリ式スパッタリング装置で形成された薄膜の膜厚分布である。
この(参考例1)では、上述のように基板の回転半径方向の内周側と外周側との膜厚差を調整するような合成磁界が形成されているため、実線aで示すように、特に矩形平板ターゲット1の中心からの距離が短い地点で膜厚が均一となり、従来よりも膜厚の均一性が改善される。
【0019】
(実施の形態1)
図3と図4は、本発明の(実施の形態1)を示す。
この(実施の形態1)では、マグネトロン放電用磁気回路の一部を可動にした点で異なるが、それ以外の基本的な構成は上記(参考例1)と同様である。
詳しくは、図3に示すように、基板2の半径方向に沿って設けられた2つのマグネトロン放電用磁気回路5c,5dを構成する磁石10a〜10dの両端を、バッキングプレート4に穿設されたスリット11にボルトナット12などを挿入してスリット11に沿ってスライド自在に構成している。
【0020】
このように磁石10a〜10dを可動磁石とすると、磁界7c,7dがそれぞれ個別に調節可能となるため、矩形平板ターゲット1のスパッタされる領域を調節して基板2に形成される薄膜の膜厚の内・外周差を補正しながら成膜できる。また、放電時間によって膜厚分布が変化した場合も、磁界の調整が容易であるため簡便に対応できる。
【0021】
図4は、基板2に形成された薄膜の膜厚分布を示す。
実線cはこの(実施の形態1)におけるロータリ式スパッタリング装置で形成された薄膜の膜厚分布であり、上記(参考例1)における薄膜の膜厚分布よりもさらに膜厚の均一性が向上している。
なお、上記説明では、マグネトロン放電用磁気回路5c,5dを構成する磁石のうち磁石10a〜10dを可動磁石としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、マグネトロン放電用磁気回路5c,5dを構成する磁石の全部あるいは一部を可動磁石とすることができる。
【0022】
なお、上記各実施の形態では、2つのマグネトロン放電用磁気回路を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく3つ以上設けても良い。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明のスパッタリング方法によると、矩形平板ターゲットに設けられた基板の回転半径方向に沿う複数のマグネトロン放電用磁気回路の磁界をそれぞれ個別に調節可能とすることで、より一層均一性の良い薄膜が得られるとともに、放電時間によって膜厚分布が変化した場合も磁気回路の調整により簡便に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(参考例1)におけるマグネトロン放電用磁気回路の構成を
示す図
【図2】本発明の(参考例1)における膜厚分布を示す図
【図3】本発明の(実施の形態1)におけるマグネトロン放電用磁気回路の構
成を示す図
【図4】本発明の(実施の形態1)における膜厚分布を示す図
【図5】従来のロータリ式スパッタリング装置の構成を示す図
【図6】従来のマグネトロン放電用磁気回路の構成を示す図
【図7】図6のc−d線に沿う断面図
【図8】従来のターゲットの構成を示す図
【図9】従来の膜厚分布を示す図
【図10】従来の補正板を用いたロータリ式スパッタリング装置の構成を示す模式図
【図11】従来の別の矩形平板ターゲットの構成を示す図
【図12】従来の別の構成の矩形平板ターゲットを用いた膜厚分布を示す図
【符号の説明】
1 矩形平板ターゲット
2 基板
5a〜5d マグネトロン放電用磁気回路
7a〜7d 磁界
Claims (1)
- 複数の基板を保持するターンテーブルを前記ターンテーブルの中心点を基軸に回転させながら、前記基板に対向して設けられた矩形平板ターゲットと前記ターンテーブルとの間に電圧を印加して前記基板の表面に薄膜を形成するスパッタリング方法であって、
前記ターンテーブルの中心点と前記複数の基板の夫々の中心点とが異なり、前記矩形平板ターゲットの裏面とバッキングプレートとの間に複数のマグネトロン放電用磁気回路が配置され、前記複数のマグネトロン放電用磁気回路の外周を形成する磁石のうち前記ターンテーブルの略回転半径方向に長径が向いて配置された4つの全ての矩形の磁石を、前記バッキングプレートに形成されたスリットに対してスライドさせて前記基板に形成される薄膜の膜厚の内・外周差を補正する
スパッタリング方法。
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