JP4246546B2 - スパッタ源、スパッタリング装置、及びスパッタリング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマグネトロンスパッタリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、成膜対象物である基板の大型化に伴い、スパッタ源も大型のものが要求されるが、ターゲットの大型化は困難であるため、図8に示すように、小型のターゲット115を複数個有するスパッタ源103が考案されている。このスパッタ源103のターゲット115は、同一平面上に並べられ、各ターゲット115の間にアノード電極113が配置されている。
【0003】
各ターゲット115の表面は成膜対象物である基板に向けられ、裏面側には磁界形成装置125がそれぞれ配置されており、スパッタ源103が置かれた真空槽内にスパッタガスを導入し、各アノード電極113を接地電位に置いた状態で、各ターゲット115に同時に電圧を印加すると、磁界形成装置125によって形成される磁界によって電子がターゲットの表面近傍に拘束され、ターゲット115がスパッタされる。
【0004】
しかしながら、このスパッタ源103ではターゲット115の間にアノード電極113を配置するため、アノード電極113の分だけターゲット115間の隙間が大きくなる。
【0005】
基板表面のうち、ターゲット115間の隙間と対向する部分は、ターゲット115と対向する部分に比べてスパッタリング粒子が到達する量が少ないので、ターゲット115間の隙間が大きくなると、基板に形成される膜の膜厚や膜質分布が不均一になる。このように、従来のスパッタ源では、大型の基板に膜厚や膜質分布の均一な膜を形成することが困難であるという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第6,284,106号明細書
【特許文献2】
米国特許第6,093,293号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、大型基板に膜厚分布や膜質分布が均一な薄膜を形成する技術を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、所定角度の回転動作が可能な回転軸と、前記回転軸に対して固定されたカソード電極と、前記カソード電極に取り付けられたターゲットと、前記ターゲットと非接触な状態で前記回転軸に対して固定されたアノード電極とを有し、前記回転動作によって回転軸が所定角度だけ回転すると、前記カソード電極と、前記アノード電極と、前記ターゲットは一緒に回転するように構成されたスパッタ部が複数個配置され、前記各スパッタ部の前記ターゲットから放出されるスパッタリング粒子が同じ成膜対象物の同じ表面に到達するように構成されたスパッタ源であって、前記各ターゲットの裏面側には、対応する前記ターゲットの表面に磁界を形成する磁界形成装置がそれぞれ配置され、前記各磁界形成装置は、対応するターゲットと一緒に回転すると共に、対応する前記ターゲットに対して相対的に移動するように構成されたスパッタ源である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスパッタ源であって、前記各スパッタ部の前記磁界形成装置は、前記回転軸と垂直であって、かつ、対応する前記ターゲットと平行な方向に移動するように構成されたスパッタ源である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスパッタ源と、少なくとも前記スパッタ源の前記各ターゲットを収容する真空槽と、前記真空槽内の前記各ターゲットからスパッタリング粒子が到達する位置に配置されたホルダとを有するスパッタリング装置である。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のスパッタリング装置であって、前記各スパッタ部は、前記ホルダに前記成膜対象物を配置し、前記各スパッタ部の前記ターゲットを前記成膜対象物に対して平行に配置したときに、前記各ターゲットの表面が同じ平面上に位置するように配置されたスパッタリング装置である。
請求項5記載の発明は、複数個のスパッタ部を有し、前記各スパッタ部は、ターゲットと、アノード電極と、カソード電極と、磁界形成装置とを有するスパッタ源を用い、成膜対象物を前記スパッタ源と対向して配置し、前記磁界形成装置によって、対応する前記ターゲットの表面に磁界を形成し、前記アノード電極と前記カソード電極との間に電圧を印加し、前記ターゲットの表面をスパッタリングするスパッタリング方法であって、スパッタリング中に、前記ターゲットを左右方向に所望の周期で所定角度回転させながら、前記磁界形成装置を対応する前記ターゲットに対して相対的に移動させるスパッタリング方法である。
請求項6記載の発明は、請求項5記載のスパッタリング方法であって、前記ターゲットの回転は、前記各ターゲットを同じ周期で同じ角度で一緒に回転させるスパッタリング方法である。
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6のいずれか1項記載のスパッタリング方法であって、前記ターゲットの回転は、前記各ターゲットを前記成膜対象物に対して平行配置した状態で、前記各ターゲットをスパッタリングしたときに、前記各ターゲットから前記成膜対象物に対して垂直に飛び出したスパッタリング粒子が到達しない前記成膜対象物の無効領域に対し、前記各ターゲットを前記アノード電極と前記カソード電極と一緒に回転させ、前記スパッタリング粒子を前記無効領域に到達させるスパッタリング方法である。
請求項8記載の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載のスパッタリング方法であって、前記磁界形成装置の移動は、対応する前記ターゲットに対して前記磁界形成装置を平行な方向に移動させるスパッタリング方法である。
請求項9記載の発明は、請求項5乃至請求項8記載のいずれか1項記載のスパッタリング方法であって、前記磁界形成装置の移動は、前記磁界形成装置が前記アノード電極の真裏に位置しないように移動するスパッタリング方法である。
【0009】
本発明は上記のように構成されており、1つの取付部にカソード電極とアノード電極とが取付られている。従って、カソード電極とアノード電極とは互いに近接しており、各スパッタ部のカソード電極に、アノード電極に対して負の高電圧や交流電圧を印加すると、各カソード電極上に配置されたターゲットの表面に均一なプラズマが形成されるようになっている。
【0010】
各スパッタ部のカソード電極上に同じ材料で構成されたターゲットを配置し、各スパッタ部のカソード電極に同じ極性、同じ大きさの電圧を印加すると、ターゲットのスパッタリング速度は、各スパッタ部で同一になる。
【0011】
スパッタ源上に、各ターゲットよりも大口径の基板を配置したときに、各ターゲットを基板表面に対して傾くように所定角度回転させると、ターゲットから垂直に飛び出すスパッタリング粒子が到達する領域が移動する。従って、スパッタリング中に、前記ターゲットを左右方向に回転させれば、成膜対象物の無効領域にもターゲット表面から垂直に飛び出すスパッタリング粒子を入射することができる。
【0012】
各ターゲットを一緒に同じ回転速度で同じ周期で左右方向に回転させれば、各ターゲット間の間隔が狭い場合であっても、回転によりスパッタ部同士が衝突することがない。
【0013】
ターゲットとターゲット間の距離であるターゲット間隔が大きい場合、ターゲットが回転する角度を大きくすれば、基板表面のより広い領域にスパッタリング粒子を垂直に入射させることができる。
【0014】
各ターゲットの裏面側に配置された磁界形成装置は、各ターゲットに対して相対的に移動しながらスパッタリングが行われるようになっており、その結果、ターゲットの広い領域がスパッタリングされ、ターゲットの使用効率が向上する。
【0015】
更に、各磁界形成装置が、ターゲットに対して相対移動し、且つ、成膜対象の基板に対しても所定角度だけ回転するようにすると、磁界形成装置によって形成される磁界が、基板に対しても回転するので、その結果、基板表面に形成される薄膜の膜厚分布や膜質分布がより一層均一になる。
【0016】
各磁界形成装置は、アノード電極の真裏に位置しないように、アノード電極とアノード電極の間の範囲で移動するため、アノード電極表面に強磁界が形成されない。従って、スパッタリング中に形成されるプラズマが不安定にならず、また、アノード電極がスパッタされないため、基板に形成される膜に不純物が混じらない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。図1の符号1は本発明のスパッタ源を用いたスパッタリング装置を示している。
【0018】
このスパッタリング装置1は、真空槽2と、スパッタ源3とを有している。スパッタ源3は複数のスパッタ部30を有しており、各スパッタ部30は取付部31と回転軸41とを有している。
【0019】
図2は図1とは垂直な側面方向から見たスパッタリング装置1の断面図である。各回転軸41は棒状であって、真空槽2の内部にそれぞれ気密に挿通されており、回転軸41の長手方向の中央部分は真空槽2内部に位置し、その両端部分は真空槽2の互いに対向する側面から外部に導出されている。
【0020】
各スパッタ部30は同じ構成を有しているので、1つのスパッタ部30を例にとって説明すると、取付部31は真空槽2の内部で回転軸41の長手方向の中央部分に固定されている。
【0021】
図3に示すように、取付部31上には長方形のカソード電極33が固定されている。カソード電極33の幅方向の両端には、その長辺に沿って細長のアノード電極36がそれぞれ配置されており、各アノード電極36の両端には細長の補助電極34が接続され、四角形のリング状電極39が構成されている。
【0022】
カソード電極33上には、カソード電極33よりも小さい長方形のターゲット35がカソード電極33の端部からはみ出さないように固定されている。上述したように、カソード電極33とアノード電極36はそれぞれ取付部31に固定されており、取付部31は回転軸41に固定されているので、ターゲット35とカソード電極33と、アノード電極36は、それぞれ回転軸41に対して固定されている。
【0023】
ターゲット35の片面はカソード電極33の表面に密着しており、また、カソード電極33とターゲット35はそれぞれリング状電極39とは非接触であるので、アノード電極36とカソード電極33に異なる電圧を印加可能になっている。
【0024】
ターゲット35の真空槽2内部に向けられた面を表面とし、ターゲット35の表面とは反対側の面であって、カソード電極33の表面に密着した側の面を裏面とすると、ターゲット35の裏面側には、カソード電極33を間に挟んで、細長の永久磁石で構成された磁界形成装置32がターゲット35の長手方向に沿って配置されており、この磁界形成装置32によってターゲット35表面の所定範囲に強磁界が形成されるようになっている。
【0025】
磁界形成装置32は不図示の移動装置に接続されており、移動装置を動作させると、磁界形成装置32がターゲット35の表面と平行であって、ターゲット35の幅方向に移動するように構成されている。各ターゲット35は、その長手方向が回転軸41と平行になるように配置されているので、磁界形成装置32は、結局、回転軸41と垂直な方向に移動することになる。
【0026】
磁界形成装置32の幅はターゲット35の幅よりも小さくなっているので、磁界形成装置32が移動すると、ターゲット35の表面に形成される強磁界が幅方向に移動するようになっている。
【0027】
真空槽2内には基板(成膜対象物)を保持可能な基板ホルダ7が配置されている。基板ホルダ7に保持された基板の表面に対し、各ターゲット35の表面が平行になる状態を初期状態とすると、各スパッタ部30は、初期状態では各ターゲット35が所定間隔を空けて平行配置され、かつ、各ターゲット35の表面がそれぞれ同じ平面上に位置するように配置されている。
【0028】
図4は初期状態の各スパッタ部30の位置関係を示す平面図であり、スパッタ部30とスパッタ部30との間の間隔は、初期状態から各ターゲット35を一緒に同じ速度で所定角度回転させたときに、互いの回転を妨げないようになっている。
【0029】
次に、このスパッタリング装置1を用いて成膜対象物に膜を形成する工程について説明する。真空槽2には真空排気系9とスパッタガス供給系8が接続されており、真空排気系9を動作させ、真空槽2内部に真空雰囲気を形成した後、該真空雰囲気を維持したまま、基板を真空槽2内に搬入し基板ホルダ7に保持させる。図1、2は基板10を基板ホルダ7に保持させた状態を示している。
【0030】
次いで、スパッタガス供給系8からスパッタガスであるアルゴン(Ar)ガスを真空槽2内部に導入し、真空槽2内部に所定圧力の成膜雰囲気を形成する。このスパッタリング装置1では、各アノード電極36と、真空槽2はそれぞれ接地電位に置かれており、真空槽2内部の成膜雰囲気を維持したまま、各カソード電極33に同じ大きさの負電圧を印加すると、各ターゲット35の表面がスパッタリングされ、各スパッタ部30から真空槽2内部にスパッタリング粒子が放出される。
【0031】
ターゲット35がスパッタリングされるときには、基板10は移動しておらず、同じ位置で基板ホルダ7に保持されているが、各スパッタ部30の回転軸41は、各ターゲット35が初期状態から一緒に同じ周期で左右方向に所定角度だけ傾くように回転している。
【0032】
図5(a)〜(c)は各ターゲット35を左右方向に傾けた状態を示しており、図5(a)は各ターゲット35を初期状態から図の右方向に傾けた状態を示し、図5(c)は各ターゲット35を初期状態から図の左方向に傾けた状態を示し、図5(b)右方向に傾けた状態と、左方向に傾けた状態の中間の状態である初期状態を示している。
【0033】
図5(a)〜(c)の符号αは初期状態のターゲット35の表面から垂直に飛び出すスパッタリング粒子が到達しない無効領域を示しており、ターゲット35が初期状態から傾けられたときにには、無効領域αにターゲット35の表面から垂直に飛び出すスパッタリング粒子が入射し、またターゲット35が逆方向に傾けられると、同じ無効領域αに隣接するターゲット35から垂直に飛び出すスパッタリング粒子が入射する。
【0034】
このように、本発明によればターゲット35の表面から垂直に飛び出す粒子が無効領域αにも入射するので、結果としてターゲット35の表面には膜厚分布や膜質分布の均一な膜が形成される。
【0035】
また、磁界形成装置32は回転軸41の回転に伴って、アノード電極36と、カソード電極33と、ターゲット35と一緒に所定角度だけ同じ周期で回転するように構成されており、磁界形成装置32の回転によって強磁界が形成される領域が基板10に対して移動するので、成膜される膜の膜厚や膜質の分布がより一層均一になる。
【0036】
スパッタリング中に磁界形成装置32をターゲット35に対して移動させておけば、ターゲット35の広い領域がスパッタリングされるので、ターゲット35の使用効率が高くなる。
【0037】
次に、ターゲット35の回転移動量について説明する。図6(b)は各ターゲット35が初期状態に置かれたときを示している。ここでは、初期状態ではターゲット35とターゲット35との間隔(ターゲット間隔)はそれぞれ同じであり、かつ、各ターゲット35の表面から基板10表面までの距離(ターゲット−基板距離)がそれぞれ同じになっている。図6(b)の符号Aは初期状態での、ターゲット間隔を示し、符号Bは初期状態でのターゲット−基板距離を示している。
【0038】
図6(a)、(c)はそれぞれ各ターゲット35が基板10に対して、初期状態からTan-1(A/B)の角度θだけ左右方向に傾いた場合を示しており、各ターゲット35が基板10に対してTan-1(A/B)以上の角度で傾けば、無効領域α全てに、ターゲット35表面から垂直に飛び出すスパッタリング粒子が入射することになる。
【0039】
以上は、初期状態では、全てのターゲット35の表面が基板10に対して平行に配置された場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図7の符号50は、上述したスパッタ源3の、アノード電極36の幅方向の両端に、他のスパッタ部60が一つずつ配置されて構成されたスパッタ源を示している。
【0040】
両端に配置されたスパッタ部60を第二のスパッタ部60とすると、第二のスパッタ部60では、ターゲット65が他のスパッタ部30のターゲット35の長手方向に沿って配置されており、各スパッタ部30、60の間隔は、第二のスパッタ部60のターゲット65を、他のスパッタ部30のターゲットと同じ周期で一緒に所定角度だけ回転させたときに、スパッタ部30、60が互いの回転動作を妨害しないようになっている。
【0041】
第二のスパッタ部60のターゲット65表面は、初期状態では基板10に対して傾いており、第二のスパッタ部60によって基板10の表面端部に到達するスパッタリング粒子の量が補われるので、基板10の表面には膜厚分布が均一な膜が形成される。スパッタリング中に、第二のスパッタ部60の磁界形成装置62をターゲット65に対して移動させれば、ターゲット65の消費効率が高くなり、更に、磁界形成装置62をターゲット65と一緒に回転させ、磁界形成装置62により形成される強磁界を基板10に対しても移動させれば、成膜される膜の膜厚分布がより一層均一になる。
【0042】
以上は、基板10を静止させた状態でスパッタリングを行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、基板10を水平面内で回転させながらスパッタリングする場合も本発明には含まれる。
【0043】
さらに、アノード電極の位置、形状、電位等を適宜変化させて膜厚、膜質分布を調整することも可能である。また、各カソード電極33にそれぞれ異なる大きさの電圧を印加し、スパッタリングを行うことも可能である。
【0044】
スパッタガスの種類はアルゴンガスに限定されず、キセノン(Xe)ガス、クリプトン(Kr)ガス等種々のものを用いることができる。また、スパッタガスと一緒に酸素(O2)ガスのような反応ガスを真空槽2内に供給しながらスパッタリングを行うこともできる。磁界形成装置32、62は永久磁石で構成される場合に限定されず、磁界形成装置を1又は2以上の電磁石で構成することもできる。
【0045】
また、各ターゲット35でのターゲット−基板距離は同じであり、かつ、ターゲット35とターゲット35との間の間隔が等しい場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。各ターゲット35におけるターゲット−基板距離や、ターゲット35とターゲット35との間隔が不均一な場合は、各無効領域αに、ターゲット35表面から垂直に飛び出すスパッタリング粒子が到達するように、各ターゲット35の左右方向の回転角度をそれぞれ変えればよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、スパッタリング中にターゲットが基板に対して左右方向に所定角度回転させるので、基板の広い領域に、ターゲット表面から垂直に飛び出すスパッタリング粒子が入射することになり、成膜される膜の膜厚分布や膜質分布が均一になる。また、スパッタリング中に、ターゲットと一緒に磁界形成装置も回転し、磁界形成装置によって形成される強磁界が基板に対して移動するので、膜の膜厚分布が一層均一になる。スパッタリング中に磁界形成装置をターゲットに対しても移動させれば、ターゲットの消費効率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置の一例を説明する断面図
【図2】図1とは垂直な側面方向から見たスパッタリング装置の断面図
【図3】アノード電極とターゲットの位置関係を説明する平面図
【図4】ターゲット同士の位置関係を説明する平面図
【図5】(a)〜(c):ターゲットの回転動作を説明する断面図
【図6】(a)〜(c):ターゲットの回転角度を説明する断面図
【図7】本発明の他のスパッタ源を説明する断面図
【図8】従来技術のスパッタ源を説明する断面図
【符号の説明】
1……スパッタリング装置 2……真空槽 3……スパッタ源 7……基板ホルダ 10……基板(成膜対象物) 30……スパッタ部 32……磁界形成装置 33……カソード電極 35……ターゲット 41……回転軸
Claims (9)
- 所定角度の回転動作が可能な回転軸と、
前記回転軸に対して固定されたカソード電極と、前記カソード電極に取り付けられたターゲットと、前記ターゲットと非接触な状態で前記回転軸に対して固定されたアノード電極とを有し、
前記回転動作によって回転軸が所定角度だけ回転すると、前記カソード電極と、前記アノード電極と、前記ターゲットは一緒に回転するように構成されたスパッタ部が複数個配置され、
前記各スパッタ部の前記ターゲットから放出されるスパッタリング粒子が同じ成膜対象物の同じ表面に到達するように構成されたスパッタ源であって、
前記各ターゲットの裏面側には、対応する前記ターゲットの表面に磁界を形成する磁界形成装置がそれぞれ配置され、
前記各磁界形成装置は、対応するターゲットと一緒に回転すると共に、対応する前記ターゲットに対して相対的に移動するように構成されたスパッタ源 - 前記各スパッタ部の前記磁界形成装置は、前記回転軸と垂直であって、かつ、対応する前記ターゲットと平行な方向に移動するように構成された請求項1記載のスパッタ源。
- 請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスパッタ源と、
少なくとも前記スパッタ源の前記各ターゲットを収容する真空槽と、
前記真空槽内の前記各ターゲットからスパッタリング粒子が到達する位置に配置されたホルダとを有するスパッタリング装置。 - 前記各スパッタ部は、前記ホルダに前記成膜対象物を配置し、前記各スパッタ部の前記ターゲットを前記成膜対象物に対して平行に配置したときに、前記各ターゲットの表面が同じ平面上に位置するように配置された請求項3記載のスパッタリング装置。
- 複数個のスパッタ部を有し、前記各スパッタ部は、ターゲットと、アノード電極と、カソード電極と、磁界形成装置とを有するスパッタ源を用い、
成膜対象物を前記スパッタ源と対向して配置し、
前記磁界形成装置によって、対応する前記ターゲットの表面に磁界を形成し、前記アノード電極と前記カソード電極との間に電圧を印加し、前記ターゲットの表面をスパッタリングするスパッタリング方法であって、
スパッタリング中に、前記ターゲットを左右方向に所望の周期で所定角度回転させながら、
前記磁界形成装置を対応する前記ターゲットに対して相対的に移動させるスパッタリング方法。 - 前記ターゲットの回転は、前記各ターゲットを同じ周期で同じ角度で一緒に回転させる請求項5記載のスパッタリング方法。
- 前記ターゲットの回転は、前記各ターゲットを前記成膜対象物に対して平行配置した状態で、前記各ターゲットをスパッタリングしたときに、前記各ターゲットから前記成膜対象物に対して垂直に飛び出したスパッタリング粒子が到達しない前記成膜対象物の無効領域に対し、
前記各ターゲットを前記アノード電極と前記カソード電極と一緒に回転させ、前記スパッタリング粒子を前記無効領域に到達させる請求項5又は請求項6のいずれか1項記載のスパッタリング方法。 - 前記磁界形成装置の移動は、対応する前記ターゲットに対して前記磁界形成装置を平行な方向に移動させる請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載のスパッタリング方法。
- 前記磁界形成装置の移動は、前記磁界形成装置が前記アノード電極の真裏に位置しないように移動する請求項5乃至請求項8のいずれか1項記載のスパッタリング方法。
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