JP2001026779A - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置

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JP2001026779A
JP2001026779A JP11203643A JP20364399A JP2001026779A JP 2001026779 A JP2001026779 A JP 2001026779A JP 11203643 A JP11203643 A JP 11203643A JP 20364399 A JP20364399 A JP 20364399A JP 2001026779 A JP2001026779 A JP 2001026779A
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liquid crystal
compounds
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compound
crystal component
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JP11203643A
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Kiyobumi Takeuchi
清文 竹内
Masakazu Kanechika
昌和 金親
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相溶性の改善、低温保存の向上等により液晶
表示特性の動作温度範囲を拡大し、駆動電圧の低減及び
その温度変化を改善し、所定の駆動電圧に対し比較的速
い応答性を達成するあるいは改善し、MIMあるいはTFT-L
CDやSTN-LCDの種々の表示特性を改良する。 【解決手段】 液晶組成物が、デカリン環、ナフタレン
環を有する一般式(I-1)〜(I-6)の化合物を含有した
ことを特徴とするネマチック液晶組成物及びこれを用い
た液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学的表示材
料として有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた
液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の代表的なものにTN-LCD
(ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子)があり、
時計、電卓、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータなどに使用されて
いる。一方、OA機器の処理情報の増加に伴い、シェフ
ァー(Scheffer)等[SID '85 Digest, p.120 1985
年]、衣川等[SID '86 Digest, p.122 1986年]によっ
て、STN(スーパー・ツイスティッド・ネマチック)−L
CDが開発され、携帯端末、電子手帳、ポケットコンピュ
ータ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、あ
るいはモニター表示などの高情報処理用の表示に広く普
及しはじめている。
【0003】最近、STN-LCDの応答特性改善を目的にア
クティブアドレッシング駆動方式[Proc.12th IDRC p.5
03 1992年]やマルチラインアドレッシング駆動方式[S
ID'92Digest, p.232 1992年]が提案されている。ま
た、より明るい表示やより高いコントラスト比を達成す
る目的で、カラーフィルター層の代わりに、液晶と位相
差板の複屈折性を利用した新規反射型カラー液晶表示方
式[テレビジョン学会技術報告 vol.14 No10.p.51 1990
年]や基板電極側に小さな放物面を施した反射面有した
液晶表示装置が提案されている。
【0004】特に、表示面積の大型化の用途では、バッ
クライトの温度分布に対する表示の均一性や高コントラ
ストが求められており、より安定な配向性やより温度依
存性の小さい液晶材料が、あるいはセル厚のばらつきを
押さえるために所定の値に対応した複屈折率が求められ
ている。また、画素数の増加により高いデューティー駆
動が行われているため、これに対応した応答性、階調性
等も重視されている。一方、中小型の携帯用表示では、
使用環境温度に対する表示の安定性が重要なポイントと
なっており、応答性や消費電力を低減できるより低い駆
動電圧の液晶材料、あるいは−30〜0℃や40〜80
℃の温度域での駆動電圧の温度依存性が小さいことや高
い急峻性を必要としたり、この温度域において所望のデ
ューティー駆動に対応した周波数依存性等がより小さい
こと等が求められている。更に、液晶の電気的抵抗(比
抵抗)は、消費電力を少なくするために低すぎることは
避ける必要があるものの、焼き付き現象を無くすために
高くなり過ぎないように所定の値にすることが求められ
ている。この様に現在も、より詳細に差別化され少しで
も改良された液晶材料が要望されている。
【0005】これに適した液晶材料として、複屈折率、
弾性定数、誘電率異方性、より低い粘性、より広いネマ
チック温度、化学的な安定性、電気的な安定性(所望の
比抵抗、電圧保持率)等の物性特性や、配向性に関わる
所定のプレチルト角、より広いd/pマージン等の個々
の特性を総合的に最適化したものが必要とされており、
現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の提案が要
求されている。
【0006】更に、その表示品質が優れていることか
ら、アクティブ・マトリクス形液晶表示装置が携帯端
末、液晶テレビ、プロジェクター、コンピューター等の
市場に出されている。アクティブ・マトリクス表示方式
は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)あるいはMIM(メ
タル・インシュレータ・メタル)等が使われており、こ
の方式には高電圧保持率であることが重要視されてい
る。また、更に広い視角特性を得るためにIPSモードと
組み合わせたスーパーTFT[Asia Display '95 Diges
t, p.707 1995年]が近藤等によって提案されている。
(以下、これらアクティブ・マトリクス表示方式の液晶
表示素子を総称してTFT-LCDと呼称する)この様な表示
素子に対応するために、現在も新しい液晶化合物あるい
は液晶組成物、例えば特開平2−233626号公報、
特公表4−501575号公報等の提案がなされてい
る。
【0007】最近注目されているポリシリコンの技術を
用いたTFT-LCDに対応すべき液晶材料として、電圧保持
率ではより高い特性であることも含めて汚れに強い液晶
材料、より低い駆動電圧でより速い応答性を示す液晶材
料、複屈折率が0.06〜0.15を有する液晶材料が
要求されている。また、歩留まりの向上を目的として表
示欠陥の発生がより少ない液晶材料、より高いプレチル
ト角を安定して示すことができる液晶材料等、求められ
ている要求は更に差別化が進んでいる。
【0008】以上詳述してきたように、液晶表示素子に
対する要求は、より精細で高密度の表示容量、駆動電圧
や環境温度に対してより速い応答速度、化学的電気的に
高い安定性を有したより低い駆動電圧、より高い階調
性、使用環境温度や視野角に対しより高いコントラスト
等が揚げられる。このために、広い温度範囲でネマチッ
ク性を有し、低温保存で長期間ネマチック相を維持し、
応答性を改善できるより低い粘性で、所望の駆動電圧、
特により低い駆動電圧が達成可能な液晶材料の開発研究
が現在も行われている。また、複屈折率、誘電率異方
性、弾性定数の設計及びこれらの温度依存性、複屈折率
の光波長依存性やデューティー数に対応した誘電率異方
性の周波数依存性等も改良手段として注目されている。
【0009】本発明の一般式(I-1)〜(I-3)に関連す
る化合物として、下記一般式(a1-1)〜(a1-15)の化
合物の記載が認められる。、例えば一般式(a1-1)では
Mol.Cryst.Liq.Cryst. vol.37 p.249(1976)、一般式(a
1-2)〜(a1-4)ではHelveticaChimica Acta vol.64 Fas
c.6 p.1847(1985)-Nr.176、Helvetica Chimica Acta vo
l.68 p.1406(1985)、Mol.Cryst.Liq.Cryst. vol.206 p.
187(1991)、Liq.Cryst.vol.15 p.123(1993)、一般式(a
1-5)では特開昭61−282345(1986)、一般式(a
1-6)〜(a1-10)ではHelvetica Chimica Acta vol.68 p.
1406(1985)、特表平4−504571(1992)、特許第2
667577号、米国特許第5252253(1993)、英
国特許公開2244710A(1992)、欧州特許第453
503B1(1995)、一般式(a1-11)ではMol.Cryst.Liq.
Cryst. vol.206 p.187(1991)、Liq.Cryst. vol.15 p.12
3(1993)、特開平1−160924(1989)、独国特許3
837208A(1989)、米国特許第5084204A(1
992)、一般式(a1-12)では特開平1−160924(19
89)、独国特許3837208A(1989)、米国特許第5
084204A(1992)、Mol.Cryst.Liq.Cryst. vol.261
p.79(1995)、一般式(a1-13)〜(a1-15)では英国特許
2271771A(1994)等に認められる。一般式(a1-1
6)ではMol.Cryst.Liq.Cryst. vol.206 p.187(1991)、L
iq.Cryst.vol.15 p.123(1993)、特開平1−16092
4(1989)、独国特許3837208A(1989)、米国特許
第5084204A(1992)、Mol.Cryst.Liq.Cryst. vo
l.37p.249(1976)等に認められる。
【0010】
【化4】 (式中、R0はアルキル基、アルコキシ基等、X0はC
N、F等、L0はF等、Z 0は単結合等、環D0はシクロへ
キシレン等、k0、m、nは0、自然数を表す。)
【0011】しかしながら、例えば特開平1−1609
24(1989)、独国特許第3837208A(1998)、英国
特許第2271771A(1994)の特許は不成立になって
いるなど、一般式(a1-1)〜(a1-16)の化合物に関わ
る技術はほとんど知られていない。詳述すると、化合物
においては一般式(a1-1)〜(a1-12)の化合物の相転
移温度、この中の極一部の化合物、具体的には、(a1-1)
の化合物の誘電率異方性、(a1-2)、(a1-3)の化合物の複
屈折率、(a1-5)の化合物の複屈折率、誘電率異方性、(a
1-11)の化合物の複屈折率、(a1-12)の複屈折率、誘電率
異方性又は転移エンタルピーが報告されているのみであ
り、弾性定数や粘性については知られていない。また、
一般的な利点の記述が見られるものの、一方では例え
ば、一般式(a1-2)、(a1-3)の化合物の粘性が不利である
ことがLiq.Cryst. vol.15 p.123(1993)に、一般式(a1-1
2)の化合物の液晶性が狭いことがMol.Cryst.Liq.Cryst.
vol.261 p.79(1995)に、一般式(a1-11)、(a1-12)の化
合物により液晶混合物の誘電率異方性を負にさせること
が特開平1−160924(1989)に記載されており、そ
の物性が相反する等定まっておらず、当業者が容易に使
用できる程度の技術的報告から程遠いものと言わざるを
得ない状況である。更に、組成物においては、一般式
(a1-2)〜(a1-4)の化合物に対し一般式(a1-19)と
の組み合わせ、一般式(a1-5)の化合物に対し一般式
(a1-18)との組み合わせ、一般式(a1-6)〜(a1-10)
の化合物に対し一般式(a1-17)〜(a1-19)との組み合わ
せ、一般式(a1-16)の化合物に対し一般式(a1-20)〜
(a1-24)の化合物との組み合わせ等の一般的な化合物
の組み合わせの記述がみられるが、その具体的な実施例
はほとんど見いだされない。従って、更にまた、液晶組
成物を用いた応用例、例えば液晶表示素子や装置に関す
る具体例は見いだされない。
【0012】本発明の一般式(I-4)〜(I-6)に関連す
る化合物として、下記一般式(a2-1)〜(a2-2)の化合
物の記載が、例えば一般式(a2-1)では特開昭57−1
309291(1982)、独国特許3150312A(198
2)、米国特許第4432885A(1984)、英国特許20
90593A(1982)、一般式(a2-2)では独国特許15
6258A(1982)、米国特許第4391731A(198
3)、特開昭57−54130(1982)等に認められる。
【0013】
【化5】 (式中、R0はアルキル基等を表す。)
【0014】しかしこれらの技術の記載は、現在求めら
れている要求特性に関わることが示されていない。化合
物あるいは組成物における知見は、液晶相の温度範囲程
度であり、誘電率異方性、複屈折率、弾性定数や粘性に
ついては知られていない。また、一般的な利点の記述が
見られるものの、当業者が容易に使用できる程度のSTN-
LCDやTFT-LCDに関わる技術的知見は無いものと言わざる
を得ない状況である。更に、組成物においては、例えば
特公表4−502781(1992)、WO91−05029
(1991)、米国特許第5487845に一般的な記述がみ
られるが、その具体的な実施例はほとんど見いだされな
い。従って、更にまた、液晶組成物を用いた応用例、例
えば液晶表示素子や装置に関する具体例もほとんど見い
だされない。
【0015】本発明は、液晶組成物が、一般式(I-1)
〜(I-6)のうち二つ又は三つ以上の一般式から選ばれ
る化合物で構成されたことを一つ特徴としている。この
様なネマチック液晶組成物は未だ知られていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液晶組成物
が、一般式(I-1)〜(I-6)のうち二つ又は三つ以上の
一般式から選ばれる化合物からなる液晶成分Aを含有し
たネマチック液晶組成物、より詳しくは、縮合環を有し
た化合物、具体的には、ナフタレン−2,6−ジイル
環、1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−2,
6−ジイル環及びデカハイドロナフタレン−2,6−ジ
イル環を有した化合物、及びこれらの環中のいずれかに
置換基を有した化合物を含有する新規なネマチック液晶
組成物により、更にまた一般式(I-1)〜(I-6)以外の
化合物と組み合わせることにより、上述のような液晶材
料に対する要望を解決あるいは少しでも改善しようとす
るものであり、これにより上述のような液晶表示素子の
特性を改善することにある。詳しくは、相溶性の改善、
低温保存の向上等により液晶表示特性の動作温度範囲を
拡大し、駆動電圧の低減及びその温度変化を改善し、所
定の駆動電圧に対し比較的速い応答性を達成するあるい
は改善することにある。特に高精細のTFT-LCDにおいて
は、より高いコントラストを得るために飽和電圧が3V以
下あるいは2.5V以下というように、より低い特性が求め
られており、本発明はこれに応えるものである。また、
所望の複屈折率を有する液晶材料によりMIMあるいはTFT
-LCDやSTN-LCDの種々の表示特性を改良することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、液晶組成物が、下記に示す一般式(I-1)
〜(I-6)のうち二つ又は三つ以上の一般式から選ばれ
る化合物からなる液晶成分Aを含有し、
【化6】 (式中、ナフタレン−2,6−ジイル環中に存在する1
個又は2個以上のCH基がNで置換されていてもよく、
デカハイドロナフタレン−2,6−ジイル環中に存在す
る1個又は2個以上の−CH2−基が−CF2−で置換さ
れていてもよく、該環中に存在する1個又は2個以上の
−CH2−CH2−基が−CH2−O−、−CH=CH
−、−CH=CF−、−CF=CF−、−CH=N−又
は−CF=N−で置換されていてもよく、該環中に存在
する1個又は2個以上の>CH−CH2−基が>CH2
O−、>C=CH−、>C=CF−、>C=N−又は>
N−CH2−で置換されていてもよく、該環中に存在す
る>CH−CH<基が>CH−CF<、>CF−CF<
又は>C=C<で置換されていてもよく、非置換又は置
換された該環中の少なくとも1個のCがSiと置換され
ていてもよく、R1は各々独立的に炭素原子数1〜10
のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルケニル基を
表し、該アルキル基又は該アルケニル基は非置換又は置
換基として1個又は2個以上のF、Cl、CN、CH3
又はCF3を有することができ、該アルキル基又は該ア
ルケニル基中に存在する1個又は2個以上のCH2
は、O原子が相互に直接結合しないものとして、O、C
O又はCOOで置換されていてもよく、Q1は各々独立
的にF、Cl、CF3、OCF3、OCF2H、OCF
2、NCS又はCNを表し、X1〜X2は各々独立的に
F、Cl、CF3、OCF3又はCNを表し、W1〜W6
各々独立的にH、F、Cl、CF3、OCF3又はCNを
表し、W4はまた各々独立的にCH3を表し、K1〜K3
各々独立的に単結合、−COO−、−OCO−、−CH
2O−、−OCH2−、−CH=CH−、−CF=CF
−、−C≡C−、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−CH
=CH−(CH2)2−、−(CH2)2−CH=CH−、−C
H=N−、−CH=N−N=CH−又は−N(O)=N−
を表し、環A1〜A2は各々独立的に1,4−フェニレ
ン、2又は3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3
−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレン、2又は3−クロロ−1,4−
フェニレン、2,3−ジクロロ−1,4−フェニレン、
3,5−ジクロロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−
2,5−ジイル、トランス−1,4−シクロへキシレ
ン、トランス−1,4−シクロへキセニレン、トランス
−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、トランス−1
−シラ−1,4−シクロヘキシレン、トランス−4−シ
ラ−1,4−シクロヘキシレン、ナフタレン−2,6−
ジイル、1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−
2,6−ジイル又はデカハイドロナフタレン−2,6−
ジイルを表し、ナフタレン−2,6−ジイル及び1,
2,3,4−テトラハイドロナフタレン−2,6−ジイ
ルは非置換又は置換基として1個又は2個以上のF、C
l、CF3、OCF3又はCH3を有することができ、ナ
フタレン−2,6−ジイル環、デカハイドロナフタレン
−2,6−ジイル環、側鎖基R1、極性基Q1、連結基K
1〜K3及び環A1〜A2に存在する1個又は2個以上の水
素原子は重水素原子と置換されていても良く、k1〜k2
は各々独立的に0又は1を表し、k1+k2は0、1又は
2であり、前記一般式(I-1)〜(I-6)の化合物を構成
する原子はその同位体原子で置換されていても良い。) 前記一般式(I-1)〜(I-6)の化合物を除く液晶成分と
して、+2以上の誘電率異方性を有する化合物からなる
液晶成分Bを0〜99.9重量%含有し、−10〜+2
の誘電率異方性を有する化合物からなる液晶成分Cを0
〜85重量%含有し、該液晶成分Bと該液晶成分Cの総
和が0〜99.9重量%であることを特徴とするネマチ
ック液晶組成物を提供する。
【0018】本発明に関わる液晶成分Bは、一般式(II
-1)〜(II-4)
【化7】 (式中、R1、Q1、W1〜W4は前項記載と同じであり、
1、Y2は各々独立的にH、F、Cl又はOCF3を表
し、VはCH又はNを表し、P1〜P3は各々独立的に単
結合、−COO−、−OCO−、−CH2O−、−OC
2−、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−CH=CH−
(CH2)2−、−(CH 2)2−CH=CH−、−CH=N
−、−CH=N−N=CH−又は−N(O)=N−を表
し、P1、P3はまた各々独立的に−CH=CH−、−C
F=CF−又は−C≡C−であってもよく、環B1〜B3
は各々独立的にトランス−1,4−シクロへキシレン、
トランス−1,4−シクロへキセニレン、トランス−
1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、トランス−1−
シラ−1,4−シクロヘキシレン又はトランス−4−シ
ラ−1,4−シクロヘキシレンを表し、環B3はまた
1,4−フェニレン、2又は3−フルオロ−1,4−フ
ェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、
2又は3−クロロ−1,4−フェニレン、2,3−ジク
ロロ−1,4−フェニレン、3,5−ジクロロ−1,4
−フェニレンであってもよく、側鎖基R1、極性基Q1
連結基P1〜P3及び環B1〜B3に存在する1個又は2個
以上の水素原子は重水素原子と置換されていても良く、
1〜p3は各々独立的に0又は1を表し、p2+p3は0
又は1であり、一般式(II-1)〜(II-4)の化合物を構
成する原子はその同位体原子で置換されていても良
い。)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種又
は2種以上含有することができる。
【0019】また、液晶成分Cが、一般式(III-1)〜
(III-4)
【化8】 (式中、W1〜W3は前項記載と同じであり、R2、R3
各々独立的に炭素原子数1〜10のアルキル基、アルコ
キシ基又は炭素原子数2〜10のアルケニル基、アルケ
ニルオキシ基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基、
該アルケニル基又は該アルケニルオキシ基は非置換又は
置換基として1個又は2個以上のF、Cl、CN、CH
3又はCF3を有することができ、及び又は該アルキル
基、該アルコキシ基、該アルケニル基又は該アルケニル
オキシ基中に存在する1個又は2個以上のCH2基は、
O原子が相互に直接結合しないものとして、O、CO又
はCOOで置換されていてもよく、Z1〜Z3は各々独立
的にH、F、Cl、CF3、OCF3又はCNを表し、Z
3はまた各々独立的に−CH3であってもよく、M1〜M3
は各々独立的に単結合、−COO−、−OCO−、−C
2O−、−OCH2−、−(CH2)2−、−(CH2)4−、
−CH=CH−(CH2)2−、−(CH 2)2−CH=CH
−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−又は−N
(O)=N−を表し、M1、M3はまた各々独立的に−CH
=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−であってもよ
く、環C1〜C3は各々独立的にトランス−1,4−シク
ロへキシレン、トランス−1,4−シクロへキセニレ
ン、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、
トランス−1−シラ−1,4−シクロヘキシレン、トラ
ンス−4−シラ−1,4−シクロヘキシレン、ナフタレ
ン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラハイドロ
ナフタレン−2,6−ジイル又はデカハイドロナフタレ
ン−2,6−ジイルを表し、ナフタレン−2,6−ジイ
ル及び1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−
2,6−ジイルは非置換又は置換基として1個又は2個
のF、Cl、CF3、OCF3又はCH3を有することが
でき、環C1、C3はまた1,4−フェニレン、2又は3
−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ
−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−
フェニレン、2又は3−クロロ−1,4−フェニレン、
2,3−ジクロロ−1,4−フェニレン、3,5−ジク
ロロ−1,4−フェニレンであってもよく、側鎖基
2、R3、連結基M1〜M3及び環C1〜C3に存在する1
個又は2個以上の水素原子は重水素原子と置換されてい
ても良く、m1〜m3は各々独立的に0又は1を表し、m
2+m3は0又は1であり、前記一般式(III-1)〜(III
-4)の化合物を構成する原子はその同位体原子で置換さ
れていても良い。)で表される化合物群から選ばれる化
合物を含有することができる。
【0020】更に、本発明は上記のネマチック液晶組成
物を用いたアクティブ・マトリクス、ツイスティッド・
ネマチック又はスーパー・ツイスティッド・ネマチック
液晶表示装置を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の液晶組成物は、一般式
(I-1)〜(I-6)のうち二つ又は三つ以上の一般式から
選ばれる化合物からなる液晶成分Aを必須成分として含
有する。一般式(I-1)〜(I-6)で表される化合物は、
非置換又は置換されたナフタレン−2,6−ジイル環、
1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−2,6−
ジイル環及びデカハイドロナフタレン−2,6−ジイル
環を部分構造とする分子構造を特徴としている。この特
徴を有する化合物を含有する液晶成分Aは、他の液晶化
合物あるいは液晶組成物に混合すると、ネマチック相−
等方性液体相転移温度が比較的良好で、応答性を維持、
あるいは悪化させることなく駆動電圧を低下させる効果
を有しており、従来の駆動電圧低減の液晶組成物にない
優れた特性を有している。更に詳しくは、特にTN-I
応答速度を悪化させることなく飽和電圧を低減させるこ
とを特徴としている。本発明の液晶組成物は、一般式
(I-1)〜(I-6)のうち二つ又は三つ以上の一般式から
選ばれる化合物からなる液晶成分Aを含有し、+2以上
の誘電率異方性を有する化合物からなる液晶成分Bを0
〜99.9重量%含有し、−10〜+2の誘電率異方性
を有する化合物からなる液晶成分Cを0〜85重量%含
有し、該液晶成分Bと該液晶成分Cの総和が0〜99.
9重量%含有させることで、この効果を有することを見
いだした。また、液晶成分Aは、上記の液晶成分Bと液
晶成分Cの液晶材料に対して混合したとき、固体相又は
スメクチック相−ネマチック相転移温度を特段に低下さ
せたりあるいは低温での保存時間を長くする等、表示温
度範囲をより広くさせることができる。
【0022】尚、本発明においては、ナフタレン−2,
6−ジイル環、1,2,3,4−テトラハイドロナフタ
レン−2,6−ジイル環及びデカハイドロナフタレン−
2,6−ジイル環の呼称は、特別に限定をした場合を除
いて、非置換の環及び置換された環の両者を含めたもの
として定義する。この定義は、液晶成分A、Cに適応さ
れる。置換の意味は、ナフタレン−2,6−ジイル環の
場合、環中に存在する1個又は2個以上のCH基がNで
置換されたもの及び置換基として1個又は2個以上の
F、Cl、CF3,OCF3又はCH3を有するもの、
1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−2,6−
ジイル環及びデカハイドロナフタレン−2,6−ジイル
環の場合、環中に存在する1個又は2個以上の−CH2
−基が−CF2−で置換されたもの、環中に存在する1
個又は2個以上の−CH2−CH2−基が−CH2−O
−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CF
−、−CH=N−又は−CF=N−で置換されたもの、
環中に存在する1個又は2個以上の>CH−CH2−基
が>CH2−O−、>C=CH−、>C=CF−、>C
=N−又は>N−CH2−で置換されたもの、環中に存
在する>CH−CH<基が>CH−CF<、>CF−C
F<又は>C=C<で置換されたもの、更にデカハイド
ロナフタレン−2,6−ジイル環の非置換の環又は置換
された環中の少なくとも1個のCがSiと置換されたも
のであり、更に、ナフタレン−2,6−ジイル環、1,
2,3,4−テトラハイドロナフタレン−2,6−ジイ
ル環及びデカハイドロナフタレン−2,6−ジイル環中
に存在する1個又は2個以上の水素原子が重水素原子と
置換されたものを含む。
【0023】同様に、アルキル基及びアルケニル基の呼
称も、特別に限定をした場合を除いて、非置換の基及び
置換された基の両者を含めたものとして定義する。ま
た、アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状でも分岐鎖
状でも良い。この定義は、液晶成分A、B、Cに適応さ
れる。
【0024】本発明は、一般式(I-1)〜(I-6)のより
好ましい化合物として、一般式(I-11)〜(I-63)の下
位式を示す。
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】
【0031】液晶成分Aが一般式(I-1)で表される化
合物を含む場合、一般式(I-11)〜(I-13)のうち一つ
又は二つ又は三つ以上の一般式から選ばれる化合物を1
種又は2種以上含有し、又は一般式(I-11)〜(I-13)
で表される化合物を併用して含有し、該化合物の含有率
が5〜99.9重量%であることが本発明の効果を得る
のに好ましいことを見いだした。
【0032】液晶成分Aが一般式(I-2)で表される化
合物を含む場合、一般式(I-21)〜(I-23)のうち一つ
又は二つ又は三つ以上の一般式から選ばれる化合物を1
種又は2種以上含有し、又は一般式(I-21)〜(I-23)
で表される化合物を併用して含有し、該化合物の含有率
が5〜99.9重量%であることが本発明の効果を得る
のに好ましいことを見いだした。
【0033】液晶成分Aが一般式(I-3)で表される化
合物を含む場合、一般式(I-31)〜(I-33)のうち一つ
又は二つ又は三つ以上の一般式から選ばれる化合物を1
種又は2種以上含有し、又は一般式(I-31)〜(I-33)
で表される化合物を併用して含有し、該化合物の含有率
が5〜99.9重量%であることが本発明の効果を得る
のに好ましいことを見いだした。
【0034】液晶成分Aが一般式(I-4)で表される化
合物を含む場合、一般式(I-41)〜(I-43)のうち一つ
又は二つ又は三つ以上の一般式から選ばれる化合物を1
種又は2種以上含有し、又は一般式(I-41)〜(I-43)
で表される化合物を併用して含有し、該化合物の含有率
が5〜99.9重量%であることが本発明の効果を得る
のに好ましいことを見いだした。
【0035】液晶成分Aが一般式(I-5)で表される化
合物を含む場合、一般式(I-51)〜(I-53)のうち一つ
又は二つ又は三つ以上の一般式から選ばれる化合物を1
種又は2種含有し、又は一般式(I-51)〜(I-53)で表
される化合物を併用して含有し、該化合物の含有率が5
〜99.9重量%であることが本発明の効果を得るのに
好ましいことを見いだした。
【0036】液晶成分Aが一般式(I-6)で表される化
合物を含む場合、一般式(I-61)〜(I-63)のうち一つ
又は二つ又は三つ以上の一般式から選ばれる化合物を1
種又は2種含有し、又は一般式(I-61)〜(I-63)で表
される化合物を併用して含有し、該化合物の含有率が5
〜99.9重量%であることが本発明の効果を得るのに
好ましいことを見いだした。
【0037】本発明は、一般式(I-1)〜(I-6)のうち
二つ又は三つ以上の一般式から選ばれる化合物で液晶成
分Aを構成することができる。この場合一般式(I-11)
〜(I-63)から選ばれる化合物を組み合わせることが特
に好ましい。
【0038】この様な視点から、一般式(I-1)〜(I-
6)で表される化合物におけるより好ましい基本構造の
形態は、下記に示す一般式(I-11a)〜(I-63ab)で表
される化合物である。
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】
【0053】
【化29】
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】
【化32】
【0057】
【化33】
【0058】
【化34】
【0059】
【化35】
【0060】
【化36】
【0061】
【化37】
【0062】
【化38】
【0063】
【化39】
【0064】
【化40】
【0065】
【化41】
【0066】側鎖基R1における式(I-7)のより好まし
い形態は、下記に示す一般式(I-7a)〜(I-7bc)で表
される化合物である。
【0067】
【化42】
【0068】極性基を有する1,4−フェニレンの部分
構造式(I-81)〜(I-83)のより好ましい形態は、下記
に示す一般式(I-81a)〜(I-83f)で表される化合物で
ある。
【0069】
【化43】
【0070】
【化44】
【0071】
【化45】
【0072】本発明は、更に、非置換又は置換されたデ
カハイドロナフタレン−2,6−ジイル環のより好まし
い形態を下式(I-84a)〜(I-84dm)に示す。
【0073】
【化46】
【0074】
【化47】
【0075】尚、以下で用いている各化合物は、蒸留、
カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物を除去し、
充分精製したものを使用した。
【0076】更に詳述すると、汎用的な液晶組成物を目
的とする場合には、液晶成分Aは以下の化合物を用いる
ことが好ましく、本発明の効果を得ることができる。
【0077】(I-ai):一般式(I-1)〜(I-6)におい
て、R1が炭素原子数2〜7のアルキル基又はアルケニ
ル基である化合物。
【0078】(I-ai-1):一般式(I-1)における具体
的な化合物としては、一般式(I-11a)〜(I-13ai)の
基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7f)、(I-
7ah)〜(I-7an)、(I-7av)〜(I-7bc)であって、極
性基の部分構造が(I-81a)〜(I-81f)の化合物。 (I-ai-2):一般式(I-2)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-21a)〜(I-23ai)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7f)、(I-7ah)〜(I-7
an)、(I-7av)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構
造が(I-82a)〜(I-82f)の化合物。 (I-ai-3):一般式(I-3)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-31a)〜(I-33ai)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7f)、(I-7ah)〜(I-7
an)、(I-7av)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構
造が(I-83a)〜(I-83f)の化合物。 (I-ai-4):一般式(I-4)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-41a)〜(I-43ab)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7f)、(I-7ah)〜(I-7
an)、(I-7av)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構
造が(I-81a)〜(I-81f)である化合物。 (I-ai-5):一般式(I-5)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-51a)〜(I-53ab)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7f)、(I-7ah)〜(I-7
an)、(I-7av)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構
造が(I-82a)〜(I-82f)である化合物。 (I-ai-6):一般式(I-6)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-61a)〜(I-63ab)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7f)、(I-7ah)〜(I-7
an)、(I-7av)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構
造が(I-83a)〜(I-83f)である化合物。 小群(I-ai-1)〜(I-ai-6)の化合物によって液晶組成
物の相溶性の改善、低温保存の向上により動作温度範囲
を拡大し、弾性定数及びこれらの比K33/K11やK33
22を調整することができ、STN-LCD、TFT-LCD等のより
改善された電気光学特性を得ることができる。
【0079】(I-aii):一般式(I-1)〜(I-6)におい
て、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2H又はC
Nである化合物。
【0080】(I-aii-1):一般式(I-1)における具体
的な化合物としては、一般式(I-11a)〜(I-13ai)の
基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であ
って、極性基の部分構造が(I-81a)〜(I-81f)の化合
物。 (I-aii-2):一般式(I-2)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-21a)〜(I-23ai)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基
の部分構造が(I-82a)〜(I-82f)の化合物。 (I-aii-3):一般式(I-3)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-31a)〜(I-33ai)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基
の部分構造が(I-83a)〜(I-83f)の化合物。 (I-aii-4):一般式(I-4)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-41a)〜(I-43ab)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基
の部分構造が(I-81a)〜(I-81f)である化合物。 (I-aii-5):一般式(I-5)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-51a)〜(I-53ab)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基
の部分構造が(I-82a)〜(I-82f)である化合物。 (I-aii-6):一般式(I-6)における具体的な化合物と
しては、一般式(I-61a)〜(I-63ab)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基
の部分構造が(I-83a)〜(I-83f)である化合物。 小群(I-aii-1)〜(I-aii-6)の化合物において、具体
的用途としては、Q1がF、Cl、CF3、OCF3又は
OCF2Hである(I-81b)〜(I-81f)、(I-82b)〜
(I-82f)、(I-83b)〜(I-83f)の極性基を有する化
合物を実質的に主成分とした場合には高信頼性のSTN-LC
Dやアクティブ用のTFT-LCD、STN-LCD等に好ましく、駆
動電圧の低減や高電圧保持率に優れており、Q1がF、
Cl又はCNの極性基を有する化合物を実質的に主成分
とした場合にはTN-LCD、STN-LCD等の駆動電圧、急峻性
や応答性あるいはその温度特性に優れた電気光学特性を
得ることができる。
【0081】(I-aiii):一般式(I-1)〜(I-6)におい
て、K1〜K3が単結合、−(CH2)2−、-COO−又は-
C≡C−である化合物。
【0082】(I-aiii-1):一般式(I-1)における具
体的な化合物としては、一般式(I-11a)〜(I-13ai)
の基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)で
あって、極性基の部分構造が(I-81a)〜(I-81f)の化
合物。 (I-aiii-2):一般式(I-2)における具体的な化合物
としては、一般式(I-21a)〜(I-23ai)の基本構造で
あって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性
基の部分構造が(I-82a)〜(I-82f)の化合物。 (I-aiii-3):一般式(I-3)における具体的な化合物
としては、一般式(I-31a)〜(I-33ai)の基本構造で
あって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性
基の部分構造が(I-83a)〜(I-83f)の化合物。 (I-aiii-4):一般式(I-4)における具体的な化合物
としては、一般式(I-41a)〜(I-43ab)の基本構造で
あって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性
基の部分構造が(I-81a)〜(I-81f)である化合物。 (I-aiii-5):一般式(I-5)における具体的な化合物
としては、一般式(I-51a)〜(I-53ab)の基本構造で
あって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性
基の部分構造が(I-82a)〜(I-82f)である化合物。 (I-aiii-6):一般式(I-6)における具体的な化合物
としては、一般式(I-61a)〜(I-63ab)の基本構造で
あって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性
基の部分構造が(I-83a)〜(I-83f)である化合物。小
群(I-aiii-1)〜(I-aiii-6)の化合物において、特
に、K1〜K5が単結合である化合物は、液晶組成物の相
溶性の改善、低温保存の向上により動作温度範囲を拡大
し、所定の駆動電圧に対し比較的速い応答性を達成する
ことができるものであり、K1〜K5が−(CH2)2−であ
る化合物は、液晶組成物の相溶性の改善、低温保存の向
上により動作温度範囲を拡大することができるものであ
り、K1〜K5が−COO−である化合物は、液晶組成物
の相溶性の改善、低温保存の向上により動作温度範囲を
拡大し、駆動電圧の低減及びその温度変化を改善するこ
とができるものであり、K1〜K5が−C≡C−である化
合物は、複屈折率を広い範囲で調整することができ、駆
動電圧の低減及びその温度変化を改善することができる
ものであり、STN-LCD、TFT-LCD等のより改善された電気
光学特性を得ることができる。
【0083】(I-aiv):一般式(I-1)〜(I-6)におい
て、環A1〜A2がトランス−1,4−シクロへキシレ
ン、1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェ
ニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンで
ある化合物。
【0084】(I-aiv-1):一般式(I-1)の場合、環A
1がトランス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フ
ェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,
5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであることが好ま
しく、具体的には、一般式(I-12a)〜(I-12j)、(I-
12l)〜(I-12ap)の基本構造であって、側鎖基が(I-7
a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が(I-81
a)〜(I-81f)の化合物であり、より改善された電気光
学特性を得ることができる。特に、(I-aiii)と(I-ai
v)の構造的特徴を同時に有する一般式(I-12)の化合
物の場合、更に差別化された特性を示し、より広く液晶
組成物に用いることができる。 (I-aiv-1a):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1が1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フ
ェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン
で表される化合物は中位以上の高い複屈折率で比較的大
きな誘電率異方性を有しており、 (I-aiv-1b):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1がトランス−1,4−シクロへキシレンで表される
化合物はネマチック相を広げ比較的速い応答性を有して
おり、 (I-aiv-1c):K1〜K3のいずれかが−(CH2)2−であ
り、環A1がトランス−1,4−シクロへキシレンの化
合物は良好な相溶性を有しており、 (I-aiv-1d):K1〜K3がのいずれか−COO−であ
り、環A1が1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,
4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェ
ニレンで表される化合物はネマチック相を広げ駆動電圧
低減に優れており、 (I-aiv-1e):K1〜K3のいずれかが−C≡C−であ
り、環A1が1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,
4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェ
ニレンで表される化合物は極めて高いあるいは比較的高
い複屈折率を有している。
【0085】(I-aiv-2):一般式(I-2)の場合、環A
1がトランス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フ
ェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,
5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであることが好ま
しく、具体的には、一般式(I-22a)〜(I-22j)、(I-
22l)〜(I-22ap)の基本構造であって、側鎖基が(I-7
a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が(I-82
a)〜(I-82f)の化合物であり、より改善された電気光
学特性を得ることができる。特に、(I-aiii)と(I-ai
v)の構造的特徴を同時に有する一般式(I-22)の化合
物の場合、更に差別化された特性を示し、より広く液晶
組成物に用いることができる。 (I-aiv-2a):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1が1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フ
ェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン
で表される化合物は中位以上の高い複屈折率で比較的大
きな誘電率異方性を有しており、 (I-aiv-2b):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1がトランス−1,4−シクロへキシレンで表される
化合物はネマチック相を広げ比較的速い応答性を有して
おり、 (I-aiv-2c):K1〜K3のいずれかが−(CH2)2−であ
り、環A1がトランス−1,4−シクロへキシレンの化
合物は良好な相溶性を有しており、 (I-aiv-2d):K1〜K3がのいずれか−COO−であ
り、環A1が1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,
4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェ
ニレンで表される化合物はネマチック相を広げ駆動電圧
低減に優れており、 (I-aiv-2e):K1〜K3のいずれかが−C≡C−であ
り、環A1が1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,
4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェ
ニレンで表される化合物は極めて高いあるいは比較的高
い複屈折率を有している。
【0086】(I-aiv-3):一般式(I-3)の場合、環A
1がトランス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フ
ェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,
5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであることが好ま
しく、具体的には、一般式(I-32a)〜(I-32j)、(I-
32l)〜(I-32ap)の基本構造であって、側鎖基が(I-7
a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が(I-83
a)〜(I-83f)の化合物であり、より改善された電気光
学特性を得ることができる。特に、(I-aiii)と(I-ai
v)の構造的特徴を同時に有する一般式(I-32)の化合
物の場合、更に差別化された特性を示し、より広く液晶
組成物に用いることができる。 (I-aiv-3a):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1が1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フ
ェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン
で表される化合物は中位以上の高い複屈折率で比較的大
きな誘電率異方性を有しており、 (I-aiv-3b):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1がトランス−1,4−シクロへキシレンで表される
化合物はネマチック相を広げ比較的速い応答性を有して
おり、 (I-aiv-3c):K1〜K3のいずれかが−(CH2)2−であ
り、環A1がトランス−1,4−シクロへキシレンの化
合物は良好な相溶性を有しており、 (I-aiv-3d):K1〜K3がのいずれか−COO−であ
り、環A1が1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,
4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェ
ニレンで表される化合物はネマチック相を広げ駆動電圧
低減に優れており、 (I-aiv-3e):K1〜K3のいずれかが−C≡C−であ
り、環A1が1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,
4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェ
ニレンで表される化合物は極めて高いあるいは比較的高
い複屈折率を有している。 (I-aiv-4):一般式(I-4)の場合、環A1、A2がトラ
ンス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレ
ン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジ
フルオロ−1,4−フェニレンであることが好ましく、
具体的には、一般式(I-42a)〜(I-43i)、(I-43
l)、(I-43n)〜(I-43ab)の基本構造であって、側鎖
基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造
が(I-81a)〜(I-81f)の化合物であり、より改善され
た電気光学特性を得ることができる。特に、(I-aiii)
と(I-aiv)の構造的特徴を同時に有する一般式(I-4
2)〜(I-43)の化合物の場合、更に差別化された特性
を示し、より広く液晶組成物に用いることができる。 (I-aiv-4a):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1、A2のいずれかが1,4−フェニレン、3−フルオ
ロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,
4−フェニレンで表される化合物は中位以上の高い複屈
折率で比較的大きな誘電率異方性を有しており、 (I-aiv-4b):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1、A2のいずれかがトランス−1,4−シクロへキシ
レンで表される化合物はネマチック相を広げ比較的速い
応答性を有しており、 (I-aiv-4c):K1〜K3のいずれかが−(CH2)2−であ
り、環A1、A2のいずれかがトランス−1,4−シクロ
へキシレンの化合物は良好な相溶性を有しており、 (I-aiv-4d):K1〜K3のいずれかが−COO−であ
り、環A1、A2のいずれか(が1,4−フェニレン、3
−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレンで表される化合物はネマチック
相を広げ駆動電圧低減に優れており、 (I-aiv-4e):K1〜K3のいずれかが−C≡C−であ
り、環A1、A2のいずれかが1,4−フェニレン、3−
フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ
−1,4−フェニレンで表される化合物は極めて高いあ
るいは比較的高い複屈折率を有している。 (I-aiv-5):一般式(I-5)の場合、環A1、A2がトラ
ンス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレ
ン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジ
フルオロ−1,4−フェニレンであることが好ましく、
具体的には、一般式(I-52a)〜(I-53i)、(I-53
l)、(I-53n)〜(I-53ab)の基本構造であって、側鎖
基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造
が(I-82a)〜(I-82f)の化合物であり、より改善され
た電気光学特性を得ることができる。特に、(I-aiii)
と(I-aiv)の構造的特徴を同時に有する一般式(I-5
2)〜(I-53)の化合物の場合、更に差別化された特性
を示し、より広く液晶組成物に用いることができる。 (I-aiv-5a):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1、A2のいずれかが1,4−フェニレン、3−フルオ
ロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,
4−フェニレンで表される化合物は中位以上の高い複屈
折率で比較的大きな誘電率異方性を有しており、 (I-aiv-5b):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1、A2のいずれかがトランス−1,4−シクロへキシ
レンで表される化合物はネマチック相を広げ比較的速い
応答性を有しており、 (I-aiv-5c):K1〜K3のいずれかが−(CH2)2−であ
り、環A1、A2のいずれかがトランス−1,4−シクロ
へキシレンの化合物は良好な相溶性を有しており、 (I-aiv-5d):K1〜K3のいずれかが−COO−であ
り、環A1、A2のいずれか(が1,4−フェニレン、3
−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレンで表される化合物はネマチック
相を広げ駆動電圧低減に優れており、 (I-aiv-5e):K1〜K3のいずれかが−C≡C−であ
り、環A1、A2のいずれかが1,4−フェニレン、3−
フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ
−1,4−フェニレンで表される化合物は極めて高いあ
るいは比較的高い複屈折率を有している。 (I-aiv-6):一般式(I-6)の場合、環A1、A2がトラ
ンス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレ
ン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジ
フルオロ−1,4−フェニレンであることが好ましく、
具体的には、一般式(I-62a)〜(I-63i)、(I-63
l)、(I-63n)〜(I-63ab)の基本構造であって、側鎖
基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造
が(I-83a)〜(I-83f)の化合物であり、より改善され
た電気光学特性を得ることができる。特に、(I-aiii)
と(I-aiv)の構造的特徴を同時に有する一般式(I-6
2)〜(I-63)の化合物の場合、更に差別化された特性
を示し、より広く液晶組成物に用いることができる。 (I-aiv-6a):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1、A2のいずれかが1,4−フェニレン、3−フルオ
ロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,
4−フェニレンで表される化合物は中位以上の高い複屈
折率で比較的大きな誘電率異方性を有しており、 (I-aiv-6b):K1〜K3のいずれかが単結合であり、環
1、A2のいずれかがトランス−1,4−シクロへキシ
レンで表される化合物はネマチック相を広げ比較的速い
応答性を有しており、 (I-aiv-6c):K1〜K3のいずれかが−(CH2)2−であ
り、環A1、A2のいずれかがトランス−1,4−シクロ
へキシレンの化合物は良好な相溶性を有しており、 (I-aiv-6d):K1〜K3のいずれかが−COO−であ
り、環A1、A2のいずれか(が1,4−フェニレン、3
−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレンで表される化合物はネマチック
相を広げ駆動電圧低減に優れており、 (I-aiv-6e):K1〜K3のいずれかが−C≡C−であ
り、環A1、A2のいずれかが1,4−フェニレン、3−
フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ
−1,4−フェニレンで表される化合物は極めて高いあ
るいは比較的高い複屈折率を有している。
【0087】(I-av):一般式(I-1)〜(I-6)におい
て、ナフタレン−2,6−ジイル環、1,2,3,4−
テトラハイドロナフタレン−2,6−ジイル環、デカハ
イドロナフタレン−2,6−ジイル環、側鎖基R1、極
性基Q1、連結基K1〜K3及び環A 1〜A2に存在する1
個又は2個以上の水素原子が重水素原子と置換された化
合物。この化合物は液晶組成物の弾性定数の調整や配向
膜に対応したプレチルト角の調整に有用であることか
ら、重水素原子で置換された化合物を少なくとも1種以
上含有させることが好ましい。 (I-avi):一般式(I-1)〜(I-3)において、W1〜W
3がH、F、Cl、CF3又はOCF3である化合物。
【0088】(I-avi-1):一般式(I-1)の場合、具体
的には、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性
基の部分構造が(I-81a)〜(I-81f)であって、例えば
一般式(I-11a)〜(I-13ai)の基本構造の化合物、よ
り好ましくは少なくともW1が極性基で置換されている
化合物、特にFで置換されている化合物である。 (I-avi-2):一般式(I-2)の場合、具体的には、側鎖
基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造
が(I-82a)〜(I-82f)であって、例えば一般式(I-21
a)〜(I-23ai)の基本構造の化合物、より好ましくは
少なくともW1が極性基で置換されている化合物、特に
Fで置換されている化合物である。 (I-avi-3):一般式(I-3)の場合、具体的には、側鎖
基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造
が(I-83a)〜(I-83f)であって、例えば一般式(I-31
a)〜(I-33ai)の基本構造の化合物、より好ましくは
少なくともW1が極性基で置換されている化合物、特に
Fで置換されている化合物である。小群(I-avi-1)〜
(I-avi-3)の化合物は、液晶組成物の相溶性の改善、
低温保存の向上により動作温度範囲を拡大し、駆動電圧
の低減及びその温度変化を改善し、所定の駆動電圧に対
し比較的速い応答性を達成するあるいは改善することが
でき、STN-LCD、TFT-LCD等のより改善された電気光学特
性を得ることができる、
【0089】本発明の液晶成分Aは、これら小群(I-a
i)〜(I-avi)のうち一つ又は二つ又は三つ以上の小群
から選ばれる化合物を1種以上含有することができる
が、おのおの一つの小群から1種のみで構成しても効果
を得ることができる。また、小群(I-ai)〜(I-avi)
で示した化合物の構造的な特徴を同時に二つ以上有した
化合物は更に好ましい。液晶成分Aは、所望の目的に応
じて、上記小群(I-ai)〜(I-avi)で示した化合物で
構成することができる。この様な液晶成分Aを含有する
本発明の液晶組成物は、相溶性の改善、低温保存の向上
等により液晶表示特性の動作温度範囲を拡大し、駆動電
圧の低減及びその温度変化を改善し、所定の駆動電圧に
対し比較的速い応答性を達成するあるいは改善すること
ができ、これを構成材料として用いたTN-LCD、STN-LC
D、TFT-LCD等のより改善された電気光学特性を得ること
ができる。
【0090】TN-LCD、STN-LCD等に適した液晶組成物を
目的とする場合には、あるいは高い信頼性を要求される
STN-LCDやアクティブ用のSTN-LCD、TFT-LCD等に適した
液晶組成物を目的とする場合には、一般式(I-1)〜(I
-6)における化合物から更に最適の化合物を選択して1
種〜20種含有させることができる。この観点から、下
記小群(I-bi)〜(I-bxxii)のうち一つ又は二つ又は
三つ以上の化合物を1種〜20種含有し、該化合物の含
有率が5〜100重量%である液晶成分Aが好ましい。
【0091】一般式(I-1)において、R1が炭素原子数
2〜7のアルキル基又はアルケニル基であり、Q1
F、Cl、CF3、OCF3又はCNであり、W1〜W3
H、F、Cl、CF3又はOCF3である場合、下記小群
(I-bi)〜(I-biii)の化合物がより好ましい。 (I-bi):k1=k2=0であり、K3が単結合、−CO
O−又は−C≡C−である化合物、具体的には一般式
(I-11)の化合物。 (I-bii):k1=1、k2=0であり、環A1が1,4−
フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は
3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、
1、K3が単結合、−COO−又は−C≡C−である化
合物、具体的には一般式(I-12)の化合物。 (I-biii):k1=0、k2=1であり、環A2がトラン
ス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、
3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフル
オロ−1,4−フェニレンであり、K2、K3が単結合、
−(CH2)2−、−COO−又は−C≡C−である化合
物、具体的には一般式(I-13)の化合物。
【0092】一般式(I-2)において、R1が炭素原子数
2〜7のアルキル基又はアルケニル基であり、Q1
F、Cl、CF3、OCF3又はCNであり、W1〜W3
H、F、Cl、CF3又はOCF3である場合、下記小群
(I-biv)〜(I-bvi)の化合物がより好ましい。 (I-biv):k1=k2=0であり、K3が単結合、−CO
O−又は−C≡C−である化合物、具体的には一般式
(I-21)の化合物。 (I-bv):k1=1、k2=0であり、環A1が1,4−
フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は
3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、
1、K3が単結合、−COO−又は−C≡C−である化
合物、具体的には一般式(I-22)の化合物。 (I-bvi):k1=0、k2=1であり、環A2がトランス
−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、3
−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレンであり、K2、K3が単結合、−
(CH2)2−、−COO−又は−C≡C−である化合物、
具体的には一般式(I-23)の化合物。
【0093】一般式(I-3)において、R1が炭素原子数
2〜7のアルキル基又はアルケニル基であり、Q1
F、Cl、CF3、OCF3又はCNであり、W1〜W3
H、F、Cl、CF3又はOCF3である場合、下記小群
(I-bvii)〜(I-bix)の下記化合物がより好ましい。 (I-bvii):k1=k2=0であり、K3が単結合、−C
OO−又は−C≡C−である化合物、具体的には一般式
(I-31)の化合物。 (I-bviii):k1=1、k2=0であり、環A1が1,4
−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は
3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、
1、K3が単結合、−COO−又は−C≡C−である化
合物、具体的には一般式(I-32)の化合物。 (I-bix):k1=0、k2=1であり、環A2がトランス
−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、3
−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレンであり、K2、K3が単結合、−
(CH2)2−、−COO−又は−C≡C−である化合物、
具体的には一般式(I-33)の化合物。
【0094】一般式(I-4)において、R1が炭素原子数
2〜7のアルキル基又はアルケニル基であり、Q1
F、Cl、CF3、OCF3又はCNである場合、下記小
群(I-bx)〜(I-bxiii)の化合物がより好ましい。 (I-bx):k1=k2=0であり、K3が単結合、−(CH
2)2−、−(CH2)4−又は−COO−である化合物、具
体的には一般式(I-41)の化合物。 (I-bxii):k1=1、k2=0であり、環A1がトラン
ス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、
3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフル
オロ−1,4−フェニレンであり、K1、K3が単結合、
−(CH2)2−又は−COO−である化合物、具体的には
一般式(I-42)の化合物。 (I-bxii):k1=0、k2=1であり、環A2がトラン
ス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、
3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフル
オロ−1,4−フェニレンであり、K2、K3が単結合、
−(CH2)2−又は−COO−である化合物、具体的には
一般式(I-43)の化合物。 (I-bxiii):デカハイドロナフタレン−2,6−ジイ
ル環が、−CF2−、−CH2−O−、−CH=CH−、
−CH=CF−、−CF=CF−、−CH=N−、−C
F=N−、>CH2−O−、>C=CH−、>C=CF
−、>C=N−、>N−CH2−、>CH−CF<、>
CF−CF<、>C=C<、Siの置換基のうち少なく
とも1個の置換基を有する化合物であって、デカハイド
ロナフタレン−2,6−ジイル環が(I-84b)〜(I-84c
v)で置換された化合物。尚、当然のことながら、これ
らの環に存在する水素原子のうち少なくとも一個が重水
素原子と置換された化合物も含む。
【0095】一般式(I-5)において、R1が炭素原子数
2〜7のアルキル基又はアルケニル基であり、Q1
F、Cl、CF3、OCF3又はCNである場合、下記小
群(I-bxiv)〜(I-bxvii)の化合物がより好ましい。 (I-bxiv):k1=k2=0であり、K3が単結合、−(C
2)2−、−(CH2)4−又は−COO−である化合物、
具体的には一般式(I-51)の化合物。 (I-bxv):k1=1、k2=0であり、環A1がトランス
−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、3
−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレンであり、K1、K3が単結合、−
(CH2)2−又は−COO−である化合物、具体的には一
般式(I-52)の化合物。 (I-bxvi):k1=0、k2=1であり、環A2がトラン
ス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、
3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフル
オロ−1,4−フェニレンであり、K2、K3が単結合、
−(CH2)2−又は−COO−である化合物、具体的には
一般式(I-53)の化合物。 (I-bxvii):デカハイドロナフタレン−2,6−ジイ
ル環が、−CF2−、−CH2−O−、−CH=CH−、
−CH=CF−、−CF=CF−、−CH=N−、−C
F=N−、>CH2−O−、>C=CH−、>C=CF
−、>C=N−、>N−CH2−、>CH−CF<、>
CF−CF<、>C=C<、Siの置換基のうち少なく
とも1個の置換基を有する化合物であって、デカハイド
ロナフタレン−2,6−ジイル環が(I-84b)〜(I-84c
v)で置換された化合物。尚、当然のことながら、これ
らの環に存在する水素原子のうち少なくとも一個が重水
素原子と置換された化合物も含む。
【0096】一般式(I-6)において、R1が炭素原子数
2〜7のアルキル基又はアルケニル基であり、Q1
F、Cl、CF3、OCF3又はCNである場合、下記小
群(I-bxviii)〜(I-bxxi)の化合物がより好ましい。 (I-bxviii):k1=k2=0であり、K3が単結合、−
(CH2)2−、−(CH2)4−又は−COO−である化合
物、具体的には一般式(I-61)の化合物。 (I-bxix):k1=1、k2=0であり、環A1がトラン
ス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、
3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフル
オロ−1,4−フェニレンであり、K1、K3が単結合、
−(CH2)2−又は−COO−である化合物、具体的には
一般式(I-62)の化合物。 (I-bxx):k1=0、k2=1であり、環A2がトランス
−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、3
−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレンであり、K2、K3が単結合、−
(CH2)2−又は−COO−である化合物、具体的には一
般式(I-63)の化合物。 (I-bxxi):デカハイドロナフタレン−2,6−ジイル
環が、−CF2−、−CH2−O−、−CH=CH−、−
CH=CF−、−CF=CF−、−CH=N−、−CF
=N−、>CH2−O−、>C=CH−、>C=CF
−、>C=N−、>N−CH2−、>CH−CF<、>
CF−CF<、>C=C<、Siの置換基のうち少なく
とも1個の置換基を有する化合物であって、デカハイド
ロナフタレン−2,6−ジイル環が(I-84b)〜(I-84c
v)で置換された化合物。尚、当然のことながら、これ
らの環に存在する水素原子のうち少なくとも一個が重水
素原子と置換された化合物も含む。
【0097】(I-bxxii):一般式(I-1)〜(I-6)に
おいて、環A1〜A2が非置換又は置換されたデカハイド
ロナフタレン−2,6−ジイル環の場合には、(I-84
a)〜(I-84dm)から選ばれた部分構造を有する化合物
が好ましい。より好ましいのは、(I-84a)〜(I-84
l)、(I-84at)、(I-84au)、(I-84bk)、(I-84b
y)〜(I-84dm)であり、特に好ましいのは(I-84a)、
(I-84e)、(I-84au)、(I-84bk)(I-84ck)、(I-8
4cl)、(I-84cn)、(I-84cq)、(I-84cr)、(I-84c
t)、(I-84cw)〜(I-84dm)である。特に、(I-84c
q)を有する化合物は、(I-84au)を有する化合物に比
べ、応答性に優れ、ネマチック相−等方性液体相転移温
度が高く、従来に無い特段の性質を有していた。尚、当
然のことながら、(I-84a)〜(I-84cv)の環に存在す
る水素原子のうち少なくとも一個が重水素原子と置換さ
れた化合物も含む。
【0098】本発明の液晶成分Aは、これら小群(I-b
i)〜(I-bxxii)のうち一つ又は二つ又は三つ以上の小
群から選ばれる化合物を1種以上含有させることができ
るが、おのおの一つの小群から1種のみで構成しても効
果を得ることができる。また、小群(I-bi)〜(I-bxxi
i)で示した化合物の構造的な特徴を同時に二つ以上有
した化合物は更に好ましい。液晶成分Aは、所望の目的
に応じて、上記小群(I-bi)〜(I-bxxii)で示した化
合物で構成することができる。この様な液晶成分Aを含
有する本発明の液晶組成物は、相溶性の改善、低温保存
の向上等により液晶表示特性の動作温度範囲を拡大し、
駆動電圧の低減及びその温度変化を改善し、所定の駆動
電圧に対し比較的速い応答性を達成するあるいは改善す
ることができ、これを構成材料として用いたTN-LCD、ST
N-LCD、TFT-LCD等のより改善された電気光学特性を得る
ことができる。
【0099】本発明の液晶組成物に関わる一般式(I-
1)〜(I-6)の化合物からなる液晶成分Aは、あるいは
上述してきた小群(I-ai)〜(I-bxxii)の化合物を含
有した液晶成分Aは、更にまた小群(I-ai)〜(I-bxxi
i)の構造的な特徴を同時に二つ以上有することが可能
な化合物を含有した液晶成分Aは、非置換又は置換され
たナフタレン−2,6−ジイル環、デカハイドロナフタ
レン−2,6−ジイル環及び1,2,3,4−テトラハ
イドロナフタレン−2,6−ジイル環を部分構造とする
分子構造を特徴としている。この特徴は、従来の化合物
に比べより板状の構造を有することとなる。更に、これ
らの環は、F、Cl等の置換基を、1,4フェニレンと
比べ、より多く有することができる。このためか、相溶
性に優れ、その分子長に比べて相転移温度が比較的高
く、相転移温度が高いのに比べ複屈折率が小さく、誘電
率異方性の大きさに比べ駆動電圧がより低く、高周波数
領域における駆動電圧の周波数依存性が抑えられ、駆動
電圧の温度依存性を低減させる効果があり、弾性定数が
従来の化合物と異なり特にK11とK22の大きさを調整する
のに優れている。上記特徴を有する成分である一般式
(I-1)〜(I-6)のうち二つ又は三つ以上の一般式から
選ばれる化合物を混合することにより、さらに特性が改
善され、特に飽和電圧の低減やIPSモードの応答性改善
に優れた特徴を有している。
【0100】本発明の液晶組成物は、上記液晶成分Aに
加えて、誘電率異方性が+2以上の化合物を1種又は2
種以上含む液晶成分Bを含有するものである。尚、本発
明で述べる2より大きい誘電異方性を有する液晶化合物
とは、以下の意義で用いる。液晶化合物の化学構造は棒
状であり、中央部分が1個から4個の六員環を有したコ
ア構造を有し、中央部分長軸方向の両端に位置する六員
環が、液晶分子長軸方向に相当する位置で置換された末
端基を有し、両端に存在する末端基の少なくとも一方が
極性基であること、即ち例えば −F、−Cl、−N
2、−CF3、−OCF3、−OCHF2、−CN、−OC
N、−NCS、等である化合物である。これによって、
液晶層の光学異方性を所定の値にすることができ、電気
的に駆動可能となり、動作温度範囲を広くさせることが
できる。
【0101】液晶成分Bとして、誘電率異方性が+2以
上の化合物は、少なくとも1種以上を用いることがで
き、3〜40種の範囲が好ましく、3〜15種の範囲が
より好ましい。また、誘電率異方性が+2〜+8の化合
物、+8〜+13の化合物、+14〜+18の化合物、
+18以上の化合物から適時選んで含有させることが好
ましく、所定の駆動電圧や応答特性を得ることができ
る。この場合、+2〜+13の誘電率異方性の化合物は
多くとも30種以下の範囲で混合することが好ましく、
15種以下の範囲で混合することが更に好ましく、+1
4〜+18の化合物は多くとも20種以下の範囲で混合
することが好ましく、8種以下の範囲で混合することが
更に好ましく、+18以上の化合物は多くとも15種以
下の範囲で混合することが好ましく、10種以下の範囲
で混合することが更に好ましい。液晶成分Bを上述の様
に使用することは、表示特性の温度特性により好ましい
効果を付与する。より具体的には、駆動電圧、急峻性に
関わるコントラスト、応答性等の温度依存性をより好ま
しいものとする。
【0102】この様な視点から、一般式(II-1)〜(II
-4)で表される化合物におけるより好ましい基本構造の
形態は、下記に示す一般式(II-1a)〜(II-4n)で表さ
れる化合物である。
【0103】
【化48】
【0104】
【化49】
【0105】
【化50】
【0106】
【化51】
【0107】
【化52】
【0108】また、一般式(II-1)〜(II-4)における
側鎖基R1のより好ましい形態は、前述した一般式(I-7
a)〜(I-7bc)である。
【0109】更にまた、極性基を有する1,4−フェニ
レンの部分構造式(II-5)のより好ましい形態は、下記
に示す一般式(II-5a)〜(II-5r)で表される化合物で
ある。
【0110】
【化53】
【0111】尚、以下で用いている各化合物は、蒸留、
カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物を除去し、
充分精製したものを使用した。
【0112】更に詳述すると、汎用的な液晶組成物を目
的とする場合には、液晶成分Bは以下の化合物を用いる
ことが好ましく、この様な液晶成分Bを液晶成分Aと組
み合わせることにより本発明の効果を得ることができ
る。
【0113】(II-ai): 前記一般式(II-1)〜(II-
4)において、R1が炭素原子数2〜5のアルケニル基で
ある化合物、具体的には、一般式(II-1a)〜(II-4n)
の基本構造であって、側鎖基が(I-7ah)〜(I-7bc)で
あって、極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜(II-5
r)の化合物、より好ましくは一般式(II-1a)〜(II-1
l)、(II-2i)〜(II-2ae)の基本構造の化合物であ
り、STN-LCD、TFT-LCD等のより改善された電気光学特性
を得ることができる。 (II-aii): 前記一般式(II-1)〜(II-4)において、
1がF、Cl、又は−OCF3である化合物、具体的に
は、一般式(II-1a)〜(II-4n)の基本構造であって、
側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分
構造が一般式(II-5d)〜(II-5i)、(II-5m)〜(II-
5o)の化合物、より好ましくは一般式(II-1a)〜(II-
1l)、(II-2f)〜(II-2q)、(II-2u)〜(II-2w)、
(II-2ab)〜(II-4f)の基本構造の化合物であり、こ
れらの化合物を実質的に主成分とした場合にはアクティ
ブ用のTFT-LCD等の駆動電圧の低減や高電圧保持率に優
れている。また、Q1がCNの化合物と併用して、両者
が実質的に主成分とした場合にはTN-LCD、STN-LCD等の
駆動電圧、急峻性や応答性あるいはその温度特性に優れ
ている。
【0114】(II-aiii):前記一般式(II-1)の化合
物において、P2が−(CH2)2−又は−(CH2)4−であ
る化合物、具体的には、一般式(II-1c)、(II-1d)
(II-1g)、(II-1h)の基本構造であって、側鎖基が
(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が一
般式(II-5a)〜(II-5r)の化合物。 (II-aiv):前記一般式(II-1)の化合物において、p
1が1である化合物、具体的には、一般式(II-1e)〜
(II-1l)の基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I
-7bc)であって、極性基の部分構造が一般式(II-5a)
〜(II-5r)の化合物、これらは、駆動電圧が低く比較
的小さい複屈折率を必要とする用途に適している。
【0115】(II-av):前記一般式(II-2)の化合物
において、Y1、Y2、W1、W2の少なくとも1個がFで
ある化合物、具体的には、一般式(II-2a)、(II-2
c)、(II-2f)、(II-2i)、(II-2l)、(II-2o)、
(II-2r)、(II-2u)、(II-2x)、(II-2y)、(II-2
ab)、(II-2ac)の基本構造であって、側鎖基が(I-7
a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が一般式
(II-5b)、(II-5c)、(II-5e)、(II-5f)、(II-5
h)、(II-5i)、(II-5k)、(II-5l)、(II-5n)、
(II-5o)、(II-5q)、(II-5r)の化合物、あるいは
一般式(II-2b)、(II-2d)、(II-2e)、(II-2g)、
(II-2h)、(II-2j)、(II-2k)、(II-2m)、(II-2
n)、(II-2p)、(II-2q)、(II-2s)、(II-2t)、
(II-2v)、(II-2w)、(II-2z)、(II-2aa)、(II-
2ad)、(II-2ae)の基本構造であって、側鎖基が(I-7
a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が一般式
(II-5a)〜(II-5r)の化合物であり、駆動電圧を低減
させる用途に適している。 (II-avi):前記一般式(II-2)の化合物において、p
1が1であり、P1が−C≡C−である化合物、具体的に
は、一般式(II-2o)〜(II-2q)、(II-2ab)〜(II-2
ae)の基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7b
c)であって、極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜
(II-5r)の化合物であり、駆動電圧が低く比較的大き
い複屈折率を必要とする用途に適している。 (II-avii):前記一般式(II-2)の化合物において、
2が単結合又は−(CH2)2−であり、P1が−COO−
である化合物、具体的には、一般式(II-2l)〜(II-2
n)、(II-2r)〜(II-2t)、(II-2y)〜(II-2aa)の
基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であ
って、極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜(II-5r)
の化合物であり、駆動電圧が低くい用途に適している。
【0116】(II-aviii):前記一般式(II-3)の化合
物において、Y1、Y2、W1〜W4の少なくとも1個がF
である化合物、具体的には、一般式(II-3a)、(II-3
j)、(II-3k)、(II-3s)、(II-3t)の基本構造であ
って、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基
の部分構造が一般式(II-5b)、(II-5c)、(II-5
e)、(II-5f)、(II-5h)、(II-5i)、(II-5k)、
(II-5l)、(II-5n)、(II-5o)、(II-5q)、(II-5
r)の化合物、あるいは一般式(II-3b)〜(II-3i)、
(II-3l)〜(II-3r)、(II-3u)〜(II-3x)の基本構
造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、
極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜(II-5r)の化合
物であり、駆動電圧を低減させる用途に適している。 (II-aix):前記一般式(II-3)の化合物において、P
3が−C≡C−である化合物、具体的には、一般式(II-
3k)〜(II-3r)の基本構造であって、側鎖基が(I-7
a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が一般式
(II-5a)〜(II-5r)の化合物であり、駆動電圧が低く
比較的大きい複屈折率を必要とする用途に適している。 (II-ax):前記一般式(II-3)の化合物において、P1
が単結合又は−C≡C−であり、P3が−COO−であ
る化合物、具体的には、一般式(II-3j)、(II-3y)の
基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であ
って、極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜(II-5r)
の化合物。
【0117】(II-axi):前記一般式(II-4)で表され
る化合物、具体的には、一般式(II-4a)〜(II-4n)の
基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であ
って、極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜(II-5r)
の化合物。
【0118】(II-axii):前記一般式(II-1)、(II-
2)、(II-4)の化合物において、環B1〜B3がトラン
ス−1,4−シクロへキシレンであり、この環の水素原
子のうち少なくとも一個が重水素原子と置換された化合
物、具体的には、一般式(II-1a)〜(II-1l)、(II-2
i)〜(II-2ae)、(II-4b)、(II-4I)の基本構造で
あって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性
基の部分構造が一般式(II-5a)〜(II-5r)の化合物。
【0119】これらの小群(II-ai)〜(II-axii)で示
した化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有
するネマチック液晶組成物が好ましい。
【0120】また、TN-LCDやSTN-LCDに適した液晶組成
物を目的とする場合には、液晶成分Bは以下の化合物を
用いることが好ましく、この様な液晶成分Bを液晶成分
Aと組み合わせることにより本発明の効果を得ることが
できる。
【0121】(II-bi):前記一般式(II-1)におい
て、R1が炭素原子数2〜5のアルキル基又はアルケニ
ル基であり、p1が0であり、Q1が−CNである化合
物、具体的には、一般式(II-1a)〜(II-1d)の基本構
造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7d)、(I-7ah)
〜(I-7am)、(I-7av)〜(I-7bc)であって、極性基
の部分構造が一般式(II-5a)〜(II-5c)の化合物。 (II-bii):前記一般式(II-1)において、R1が炭素
原子数2〜5のアルキル基又はアルケニル基であり、p
1が1であり、Q1がF又は−CNであり、Y1、Y2がH又
はFである化合物、具体的には、一般式(II-1e)〜(I
I-1l)の基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7
d)、(I-7ah)〜(I-7am)、(I-7av)〜(I-7bc)で
あって、極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜(II-5
f)の化合物。
【0122】(II-biii):前記一般式(II-2)におい
て、R1が炭素原子数2〜5のアルキル基又はアルケニ
ル基であり、p1が0であり、Q1が−CNであり、Y1
Y2、W1、W2がH又はFである化合物、具体的には、一
般式(II-2a)〜(II-2h)の基本構造であって、側鎖基
が(I-7a)〜(I-7d)、(I-7ah)〜(I-7am)、(I-7a
v)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が一般式
(II-5a)〜(II-5c)の化合物。 (II-biv):前記一般式(II-2)において、R1が炭素
原子数2〜5のアルキル基又はアルケニル基であり、p
1が1であり、P2が単結合、−(CH2)2-又は−COO
−であり、P1が単結合、−COO−又は−C≡C−で
あり、Q1がF又は−CNであり、Y1、Y2、W1、W2
H又はFである化合物、具体的には、一般式(II-2i)
〜(II-2ae)の基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜
(I-7d)、(I-7ah)〜(I-7am)、(I-7av)〜(I-7b
c)であって、極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜
(II-5f)の化合物。
【0123】(II-bv):前記一般式(II-3)におい
て、R1が炭素原子数2〜5のアルキル基又はアルケニ
ル基であり、P1とP3の一方が単結合であり、他方が単
結合、−COO−又は−C≡C−である化合物、具体的
には、一般式(II-3a)〜(II-3x)の基本構造であっ
て、側鎖基が(I-7a)〜(I-7d)、(I-7ah)〜(I-7a
m)、(I-7av)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構
造が一般式(II-5a)〜(II-5r)の化合物。 (II-bvi):前記一般式(II-3)において、R1が炭素
原子数2〜5のアルキル基又はアルケニル基であり、Y
1、Y2、W1〜W4がH又はFである化合物、具体的に
は、一般式(II-3a)〜(II-3t)の基本構造であって、
側鎖基が(I-7a)〜(I-7d)、(I-7ah)〜(I-7am)、
(I-7av)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が一
般式(II-5a)〜(II-5r)の化合物。
【0124】(II-bvii):前記一般式(II-4)におい
て、R1が炭素原子数2〜7のアルキル基又はアルケニ
ル基であり、p2+p3が0である化合物、具体的には、
一般式(II-4a)、(II-4h)の基本構造であって、側鎖
基が(I-7a)〜(I-7f)、(I-7ah)〜(I-7am)、(I-
7av)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が一般式
(II-5a)〜(II-5r)の化合物。
【0125】(II-bviii):前記一般式(II-1)、(II-
2)の化合物において、環B1、B2がトランス−1,4
−シクロへキシレンであり、この環の水素原子のうち少
なくとも一個が重水素原子と置換された化合物、具体的
には、一般式(II-1a)〜(II-1l)、(II-2i)〜(II-
2ae)の基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7b
c)であって、極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜
(II-5r)の化合物。
【0126】これらの小群(II-bi)〜(II-bviii)で
示した化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含
有し、液晶成分Bとして該化合物の含有率が10〜10
0重量%であるネマチック液晶組成物が好ましい。
【0127】更にまた、高信頼性を必要とするSTN-LCD
やアクティブ用のTFT-LCD、IPS、STN-LCD等に適した液
晶組成物を目的とする場合には、液晶成分Bは以下の化
合物を用いることが好ましく、この様な液晶成分Bを液
晶成分Aと組み合わせることにより本発明の効果を得る
ことができる。
【0128】(II-ci):前記一般式(II-1)におい
て、R1が炭素原子数2〜5のアルキル基又はアルケニ
ル基であり、p1が1であり、P1とP2の一方が単結合
であり、他方が単結合、−COO−、−(CH2)2−、又
は−(CH2)4であり、Q1がF、Cl、CF3、OCF3
又はOCF2Hであり、Y1、Y2の1個又は2個がFで
ある化合物、具体的には、一般式(II-1e)〜(II-1k)
の基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7d)、
(I-7ah)〜(I-7am)、(I-7av)〜(I-7bc)であっ
て、極性基の部分構造が一般式(II-5e)、(II-5f)、
(II-5h)、(II-5i)、(II-5k)、(II-5l)、(II-5
n)、(II-5o)、(II-5q)、(II-5r)の化合物。
【0129】(II-cii):前記一般式(II-2)におい
て、R1が炭素原子数2〜5のアルキル基又はアルケニ
ル基であり、p1が1であり、P2が単結合、−(CH2)2
−又は−COO−であり、P1が単結合、−COO−又
は−C≡C−であり、Q1がF、Cl、CF3、OCF3
又はOCF2Hであり、Y1、Y2の1個又は2個がFで
あり、W1、W2がH又はFである化合物、具体的には、
一般式(II-2i)〜(II-2ae)の基本構造であって、側
鎖基が(I-7a)〜(I-7d)、(I-7ah)〜(I-7am)、
(I-7av)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が一
般式II-5e)、(II-5f)、(II-5h)、(II-5i)、(II
-5k)、(II-5l)、(II-5n)、(II-5o)、(II-5
q)、(II-5r)の化合物。
【0130】(II-ciii):前記一般式(II-3)におい
て、R1が炭素原子数2〜5のアルキル基又はアルケニ
ル基であり、P1とP3の一方が単結合であり、他方が単
結合、−COO−又は−C≡C−であり、Q1がF、C
l、CF3、OCF3又はOCF2Hであり、Y1、Y2
1個又は2個がFであり、W1〜W4がH又は1個以上が
Fである化合物、具体的には、一般式(II-3a)〜(II-
3x)の基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7
d)、(I-7ah)〜(I-7am)、(I-7av)〜(I-7bc)で
あって、極性基の部分構造が一般式(II-5e)、(II-5
f)、(II-5h)、(II-5i)、(II-5k)、(II-5l)、
(II-5n)、(II-5o)、(II-5q)、(II-5r)の化合
物。
【0131】(II-civ):前記一般式(II-1)、(II-
2)の化合物において、環B1、B2がトランス−1,4
−シクロへキシレンであり、この環の水素原子のうち少
なくとも三個が重水素原子と置換された化合物、具体的
には、一般式(II-1a)〜(II-1l)、(II-2i)〜(II-
2ae)の基本構造であって、側鎖基が(I-7a)〜(I-7b
c)であって、極性基の部分構造が一般式(II-5a)〜
(II-5r)の化合物。
【0132】これらの小群(II-ci)〜(II-civ)で示
した化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有
し、液晶成分Bとして該化合物の含有率が10〜100
重量%であるネマチック液晶組成物が好ましい。
【0133】一般式(II-1)〜(II-4)で表される化合
物における特に好ましい形態は、以下の化合物を含有す
る液晶成分Bである。 (II-di):一般式(II-1)〜(II-4)におけるR1が炭
素原子数2〜7のアルキル基の化合物。一般式(II-
1)、(II-2)におけるR1がCp2p+1−CH=CH−
(CH2)q(p=0、1、2、3 q=0、2)のアルケ
ニル基である化合物。具体的には、一般式(II-1a)、
(II-1e)、(II-2a)、(II-2c)、(II-2d)、(II-2
i)、(II-2l)、(II-2o)、(II-3a)、(II-3l)、
(II-4a)〜(II-4c)、(II-4e)の基本構造の化合物
がこれらの基を有することが好ましく、液晶成分Bにア
ルキル基及び又はアルケニル基を有する化合物を少なく
とも1種以上含有させることで、粘度や粘弾性を低減さ
せることができる。 (II-dii):一般式(II-1)〜(II-4)におけるQ1
F、Cl、−OCF3又は−CNである化合物を選択し
て、少なくとも1種以上含むことが好ましい。 (II-diii):高速応答を重視する場合、一般式(II-
1)〜(II-4)におけるQ1がF、−OCF3又は−CN
である一般式(II-1a)、(II-1e)、(II-2a)、(II-
2c)、(II-2d)、(II-2i)、(II-2l)、(II-2o)、
(II-3a)、(II-3l)、(II-4a)の化合物を液晶成分
Bに多用することが好ましい。 (II-div):より大きい複屈折率を必要とする場合は一
般式(II-2)〜(II-4)におけるQ1がCl、−OC
3、−CNである一般式(II-2a)〜(II-4d)の化合
物、及び又は一般式(II-2)、(II-3)におけるP1
3が−C≡C−である一般式(II-2f)〜(II-2h)、
(II-2o)〜(II-2q)、(II-2ab)〜(II-2ae)、(II
-3k)〜(II-3x)の化合物を液晶成分Bに多用すること
が好ましい。 (II-dv):より低い駆動電圧必要とする場合は、一般
式(II-1)〜(II-4)におけるQ1がF、Cl、−CN
であり、Y1とY2の組の一つが必ずFである一般式(II
-1a)〜(II-4g)の化合物を液晶成分Bに多用すること
が好ましい。 (II-dvi):一般式(II-1)、(II-2)のシクロヘキサ
ン環中の水素原子が重水素原子で置換された化合物を用
いることができるが、この化合物は液晶組成物の弾性定
数の調整や配向膜に対応したプレチルト角の調整に有用
であることから、重水素原子で置換された化合物を少な
くとも1種以上含有させることが好ましい。 (II-dvii):「一般式(II-1)、(II-2)、(II-4)
におけるp1〜p3が0の2環化合物」の成分と、「一般
式(II-1)、(II-2)におけるp1が1の化合物、一般
式(II-4)におけるp2+p3が1の化合物及び又は一般
式(II-3)の3環化合物」の成分との液晶成分Bでの混
合比は、0〜100から100〜0の範囲で適時選ぶこ
とができ、より高いネマチック相−等方性液体相転移温
度を必要とする場合、「一般式(II-1)、(II-2)にお
けるp1が1の化合物、一般式(II-4)におけるp2+p
3が1の化合物及び又は一般式(II-3)の3環化合物」
を多用することが好ましい。
【0134】これらの小群(II-di)〜(II-dvii)で示
した化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有
し、液晶成分Bとして該化合物の含有率が10〜100
重量%であるネマチック液晶組成物が好ましい。
【0135】これら(II-ai)〜(II-dvii)の化合物を
含有した液晶成分Bは、必須成分の液晶成分Aと良く混
合する特徴を有し、特に駆動電圧の目的に応じた調製や
その温度依存性の改善あるいは応答性の改善に有用であ
る。特に、一般式(II-1a)〜(II-1g)、一般式(II-2
a)〜(II-2q)、一般式(II-2u)〜(II-2x)、一般式
(II-2ab)〜(II-2ae)、一般式(II-3a)〜(II-3
d)、一般式(II-3l)〜(II-3r)、一般式(II-4a)〜
(II-4e)の化合物は、これら箇々の少なくとも1つの
効果に優れており、本発明のネマチック液晶組成物の総
量に対して0.1〜25重量%と少量の含有率でもこの
効果を得ることができる。
【0136】本発明の液晶成分Bは、これら小群(II-a
i)〜(II-dvii)のうち一つ又は二つ又は三つ以上の小
群から選ばれる化合物を1種以上含有させることができ
るが、一つの小群から1種のみで構成しても効果を得る
ことができる。また、小群(II-ai)〜(II-dvii)で示
した化合物の構造的な特徴を同時に二つ以上有すること
が可能な化合物は更に好ましい。液晶成分Bは、所望の
目的に応じて、上記小群(II-ai)〜(II-dvii)で示し
た化合物で構成することができる。
【0137】本発明の液晶組成物に関わる一般式(II-
1)〜(II-4)の化合物を主成分とした液晶成分Bを、
あるいは上述してきた小群(II-ai)〜(II-dvii)の化
合物を含有した液晶成分Bを、更にまた小群(II-ai)
〜(II-dvii)の構造的な特徴を同時に二つ以上有する
ことが可能な化合物を含有した液晶成分Bを、液晶成分
Aと組み合わせた本発明の液晶組成物は、相溶性の改
善、低温保存の向上等により液晶表示特性の動作温度範
囲を拡大し、駆動電圧の低減及びその温度変化を改善
し、所定の駆動電圧に対し比較的速い応答性を達成する
あるいは改善することができ、これを構成材料として用
いたTN-LCD、STN-LCD、TFT-LCD等のより改善された電気
光学特性を得ることができる。
【0138】上述してきた液晶成分A及び液晶成分Bの
効果は、後述する液晶成分Cの含有率が非常に小さい場
合においても得ることができる。駆動電圧を特に低くさ
せる目的のために、液晶成分Cの含有率を10重量%以
下にすることができる。この場合、液晶成分Cの粘性を
可能な限り低くさせることが好ましく、駆動電圧の上昇
がほとんどないか小さい範囲に止まり、応答速度の改善
が効率的に得られる。例えば、液晶成分Cが少量の場
合、この効果を液晶成分Bで達成させる方法として、一
般式(II-1)〜(II-4)におけるQ1がF、Cl、−O
CF3、−CNである化合物、又は一般式(II-1)〜(II
-4)におけるY1、Y2がFである化合物、又は一般式
(II-2)、(II-3)におけるP1が単結合、−COO
−、−C≡C−である化合物、又は一般式(II-1)にお
けるp1が0である化合物の何れかの化合物を液晶成分
Bに含有させることが好ましい。特に、一般式(II-1)
〜(II-4)におけるQ1がF又は−CN、及び又は一般
式(II-1)〜(II-4)におけるY1、Y2がFである化合
物は好ましい。
【0139】本発明の液晶組成物は、必須成分である液
晶成分Aに加えて、−10〜2の誘電率異方性を有する
化合物からなる液晶成分Cを多くとも85重量%含有さ
せることが好ましい。本発明で述べる−10〜2の誘電
率異方性を有する液晶化合物の好ましいものとしては、
以下に示すものである。即ち、液晶化合物の化学構造は
棒状であり、中央部分が1個から4個の六員環を有した
コア構造を有し、中央部分長軸方向の両端に位置する六
員環が、液晶分子長軸方向に相当する位置で置換された
末端基を有し、両端に存在する末端基の両方が非極性基
であること、即ち例えばアルキル基、アルコキシ基、ア
ルコキシアルキル基、アルケニル基、アルケニルオキシ
基、アルカノイルオキシ基である化合物である。液晶成
分Cは、1種以上40種以下の範囲で構成することが好
ましく、2種以上20種以下の範囲で構成することがよ
り好ましい。
【0140】この様な視点から、一般式(III-1)〜(I
II-4)で表される化合物におけるより好ましい基本構造
の形態は、下記に示す一般式(III-1a)〜(III-4ac)
で表される化合物である。本発明の液晶成分Cとして、
一般式(III-1)〜(III-4)で表される化合物から選ば
れる化合物を10〜100重量%含有することが好まし
い。これらの化合物を含有した液晶成分Cは、一般式
(0-1)〜(0-2)、(I-1)〜(I-4)の化合物を含有し
た液晶成分Aと良く混合する特徴を有し、低温でのネマ
チック相を改善させるのに有用であり、また所望の複屈
折率を調整することができ、TN-LCD、STN-LCD、TFT-LCD
等の急峻性や応答性あるいはその温度特性を改良するこ
とに優れている。
【0141】この様な視点から、一般式(III-1)〜(I
II-4)で表される化合物におけるより好ましい基本構造
の形態は、下記に示す一般式(III-1a)〜(III-4ac)
で表される化合物である。
【0142】
【化54】
【0143】
【化55】
【0144】
【化56】
【0145】
【化57】
【0146】
【化58】
【0147】
【化59】
【0148】
【化60】
【0149】側鎖基R2、R3における式(III-51)、
(III-52)のより好ましい形態は、下記に示す一般式
(III-5a)〜(IIIー5bf)で表される化合物である。
【0150】
【化61】
【0151】尚、以下で用いている各化合物は、蒸留、
カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物を除去し、
充分精製したものを使用した。
【0152】液晶成分Cは、前記一般式(III-1)〜(I
II-4)で表される化合物を含有することができるが、前
記一般式(III-1)で表される化合物で構成されてもよ
く、前記一般式(III-2)で表される化合物で構成されて
もよく、前記一般式(III-3)で表される化合物で構成
されてもよく、前記一般式(III-4)で表される化合物
で構成されてもよく、これらを併用してもよい。より好
ましくは、前記一般式(III-1)〜(III-3)で表される
化合物のいずれかから選ばれる化合物を1種又は2種以
上含有し、該化合物の含有率が5〜100重量%である
液晶成分Cを含有したネマチック液晶組成物である。
【0153】更に詳述すると、汎用的な液晶組成物を目
的とする場合には、液晶成分Cは以下の化合物を用いる
ことが好ましく、この様な液晶成分Cを液晶成分A、あ
るいは使用した場合には液晶成分Bと組み合わせること
により本発明の効果を得ることができる。
【0154】(III-ai):前記一般式(III-1)〜(III
-4)において、R2が炭素原子数2〜5のアルケニル基
である化合物、具体的には、一般式(III-1a)〜(III-
4ac)の基本構造であって、側鎖基R3が(III-5a)〜
(II-5bf)で、側鎖基R2が(III-5ak)〜(II-5ap)、
(III-5ar)〜(III-5aw)、(III-5ay)〜(III-5bf)
の化合物であり、粘度や粘弾性の低減により応答性を向
上させ、ネマチック相−等方性液体相転移温度を改良さ
せることにより、STN-LCD、TFT-LCD等のより改善された
電気光学特性を得ることができる。 (III-aii):前記一般式(III-1)〜(III-4)におい
て、R3が炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニル基又は
アルケニルオキシ基である化合物、具体的には、一般式
(III-1a)〜(III-4ac)の基本構造であって、側鎖基
2が(III-5a)〜(II-5bf)で、側鎖基R3が(III-5a
k)〜(III-5bf)の化合物であり、粘度や粘弾性の低減
により応答性を向上させ、ネマチック相−等方性液体相
転移温度を改良させることができ、STN-LCD、TFT-LCD等
のより改善された電気光学特性を得ることができる。
【0155】(III-aiii):前記一般式(III-1)の化
合物において、m1が0であり、M2が単結合又は−(C
2)2−である化合物、具体的には、一般式(III-1
a)、(III-1c)の基本構造であって、側鎖基R2、R3
が(III-5a)〜(III-5bf)の化合物。 (III-aiv):前記一般式(III-1)の化合物において、
1が1である化合物、具体的には、一般式(III-1d)
〜(III-1r)の基本構造であって、側鎖基R2、R3
(III-5a)〜(III-5bf)の化合物。
【0156】(III-av):前記一般式(III-2)で表さ
れる化合物、具体的には、一般式(III-2a)〜(III-2
o)の基本構造であって、側鎖基R2、R3が(III-5a)
〜(III-5bf)の化合物。
【0157】(III-avi):前記一般式(III-3)の化合
物において、Z1、Z2、W1〜W3の少なくとも1個がF
である化合物、具体的には、一般式(III-3b)、(III-
3c)、(III-3e)、(III-3g)、(III-3i)〜(III-3
l)、(III-3n)、(III-3r)〜(III-3u)、(III-3
w)、(III-3y)〜(III-3ab)、(III-3ad)〜(III-3
ai)、(III-3al)〜(III-3aq)、(III-3au)〜(III
-3az)、(III-3bk)、(III-3bl)、(III-3bn)〜(I
II-3bs)、(III-3bu)、(III-3bv)、(III-3by)〜
(III-3ch)、(III-3ck)〜(III-3dc)の基本構造で
あって、側鎖基R2、R3が(III-5a)〜(III-5bf)の
化合物。 (III-avii):前記一般式(III-3)の化合物におい
て、Z3がF又は−CH3である化合物、具体的には、一
般式(III-3m)〜(III-3o)、(III-3v)、(III-3
w)、(III-3ai)、(III-3aj)、(III-3aq)〜(III-
3as)、(III-3az)〜(III-3bb)、(III-3bm)、(II
I-3bq)、(III-3cg)、の基本構造であって、側鎖基R
2、R3が(III-5a)〜(III-5bf)の化合物。 (III-aviii):前記一般式(III-3)の化合物におい
て、m1が0であり、M3が単結合である化合物、具体的
には、一般式(III-3a)〜(III-3c)の基本構造であっ
て、側鎖基R2、R3が(III-5a)〜(III-5bf)の化合
物。 (III-aix):前記一般式(III-3)の化合物において、
1が1であり、M1が単結合、−OCO−、−CH2
−、−OCH2−、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−C
H=CH−(CH2)2−、−(CH2)2−CH=CH−、−
CH=N−、−CH=N−N=CH−、−N(O)=N
−、−CH=CH−又は−CF=CF−である化合物、
具体的には例えば、一般式(III-3q)〜(III-3w)、
(III-3ac)〜(III-3bc)、(III-3be)、(III-3b
g)、(III-3bi)〜(III-3bs)、(III-3bw)、(III-
3ci)〜(III-3dc)、(III-3de)、(III-3dh)の基本
構造であって、側鎖基R2、R3が(III-5a)〜(III-5b
f)の化合物。 (III-ax):前記一般式(III-3)の化合物において、
1が−COO−又は−C≡C−であり、M3が−OCO
−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH2)2−、−(C
2)4−、−CH=CH−(CH2)2−、−(CH2)2−C
H=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、
−N(O)=N−、−CH=CH−、−CF=CF−又は
−C≡C−である化合物、具体的には例えば、一般式
(III-3bf)、(III-3bh)、(III-3df)、(III-3dg)
の基本構造であって、側鎖基R2、R3が(III-5a)〜
(III-5bf)の化合物。
【0158】(III-axi):前記一般式(III-4)で表さ
れる化合物、具体的には、一般式(III-4a)〜(III-4a
c)の基本構造であって、側鎖基R2、R3が(III-5a)
〜(III-5bf)の化合物。
【0159】(III-axii):前記一般式(III-1)〜(III
-4)の化合物において、環C1〜C3がトランス−1,4
−シクロへキシレンであり、この環の水素原子のうち少
なくとも一個が重水素原子と置換された化合物から選ば
れる化合物、具体的には、一般式(III-1a)〜(III-2
o)、(III-3q)〜(III-3bi)、(III-4c)、(III-4
d)、(III-4h)、(III-4r)、(III-4s)、(III-4
w)の基本構造であって、側鎖基R2、R3が(III-5a)
〜(III-5bf)の化合物。
【0160】これらの小群(III-ai)〜(III-axii)で
示した化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含
有するネマチック液晶組成物が好ましい。
【0161】一般式(III-1)〜(III-4)で表される化
合物における好ましい形態は、以下の化合物を含有する
液晶成分Cである。
【0162】(III-bi):前記一般式(III-1)におい
て、R2が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子
数2〜5のアルケニル基であり、R3が炭素原子数1〜
5のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5のア
ルケニル基、アルケニルオキシ基であり、m1が0であ
り、M2が単結合、−COO−又は−(CH2)2−である
化合物、具体的には、一般式(III-1a)〜(III-1c)の
基本構造であって、側鎖基R 2が(III-5a)〜(III-5
e)、(III-5ak)〜(III-5ap)であって、側鎖基R3
(III-5a)〜(III-5e)、(III-5g)〜(III-5l)、
(III-5ak)〜(III-5ap)、(III-5ar)〜(III-5a
w)、(III-5ay)〜(III-5bf)の化合物。 (III-bii):前記一般式(III-1)において、R2が炭
素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のア
ルケニル基であり、R3が炭素原子数1〜5のアルキル
基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、
アルケニルオキシ基であり、m1が1であり、環C1がト
ランス−1,4−シクロヘキシレンであり、M1とM2
一方が単結合であり、他方が単結合、−COO−又は−
(CH2)2−である化合物、具体的には、一般式(III-1
d)、(III-1g)〜(III-1j)の基本構造であって、側
鎖基R2が(III-5a)〜(III-5e)、(III-5ak)〜(II
I-5ap)であって、側鎖基R3が(III-5a)〜(III-5
e)、(III-5g)〜(III-5l)、(III-5ak)〜(III-5a
p)、(III-5ar)〜(III-5aw)、(III-5ay)〜(III-
5bf)の化合物。
【0163】(III-biii):前記一般式(III-2)にお
いて、R2が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原
子数2〜5のアルケニル基であり、R3が炭素原子数1
〜5のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5の
アルケニル基、アルケニルオキシ基であり環C2がトラ
ンス−1,4−シクロヘキシレン又はトランス−1,4
−シクロヘキセニレンであり、m1が0であり、M2が単
結合、−COO−又は−(CH2)2−である化合物、具体
的には、一般式(III-2a)〜(III-2e)の基本構造であ
って、側鎖基R2が(III-5a)〜(III-5e)、(III-5a
k)〜(III-5ap)であって、側鎖基R3が(III-5a)〜
(III-5e)、(III-5g)〜(III-5l)、(III-5ak)〜
(III-5ap)、(III-5ar)〜(III-5aw)、(III-5ay)
〜(III-5bf)の化合物。 (III-biv):前記一般式(III-2)において、R2が炭
素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のア
ルケニル基であり、R3が炭素原子数1〜5のアルキル
基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、
アルケニルオキシ基であり環C2がトランス−1,4−
シクロヘキシレン又はトランス−1,4−シクロヘキセ
ニレンであり、m1が1であり、M1とM2の一方が単結
合である化合物、具体的には、一般式(III-2f)〜(II
I-2i)の基本構造であって、側鎖基R2が(III-5a)〜
(III-5e)、(III-5ak)〜(III-5ap)であって、側鎖
基R3が(III-5a)〜(III-5e)、(III-5g)〜(III-5
l)、(III-5ak)〜(III-5ap)、(III-5ar)〜(III-
5aw)、(III-5ay)〜(III-5bf)の化合物。
【0164】(III-bv):前記一般式(III-3)におい
て、R2が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子
数2〜5のアルケニル基であり、R3が炭素原子数1〜
5のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5のア
ルケニル基、アルケニルオキシ基であり、m1が0であ
り、M3が単結合、−C≡C−又は−CH=N−N=C
H−である化合物、具体的には、一般式(III-3a)〜
(III-3c)、(III-3h)〜(III-3p)の基本構造であっ
て、側鎖基R2が(III-5a)〜(III-5e)、(III-5ak)
〜(III-5ap)であって、側鎖基R3が(III-5a)〜(II
I-5e)、(III-5g)〜(III-5l)、(III-5ak)〜(III
-5ap)、(III-5ar)〜(III-5aw)、(III-5ay)〜(I
II-5bf)の化合物。 (III-bvi):前記一般式(III-3)において、R2が炭
素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のア
ルケニル基であり、R3が炭素原子数1〜5のアルキル
基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、
アルケニルオキシ基であり、m1が1であり、M1が単結
合、−(CH2)2−、−COO−又は−C≡C−であり、
3が単結合、−COO−又は−C≡C−である化合
物、具体的には、一般式(III-3q)〜(III-3bb)、(I
II-3bd)〜(III-3bg)、(III-3bj)〜(III-3ch)、
(III-3cj)〜(III-3di)の基本構造であって、側鎖基
2が(III-5a)〜(III-5e)、(III-5ak)〜(III-5a
p)であって、側鎖基R3が(III-5a)〜(III-5e)、
(III-5g)〜(III-5l)、(III-5ak)〜(III-5ap)、
(III-5ar)〜(III-5aw)、(III-5ay)〜(III-5bf)
の化合物。 (III-bvii):前記一般式(III-3)において、R2が炭
素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のア
ルケニル基であり、R3が炭素原子数1〜5のアルキル
基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、
アルケニルオキシ基であり、m1が1であり、M1とM3
の一方が単結合であり、他方が単結合又は−C≡C−で
あり、W1、W2の少なくとも1個がFである化合物、具
体的には、一般式(III-3r)、(III-3t)、(III-3a
u)、(III-3aw)、(III-3ay)、(III-3bk)、(III-
3bn)、(III-3bo)、(III-3bz)、(III-3cb)、(II
I-3ce)、(III-3cf)、(III-3cu)、(III-3cx)、
(III-3cz)の基本構造であって、側鎖基R2が(III-5
a)〜(III-5e)、(III-5ak)〜(III-5ap)であっ
て、側鎖基R3が(III-5a)〜(III-5e)、(III-5g)
〜(III-5l)、(III-5ak)〜(III-5ap)、(III-5a
r)〜(III-5aw)、(III-5ay)〜(III-5bf)の化合
物。 (III-bviii):前記一般式(III-3)において、R2
炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5の
アルケニル基であり、R3が炭素原子数1〜5のアルキ
ル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル
基、アルケニルオキシ基であり、Z2、Z3いずれかが
F、CH3で置換された化合物、具体的には、一般式(I
II-3c)、(III-3f)、(III-3g)、(III-3j)、(III
-3l)〜(III-3o)、(III-3s)、(III-3u)〜(III-3
w)、(III-3z)、(III-3ab)、(III-3ae)、(III-3
ag)、(III-3ai)、(III-3aj)、(III-3am)、(III
-3ao)、(III-3aq)〜(III-3as)、(III-3av)、(I
II-3ax)、(III-3az)〜(III-3bb)、(III-3bl)、
(III-3bm)、(III-3bp)〜(III-3bs)、(III-3b
v)、(III-3ca)、(III-3cc)、(III-3cd)、(III-
3cg)、(III-3ch)、(III-3cm)〜(III-3cs)、(II
I-3cv)〜(III-3cx)、(III-3da)〜(III-3dc)の基
本構造であって、側鎖基R2が(III-5a)〜(III-5
e)、(III-5ak)〜(III-5ap)であって、側鎖基R3
(III-5a)〜(III-5e)、(III-5g)〜(III-5l)、
(III-5ak)〜(III-5ap)、(III-5ar)〜(III-5a
w)、(III-5ay)〜(III-5bf)の化合物。
【0165】(III-bix):前記一般式(III-4)におい
て、R2が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子
数2〜5のアルケニル基であり、R3が炭素原子数1〜
5のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数2〜5のア
ルケニル基、アルケニルオキシ基であり、m2+m3が0
である化合物、具体的には、一般式(III-4a)、(III-
4b)の基本構造であって、側鎖基R2が(III-5a)〜(I
II-5e)、(III-5ak)〜(III-5ap)であって、側鎖基
3が(III-5a)〜(III-5e)、(III-5g)〜(III-5
l)、(III-5ak)〜(III-5ap)、(III-5ar)〜(III-
5aw)、(III-5ay)〜(III-5bf)の化合物。
【0166】これらの小群(III-bi)〜(III-bix)で
示した化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含
有し、液晶成分Cとして該化合物の含有率が10〜10
0重量%であるネマチック液晶組成物が好ましい。
【0167】一般式(III-1)〜(III-4)で表される化
合物における特に好ましい形態は、以下の化合物を含有
する液晶成分Cである。
【0168】液晶成分Cとして、一般式(III-1)〜(I
II-4)の化合物を含有することで、粘度や粘弾性を低減
させることができ、比抵抗や電圧保持率が比較的高いと
いう特徴を有する。液晶成分Cの粘度は、可能な限り低
い粘度であることが好ましく、本発明の場合、45cp
以下が好ましく、30cp以下がより好ましく、20c
p以下が更に好ましく、15cp以下が特に好ましい。
この様な観点から、好ましい化合物は、(III-ci):基
本構造が一般式(III-1a)〜(III-1f)、(III-1k)、
(III-2a)〜(III-2f)、(III-3a)、(III-3h)〜
(III-3j)、(III-3o)、(III-3p)、(III-3q)、
(III-3ac)、(III-3at)〜(III-3ax)、(III-3b
a)、(III-3bb)、(III-3bf)、(III-3bg)、(III-
3bx)〜(III-3cb)、(III-3ct)〜(III-3cx)で表さ
れる化合物、より好ましくは、(III-cii):上記(III
-ci)の中で、R2が炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル
基又はC p2p+1−CH=CH−(CH2)q(p=0、1、
2、3 q=0、2)のアルケニル基で、R3が炭素原
子数1〜5の直鎖状アルキル基又はCp2p+1−CH=C
H−(CH2)q(p=0、1、2、3 q=0、2)のア
ルケニル基である化合物、更に好ましくは、(III-cii
i):両側鎖基が共にアルケニル基であり、基本構造が
一般式(III-1a)、(III-1d)、(III-2a)、(III-2
f)、(III-3a)、(III-3h)、(III-3p)、(III-3
q)で表される化合物である。
【0169】本発明の液晶成分Cは、一般式(III-
1)、一般式(III-2)、一般式(III-3)、一般式(III
-4)で表される化合物を各々単独で構成することもでき
るが、 (III-civ):「一般式(III-1)及び又は(III-2)で
表される化合物、特に一般式(III-1a)、(III-1d)、
(III-2a)〜(III-2c)、(III-2f)の化合物」と、
(III-cv):「一般式(III-3)及び又は一般式(III-
4)で表される化合物、特に一般式(III-3)におけるM
1が単結合、−C≡C−、−CH=N−N=CH−で表
される化合物、具体的には一般式(III-3a)、(III-3
h)、(III-3p)、(III-3q)、(III-3at)、(III-4
a)、(III-4h)の化合物」とを併用することによっ
て、液晶組成物の複屈折率を用途に応じて容易に最適化
することができる。汎用的には、一般式(III-1)、一
般式(III-2)の化合物、例えば一般式(III-1a)〜(I
II-2f)の化合物を多用することによって、複屈折率を
減少させることができ、液晶表示装置の色むらの低減、
視角特性の向上、コントラスト比の増加を容易に達成す
ることができる。又、一般式(III-3)の化合物、例え
ば一般式(III-3a)〜(III-3j)の化合物、あるいは一
般式(III-4)の化合物、例えば一般式(III-4a)〜(I
II-4e)の化合物を多用することで、複屈折率を増大さ
せることができ、液晶層が1〜5μmの薄い液晶表示素
子の作製を可能とすることができる。
【0170】これらの小群(III-ci)〜(III-cv)で示
した化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有
し、液晶成分Cとして該化合物の含有率が10〜100
重量%であるネマチック液晶組成物が好ましい。
【0171】本発明の液晶成分Cは、これら小群(III-
ai)〜(III-cv)のうち一つ又は二つ又は三つ以上の小
群から選ばれる化合物を1種以上含有させることができ
るが、一つの小群から1種のみで構成しても効果を得る
ことができる。また、小群(III-ai)〜(III-cv)で示
した化合物の構造的な特徴を同時に二つ以上有すること
が可能な化合物は更に好ましい。液晶成分Cは、所望の
目的に応じて、上記小群(III-ai)〜(III-cv)で示し
た化合物で構成することができる。
【0172】本発明は、液晶成分Aと液晶成分Cを組み
合わせた液晶組成物を含む。従来知られている液晶成分
Bと液晶成分Cからなる液晶組成物に対し、本発明の液
晶組成物は、応答性において特段の効果を有することを
見いだした。液晶成分C、特に小群(III-bi)〜(III-
cv)を含有する液晶成分C、更に特に小群(III-ci)〜
(III-cv)を含有する液晶成分Cと組み合わせた液晶組
成物は、液晶成分Bと液晶成分Cからなる液晶組成物よ
り、急激な応答性の改善が得られた。これは、液晶成分
Aが非置換又は置換されたナフタレン−2,6−ジイル
環、デカハイドロナフタレン−2,6−ジイル環、1,
2,3,4−テトラハイドロナフタレン−2,6−ジイ
ル環を部分構造とする分子構造を特徴としている化合
物、特に板状の構造を有することのためかと思われる。
【0173】これら(III-ai)〜(III-cv)の化合物を
含有した液晶成分Cは、必須成分の液晶成分Aと良く混
合する特徴を有し、目的に応じた複屈折率の調製、急峻
性やその温度依存性の改善あるいは応答性の改善に有用
である。これらの化合物は、これら箇々の少なくとも1
つの効果に優れており、本発明のネマチック液晶組成物
の総量に対して0.1〜30重量%と少量の含有率でも
この効果を得ることができる。
【0174】本発明の液晶組成物に関わる一般式(III-
1)〜(III-4)の化合物を主成分とした液晶成分Cを、
あるいは上述してきた小群(III-ai)〜(III-cv)の化
合物を含有した液晶成分Cを、更にまた小群(III-ai)
〜(III-cv)の構造的な特徴を同時に二つ以上有するこ
とが可能な化合物を含有した液晶成分Cを、液晶成分A
と組み合わせた本発明の液晶組成物は、相溶性の改善、
低温保存の向上等により液晶表示特性の動作温度範囲を
拡大し、駆動電圧の低減及びその温度変化を改善し、所
定の駆動電圧に対し比較的速い応答性を達成するあるい
は改善することができ、これを構成材料として用いたTN
-LCD、STN-LCD、TFT-LCD等のより改善された電気光学特
性を得ることができる。
【0175】本発明に関わる化合物は、構成する原子を
その同位体原子で意識的に置換させることができる。こ
の場合、水素原子を重水素原子に置換させた化合物は特
に好ましく、相溶性、弾性定数、プレチルト角、電圧保
持率等により好ましい効果を示す。好ましい形態は、上
述してきた側鎖基、連結基あるいは環に存在する水素原
子を重水素原子に置換させた化合物である。より好まし
くは、側鎖基であれば置換又は非置換のアルキル基、ア
ルケニル基、環であれば置換又は非置換の1,4−フェ
ニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、トランス−1,
4−シクロへキシレン、トランス−1,4−シクロへキ
セニレン又はトランス−1,4−ジオキサン−2,5−
ジイル、連結基であれば−CH2O−、−OCH2−、−
(CH2)2−、−(CH2)4−、−CH=CH−(CH2)
2−、−(CH2)2−CH=CH−、−CH=N−、−C
H=N−N=CH−である。特に好ましくは、アルキル
基、アルケニル基、1,4−フェニレン、トランス−
1,4−シクロへキシレン、−(CH2)2−、−(CH2)4
−、である。
【0176】現在、TN-LCD、STN-LCDあるいはTFT-LCDに
用いられている配向膜は、ポリイミド系のものが多用さ
れており、例えばLX1400、SE150、SE610、AL1051、AL34
08等が使用されている。配向膜の仕様には、液晶表示特
性、表示品位、信頼性、生産性が深く関係しており、液
晶材料に対しては例えばプレチルト角特性が重要であ
る。プレチルト角の大きさは、所望の液晶表示特性や均
一な配向性を得るために適時調整する必要がある。例え
ば、大きなプレチルト角の場合不安定な配向状態となり
やすく、小さい場合充分な表示特性を満たされないこと
となる。
【0177】本発明者らは、プレチルト角がより大きい
液晶材料とより小さい液晶材料とに選別されることを見
いだしており、これを応用することによって所望の液晶
表示特性や均一な配向性を液晶材料から達成させること
を見いだした。この技術は、本発明にも応用できる。例
えば、液晶成分Bが一般式(II-1)〜(II-4)を含有す
る場合は以下のようになる。より大きいプレチルト角
は、一般式(II-1)においてR1がアルケニル基、Q1
F、Cl、−CN、Y1、Y2がFの化合物、及び又は一
般式(II-1)においてR1がアルキル基、Q1がF、C
l、−CN、M2が−C2H4-、−C4H8-の化合物の含有
率を多くさせることで得られ、より小さいプレチルト角
は、一般式(II-1)においてR1がアルケニル基、CsH
2s+1−O−CtH2t、Q1がF、Y1がF、Y2がHの化合
物、及び又はM2が−COO−の化合物の含有率を多く
させることで得られる。具体的には、一般式(I-1)〜
(I-6)におけるナフタレン−2,6−ジイル環、デカ
ハイドロナフタレン−2,6−ジイル環、1,2,3,
4−テトラハイドロナフタレン−2,6−ジイル環、あ
るいは一般式(I-1)〜(I-6)における環A1〜A2がシ
クロヘキサン環、また一般式(II-1)、(II-2)、(II
-4)における環B1〜B3がシクロヘキサン環、更に一般
式(III-1)〜(III-4)における環C1〜C3がシクロヘ
キサン環、ナフタレン−2,6−ジイル環、デカハイド
ロナフタレン−2,6−ジイル環、1,2,3,4−テ
トラハイドロナフタレン−2,6−ジイル環であり、該
環の水素原子を重水素原子置換した化合物の場合、置換
位置によって異なり、プレチルト角の幅広い調整を可能
にさせる。また、水素原子を重水素原子置換した化合物
を多用した場合、不純物の混入に対して、より高い電圧
保持率を維持する特段の効果があり、アクティブ用のTF
T-LCD等の表示特性や製造上の歩留まりに好適である。
この様な効果は、重水の性質、即ち反応の平衡定数や速
度定数の差異、低いイオン移動度、無機物や酸素の低い
溶解性等の性質が、液晶化合物においても発現している
ことが考えられる。より高い電圧保持率を維持すること
を得るためには、上述した化合物を液晶組成物総量に対
して10〜40重量%あるいはそれ以上含有させること
によってほぼ得ることができる。
【0178】本発明のネマチック液晶組成物における各
液晶成分の含有率は、汎用的には以下のようにできる。
液晶成分Aは、0.1〜99.9重量%の範囲である
が、0.5〜90重量%の範囲が好ましく、5〜85重
量%の範囲がより好ましい。液晶成分Bは、0〜99.
9重量%の範囲であるが、3〜80重量%の範囲が好ま
しく、5〜60重量%の範囲がより好ましい。液晶成分
Cは、多くとも85重量%の範囲であるが、3〜70重
量%の範囲が好ましく、5〜70重量%の範囲がより好
ましい。一般式(I-1)で表される化合物を用いる場
合、その含有率は、単体で15重量%以下が好ましく、
それ以上は2種以上で構成することが好ましく、一般式
(I-11a)〜(I-13ai)で表される化合物の液晶成分A
に対する含有率は、5〜99.9重量%の範囲が好まし
い。更に、一般式(I-11)、(I-12)で表される化合物
を用いる場合、液晶成分Aに対する含有率は、5〜30
重量%の範囲、30〜50重量%の範囲、50〜70重
量%の範囲、70〜99.9重量%の範囲で選ぶことが
好ましい。一般式(I-2)で表される化合物を用いる場
合、その含有率は、単体で15重量%以下が好ましく、
それ以上は2種以上で構成することが好ましく、一般式
(I-21a)〜(I-23ai)で表される化合物の液晶成分A
に対する含有率は、5〜99.9重量%の範囲が好まし
い。更に、一般式(I-21)、(I-22)で表される化合物
を用いる場合、液晶成分Aに対する含有率は、5〜30
重量%の範囲、30〜50重量%の範囲、50〜70重
量%の範囲、70〜99.9重量%の範囲で選ぶことが
好ましい。一般式(I-3)で表される化合物を用いる場
合、その含有率は、単体で15重量%以下が好ましく、
それ以上は2種以上で構成することが好ましく、一般式
(I-31a)〜(I-33ai)で表される化合物の液晶成分A
に対する含有率は、5〜99.9重量%の範囲が好まし
い。更に、一般式(I-31)、(I-32)で表される化合物
を用いる場合、液晶成分Aに対する含有率は、5〜30
重量%の範囲、30〜50重量%の範囲、50〜70重
量%の範囲、70〜99.9重量%の範囲で選ぶことが
好ましい。一般式(I-4)で表される化合物を用いる場
合、その含有率は、単体で15重量%以下が好ましく、
それ以上は2種以上で構成することが好ましく、一般式
(I-41a)〜(I-43ab)で表される化合物の液晶成分A
に対する含有率は、5〜99.9重量%の範囲が好まし
い。更に、一般式(I-41)、(I-42)で表される化合物
を用いる場合、液晶成分Aに対する含有率は、5〜30
重量%の範囲、30〜50重量%の範囲、50〜70重
量%の範囲、70〜99.9重量%の範囲で選ぶことが
好ましい。一般式(I-5)で表される化合物を用いる場
合、その含有率は、単体で15重量%以下が好ましく、
それ以上は2種以上で構成することが好ましく、一般式
(I-51a)〜(I-53ab)で表される化合物の液晶成分A
に対する含有率は、5〜99.9重量%の範囲が好まし
い。更に、一般式(I-51)、(I-52)で表される化合物
を用いる場合、液晶成分Aに対する含有率は、5〜30
重量%の範囲、30〜50重量%の範囲、50〜70重
量%の範囲、70〜99.9重量%の範囲で選ぶことが
好ましい。一般式(I-6)で表される化合物を用いる場
合、その含有率は、単体で15重量%以下が好ましく、
それ以上は2種以上で構成することが好ましく、一般式
(I-61a)〜(I-63ab)で表される化合物の液晶成分A
に対する含有率は、5〜99.9重量%の範囲が好まし
い。更に、一般式(I-61)、(I-62)で表される化合物
を用いる場合、液晶成分Aに対する含有率は、5〜30
重量%の範囲、30〜50重量%の範囲、50〜70重
量%の範囲、70〜99.9重量%の範囲で選ぶことが
好ましい。この場合、液晶成分Aに含まれる一般式(I-
1)〜(I-6)から選ばれる化合物群の相対的な混合比率
は、99.9:0.1から0.1:99.9の範囲で適
時選ぶことができるが、95:5から5:95の範囲で
選ぶことが好ましく、90:10から10:90の範囲
で選ぶことがより好ましい。液晶成分Aに含まれる一般
式(I-1)〜(I-6)から選ばれる化合物群の相対的な混
合比率が、99.9:0.1〜20:80の範囲の場
合、特にレスポンスのより速い組成物を得ることが出
来、上記混合比率が80:20〜0.1:99の範囲の
場合、特に飽和電圧の低減が計れる。一般式(II-1)〜
(II-4)で表される化合物、具体的には一般式(II-1
a)〜(II-4n)で表される化合物の含有率は、単体で3
0重量%以下が好ましく、25重量%以下が更に好まし
く、それ以上は2種以上で構成することが好ましく、液
晶成分Bに対する含有率は、10〜100重量%の範囲
であるが、50〜100重量%の範囲が好ましく、75
〜100重量%の範囲が更に好ましい。一般式(III-
1)〜(III-4)で表される化合物、具体的には一般式
(III-1a)〜(III-4ac)で表される化合物の含有率
は、単体で30重量%以下が好ましく、25重量%以下
が更に好ましく、それ以上は2種以上で構成することが
好ましく、液晶成分Cに対する含有率は、10〜100
重量%の範囲であるが、50〜100重量%の範囲が好
ましく、75〜100重量%の範囲が更に好ましい。
【0179】高信頼性のSTN-LCDやアクティブ用のSTN-L
CD、TFT-LCD等には、窒素原子や酸素原子を含まない化
合物で構成することが好ましい。この観点から、一般式
(I-1)〜(I-6)において、Q1がF、Cl、CF3、O
CF3、OCF2Hであり、K 1〜K3が単結合、−CH=
CH−、−C≡C−、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−
CH=CH−(CH2)2−、−(CH2)2−CH=CH−で
ある化合物を、液晶成分Aとして50〜100重量%含
有することが好ましい。液晶成分Bを併用して用いる場
合には、一般式(II-1)〜(II-4)において、Q1
F、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであり、Y1、Y
2がH、F、Cl、CF3、OCF3であり、P1〜P3
単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−(CH2)2−、
−(CH2)4−、−CH=CH−(CH2)2−、−(CH2)2
−CH=CH−である化合物を、液晶成分Bとして50
〜100重量%含有することが好ましい。特に、前述し
た小群(II-ci)〜(II-civ)から選ばれる化合物を5
0〜100重量%含有することが好ましい。
【0180】一般式(II-1)〜(II-4)の化合物を用い
る場合、更に液晶成分Bの好ましい形態は、下記に示す
化合物を含有する。 (i):一般式(II-1)〜(II-4)の化合物を用いる場
合、Q1がF、Cl、CF 3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y1がH、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y2がH、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hである
化合物。 (ii):一般式(II-1)〜(II-4)の化合物を用いる場
合、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y1がFであり、Y2がCl、CF3、OCF3、OC
2Hである化合物。 (iii):一般式(II-1)〜(II-4)の化合物を用いる
場合、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y1がFであり、Y2がHであり、W1〜W4の少なく
とも1個がH、F、Cl、CF3、OCF3、OCF2
である化合物。 (iv):一般式(II-1)〜(II-4)の化合物を用いる場
合、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y1、Y2がFであり、W1〜W4の少なくとも1個が
Cl、CF3、OCF3、OCF2Hである化合物。
【0181】更に、液晶成分Aあるいは液晶成分Bの別
の好ましい形態を下記に示す。 (v):一般式(I-1)〜(I-6)の化合物において、Q1
がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであり、一般
式(I-1)〜(I-6)の化合物において、Q1がF、C
l、CF3、OCF3、OCF2Hである化合物との組み
合わせ。 (vi):一般式(I-1)〜(I-6)の化合物において、Q
1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hの化合物を用
いる場合、一般式(II-1)〜(II-4)の化合物におい
て、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y1がH、F、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hで
あり、Y2がH、F、Cl、CF3、OCF3、OCF2
である化合物との組み合わせ。 (vii):一般式(I-1)〜(I-6)の化合物において、
1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hである化合
物を用いる場合、一般式(I-1)〜(I-6)の化合物にお
いて、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
る化合物との組み合わせ。この場合、一般式(I-1)〜
(I-6)の化合物を1種又は2〜20種含有することが
好ましい。 (viii):一般式(I-1)〜(I-6)の化合物において、
1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hである化合
物を用いる場合、一般式(II-1)〜(II-4)の化合物に
おいて、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hで
あり、Y1がH、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y2がH、F、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hで
ある化合物との組み合わせ。 (ix):一般式(I-1)〜(I-6)の化合物において、Q
1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hである化合物
を用いる場合、一般式(II-1)〜(II-4)の化合物にお
いて、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y1がFであり、Y2がF、Cl、CF3、OCF3
OCF2Hである化合物との組み合わせ。 (x):一般式(I-1)〜(I-6)の化合物において、Q1
がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hである化合物
を用いる場合、一般式(II-1)〜(II-4)の化合物にお
いて、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、、Y1がH、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y2がH、F、Cl、CF3、OCF3、、OCF2
である化合物との組み合わせ。この場合、一般式(I-
1)〜(I-6)の化合物を1種又は2〜20種含有するこ
とが好ましい。 (xi):一般式(I-1)〜(I-6)の化合物において、Q
1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hである化合物
を用いる場合、一般式(II-1)〜(II-4)の化合物にお
いて、Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hであ
り、Y1がFであり、Y2がF、Cl、CF3、OC
3、、OCF2Hである化合物との組み合わせ。この場
合、一般式(I-1)〜(I-6)の化合物を1種又は2〜2
0種含有することが好ましい。
【0182】本発明の液晶成分A及び又液晶成分Bは、
所望の目的に応じて、上記(i)〜(xi)のうち一つ又
は二つ又は三つ以上の条件を満たすことを特徴としたネ
マチック液晶組成物とさせることができる。この様な本
発明の液晶組成物は、相溶性の改善、低温保存の向上等
により液晶表示特性の動作温度範囲を拡大し、駆動電圧
の低減及びその温度変化を改善し、所定の駆動電圧に対
し比較的速い応答性を達成するあるいは改善することが
でき、これを構成材料として用いた高信頼性のTN-LCD、
STN-LCDやアクティブ用のSTN-LCD、TFT-LCD等のより改
善された電気光学特性を得ることができる。
【0183】高信頼性のSTN-LCDの場合には、液晶成分
A(Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hの化合
物)と液晶成分B(Q1がF、Cl、CF3、OCF3
OCF 2Hの化合物)の総和は、10〜100重量%が
好ましく、30〜100重量%がより好ましく、60〜
100重量%が更に好ましい。この場合、液晶成分Aと
液晶成分Bの相対的な混合比率は、100:0から0.
1:99.9の範囲で適時選ぶことができるが、10
0:0から5:95の範囲で選ぶことが好ましく、10
0:0から10:90の範囲で選ぶことがより好まし
い。アクティブ用のSTN-LCD、TFT-LCDの場合には、液晶
成分A(Q1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2Hの
化合物)と液晶成分B(Q1がF、Cl、CF3、OCF
3、OCF2Hの化合物)の総和は、20〜100重量%
含有することが好ましく、40〜100重量%含有する
ことがより好ましく、60〜100重量%含有すること
が更に好ましい。この場合、液晶成分Aと液晶成分Bの
相対的な混合比率は、100:0から0.1:99.9
の範囲で適時選ぶことができるが、100:0から5:
95の範囲で選ぶことが好ましく、目的に応じて10
0:0から90:10の範囲、90:10から70:3
0の範囲、70:30から40:60の範囲、40:6
0から20:80の範囲、20:80から5:95の範
囲で選ぶことがより好ましい。
【0184】尚、アクティブ用のSTN-LCDとは、広い視
野角でより高いコントラストを得ることや特に立ち下が
りの応答時間の改善を目的としたものであり、STN-LCD
を例えばTFTやMIMの技術を用いてアクティブ駆動させる
ことである。
【0185】本発明の液晶組成物は、上記一般式(I-
1)〜(III-4)で表される化合物以外にも、液晶組成物
の特性を改善するために、液晶化合物として認識される
通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリ
ック液晶などを含有していてもよい。例えば、4個の六
員環を有したコア構造の化合物であって、該化合物の液
晶相−等方性液体相転移温度が100℃以上を有する化
合物を1種又は2種以上含有させることかできる。しか
しながら、これらの化合物を多量に用いることはネマチ
ック液晶組成物の特性が低減することになるので、添加
量は得られるネマチック液晶組成物の要求特性に応じて
制限されるものである。この様な好ましい化合物として
は、一般式(II-1)、(II-2)におけるp1が2である
化合物、一般式(II-4)におけるp2+p3が2である化
合物、一般式(III-1)〜(III-3)におけるm1が2で
ある化合物、一般式(III-4)におけるm2+m3が2で
ある化合物があげられる。尚、この場合の繰り返しとな
る環B1、B 3、環C1、C3、連結基P1、P2、M1は、
同じ基でも良く、各々独立的に異なっていても良い。
【0186】結晶相又はスメクチック相−ネマチック相
転移温度は、0℃以下がよく、好ましくは−10℃以
下、更に好ましくは−20℃以下、特に好ましくは−3
0℃以下である。ネマチック相−等方性液体相転移温度
は、50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましく
は70℃以上、更に好ましくは80℃〜180℃の範囲
である。本発明の液晶組成物は、誘電率異方性が1以上
でもよいが、2〜40の範囲が好ましく、高速応答性を
重視する場合は2〜8の範囲が、より低い駆動電圧を必
要とする場合は7〜30の範囲が好ましい。より小さい
或いは中位の複屈折率は、0.02〜0.18の範囲が
好ましく、より大きい複屈折率は、0.18〜0.40
の範囲が好ましい。この様なネマチック液晶組成物の特
性は、アクティブ・マトリクス形、ツイスティッド・ネ
マチックあるいはスーパー・ツイスティッド・ネマチッ
ク液晶表示装置に用いるのに有用である。
【0187】TN-LCD、STN-LCD、TFT-LCDにおける基板間
の厚みdは、1〜12μmが好ましく、1〜10μmが
より好ましく、1.5〜7μmが更に好ましい。また、
厚みdと複屈折率△nの積は、0.2〜5μmが好まし
く、0.3〜1.6μmがより好ましく、0.5μm前
後、0.7〜1.0μm、1.2μm前後が更に好まし
い。
【0188】本発明の液晶組成物は、駆動電圧の大きさ
に対してより速い応答性を目的とする場合、以下のよう
にすることができる。中位の駆動電圧を目的とする場合
は、本発明の液晶組成物の誘電率異方性が3〜15の範
囲であり、20℃における粘性が8〜20mPa・sの範囲
であることが好ましい。この場合、液晶成分Cのみの粘
性が25mPa・s以下が好ましく、15mPa・s以下がより好
ましく、10mPa・s以下が特に好ましい。又、特に低い
駆動電圧を目的とする場合は、本発明の液晶組成物の誘
電率異方性が15〜30の範囲にあることが好ましく、
18〜28の範囲が特に好ましい。
【0189】上記ネマチック液晶組成物は、高速応答性
のTN-LCD、STN-LCD、TFT-LCDに有用であり、またカラー
フィルター層を用いなくても、液晶層と位相差板の複屈
折性でカラー表示をすることができる液晶表示素子に有
用なものであり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子
に用いることができる。この液晶表示素子は、透明性電
極層を有し少なくとも一方が透明である基板を有し、こ
の基板間に前記ネマチック液晶組成物の分子をねじれた
配向にさせたものである。ねじれ角は、目的に応じて3
0°〜360°の範囲で選択することができ、90°〜
270°の範囲で選択することが好ましく、45°〜1
35°の範囲または180°〜260°の範囲で選択す
ることが特に好ましい。この為に、本発明の液晶組成物
は、誘起螺旋ピッチpが0.5〜1000μmとなる光
学活性基を有する化合物を含有させることができる。こ
の様な化合物としては、コレステリック誘導体、カイラ
ルネマチック、強誘電性液晶等がある。より具体的に
は、一般式(I-1)〜(I-6)におけるR1、一般式(II-
1)〜(II-4)におけるR1、一般式(III-1)〜(III-
4)におけるR2、R3が、光学活性基を有する化合物が
好ましい。
【0190】また、一般式(I-1)〜(I-6)におけるK
1〜K3、一般式(II-1)〜(II-4)におけるP1〜P3
一般式(III-1)〜(III-4)におけるM1〜M3が、光学
活性基を有する化合物が好ましい。
【0191】代表的なものとしては、例えばコレステリ
ルノナネイト、C−15、CB−15、S−811等を
用いることが好ましい。更に具体的には、例えば下記に
示す一般式(IV-3a)〜(IV-3ab)で表される化合物で
ある。
【0192】
【化62】
【0193】
【化63】
【0194】更に具体的な用い方を示す。温度上昇によ
って誘起螺旋ピッチが長くなるものと短くなるものが知
られているが、これらの一方を1種あるいは2種以上を
用いても良く、両者を組み合わせて1種あるいは2種以
上用いても良い。混合する量は、0.001重量%〜1
0重量%の範囲が好ましく、0.05重量%〜3重量%
の範囲がより好ましく、0.1重量%〜3重量%が更に
好ましい。しかし、これらの量は、上記したねじれ角θ
と基板間の厚みdによって、所定の誘起螺旋ピッチにす
ることは当然のことである。例えば、TN-LCD、STN-LC
D、TFT-LCDにおいては、基板間の厚みdと誘起螺旋ピッ
チpの商d/pは、0.001〜24の範囲から選ぶこ
とができるが、0.01〜12の範囲が好ましく、0.
1〜2の範囲がより好ましく、0.1〜1.5の範囲が
更に好ましく、0.1〜1の範囲が更により好ましく、
0.1〜0.8の範囲が特に好ましい。
【0195】透明性電極基板に設けられる配向膜によっ
て得られるプレチルト角は、1°〜20°の範囲で選択
することが好ましく、TN-LCD用では1°〜6°のプレチ
ルト角が好ましく、STN-LCD用では2°〜12°のプレ
チルト角が好ましく、TFT用では1°〜10°のプレ
チルト角が好ましく、IPS用では0°〜3°のプレチル
ト角が好ましい。
【0196】本発明は、それ以外の別の液晶材料とし
て、更に以下の化合物及びネマチック液晶組成物を提供
する。即ち、一般式(I-1)〜(I-6)におけるR1、一
般式(II-1)〜(II-4)におけるR1、一般式(III-1)
〜(III-4)におけるR2、R3が、光硬化性α−置換ア
クリロイル基である化合物及びこれを含有した液晶組成
物である。このような化合物を含有させることにより、
透明性固体物質の界面を好ましいものとすることができ
る。光硬化性α−置換アクリロイル基を有する化合物
は、0.01〜100%の範囲から選ぶことができる。
【0197】本発明の液晶組成物は、アントラキノン
系、アゾ系、アゾキシ系、アゾメチン系、メロシアニン
系、キノフタレン系及びテトラジン系等の二色性色素を
添加してゲストホスト(GH)用液晶組成物としても用
いることができる。また、前述した光学活性基を有する
化合物を添加して相転移型表示(PC)及びホワイトテ
ーラー型表示の液晶組成物としても用いることができ
る。更にまた、複屈折制御型表示(ECB)や動的散乱
型表示(DS)、SID'93 Digest,p.277(1993)に記述さ
れているOCBモードやその応用であるR−OCBモー
ドの液晶組成物としても用いることができる。また、別
の利用方法として、強誘電性液晶の相系列を調整する目
的で、本発明の液晶組成物を添加させることができる。
高分子安定化型液晶表示用液晶組成物としても用いるこ
とができる。この場合、上記光硬化性の側鎖基を有する
化合物あるいは組成物を使用することができる。更に、
別の利用方法として、上記光硬化性の側鎖基を有する化
合物あるいは本発明の組成物をUVキュアラブル液晶と
して用いて、位相差フィルム、光学レンズや各種光学フ
ィルター等の光学部材に使用することができる。また、
マイクロカラーフィルター、偏光板や配向膜等の液晶表
示関連部材に応用させて使用することができる。
【0198】本発明の液晶組成物は、上記で詳述してき
た液晶成分A、B、Cを含有することにより得ることが
できる。この様にして以下好ましい例としてネマチック
液晶組成物(1-01)〜(1-20)を示すが、本発明はこれらの
例に限定されるものではない。これら例示したものは、
例えば、ネマチック液晶組成物(1-01)、(1-03)〜(1-06)
、(1-17)〜(1-20)はTN-LCD用として、ネマチック液晶
組成物(1-01)、(1-02)、(1-08)〜(1-13)、(1-15) 、(1-
16) 、(1-19) 、(1-20)はSTN-LCD用として、ネマチック
液晶組成物(1-05)、(1-07)、(1-14) 、(1-17) 〜(1-20)
はTFT-LCD用として使用することができる。また、これ
らの例で示された化合物(1-0101)〜(1-2011)の1種ある
いは複数の化合物を、所存の目的や用途に対して一般式
(I-1)〜(III-4)で表される化合物、より具体的に
は、一般式(I-11a)〜(I-63ab)の基本構造であっ
て、側鎖基が(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基の
部分構造が一般式(I-81a)〜(I-83f)の化合物、一般
式(II-1a)〜(II-4n)の基本構造であって、側鎖基が
(I-7a)〜(I-7bc)であって、極性基の部分構造が一
般式(II-5a)〜(II-5r)の化合物、一般式(III-1a)
〜(III-4ac)の基本構造であって、側鎖基が(III-5
a)〜(III-5bf)の化合物と置き換えて使用することが
できる。
【0199】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-01)
【化64】
【0200】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-02)
【化65】
【0201】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-03)
【化66】
【0202】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-04)
【化67】
【0203】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-05)
【化68】
【0204】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-06)
【化69】
【0205】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-07)
【化70】
【0206】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-08)
【化71】
【0207】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-09)
【化72】
【0208】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-10)
【化73】
【0209】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-11)
【化74】
【0210】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-12)
【化75】
【0211】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-13)
【化76】
【0212】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-14)
【化77】
【0213】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-15)
【化78】
【0214】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-16)
【化79】
【0215】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-17)
【化80】
【0216】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-18)
【化81】
【0217】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-19)
【化82】
【0218】好ましい組成物例:ネマチック液晶組成物
(1-20)
【化83】
【0219】現在、液晶表示装置は、激しく繰り広げら
れた価格競争の状態にある。この立場から、液晶材料に
は、種々の用途に対する表示特性の最適化を如何に簡便
にできるかが課題になっており、2種類の液晶材料から
なる2ボトルや4種類の液晶材料からなる4ボトルとい
ったシステム化された液晶材料が求められている。その
代表的な特性は、しきい値電圧、複屈折率、ネマチック
相−等方性液体相転移温度がある。例えば、他の特性が
同等で、しきい値電圧のみがより高い液晶材料とより低
い液晶材料からなる2ボトルシステムを用いれば、使用
する駆動電子部品等に制約されることなく、2種類の液
晶材料を適時調合することで、より速くより安価に対応
可能となる。本発明はこの観点にも応えられる有用なも
のであり、ネマチック液晶組成物(1-01)〜(1-20)及び一
部置き換えて得られた組成物どうしを適時混合して使用
することができる。これらの使用方法は、当然ながら後
述する実施例のネマチック液晶組成物(3-01)〜(3-11)を
含めて行うことができる。
【0220】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、以下の実施例の組成物における「%」は『重
量%』を意味し、−(CH2)2−と−C24−あるいは−
(CH2)4−と−C48−は同じものとする。
【0221】実施例中、液晶組成物の物性特性及びTN-L
CDを構成した液晶表示装置の表示特性は以下の通りであ
る。 TN-I:ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃) T N:固体相又はスメクチック相−ネマチック相転移
温度(℃) △ε:20℃における誘電率異方性 △n:20℃における複屈折率 η :20℃における粘度(mPa・s) Vth:TN-LCDを構成した時の20℃におけるしきい値電
圧(V) V1:TN-LCDを構成した時の20℃における電圧無印加
時の光透過率を100%としたとき、光透過率が1%と
なったときの印加電圧(V) γ :20℃における急峻性、飽和電圧(Vsat)とVth
の比 τr=τd:20℃における、0Vから所定の電圧を印加し
た場合の立ち上がり時間をτrとし、所定の電圧を印加
した後電圧無印加にした場合の立ち下がり時間をτdと
したとき、両者が等しくなる時間
【0222】STN-LCD表示特性を示す液晶表示装置は以
下のようにして作製した。液晶組成物にカイラル物質
「S−811」(メルク社製)を添加して混合液晶を調
製する。対向する平面透明電極上に「サンエバー610」
(日産化学社製)の有機膜をラビングして配向膜を形成
し、ツイスト角240度のSTN-LCD表示用セルを作製する。
上記の混合液晶をこのセルに注入して液晶表示装置を構
成する。尚、カイラル物質はカイラル物質の添加による
混合液晶の固有らせんピッチPと表示用セルのセル厚d
が、Δn・d=0.85、d/P=0.50となるよう
に添加した。この表示特性として、しきい値電圧、急峻
性、駆動電圧の温度依存性、応答速度を測定した。 ツイスト角240度のSTN-LCD表示特性 Vth :20℃におけるしきい値電圧(V) γ :20℃における急峻性、飽和電圧(Vsat)とVth
の比 △(Vth)/△(T):駆動電圧の温度依存性 τr=τd:1/240duty駆動における応答時間
【0223】IPSモード表示特性を示す液晶表示装置は
以下のようにして作製した。10μmの間隔を置いて平
行するクロム電極を形成した基板に配向膜を設ける。電
極を有さない基板に配向膜を設ける。セル厚が4μm、
液晶の配向がアンチパラレルとなるように両基板を張り
合わせてセルを作製する。混合液晶をこのセルに注入し
て液晶表示装置を構成する。この表示特性として、
10、急峻性、応答速度を測定した。電圧無印加時のデ
バイスの光透過率(T0)を0%とし、 印加電圧の増大
に伴って光透過率が最大になったときの透過率
(T100)を100%とするとき、 光透過率50%とな
る印加電圧(V)をV50、光透過率10%となるときの
印加電圧をV10とする。 IPSモード表示特性 V10 :20℃におけるしきい値電圧(V) γ :20℃における急峻性、V50とV10の比 τr=τd:応答時間(msec)
【0224】組成物の化学的安定性は、液晶組成物2g
をアンプル管に入れ、真空脱気後窒素置換の処理をして
封入し、150℃、1時間の加熱促進テストを行った。
この液晶組成物のテスト前の比抵抗、加熱促進テスト後
の比抵抗、テスト前の電圧保持率、加熱促進テスト後電
圧保持率を測定した。
【0225】また、実施例で示された化合物の1種ある
いは複数の化合物を、所存の目的や用途に対して一般式
(I-1)〜(III-4)で表される化合物と置き換えて使用す
ることができが、この様な例を示す場合、具体的な化合
物を以下の例の形式で表す。 液晶成分A 一般式(I-1)の例 化合物(2-1a):側鎖基(I-7b)基本構造
(I-11b)極性基(I-81b) 一般式(I-2)の例 化合物(2-2a):側鎖基(I-7b)基本構造
(I-22m)極性基(I-82b) 一般式(I-3)の例 化合物(2-3a):側鎖基(I-7b)基本構造
(I-32m)極性基(I-83b) 一般式(I-4)の例 化合物(2-4a):側鎖基(I-7b)基本構造
(I-41a)極性基(I-81e) 一般式(I-5)の例 化合物(2-5a):側鎖基(I-7b)基本構造
(I-51a)極性基(I-82b) 一般式(I-6)の例 化合物(2-6a):側鎖基(I-7b)基本構造
(I-61a)極性基(I-83b) 液晶成分B 一般式(II-1)の例 化合物(2-1b):側鎖基(I-7a)基本構
造(II-1a)極性基(II-5a) 一般式(II-2)の例 化合物(2-2b):側鎖基(I-7a)基本構
造(II-2a)極性基(II-5a) 一般式(II-3)の例 化合物(2-3b):側鎖基(I-7a)基本構
造(II-3a)極性基(II-5a) 一般式(II-4)の例 化合物(2-4b):側鎖基(I-7a)基本構
造(II-4a)極性基(II-5a) 液晶成分C 一般式(III-1)の例 化合物(2-1c):側鎖基(III-5b)基本
構造(III-1a)側鎖基(III-5b) 一般式(III-2)の例 化合物(2-2c):側鎖基(III-5b)基本
構造(III-2a)側鎖基(III-5b) 一般式(III-3)の例 化合物(2-3c):側鎖基(III-5b)基本
構造(III-3a)側鎖基(III-5b) 一般式(III-4)の例 化合物(2-4c):側鎖基(III-5b)基本
構造(III-4a)側鎖基(III-5b)
【0226】
【化84】
【0227】(実施例1)
【化85】 からなるネマチック液晶組成物(3-01)を調製し、この組
成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであった。 液晶組成物の物性特性 TN-I : 81.7 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 9.9 △n : 0.112 液晶組成物の信頼性特性 テスト前の比抵抗 :3.7×1013 Ω・cm 加熱促進テスト後の比抵抗 :1.5×1012 Ω・cm テスト前の電圧保持率 :98.9% 加熱促進テスト後電圧保持率:97.7% ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.59 V γ : 1.187 τr=τd : 32.8 msec
【0228】このネマチック液晶組成物は、TN-Iが高
く、T Nが低いのでより広い温度域で動作させること
ができ、誘電率異方性△εの大きさと比較して低い駆動
電圧を有することから、高いデューティー数に対応した
高精細な表示でも使用可能等の特徴を有している。ま
た、このネマチック液晶組成物は、加熱促進テスト後の
比抵抗や電圧保持率が高いことから、熱に安定であるこ
とが理解できる。この組成物を基本的な構成材料として
用いたアクティブ・マトリクス液晶表示装置は、漏れ電
流が小さくフリッカの発生しない優れたものである。
【0229】(比較例1)11−2587比 本発明の優位性を示すために、上記ネマチック液晶組成
物(3-01)に含有する液晶成分Aを他の化合物に置き換
えた混合液晶(b-01)を調製した。具体的には、ナフタ
レン−2,6−ジイル環を1,4−フェニレン基とした
化合物に、デカハイドロナフタレン−2,6−ジイル基
を1,4−シクロヘキシレン基とした化合物に置き換え
たものである。結果は以下の通りであった。
【0230】
【化86】 混合液晶(b-01)は上記からなる。 液晶組成物の物性特性 TN-I : 20℃以下 △ε : 測定不能 △n : 測定不能 η : 測定不能 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 測定不能 γ : 測定不能 τr=τd : 測定不能
【0231】混合液晶(b-01)が20℃以下でネマチック
相を有するため通常の温度範囲で使用できないのに対
し、本発明のネマチック液晶組成物(3-01)は、TN-I
高く、T Nがほぼ同程度であり、相溶性に優れより広
い温度域で動作させることができる等の特徴を有してい
ることが示された。
【0232】(実施例2)
【化87】 からなるネマチック液晶組成物(3-02)を調製し、この組
成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであった。 液晶組成物の物性特性 TN-I : 83.6 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 7.4 △n : 0.112 液晶組成物の信頼性特性 テスト前の比抵抗 :1.2×1013 Ω・cm 加熱促進テスト後の比抵抗 :7.4×1012 Ω・cm テスト前の電圧保持率 :99.3% 加熱促進テスト後電圧保持率:98.7% ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.48 V γ : 1.196
【0233】このネマチック液晶組成物は、7種の成分
で構成されたものでありながら、TN -Iが高く、T Nが低
いのでより広い温度域で動作させることができ、誘電率
異方性△εの大きさと比較して低い駆動電圧を有するこ
とから、高いデューティー数に対応した高精細な表示で
も使用可能等の特徴を有している。また、このネマチッ
ク液晶組成物は、加熱促進テスト後の比抵抗や電圧保持
率が高いことから、熱に安定であることが理解できる。
この組成物を基本的な構成材料として用いたアクティブ
・マトリクス液晶表示装置は、漏れ電流が小さくフリッ
カの発生しない優れたものである。
【0234】(実施例3)
【化88】 からなるネマチック液晶組成物(3-03)を調製し、この
組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであっ
た。 TN-I : 84.3 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 5.8 △n : 0.095 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.75 V γ : 1.228
【0235】(実施例4)
【化89】 からなるネマチック液晶組成物(3-04)を調製し、この
組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであっ
た。 TN-I : 81.2 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 6.1 △n : 0.094 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.64 V γ : 1.238
【0236】(実施例5)
【化90】 からなるネマチック液晶組成物(3-05)を調製し、この
組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであっ
た。 TN-I : 92.3 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 10.1 △n : 0.115 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.41 V γ : 1.212
【0237】(実施例6)
【化91】 からなるネマチック液晶組成物(3-06)を調製し、この
組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであっ
た。 TN-I : 85.1 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 6.4 △n : 0.095 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.61 V γ : 1.248
【0238】(実施例7)
【化92】 からなるネマチック液晶組成物(3-07)を調製し、この
組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであっ
た。 TN-I : 86.6 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 13.2 △n : 0.124 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.24 V γ : 1.206
【0239】このネマチック液晶組成物にカイラル物質
「S−811」(メルク社製)を添加して混合液晶を調
製した。一方、対向する平面透明電極上に「サンエバー
610」(日産化学社製)の有機膜をラビングして配向膜
を形成し、ツイスト角240度のSTN-LCD表示用セルを作製
した。上記の混合液晶をこのセルに注入して液晶表示装
置を構成し、表示特性を測定した。その結果、駆動電圧
の温度依存性が2.5mV/℃と小さく、高時分割特性
に優れたSTN-LCD表示特性を示す液晶表示装置が得られ
た。なお、カイラル物質はカイラル物質の添加による混
合液晶の固有らせんピッチPと表示用セルのセル厚d
が、Δn・d=0.85、d/P=0.50となるよう
に添加した。以下STN-LCDは同様にして作製した。ツイ
スト角240度のSTN-LCD表示特性 Vth : 1.29 V γ : 1.037 △(Vth)/△(T):2.1mV/℃(T=0〜40℃
の範囲) τr=τd :185.msec(1/240duty駆動)
【0240】(実施例8)
【化93】 からなるネマチック液晶組成物(3-08)を調製し、この
組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであっ
た。 TN-I : 85.1 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 9.0 △n : 0.097 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.37 V γ : 1.251 ツイスト角240度のSTN-LCD表示特性 Vth : 1.44 V γ : 1.040 △(Vth)/△(T):2.1mV/℃(T=0〜40℃
の範囲) τr=τd :168.msec(1/240duty駆動)
【0241】(実施例9)
【化94】 からなるネマチック液晶組成物(3-09)を調製し、この
組成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであっ
た。 TN-I : 78.4 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 7.7 △n : 0.095 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.24 V V1 : 2.47 V γ : 1.27 τr=τd : 54.2 msec
【0242】本発明のネマチック液晶組成物(3-09)は、
光透過率が1%の時の印加電圧V1が2.47Vと低
く、低電圧駆動のアクティブ・マトリクス液晶表示装置
用として最適な組成物となっている。
【0243】(実施例10)
【化95】 からなるネマチック液晶組成物(3-10)を調製し、この組
成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであった。 液晶組成物の物性特性 TN-I : 85.1 ℃ T N : −27. ℃ △ε : 4.4 △n : 0.065 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.65 V γ : 1.284 τr=τd : 56.8 msec IPSモード表示特性(セル厚4μm) V10 : 2.96 V γ : 1.80 τr=τd : 50 msec
【0244】このネマチック液晶組成物は、TN-Iが比較
的高く、T Nが低いので広い温度域で動作させることが
できIPSモードでのレスポンスが速いという特徴を有し
ている。
【0245】(実施例11)
【化96】 からなるネマチック液晶組成物(3-11)を調製し、この組
成物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであった。 液晶組成物の物性特性 TN-I : 95.1 ℃ T N : −70. ℃ △ε : 6.8 △n : 0.082 ツイスト角90度のTN-LCD表示特性(セル厚6μm) Vth : 1.39 V γ : 1.282 τr=τd : 66.9 msec IPSモード表示特性(セル厚4μm) V10 : 2.32 V γ : 1.78 τr=τd : 55 msec
【0246】このネマチック液晶組成物は、TN-Iが高
く、T Nが低いのでより広い温度域で動作させること
ができ、IPSモードでのレスポンスが速いという特徴を
有している。
【0247】
【発明の効果】本発明のネマチック液晶組成物は、一般
式(I-1)〜(I-6)のうち二つ又は三つ以上の一般式か
ら選ばれる化合物からなる液晶成分Aを必須成分とし、
液晶組成物に混合すると、相溶性の改善、低温保存の向
上等により液晶表示特性の動作温度範囲を拡大し、飽和
電圧の低減により駆動電圧の低減が出来、駆動電圧の温
度変化を改善し、所定の駆動電圧に対し比較的速い応答
性を達成させることができる。特にTN-I、応答速度を
悪化させることなく飽和電圧を低減させることを特徴と
している。また、複屈折率、誘電率異方性、弾性定数の
設計及びこれらの温度依存性、複屈折率の光波長依存性
やデューティー数に対応した誘電率異方性の周波数依存
性等も改良できるという特徴を有している。従って、本
発明のネマチック液晶組成物は、アクティブ・マトリク
ス形、ツイスティッド・ネマチックあるいはスーパー・
ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置に用いること
ができる。また、液晶層と位相差板の複屈折性でカラー
表示をする液晶表示素子やIPSモードの液晶表示素子
を提供することができる。特に高精細のTFT-LCDやポリ
シリコンTFT-LCDに用いると最適である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H027 BA01 BB03 BB04 BC04 BC05 BC06 BD01 BD02 BD04 BD08 BD23 BD24 BE01 BE02 BE03 BE05 CB01 CB02 CC01 CC04 CD01 CD04 CE04 CG04 CK04 CL01 CM01 CM04 CN01 CN04 CP01 CP04 CP05 CQ01 CQ02 CQ03 CQ04 CR01 CR04 CS01 CS05 CT01 CT02 CT03 CT04 CT05 CU01 CU04 CU05 CW01 CW02 CX01 DE01 DE04 DF01 DK03 DK04 DK05 DL04 DM03 DM04 DM05 5C094 AA13 AA24 AA31 AA33 BA03 BA43 BA44 BA45 CA19 EB02 ED13 FB01 FB06 JA01 JA11 JA20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶組成物が、下記に示す一般式(I-
    1)〜(I-6)のうち二つ又は三つ以上の一般式から選ば
    れる化合物からなる液晶成分Aを含有し、 【化1】 (式中、 ナフタレン−2,6−ジイル環中に存在する1個又は2
    個以上のCH基がNで置換されていてもよく、 デカハイドロナフタレン−2,6−ジイル環中に存在す
    る1個又は2個以上の−CH2−基が−CF2−で置換さ
    れていてもよく、該環中に存在する1個又は2個以上の
    −CH2−CH2−基が−CH2−O−、−CH=CH
    −、−CH=CF−、−CF=CF−、−CH=N−又
    は−CF=N−で置換されていてもよく、該環中に存在
    する1個又は2個以上の>CH−CH2−基が>CH2
    O−、>C=CH−、>C=CF−、>C=N−又は>
    N−CH2−で置換されていてもよく、該環中に存在す
    る>CH−CH<基が>CH−CF<、>CF−CF<
    又は>C=C<で置換されていてもよく、非置換又は置
    換された該環中の少なくとも1個のCがSiと置換され
    ていてもよく、 R1は各々独立的に炭素原子数1〜10のアルキル基又
    は炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、該アルキ
    ル基又は該アルケニル基は非置換又は置換基として1個
    又は2個以上のF、Cl、CN、CH3又はCF3を有す
    ることができ、該アルキル基又は該アルケニル基中に存
    在する1個又は2個以上のCH2基は、O原子が相互に
    直接結合しないものとして、O、CO又はCOOで置換
    されていてもよく、 Q1は各々独立的にF、Cl、CF3、OCF3、OCF2
    H、OCFH2、NCS又はCNを表し、 X1〜X2は各々独立的にF、Cl、CF3、OCF3又は
    CNを表し、 W1〜W6は各々独立的にH、F、Cl、CF3、OCF3
    又はCNを表し、W4はまた各々独立的にCH3を表し、 K1〜K3は各々独立的に単結合、−COO−、−OCO
    −、−CH2O−、−OCH2−、−CH=CH−、−C
    F=CF−、−C≡C−、−(CH2)2−、−(CH2)
    4−、−CH=CH−(CH2)2−、−(CH2)2−CH=
    CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−又は−
    N(O)=N−を表し、 環A1〜A2は各々独立的に1,4−フェニレン、2又は
    3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオ
    ロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4
    −フェニレン、2又は3−クロロ−1,4−フェニレ
    ン、2,3−ジクロロ−1,4−フェニレン、3,5−
    ジクロロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−
    ジイル、トランス−1,4−シクロへキシレン、トラン
    ス−1,4−シクロへキセニレン、トランス−1,3−
    ジオキサン−2,5−ジイル、トランス−1−シラ−
    1,4−シクロヘキシレン、トランス−4−シラ−1,
    4−シクロヘキシレン、ナフタレン−2,6−ジイル、
    1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−2,6−
    ジイル又はデカハイドロナフタレン−2,6−ジイルを
    表し、ナフタレン−2,6−ジイル及び1,2,3,4
    −テトラハイドロナフタレン−2,6−ジイルは非置換
    又は置換基として1個又は2個以上のF、Cl、C
    3、OCF3又はCH3を有することができ、 ナフタレン−2,6−ジイル環、1,2,3,4−テト
    ラハイドロナフタレン−2,6−ジイル環及びデカハイ
    ドロナフタレン−2,6−ジイル環、側鎖基R 1、極性
    基Q1、連結基K1〜K3及び環A1〜A2に存在する1個
    又は2個以上の水素原子は重水素原子と置換されていて
    も良く、 k1〜k2は各々独立的に0又は1を表し、k1+k2
    0、1又は2であり、 前記一般式(I-1)〜(I-6)の化合物を構成する原子は
    その同位体原子で置換されていても良い。) 前記一般式(I-1)〜(I-6)の化合物を除く液晶成分と
    して、+2以上の誘電率異方性を有する化合物からなる
    液晶成分Bを0〜99.9重量%含有し、−10〜+2
    の誘電率異方性を有する化合物からなる液晶成分Cを0
    〜85重量%含有し、該液晶成分Bと該液晶成分Cの総
    和が0〜99.9重量%であることを特徴とするネマチ
    ック液晶組成物。
  2. 【請求項2】 前記液晶成分Aが、下記の条件の少なく
    とも一つを満たすことを特徴とする請求項1記載のネマ
    チック液晶組成物。 (1)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式
    (I-2)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又
    は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分A
    での含有率が5〜100重量%であること。 (2)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式
    (I-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又
    は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分A
    での含有率が5〜100重量%であること。 (3)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式
    (I-4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又
    は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分A
    での含有率が5〜100重量%であること。 (4)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式
    (I-5)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又
    は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分A
    での含有率が5〜100重量%であること。 (5)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式
    (I-6)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又
    は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分A
    での含有率が5〜100重量%であること。 (6)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式
    (I-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又
    は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分A
    での含有率が5〜100重量%であること。 (7)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式
    (I-4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又
    は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分A
    での含有率が5〜100重量%であること。 (8)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式
    (I-5)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又
    は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分A
    での含有率が5〜100重量%であること。 (9)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式
    (I-6)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又
    は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分A
    での含有率が5〜100重量%であること。 (10)前記液晶成分Aが、一般式(I-3)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分
    Aでの含有率が5〜100重量%であること。 (11)前記液晶成分Aが、一般式(I-3)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-5)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分
    Aでの含有率が5〜100重量%であること。 (12)前記液晶成分Aが、一般式(I-3)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-6)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分
    Aでの含有率が5〜100重量%であること。 (13)前記液晶成分Aが、一般式(I-4)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-5)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分
    Aでの含有率が5〜100重量%であること。 (14)前記液晶成分Aが、一般式(I-4)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-6)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分
    Aでの含有率が5〜100重量%であること。 (15)前記液晶成分Aが、一般式(I-5)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-6)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、該選ばれた化合物の前記液晶成分
    Aでの含有率が5〜100重量%であること。 (16)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-2)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-3)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (17)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-2)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-4)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (18)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-2)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-5)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (19)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-2)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (20)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-4)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (21)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-5)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (22)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (23)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-5)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (24)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (25)前記液晶成分Aが、一般式(I-1)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-5)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (26)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-4)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が100重量%
    であること。 (27)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-5)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (28)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (29)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-5)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (30)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (31)前記液晶成分Aが、一般式(I-2)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-5)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (32)前記液晶成分Aが、一般式(I-3)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-5)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (33)前記液晶成分Aが、一般式(I-3)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-4)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (34)前記液晶成分Aが、一般式(I-3)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-5)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。 (35)前記液晶成分Aが、一般式(I-4)で表される化合
    物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般
    式(I-5)で表される化合物から選ばれる化合物を1種
    又は2種以上含有し、一般式(I-6)で表される化合物
    から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、該選ば
    れた化合物の前記液晶成分Aでの含有率が5〜100重
    量%であること。
  3. 【請求項3】 前記液晶成分Aが、下記小群(I-ai)〜
    (I-avi)のうち一つ又は二つ又は三つ以上の小群から
    選ばれる化合物を1種〜20種含有し、該化合物の含有
    率が10〜100重量%であことを特徴とする請求項1
    〜2記載のネマチック液晶組成物。前記一般式(I-1)
    〜(I-6)において、(I-ai)R1が炭素原子数2〜7の
    アルキル基又はアルケニル基である化合物、(I-aii)
    1がF、Cl、CF3、OCF3、OCF2H又はCNで
    ある化合物、(I-aiii)K1〜K3が単結合、−(CH2)2
    −、−COO−又は−C≡C−である化合物、(I-ai
    v)環A1〜A2がトランス−1,4−シクロへキシレ
    ン、1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェ
    ニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンで
    ある化合物、(I-av)ナフタレン−2,6−ジイル環、
    1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−2,6−
    ジイル環、デカハイドロナフタレン−2,6−ジイル
    環、側鎖基R1、極性基Q1、連結基K1〜K3及び環A1
    〜A2に存在する1個又は2個以上の水素原子が重水素
    原子と置換された化合物。(I-avi)X1〜X2がF、C
    l、CF3又はOCF3である化合物。
  4. 【請求項4】 前記液晶成分Aが、下記小群(I-bi)〜
    (I-bxi)のうち一つ又は二つ又は三つ以上の小群から
    選ばれる化合物を1種〜20種含有し、該化合物の含有
    率が5〜100重量%であることを特徴とする請求項1
    〜3記載のネマチック液晶組成物。一般式(I-1)にお
    いて、R1が炭素原子数2〜7のアルキル基又はアルケ
    ニル基であり、Q1がF、Cl、CF3、OCF3又はC
    Nであり、W1〜W3がH、F、Cl、CF3又はOCF3
    であり、(I-bi)k1=k2=0であり、K3が単結合、
    −(CH2)2−、−(CH2)4−、−COO−又は−C≡C
    −である化合物、(I-bii)k1=1、k2=0であり、
    環A1がトランス−1,4−シクロへキシレン、1,4
    −フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は
    3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、
    1、K3が単結合、−(CH2)2−、−COO−又は−C
    ≡C−である化合物、(I-biii)k1=0、k2=1であ
    り、環A2がトランス−1,4−シクロへキシレン、
    1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレ
    ン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであ
    り、K2、K3が単結合、−(CH2)2−、−COO−又は
    −C≡C−である化合物、一般式(I-2)において、R1
    が炭素原子数2〜7のアルキル基又はアルケニル基であ
    り、Q1がF、Cl、CF3、OCF3又はCNであり、
    1〜W3がH、F、Cl、CF3又はOCF3であり、(I
    -biv)k1=k2=0であり、K3が単結合、−(CH2)2
    −、−(CH2)4−、−COO−又は−C≡C−である化
    合物、(I-bv)k1=1、k2=0であり、環A1がトラ
    ンス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレ
    ン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジ
    フルオロ−1,4−フェニレンであり、K1、K3が単結
    合、−(CH2)2−、−COO−又は−C≡C−である化
    合物、(I-bvi)k1=0、k2=1であり、環A2がトラ
    ンス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレ
    ン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジ
    フルオロ−1,4−フェニレンであり、K2、K3が単結
    合、−(CH2)2−、−COO−又は−C≡C−である化
    合物、一般式(I-3)において、R1が炭素原子数2〜7
    のアルキル基又はアルケニル基であり、Q1がF、C
    l、CF3、OCF3又はCNであり、W1〜W3がH、
    F、Cl、CF3又はOCF3であり、(I-bvii)k1
    2=0であり、K3が単結合、−(CH2)2−、−(C
    2)4−、−COO−又は−C≡C−である化合物、(I
    -bviii)k1=1、k2=0であり、環A1がトランス−
    1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、3−
    フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ
    −1,4−フェニレンであり、K1、K3が単結合、−
    (CH2)2−、−COO−又は−C≡C−である化合物、
    (I-bix)k1=0、k2=1であり、環A2がトランス−
    1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニレン、3−
    フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ
    −1,4−フェニレンであり、K2、K3が単結合、−
    (CH2)2−、−COO−又は−C≡C−である化合物、
    一般式(I-4)において、R1が炭素原子数2〜7のアル
    キル基又はアルケニル基であり、Q1がF、Cl、C
    3、OCF3又はCNであり、(I-bx)k1=k2=0で
    あり、K3が単結合、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−
    COO−又は−C≡C−である化合物、(I-bxi)k1
    1、k2=0であり、環A1がトランス−1,4−シクロ
    へキシレン、1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,
    4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェ
    ニレンであり、K1、K3が単結合、−(CH2)2−、−C
    OO−又は−C≡C−である化合物、(I-bxii)k1
    0、k2=1であり、環A2がトランス−1,4−シクロ
    へキシレン、1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,
    4−フェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェ
    ニレンであり、K2、K3が単結合、−(CH2)2−、−C
    OO−又は−C≡C−である化合物、(I-bxiii)デカ
    ハイドロナフタレン−2,6−ジイル環が、−CF
    2−、−CH2−O−、−CH=CH−、−CH=CF
    −、−CF=CF−、−CH=N−、−CF=N−、>
    CH2−O−、>C=CH−、>C=CF−、>C=N
    −、>N−CH2−、>CH−CF<、>CF−CF
    <、>C=C<、Siの置換基のうち少なくとも1個の
    置換基を有する化合物。一般式(I-5)において、R1
    炭素原子数2〜7のアルキル基又はアルケニル基であ
    り、Q1がF、Cl、CF3、OCF3又はCNであり、
    (I-bxiv)k1=k2=0であり、K3が単結合、−(CH
    2)2−、−(CH2)4−、−COO−又は−C≡C−であ
    る化合物、(I-bxv)k1=1、k2=0であり、環A1
    トランス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニ
    レン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−
    ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、K1、K3が単
    結合、−(CH2)2−、−COO−又は−C≡C−である
    化合物、(I-bxvi)k1=0、k2=1であり、環A2
    トランス−1,4−シクロへキシレン、1,4−フェニ
    レン、3−フルオロ−1,4−フェニレン又は3,5−
    ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、K2、K3が単
    結合、−(CH2)2−、−COO−又は−C≡C−である
    化合物、(I-bxvii)デカハイドロナフタレン−2,6
    −ジイル環が、−CF2−、−CH2−O−、−CH=C
    H−、−CH=CF−、−CF=CF−、−CH=N
    −、−CF=N−、>CH2−O−、>C=CH−、>
    C=CF−、>C=N−、>N−CH2−、>CH−C
    F<、>CF−CF<、>C=C<、Siの置換基のう
    ち少なくとも1個の置換基を有する化合物。一般式(I-
    6)において、R1が炭素原子数2〜7のアルキル基又は
    アルケニル基であり、Q1がF、Cl、CF3、OCF3
    又はCNであり、(I-bxviii)k1=k2=0であり、K
    3が単結合、−(CH2)2−、−(CH2)4−、−COO−
    又は−C≡C−である化合物、(I-bxix)k1=1、k2
    =0であり、環A1がトランス−1,4−シクロへキシ
    レン、1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フ
    ェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン
    であり、K1、K3が単結合、−(CH2)2−、−COO−
    又は−C≡C−である化合物、(I-bxx)k1=0、k2
    =1であり、環A2がトランス−1,4−シクロへキシ
    レン、1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フ
    ェニレン又は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン
    であり、K2、K3が単結合、−(CH2)2−、−COO−
    又は−C≡C−である化合物、(I-bxxi)デカハイドロ
    ナフタレン−2,6−ジイル環が、−CF2−、−CH2
    −O−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=C
    F−、−CH=N−、−CF=N−、>CH2−O−、
    >C=CH−、>C=CF−、>C=N−、>N−CH
    2−、>CH−CF<、>CF−CF<、>C=C<、
    Siの置換基のうち少なくとも1個の置換基を有する化
    合物。
  5. 【請求項5】 前記液晶成分Bが、一般式(II-1)〜
    (II-4) 【化2】 (式中、 R1、Q1、W1〜W4は請求項1記載と同じであり、 Y1、Y2は各々独立的にH、F、Cl又はOCF3を表
    し、 VはCH又はNを表し、 P1〜P3は各々独立的に単結合、−COO−、−OCO
    −、−CH2O−、−OCH2−、−(CH2)2−、−(C
    2)4−、−CH=CH−(CH2)2−、−(CH 2)2−C
    H=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−又
    は−N(O)=N−を表し、P1、P3はまた各々独立的に
    −CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−であっ
    てもよく、 環B1〜B3は各々独立的にトランス−1,4−シクロへ
    キシレン、トランス−1,4−シクロへキセニレン、ト
    ランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、トラン
    ス−1−シラ−1,4−シクロヘキシレン又はトランス
    −4−シラ−1,4−シクロヘキシレンを表し、環B3
    はまた1,4−フェニレン、2又は3−フルオロ−1,
    4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニ
    レン、2又は3−クロロ−1,4−フェニレン、2,3
    −ジクロロ−1,4−フェニレン、3,5−ジクロロ−
    1,4−フェニレンであってもよく、 側鎖基R1、極性基Q1、連結基P1〜P3及び環B1〜B3
    に存在する1個又は2個以上の水素原子は重水素原子と
    置換されていても良く、 p1〜p3は各々独立的に0又は1を表し、p2+p3は0
    又は1であり、 一般式(II-1)〜(II-4)の化合物を構成する原子はそ
    の同位体原子で置換されていても良い。)で表される化
    合物群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する
    ことを特徴とする請求項1〜4記載のネマチック液晶組
    成物。
  6. 【請求項6】 前記液晶成分Cが、一般式(III-1)〜
    (III-4) 【化3】 (式中、 W1〜W3、Vは請求項1及び5記載と同じであり、 R2、R3は各々独立的に炭素原子数1〜10のアルキル
    基、アルコキシ基又は炭素原子数2〜10のアルケニル
    基、アルケニルオキシ基を表し、該アルキル基、該アル
    コキシ基、該アルケニル基又は該アルケニルオキシ基は
    非置換又は置換基として1個又は2個以上のF、Cl、
    CN、CH3又はCF3を有することができ、及び又は該
    アルキル基、該アルコキシ基、該アルケニル基又は該ア
    ルケニルオキシ基中に存在する1個又は2個以上のCH
    2基は、O原子が相互に直接結合しないものとして、
    O、CO又はCOOで置換されていてもよく、 Z1〜Z3は各々独立的にH、F、Cl、CF3、OCF3
    又はCNを表し、Z3はまた各々独立的に−CH3であっ
    てもよく、 M1〜M3は各々独立的に単結合、−COO−、−OCO
    −、−CH2O−、−OCH2−、−(CH2)2−、−(C
    2)4−、−CH=CH−(CH2)2−、−(CH 2)2−C
    H=CH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−又
    は−N(O)=N−を表し、M1、M3はまた各々独立的に
    −CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−であっ
    てもよく、 環C1〜C3は各々独立的にトランス−1,4−シクロへ
    キシレン、トランス−1,4−シクロへキセニレン、ト
    ランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、トラン
    ス−1−シラ−1,4−シクロヘキシレン、トランス−
    4−シラ−1,4−シクロヘキシレン、ナフタレン−
    2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラハイドロナフ
    タレン−2,6−ジイル又はデカハイドロナフタレン−
    2,6−ジイルを表し、ナフタレン−2,6−ジイル及
    び1,2,3,4−テトラハイドロナフタレン−2,6
    −ジイルは非置換又は置換基として1個又は2個のF、
    Cl、CF3、OCF3又はCH3を有することができ、
    環C1、C3はまた1,4−フェニレン、2又は3−フル
    オロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,
    4−フェニレン、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニ
    レン、2又は3−クロロ−1,4−フェニレン、2,3
    −ジクロロ−1,4−フェニレン、3,5−ジクロロ−
    1,4−フェニレンであってもよく、 側鎖基R2、R3、連結基M1〜M3及び環C1〜C3に存在
    する1個又は2個以上の水素原子は重水素原子と置換さ
    れていても良く、 m1〜m3は各々独立的に0又は1を表し、m2+m3は0
    又は1であり、 前記一般式(III-1)〜(III-4)の化合物を構成する原
    子はその同位体原子で置換されていても良い。)で表さ
    れる化合物群から選ばれる化合物を含有することを特徴
    とする請求項1〜5記載のネマチック液晶組成物。
  7. 【請求項7】 前記液晶組成物が、4個の六員環を有し
    たコア構造の化合物であって、該化合物の液晶相−等方
    性液体相転移温度が100℃以上を有する化合物を1種
    又は2種以上含有することを特徴とする請求項1〜6記
    載のネマチック液晶組成物。
  8. 【請求項8】 前記液晶組成物が、2〜40の誘電率異
    方性であり、0.02〜0.40の複屈折率であり、5
    0℃〜180℃のネマチック相−等方性液体相転移温度
    であり、−200℃〜0℃の結晶相、スメクチック相又
    はガラス相−ネマチック相転移温度であることを特徴と
    する請求項1〜7記載のネマチック液晶組成物。
  9. 【請求項9】 前記液晶組成物に、誘起螺旋ピッチが
    0.5〜1000μmとなる光学活性基を有する化合物
    を含有することを特徴とする請求項1〜8記載のネマチ
    ック液晶組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載のネマチック液晶組
    成物を用いたアクティブ・マトリクス、ツイスティッド
    ・ネマチック又はスーパー・ツイスティッド・ネマチッ
    ク液晶表示装置。
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