JPH1081881A - ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

ネマチック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置

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JPH1081881A
JPH1081881A JP8236461A JP23646196A JPH1081881A JP H1081881 A JPH1081881 A JP H1081881A JP 8236461 A JP8236461 A JP 8236461A JP 23646196 A JP23646196 A JP 23646196A JP H1081881 A JPH1081881 A JP H1081881A
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晴義 高津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘弾性に優れあるいは複屈折率が大きく、駆
動可能な温度範囲が広く、応答性に優れたネマチック液
晶組成物及びこれを構成材料として用いた電気光学的特
性の改善された液晶表示装置を提供することにある。 【解決手段】 【化1】 (R11、R12:各々独立的にH原子、C数1〜5の直鎖
状アルキル基、n1、n2:各々独立的に2、4)から
なる液晶成分A:2〜40重量%、△ε≧+2の化合物
を含有する液晶成分B:20〜90重量%、該液晶組成
物が3≦△ε、T N-I≧70℃、T→N≦−10℃のネマ
チック液晶組成物及びこれを用いた液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学的表示材
料として有用なネマチック液晶組成物及びこれを用いた
液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の代表的なものにTN-LCD
(ツイスティッド・ネマチック液晶表示素子)があり、
時計、電卓、電子手帳、ポケットコンピュータ、ワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータなどに使用されて
いる。一方、OA機器の処理情報の増加に伴い、一画面
に表示される情報量が増大しており、シェファー(Sche
ffer)等[SID '85 Digest, 120頁(1985年)]、あるい
は衣川等[SID '86 Digest,122頁(1986年)]によって、
STN(スーパー・ツイスティッド・ネマチック)−LCDが
開発され、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ
などの高情報処理用の表示に広く普及しはじめている。
【0003】最近、STN-LCDでの応答特性を改善する目
的でアクティブアドレッシング駆動方式が提案されてい
る(Proc.12th International Display Research Confe
rence p.503 1992年)。この様な液晶材料として、弾性
定数比K33/K11が1.5前後、誘電率異方性や粘
性が比較的小さいことと併せて、特に複屈折率が大きい
ものが要求されている。また、カラーフィルター層を用
いないでカラー表示ができる方法として、液晶と位相差
板の複屈折性を利用した新規反射型カラー液晶表示方式
が提案されている。(テレビジョン学会技術報告 vol.1
4 No10.p.51 1990年)この様な液晶材料として、光の波
長の違いによってより大きな位相差が現れるものがよい
ことから、特に複屈折率が大きいものが要求されてお
り、現在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の提案
がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなTN-LCDや
STN-LCDの電気光学特性を改善するには、粘性が小さく
弾性定数が大きい粘弾性に優れることあるいは複屈折率
の大きい液晶材料が必要である。また、電気光学特性が
より改善され、液晶材料のより高い化学的安定性、液晶
表示の高速応答性及び駆動温度範囲のより広い特性につ
いても必要である。しかし、依然として問題が残された
ままである。より具体的には、スメクチック相や結晶相
が出現しやすい傾向を有するため、電気光学特性に優
れ、且つ広い温度範囲で駆動可能な液晶表示装置を作製
することに問題があり、暗い画質を補う目的で付加され
たバックライト等に対する耐熱性等に優れることが必要
とされている。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、上記の
問題を解決あるいはより改善することにあり、粘弾性が
優れあるいは複屈折率が大きく、駆動可能な温度範囲が
広く、応答性に優れたネマチック液晶組成物を提供する
ことにあり、この液晶組成物を構成材料として用いた、
電気光学特性の改善された液晶表示装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、 1.一般式(I)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R11及びR12は各々独立的に水素
原子又は炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、
n1及びn2は各々独立的に2又は4の整数を表す。)
で表される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化
合物からなる液晶成分Aを2〜40重量%の範囲で含有
し、+2以上の誘電率異方性の化合物を少なくとも2種
以上含む液晶成分Bを20〜90重量%の範囲で含有す
る液晶組成物であり、該液晶組成物が3以上の誘電率異
方性であり、70℃以上のネマチック相−等方性液体相
転移温度であり、−10℃以下の結晶相又はスメクチッ
ク相−ネマチック相転移温度であることを特徴とするネ
マチック液晶組成物。 2.液晶成分Bとして、一般式(II-1)〜(II-3)
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R21〜R23は各々独立的に炭素原
子数2〜7の直鎖状アルキル基、アルケニル基又はCs
2s+1-O-Ct2tを表し、s及びtは各々独立的に1
〜5の整数を表し、X21〜X23は各々独立的にF、C
l、-OCF3、-OCHF2、-CF3又は-CNを表し、
21〜Y28は各々独立的に水素原子又はフッ素原子を表
し、Z21〜Z23は各々独立的に単結合、-COO-、-C2
4-、-C≡C-又は-C48-を表し、Z24及びZ25は各
々独立的に単結合、-COO-又は-C≡C-を表し、k及
びlは各々独立的に0又は1を表し、各化合物における
シクロヘキサン環の水素原子(H)は重水素原子(D)
で置換されていても良い。)で表わされる化合物群から
選ばれる化合物を含有することを特徴とする上記1記載
のネマチック液晶組成物。 3.前記液晶組成物に加えることのできる液晶成分Cと
して、一般式(III-1)〜(III-3)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R31〜R33は各々独立的に炭素原
子数2〜7の直鎖状アルキル基又はアルケニル基を表
し、R34〜R36は各々独立的に炭素原子数1〜7の直鎖
状アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケ
ニルオキシ基を表し、Y31は水素原子、フッ素原子又は
-CH3を表し、Y32及びY33は各々独立的に水素原子又
はフッ素原子を表し、Z31〜Z34は各々独立的に単結
合、-COO-、-C24-又は-C48-を表し、Z35は単
結合、-C≡C-又は-COO-を表し、環A31及び環A 32
はシクロヘキサン環又はシクロヘキセン環を表し、m、
n及びpは各々独立的に0又は1の整数を表す。)で表
される化合物群から選ばれる化合物を含有することを特
徴とする上記1又は2記載のネマチック液晶組成物。 4.上記1、2又は3記載のネマチック液晶組成物を用
いたアクティブ・マトリクス形液晶表示装置。 5.上記1、2又は3記載のネマチック液晶組成物を用
いたツイスティッド・ネマチック又はスーパー・ツイス
ティッド・ネマチック液晶表示装置。 6.液晶層の厚みが1〜5μmであることを特徴とする
上記4又は5記載の液晶表示装置。 を前記課題の解決手段として見出した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明のネマチック液晶組
成物及びこれを用いた液晶表示装置の一例について説明
する。
【0014】本発明の液晶組成物は、一般式(I)で表
される化合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物
からなる液晶成分Aと誘電率異方性が+2以上の化合物
を少なくとも2種以上の液晶成分Bを含有するものであ
り、これによって、液晶層の光学異方性を高めあるいは
粘弾性を優位にすることができ、駆動可能な温度範囲特
に低温側で広くさせることができる。液晶成分Aは、少
なくとも1種以上を必要とし、1〜8種の範囲が好まし
く、1〜4種の範囲がより好ましい。誘電率異方性が+
2以上の化合物は、少なくとも2種以上を必要とし、3
〜15種の範囲が好ましい。また、誘電率異方性が+8
〜+13の化合物、+14〜+18の化合物、+18以
上の化合物から適時選んで含有させることが好ましく、
所定の駆動電圧や応答特性を得ることができる。この場
合、+8〜+13の誘電率異方性の化合物は1〜10種
の範囲で混合することが好ましく、+14〜+18の化
合物は1〜8種の範囲で混合することが好ましく、+1
8以上の化合物は1〜10種の範囲で混合することが好
ましい。この効果は、液晶成分Aを5〜30重量%の範
囲で、液晶成分Bを20〜90重量%の範囲で含有させ
ることによって、更に特段のものとなる。
【0015】また、本発明のネマチック液晶組成物の結
晶相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度は、−
10℃以下であるが、好ましくは−20℃以下、更に好
ましくは−30℃以下である。ネマチック相−等方性液
体相転移温度は、70℃以上であるが、好ましくは80
℃以上、更に好ましくは90℃以上である。本発明の液
晶組成物は、誘電率異方性が3以上を必要とし、5以上
が好ましく、6〜16あるいは17〜28の範囲が好ま
しい。また、複屈折率は、0.08〜0.28の範囲が
特に好ましい。本発明のネマチック液晶組成物は、アク
ティブ・マトリクス形、ツイスティッド・ネマチックあ
るいはスーパー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示
装置に用いることができる。
【0016】尚、本発明で述べる2より大きい誘電異方
性を有する液晶化合物とは、以下の意義で用いる。液晶
化合物の化学構造は棒状であり、中央部分が1個から4
個の六員環を有したコア構造を有し、中央部分長軸方向
の両端に位置する六員環が、液晶分子長軸方向に相当す
る位置で置換された末端基を有し、両端に存在する末端
基の少なくとも一方が極性基であること、即ち、例え
ば、-CN、-OCN、-NCS、-F、-Cl、-NO2、-
CF3、-OCF3、-OCHF2である化合物である。
【0017】液晶成分Aのおける一般式(I)の化合物
は、R11及び又はR12が炭素原子数1〜5の直鎖状アル
キル基であることができるが、水素原子で表される化合
物がより好ましく、n1及び又n2が2又は4である
が、2で表される化合物がより好ましい。この様にし
て、本発明の液晶組成物は、一般式(I)の化合物を含
有することで、複屈折率Δnが大きく、粘度が小さく、
比抵抗や電圧保持率が高いという特徴を有する。
【0018】本発明は、液晶成分Bの化合物として、一
般式(II-1)〜(II-3)
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R21〜R23は各々独立的に炭素原
子数2〜7の直鎖状アルキル基、アルケニル基又はCs
2s+1-O-Ct2tを表し、s及びtは各々独立的に1
〜5の整数を表し、X21〜X23は各々独立的にF、C
l、-OCF3、-OCHF2、-CF3又は-CNを表し、
21〜Y28は各々独立的にH又はFを表し、Z21〜Z23
は各々独立的に単結合、-COO-、-C24-、-C≡C-
又は-C48-を表し、Z24、Z25は各々独立的に単結
合、-COO-又は-C≡C-を表し、k及びlは各々独立
的に0又は1を表し、各化合物におけるシクロヘキサン
環の水素原子(H)が重水素原子(D)で置換されてい
ても良い。)で表わされる化合物群から選ばれる化合物
を含有することが好ましい。
【0021】本発明に係わる一般式(II-1)〜(II-3)
で表される化合物は、より具体的には一般式(II-4)〜
(II-21)で表される化合物であり、これらの誘電率異
方性は+2以上である。第1表は、その代表的な化合物
例(No.2-1〜2-16)であり、その相転移温度を示
す。尚、下記表中、m.p.は結晶相から液晶相又は等方
性液体相に相転移する温度を、c.p.は液晶相から等方
性液体相に相転移する温度を各々表す。また、各化合物
は、蒸留、カラム精製、再結晶等の方法を用いて不純物
を除去し、充分精製したものを使用した。
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】本発明の液晶組成物は、一般式(II-1)〜
(II-3)の化合物群から選ばれる化合物を含有すること
で、駆動電圧を低減させることができ、粘度が比較的小
さく、比抵抗や電圧保持率が比較的高いという特徴を有
する。特に、一般式(II-4)〜(II-10)、一般式(II-
12)〜(II-16)の化合物はこの効果に優れている。ま
た、一般式(II-13)、(II-15)、(II-17)〜(II-2
1)の化合物は、0.5〜30%と少量の添加によって
この効果を得ることができ、優れている。
【0028】より具体的には、R21は炭素原子数が2〜
5のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、特にアル
ケニル基を有する化合物を少なくとも1種以上含有させ
ることが好ましい。R22は炭素原子数2〜5のアルキル
基、アルケニル基又はアルコキシ基の化合物が好まし
い。更に詳しくは、アルケニル基を有する化合物を多用
することが好ましく、特にCH2=CH-(CH2)u(u=
0、2)の化合物が好ましい。このことは、液晶成分C
についても同様である。
【0029】本発明は更に上記ネマチック液晶組成物に
加えて、液晶成分Cの液晶化合物として一般式(III-
1)〜(III-3)
【0030】
【化11】
【0031】(式中、R31〜R33は各々独立的に炭素原
子数2〜7の直鎖状アルキル基又はアルケニル基を表
し、R34〜R36は各々独立的に炭素原子数1〜7の直鎖
状アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケ
ニルオキシ基を表し、Y31はH、F又は-CH3を表し、
32、Y33は各々独立的にH又はFを表し、Z31〜Z34
は各々独立的に単結合、-COO-、-C24-又は-C4
8-を表し、Z35は単結合、-C≡C-又は-COO-を表
し、環A31、環A32はシクロヘキサン環又はシクロヘキ
セン環を表し、m、n、pは各々独立的に0又は1の整
数を表す。)で表わされる化合物群から選ばれる化合物
を含有することができる。
【0032】一般式(III-1)〜(III-3)で表される化
合物の代表的なものの例(No.3-1〜3-5)とその相転
移温度を下記第2表に示す。尚、表中、Cは結晶相、S
はスメクチック相、Nはネマチック相、Iは等方性液体
相を意味する。
【0033】
【表3】
【0034】一般式(III-1)〜(III-3)で表される特
に好ましい化合物として、以下に示す一般式(III-4)
〜(III-17)を示す。これらの化合物は、必須成分Aで
ある一般式(I-1)、(I-2)の化合物と良く混合する特
徴を有し、低温でのネマチック相を改善させるのに有用
である。
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】液晶成分Cとして一般式(III-1)〜(III
-3)の化合物群から選ばれる化合物を含有することで、
粘度を低減させることができ、比抵抗や電圧保持率が比
較的高いという特徴を有する。特に、一般式(III-4)
〜(III-10)、(III-12)、(III-13)、(III-15)〜
(III-17)で表される化合物が好ましく、R31〜R33
炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又はCH2=CH-
(CH2)u(u=0、2)のアルケニル基である化合物を
少なくとも1種以上含有させることにより好ましい効果
が得られる。更に特に、一般式(III-7)〜(III-9)、
(III-13)及びY31がHである一般式(III-15)〜(II
I-17)の化合物は、3〜30%と少量の添加によってこ
の効果を得ることができる。
【0038】本発明のネマチック液晶組成物は一般式
(III-4)〜(III-12)で表される化合物群から選ばれ
る化合物、及び/又は一般式(III-13)〜(III-17)で
表される化合物群から選ばれる化合物を含有することに
よって液晶組成物の複屈折率を用途に応じて容易に最適
化することができ、一般式(III-4)〜(III-12)の化
合物を多用することによって液晶表示装置の色むらの低
減、視角特性の向上、コントラスト比の増加を容易に達
成することができる。また、一般式(III-13)〜(III-
17)の化合物を多用することで液晶層の厚みが1〜5μ
mの薄い液晶表示素子の作製を可能とすることができ、
これにより、高速応答性、低い駆動電圧の特性を得るこ
とができる。
【0039】上記ネマチック液晶組成物は、高速応答性
のTN-LCDやSTN-LCDに有用であり、またカラーフィルタ
ー層を用いなくても、液晶層と位相差板の複屈折性でカ
ラー表示をすることができる液晶表示素子に有用なもの
であり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子の用いる
ことができる。この液晶表示素子は、透明性電極層を有
し少なくとも一方が透明である基板を有し、この基板間
に前記ネマチック液晶組成物の分子をねじれた配向にさ
せ、目的に応じて30°〜360°の範囲で選択するこ
とができ、90°〜270°の範囲で選択することが好
ましく、45°〜135°の範囲または180°〜26
0°の範囲で選択することが特に好ましい。この場合、
透明性電極基板に設けられる配向膜によって得られるプ
レチルト角は、1°〜20°の範囲で選択することが好
ましく、ねじれ角が30°〜100°では1°〜4°の
プレチルト角が好ましく、100°〜180°では2°
〜6°のプレチルト角が好ましく、180°〜260°
では3°〜12°のプレチルト角が好ましく、260°
〜360°では6°〜20°のプレチルト角が好まし
い。
【0040】本発明の液晶組成物は、上記一般式(I-
1)〜(III-3)で表される化合物以外にも、液晶組成物
の特性を改善するために、液晶化合物として認識される
通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリ
ック液晶などを含有していてもよい。しかしながら、こ
れらの化合物を多量に用いることはネマチック液晶組成
物の特性が低減することになるので、添加量は得られる
ネマチック液晶組成物の要求特性に応じて制限されるも
のである。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。組成物の化学的安定性は、液晶組成物2gをアンプ
ル管に入れ、真空脱気後窒素置換の処理をして封入し、
150℃、1時間の加熱促進テストを行い、この液晶組
成物の電圧保持率を測定した。実施例中、測定した特性
は以下の通りである。
【0042】 TN-I:ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃) T→N:固体相又はスメクチック相−ネマチック相転移
温度(℃) Vth:セル厚6μmのTN-LCDを構成した時のしきい値電
圧(V) γ :飽和電圧(Vsat)とVthの比 △ε :誘電異方性 △n :複屈折率 η :20℃での粘度(c.p.)
【0043】(実施例1)
【0044】
【化14】
【0045】からなるネマチック液晶組成物No.3−
1を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以
下の通りであった。 TN-I: 83.4 ℃ T→N:−40. ℃ Vth: 1.70 V △ε : 7.7 △n : 0.190 η : 15.2 c.p.
【0046】このネマチック液晶組成物にカイラル物質
「S−811」(メルク社製)を添加して混合液晶を調
製した。一方、対向する平面透明電極上に「サンエバー
610」(日産化学社製)の有機膜をラビングして配向膜
を形成し、ツイスト角220度のSTN-LCD表示用セルを作製
した。上記の混合液晶をこのセルに注入して液晶表示装
置を構成し、表示特性を測定した。その結果、しきい値
電圧が低く、高時分割特性に優れ、速応答性が改善され
たSTN-LCD表示特性を示す液晶表示装置が得られた。一
般式(I)のアルケニル基をアルキル基に換えた従来の
化合物と比べ速応答性が特段に改善され、61msec
を得た。これは粘弾性に優れることによるものと思われ
る。
【0047】なお、カイラル物質はカイラル物質の添加
による混合液晶の固有らせんピッチPと表示用セルのセ
ル厚dが、Δn・d=0.85、d/P=0.53とな
るように添加した。
【0048】(実施例2)
【0049】
【化15】
【0050】からなるネマチック液晶組成物No.3−
2を調製し、この組成物の諸特性を測定した。結果は以
下の通りであった。 TN-I: 102.7 ℃ T→N: −35. ℃ Vth: 2.08 V γ : 1.12 △ε : 7.4 △n : 0.229 η : 21.3 c.p. テスト前の比抵抗 : 4.2×1012 Ω・cm 加熱促進テスト後の比抵抗 : 6.4×1011 Ω・cm テスト前の電圧保持率 : 99.2% 加熱促進テスト後電圧保持率 : 98.0%
【0051】このネマチック液晶組成物は加熱促進テス
ト後の電圧保持率が高いことから、熱に安定であること
が理解できる。またこの組成物を構成材料とするアクテ
ィブ・マトリクス液晶表示装置を作製したところ、漏れ
電流が小さくフリッカの発生しない優れたものであるこ
とが確認できた。
【0052】このネマチック液晶組成物は、急峻性が文
献『高速液晶技術』(63頁、(株)シーエムシー社出
版)中に示された液晶表示の光学的急峻性の限界値であ
る1.12と同じ値を示している。従って、この液晶組
成物は高時分割駆動に有用であることが理解できる。
【0053】更にまた、セル厚dが2.2μmのTN-LCD
を構成してその表示特性を測定したところ、しきい値電
圧が1.86V、応答速度が1.8msecを示す液晶
表示装置が得られた。
【0054】このネマチック液晶組成物の複屈折率の波
長分散を測定したところ、光の波長650nmに対する
400nmでの比が1.15以上であった。この液晶材
料は、光の波長の違いによってより大きな位相差が現れ
ていることから、カラーフィルター層を用いないでカラ
ー表示を行う、液晶と位相差板の複屈折性を利用した新
規反射型カラー液晶表示方式に有用なものである。(比
較例1)
【0055】
【化16】
【0056】からなる比較混合液晶を調製し、この組成
物の諸特性を測定した。結果は以下の通りであった。 TN-I: 102.1 ℃ T→N: −33. ℃ Vth: 2.08 V γ : 1.12 △ε : 7.4 △n : 0.228 η : 21.8 c.p. テスト前の比抵抗 : 4.0×1012 Ω・cm 加熱促進テスト後の比抵抗 : 1.8×1011 Ω・cm テスト前の電圧保持率 : 99.0% 加熱促進テスト後電圧保持率 : 95.4%
【0057】実施例2との違いは、一般式(I)におい
てn1、n2が2のアルケニル基である本発明の化合物
を、n1、n2が0のアルケニル基の化合物に変えたと
ころにある。特性を比較すると、本発明の液晶組成物
は、粘性や加熱促進テスト後の電圧保持率がより好まし
い結果であった。
【0058】更に、両者の化学的安定性を比較した。両
液晶材料2gをアンプル管に入れ、真空脱気後窒素置換
の処理をして封入し、150℃、40時間の加熱促進テ
スト及び40時間紫外線照射テストを行い、ネマチック
相−等方性液体相転移温度を測定した。ネマチック液晶
組成物No.3−2では加熱テストで約6.7℃、紫外
線テストで約3.8℃の低下が見られたが、比較混合液
晶では加熱テストで約18℃、紫外線テストで約16℃
と大きく劣化した。このことから、一般式(I)のn1
及び又はn2が0であるアルケニル基の化合物を使用す
る場合、その目的に応じて混合比率を限定したりあるい
は液晶表示装置に特別の保護手段を要する。
【0059】
【発明の効果】本発明のネマチック液晶組成物は、粘弾
性に優れるあるいは複屈折率Δnが大きく、広い温度範
囲でネマチック相を示し、また、電圧保持率が高く、化
学的安定性が高いことが明らかである。従って、本発明
のネマチック液晶組成物は、アクティブ・マトリクス
形、ツイスティッド・ネマチックあるいはスーパー・ツ
イスティッド・ネマチック液晶表示装置に用いることが
できる。また、液晶層と位相差板の複屈折性でカラー表
示をする液晶表示素子を提供することができる。特に、
大きな複屈折率により液晶層の厚みdを低減でき応答特
性を改善でき、特に情報量の多い表示特性を提供でき
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R11及びR12は各々独立的に水素原子又は炭素
    原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表し、n1及びn2
    は各々独立的に2又は4の整数を表す。)で表される化
    合物群から選ばれる1種又は2種以上の化合物からなる
    液晶成分Aを2〜40重量%の範囲で含有し、+2以上
    の誘電率異方性の化合物を少なくとも2種以上含む液晶
    成分Bを20〜90重量%の範囲で含有する液晶組成物
    であり、該液晶組成物が3以上の誘電率異方性であり、
    70℃以上のネマチック相−等方性液体相転移温度であ
    り、−10℃以下の結晶相又はスメクチック相−ネマチ
    ック相転移温度であることを特徴とするネマチック液晶
    組成物。
  2. 【請求項2】 液晶成分Bとして、一般式(II-1)〜
    (II-3) 【化2】 (式中、R21〜R23は各々独立的に炭素原子数2〜7の
    直鎖状アルキル基、アルケニル基又はCs2s+1-O-Ct
    2tを表し、s及びtは各々独立的に1〜5の整数を表
    し、X21〜X23は各々独立的にF、Cl、-OCF3、-
    OCHF2、-CF3又は-CNを表し、Y21〜Y28は各々
    独立的に水素原子又はフッ素原子を表し、Z21〜Z23
    各々独立的に単結合、-COO-、-C24-、-C≡C-又
    は-C48-を表し、Z24及びZ25は各々独立的に単結
    合、-COO-又は-C≡C-を表し、k及びlは各々独立
    的に0又は1を表し、各化合物におけるシクロヘキサン
    環の水素原子(H)は重水素原子(D)で置換されてい
    ても良い。)で表わされる化合物群から選ばれる化合物
    を含有することを特徴とする請求項1記載のネマチック
    液晶組成物。
  3. 【請求項3】 前記液晶組成物に加えることのできる液
    晶成分Cとして、一般式(III-1)〜(III-3) 【化3】 (式中、R31〜R33は各々独立的に炭素原子数2〜7の
    直鎖状アルキル基又はアルケニル基を表し、R34〜R36
    は各々独立的に炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、
    アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を
    表し、Y31は水素原子、フッ素原子又は-CH3を表し、
    32及びY33は各々独立的に水素原子又はフッ素原子を
    表し、Z31〜Z34は各々独立的に単結合、-COO-、-
    24-又は-C48-を表し、Z35は単結合、-C≡C-
    又は-COO-を表し、環A31及び環A 32はシクロヘキサ
    ン環又はシクロヘキセン環を表し、m、n及びpは各々
    独立的に0又は1の整数を表す。)で表される化合物群
    から選ばれる化合物を含有することを特徴とする請求項
    1又は2記載のネマチック液晶組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のネマチック液
    晶組成物を用いたアクティブ・マトリクス形液晶表示装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載のネマチック液
    晶組成物を用いたツイスティッド・ネマチック又はスー
    パー・ツイスティッド・ネマチック液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 液晶層の厚みが1〜5μmであることを
    特徴とする請求項4又は5記載の液晶表示装置。
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