JP2001026183A - 昇華型熱転写シート及び熱転写記録方法 - Google Patents

昇華型熱転写シート及び熱転写記録方法

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JP2001026183A
JP2001026183A JP2000137691A JP2000137691A JP2001026183A JP 2001026183 A JP2001026183 A JP 2001026183A JP 2000137691 A JP2000137691 A JP 2000137691A JP 2000137691 A JP2000137691 A JP 2000137691A JP 2001026183 A JP2001026183 A JP 2001026183A
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thermal transfer
transfer sheet
layer
type thermal
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JP2000137691A
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Yoshiaki Yamada
義昭 山田
Hidehiro Mochizuki
秀洋 望月
Hironori Kuboyama
浩紀 久保山
Toru Oshima
亨 大嶋
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体とインク層との接着性が良好な昇華型熱
転写リボン(シート)を提供する。 【解決手段】 基体とインク層との間に中間層を設け、
その中間層を基体と同一構造又は類似樹脂構造の樹脂で
形成し、かつ引張り弾性率を10kg/cm2以上のも
のにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は昇華型熱転写リボン
(昇華型熱転写シート)、及びこれを用いる熱転写記録
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、記録方式として電子写真方式、イ
ンクジェット方式、熱転写方式等が知られているが、こ
れらの中で保守が容易、騒音がない等の理由により熱転
写方式が注目されている。
【0003】この熱転写方式には、熱溶融性物質中に
着色剤を分散した転写層を有する熱転写リボンと受像紙
とを重ねて、この熱転写リボンに熱ヘッドあるいはレー
ザ光等で画像状に熱印加することにより、転写層を熱溶
融させて受像紙上に転写記録する溶融型熱転写記録方式
と、熱昇華性染料あるいは熱移行性染料(本明細書中
では単に「昇華性染料」と呼ぶ)を含有する転写層を有
する熱転写リボンと受像紙とを重ねて、熱転写リボンに
画像状に熱印加することにより、転写層の昇華性染料を
受像紙上に昇華または移行させて記録する昇華型熱転写
記録方式とがある。
【0004】そして、これら熱転写記録方式のうちでも
カラー画像の色調の忠実性からみて、の溶融型熱転写
記録方式よりもの昇華型熱転写記録方式の方が優れて
いる。また、この昇華型熱転写記録方式においては、熱
転写リボンのランニングコストを節約するために、一つ
の熱転写リボンを複数回の記録に使用したり、熱転写リ
ボンの搬送速度をこれと重ねられた受像紙の搬送速度よ
り遅くして(相対速度1/n、n>1)記録する方法、
いわゆるn倍モード記録法が提案されている。
【0005】ところで、熱転写リボンの構成は基本的
に、(1)基体上に昇華性染料及びバインダー樹脂から
なるインク層を形成したもの、又は(2)基体と昇華性
染料及びバインダー樹脂からなるインク層との間に、こ
れら基体とインク層との接着性を良好ならしめるための
中間層を形成したものである。
【0006】これら熱転写リボンのうち(1)の代表例
としては、芳香族ポリアミド樹脂フィルム(基体)上に
昇華性染料とバインダー樹脂(バインダー樹脂全体の1
〜50重量%はポリアミド樹脂である)からなるインク
層を設けた熱転写リボン(特開昭63−51190号)
がある。
【0007】また(2)の代表例としては、ポリアミド
フィルム(基体)上にポリビニルブチラールとイソシア
ネート化合物からなる中間層を設け、この中間層上にイ
ンク層を設けた昇華型熱転写リボン(特開平3−130
190号)がある。
【0008】しかし、代表例(1)の熱転写リボンで
は、インク層のバインダーとして昇華性染料と相溶性の
悪いポリアミド樹脂を用いているため、熱転写時の昇華
性染料の拡散転移効率が著しく低下し、熱エネルギーに
対して感度が悪いものとなってしまう。また、代表例
(2)の熱転写リボンでは、ポリアミドフィルムとブチ
ラール樹脂との接着性が不十分であり、インク層が中間
層とフィルムの界面から剥離しやすいため熱転写リボン
のハンドリングが悪い傾向がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、基体
とインク層の経時変化が無く接着性に優れ、生産工程及
び完成品における基体からのインク層の脱落を防止し、
印字品質の良好な昇華型熱転写リボン、及びこの熱転写
リボンを用いる記録方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、基体上に中間層及び少なくとも着色剤とバインダー
樹脂とからなるインク層を順次積層した熱転写シートに
おいて、該中間層を構成する材料が該基体と同一構造又
は類似構造の樹脂であり、且つ引張り弾性率が10kg
/cm2以上であることを特徴とする熱転写シートが提
供される。
【0011】第二に、中間層がゴム共重合体樹脂である
ことを特徴とする上記第一の熱転写シートが提供され
る。第三に、基体が芳香族ポリアミドであるとき、中間
層がポリアミドゴム共重合体樹脂であることを特徴とす
る上記第一の熱転写シートが提供される。第四に、中間
層中のゴム共重合体樹脂が20重量%以上であることを
特徴とする上記第二又は第三の熱転写シートが提供され
る。第五に、中間層中のゴム共重合体樹脂が50重量%
以上であることを特徴とする上記第二〜四のいずれかの
熱転写シートが提供される。
【0012】第六に、中間層のガラス転移温度Tgが8
0℃以上であることを特徴とする上記第一〜五のいずれ
かの熱転写シートが提供される。第七に、中間層が非架
橋物質であることを特徴とする上記第一〜六のいずれか
の熱転写シートが提供される。第八に、中間層がインク
層溶剤に対して不溶ないし難溶であることを特徴とする
上記第一〜七のいずれかの熱転写シートが提供される。
第九に、中間層が低染着性であることを特徴とする上記
第一〜八のいずれかの熱転写シートが提供される。
【0013】第十に、中間層表面の臨界表面張力が30
dyn/cm以上であることを特徴とする上記第一〜九
のいずれかの熱転写シートが提供される。第十一に、中
間層の厚みが1.0μm以下であることを特徴とする上
記第一〜十のいずれかに記載の熱転写シートが提供され
る。第十二に、中間層と基体との接着力が30g/cm
以上であることを特徴とする上記第一〜十一のいずれか
の熱転写シートが提供される。
【0014】第十三に、中間層がアジリジン化合物を含
有することを特徴とする上記第一〜十二のいずれかの熱
転写シートが提供される。
【0015】第十四に、インク層が少なくとも2層から
なり、その上層のインク層が染料濃度が低い染料濃度勾
配及び/又は染料拡散係数が小さい染料拡散係数勾配を
有することを特徴とする上記第一〜十三のいずれかの熱
転写シートが提供される。
【0016】第十五に、上記第一〜十四のいずれかの昇
華型熱転写シートを用い受像紙に熱転写記録を行う方法
において、該昇華型熱転写シートの印字搬送速度を該受
像紙の搬送速度に対して相対速度1/n(n>1)にし
て記録することを特徴とする熱転写記録方法が提供され
る。
【0017】なお、本発明で“基体と同一構造又は類似
構造の樹脂”というのは、中間層に使用する樹脂の主骨
格が基体のそれと同一であることを示しており、一般的
には同族体又は同級体であることを指している。また
“臨界表面張力”というのは、高分子の表面張力の1つ
の指標として用いられるものであって、測定方法として
は表面張力γの異なるいろいろな液体を用いて接触角θ
を測定し、θ=0°となるときの表面張力γをグラフな
どから外挿して求めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明をさらに詳細に説明す
る。図1は本発明の熱転写リボン(昇華型熱転写シー
ト)の層構成を表わした図で、1は基体、2は中間層、
3はインク層である。インク層3は昇華性染料及び高分
子バインダー樹脂を主成分として中間層2上に形成され
る。熱転写リボンは必要に応じてインク層の上に滑性層
や保護層などの機能層をさらに1層以上積層してもよ
い。また、基体裏面(インク層とは反対側の面)には必
要に応じて耐熱滑性層を設けてもよい。
【0019】次に本発明の昇華型熱転写シートに使用さ
れる材料、使用量等について説明する。
【0020】中間層用樹脂としては基体に用いられてい
る素材と同種のものであればよく、セルロース系樹脂例
えばエチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロースなど、ビニル系樹脂例えばポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタールなどの他、アクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
アミドイミド系樹脂、ポリオール系樹脂、ウレタン系樹
脂などがある。
【0021】またイソシアネートで架橋反応可能な反応
基を有する共重合体樹脂も使用でき、例えば、塩化ビニ
ル−酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニル−アクリルコポ
リマー、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸トリポリ
マー、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコールトリ
ポリマーなどが挙げられる。これらの樹脂は1種で使用
可能であるが、数種混合しても使用可能である。
【0022】イソシアネート化合物としては、ジ又はト
リ−イソシアネート化合物が特に有効であり、例えば
2,4−トリレジンイソシアネート、2,6−トリレジ
ンイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、ビスイソシアネ
ートメチルシクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネートなどがある。
【0023】イソシアネート化合物の−NCO基と活性
水素をもつ樹脂の−OH基との比を0.1:1〜1:1
の割合で混合する事が適当である。活性水素をもつ樹脂
とイソシアネート化合物とを反応させて高ゲル分率を得
る為には中間層を塗布乾燥しただけで得る事はできず、
その後の処理として高温雰囲気中で長期間静置してエー
ジングさせる事により初めて得る事が出来る。
【0024】またこの高温エージングをなるべく緩和す
る為、硬化触媒を使用する事もできる。かかる硬化触媒
としては、酸、塩基、金属化合物などが有効であり、活
性水素をもつ樹脂とイソシアネート化合物との反応に対
してはスズ系触媒を用いる事が望ましい。
【0025】上記のように中間層材料には種々の樹脂が
使用できるが、ウレタン樹脂などイソシアネート反応に
よる硬化樹脂を使用する場合には、完全反応した時点で
接着力が充分か否かを判断するように注意する必要があ
る。これは、未反応物が残存した状態で層形成してしま
うと、経時で硬化反応が進み、弾性が低下する事で接着
性が落ちてしまう為である。
【0026】上記のように本発明においては、中間層に
基体と同種材料を用いることによりこれらの親和性が高
くなり、中間層と基体の接着性は良好なものになる。し
かし一般的には、基体と中間層の弾性率が低いため、接
着性が完全には満足できず、基体から中間層が剥がれて
しまうことが懸念される。従って、中間層に基体と同種
材料を用いた場合においても、中間層の弾性率(引張り
弾性率)を10kg/cm2以上と低く規定しておくこ
とが望ましく、これにより良好な中間層が発現できる。
【0027】本発明において“引張り弾性率が10kg
/cm2以上である”とは弾性率や柔軟性があるという
意味であり、引張り弾性率が高いほど、基体上に中間層
を形成した時に“折れ”又は“曲げ”などの物質変形に
中間層が追随して変形可能であるため、印字時の衝撃に
耐えることができ、同種構造をもつ為に化学的親和性が
優れるという事を物理的に補助できる。
【0028】本発明における引張り弾性率の測定につい
てはJIS K 7161に準じており、下式により算
出する。単位はkg/cm2、又はdyn/cm2であ
る。 Et=(σ2−σ1)/(ε2−ε1) Et:引張り弾性率 σ1:歪みε1=0.0005において測定された引張
り応力 σ2:歪みε2=0.0025において測定された引張
り応力
【0029】この中間層の弾性率を基体と同種材料の物
性値(分子量、ガラス転移温度など)だけでコントロー
ルとするのは実際にはかなり困難である。例えば、中間
層に比較的低分子量の材料を使用した場合、耐熱性が劣
化し印字不良となる可能性がある。そこで、ゴム共重合
体樹脂のような弾性率の高いもので中間層を構成する
か、中間層に混入することによって、中間層の弾性率を
容易に高めることができる。
【0030】特に、基体に耐熱性のすぐれた芳香族ポリ
アミドフィルムを用いた場合には、中間層をポリアミド
ゴム共重合体樹脂で形成するのが好ましい。高速印字の
際、昇華型熱プリンターは短時間に高エネルギーを熱転
写シートに与えるのが、この高エネルギー印字にポリア
ミド系樹脂は充分耐えることができる。
【0031】中間層に占めるゴム共重合体樹脂の量は2
0重量%以上が適当である。中間層中にゴム共重合体樹
脂を加えることによって中間層の弾性率を高め、通常使
用される際のインク層の脱落は防止できる。
【0032】中間層に占めるゴム共重合体樹脂の量は好
ましくは50重量%以上であり、これによりインク層の
脱落は完全になくなり、熱転写シートが折れた時でもイ
ンク層の脱落が発生することはない。
【0033】中間層はガラス転移温度(溶融状態の物質
を急冷した時、過冷却状態を過ぎてガラス状態になる時
の状態変化が起こる温度:Tg)が80℃以上であるの
が望ましい。中間層にTgが80℃より低い材料を用い
ると中間層の弾性率としては良好であるが、中間層単層
及び完成品のブロッキング性に問題が生じることがあ
る。
【0034】一般に中間層の形成には、1液又は2液架
橋系材料を用いる場合があるが、これは完全架橋を形成
時に行なわないと経時で接着力が低下してしまうことが
ある。また中間層形成時に完全架橋を行なう際には、高
温長時間のエージングを実施するか、液の寿命は短いが
触媒等で反応性を挙げることが必要になってくるが、ど
ちらも生産性が思わしくない。そこで、中間層は硬化剤
などによる架橋反応を行なわずに形成するのが有利なと
きもある。
【0035】中間層は、インク層の形成で用いられる溶
剤に対して不溶ないし難溶であるのが好ましい。これに
よって中間層内にインク層成分が混入してしまうことが
防止でき、安定した接着力を有することが可能となる。
【0036】中間層は低染着性であるのが望ましい。中
間層を低染着性樹脂で形成することによってインク層か
らの中間層への染料拡散を低く抑えることができ、ひい
ては、受像紙への染料拡散量が増加して画像形成時の画
像濃度を向上させることができる。
【0037】中間層はその表面の臨界表面張力を30d
yn/cm以上にすることにより、上層のインク層の濡
れ性が良好なものとなり、ハジキなどの成膜不良が発生
しにくくなる。臨界表面張力を30dyn/cm以上に
するにはコロナ処理等の方法が採用される。
【0038】中間層の厚みは、中間層の熱容量増加によ
る感度低下の抑制、及び弾性率アップによるインク層脱
落防止を考慮すると1.0μm以下にするのが望まし
い。
【0039】本発明の熱転写シートにおいては、中間層
と基体との接着力が30g/cm以上であるのが望まし
い。30g/cmより低いとある環境下において経時に
よりインク層ともども中間層の基体からの脱落がみられ
るようになる。
【0040】本発明において、規定した接着力とは図2
及び図3に示すような方法で測定したものである。図2
は接着力測定の試験片であり、図3は試験測定方法の概
略図である。図中の1は基体、2は中間層であり、これ
らは熱転写シートの1部であり、熱転写シートはこれら
にインク層を設けて成る。
【0041】接着力は熱転写シートの中間層2側を粘着
テープ4により恒温プレート5に固着させ、該恒温プレ
ートの温度を測定条件の温度(本発明においては20
℃)に設定し、中間層2から基体1を引張り方向6の方
向へ測定条件の引張り速度(本発明においては約70m
m/min)で引き剥がし、この引き剥がし時に要する
力をテンションゲージなどで測定することにより行な
う。
【0042】本発明の中間層にはアジリジン化合物を含
有させるのが望ましい。このアジリジン化合物の存在に
より、樹脂を完全架橋しなくとも接着性などの効果を発
現できるので、長時間のエージングを必要とせず、生産
性の面で有利である。アジリジン化合物の量は上記効果
が認められるに足る適当量である。
【0043】アジリジン化合物とは、エチレンイミン環
をもつものの総称であり、エチレンイミンとそも誘導体
のことである。その代表的なものを表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】このような中間層を有する昇華型熱転写リ
ボンはインク層が通常1層からなるが、このインク層を
2層以上で形成し、そのインク層の最下層に粒子状染料
を含有させ、かつその最下層のインク層の染料/バイン
ダー樹脂の重量比を1.5以上にすることによってラン
ニングコストに有利な熱転写リボンが得られ、また、こ
のような昇華型熱転写体は受像紙に対し相対速度を1/
n倍(n>1)にして記録する速度差モード法において
の使用が効果的である。
【0046】インク層に使用される昇華性染料は60℃
以上で昇華或いは気化する染料であり、主に分散染料、
油溶性染料など熱転写捺染で使用されるものであればよ
く、例えばC.I.ディスパースイエローの1、3、
8、9、16、41、54、60、77、116など、
C.I.ディスパースレッドの1、4、6、11、1
5、17、55、59、60、73、83など、ディス
パースブルーの3、14、19、26、56、60、6
4、72、99、108など、C.I.ソルベントイエ
ローの77、116、C.I.ソルベントレッドの2
3、25、27など、C.I.ソルベントブルー36、
83、105などが挙げられる。これらの染料の1種は
使用可能であるが数種混合しても使用可能である。
【0047】インク層に使用される結着剤には熱可塑性
樹脂又は熱硬化性樹脂が用いられ、例えば塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ
カーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、アクリ
ル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ブチ
ラール樹脂、メラミン樹脂、天然ゴム、合成ゴム、ポリ
ビニルアルコール、セルロース樹脂等が挙げられる。こ
れらの樹脂は1種で使用できるが、数種混合するか、更
にはこれらを含む共重合体を使用してもよい。
【0048】またインク層中には公知の滑剤、硬化剤、
分散剤、酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0049】基体としては比較的耐熱性の良いフィル
ム、例えばポリエステル、PEEK、PEN、PET、
ポリスチレン、ポリサルフォン、芳香族ポリアミド、ポ
リイミド、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース
等のフィルムが挙げられるが、中でもポリエステル、P
EEK、PEN、芳香族ポリアミド、及びポリイミドフ
ィルムが好ましい。
【0050】本発明の熱転写リボンをマルチ用リボンと
して採用する場合には、本発明者らが、先に特願昭63
−62866号において提案した積層構造の昇華型感熱
転写体“染料供給層と染料転写寄与層との間において染
料放出能を染料供給層>染料転写寄与層とする事”の積
層構造を採用するのが好ましい。
【0051】詳細には、インク層を染料供給層、染料転
写寄与層の積層によって構成する。染料供給層及び染料
転写寄与層は、その各処方によって同一付着量を基体上
にそれぞれ単独層として形成し、その各々を別の受像層
と重ねあわせ両者に同一の熱エネルギーを印加した時、
それぞれの受像層への染料転写量が、染料供給層>染料
転写寄与層の関係にあるようにしたものである。
【0052】本発明者らの知見によれば、インク層中に
おける染料の拡散はフィックの法則、すなわち、断面積
qを単位時間に通過した染料量dnは拡散方向における
染料の濃度勾配をdc/dxとし、Dを熱印加された時
のインク層中の各部位の平均拡散係数としたとき、 dn=−D×(dc/dx)×q×dt の関係が適用される。
【0053】そこで、染料供給層から染料転写寄与層に
昇華性染料が拡散供給され易くするための手段として
は、 I)染料濃度に関して、染料供給層>染料転写寄与層の
関係とさせる事、及び/又は II)それぞれの層中における拡散係数に関して染料供給
層>染料転写寄与層の関係とさせることの手段がある。
【0054】染料寄与層の厚さは、一般には0.05〜
5μm好ましくは0.1〜2μmである。また、染料供
給層の厚さは一般には0.1〜20μm好ましくは0.
5〜10μmである。
【0055】本発明の染料転写寄与層及び染料供給層に
おける昇華性染料、結着剤は前記のインク層に使用され
る昇華性染料、結着剤がそのまま使用される。
【0056】更に染料転写寄与層と染料供給層との間に
おいてガラス転移温度又は軟化温度に差をつける場合、
ガラス転移温度0℃以下又は軟化温度60℃以下の樹
脂、あるいは天然又は合成ゴムが好ましく用いられる。
【0057】具体的には、ポリエチレンオキサイド(ア
ルコックスE−30,45、R−150,400,10
00、明成化学工業社製);カプロラクトンポリオール
(プラクセルH−1,4,7、ダイセル化学工業社製)
等が実用上有用であり、これらはその1種又は数種が先
に記した熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と混合した形で
用いられるのが好ましい。
【0058】染料転写寄与層の染料濃度は通常5〜80
%好ましくは10〜60%程度である。また染料供給層
の染料濃度については5〜80%の染料濃度が望ましい
が、染料転写寄与層と染料供給層との間に染料濃度勾配
をつける場合、染料転写寄与層の染料濃度に対し1.1
倍〜5倍、好ましくは1.5〜3倍が望ましい。
【0059】染料の供給を長時間安定に継続し印字特性
を良好に保つ為に、染料供給層は未溶解粒子状の昇華性
染料を含んでいるのが好ましい。ここで未溶解粒子とは
インク層形成時のインク(有機結着剤+昇華性染料+溶
剤)を乾燥後、有機結着剤に溶けきれず、粒子状として
析出する染料を意味し、同一の結着剤及ぴ染料でも溶剤
により未溶解粒子状染料の存在状況が異なる。
【0060】未溶解粒子状染料の存在の有無は染料供給
層形成後、電子顕微鏡により容易に識別できる。未溶解
粒子状染料の粒径は染料供給層厚によって異なるが、
0.01μm〜20μm好ましくは1.0〜5.0μm
である。
【0061】また、染料転写寄与層での染料状態は実際
に転写に寄与する単分子状で分散している事が転写濃度
ムラ発生防止や染料供給層と染料転写寄与層との間の染
料濃度勾配を安定に保つ事から望ましい。
【0062】又更に、色重ね時のゴースト防止の観点か
ら染料転写寄与層上に低染着性樹脂層を設ける事が好ま
しい。低染着性樹脂層に使用される結着樹脂は対象の樹
脂を受像層用樹脂として評価し記録濃度の低い樹脂が上
記樹脂として適する事になる。
【0063】低染着性樹脂であるか否かの評価は以下の
方法で決定する。基体ベースとして合成紙ユポFPG#
95(王子油化社製)上に、揮発性溶媒中に5〜20重
量%溶解した各検討樹脂溶液に樹脂固形分の30重量%
の変性シリコーンオイルSF8411/SF8427=
1/1(東レシリコーン社製)を含む液を塗布し、乾燥
膜厚10μmとなるよう70℃1分間乾燥後室温で1日
以上乾燥する。次に、このようにして作成した受像紙、
三菱カラービデオプロセッサSCT−CP200用カラ
ーシート、シアン色のリボンと重ねあわせ、解像度6ド
ット/mmで平均抵抗542ΩのサーマルヘッドKMT
−85−6MPD4(京セラ社製)を用い、2.00m
j/ドットで記録し、この記録濃度を反射型濃度計RD
−918で評価した結果、記録濃度1.2以下、好まし
くは1.0以下となるものを低染着性樹脂として採用す
る。
【0064】この結果、好ましい低染着性樹脂として
は、芳香族ポリエステル樹脂、スチレンブタジエン樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、更に特に好
ましい樹脂として、メタアタリレート樹脂又はその共重
合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、ポリイ
ミド樹脂、アセテート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン
アクリルニトリル樹脂、ポリサルフォン樹脂等が挙げら
れる。なお、この低染着性樹脂は中間層としても使用で
きるものである。
【0065】更に、低染着性樹脂層の厚み、染料濃度、
染料状態等の条件は染料転写寄与層のそれと同条件であ
るのが望ましい。
【0066】本発明の熱転写シートは、低染着樹脂の評
価のところで説明したように、感熱ヘッドを用いて受像
紙に記録させてもよいし、また例えば、熱印版、レーザ
ー光、或いは基体媒体中で発生するジュール熱によって
受像紙に記録させる方法によってもよい。このうち基体
媒体中で発生するジュール熱を用いる通電感熱転写方法
は、例えばUSP4,103,066、特開昭57−1
4060号、特開昭57−11080号、特開昭59−
9096号等の多くの文献に記録されている。
【0067】受像紙(受像シート)は基体ベース上に受
像層を形成してなるか、受像層用材料自体で受像シート
としてもよい。なお、受像層の膜厚は一般的には1〜2
0μm程度とすることがよい。
【0068】受像層を構成する樹脂は昇華性染料に対す
る染着性が良い樹脂として従来から公知の材料で良く、
例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリ
ル系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレ
タン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、
天然ゴム、合成ゴム、ポリビニルアルコール、セルロー
ス樹脂などが挙げられる。これらは、1種或いは2種以
上混合して用いてもよく、又これらの共重合体として用
いる事もできる。
【0069】受像層にはその滑性を上げる為に滑性剤を
混合する事も出来る。滑性剤の例としては、流動性パラ
フィン等の石油系潤滑油、ハロゲン化水素、ジエステル
油、シリコーン油、フッ素シリコーン油、変性(エポキ
シ変性、アミノ変性、アルキル変性、ポリエーテル変性
等)シリコーン油などの合成潤滑油、ポリオキシアルキ
レングリコールなどの有機化合物とシリコーンとの共重
合体等のシリコーン潤滑性生成物、フルオロアルキル化
合物等の各種フッ素系滑性剤、パラフィンワックス、ポ
リエチレンワックス等のワックス類、高級脂肪酸、高級
脂肪族アルコール、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エス
テル、高級脂肪酸塩などが挙げられる。これらの滑性剤
の受像層中への添加量は5〜30重量%が適当である。
【0070】更に、受像層中に界面活性剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、蛍光増白剤などの公知の添加剤を添加
する事もできるが、これらの添加剤の総量は30重量%
以下が適当である。
【0071】本発明の熱転写シートは昇華転写方式にの
み適用されるのではなく、溶融転写など様々な記録方式
に適用される。また、本発明に関する概念は、記録方式
に限るものでもなく接着に関する概念として分野を問わ
ず広く一般に適用される。
【0072】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。なお、以下の記載における各成分の量は重量基準で
ある。
【0073】(実施例1〜4および比較例1、2の昇華
型熱転写シートの作成条件)裏面に厚さ0.6〜1.0
μmのシリコーン系耐熱層を有する厚さ4.5μmの芳
香族ポリアミドフィルム(基体)の表面に、中間層形成
液をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で3分間乾
燥して厚さ0.3μmの中間層を形成した。この中間層
上にインク層形成液をワイヤーバーを用いて塗布し、1
00℃で3分間乾燥して厚さ6μmのインク層を形成し
て昇華型熱転写シートを作成した。
【0074】 実施例1 (中間層形成液) メトキシメチル化ポリアミド(F30K、帝国化学産業製) 5部 酒石酸 1部 トルエン 47部 MEK 47部 *上記作成条件の他にエージングを140℃で10分行なう。これによる自己架 橋反応により耐熱性が向上する。 (インク層形成液) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 7部 昇華性染料 (HSB−2207、三菱化学製) 19部 昇華性染料 (203、日本化薬製) 5部 n−ヘキサノール 69部
【0075】 実施例2 (中間層形成液) ポリアミドイミド樹脂(ゴム共重合体含有量75%、T100NR2、 東洋紡製) 16.7部 THF 73.8部 シクロヘキサノン 9.5部 (インク層形成液)実施例1と同じ。
【0076】 実施例3 (中間層形成液) ポリアミドイミド樹脂(ゴム共重合体含有量25%、T100NR1、 東洋紡製) 16.7部 THF 73.8部 シクロヘキサノン 9.5部 (インク層形成液)実施例1と同じ。
【0077】 実施例4 (中間層形成液) ポリアミドイミド樹脂(ゴム共重合体含有量50%、T100NR3、 東洋紡製) 16.7部 THF 73.8部 シクロヘキサノン 9.5部 (インク層形成液)実施例1と同じ。
【0078】 比較例1 (中間層形成液) ポリアミドイミド樹脂(ゴム共重合体含有量0%、T100、東洋紡製) 16.7部 THF 73.8部 シクロヘキサノン 9.5部 (インク層形成液)実施例1と同じ。
【0079】 比較例2 (中間層形成液) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 2.8部 イソシアネート (D103H、武田薬品製) 2.8部 トルエン 28.4部 MEK 66部 (インク層形成液)実施例1と同じ。
【0080】(実施例5〜10及び比較例3の昇華型熱
転写シートの作成条件)裏面に厚さ0.6〜1μmのシ
リコーン系耐熱層を有する厚さ4.5μmの芳香族ポリ
アミドフィルム(基体)の表面に、中間層形成液をワイ
ヤーバーを用いて塗布し、120℃で3分乾燥して厚さ
0.3μmの中間層を形成した。この中間層上に染料供
給層形成液を塗布し、100℃で3分乾燥させて厚さ6
μmの染料供給層を形成し、さらにこの染料供給層上に
染料転写寄与層形成液を塗布し、100℃で3分乾燥さ
せて厚さ0.6μmの染料転写寄与層を形成して昇華型
熱転写シートを作成した。
【0081】 実施例5 (中間層形成液) ポリアミドイミド樹脂(ゴム共重合体含有量75%、T100NR2、 東洋紡製) 16.7部 THF 73.8部 シクロヘキサノン 9.5部 (染料供給層形成液) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 6.7部 昇華性染料 (HSB−2207、三菱化学製) 16.3部 昇華性染料 (203、日本化薬製) 7部 n−ヘキサノール 70部 (染料転写寄与層形成液) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 6部 イソシアネート (TDH703、武田薬品製) 4部 シリコーンオイル (SF8427、東レシリコーン製) 1.5部 メタノール 71部 ブタノール 17.5部
【0082】実施例6 中間層形成液:実施例2と同じ(但し、中間層の膜厚
1.5μm)。 インク層形成液:実施例1と同じ。
【0083】 実施例7 (中間層形成液) ポリアミドイミド樹脂(ゴム共重合体含有量85%、T100NR6、 東洋紡製) 16.7部 THF 73.8部 シクロヘキサノン 9.5部 (インク層形成液)実施例1と同じ。
【0084】 実施例8 (中間層形成液) ポリアミドイミド樹脂(ゴム共重合体含有量50%、MT5050NR、 東洋紡製) 16.7部 メタノール 58.3部 トルエン 25.0部 (インク層形成液)実施例1と同じ。
【0085】 実施例9 (中間層形成液) ウレタン樹脂 (E550、武田薬品製) 5部 イソシアネート(D103H、武田薬品製) 1部 MEK 66部 トルエン 28部 (インク層形成液)実施例1と同じ。
【0086】 実施例10 (中間層形成液) ポリビニルブチラール樹脂(6000EP、電気化学工業製) 2.8部 No.4のアジリジン化合物(PZ−33、日本触媒製) 0.3部 トルエン 29.1部 MEK 67.9部 (インク層形成液)実施例1と同じ。
【0087】比較例3 (中間層形成液)比較例2と同じ。 (染料供給層形成液)実施例5と同じ。 (染料転写寄与層形成液)実施例5と同じ。
【0088】実施例11 裏面に厚さ0.6〜1.0μmのシリコーン系耐熱層を
有する厚さ4.5μmのPETフィルム(基体)の裏面
に、中間層形成液を塗布し、120℃で3分乾燥して、
厚さ0.5μmの中間層を形成した。この中間層上にイ
ンク層形成液を塗布し100℃で3分乾燥して厚さ3.
5μmのインク層を形成した。さらにこのインク層上に
オーバー層形成液を塗布し100℃で3分乾燥して厚さ
0.15μmのオーバー層を形成して昇華型熱転写シー
トを作成した。 (中間層形成液) カーボンブラック 9部 青色顔料 1部 脂肪酸エステルワックス 45部 マイクロクリスタリンワックス 20部 キャンデリラワックス 10部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 15部 (インク層形成液) 脂肪酸グリセリド 2部 キャンデリラワックス 67部 カーボンブラック 31部 (オーバー層形成液) カルナバワックス 90部 セルロースアセテートブチレート 9部 グラフトシリコーン 1部
【0089】(受像紙について)下記処方の受像層形成
液を合成紙(ユポ、王子油化製)上に塗布し乾燥して厚
さ6μmの受像層を形成して受像シートを作成した。 (受像層形成液) 塩化ビニル系樹脂(1000GKT、電気化学工業製) 9部 イソシアネート (D103H、武田薬品製) 4部 硬化促進触媒 (TK1L、武田薬品製) 0.06部 シリコーンオイル(SF8427、東レダウシリコーン製) 0.5部 シリコーンオイル(SH200、東レダウシリコーン製) 0.5部 トルエン 10部 MEK 30部
【0090】(1)実施例1〜4、6〜11及び比較例
1、2の昇華型熱転写シート(インクシート)と、受像
シートを用い、サーマルヘッド解像度12ドット/m
m、印加エネルギー0.64mj/ドット、印加電圧
0.12W/ドットの条件で、記録時の送り速度がイン
クシート、受像シートともに8.4mm/sec(一般
的なワンタイム印字)となるように設定し、一般的なワ
ンタイム印字記録にて記録を行なった。
【0091】(2)実施例5及び比較例3の昇華型熱転
写シートと、受像シートを用い、サーマルヘッド解像度
12ドット/mm、印加エネルギー0.64mj/ドッ
ト、印加電圧0.16W/ドットの条件で、記録時の送
り速度 受像シート 8.4mm/sec インクシート0.6mm/sec となるように設定し、速度差モード法記録にて記録を行
なった。
【0092】これらの結果を表2、表3に示す。表2、
表3での印字品質については ○:問題なし △:画像ムラ有り ×:融着等の印字不良発生(印字できない) としている。
【0093】なお表2、表3には、接着性評価として粉
落ちという項目を設けたが、これは中間層の上にインク
層又は染料供給層を設けた時に、転写シートをクシャク
シャに丸めてしまい、再び元に戻した時のインク層又は
染料供給層の剥がれの様子を目視観察し定性的評価をし
たものである。表中の記号は下記のとおりである。 ◎:全く剥がれない ○:0.1mm以下の剥がれ有り △:0.1〜1mmの剥がれ有り ×:剥がれる と区別している。
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】
【発明の効果】(請求項1)基体と同種材料を中間層に
用いる事により、親和性が高くなり基体と中間層との接
着性は良好になる。特に弾性率を高めることで良好な中
間層を発現できる。
【0097】(請求項2)ゴム共重合体のような弾性率
の高いものを使用することにより、中間層の弾性率を容
易に高めることができる。
【0098】(請求項3)中間層を耐熱性にすぐれた芳
香族ポリアミドゴム共重合体で形成することにより、耐
熱性のある熱転写シートが得られる。
【0099】(請求項4)中間層中のゴム共重合体を2
0重量%以上にすることにより通常使用する際のインク
層脱落は防止できる。
【0100】(請求項5)中間層中のゴム共重合体を5
0重量%以上にすることによりインク層脱落は完全に無
くなり、昇華型熱転写シートが折れた時もインク層脱落
が防止できる。
【0101】(請求項6)中間層のガラス転移温度Tg
を80℃以上にしたことで中間層単層及び完成品でのブ
ロッキングが防止できる。
【0102】(請求項7)硬化剤等による架橋反応を行
なわずに中間層を形成することができるため生産性が向
上する。
【0103】(請求項8)インク層溶剤に対して中間層
が不溶ないし難溶であるため中間層内にインク成分が混
入してしまう事を防止でき、安定した接着力を有する事
が可能となる。
【0104】(請求項9)中間層を低染着樹脂で形成す
る事により中間層への染料拡散を低く抑える事ができ、
受像紙への染料拡散量を増やす事によって画像形成時の
画像濃度O.Dを向上する事ができる。
【0105】(請求項10)中間層表面の臨界表面張力
が30dyn/cm以上である事により、上層のインク
層のぬれ性が良好なものとなり、ハジキ等の成膜不良が
発生しない。
【0106】(請求項11)中間層の膜厚を1.0μm
以下とする事で弾性率を高める事が出来る。
【0107】(請求項12)中間層と基体との接着力が
30g/cm以上である時、ゴム共重合体の含有量に関
わらずインク層脱落が完全に防止でき、昇華転写シート
が折れた時もインク層脱落が発生する事はない。
【0108】(請求項13)中間層にアジリジン化合物
を含有することで、樹脂を完全架橋しなくとも接着性な
どの効果を発現できるので、長時間のエージングを必要
とせず、生産性の面で有利となる。
【0109】(請求項14)本発明のインク層脱落防止
機能はインク層が2層以上の構成であり且つ上層のイン
ク層が染料濃度が低い染料濃度勾配又は/且つ染料拡散
係数が小さい染料拡散係数勾配を有する事を特徴とする
昇華マルチ転写シートにも適用する事ができる。
【0110】(請求項15)本発明のインク層脱落防止
機能は昇華型熱転写シートの印字搬送速度を受像シート
の搬送速度に対して相対速度1/n(n>1)にして記
録するn倍記録法を採用する昇華マルチ転写シートにも
適用する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の昇華型熱転写シートの層構成の一例の
図。
【図2】本発明の昇華型熱転写シートの接着力を測定す
るための試験片を表わした図。
【図3】本発明の昇華型熱転写シートの接着力測定方法
を表わした図。
【符号の説明】
1 基体 2 中間層 3 インク層 4 接着テープ 5 恒温プレート 6 引張り方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保山 浩紀 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 大嶋 亨 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 AA13 AA21 AA27 AA33 AA42 BA03 BA07 BA12 BA53 BA55 BA61 BA62 BA71 BA78 BB05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に中間層及び少なくとも着色剤と
    バインダー樹脂とからなるインク層を順次積層した昇華
    型熱転写シートにおいて、該中間層を構成する材料が該
    基体と同一構造又は類似構造の樹脂であり、且つ引張り
    弾性率が10kg/cm2以上であることを特徴とする
    昇華型熱転写シート。
  2. 【請求項2】 中間層がゴム共重合体樹脂であることを
    特徴とする請求項1記載の昇華型熱転写シート。
  3. 【請求項3】 基体が芳香族ポリアミドであるとき、中
    間層がポリアミドゴム共重合体樹脂であることを特徴と
    する請求項1記載の昇華型熱転写シート。
  4. 【請求項4】 中間層中のゴム共重合体樹脂が20重量
    %以上であることを特徴とする請求項2又は3記載の昇
    華型熱転写シート。
  5. 【請求項5】 中間層中のゴム共重合体樹脂が50重量
    %以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか
    に記載の昇華型熱転写シート。
  6. 【請求項6】 中間層のガラス転移温度Tgが80℃以
    上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の昇華型熱転写シート。
  7. 【請求項7】 中間層が非架橋物質であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載の昇華型熱転写シー
    ト。
  8. 【請求項8】 中間層がインク層溶剤に対して不溶ない
    し難溶であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の昇華型熱転写シート。
  9. 【請求項9】 中間層が低染着性であることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の昇華型熱転写シー
    ト。
  10. 【請求項10】 中間層表面の臨界表面張力が30dy
    n/cm以上であることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれかに記載の昇華型熱転写シート。
  11. 【請求項11】 中間層の厚みが1.0μm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の昇
    華型熱転写シート。
  12. 【請求項12】 中間層と基体との接着力が30g/c
    m以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれ
    かに記載の昇華型熱転写シート。
  13. 【請求項13】 中間層がアジリジン化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜12記載の昇華型熱転写シ
    ート。
  14. 【請求項14】 インク層が少なくとも2層からなり、
    その上層のインク層が染料濃度が低い染料濃度勾配及び
    /又は染料拡散係数が小さい染料拡散係数勾配を有する
    ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の昇
    華型熱転写シート。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載の昇
    華型熱転写シートを用い受像紙に熱転写記録を行う方法
    において、該昇華型熱転写シートの印字搬送速度を該受
    像紙の搬送速度に対して相対速度1/n(n>1)にし
    て記録することを特徴とする熱転写記録方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100482759B1 (ko) * 2002-02-09 2005-04-14 최한탁 Pcm 강판용 승화열전사지 제조방법 및 그 물품
KR100482764B1 (ko) * 2002-04-12 2005-04-14 최한탁 승화열전사 칼라프린트 mdf의 제조방법 및 그 물품
JP2013180521A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2013202846A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート

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