JP2003025741A - 昇華型熱転写記録方法、装置及びそのために有用な熱転写シート - Google Patents

昇華型熱転写記録方法、装置及びそのために有用な熱転写シート

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JP2003025741A
JP2003025741A JP2001209895A JP2001209895A JP2003025741A JP 2003025741 A JP2003025741 A JP 2003025741A JP 2001209895 A JP2001209895 A JP 2001209895A JP 2001209895 A JP2001209895 A JP 2001209895A JP 2003025741 A JP2003025741 A JP 2003025741A
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Yoshiaki Yamada
義昭 山田
Hironori Kuboyama
浩紀 久保山
Hiroshi Naito
啓 内藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重ヘッド同時書き込み方式により、受像シ
ートへN倍記録方法にて画像形成を行なう熱転写記録シ
ートにおいて、且つ、熱転写シートの印字可能領域より
も印字領域が小さい場合に発生する“ジター”と呼ばれ
る画像不良の改善をすること。 【解決手段】 多重同時書き込み方式により熱転写シー
トから受像シートへN倍記録法にて熱転写記録装置を用
いて熱転写記録を行なう感熱記録方法であって、該記録
装置は、サーマルヘッドが少なくとも2本以上あり、該
熱転写シートは基体上に昇華性染料が樹脂中に溶解又は
分散されてなる染料供給層を有し、且つ該染料供給層の
上に熱硬化性樹脂と弾性体粒子からなる染料転写寄与層
を備えており、該受像シートは少なくとも最上面が樹脂
硬化膜と滑剤で構成されており、該受像シート表面/熱
転写記録シート表面の印字時と非印字時の動摩擦係数差
Δμ が、0.2以下であることを特徴とする感熱記録
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華型熱転写体、
特に複写機、ファクシミリ、プリンタなどのOA端末機
におけるカラー記録やテレビ、コンピュータ、CRT画
像のカラー記録等に使用される昇華型熱転写体、及び、
それを用いた昇華型熱転写記録技術に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平11−48626号公報には、基
体上に少なくとも染料受容層を有する昇華型受像シート
において、昇華型受像シートの染料受容層を塗設した面
の最表面層と熱転写シートの染料層を塗設した面の最表
面層との間の動摩擦係数が、画像濃度2.0を与えると
きに1.0以下とすることにより、スティッングがなく
高濃度かつ鮮明で耐融着性に優れた画像を得ることが記
載されている。また、特許第2911517号公報に
は、基材フィルムの一方の面に滑性層が設けられ、他方
の面に染料層が形成されてなる熱転写シートであって、
染料層が少なくとも3色の染料層からなり、(a)第一
染料層と非印字時における受像シートの受像面との間の
動摩擦係数(μ)が0.1〜0.6の範囲であり、
(b)上記第一色のベタ印字後の上記受像面と第二色染
料層との間の動摩擦係数(μ)が0.3〜1.0の範
囲であり、(c)前記第一色のベタ印字に重ねて第二色
染料層によるベタ印字を行なった受像面と第三色染料層
との間の動摩擦係数(μ)が0.6〜1.5の範囲と
することにより、印刷ジワのない画像を与える熱転写シ
ートが記載されている。また、特開平6−255193
号公報には、3色のインク層からなるインクシートと受
像シートの受容層とを接触させて記録を行なう昇華型の
熱転写記録用受像シートにおいて、第1色インク層と受
像シートとの動摩擦係数(μP)、第2色インク層と
第1色のベタ印画受像シートとの動摩擦係数(μP
及び第3色インク層と第1、第2色のベタ印画受像シー
トとの動摩擦係数(μP)のいずれもが0.2〜0.
5とすることにより、熱転写記録媒体の搬送がスムース
に行われ、画像ズレのない鮮明な画像を得ることが記載
されている。
【0003】しかし、前記従来技術としての特開平11
−48626号公報記載のものは、比較的高画像濃度
2.0を得るための動摩擦係数を規定したものであっ
て、1ヘッドで印字するワンタイムリボン方式を用いず
複数のサーマルヘッドで同時に印字するために1画像印
画中に記録媒体を加熱印字しているサーマルヘッドと非
加熱印字状態にあるサーマルヘッドが同時に存在し、リ
ボン/受紙間で摩擦抵抗負荷が変わることで印字終了画
像箇所(ヘッド離脱部)に発生するジターを防止するた
めの動摩擦係数を規定したものではなく、特許第291
1517号公報記載のものも同様に、1ヘッドで画像形
成を行なう場合の染料層と受像面の間の動摩擦係数を規
定したものであり、これによって、印字時に熱転写シー
トに微細なシワや画像ズレが発生しないようにしている
ものであって、多重ヘッド同時書き込み方式を用いる際
に、1画像印画中に記録媒体を加熱印字しているサーマ
ルヘッドと非加熱印字状態にあるサーマルヘッドが同時
に存在し、リボン/受紙間で摩擦抵抗負荷が変わること
で印字終了画像箇所(ヘッド離脱部)に発生するジター
を防止するための動摩擦係数を規定したものではなく、
更に、特開平6−255193号公報記載のものも同様
である。
【0004】近年、フルカラープリンターの需要が年々
増加し、このフルカラープリンターの記録方式として電
子写真方式、インクジェット方式、感熱記録方式等があ
るが、この中で保守が容易、騒音がない等の理由により
感熱記録方式が注目されている。この感熱記録方式には
熱溶融性物質中に着色剤を分散した転写層を有する熱転
写シートと受像シートとを重ねて前記転写リボンに熱ヘ
ッド或いはレーザー光等で画像状に熱印加することによ
り転写層を熱溶融させて受像紙上に転写記録する溶融型
熱転写記録と熱昇華性染料或いは熱移行性染料(本明細
書中では単に昇華性染料と呼ぶ)を含有する転写層を有
する熱転写シートと受像シートとを重ねて前記熱転写シ
ートに画像状に熱印加することにより転写層の染料を受
像紙上に昇華又は移行させて記録する昇華型熱転写記録
とがある。
【0005】フルカラー画像の記録としては一般的には
色調の忠実性から見て昇華型熱転写記録の方が優れてい
る。この昇華型熱転写記録において熱転写シートのラン
ニングコストを節約するために1枚の熱転写シートを複
数回の記録に使用したり、熱転写リボンの搬送速度をこ
れと重ねられた受像シートの搬送速度より遅くして(相
対速度1/N、N>1)記録する方法(いわゆるN倍モ
ード記録方法)が提案されている。なかでも一画像を一
本のサーマルヘッドで例えば、イエロー層、マゼンタ
層、シアン層を熱印加する以外に3本のサーマルヘッド
で同時にN倍モード熱印加する方法も提案されている。
これを多重同時書き込み方式と言う。
【0006】この多重同時書き込み方式により受像シー
トへN倍記録方法にて画像形成を行なうことは、複数の
サーマルヘッドで同時に画像記録を行なうために、従来
の1ヘッドによるワンタイム昇華型記録方法に比べ受紙
への昇華画像形成から受紙排出までの時間が短縮しやす
いことから、画像1枚アウトプットする時間が短く済む
有用な手段である。
【0007】この記録方法に関する様々な課題について
も既に対応が進んでおり、例えば特開平11−1927
38号公報や特開平11−227290号公報には、記
録媒体の搬送速度ムラに対してはプラテンローラーの配
置を調整することにより改善することが記載されてい
る。しかし、これらの課題を解決した後、ある印字画像
パターンにおいて、搬送速度ムラがなくとも熱転写シー
トと受紙の速度差が印字の途中で変わってしまう、つま
り熱転写シートの搬送速度が変化してしまい、印字画像
中に元画像にはない線状欠陥が形成される現象が発生し
た。この“ある印字パターン”というのは、この熱転写
シートの印字可能領域よりも印字領域が小さい場合のこ
とを指し、印字可能領域全域を使用して画像形成する場
合には、このような現象は発生しない。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、多
重ヘッド同時書き込み方式により、受像シートへN倍記
録方法にて画像形成を行なう熱転写記録シートにおい
て、且つ、熱転写シートの印字可能領域よりも印字領域
が小さい場合(図1参照)に発生する“ジター”と呼ば
れる画像不良の改善をすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題を鋭意検討した結果、今回これを解決したもの
である。すなわち、上記課題は、本発明の(1)「多重
同時書き込み方式により熱転写シートから受像シートへ
N倍記録法にて熱転写記録装置を用いて熱転写記録を行
なう感熱記録方法であって、該記録装置は、サーマルヘ
ッドが少なくとも2本以上あり、該熱転写シートは基体
上に昇華性染料が樹脂中に溶解又は分散されてなる染料
供給層を有し、且つ該染料供給層の上に熱硬化性樹脂と
弾性体粒子からなる染料転写寄与層を備えており、該受
像シートは少なくとも最上面が樹脂硬化膜と滑剤で構成
されており、該受像シート表面/熱転写記録シート表面
の印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμが、0.2以
下であることを特徴とする感熱記録方法」、(2)「多
重同時書き込み方式により熱転写シートから受像シート
へN倍記録法にて熱転写記録装置を用いて熱転写記録を
行なう感熱記録方法であって、該記録装置は、サーマル
ヘッドが少なくとも2本以上あり、該熱転写シートは硬
化性樹脂と滑剤からなる耐熱滑性層を備えており、該熱
転写記録シートのバック面/サーマルヘッドの印字時と
非印字時の動摩擦係数差Δμが、0.3以下であるこ
とを特徴とする感熱記録方法」、(3)「多重同時書き
込み方式により熱転写シートから受像シートへN倍記録
法にて熱転写記録装置を用いて熱転写記録を行なう感熱
記録方法であって、該記録装置は、サーマルヘッドが少
なくとも2本以上あり、該熱転写シートは基体上に昇華
性染料が樹脂中に溶解又は分散されてなる染料供給層を
有し、且つ該染料供給層の上に熱硬化性樹脂と弾性体粒
子からなる染料転写寄与層、及び反対面に硬化性樹脂と
滑剤からなる耐熱滑性層を備えており、該受像シートは
少なくとも最上面が樹脂硬化膜で構成されており、受像
シート表面/熱転写記録シート表面の印字時と非印字時
の動摩擦係数差Δμ が、0.2以下であり、熱転写記
録シートのバック面/サーマルヘッドの印字時と非印字
時の動摩擦係数差Δμが、0.3以下であることを特
徴とする感熱記録方法」、(4)「前記熱転写シートの
弾性体粒子がシリコンゴムフィラーであることを特徴と
する前記第(1)項又は第(3)項に記載の感熱記録方
法」、(5)「前記シリコンゴムフィラーの粒度分布が
0.1μm以上15μm以下であり、形成樹脂に対し少
なくとも20重量%以上90重量%以下含有しているこ
とを特徴とする前記第(4)項に記載の感熱記録方
法」、(6)「熱転写シートのバック面に滑剤を少なく
ともいずれか1つ含有したバック層を形成していること
を特徴とする前記第(2)項に記載の感熱記録方法」、
(7)「熱転写シートのバック層構成成分のワックスと
して100℃以上150℃以下の融点を持つワックスを
含有していることを特徴とする前記第(6)項に記載の
感熱記録方法」によって解決される。
【0010】また、上記課題は、本発明の(8)「多重
同時書き込み方式により熱転写シートから受像シートへ
N倍記録法にて熱転写記録を行なう熱転写型の感熱記録
装置であって、該記録装置は、少なくとも2本以上サー
マルヘッドと、該サーマルヘッドの熱印字箇所に該熱転
写シートを搬送するための熱転写シート搬送手段と、該
熱印字箇所に受像シートを該熱転写シートの搬送速度の
N倍の搬送速度で搬送する搬送するための受像シート搬
送手段とを有し、該熱転写シートとして基体上に昇華性
染料が樹脂中に溶解又は分散されてなる染料供給層を有
し、且つ該染料供給層の上に熱硬化性樹脂と弾性体粒子
からなる染料転写寄与層を備えたものが用いられ、該受
像シートとして少なくとも最上面が樹脂硬化膜と滑剤で
構成されたものが用いられ、該受像シート表面/熱写記
録シート表面の印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ
が、0.2以下であることを特徴とする感熱記録装
置」、(9)「多重同時書き込み方式により熱転写シー
トから受像シートへN倍記録法にて熱転写記録を行なう
熱転写型の感熱記録装置であって、該記録装置は、該熱
転写記録シートのバック面側に位置する少なくとも2本
以上サーマルヘッドと、該サーマルヘッドの熱印字箇所
に該熱転写シートを搬送するための熱転写シート搬送手
段と、該熱印字箇所に受像シートを該熱転写シートの搬
送速度のN倍の搬送速度で搬送する搬送するための受像
シート搬送手段とを有し、該熱転写シートとして硬化性
樹脂と滑剤からなる耐熱滑性層を備えたものが用いら
れ、該熱転写記録シートのバック面/サーマルヘッドの
印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ が、0.3以下
であることを特徴とする感熱記録装置」、(10)「多
重同時書き込み方式により熱転写シートから受像シート
へN倍記録法にて熱転写記録を行なう熱転写型の感熱記
録装置であって、該記録装置は、該熱転写記録シートの
バック面側に位置する少なくとも2本以上サーマルヘッ
ドと、該サーマルヘッドの熱印字箇所に該熱転写シート
を搬送するための熱転写シート搬送手段と、該熱印字箇
所に受像シートを該熱転写シートの搬送速度のN倍の搬
送速度で搬送する搬送するための受像シート搬送手段と
を有し、該熱転写シートとして基体上に昇華性染料が樹
脂中に溶解又は分散されてなる染料供給層を有し、且つ
該染料供給層の上に熱硬化性樹脂と弾性体粒子からなる
染料転写寄与層、及び反対面に硬化性樹脂と滑剤からな
る耐熱滑性層を備えたものが用いられ、該受像シートと
して少なくとも最上面が樹脂硬化膜で構成されたものが
用いられ、受像シート表面/熱転写記録シート表面の印
字時と非印字時の動摩擦係数差Δμが、0.2以下で
あり、熱転写記録シートのバック面/サーマルヘッドの
印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμが、0.3以下
であることを特徴とする感熱記録装置」、(11)「熱
転写記録用シートの少なくとも表面において架橋樹脂膜
にシリコンゴムフィラーを含有したことを特徴とする前
記第(8)項記載の感熱記録装置」、(12)「シリコ
ンゴムフィラーの粒度分布が0.1μm以上15μm以
下であり、形成樹脂に対し少なくとも20重量%以上9
0重量%以下含有している前記第(11)項記載の感熱
記録装置」、(13)「熱転写記録シートのバック面に
滑剤を少なくともいずれか1つ含有したバック層を形成
していることを特徴とした前記第(9)項記載の感熱記
録装置」、(13)「熱転写記録シートのバック層構成
成分のワックスとして100℃以上150℃以下の融点
を持つワックスを含有していることを特徴とする前記第
(12)項記載の感熱記録装置」によって解決される。
【0011】更に、上記課題は、本発明の(14)「少
なくとも2本以上のサーマルヘッドを同時に駆動して書
き込みを行う多重ヘッド同時書き込みにより受像シート
へN倍記録法にて画像形成を行なう熱転写シートであっ
て、受像シート表面/熱転写記録シート表面の印字時と
非印字時の動摩擦係数差Δμが、0.2以下であるこ
とを特徴とする熱転写シート」、(15)「少なくとも
2本以上のサーマルヘッドを同時に駆動して書き込みを
行う多重ヘッド同時書き込みにより受像シートへN倍記
録法にて画像形成を行なう熱転写シートであって、熱転
写記録シートバック面/サーマルヘッドの印字時と非印
字時の動摩擦係数差Δμが、0.3以下であることを
特徴とする熱転写シート」、(16)「少なくとも2本
以上のサーマルヘッドを同時に駆動して書き込みを行う
多重ヘッド同時書き込みにより受像シートへN倍記録法
にて画像形成を行なう熱転写シートであって、受像シー
ト表面/熱転写記録シート表面の印字時と非印字時の動
摩擦係数差Δμが、0.2以下であり、熱転写記録シ
ートバック面/サーマルヘッドの印字時と非印字時の動
摩擦係数差Δμが、0.3以下であることを特徴とす
る熱転写シート」、(17)「熱転写記録用シートの少
なくとも表面において架橋樹脂膜にシリコンゴムフィラ
ーを含有したことを特徴とする前記第(14)項記載の
熱転写シート」、(18)「シリコンゴムフィラーの粒
度分布が0.1μm以上15μm以下であり、形成樹脂
に対し少なくとも20重量%以上90重量%以下含有し
ている前記第(17)項記載の熱転写記録シート」、
(19)「熱転写記録シートのバック面に滑剤を少なく
ともいずれか1つ含有したバック層を形成していること
を特徴とした前記第(15)項記載の熱転写シート」、
(20)「熱転写記録シートのバック層構成成分のワッ
クスとして100℃以上150℃以下の融点を持つワッ
クスを含有していることを特徴とする前記第(19)項
記載の熱転写シート」によって解決される。
【0012】本発明でいう“ジター”という画像不良に
ついて、図2を用いて説明する。印字可能領域よりも狭
く(リボンに非印字部がある)画像形成する場合、画像
の先端と終端近傍にリボン走行不良による線が入ってし
まう現象を“ジター”と呼んでいる。
【0013】図3は、ジターが発生する様子を示したも
のである。この場合、サーマルヘッド下を紙が通ってい
る間は紙は加圧されており、極端に言えば、例えばY、
M、Cのうち、Yを全く使用しない画像を印字したとし
ても紙が通るときにはYは加圧している。ジターの発生
は、多くが1ヘッドで印字するワンタイムリボンとは異
なり、3本のサーマルヘッドで同時に印字するために1
画像印画中に記録媒体を加熱印字しているサーマルヘッ
ドと非加熱印字状態にあるサーマルヘッドが同時に存在
し、リボン/受紙間で摩擦抵抗負荷が変わることで印字
終了画像箇所(ヘッド離脱部)にジターが発生する。
なお、図3は、一例であり、この後のシアン印字開始
時、イエロー印字終了時等においても印字時と非印字時
の動摩擦係数差Δμが大きいとリボン走行不良が発生
する。このような状態は、図示してないが、熱転写記録
シートのバック面/サーマルヘッドの印字時と非印字時
の動摩擦係数差Δμの場合も同様に発生する。
【0014】このように、本発明で解決しようとしてい
るジターとは、多重ヘッド同時書き込みという記録方法
を用いて熱転写させるときに発生する記録方法による固
有の問題であり、従来の印字中のシワや融着などを改善
する目的の動摩擦係数の規定をしたものとは異なる。
【0015】また、本発明を図4を使って数式で表わす
と次のようになる。(熱転写シート表面/受紙(受像シ
ート)表面)の印字時(μ11)と非印字時(μ12
の摩擦係数差(Δμ)が0.2以下であればジターは
発生しない。
【0016】
【数1】Δμ=|μ11−μ12|≦0.2 また、(熱転写シートバック面/サーマルヘッド)の印
字時(μ21)と非印字時(μ22)の摩擦係数差(Δ
μ)が0.3以下であれば、ジターは発生しない。
【0017】
【数2】Δμ=|μ21−μ22|≦0.3
【発明の実施の形態】
【0018】図5は、本発明の昇華熱転写シート(4)
の構成の一例(図5(a))、受像シート(1)の一例
(図5(b))を示したものである。昇華熱転写シート
(4)は、基体(41)上に昇華性染料と高分子バイン
ダー樹脂からなる染料供給層(42)、及び染料転写寄
与層(43)の順に積層する。必要に応じて基体(4
1)と染料供給層(42)の間に接着性向上などの目的
で中間層(44)を1層設けたり、染料転写寄与層(4
3)の上層に滑性、離型性向上などを目的として滑性層
を設けても良い。またインク層の他面にも必要に応じて
耐熱滑性層(45)を設けてもよい。また、受像シート
(1)は基体(この例では合成紙)(101)上に受像
層(この例では樹脂硬化膜)(102)を設けたもので
ある。
【0019】最初に、本発明における多重ヘッド同時書
き込みN倍記録方法について説明する。まず、本発明で
使用される多重ヘッド同時書き込みN倍記録方法につい
て4本ヘッドの場合を図6、7を用いて説明する。図6
に示すように、記録方法の構成としては記録媒体(受像
シート)(1)及び熱転写シート(4)を搬送する搬送
路(2)の上側に、図中矢印で示す搬送方向手前から順
にサーマルヘッド(3a)〜(3d)を等間隔に並べて
設け、それぞれ発熱部をもった先端に熱転写シートとし
てのインクリボン(4)を掛ける一方、搬送路(2)の
下側で各サーマルヘッド(3a)〜(3d)に対し受像
シート搬送手段(5)としてのプラテンローラ(5a)
〜(5d)をそれぞれ接離自在に設ける構成としたもの
である。さらに、プラテンローラ(5a)〜(5d)を
内抱するように配置されたエンドレスベルト(5e)を
配置してもよい。図10には、そのような本発明の記録
装置の他の例が示されている。
【0020】インクリボン(4)は、たとえば図7に示
すように、異なる4色のインク面(a)、(b)、
(c)、(d)を多数組繰り返し形成したカラーインク
リボンであり、図6に示すように、熱転写シート搬送手
段としての繰出しコア(6a)と巻取りコア(6b)間
に掛け渡し、図中矢印方向に記録媒体(1)の搬送速度
より遅い一定のゆっくりとした速度で搬送する。そし
て、記録時は、プラテンローラ(5a)とサーマルヘッ
ド(3a)間へ記録媒体(1)を送り込み、まず、イン
クリボン(4)の第1色目のインク面(a)と対応する
位置で、第1のプラテンローラ(5a)で記録媒体
(1)を挟んでサーマルヘッド(3a)に押し当て、そ
のサーマルヘッド(3a)で第1色目のインクを記録媒
体(1)上に熱転写する。その後も、プラテンローラ
(5a)〜(5d)を回転して記録媒体(1)を搬送し
ながら、サーマルヘッド(3a)で、第1色目の記録を
引き続き行なうのと同時に、インクリボン(4)の第2
〜第4色目のインク面(b)〜(d)と対応する位置
で、順次、プラテンローラ(5b)〜(5d)をサーマ
ルヘッド(3b)〜(3d)に押し当て、各サーマルヘ
ッド(3b)〜(3d)で第2〜第4色目のインクをそ
れぞれ記録媒体(1)上に熱転写していく。そして、記
録媒体(1)上に4色の合成カラー画像を形成する。以
上のような記録方法である。
【0021】なお、本記録装置での印字条件としては サーマルヘッド圧:0.1kg〜5kg 印加エネルギー:0.01〜1.2mj/ドット 印加電圧:0.01〜0.5W/ドット 記録時の送り速度: 受像シート:1.0〜20.0mm/sec 熱転写シート:0.1〜1.5mm/sec (但し受像シート/熱転写シート=1〜20) 使用サーマルヘッド:京セラ製サーマル端面ヘッド、 型式:KCE-108-12MPL20-RE (端面ヘッドとは、基板の側面或いはエッジを一部平坦
にして発熱体を形成したサーマルヘッド) であり、好ましくは サーマルヘッド圧:1kg〜3kg 印加エネルギー:0.3〜0.7mj/ドット 印加電圧:0.1〜0.4W/ドット 記録時の送り速度: 受像シート:9.0mm/sec 熱転写シート:0.6mm/sec (但し受像シート/熱転写シート=15) である。
【0022】サーマルヘッド圧が0.1kg未満である
と熱転写シートと受像シートの接圧が足りず、画像ヌケ
の原因になる。サーマルヘッド圧が5.0kgを越える
と熱転写シートと受像シートの摩擦係数が大きくなり、
熱融着を起こしやすくなる。印加エネルギーが0.01
未満であると、染料転写せず、1.2mj/ドットを越
えるとサーマルヘッドの熱疲労が大きく、耐久性に問題
がある。印加電圧が0.01未満では染料転写せず、
0.5W/ドットを越えるとサーマルヘッドでの消費電
力が大きすぎて、その他搬送系などへの電力供給が乏し
くなる。また、サーマルヘッドの間隔は2mmより狭い
とお互いのサーマルヘッドからの熱で蓄熱が大となり、
画像品質が劣化する。また、297mm以上ではA4版
への多重同時書き込みに適さない。
【0023】また、本発明においては熱転写記録シート
の機械的性質や記録装置の熱転写シート搬送手段による
熱転写シートの張力、すなわちリボンテンションの設定
も一つの大きな要素となり得る。すなわち、フィルムが
大きく伸びてしまったり、フィルム強度がなくて破断し
てしまうことなどや、記録装置のリボンの巻出しや巻取
りテンションが弱かったり等リボンを正常に搬送する条
件が揃わなければ本発明は成立しない。
【0024】本発明の熱転写記録シートの機械的性質や
記録装置のリボンテンション設定としては以下のものが
好ましい。 リボン機械的性質(試験法:JIS K7127) 引張り強度:10〜80kg/mm(強度方向はフィ
ルム全方向) 伸度:10〜20% 引張弾性率:500〜4000kg/mm リボンテンション:1〜8kg/mm(ワンタイムリ
ボンの場合、約1〜4Kg/mm
【0025】次に、本発明の昇華転写シートに使用され
る材料、使用量等について説明する。 <染料転写寄与層>本発明の染料転写寄与層における熱
硬化性樹脂には、熱により自己架橋して硬化する樹脂
と、イソシアネートなど架橋剤を使用して硬化する樹脂
の両方が含まれ、自己架橋樹脂としてはポリビニルアセ
タール(商品名:BS−53、電気化学工業)などが挙
げられる。また、弾性体粒子とはPTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)、シリコーンゴムフィラーなど融点
が100℃以上であり、硬さ(試験法ASTM D−2
240)がD50〜90であるものが望ましい。融点が
100℃未満では耐熱性に乏しく、硬さがD50未満で
はフィラーの役割が薄れ、感熱シートの走行性、熱融着
などを発生しやすい。また、D90を越えると硬すぎて
N倍記録するときに受像シート表面を削ってしまい、画
像品質が劣化する。
【0026】また、本発明においてシリコンゴムフィラ
ーとは、シリコンゴムパウダー、シリコーンレジンにゴ
ムの皮膜をした複合パウダーの両方を含む。シリコンゴ
ムパウダーとは、シリコーンゴム硬化物の球状あるいは
不定形粉末であり、代表的には直鎖状のジメチルポリシ
ロキサンを架橋した構造をもつものなどがある。粒子の
平均粒径として0.5〜5μm、粒度分布として0.1
〜15μm、好ましくは粒子の平均粒径として0.5〜
4μm、粒度分布として0.1〜7μmが望ましい。こ
れは複合パウダーの場合も同様な粒径が望ましい。平均
粒径5μm、粒度分布15μmを越えるとフィラー面積
分の染料の昇華転移を阻害し、画像に白ヌケ部分が目立
ち始める。
【0027】染料転写寄与層に用いられる活性水素を有
する結着剤高分子化合物としては、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアセタール、ポリウレタンポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、塩
化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリエチ
レン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、ポ
リウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、メラミン樹脂、天然ゴム、合成ゴム、ポリビニルア
ルコール、セルロース樹脂等が挙げられる。この中で物
性値としてTg:0〜60℃となるものを選定し使用す
る。染料転写寄与層の厚みとしては一般的に0.05〜
5μm、好ましくは0.1〜2μmである。
【0028】イソシアネート化合物としては、ジ又はト
リ−イソシアネート化合物が特に有効であり、例えば
2,4−トリレジンイソシアネート、2,6−トリレジ
ンイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、ビスイソシアネ
ートメチルシクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネートなどがある。イソシアネート化合物の
−NCO基と活性水素をもつ樹脂の−OH基との比を
0.1:1〜1:1の割合で混合することが適当であ
る。活性水素をもつ樹脂とイソシアネート化合物とを反
応させて高ゲル分率を得るためには中間層を塗布乾燥し
ただけで得ることはできず、その後の処理として高温雰
囲気中で長期間静置してエージングさせることにより初
めて得ることができる。また、この高温エージングをな
るべく緩和するため、硬化触媒を使用することもでき
る。かかる硬化触媒としては、酸、塩基、金属化合物な
どが有効であり、活性水素をもつ樹脂とイソシアネート
化合物との反応に対してはスズ系触媒を用いることが望
ましい。
【0029】<染料供給層>染料供給層に使用される結
着剤は染料転写寄与層と同一であるが、これらの樹脂は
1種でも使用できるが、数種混合するか、更には共重合
体を使用してもよい。また、染料供給層中には公知の滑
剤、硬化剤、分散剤、酸化防止剤等の添加剤を含有して
も良い。昇華性染料としては60℃以上で昇華或いは気
化する染料であり、主に分散染料、油溶性染料など熱転
写捺染で使用されるものであればよく、例えばC.I.ディ
スパースイエローの1、3、8、9、16、41、5
4、60、77、116など、C.I.ディスパースレッド
の1、4、6、11、15、17、55、59、60、
73、83など、C.I.ディスパースブルーの3、14、
19、26、56、60、64、72、99、108な
ど、C.I.ソルベントイエローの77、116、C.I.ソル
ベントレッドの23、25、27など、C.I.ソルベント
ブルーの36、83、105などが挙げられ、これらの
染料は1種で使用可能であるが、数種混合しても使用可
能である。
【0030】染料の供給を長時間安定に継続し印字特性
を良好に保つために染料供給層は少なくとも未溶解粒子
状の昇華性染料を含んでいることが好ましい。ここで未
溶解粒子とはインク層形成時のインク(有機結着剤+昇
華性染料+溶剤)を乾燥後、有機結着剤に溶けきれず、
粒子状として析出する染料を意味し、同一の結着剤及び
染料でも溶剤により未溶解粒子状染料の存在状況が異な
る。未溶解粒子状染料の存在の有無は染料供給層形成
後、電子顕微鏡により容易に識別できる。未溶解粒子状
染料の粒径は染料供給層厚によって異なるが、0.01
μm〜20μm、好ましくは1.0〜5.0μmであ
る。
【0031】<基体>基体としては比較的耐熱性の良い
フィルム、例えばポリエステル、PEEK、PEN、P
ET、ポリスチレン、ポリサルフォン、芳香族ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリカーボネート、トリアセチルセル
ロース等のフィルムが挙げられるが、中でも耐熱性に非
常に優れた芳香族ポリアミド、及びポリイミドフィルム
が好ましい。更にこれらのフィルムには必要に応じて公
知の耐熱滑性層を設けることができる。
【0032】<バック層>本発明のバック層に使用され
る滑剤は、ワックス、タルク、シリカなどであり、本発
明のバック層に使用されるワックスとは、“常温では固
体で、過熱すれば比較的低粘度な液体となる蜜蝋状物”
と定義する。すなわち、既知の6群のワックス、即ち植
物ワックス、虫白ろう(insect wax)、動物ワックス、
鉱物ワックス、石油ワックス、合成ワックス等の水不溶
性熱可塑性ワックス様材料のみならず、それぞれこれら
のワックス中に産出する水不溶性ワックス様成分、特に
長鎖炭化水素、飽和及び不飽和、分枝及び非分子樹脂酸
及びアルコール、及び脂肪族一価アルコールのエーテル
及びエステルの任意のものであることができる。
【0033】代表的な例を挙げれば、植物ワックスとし
てはカルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライ
スワックス、虫白ろうとしてはセラック、動物ワックス
としては蜜蝋、鉱物ワックスとしては、モンタンワック
ス、オゾケライト、セレシン、石油ワックスとしてはパ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、合
成ワックスとしては、ポリエチレンワックス、アミドワ
ックスなどが挙げられ、これらのうち、融点100℃〜
150℃のものが好ましい。
【0034】本発明に用いられるシリカについては、珪
酸ソーダを鉱酸と反応させて得られる超微粉含水ケイ酸
であり、一般市場に流通している種々のものを用いるこ
とができる。タルクについても同様で、一般市場に流通
している種々のものを用いることができる。またこれら
ワックス、タルク、シリカは、バック層中に均一に分散
されて形成されることが好ましく、その粒径は好ましく
は0.3〜20μm、更に好ましくは1.5〜8μmの
範囲の粒度分布を有する。
【0035】バック層(耐熱滑性層)のメイン樹脂とし
てはシリコーン変性樹脂の硬化物が好ましく、ポリビニ
ルブチラール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン
系樹脂、塩化ビニル系樹脂等をシリコーン変性したもの
を硬化剤により硬化反応させて得られる。中でもシリコ
ーングラフトポリマーの硬化物が好ましく、特にシリコ
ーングラフトポリマーとイソシアネート化合物との硬化
物が好ましい。シリコーングラフトポリマーの市販され
ているものとしては、ダイアロマーSP3023、SP
2105、SP711、SP712(大日精化社製)な
どがある。
【0036】また、イソシアネート化合物としてはトリ
レンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチル
ベンジルイソシアネートなどがあり、また、これらイソ
シアネートとトリメチロールプロパンなどとの付加物、
または、イソシアネートのトリマーなどがある。中でも
トリレンジイソシアネートトリマーがサーマルヘッドへ
のカス付着がなくなる点で好ましい。溶剤としては、用
いる樹脂および硬化剤の溶解性があり、それらとその反
応物に対し不活性な溶剤が使用でき、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル、アセトン、トルエンなどがある。
【0037】バック層を形成するには、上述のシリコー
ン変性樹脂とイソシアネート化合物及び滑剤とを溶剤に
分散、または、溶解してインク層と同様、グラビアコー
ターなどのコーティング装置により塗布、乾燥し、必要
に応じて硬化のための加熱処理を行なって形成する。イ
ソシアネート化合物の添加量は、反応する相手である樹
脂が、含有する活性水素量(mol)に対しNCO基量
(mol)で1/10〜3/1、好ましくは1/2〜2
/1である。層厚は0.1〜10μm、好ましくは0.
5〜1.0μmである。
【0038】<中間層>基体と染料供給層の接着力に乏
しい場合、この間に中間層を形成することで接着性を改
善できる。中間層に使用される主な樹脂は染料転写寄与
層と同一であるが、これらの樹脂は1種でも使用できる
が、数種混合するか、更には共重合体を使用してもよ
い。また、中間層中には公知の滑剤、硬化剤、分散剤、
酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0039】<受像シート>本発明の受像シートを構成
する樹脂硬化膜とは、紫外線硬化性樹脂或いは熱硬化性
樹脂とイソシアネートなど、紫外線又は添加剤を加え加
熱などの処理をすることにより元の樹脂の軟化温度より
もはるかに高い特性を持つようになるもののことをい
う。受像層に使う樹脂としては画像濃度を高めるために
染着性の高い樹脂を使用すればよく、従来から公知の材
料でかまわない。例えばポリカーボネート樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステル系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、セルロース樹脂、酢酸ビニル系樹脂及びポリア
ミド系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種で
も使用できるが、数種を混合するか、さらに共重合体を
使用してもよい。このとき、受容層の厚みは1〜20μ
m程度が好ましく、特に1〜10μmの範囲が好まし
い。
【0040】受像層に使用するイソシアネートとして
は、熱転写シートの染料転写寄与層と同じものでよく、
イソシアネート化合物としては、ジ又はトリ−イソシア
ネート化合物が特に有効であり、例えば2,4−トリレ
ジンイソシアネート、2,6−トリレジンイソシアネー
ト、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、トリフェニルメタントリイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、ビスイソシアネートメチルシク
ロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
トなどがある。
【0041】イソシアネート化合物の−NCO基と活性
水素をもつ樹脂の−OH基との比を0.1:1〜1:1
の割合で混合することが適当である。活性水素をもつ樹
脂とイソシアネート化合物とを反応させて高ゲル分率を
得るためには中間層を塗布乾燥しただけで得ることはで
きず、その後の処理として高温雰囲気中で長期間静置し
てエージングさせることにより初めて得ることができ
る。またこの高温エージングをなるべく緩和するため、
硬化触媒を使用することもできる。かかる硬化触媒とし
ては、酸、塩基、金属化合物などが有効であり、活性水
素をもつ樹脂とイソシアネート化合物との反応に対して
はスズ系触媒を用いることが望ましい。
【0042】また受容層には、必要に応じて滑性あるい
は離型性を有する物質や充填剤、界面活性剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤などの公知の添加剤を5
〜60重量%添加することができる。充填剤の例として
は、シリカ、酸化チタン炭酸カルシウムなどの白色無機
顔料、フッ素系樹脂などの有機顔料が挙げられる。さら
に、受像層表面にオーバー層を設けることにより、イン
ク層と受像層間の熱融着がなく、耐光性などの堅牢性に
優れた高濃度の画像を得ることができる。
【0043】上記オーバー層はシリコン樹脂と潤滑物質
からなることが好ましく、オーバー層に用いる潤滑物質
としては、たとえば流動パラフィン等の石油系潤滑油、
ハロゲン化炭化水素、ジエステル油、シリコン油、フッ
素シリコン等合成潤滑油、各種変性シリコン油(エポキ
シ変性、アミノ変性、アルキル変性、ポリエーテル変性
等)、ポリオキシアルキレングリコール等の有機化合物
とシリコンの共重合体等のシリコン系潤滑性物質又はシ
リコン共重合体、フルオロアルキル化合物等各種フッ素
系界面活性剤、トリフルオロ塩化エチレン低重合物等の
フッ素系潤滑性物質、パラフィンワックス、ポリエチレ
ンワックス等のワックス類、高級脂肪族アルコール、高
級脂肪族アミド、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸塩、
二流化モリブデン等が使用でき、その中でも特に、シリ
コン共重合体が液状潤滑物質と比較した場合、オーバー
層表面へのブリード度合いに関係なくシリコン鎖が表面
に配列することが可能であるため、確実に動摩擦係数を
低下させ、熱融着や走行不良のない良好な結果をもたら
す。シリコン共重合体としては、アクリル系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂などにシリコンをブロックある
いはグラフトにより共重合させたものであればよく、よ
り動摩擦係数を低下させるためにはシリコングラフト樹
脂が好ましい。これらの潤滑物質は、1種でもよいが2
種以上の混合によって使用してもよい。
【0044】上記の潤滑物質は、N倍モード法で画像形
成する場合においてシリコン樹脂と併用することで、シ
リコン樹脂のもつ高い耐熱性と離型性及び前記潤滑物質
のもつ滑性効果により、融着、スティッキング又はシー
ト破損等の記録時の異常を起こすことなく良好な画像を
得ることが可能となる。このとき上記オーバー層の厚み
は0.05〜10μm程度が好ましい。
【0045】<動摩擦測定方法>動摩擦係数の測定に
は、ASTM等で規格化された方法(例えばASTM
D−1894)があるが、この方法ではジターに影響す
る動摩擦係数の差を測定することができないため、本発
明においては、以下の方法で測定を行なった値を基準と
する。受像シート表面/熱転写記録シート表面の摩擦係
数測定方法の略図を図8に示す。熱転写シートバック面
/サーマルヘッド表面の摩擦係数測定方法の略図を図9
に示す。
【0046】まず、受像シート表面/熱転写記録シート
表面の摩擦係数測定方法について述べる。受像シート表
面/熱転写記録シート表面の摩擦係数(μ)は、図8に
おいて、最初に受紙の試験片(TD105mm巾、MD
150mm巾)を用意し、受像層を上にして試験台に貼
り合わせ、この上に熱転写記録シートを架け備えたサー
マルヘッド(京セラ製:KMT−85−6MD2)を配
置し、該ヘッドに3kgの荷重をかける。これを常温及
び常圧下の環境でHEIDON−14S/D(新東科学
(株)製)を用いて引張速度9.0mm/secで引
き、次式により求める。 μ=F/3000 (F:動摩擦力測定平均値) また、印字の条件の詳細は下記に示す通りである。 印加エネルギー:0.64mj/dot 印加電圧:0.16W/dot 熱転写記録シートの送り速度:0.6mm/sec
【0047】また、熱転写記録シートバック面/サーマ
ルヘッドの摩擦係数(μm)の測定方法については、図
9において、熱転写記録シートを110mm巾にカット
し、熱転写記録シートバック面を上にして試験台に貼り
つける。この上にサーマルヘッド(京セラ製:KMT−
85−6MD2)を配置し、該ヘッドに3kgの荷重を
かける。これを常温及び常圧下の環境でHEIDON−
14S/D(新東科学(株)製)を用いて引張速度0.
6mm/secで引き、次式により求める。 μ=F/3000 (F:動摩擦力測定平均値) また印字の条件の詳細は下記に示す通りである。 印加エネルギー:0.64mj/dot 印加電圧:0.16W/dot
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて具体的に説明する。な
お、以下の記載における各成分の量は重量部である。 (熱転写シート作成条件)厚さ4.5μmの芳香族ポリ
アミドフィルムの一方の表面に、中間層を膜厚0.3μ
m、染料供給層を膜厚6μm、染料転写寄与層を0.3
5μmで積層構成し、もう一方の面にバック層として2
μm、100℃、3分乾燥させることによって昇華転写
シートを作成した。なお、染料供給層は共通であり、以
下の通りである。
【0049】 (染料供給層) Yellow ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、Tg:85℃、積水化学製) 7部 熱移行性染料(三井東圧染料社製、MS Yellow VP) 24部 n−ヘキサノール 69部 Magenta ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、Tg:85℃、積水化学製) 7部 熱移行性染料(三井東圧染料社製、MS Magenta VP) 24部 n−ヘキサノール 69部 Cyan ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、Tg:85℃、積水化学製) 7部 熱移行性染料(三井東圧染料社製、MS Cyan VP) 24部 n−ヘキサノール 69部
【0050】 〔実施例1〕 (染料転写寄与層) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 5部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 3部 ポリテトラフロロエチレンフィラー (ルブロンL5、ダイキン工業製) 4部 エタノール 64部 ブタノール 24部 (バック層) シリコングラフトポリビニルブチラール樹脂 (SP−712、大日精化製) 21部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 1部 MEK 56部 トルエン 22部
【0051】 〔実施例2〕 (染料転写寄与層) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 5部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 3部 エタノール 66部 ブタノール 26部
【0052】 (バック層) シリコーン樹脂(KS−779H、信越化学工業製) 21部 硬化触媒(CAT−PL−8、信越化学工業製) 1部 MEK 56部 トルエン 21部
【0053】 〔実施例3〕 (染料転写寄与層) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 5部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 3部 ポリテトラフロロエチレンフィラー (ルブロンL5、ダイキン工業製) 4部 エタノール 64部 ブタノール 24部 (バック層) シリコーン樹脂(KS−779H、信越化学工業製) 21部 硬化触媒(CAT−PL−8、信越化学工業製) 1部 MEK 56部 トルエン 21部
【0054】 〔実施例4〕 (染料転写寄与層) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 5部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 3部 シリコーンゴムフィラー (KMP600、信越化学工業製、粒度分布1〜15μm) 12部 エタノール 60部 ブタノール 20部 (バック層) シリコーン樹脂(KS−779H、信越化学工業製) 21部 硬化触媒(CAT−PL−8、信越化学工業製) 1部 MEK 56部 トルエン 21部
【0055】 〔実施例5〕 (染料転写寄与層) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 5部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 3部 シリコーンゴムフィラー (KMP600、信越化学工業、粒度分布1〜15μm) 4部 エタノール 64部 ブタノール 24部
【0056】 (バック層) シリコーン樹脂(KS−779H、信越化学工業製) 21部 硬化触媒(CAT−PL−8、信越化学工業製) 1部 MEK 56部 トルエン 21部
【0057】 〔実施例6〕 (染料転写寄与層) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 5部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 3部 シリコーンゴムフィラー(KMP600、信越化学工業製) 4部 エタノール 64部 ブタノール 24部 (バック層) シリコングラフトポリビニルブチラール樹脂 (SP−712、大日精化製) 21部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 1部 脂肪酸アマイド (スリパックスB、日本化成製、m.p138〜141℃) 5部 MEK 54部 トルエン 19部
【0058】 〔実施例7〕 (染料転写寄与層) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 5部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 3部 シリコーンゴムフィラー(KMP600、信越化学工業製) 4部 エタノール 64部 ブタノール 24部 (バック層) シリコングラフトポリビニルブチラール樹脂 (SP−712、大日精化製) 21部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 1部 タルク(LMS300、富士タルク製) 5部 シリカ(P−527(水澤化学工業) 1.5部 メチロールステアリン酸アマイド 0.5部 (メチロールアマイド、日本化成製、m.p:109〜113℃) MEK 54部 トルエン 19部
【0059】 〔比較例1〕 (染料転写寄与層) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 5部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 3部 シリコーンレジンフィラー(トスパール120、東芝シリコーン製) 4部 エタノール 64部 ブタノール 24部 (バック層) シリコングラフトポリビニルブチラール樹脂 (SP−712、大日精化製) 21部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 1部 MEK 56部 トルエン 22部
【0060】 〔比較例2〕 (染料転写寄与層) ポリビニルブチラール樹脂(BX−1、積水化学製) 5部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 3部 シリコーンオイル(SF8427、東レ・ダウ製) 1部 エタノール 66部 ブタノール 25部 (バック層) シリコングラフトポリビニルブチラール樹脂 (SP−712、大日精化製) 21部 イソシアネート(WD830、武田薬品製) 1部 MEK 56部 トルエン 22部
【0061】(受像紙について)下記処方の液を合成紙
(ユポ、王子油化製)上に塗布し、乾燥して厚さ6μm
の受像層を形成した。 塩化ビニル系樹脂(1000GKT、電気化学工業製) 9部 イソシアネート(D103H、武田薬品製) 4部 硬化促進触媒(TK1L、武田薬品製) 0.06部 シリコーンオイル(SF8411、東レダウシリコーン製) 0.5部 シリコーンオイル(SH200、東レダウシリコーン製) 0.5部 トルエン 10部 MEK 30部
【0062】上記のようにして得られた実施例及び比較
例の熱転写シートを サーマルヘッド圧:3kg サーマルヘッド解像度:12ドット/mm 印加エネルギー:0.64mj/ドット 印加電圧:0.16W/ドット の条件で、記録時の送り速度(15倍速) 受像シート:9.0mm/sec インクシート:0.6mm/sec となるように設定し、速度差モード法記録にて記録を行
なった。印字画像としては、Y、M、Cでハーフトーン
Black(画像濃度:0.9〜1.1)を印字し、ジ
ターの品質を目視にて比較した。この摩擦係数測定結
果、ジター、及び画像品質の評価結果を表1に示す。な
お、摩擦係数の数値は測定値の平均値である。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】以上、詳細且つ具体的な説明より明らか
なように、本発明の請求項1の受像シート表面/熱転写
記録シート表面の印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ
を、0.2以下とすることにより、印字→非印字(又
はその逆)のときのリボン走行速度変化を小さくするこ
とができ、ジターが改善される。また、請求項2の熱転
写記録シートバック面/サーマルヘッドの印字時と非印
字時の動摩擦係数差Δμ を、0.3以下とすることに
より、印字→非印字(又はその逆)のときのリボン走行
速度変化を小さくすることができ、ジターが改善され
る。また、請求項3の受像シート表面/熱転写記録シー
ト表面の印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμを、
0.2以下とし、熱転写記録シートバック面/サーマル
ヘッドの印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμを、
0.3以下とすることで更に改善効果がある。また、請
求項4の架橋樹脂膜にシリコンゴムフィラーを含有する
ことで受像シート表面/熱転写記録シート表面の印字時
と非印字時の動摩擦係数差Δμを、0.2以下とする
ことにより、印字→非印字(又はその逆)のときのリボ
ン走行速度変化を小さくすることができ、ジターが改善
される。また、請求項5のシリコンゴムフィラーの粒度
分布が0.1μm以上15μm以下であり、形成樹脂に
対し少なくとも20重量%以上90重量%以下含有して
いることで、フィラー量が多くなることで画像品質が悪
くなることを抑えることができる。また、請求項6の熱
転写記録シートのバック面にシリカ、ワックス及びタル
クなどの滑剤を少なくともいずれか1つ含有したバック
層を形成していることで熱転写記録シートバック面/サ
ーマルヘッドの印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ
を、0.3以下とすることが容易にできる。また、請求
項7の熱転写記録シートのバック層構成成分のワックス
として100℃以上150℃以下の融点を持つワックス
を含有していることで他の滑剤の併用をしなくても、熱
転写記録シートバック面/サーマルヘッドの印字時と非
印字時の動摩擦係数差Δμを、0.3以下とすること
ができ、ジターを改善できるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱転写シートの印字可能領域と印字領域を示し
た図である。
【図2】ジターの説明図である。
【図3】ジターの発生過程を説明する図である。
【図4】本発明の記録方法の一例を説明する図である。
【図5】本発明の昇華転写シート、受像シートの構成の
一例を示した図である。
【図6】本発明のN倍記録方法、記録装置の一例を説明
する図である。
【図7】本発明に用いるインクリボンの構成の一例を示
した図である。
【図8】受像シート表面/熱転写記録シート表面の摩擦
係数測定方法の略図を示したものである。
【図9】熱転写シートバック面/サーマルヘッド表面の
摩擦係数測定方法の略図を示したものである。
【図10】本発明のN倍記録方法、記録装置の他の一例
を説明する図である。
【符号の説明】
1 受像シート(記録媒体) 2 搬送路 3a〜3d サーマルヘッド 4 昇華熱転写シート(インクリボン) 5 搬送手段 5a〜5d プラテンローラ 5e エンドレスベルト a〜d インク面 6a 繰出しコア 6b 巻取りコア 41 基体 42 染料供給層 43 染料転写寄与層 44 中間層 45 耐熱滑性層 101 基体 102 受像層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/26 101G 101H P B41J 3/20 117C (72)発明者 内藤 啓 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C065 DC04 DC14 DC29 2C068 AA06 AA08 BC16 BC17 BC22 BC30 BC33 2H111 AA01 AA21 AA27 AA31 AA33 BA02 BA03 BA08 BA12 BA53 BA54 BA55 BA61 BA64 BA65 BA71 BA76 CA02 CA46

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重同時書き込み方式により熱転写シー
    トから受像シートへN倍記録法にて熱転写記録装置を用
    いて熱転写記録を行なう感熱記録方法であって、該記録
    装置は、サーマルヘッドが少なくとも2本以上あり、該
    熱転写シートは基体上に昇華性染料が樹脂中に溶解又は
    分散されてなる染料供給層を有し、且つ該染料供給層の
    上に熱硬化性樹脂と弾性体粒子からなる染料転写寄与層
    を備えており、該受像シートは少なくとも最上面が樹脂
    硬化膜と滑剤で構成されており、該受像シート表面/熱
    転写記録シート表面の印字時と非印字時の動摩擦係数差
    Δμが、0.2以下であることを特徴とする感熱記録
    方法。
  2. 【請求項2】 多重同時書き込み方式により熱転写シー
    トから受像シートへN倍記録法にて熱転写記録装置を用
    いて熱転写記録を行なう感熱記録方法であって、該記録
    装置は、サーマルヘッドが少なくとも2本以上あり、該
    熱転写シートは硬化性樹脂と滑剤からなる耐熱滑性層を
    備えており、該熱転写記録シートのバック面/サーマル
    ヘッドの印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμが、
    0.3以下であることを特徴とする感熱記録方法。
  3. 【請求項3】 多重同時書き込み方式により熱転写シー
    トから受像シートへN倍記録法にて熱転写記録装置を用
    いて熱転写記録を行なう感熱記録方法であって、該記録
    装置は、サーマルヘッドが少なくとも2本以上あり、該
    熱転写シートは基体上に昇華性染料が樹脂中に溶解又は
    分散されてなる染料供給層を有し、且つ該染料供給層の
    上に熱硬化性樹脂と弾性体粒子からなる染料転写寄与
    層、及び反対面に硬化性樹脂と滑剤からなる耐熱滑性層
    を備えており、該受像シートは少なくとも最上面が樹脂
    硬化膜で構成されており、受像シート表面/熱転写記録
    シート表面の印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ
    が、0.2以下であり、熱転写記録シートのバック面
    /サーマルヘッドの印字時と非印字時の動摩擦係数差Δ
    μが、0.3以下であることを特徴とする感熱記録方
    法。
  4. 【請求項4】 前記熱転写シートの弾性体粒子がシリコ
    ンゴムフィラーであることを特徴とする請求項1又は3
    に記載の感熱記録方法。
  5. 【請求項5】 前記シリコンゴムフィラーの粒度分布が
    0.1μm以上15μm以下であり、形成樹脂に対し少
    なくとも20重量%以上90重量%以下含有しているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の感熱記録方法。
  6. 【請求項6】 熱転写シートのバック面に滑剤を少なく
    ともいずれか1つ含有したバック層を形成していること
    を特徴とする請求項2に記載の感熱記録方法。
  7. 【請求項7】 熱転写シートのバック層構成成分のワッ
    クスとして100℃以上150℃以下の融点を持つワッ
    クスを含有していることを特徴とする請求項6に記載の
    感熱記録方法。
  8. 【請求項8】 多重同時書き込み方式により熱転写シー
    トから受像シートへN倍記録法にて熱転写記録を行なう
    熱転写型の感熱記録装置であって、該記録装置は、少な
    くとも2本以上サーマルヘッドと、該サーマルヘッドの
    熱印字箇所に該熱転写シートを搬送するための熱転写シ
    ート搬送手段と、該熱印字箇所に受像シートを該熱転写
    シートの搬送速度のN倍の搬送速度で搬送する搬送する
    ための受像シート搬送手段とを有し、該熱転写シートと
    して基体上に昇華性染料が樹脂中に溶解又は分散されて
    なる染料供給層を有し、且つ該染料供給層の上に熱硬化
    性樹脂と弾性体粒子からなる染料転写寄与層を備えたも
    のが用いられ、該受像シートとして少なくとも最上面が
    樹脂硬化膜と滑剤で構成されたものが用いられ、該受像
    シート表面/熱写記録シート表面の印字時と非印字時の
    動摩擦係数差Δμ が、0.2以下であることを特徴と
    する感熱記録装置。
  9. 【請求項9】 多重同時書き込み方式により熱転写シー
    トから受像シートへN倍記録法にて熱転写記録を行なう
    熱転写型の感熱記録装置であって、該記録装置は、該熱
    転写記録シートのバック面側に位置する少なくとも2本
    以上サーマルヘッドと、該サーマルヘッドの熱印字箇所
    に該熱転写シートを搬送するための熱転写シート搬送手
    段と、該熱印字箇所に受像シートを該熱転写シートの搬
    送速度のN倍の搬送速度で搬送する搬送するための受像
    シート搬送手段とを有し、該熱転写シートとして硬化性
    樹脂と滑剤からなる耐熱滑性層を備えたものが用いら
    れ、該受像シートとして少なくとも最上面が樹脂硬化膜
    で構成されたものが用いられ、該熱転写記録シートのバ
    ック面/サーマルヘッドの印字時と非印字時の動摩擦係
    数差Δμが、0.3以下であることを特徴とする感熱
    記録装置。
  10. 【請求項10】 多重同時書き込み方式により熱転写シ
    ートから受像シートへN倍記録法にて熱転写記録を行な
    う熱転写型の感熱記録装置であって、該記録装置は、該
    熱転写記録シートのバック面側に位置する少なくとも2
    本以上サーマルヘッドと、該サーマルヘッドの熱印字箇
    所に該熱転写シートを搬送するための熱転写シート搬送
    手段と、該熱印字箇所に受像シートを該熱転写シートの
    搬送速度のN倍の搬送速度で搬送する搬送するための受
    像シート搬送手段とを有し、該熱転写シートとして基体
    上に昇華性染料が樹脂中に溶解又は分散されてなる染料
    供給層を有し、且つ該染料供給層の上に熱硬化性樹脂と
    弾性体粒子からなる染料転写寄与層、及び反対面に硬化
    性樹脂と滑剤からなる耐熱滑性層を備えたものが用いら
    れ、該受像シートとして少なくとも最上面が樹脂硬化膜
    で構成されたものが用いられ、受像シート表面/熱転写
    記録シート表面の印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ
    が、0.2以下であり、熱転写記録シートのバック面
    /サーマルヘッドの印字時と非印字時の動摩擦係数差Δ
    μが、0.3以下であることを特徴とする感熱記録装
    置。
  11. 【請求項11】 少なくとも2本以上のサーマルヘッド
    を同時に駆動して書き込みを行なう多重ヘッド同時書き
    込みにより受像シートへN倍記録法にて画像形成を行な
    う熱転写シートであって、受像シート表面/熱転写記録
    シート表面の印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ
    が、0.2以下であることを特徴とする熱転写シー
    ト。
  12. 【請求項12】 少なくとも2本以上のサーマルヘッド
    を同時に駆動して書き込みを行なう多重ヘッド同時書き
    込みにより受像シートへN倍記録法にて画像形成を行な
    う熱転写シートであって、熱転写記録シートバック面/
    サーマルヘッドの印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ
    が、0.3以下であることを特徴とする熱転写シー
    ト。
  13. 【請求項13】 少なくとも2本以上のサーマルヘッド
    を同時に駆動して書き込みを行なう多重ヘッド同時書き
    込みにより受像シートへN倍記録法にて画像形成を行な
    う熱転写シートであって、受像シート表面/熱転写記録
    シート表面の印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ
    が、0.2以下であり、熱転写記録シートバック面/
    サーマルヘッドの印字時と非印字時の動摩擦係数差Δμ
    が、0.3以下であることを特徴とする熱転写シー
    ト。
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WO2006035833A1 (ja) * 2004-09-30 2006-04-06 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 熱転写シート
JP2007160611A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 General Technology Kk 感熱転写媒体
JP2014223730A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 凸版印刷株式会社 サーマルヘッド用クリーニングシート

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