JP2013202846A - 熱転写シート - Google Patents

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和哉 吉田
Kuniaki Odaka
都明 小高
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Abstract

【課題】熱転写シートに含まれる熱転写性染料の量を少なくしても、使用できる熱転写シートを得る。
【解決手段】基体2と、基体の上に、ニトロセルロース樹脂およびポリビニルアセタール樹脂を有するバインダー樹脂、および熱転写性染料を含む染料層3と、を備え、該バインダー樹脂の重量1に対し、該熱転写性染料の重量が2.5〜3.5の範囲である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートに関するものである。
電子画像のデータ信号をもとにサーマルヘッドを駆動して、専用の受像紙にカラー画像を形成する技術は、いわゆる昇華転写記録技術として知られている。特許文献1には、フィルム上に染料層を設け、該染料層はバインダー樹脂中に熱転写性染料を溶解状態に保持した熱転写シートが記載されている。
また、特許文献2にはバインダー樹脂としてポリビニルブチラール樹脂とセルロース樹脂を含む熱転写シートが記載されている。
特許文献1、特許文献2の原特許の出願時は、サーマルヘッドは感熱記録紙や溶融転写記録に使用されるものしかなく、昇華転写に必要な熱量を印加するには充分なものがなかったが、現在は高速で記録できる専用のサーマルヘッドがある。さらに、専用の熱転写性染料が開発され、熱を効率的に利用する感熱昇華受像シートも開発され、関連技術は特許文献1、2の原特許の出願時より格段に進歩している。
使用環境についても、当初は家庭用のプリンターを想定しており、過酷な環境においても熱転写シートの性能が変化しないような仕様が採用されていたが、現在はプリントシール機やフォトルシオ(登録商標)出力端末のように業務用のプリンターの用途が主流となり、使用環境もある程度コントロールできる状況にあり、過酷な条件での保存性を前提としない熱転写シートの仕様を改めて見直してもよい状況にある。
さらに、業務用用途はコストダウンの要求も高く、熱転写性染料の効率的な使用の観点からも、従来の熱転写シートよりも熱転写性染料の使用量の少ない熱転写シートが望まれている。
特公平7−29504号公報 特開平6‐24159号公報
熱転写シートに含まれる熱転写性染料の量を少なくしても、使用できる熱転写シートを得ることを課題とする。
第1の発明は、基体と、基体の上に、ニトロセルロース樹脂およびポリビニルアセタール樹脂を有するバインダー樹脂、および熱転写性染料を含む染料層と、を備え、該バインダー樹脂の重量1に対し、該熱転写性染料の重量が2.5〜3.5の範囲であることを特徴とする熱転写シートである。
第2の発明は、該染料層の塗布量が、0.25g/平方メートル〜0.35g/平方メートルであることを特徴とする第1の発明に記載の熱転写シートである。
必要な印字濃度が得られ、昇華転写受像シートからの剥離性も良好で、熱転写性染料量の少ない熱転写シートが得られる。
昇華転写記録方法の模式図
図1は昇華転写記録方法の模式図である。熱転写シート11の染料層3と、昇華転写受像シート12の受容層4を重ね合わせ、サーマルヘッド21とプラテンロール22の間に挟んで、画像信号に基づきサーマルヘッドで加熱印字しながら熱転写シートと昇華転写受像シートを搬送することにより、熱転写性染料を受容層中に転写して画像を記録する方法である。
図1の模式図には、昇華転写受像シートとして、受容層以外に断熱層5とクッション層6を設けてあるが、本発明は必ずしもこの構造の昇華転写受像シートの使用に限定されるものではない。本発明の熱転写シートを使用して印字するには、昇華転写受像シートとして基体とその上に塗布された受容層が設けてあればよい。
熱転写シートは、ポリエステルフィルムのような薄膜の基体の片面に、バインダー樹脂および熱転写性染料を含む染料層を設け、基体の他の面にはサーマルヘッドとの融着を防ぐ背面耐熱層を設けてあることが多い。
染料層のバインダー樹脂には種々の高分子が使用されているが、印字時に該バインダー樹脂が昇華転写受像シートの受容層と融着しやすい。融着を防ぐために受容層には離型剤が添加されていることが多いが、多量に離型剤を添加すると画像濃度の低下や、画像の経時安定性に悪影響を与えることがある。
下記に、本発明に係る熱転写シートの各構成について詳しく説明する。
<基体>
基体は、薄く、均一で耐熱性が高いものが選定される。例えば、高分子化合物としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリメチルペンテン;ポリスルホン;ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドなどのポリエーテル;ポリイミド、などが挙げられる。これらの中でも、強度、耐熱性、薄膜の均一性および製造の観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基体の厚さは、仕様または用途に応じて適宜選定され、通常、3μm〜12μm、好ましくは3.5μm〜9μmである。より好ましくは、3.5μm〜4.5μmである。
基体は、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、必要により片面または両面に、表面酸化法や表面凹凸化法等により表面処理を施すことができる。表面酸化法としては、例えばコロナ放電処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、プラズマ照射処理、クロム酸処理などが挙げられ、表面凹凸化法としては、サンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基体の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が好ましく用いられる。
必要に応じてさらに、接着性を改善するためのプライマーを塗布してもよい。
<染料層>
染料層は、ニトロセルロース樹脂およびポリビニルアセタール樹脂をそなえるバインダー樹脂、および熱転写性染料を含んでいる。染料層中には、バインダー樹脂中に熱転写性染料が溶解している状態で存在していることが好ましい。該熱転写性染料が結晶状態でバインダー樹脂中に分散しているよりも、少ないエネルギーで記録が可能となる。
該バインダー樹脂と該熱転写性染料を溶剤中に溶解したインキを基体上に塗布、乾燥して染料層を形成することができる。この時、該バインダー樹脂と該熱転写性染料の間には、ある程度の親和性が必要であり、親和性が足りないとインキを乾燥した時点で熱転写性染料が析出して結晶化する。また、バインダー樹脂量に対して熱転写性染料が多量すぎても、熱転写性染料が析出する。
染料層には、シアン、マゼンタ、イエローの各色の染料層がある。必要に応じブラックの染料層も使用される。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの染料層は、別々の基体に塗布されて使用したり、あるいは同じ基体上に各色の繰り返しパターン状に塗布されて使用したりする。
(ニトロセルロース樹脂)
ニトロセルロース樹脂は硝化綿とも言い、セルロースの硝酸エステルである。硝化度の高い硝化綿は、爆発性があり取り扱いに注意が必要である。本発明の硝化綿は硝化度12%のものを使用する。ニトロセルロース樹脂は熱転写性染料を溶解している状態で保持するが、ポリビニルアセタール樹脂よりも熱転写性染料を放出しやすい。一方、ニトロセルロース樹脂は、基体に対する接着性が弱く基体から剥離しやすい。
(ポリビニルアセタール樹脂)
ポリビニルアルコール樹脂を、ブチルアルデヒドやアセトアルデヒドで部分アセタール化したものがポリビニルアセタール樹脂である。種々の分子量、種々のアセタール化度の樹脂が販売されている。分子量が大きく、Tgの高い樹脂ほど染料層の保存安定性は高くなる。ポリビニルアセタール樹脂はニトロセルロース樹脂よりも染料層の保存性が良好で基体に対する密着力も強い。
本発明は、ニトロセルロース樹脂およびポリビニルアセタール樹脂を含むバインダー樹脂の総重量1に対し、熱転写性染料の総重量が2.5〜3.5の範囲にあると、昇華転写受像シートに対する剥離特性および、熱転写性染料の転写効率が良好であることをみいだした。
ニトロセルロース樹脂とポリビニルアセタール樹脂を混合したバインダー樹脂に対し、本発明のような割合まで熱転写性染料を多くして、バインダー樹脂に対して熱転写性染料の比率を高くすることにより、昇華転写受像シートに対する剥離特性および、熱転写性染料の転写効率が良好であることを初めて見出した。
特許文献1、特許文献2の開発当時における保存性の試験では、熱転写シートを温度60℃のオーブン中に30日間放置しても、外見的な変化や記録性能の劣化がないことを合格としていた。現在は、そこまで過酷な温度条件での保存性は要求されず、本発明のようにバインダー樹脂に対する熱転写性染料の比率を高くしても、問題なく使用できる環境にある。
また、ニトロセルロース樹脂およびポリビニルアセタール樹脂を含むバインダー樹脂の総重量1に対し、熱転写性染料の総重量が2.5〜3.5の範囲にある染料層を使用する時、該染料層の塗布量が、0.25g/平方メートル〜0.35g/平方メートルの範囲であると、該染料層を使用して必要な画像濃度を得ることができることを見出した。また、上記塗布量の染料層中の熱転写性染料の使用量は、従来の熱転写シートで使用している量よりも少ない。
すなわち、本発明における染料層の好ましい塗布量は、0.25g/平方メートル〜0.35g/平方メートルである。バインダー樹脂と熱転写性染料の比は最大1対3.5であるから、塗布される熱転写性染料の量は、計算上最大で0.27g/平方メートルである。
塗布量0.25g/平方メートルで、バインダー樹脂と熱転写性染料の比は最少1対2.5であるから、この時塗布されている熱転写性染料の量は、計算上約0.18g/平方メートルである。
特許文献1には、熱転写性染料が重量4に対し、バインダー樹脂重量4.3の比率である染料層を、1g/平方メートル塗布する例が記載されている。特許文献1で塗布されている熱転写性染料の量は計算上0.48g/平方メートルであり、本発明において使用される熱転写性染料の量が格段に少ないことが分かる。
ポリビニルアセタール樹脂とニトロセルロース樹脂との混合比率も重要である。ニトロセルロース樹脂の量が増えると熱転写性染料の転写効率の改善に効果があり、ポリビニルアセタール樹脂の量が増えると染料層と基材との密着性との改善に効果があり、さらに熱転写シートの保存性の改善に効果があると考えられる。
好ましいニトロセルロース樹脂とポリビニルアセタール樹脂との混合比率は、3対1から3対9の範囲である。さらに好ましくはニトロセルロース樹脂とポリビニルアセタール樹脂との混合比率は3対1から3対3の範囲である。
ニトロセルロース樹脂とポリビニルアセタール樹脂との混合比率が上記範囲であれば、熱転写性染料の転写効率は良好で、且つ、昇華転写受像シートに染料層が融着して染料層が基材から剥離することはない。
(熱転写性染料)
熱転写性染料には、分散染料のなかから選ばれた染料のほかに、昇華転写記録のために開発された熱転写性染料が使用されている。
例えば開発された熱転写性染料は、シアン染料としては、例えば化合物1の骨格構造を持つ染料がある。マゼンタ染料としては、例えば化合物2の骨格構造を持つ染料がある。イエロー染料としては、例えば化合物3の骨格構造を持つ染料がある。
Figure 2013202846
各色の染料層に含まれる熱転写性染料は、一種類の熱転写性染料でも良いし複数の熱転写性染料を混合して使用してもよい。要求される色調に合わせて適宜選択される。
(添加剤)
染料層には、熱転写性染料以外にも添加剤を加えてもよい。例えば、離型剤、酸化防止剤、硬化剤、熱転写性染料溶解剤などがある。
<その他の層>
熱転写シートに他の層があってもよい。例えば、染料層と反対の基体の上には耐熱滑性層があっても良い。耐熱滑性層はサーマルヘッドと接して、印字時には高熱となるので、耐熱性と滑り性を兼ね備えた性能が必要である。硬化性樹脂と界面活性剤による各種耐熱滑性層が開発されている。耐熱滑性層の好ましい塗布量は0.1g/平方メートル〜2.0g/平方メートルである。さらに好ましい塗布量は0.2g/平方メートル〜1.0g/平方メートルである。
染料層と基体との密着性を向上させるために、基体と染料層の間にプライマー層を設けても良い。
<製造方法>
本発明の熱転写シートを製造するには、まず基体は、耐熱滑性層を備えた薄膜のポリエステルフィルムを準備して、必要であれば耐熱滑性層を備える面と反対のフィルム面にコロナ処理や、プライマー層を塗布する。
プライマーとしては、例えば多価イソシアネートと水酸基を持つ高分子化合物の稀薄溶液のインキを、グラビア印刷で塗布してもよい。
染料インキは、バインダー樹脂と所定の熱転写性染料に溶剤を加え、ボールミル法、サンドミル法、などの通常のインキ製造方法により製造できる。
基体への染料インキの塗布は、通常のグラビア印刷で一色のベタ印刷でも、多色のパターン印刷でも印刷することができる。乾燥後、必要であれば所定の幅にスリットして、フィルムをボビンに巻き取って使用することができる。
<昇華転写受像シートの作製>
本発明の熱転写シートと組み合せて使用される昇華転写受像シートの作成方法を下記に説明する。
微細空隙層を備える39μm厚のミクロボイドフィルムの一方の面に、下記組成からなる接着剤層形成用インキを塗布し、乾燥させて接着剤層を形成した。次いで、コート紙(186g/平方メートル)の一方の面に裏面層を設けた支持体と、ミクロボイドフィルムとを、支持体の裏面層を設けた側と反対側の面と接着剤層とが重なるように貼り合わせた。
接着剤層形成用インキ:
多官能ポリオール「タケラック(登録商標)A−969V」 30.0重量部
(三井化学株式会社製)
イソシアネート「タケネート(登録商標)A−5」 10.0重量部
(三井化学株式会社製)
酢酸エチル 60.0重量部
続いて、ミクロボイドフィルムの接着剤層を設けた面とは反対側の面に、下記組成のプライマー層形成用インキを、乾燥塗布量が2.0g/平方メートルとなるようにワイヤーバーコーティングにより塗布し、乾燥させてプライマー層を形成した。
プライマー層形成用インキ:
ポリエステルポリオール「アドコート(登録商標) 」 15.0重量部
(東洋モートン株式会社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比2:1) 85.0重量部
形成したプライマー層上に、下記組成からなる受容層形成用インキを、乾燥塗布量が4.0g/平方メートルとなるようにワイヤーバーコーティングにより塗布し、乾燥させて受容層を形成することにより、昇華転写受像シート1を得た。
受容層形成用インキ:
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 20.0重量部
(塩化ビニル/酢酸ビニル=87/13、数平均分子量31,000、
ガラス転移温度70℃)「ソルバインC(登録商標)日信化学工業株式会社製」
カルボキシル変性シリコーン 1.0重量部
(X−22−3701E、信越化学工業株式会社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1) 79.0重量部
<熱転写シートの作製>
耐熱滑性層を設けた4.5μm厚のポリエステルフィルムの、耐熱滑性層の反対の面にプライマー層を設け、さらにその上に下記組成の染料層を塗布、乾燥した。下記の熱転写シートの評価方法で各転写フィルムを評価した。
すべての実施例と比較例に以下の組成のマゼンタ染料を使用した。
染料層形成用インキ:
化合物4の染料 2.0重量部
化合物5(ディスパースレッド60) 2.0重量部
化合物6(ディスパースバイオレット26) 3.0重量部
バインダー樹脂 2.8重量部
トルエン/メチルエチルケトン(1対1混合溶媒) 100重量部
Figure 2013202846
バインダー樹脂としては、下記の樹脂を適宜選択して実施例と比較例の染料層形成用インキを作成して使用した。
ニトロセルロース樹脂
硝化綿 H40(太平化学製品株式会社製)
硝化綿 H60(太平化学製品株式会社製)(H40より高粘度)
ポリビニルブチラール樹脂
エスレック(登録商標)KS‐5
(積水化学工業株式会社製、計算分子量約13万、アセタール化度74%)
エスレック(登録商標)KS‐1
(積水化学工業株式会社製、計算分子量約2.7万、アセタール化度74%)
上記の染料層形成用インキの組成は、熱転写性染料とバインダーの重量比が2.5対1の時の組成である。熱転写性染料とバインダーの重量比が違うインキを作るときは、バインダー樹脂の量と混合溶媒の量を適宜増減させて、所定の重量比にインキを作成して使用した。
<熱転写シートの評価方法>
(1)熱転写性染料の転写効率の評価方法
上記の熱転写シートと、昇華転写受像シート1を使用して、フォトルシオ(登録商標)プリンターDS40にて、マゼンタ色のベタ印字物を作成する。印字物の255階調の最高濃度(=階調値が255/255)の印字物を作成し、熱転写性染料の抜けた熱転写シートを得た。
印字に使用した熱転写シートと、未使用の熱転写シートを5cm×5cmに切断し、トルエン/メチルエチルケトンの1対1溶媒で熱転写性染料を抽出し、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製LC‐2010HТ)を用いて熱転写性染料含有量を測定した。
得られた熱転写性染料含有量から、下記の数式1によって転写効率を計算した。
転写効率が高いほど熱転写性染料が有効に利用されていることになる。
Figure 2013202846
(2)染料層の剥離性の評価方法
上記の熱転写シートと、昇華転写受像シート1を使用して、フォトルシオ(登録商標)プリンターDS40にて、マゼンタ色のベタ印字物を作成する。熱転写シートの染料層と昇華転写受像シートの受容層との剥離性を、印字物の255階調の最高濃度で印字したあとで評価する
評価の基準は以下のとおり。
Excellent:
熱転写シートから昇華転写受像シートへ、染料層ごと剥離する箇所がなく、熱転 写シートと昇華転写受像シートを軽く剥がすことができる。
Good:
熱転写シートから昇華転写受像シートへ、染料層ごと剥離する箇所がない。
Fair:
熱転写シートから昇華転写受像シートへ、染料層ごと剥離する箇所がわずかにあ ったが、実用上問題ないレベルである。
Bad:
熱転写シートと昇華転写受像シートが貼り付いてはがれない箇所がある。
(3)印字濃度の評価方法
Excellent:
良好な印字濃度が得られる。
Good:
必要な印字濃度が得られる。
Fair:
印字濃度が若干低いが、実用上使えるレベルである。
Bad:
印字濃度が低い。
表1の実施例1〜実施例3は、ニトロセルロース樹脂とポリビニルブチラール樹脂をバインダー樹脂として、熱転写性染料とバインダー樹脂の重量比率を2.5とし、染料層の乾燥時の塗布量を0.35g/平方メートルとして、ニトロセルロース樹脂とポリビニルブチラール樹脂の比率を変化させたものである。いずれも良好な特性を示した。比較例1として、ニトロセルロース樹脂単体をバインダー樹脂とする熱転写シートを印字した。染料層が昇華転写受像シートに貼り付いて使用できない。
表1に結果を示す。表中でD/B比率とあるのは、熱転写性染料とバインダー樹脂の重量比率である。
Figure 2013202846
表2の実施例4は、実施例1のニトロセルロース樹脂を高粘度の製品に代えて実験した。実施例5は、実施例1のビニルアセタール樹脂を低粘度の製品に代えて実験した。
実施例1と合せていずれも良好な結果を示した。
Figure 2013202846
表3は、熱転写性染料とバインダー樹脂の比率を2.5と一定にして、染料層の塗布量を変化させたものである。染料層の塗布量が多くなると転写効率が下がる。染料層の塗布量0.25g/平方メートル〜0.35g/平方メートルの実施例7と実施例1は良好であった。
実施例6は印字濃度が低いが使える範囲である。実施例8は印字濃度は良好で使える範囲である。しかしながら、転写効率は低くなる。
Figure 2013202846
表4は、染料層の塗布量を0.35g/平方メートルと一定にして、熱転写性染料とバインダー樹脂の比率を2.0〜4.0まで変えたものである。熱転写性染料とバインダー樹脂の比率が2.0の比較例2は印字濃度が足りなかった。熱転写性染料とバインダー樹脂の比率が4.0の比較例3は熱転写性染料が析出して使用できなかった。熱転写性染料とバインダー樹脂の比率が2.5と3.5の実施例1と実施例9は良好であった。
Figure 2013202846
表5は、染料層の塗布量を0.25g/平方メートルと一定にして、熱転写性染料とバインダー樹脂の比率を2.0〜4.0まで変えたものである。熱転写性染料とバインダー樹脂の比率が2.0の比較例4は印字濃度が足りなかった。熱転写性染料とバインダー樹脂の比率が4.0の比較例5は熱転写性染料が析出して使用できなかった。熱転写性染料とバインダー樹脂の比率が2.5と3.5の実施例7と実施例10は、必要な印字濃度が得られた。
Figure 2013202846
1:耐熱滑性層
2:基体(フィルム)
3:染料層
4:受容層
5:クッション層
6:断熱層
7:基体
11:熱転写シート
12:昇華転写受像シート
21:サーマルヘッド
22:プラテンロール

Claims (2)

  1. 基体と、
    基体の上に、ニトロセルロース樹脂およびポリビニルアセタール樹脂を有するバインダー樹脂、および熱転写性染料を含む染料層と、
    を備え、該バインダー樹脂の重量1に対し、該熱転写性染料の重量が2.5〜3.5の範囲であることを特徴とする熱転写シート。
  2. 染料層の塗布量が、0.25g/平方メートル〜0.35g/平方メートルであることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写シート。
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