JP2000289350A - 昇華型熱転写リボンおよび熱転写記録方法 - Google Patents

昇華型熱転写リボンおよび熱転写記録方法

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JP2000289350A
JP2000289350A JP11103754A JP10375499A JP2000289350A JP 2000289350 A JP2000289350 A JP 2000289350A JP 11103754 A JP11103754 A JP 11103754A JP 10375499 A JP10375499 A JP 10375499A JP 2000289350 A JP2000289350 A JP 2000289350A
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Hironori Kuboyama
浩紀 久保山
Hidehiro Mochizuki
秀洋 望月
Toru Oshima
亨 大嶋
Yoshiaki Yamada
義昭 山田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多色画像を得る際に、先に受像シートに転写
した染料が2次色、3次色形成時に、熱転写体に逆転写
することのない昇華型熱転写リボンを提供する。 【解決手段】 基体上に少なくとも1層の昇華性染料と
バインダー樹脂からなるインク層を設け、更にこの上に
バインダー樹脂からなる最上層を設けた昇華型熱転写リ
ボンであって、該最上層のバインダー樹脂として水酸数
(OH基)が10%以上のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録に提供さ
れる昇華型熱転写リボン、及びこの熱転写リボンを用い
た熱転写記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラープリンターの需要が年
々増加し、このフルカラープリンターの記録方式として
電子写真方式、インクジェット方式、感熱転写方式等が
あるが、この中で保守が容易、騒音がない等の理由によ
り感熱転写方式が注目されている。この感熱転写方式に
は、熱溶融性物質中に着色剤を分散した転写層を有す
る転写リボンと受像紙とを重ねて、転写リボンに熱ヘッ
ドあるいはレーザ光等で画像状に熱印加することによ
り、転写層を熱溶融させて受像紙上に転写記録する溶融
型熱転写記録方式と、熱昇華性染料あるいは熱移行性
染料(本明細書中では単に昇華性染料と呼ぶ)を含有す
る転写層を有する転写リボンと受像紙とを重ねて、転写
リボンに画像状に熱印加することにより、転写層の染料
を受像紙上に昇華または移行させて記録する昇華型熱転
写記録とがある。
【0003】フルカラー画像の記録としては一般的には
色調の忠実性から見ての昇華型熱転写記録の方が優れ
ている。また、この昇華型熱転写記録においては、熱転
写リボンのランニングコストを節約するために、一つの
熱転写リボンを複数回の記録に使用したり、熱転写リボ
ンの搬送速度をこれと重ねられた受像紙の搬送速度より
遅くして(相対速度1/n、n>1)記録する方法いわ
ゆるn倍モード記録法が提案されている。
【0004】更に、これらの熱転写リボンの1部を複数
回の転写記録に供するための熱転写リボンとして、基体
上に粒状の昇華性染料をバインダー樹脂中に分散させて
なるインク層を設けた熱転写リボン(特開平1−157
891号公報)、あるいは基体上に染料の転移量が多く
比較的厚いインク層(染料供給層)と転移量が少なく比
較的薄いインク層(転写寄与層)とを積層させて設けた
熱転写リボン(特開平2−586号公報)等が提案され
ている。
【0005】この昇華型熱転写記録法では1枚のフルカ
ラー画像を得るのに、イエロー、マゼンタ、シアン、必
要に応じてブラックの熱転写リボンを用いて順次受像紙
の受像層に重ね印字を行なうが、従来の昇華型熱転写リ
ボンでは例えば2次色、3次色を形成する場合、先に受
像層に転写した染料が2次色、3次色形成時に受像層か
ら熱転写リボンに逆転写し、先に受像層に転写した染料
量が減少してその結果画像濃度の低下を招く。また、こ
の逆転写した染料を含む熱転写リボンを多数回記録に使
用した場合には、次の記録時に受像層へ転写し、色濁り
や前の絵柄パターンのゴースト(前の色の濃いパター
ン)として次の記録に影響を与える。特に、n倍モード
記録法では連続して熱転写リボンを使用することから、
前の色の濃いパターンのエッジ部が尾引き(ぼけ)とし
て認織される。
【0006】特開昭61−293891等号公報に開示
されている技術では、各色を別の透明受像層に形成し、
これらを重ねあわせることによってフルカラーを形成す
るため、逆転写は生じないものの、従来と異なり、特別
な受像紙(層)が必要であり、さらに受像層を3枚用い
てフルカラーを形成することから受像層全体が厚く、さ
らにコスト高となる。また、3枚を重ねる場合、微少の
位置ずれにより、画像のぼやけを生じさせ、画像の劣化
の危険性を有している。
【0007】上記のような問題を解決する手段として、
受像層中の染料のリボン表面への逆転写を抑えるために
インク層の最上層に非染着性樹脂層または低染着性樹脂
層を設けることが特開平5−64980号公報に開示さ
れているが、逆に拡散バリア性も大きくなるためにイン
ク層から受像層側への染料拡散転写量も低減され初期画
像濃度が低下してくる。これは、最上層のバインダー樹
脂種によってのみ染着性と拡散性が制限されるため、初
期の画像濃度低下と色重ね印字時の逆転写から発生する
画像濃度低下、ゴーストおよび尾引きの両立をすること
が不十分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記欠
点を克服し、染料逆転写による色重ね時の画像濃度低
下、ゴーストおよび尾引き発生がなく、かつ感度低下の
ない昇華型熱転写リボン、及びその熱転写リボンを用い
る記録方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決し、画像形成時に受像体から昇華型熱転写体への染
料逆転写を防止でき、尾引き及びゴーストの発生がな
く、かつ感度低下のない昇華型熱転写リボンを提供すべ
く鋭意研究した結果、インク層の最上層をバインダー樹
脂の水酸基数(OH基)が10%以上含有する樹脂で構
成することによって良好な結果が得られることを見出し
た。本発明はこれに基づいてなされたものである。
【0010】従って、本発明によれば第一に、基体上に
少なくとも1層の昇華性染料及びバインダー樹脂を主成
分とするインク層を設け、さらにその上にバインダー樹
脂を主成分とする最上層を設けた昇華型熱転写体であっ
て、該最上層に用いるバインダー樹脂の水酸基数(OH
基)が10%以上であることを特徴とする昇華型熱転写
リボンが提供される。
【0011】第二に、最上層に用いるバインダー樹脂が
ポリビニルアルニールであり、けん価度が90mol%
以下であることを特徴とする上記第一の昇華型熱転写リ
ボンが提供される。
【0012】第三に、最上層に用いるバインダー樹脂が
ポリビニルアルコールであり、そのけん価度が85mo
l%以下であることを特徴とする上記第一の昇華型熱転
写リボンが提供される。
【0013】第四に、最上層に用いるバインダー樹脂が
ポリビニルアルコールであり、そのけん価度が75mo
l%以下であることを特徴とする上記第一の昇華型熱転
写リボンが提供される。
【0014】第五に、最上層に用いるバインダー樹脂の
水酸基(OH基)を架橋反応させることを特徴とする上
記第一〜四のいずれかの昇華型熱転写リボンが提供され
る。
【0015】第六に、最上層に可塑剤を添加したことを
特徴とする上記第一〜五のいずれかの昇華型熱転写リボ
ンが提供される。
【0016】第七に、最上層の厚み(μm)×バインダ
ー樹脂のけん価度(mol%)≧80の条件を充たすこ
とを特徴とする上記第一〜六のいずれかの昇華型熱転写
リボンが提供される。
【0017】第八に、最上層の厚みが1.0μm以下で
あることを特徴とする上記第一〜七のいずれかの昇華型
熱転写リボンが提供される。
【0018】第九に、インク層における昇華性染料とバ
インダー樹脂との割合が重量比で該バインダー樹脂1部
に対して該昇華性染料3.5部以上であることを特徴と
する上記第一〜八のいずれかの昇華型熱転写リボンが提
供される
【0019】第十に、インク層が可塑剤を含有したこと
を特徴とする上記第一〜九のいずれかの昇華型熱転写リ
ボンが提供される。
【0020】第十一に、インク層が上層に対して染料濃
度が高い染料勾配および/または染料拡散係数が大きい
染料拡散係数勾配を有することを特徴とする上記第一〜
十のいずれかの昇華型熱転写リボンが提供される。
【0021】第十二に、上記第一〜十一のいずれかの昇
華型熱転写リボンを用いて受像紙に画像形成した後、こ
の受像紙の画像形成面に、基体上に新たに上記第一〜十
一のいずれかの最上層材料を塗工したシートの該塗工面
を密着させ、該画像形成した受像紙を再加熱することを
特徴とする熱転写記録方法が提供される。
【0022】第十三に、上記第一〜十一のいずれかの昇
華型熱転写リボンを用いて受像紙に画像形成するに際し
て、該昇華型熱転写リボンの印字速度を該受像紙の搬送
速度に対して相対速度1/n(n>1)にして記録を行
うことを特徴とする熱転写記録方法が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明で使用される熱転写リボンの基体としては、
ポリエステル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレー
ト樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等公知の有機樹
脂フィルムが使用される。その厚さは0.5〜20μm
が適当であり、好ましくは3〜10μmである。これら
有機樹脂フィルムの裏面には必要なら公知の耐熱性離型
層を設けてもよい。
【0024】前記基体上に形成されるインク層は昇華性
染料とバインダー樹脂からなる。このとき、バインダー
樹脂の軟化温度が低いと感度は向上する傾向にはある
が、画像形成時にインク層と受像層が熱融着しやすく、
等速モード法で記録する場合や印加電圧が比較的小さい
場合には問題が少ないが、n倍モード記録法により印字
を行なうと、インク層が剥がれて受像層に転写してしま
うか、熱融着しない場合においてもインク層と受像層の
間の摩擦抵抗が生じてスティッキング現象による横スジ
が発生し、画像品質が低下することになる。また、軟化
温度が高いとインク層と受像層の熱融着は発生しない
が、感度が低下して高い画像濃度が得られない。
【0025】インク層のバインダー樹脂としては、例え
ば、塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエ
ステル、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアセタ
ール系樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。これらの
樹脂は1種でも使用できるが、数種を混合するか、さら
にはこれらの共重合体を使用してもよい。これらの中で
もセルロースエステル樹脂およびポリビニルアセタール
系樹脂が溶剤に対する溶解性や樹脂溶液の粘度および基
体との接着性等の観点から好ましく、特にセルロースア
セテートブチレート、ポリビニルアセトアセタールおよ
びポリビニルブチラールが好ましい。
【0026】熱転写リボンのインク層中に含有させる昇
華性染料の物理的状態としては、染料と相溶性の良いバ
インダー樹脂中に染料を溶解させた状態で含有させるの
が好ましく、これにより保存性が良くかつ良好な記録感
度を得ることができる。
【0027】また、多数回記録用熱転写リボン及びn倍
モード記録するためのインク層構成としては、染料の供
給を長時間安定に継続して良好なマルチ性を保つため
に、少なくとも未溶解粒子状の昇華性染料を含んでいる
染料供給層を設けることが好ましい。ここで、未溶解粒
子とはインク層形成時インク(昇華性染料+バインダー
樹脂+溶剤)を乾燥後、バインダー樹脂に溶けきれず粒
子状として析出する染料を意味し、同一のバインダー樹
脂および染料でも溶剤により未溶解粒子状染料の存在状
況が異なる。未溶解粒子状染料の存在の有無はインク層
形成後、電子顕微鏡で容易に識別できる。未溶解粒子状
染料の粒径はインク層厚によって異なるが0.01μm
〜20μm、好ましくは1μm〜5μmである。このよ
うにインク層中の染料が粒子状であると、長期保存にお
いて染料の結晶化などの問題も発生しない。
【0028】インク層の染料濃度は感度に大きく影響
し、染料をバインダー樹脂中に溶解させた等速モード法
で記録するためのインク層を用いた場合は、バインダー
樹脂に対して重量比で1.5未満でも構わないが、多数
回記録用熱転写リボン及びn倍モード記録するためのイ
ンク層を用いた場合は、染料濃度を高くするほど感度は
増大し、マルチ能も向上するため、インク層の染料含有
量はバインダー樹脂に対して重量比で1.5以上、好ま
しくは3.5以上が適当である。
【0029】また、さらに感度を向上させるための方法
として、インク層内に可塑剤を添加することで染料拡散
係数を上げることができる。可塑剤の添加量としては、
多ければ多いほど感度は向上するが、インク層の低軟化
によるインク層破壊が印字時に発生し、画像欠陥を生じ
させるため、インク層のバインダー樹脂に対して0.0
1〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%が適当
である。
【0030】可塑剤としては、例えばリン酸エステル、
フタル酸エステル、脂肪酸一塩基酸エステル、脂肪酸二
塩基酸エステル、二価アルコールエステル、オキシ酸エ
ステル、スルホン酸エステル、塩素化パラフイン、硫酸
エステル、塩素化ビフェニル、2−ニトロビフェニル、
ジノニルナフタリン、オルト及びパラ−トルエンスルホ
ンエチルアミド、ショウ脳、アビエチン酸メチル等が挙
げられる。これらの可塑剤は1種でも使用できるが、数
種を混合して使用してもよい。
【0031】また、可塑剤の添加においては、インク層
のみならず最上層に添加する場合、またインク層が例え
ば2層あるいは3層以上積層されているときでも最上層
と一部のインク層間内に添加する場合、あるいは全層構
成内に添加する場合のどれでもよく、添加量は結果とし
てバインダー樹脂に対して0.01〜30重量%、好ま
しくは0.1〜20重量%が適当である。
【0032】粒子状染料を含有するインク層を形成する
には、インク層形成液の溶剤として、染料に対する溶解
度ができるだけ低い溶剤を用いることが好ましい。ここ
で使用される溶媒としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、アリルアルコール、プロピルアルコール、
2−プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルア
ルコール、3−メトキシブチルアルコール、ヘキシルア
ルコール、2−メチルペンタノール、第2ヘキシルアル
コール、2−エチルブチルアルコール、ヘプチルアルコ
ール、第2ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、
2−エチルヘキシルアルコール、第2オクチルアルコー
ル、ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタ
ノール、トリメチルノニルアルコールなどのアルコール
類やエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテ
ル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレ
ングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル等のグリコールエーテル類が挙げられ、これらの溶剤
を単独あるいは数種混合して使用することができる。
【0033】昇華性染料は、この分野で公知の昇華性染
料が用いられ、例えば、C.I.ディスハースイエロー
の1、3、8、9、16、41、54、60、77、1
16など、C.I.ディスハースレッドの1、4、6、
11、15、17、55、59、60、73、83な
ど、C.I.ディスハースブルーの3、14、19、2
6、56、60、64、72、99、108など、ソル
ベントイエローの77、116など、ソルベントレッド
の23、25、27など、ソルベントブルーの36、8
3、105などが例示され、これらの染料は単独でも組
み合わせ混合してもよい。
【0034】また、色重ね時の染料逆転写による画像濃
度低下、ゴーストおよび尾引き防止、かつ感度低下防止
の観点から、最上層には、バインダー樹脂の水酸基数
(OH基)が10%以上含有するバインダー樹脂で構成
することが好ましい。つまり、染料の拡散性及び染料逆
転写性は、バインダー樹脂の水酸基数(OH基)でコン
トロールすることが可能であり、水酸基のもつ水素結合
力によって抑制される。なお、ここで記述したバインダ
ー樹脂の水酸基数とは、樹脂1mol中のOH量(g/
mol)/樹脂1mol量(g/mol)×100であ
らわされる量(%)である。
【0035】また、水酸基を含有する樹脂として代表さ
れるポリビニルアルコールの場合、けん価度(ポリビニ
ルアルコール中の酢酸基と水酸基の合計数に対する水酸
基の百分率)が90mol%以下であればよいが、染料
の低拡散性による感度低下を低減するためには、好まし
くは85mol%以下が好ましく、75mol%以下が
より好ましい。
【0036】しかしながら、染料の拡散性は最上層の膜
厚にも大きく依存するため、バインダー樹脂の水酸基数
(OH基)のみならず、バインダー樹脂のけん価度と膜
厚の積によって表わすことができ、その結果、色重ね時
の染料逆転写による画像濃度低下、ゴーストおよび尾引
き防止、かつ感度低下防止には、最上層における膜厚
(μm)×バインダー樹脂のけん価度(mol%)≧8
0であることが好ましく、中でも膜厚においては1.0
μm以下がより好ましい。
【0037】n倍モード記録法での昇華型熱転写リボン
においては、画像形成時に高印加エネルギーを必要とす
るため、受像層との融着が発生しやすく画像欠陥になり
やすい。そのため、耐熱性の高い樹脂を特に最上層へ用
いることで融着を防止できるが、樹脂自体が高軟化温度
をもつものであれば構わないが、樹脂を架橋させること
で耐熱性を向上させる場合がある。しかしながら、樹脂
の架橋により耐熱性は向上するものの、染料の拡散バリ
ア性を著しく上げてしまうために、感度低下が発生す
る。そこで、水酸基の多い樹脂では、もともと水素結合
により高い染料拡散バリア性をもつため、架橋反応させ
ても、水酸基減少による水素結合力が大きく低下するこ
とから、結果として大きな感度低下が起こらない。
【0038】水酸基をもつバインダー樹脂の架橋反応
は、OH基と反応する架橋剤であればよく、例えば、イ
ソシアネート、エピクロロヒドリン、アジリジン等が挙
げられる。架橋剤の添加量は、バインダー樹脂の水酸基
数によっても異なるが、バインダー樹脂に対して、重量
比で好ましくは0.05〜2.0であり、より好ましい
のは0.1〜1.5である。
【0039】更に、色重ね時の染料逆転写による画像濃
度低下、ゴースト、尾引き防止及び画像保存性を向上す
るための方法として、印字後に再加熱を行うことによっ
て、より向上することが可能である。この場合の再加熱
は、フルカラー画像形成(Y、M、C或いはY、M、
C、BK印字)後に行っても良いが、好ましくは各色印
字後に再加熱を順次行うほうがよい。つまり、再加熱に
より受像層に転写された染料を受像層内部に押し込み、
次色印字時の染料逆転写量を低減することで、高濃度フ
ルカラー画像の形成が可能となると共に、受像層表面に
ある染料量が最終的に低減することで画像保存性を向上
させることにもなる。
【0040】再加熱は、熱ローラー或いはサーマルヘッ
ド等の熱エネルギーを発するものであれば良く、これら
を画像形成後受像紙に直接当てて染料を押し込むことで
可能となる。しかし、サーマルヘッドを用いた場合、繰
り返し再加熱を行うことでサーマルヘッドに染料が付着
し、これによりサーマルヘッドの寿命を縮めることにな
る。このため、基体上に少なくとも逆転写の少ない水酸
基数(OH基)が10%以上含有する樹脂層(熱転写リ
ボンの最上層と同じ樹脂層)を設けたシートを用い、画
像形成後の受像紙に押しあてて再加熱することが好まし
い。
【0041】これまでは感熱ヘッドを用いての記録方式
を説明してきたが、本発明の昇華型熱転写リボンは感熱
ヘッド以外の手段によって記録する方法、たとえば熱印
刷、レーザー光、あるいは基体などの媒体中で発生する
ジュール熱を用いる通電感熱転写法などによることもで
きる。通電感熱転写法はUSP4,103066、特開
昭57−14061号、特開昭57−11080号、特
開昭59−9096号公報など多くの文献に記載されて
いる。
【0042】この通電感熱転写法に用いる場合には、基
体として比較的耐熱性のよいポリエステル、ポリカーボ
ネート、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイミ
ド、芳香族ポリアミドなどの樹脂にアルミニウム、銅、
鉄、錫、亜鉛、ニッケル、モリブデン、銀などの金属粉
および/またはカーボンブラックなどの通電性粉末を分
散させて抵抗値を絶縁体と良導体との中間に調節した支
持体、さらには前記樹脂フィルム上に前述のような導電
性金属を蒸着またはスパッタリングさせた支持体を用い
ればよい。これらの基体の厚さはジュール熱の伝熱効率
を考慮すると、2〜15μm程度であることが望まし
い。
【0043】また、レーザー光転写法に用いる場合に
は、基体としてレーザー光を吸収し、発熱する材質を選
択すればよい。たとえば、従来の熱転写用フィルムにカ
ーボンなどの光吸収変換剤を含有させるか、または光吸
収層を支持体の表面および/または裏面に形成したもの
が使用される。
【0044】
【実施例】以下、本発明を下記の実施例によりさらに具
体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。なお部数はすべて重量部である。
【0045】 実施例1 (中間接着層形成液) ポリビニルブチラール樹脂 10部 (積水化学工業社製、商品名:BX−1) ジイソシアネート 5部 (日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL) メチルエチルケトン 95部 トルエン 95部 上記塗布液を、裏面に厚さ約1μmのシリコーン樹脂系
耐熱層を有する厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルム
の表面に、ワイヤーバーを用いて厚さが1μmになるよ
うに塗布乾燥して中間接着層を形成した後、この中間接
着層上に下記インク層形成液を厚さが5μmになるよう
に塗布乾燥してインク層を形成し、さらにこのインク層
上に下記最上層形成液をワイヤーバーを用いて塗布乾燥
して厚さ0.5μmの最上層を形成し熱転写リボンを作
成した。 (インク層形成液) 昇華性染料Yellow VP(三井東圧染料杜製) 20部 ポリビニルブチラール樹脂 10部 (積水化学工業社製、商品名:BX−1) メチルアルコール 95部 ブチルアルコール 95部 (最上層形成液) ポリビニルアルコール 8部 (クラレ社製、商品名:PVA205、水酸基数29.6〜31.1%、け ん価度86.5〜89mol%) メチルアルコール 50部 水 50部
【0046】一方、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(東レ社製、商品名:ルミラーE60)上に下記組成
の受像層形成液を塗布し、乾燥して厚さ6μmの受像層
を形成し、その後60℃で48時間エージングして受像
紙を作成した。 (受像層形成液) 塩化ビニル系樹脂 (電気化学工業社製、商品名:デンカビニル1000GKT) 9部 トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロバンの 4部 アダクト体(武田薬品社製、商品名:タケネートD103H) 反応促進触媒 0.06部 (武田薬品社製、商品名:フォーメートTK−1L) アルコール変性シリコンオイル 0.5部 (東レダウコーニングシリコーン社製、商品名:SF8427) ジメチルシリコンオイル 0.5部 (東レダウコーニングシリコーン社製、商品名:SH200) メチルエチルケトン 30部 トルエン 10部
【0047】実施例2 実施例1において最上層形成液を下記に変更した以外は
同様にして熱転写リボンを作成した。 (最上層形成液) ポリビニルアルコール 8部 (クラレ社製、商品名:PVA405、水酸基数25.9〜27.6%、け ん価度80.0〜83.0mol%) メチルアルコール 50部 水 50部
【0048】実施例3 実施例1において最上層形成液を下記に変更した以外は
同様にして熱転写リボンを作成した。 (最上層形成液) ポリビニルアルコール 8部 (クラレ社製、商品名:PVA505、水酸基数22.2〜23.2%、け ん価度72.5〜74.5mol%) メチルアルコール 50部 水 50部
【0049】実施例4 実施例1において最上層形成液を下記に変更した以外は
同様にして熱転写リボンを作成した。 (最上層形成液) ポリビニルアルコール 8部 (クラレ社製、商品名:PVA505、水酸基数22.2〜23.2%、け ん価度72.5〜74.5mol%) エピクロロヒドリン 0.1部 メチルアルコール 50部 水 50部
【0050】実施例5 実施例1において最上層形成液を下記に変更した以外は
同様にして熱転写リボンを作成した。 (最上層形成液) ポリビニルアルコール 8部 (クラレ社製、商品名:PVA505、水酸基数22.2〜23.2%、け ん価度72.5〜74.5mol%) アルキルスルホネート 0.1部 (竹本油脂社製、商品名パイオニンA−32−B) メチルアルコール 50部 水 50部
【0051】実施例6 実施例3において最上層膜厚をワーヤーバーを用いて厚
さ1.5μmとなるように塗布形成した以外は同様にし
て熱転写リボンを作成した。
【0052】実施例7 実施例3においてインク層形成液を下記に変更した以外
は同様にして熱転写リボンを作成した。 (インク層形成液) 昇華性染料Yollow VP(三井東圧染料杜製) 35部 ポリビニルブチラール樹脂 10部 (積水化学工業杜製、商品名:BX−1) メチルアルコール 95部 ブチルアルコール 95部
【0053】実施例8 実施例3においてインク層形成液を下記に変更した以外
は同様にして熱転写リボンを作成した。 (インク層形成液) 昇華性染料Yellow VP(三井東圧染料社製) 20部 ポリビニルブチラール樹脂 10部 (積水化学工業社製、商品名:BX−1) アルキルスルホネート 0.1部 (竹本油脂社製、商品名:パイオニンA−32−B) メチルアルコール 95部 ブチルアルコール 95部
【0054】実施例9 実施例7において最上層形成液を下記に変更した以外は
同様にして熱転写リボンを作成した。 (最上層形成液) ポリビニルアルコール 8部 (クラレ社製、商品名:PVA505、水酸基数22.2〜23.2%、け ん価度72.5〜74.5mol%) エピクロロヒドリン 0.1部 アルキルスルホネート 0.1部 (竹本油脂社製、商品名:パイオニンA−32−B) メチルアルコール 50部 水 50部
【0055】比較例1 実施例1において、最上層形成液を下記に変更した以外
は同様にして熱転写リボンを作成した。 (最上層形成液) ポリビニルアルコール 8部 (クラレ社製、商品名:PVA105、水酸基数37.2〜37.9%、け ん価度98.0〜99.0mol%) メチルアルコール 20部 水 80部
【0056】比較例2 実施例1において、最上層形成液を下記に変更した以外
は同様にして熱転写リボンを作成した。 (最上層形成液) ポリビニルブチラール樹脂 8部 (積水化学工業社製、商品名:BX−1 水酸基数5.02%) エチルアルコール 80部 ブチルアルコール 20部
【0057】比較例3 実施例1において、最上層形成液を下記に変更した以外
は同様にして熱転写リボンを作成した。 (最上層形成液) ポリビニルブチラール樹脂 8部 (積水化学工業社製、商品名:BX−1 水酸基数5.02%) イソシアネート 0.5部 (武田薬品社製、商品名:スタフィロイドTDH703) エチルアルコール 80部 ブチルアルコール 20部
【0058】(評価方法)これら実施例1〜9及び比較
例1〜3で得られた熱転写リボンを下記の方法で評価し
た。
【0059】《逆転写濃度評価》以下の評価は実施例1
で作成した受像紙を用いて行なった。 まずあらかじめ、上記受像紙上に、比較例3において
昇華性染料をCyanVP(三井東圧染料社製)に変更
した以外はすべて同一の熱転写リボンを用い、解像度1
2ドット/mmのラインサーマルヘッドを有し、熱転写
リボンの搬送速度と受像紙の搬送速度がともに8.4m
m/秒となるように設定された熱転写プリンタを使用し
て、印加エネルギー0.64mJ/dot、印加電圧
0.16W/dotで図1に示すようなシアン色のブロ
ック状のパターンCを印字作成し、このときのシアン色
のブロック状パターンCの記録濃度cを反射型濃度計X
−Rite938にて測定した。 次に実施例1〜9および比較例1〜3の熱転写リボン
用い、上記パターンCを印字した受像紙上にと同様の
印加エネルギーおよび搬送速度でシアン色のブロック状
パターンC上にイエロー色Yを図2に示すようにベタ画
像印字で色重ねをし、このときのシアン色のブロック状
パターンCの記録濃度c‘を反射型濃度計XRite9
38にて測定した。
【0060】この結果、受像層表面のシアン染料が転写
リボンに逆転写することによって生じた濃度差c−c
‘を逆転写濃度として評価した(受像紙からの染料逆転
写による画像濃度の低下はc’−cに対応する)。その
評価結果を表1に示す。
【0061】《n倍モード記録法における尾引き評価》
以下の評価は実施例1で作成した受像紙を用いて行なっ
た。まずあらかじめ、上記受像紙上に、比較例3におい
て昇華性染料をMagenta VP(三井東圧染料社
製)に変更した以外はすべて同一の熱転写リボンを用
い、解像度12ドット/mmのラインサーマルヘッドを
有し、熱転写リボンの搬送速度が0.56mm/秒、受
像紙の搬送速度が8.lmm/秒とたるように設定され
た熱転写フリンタを使用して、印加エネルギー0.61
mJ/dot、印加電圧0.16W/dotで図3に示
すようなマゼンタ色のブロック状のパターンMを印字作
成し、マゼンタ色のブロック状のパターンMを有する受
像紙上に実施例1〜9及び比較例1〜3の昇華性染料を
Cyan VP(三井東圧染料社製)に変更した以外は
すべて同一の熱転写リボンを用い、熱転写リボンの搬送
速度が0.56mm/秒、受像紙の搬送速度が8.4m
m/秒となるように設定された熱転写プリンタを使用し
て、印加エネルギー0.64mJ/dot、印加電圧
0.16W/dotでシアン色のベタ画像C’を印字し
た(図4)。
【0062】この結果、受像層表面のマゼンタ染料が熱
転写リボンに逆転写し、再度受像層表面に転写すること
によって生じたマゼンタブロックMのエッジ部の拡大図
を図5に示す。ここで、尾引きOは熱転写リボンに逆転
写したマゼンタ染料がシアン色C’を印字した際に受像
紙に再転写された部分である、この尾引きの有無を目視
にて評価した。その評価結果を表1に示す。 ◎:全く尾引き無し ○:ほとんど尾引き無し △:若干尾引き有り ×:尾引き有り
【0063】《画像濃度および融着の評価》実施例1で
作成した受像紙上に実施例1〜9および比較例1〜3の
熱転写リボンを用いて、熱転写リボンの搬送速度が0.
56mm/秒、受像紙の搬送速度が8.4mm/秒とな
るように設定された熱転写プリンタを使用して、印加エ
ネルギー0.64mJ/dot、印加電圧0.16W/
dotで印字したときの記録濃度を反射型濃度計X−R
ite938で測定した。
【0064】またこの時、印字画像から融着度合いを目
視で評価した。その評価結果を表1に示す。 ○:融着無し △:部分的に融着有り ×:全面に融着有り
【0065】《再加熱による黒(BK)濃度及び画像保
存性》以下の評価は実施例1で作成した受像紙を用いて
行なった。まず、あらかじめ上記受像紙上に、実施例4
および比較例3において昇華性染料をYellow V
P(三井東圧染料社製)、Magenta VP(三井
東圧染料社製)、CYAN VP(三井東圧染料社製)
を用いた各色インク層上に、最上層を形成させて作成し
た熱転写リボンとインクを形成しない中間接着層上に最
上層を形成させて作成した再加熱用シートを用いて、解
像度12ドット/mmのラインサーマルヘッドを有し、
熱転写リボンの搬送速度と受像紙の搬送速度がともに
8.4mm/秒となるように設定された熱転写プリンタ
を使用して、印加エネルギー0.64mJ/dot、印
加電圧0.16W/dotにて、下記に示すの印
字順により全ベタ黒パターン画像を形成させ、この時の
濃度を反射型濃度計X−Rite938で測定した。 Y→M→C Y→M→C→再加熱 Y→再加熱→M→再加熱→C→再加熱
【0066】また、黒画像形成後の受紙を暗所で60
℃、100時間保存し、その後の濃度を測定して保存前
後の濃度差(初期画像濃度−保存後画像濃度)を保存安
定性として評価した(濃度変化が少ないほど画像保存性
け優れる)。その評価結果を表2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、最上層を水酸
基数(OH基)が10%以上であるバインダー樹脂で構
成することにより、染料逆転写による色重ね時の画像濃
度低下、ゴーストおよび尾引き発生が軽減され、かつ高
濃度の画像が得られる。
【0070】請求項2、3、4の発明によれば、最上層
がポリビニルアルコールであり、そのけん価度を90m
ol%以下、好ましくは85mol%以下、より好まし
くは75mol%以下にすることで、染料逆転写による
色重ね時の画像濃度低下、ゴーストおよび尾引き発生が
より軽減され、かつ高濃度の画像が得られる。
【0071】請求項5の発明によれば、最上層が水酸基
(OH基)を10%以上であるバインダー樹脂を架橋反
応させることにより、感度低下が少なくかつ融着および
スティッキングがない画像が得られる。
【0072】請求項6、10の発明によれば、昇華型熱
転写リボンの層構成内に可塑剤を添加することで、また
請求項9の発明によればインク層の染料濃度を樹脂に対
して3.5以上にすることで、染料逆転写による色重ね
時の画像濃度低下、ゴーストおよび尾引き軽減を損なわ
ず、より高い画像濃度を形成することができる。請求項
7、8の発明によれば、最上層の樹脂のけん価度のみな
らず膜厚の規定により、染料逆転写による色重ね時の画
像濃度低下、ゴーストおよび尾引き発生が軽減され、か
つ高濃度の画像が得られる。請求項11の発明によれ
ば、マルチ性が良好であり、かつランニングコストの低
減が可能となる。請求項12の発明によれば、染料逆転
写による色重ね時の画像濃度低下、ゴーストおよび尾引
き発生が軽減され、かつ保存性の優れた画像が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】受像面のシアン色ブロックの説明図である。
【図2】イエローを色重ねした状態の説明図である。
【図3】受像面のマゼンタ色ブロックの説明図である。
【図4】シアンを色重ねした状態の説明図である。
【図5】マゼンタ色のブロックの尾引き発生エッジ部を
拡大した模式図である。
【符号の説明】
C シアンのブロック画像 Y イエローのベタ画像 M マゼンタのブロック画像 C’ シアンのベタ画像 O 尾引き部
フロントページの続き (72)発明者 大嶋 亨 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山田 義昭 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 AA27 AA50 AA51 BA02 BA03 BA39 BA53 BA55 BA76 BA77 BA78

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に少なくとも1層の昇華性染料及
    びバインダー樹脂を主成分とするインク層を設け、さら
    にその上にバインダー樹脂を主成分とする最上層を設け
    た昇華型熱転写体において、該最上層に用いるバインダ
    ー樹脂の水酸基数(OH基)が10%以上であることを
    特徴とする昇華型熱転写リボン。
  2. 【請求項2】 前記最上層に用いるバインダー樹脂がポ
    リビニルアルコールであり、そのけん価度が90mol
    %以下であることを特徴とする請求項1記載の昇華型熱
    転写リボン。
  3. 【請求項3】 前記最上層に用いるバインダー樹脂がポ
    リビニルアルコールであり、そのけん価度が85mol
    %以下であることを特徴とする請求項1記載の昇華型熱
    転写リボン。
  4. 【請求項4】 前記最上層に用いるバインダー樹脂がポ
    リビニルアルコールであり、そのけん価度が75mol
    %以下であることを特徴とする請求項1記載の昇華型熱
    転写リボン。
  5. 【請求項5】 前記最上層に用いるバインダー樹脂の水
    酸基(OH基)を架橋反応させたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の昇華型熱転写リボン。
  6. 【請求項6】 前記最上層に可塑剤を添加したことを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の昇華型熱転写
    リボン。
  7. 【請求項7】 前記最上層がその厚み(μm)×バイン
    ダー樹脂のけん価度(mol%)≧80の条件を充たす
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の昇華
    型熱転写リボン。
  8. 【請求項8】 前記最上層の厚みが1.0μm以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の昇
    華型熱転写リボン。
  9. 【請求項9】 前記インク層における昇華性染料とバイ
    ンダー樹脂との割合が重量比で該バインダー樹脂1部に
    対して該昇華性染料3.5部以上であることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の昇華型熱転写リボ
    ン。
  10. 【請求項10】 前記インク層が可塑剤を含有したこと
    を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の昇華型熱
    転写リボン。
  11. 【請求項11】 前記インク層が上層に対して染料濃度
    が高い染料勾配および/または染料拡散係数が大きい染
    料拡散係数勾配を有することを特徴とする請求項1〜1
    0のいずれかに記載の昇華型熱転写リボン。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の昇
    華型熱転写リボンを用いて受像紙に画像形成した後、こ
    の受像紙の画像形成面に、基体上に新たに請求項1〜1
    1のいずれかに記載の最上層材料を塗工したシートの該
    塗工面を密着させ、該画像形成した受像紙を再加熱する
    ことを特徴とする熱転写記録方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載の昇
    華型熱転写リボンを用いて受像紙に画像形成するに際し
    て、該昇華型熱転写リボンの印字速度を該受像紙の搬送
    速度に対して相対速度1/n(n>1)にして記録を行
    うことを特徴とする熱転写記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013146877A (ja) * 2012-01-17 2013-08-01 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート及び熱転写シートを使用する画像形成方法
JP2013180521A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2013202846A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2020044654A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 凸版印刷株式会社 熱転写受像シート

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JP7192335B2 (ja) 2018-09-14 2022-12-20 凸版印刷株式会社 熱転写受像シート

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