JP2023011228A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な印字濃度と色再現性が得られると共に、染料層中での染料の凝集を抑えることで、凝集した染料のブリードアウトによる裏移り、裏裏移りなどにより地汚れの発生を抑制することができる熱転写シートを提供する。【解決手段】基材2の一方の面に耐熱滑性層3を有し、基材の他方の面に下引き層5と、昇華性染料、バインダー樹脂および溶剤を含有する熱転写性染料層4とを有し、該熱転写性染料層が少なくともシアン染料層を有し、該シアン染料層が、下記一般式(1)で示されるアントラキノン系化合物と、下記化学式(2)で示されるインドアニリン系化合物とを含有し、一般式(1)で示されるアントラキノン系化合物が全染料に対して固形分重量比で60%以下であり、かつ、シアン染料層中の残留溶剤量が20mg/m2以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は、昇華型転写記録方式のプリンタに使用される熱転写シートに関し、特に地汚れの発生を抑えることができる熱転写シートに関する。
熱転写シートはサーマルリボンとも呼ばれ、感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンである。一般に、熱転写シートは、基材の一方の面に熱転写層、他方の面に耐熱滑性層を設けて構成される。熱転写層は、熱転写性インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドが発生する熱によってインクが昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)され、被転写体に転写される。
昇華転写方式では、ポリエステルフィルム等の基材フィルムの一方の面に、イエロー、シアンおよびマゼンタの昇華性染料と適当なバインダー樹脂を用いた3色の熱転写インキで塗り分けたそれぞれの色相の染料層を形成した熱転写シートを使用するのが一般的である。画像形成は、この熱転写シートを、染料染着性のある熱転写受像シートに重ね、サーマルヘッドにより各色の染料層から熱転写受像シートの染料受容層に順次昇華移行させてフルカラー画像を形成する。またさらに、形成されたフルカラー画像上に、フルカラー画像を保護し、耐光性を向上させるために、熱転写性保護層を重畳転写することも行われる。
近年、昇華型プリンタは、小型化、低コスト、高速プリントが求められている。プリンタの印画速度の高速化が進むに従って、従来の感熱転写記録媒体では十分な印画濃度が得られないという問題が生じてきた。そこで転写感度を上げるべく、感熱転写記録媒体の薄膜化により印画における転写感度の向上を試みることが行われてきた。
また、感熱転写記録媒体の染料層における染料/樹脂の比率を大きくして、印画濃度を高めて色再現性の向上を試みることが行われているが、染料を増やすことでコストアップとなるばかりでなく、染料の凝集が起こりやすくなり、製造工程における巻き取り状態時に、感熱転写記録媒体の耐熱滑性層へ凝集した染料の一部が移行し(裏移り)、その後の巻き返し時に、その移行した染料が他の色の染料層、あるいは保護層に再転移し(裏裏移り)、この汚染された層を被転写体へ熱転写すると、指定された色と異なる色相になったりする、いわゆる地汚れが生じてしまう。
地汚れを防ぐ方法として、離型剤を染料層に導入することも提案されている。例えば、特許文献1には、少なくとも昇華性染料と、バインダー樹脂と、離型剤を含有する染料屑インキにおいて、該バインダー樹脂がポリビニルアセタール樹脂であり、該離型剤がポリシロキサンとアセタール樹脂との共重合体と、ポリエーテル変牲シリコーンであることを特徴とする染料層インキが提案されている。また、特許文献2では染料層にフッ素系界面活性剤を含有する感熱転写記録媒体が開示されている。
しかしながら、特許文献1、2に提案されている感熱転写記録媒体を用いて昨今の昇華転写方式の高速プリンタにて印画を行ったところ、十分な印字濃度が得られず、熱転写の際に剥離線や、異常転写が生じる等、十分に満足できる品質の印画物が得られなかった。
特開2007-84670号公報 特開平7-101166号公報
本発明は、十分な印字濃度と色再現性が得られると共に、染料層中での染料の凝集を抑えることで、凝集した染料のブリードアウトによる裏移り、裏裏移りなどにより地汚れの発生を抑制することができる昇華型の熱転写シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
基材の一方の面に耐熱滑性層を有し、前記基材の他方の面に下引き層と、昇華性染料、バインダー樹脂および溶剤を含有する熱転写性染料層とを有し、
該熱転写性染料層が少なくともシアン染料層を有し、
該シアン染料層が、下記一般式(1)で示されるアントラキノン系化合物と、下記化学式(2)で示されるインドアニリン系化合物とを含有し、
一般式(1)で示されるアントラキノン系化合物が全染料に対して固形分重量比で60%以下であり、かつ、前記シアン染料層中の残留溶剤量が20mg/m以下である、熱転写シートである。
Figure 2023011228000002
(式中、RおよびRは、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のシクロアルキル基、置換または非置換の複素環基、置換または非置換のアリール基、または、置換または非置換のアラルキル基を表す。)
Figure 2023011228000003
上記熱転写シートにおいて、
前記熱転写性染料中の昇華性染料とバインダー樹脂との割合が、バインダー樹脂100質量部に対して昇華性染料が100~150質量部であって良い。
上記熱転写シートにおいて、前記基材の一方の面に、少なくとも、イエロー染料層、マゼンタ染料層、前記シアン染料層および熱転写保護層が、面順次に繰り返し形成されていて良い。
本発明の熱転写シートによれば、十分な印画濃度と彩度が得られると共に、染料の凝集が起こりにくいので製造後のロール状態での保管時における耐熱滑性層への染料の転移を抑制でき、裏移り、裏裏移りがなく、熱転写時の印画面への地汚れの発生が防止できる。
本発明の熱転写シートの一形態の断面模式図。 複数色の染料層や熱転写保護層を設けた形態例の平面図。 複数色の染料層や熱転写保護層を設けたときの断面模式図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また以下に示す実施形態では、発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
本発明の熱転写シートの一形態としては、図1にその断面模式図を示した様に、熱転写シート1は、基材2の一方の面に、下引き層5と、熱により溶融、拡散または昇華移行する染料であるシアン色の熱昇華性染料を含有するシアン染料層4が少なくとも設けられ、基材2の他方の面には、熱転写記録する際の記録ヘッドであるサーマルヘッドとの滑り性を付与する耐熱滑性層3を設けた構成である。下引き層5は、基材2とシアン染料層4との密着性を高めるものである。
基材2は、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求される部材である。基材2の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、および、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類等を、単独で、または、組み合わされた複合体として使用可能である。
なお、基材2の材料としては、上記の材料中では、特に、物性面、加工性、コスト面等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、基材2の厚さは、操作性、加工性を考慮し、2μm以上50μm以下の範囲内とすることが可能である。しかしながら、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2μm以上9μm以下程度とすることが好ましい。
シアン染料層4は、基材2の一方の面(図1中では、上側の面)側に下引き層5を介して形成されている。また、シアン染料層4は、基本的な構成としては従来公知の構成として形成することが可能であり、例えば、熱昇華性染料、バインダー樹脂、溶剤等を配合して染料層形成用の塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。
このシアン染料層4の乾燥後の塗布量は、0.3g/m以上1.0g/m以下程度が適当である。ここで、シアン染料層4の乾燥後の乾燥後の塗布量とは、シアン染料層形成用の塗布液を塗布、乾燥した後に残った固形分量のことを指す。
シアン染料層4は、少なくとも一般式(1)で表されるアントラキノン系化合物を含有し、さらに化学式(2)で表されるインドアニリン系化合物を含有し、かつ、該アントラキノン系化合物が全染料に対して固形分重量比で60%以下であり、かつ、シアン染料層4の塗布、乾燥後の残留溶剤量が20mg/m以下である。
また、上記の比となる様に配合することで高い印画濃度と彩度のシアン染料層4とすることができる。また、シアン染料層4には必要に応じその他の染料を含有させることもできる。
なお、本発明の熱転写シートは、染料層をシアン一色の単一層で構成してもよく、また、図2に示す様に色相の異なる染料を含む複数色の染料層や熱転写保護層(OL)を、基材2の同一面上に順次繰り返し形成して構成した熱転写シート7とすることも可能である。この例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の昇華性染料層が設けられている。また、カーボンブラック等の顔料を色材としたいわゆる熱溶融型転写インキ層をさらに設けることもできる。
複数色の染料層を設ける場合、イエローの熱昇華性染料としては、例えば、ソルベントイエロー56,16,30,93,33、ディスパースイエロー201,231,33等を用いることが可能である。
また、マゼンタの熱昇華性染料としては、例えば、C.I.ディスパースバイオレット
31、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19等を用いることが可能である。
シアン染料層4(その他の色の染料層を設ける場合はそれも含む)のバインダー樹脂としては、従来公知の樹脂バインダーを用いることが可能であり、特に限定されるものではない。したがって、シアン染料層4に含まれる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂や、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂や、ポリエステル樹脂、スチレン-アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を用いることが可能である。
ここで、シアン染料層4(その他の色の染料層を設ける場合はそれも含む)の染料と樹脂との配合比率は、質量基準で、(染料)/(樹脂)=100/100以上150/100以下の範囲などとすることができる。これは、(染料)/(樹脂)の比率が100/100未満となると、染料が少な過ぎて発色感度が不十分となるおそれがあり、良好な熱転写画像が得られず、また、(染料)/(樹脂)の比率が150/100を越えると、樹脂に対する染料の溶解性が極端に低下するために、熱転写シートとなった際に、保存安定性が悪化して、染料が析出し易くなってしまうためである。また、シアン染料層4には、性能を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤が含まれていてもよい。
下引き層5は、基材2の一方の面(図1では、上側の面)に形成されている。すなわち、下引き層5は、基材2とシアン染料層4(その他の色の染料層を設ける場合はそれも含む)の間に形成される。また、下引き層5には、基材2、シアン染料層4との密着性、及び転写感度を向上させるための染料バリア性、さらには、通常溶剤系からなるシアン染料層4を下引き層5に積層させるため、耐溶剤性が求められる。一方で下引き層5は、シアン染料層4の色相角に影響を与えないものが選択される。
下引き層5を構成する樹脂としては、特に限定するものではないが、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン-アクリル共重合体系樹脂などが例示でき、これらを単独で、あるいは適宜組み合わせて用いることができる。
下引き層5の乾燥後の塗布量は、特に限定されるものではないが、0.05g/m以上0.30g/m以下の範囲内であることが好ましい。これは、下引き層5の乾燥後の塗布量が0.05g/m未満では、シアン染料層4の積層時における下引き層5の劣化により、高速印画時における転写感度が不足し、基材2またはシアン染料層4との密着性に問題を抱える不安があるためである。一方、下引き層5の乾燥後の塗布量が0.30g/mを超えても、熱転写シート1自体の感度はかわらず、印画濃度は飽和する。よってコスト面の観点から、下引き層5の乾燥後の塗布量は、0.30g/m以下であることが好ましい。
耐熱滑性層3は、基材2の他方の面(図1中では、下側の面)に形成されている。また、耐熱滑性層3は、従来公知のものを用いて形成することが可能であり、例えば、バインダー樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤等を配合して耐熱滑性層形成用の塗布液を調製し、塗布、乾燥して形成することが可能である。また、
耐熱滑性層3の乾燥後の塗布量は、0.1g/m以上2.0g/m以下程度が適当である。
耐熱滑性層3を構成するバインダー樹脂としては、特に限定するものではないが、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂およびこれらの変性体などが例示でき、これらを単独で、あるいは適宜組み合わせて用いることができる。
また熱転写シート1には、基材2と耐熱滑性層3の間に、必要に応じてさらに帯電防止層となるプライマ層(図示せず)を設けることもできる。
図3は、図2に示した複数色の染料層や熱転写保護層を設けた熱転写シートの断面模式図である。熱転写シート7は、基材2に複数色の染料層6が設けられ、さらに熱転写保護層(OL)が設けられており、この場合、下引き層5は複数色の染料層6の下層に設けられると共に、熱転写保護層(OL)の部分には設けられない。下引き層5は染料層との密着性を高めるために設けられるもので、層自体を転写する熱転写保護層(OL)の部分には不要である。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
<耐熱滑性層付き基材の作製>
基材として、4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、片面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.5g/mになる様に塗布し、100℃で1分間乾燥することで、耐熱滑性層付き基材を得た。
<耐熱滑性層塗布液>
シリコンアクリレート 100部
メチルエチルケトン 100部
(実施例1)
上述の耐熱滑性層付き基材の耐熱滑性層を塗布していない側の面に、下記組成の下引き層塗布液をグラビアコーティングにより、乾燥後の膜厚が0.2μmになる様に塗布し、100℃で2分間乾燥することで、下引き層を形成した。さらに、その下引き層の上に下記組成のシアン染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の膜厚が0.7μmとなる様に塗布し、90℃で1分乾燥することで、シアン染料層を形成し、実施例1のシアン色熱転写シートを得た。
<下引き層塗布液>
ポリビニルピロリドン 100部
純水 600部
イソプロピルアルコール 400部
<シアン染料層塗布液>
ポリビニルアセタール 100部
化学式(1)の染料 60部
化学式(2)の染料 40部
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3部
メチルエチルケトン 1500部
トルエン 1000部
Figure 2023011228000004
Figure 2023011228000005
(残留溶剤量)
上記のシアン色熱転写シートから10cm×10cmの試料を作成し、その残留溶剤を、ヘッドスペースガスクロマトグラフィ法(ガスクロマトグラフ質量分析計 Agilent 7980B+7697A(HSS)、Agilent Technologies製)により測定したところ、11.5g/mであった。
(実施例2)
シアン染料層塗布液において、塗布後の乾燥を80℃で1分乾燥した以外は実施例1と同様として、実施例2のシアン色熱転写シートを得た。実施例1と同様に乾燥後のシアン染料層の残留溶剤量を測定したところ、16.9g/mであった。
(実施例3)
シアン染料層塗布液において、化学式(1)の染料を30部、化学式(2)の染料を70部とした以外は実施例1と同様として、実施例3のシアン色熱転写シートを得た。実施例1と同様に乾燥後のシアン染料層の残留溶剤量を測定したところ、16.0g/mであった。
(比較例1)
シアン染料層塗布液において、化学式(1)の染料を100部、化学式(2)の染料を0部とした以外は実施例1と同様として、比較例1のシアン色熱転写シートを得た。実施例1と同様に乾燥後のシアン染料層の残留溶剤量を測定したところ、15.5g/mであった。
(比較例2)
シアン染料層塗布液において、化学式(1)の染料を80部、化学式(2)の染料を20部とした以外は実施例1と同様として、比較例2のシアン色熱転写シートを得た。実施例1と同様に乾燥後のシアン染料層の残留溶剤量を測定したところ、13.6g/mであった。
(比較例3)
シアン染料層塗布液において、塗布後の乾燥を70℃で1分乾燥した以外は実施例1と同様として、比較例3のシアン色熱転写シートを得た。実施例1と同様に乾燥後のシアン染料層の残留溶剤量を測定したところ、30.6g/mであった。
(比較例4)
シアン染料層塗布液において、化学式(1)の染料を0部、化学式(2)の染料を25部、下記化学式(3)の染料を75部とした以外は実施例1と同様として、比較例4のシアン色熱転写シートを得た。
Figure 2023011228000006
以上の各実施例および各比較例の内容をまとめて表1に示す。
(評価)
得られた熱転写シートについて、地汚れの起こりやすさを、その原因となる染料凝集物の数で評価した。
<染料凝集物の測定>
作製したシアン色熱転写シートを、50℃2日間エージングを実施。
その後、オリンパス社製光学顕微鏡BX51 顕微デジタルカメラDP72を用いて、染料凝集物の定量化を実施した。
得られた染料凝集物の個数から地汚れを下記の基準にて判定した。
〇:染料凝集物の個数が150個未満
×:染料凝集物の個数が150個以上
結果を表1にまとめる。
Figure 2023011228000007
表1に示す様に、本発明のシアン色熱転写シートの実施例1~3においては、いずれも地汚れがなく良好な特性を示した。一方、比較例1~3においては、いずれも染料凝集物の数が多く、地汚れの発生が予想された。また、比較例4においては、十分な印字濃度が得られず、十分に満足できる品質の印画物が得られなかったため、地汚れの評価ができず、評価対象外とした。
1、7・・・熱転写シート
2・・・基材
3・・・耐熱滑性層
4・・・シアン染料層
5・・・下引き層
6・・・複数色の染料層

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に耐熱滑性層を有し、前記基材の他方の面に下引き層と、昇華性染料、バインダー樹脂および溶剤を含有する熱転写性染料層とを有し、
    該熱転写性染料層が少なくともシアン染料層を有し、
    該シアン染料層が、下記一般式(1)で示されるアントラキノン系化合物と、下記化学式(2)で示されるインドアニリン系化合物とを含有し、
    前記一般式(1)で示されるアントラキノン系化合物が全染料に対して固形分重量比で60%以下であり、かつ、前記シアン染料層中の残留溶剤量が20mg/m以下である、熱転写シートである。
    Figure 2023011228000008
    (式中、R1およびRは、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のシクロアルキル基、置換または非置換の複素環基、置換または非置換のアリール基、または、置換または非置換のアラルキル基を表す。)
    Figure 2023011228000009
  2. 前記熱転写性染料中の昇華性染料とバインダー樹脂との割合が、バインダー樹脂100質量部に対して昇華性染料が100~150質量部であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記基材の一方の面に、少なくとも、イエロー染料層、マゼンタ染料層、前記シアン染料層および熱転写保護層が、面順次に繰り返し形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写シート。
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