JP2013146877A - 熱転写シート及び熱転写シートを使用する画像形成方法 - Google Patents

熱転写シート及び熱転写シートを使用する画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】昇華転写記録の熱転写シートにおいて、染料の転写効率が高く保存性もよい熱転写シートを得る。
【解決手段】基体2の上に、熱転写性染料とバインダー樹脂とを主成分とする染料層3を持つ熱転写シート11であって、バインダー樹脂は、フェノキシ樹脂からなり、染料層中の、バインダー樹脂重量1に対する熱転写性染料との重量比率が2.5〜3.5の範囲にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シート及び熱転写シートを使用する画像形成方法に関するものである。
電子画像のデータ信号をもとにサーマルヘッドを駆動して、専用の受像紙にカラー画像を形成する技術は、いわゆる昇華転写記録技術として知られている。昇華転写記録は古い技術で、現在販売されている形の熱転写シートの原理となる基本技術が出願されたのは1983年である(特許文献1)。
その原理は、熱転写性染料に分散染料を使用し、記録感度を上げるために染料をバインダー中に溶解状態に保持したものである。一方、分散染料は結晶状態が溶解状態よりも熱的に安定であるため、経時的に結晶化して析出する傾向にあり、分散染料の析出を防止するためのバインダーが必要であった。
バインダーに分散染料との親和性の高い樹脂を選択すると、結晶化と析出は防止できるのだが、印画加熱時には受像紙の受容層樹脂との間で染料の染着量が分配されるので、分散染料に親和性の高い熱転写シートの樹脂中に染料が多く残ることになり好ましくない。
しかしながら、分散染料との親和性が全くない樹脂では分散染料はすぐに析出してしまうので、いろいろな樹脂から、高いTgをもつポリビニルブチラール樹脂が選択され使用されるようになった。その後さらにTgの高いポリビニルアセタール樹脂が開発され、熱転写シートのバインダーとして今日にいたっている。
これまでに昇華転写記録技術はいろいろな技術の進歩があった。例えば、当時、昇華性染料は湯浴でポリエステル繊維を染色するための分散染料しかなく、その中から比較的昇華性の高い溶剤に溶解する染料を選択して使用していたが、現在では昇華転写記録技術専用に熱転写性染料が設計され、バインダーとの親和性についても考慮された染料が使用されている。
サーマルヘッドは、当時は感熱記録紙や溶融転写記録に使用されるものしかなく、昇華転写に必要な熱量を印加するには充分なものがなかったが、現在は高速で記録できる専用のサーマルヘッドがある。
また、被熱転写シートとしての受像シートも、記録感度を上げるために断熱層やクッション層を設けるなどの工夫がなされ、少ないエネルギーで昇華転写記録が可能になった。
使用環境についても、当初は家庭用のプリンターを想定しており、過酷な環境においても熱転写シートの性能が変化しないような仕様が採用されていたが、現在はプリントシール機やフォトルシオ(登録商標)出力端末のように業務用のプリンターの用途が主流となり、使用環境もある程度コントロールできる状況にあり、過酷な条件での保存性を前提としない熱転写シートの仕様を改めて見直してもよい状況にある。
業務用用途はコストダウンの要求も高く、染料の効率的な使用の観点からも、上記の技術の進歩を踏まえた最適な熱転写シートのバインダーについて見直す必要がでてきた。
特許文献2の実施例にはフェノキシ樹脂をバインダーとする熱転写シートが記載されている。
特公平7−29504号公報 特開平10‐181223号公報
染料の転写効率が高く保存性も良い熱転写シートを得ることを課題とする。
第1の発明は、基体の上に、熱転写性染料とバインダー樹脂とを主成分とする染料層を持つ熱転写シートであって、バインダー樹脂は、フェノキシ樹脂からなり、染料層中の、バインダー樹脂重量1に対する熱転写性染料の重量比率が2.5〜3.5の範囲にあることを特徴とする熱転写シートである。
第2の発明は、染料層の塗布量が、0.25〜0.35g/平方メートルであることを特徴とする、第1の発明に記載の熱転写シートである。
第3の発明は、熱転写シートの染料の塗布面と、昇華転写受像シートの受像層面を重ねあわせ、該熱転写シートと該昇華転写受像シートをサーマルヘッドとプラテンロールの間に挟んで圧力をかけながら移動させ、サーマルヘッドの発熱素子に画像信号に基くエネルギーを供給して、熱転写シートの背面から加熱して昇華転写受像シートに画像を記録する画像記録方法において、第1の発明または第2の発明のいずれか一の発明に記載される熱転写シートを使用して、1ラインの送り速度が1.0ミリ秒以下で印字することを特徴とする画像記録方法である。
染料の転写効率が高く保存性も良い熱転写シートが得られる。
昇華転写記録方法の模式図
特許文献1には、最高濃度を得るのに4.5ミリ秒の印字が必要であることが記載されている。また保存試験には、60℃で2ヶ月の促進試験をして問題を生じない熱転写シートが要求されていたことが記載されていた。なお、当時の入手可能なサーマルヘッドの解像度は150dpiであった。
現在稼動している業務用のプリンターの多くは、サーマルヘッドの解像度は300dpi、ドットサイズ80μ、1ドットに加える熱エネルギーは最大0.1mJ〜0.5mJである。サーマルヘッド1ラインに印加する電圧の最長時間は、0.7ミリ秒〜1.0ミリ秒である。また熱転写シートに対し、60℃での長期保存性は必要でなく、40℃での保存安定性で充分である。
<発明の実施態様>
上記印字条件、上記保存条件の範囲内で、高い記録濃度を得ることができて保存安定性も良好な本発明の第1の態様の熱転写シートは、基体の上に、熱転写性染料とバインダー樹脂とを主成分とする染料層を持つ熱転写シートであって、バインダー樹脂はフェノキシ樹脂からなり、染料層中の、バインダー樹脂重量1に対する熱転写性染料の重量比率が2.5〜3.5の範囲にあることを特徴とする熱転写シートである。
本発明の第2の態様は、染料層の塗布量が、0.25〜0.35g/平方メートルであることを特徴とする、第1の態様に記載の熱転写シートである。
本発明の第3の態様は、熱転写シートの染料の塗布面と、昇華転写受像シートの受像層面を重ねあわせ、該熱転写シートと該昇華転写受像シートをサーマルヘッドとプラテンロールの間に挟んで圧力をかけながら移動させ、サーマルヘッドの発熱素子に画像信号に基くエネルギーを供給して、熱転写シートの背面から加熱して昇華転写受像シートに画像を記録する画像記録方法において、第1の態様〜第2の態様のいずれか一の態様に記載される熱転写シートを使用して、1ラインの送り速度が1.0ミリ秒以下で印字することを特徴とする、画像記録方法である。
図1の昇華転写記録方法の模式図には、昇華転写受像シートとして、断熱層とクッション層を設けてあるが、本発明は必ずしもこの構造の昇華転写受像シートの使用に限定されるものではない。本発明の熱転写シートを使用して印字するには、昇華転写受像シートとして基体とその上に塗布された受容層が設けてあればよい。
昇華転写記録技術や周辺技術の進歩により、また温度環境変化に対する要求仕様が変化したことにより、染料の含有量が高い染料/バインダー比を検討するなかで、染料とバインダーの比率が特定の比率の場合に、染料バインダーとして、フェノキシ系樹脂が適していることを見出し、本発明に至ったものである。
フェノキシ樹脂はビスフェノール類とエピクロルヒドリンより合成される線状高分子であり、強靭で柔軟性がある。主鎖中に芳香環と水酸基とエーテル結合を持ち、昇華性染料はそれらの残基とは適度の親和性を備える一方、特に強い親和性を持つものでもない。また、エーテル結合を持つため柔軟性があり、ビスフェノール構造を持つため耐熱性も高いため、染料のバインダーとして適していることをみいだし、さらに染料の保存性も高い染料/バインダー比を見出して本発明に至ったものである。
<熱転写シートの構成>
以下、本発明の熱転写シートに使用できる材料について説明する。
(1)基体
インキを塗布する基体として、ポリエステルフィルムが好適である。本用途に適したポリエステルフィルムが製造されている。3.0μm、3.5μm、4.5μm、6.0μm、9.0μmなどの厚みのポリエステルフィルムが販売されており、適宜用途に応じて選択され使用されている。
(2)耐熱滑性層
昇華転写記録も溶融転写記録も、薄膜のポリエステルフィルムに熱転写性染料やワックスが塗布された転写フィルムをサーマルヘッドで加熱印字するので、サーマルヘッドと転写フィルムが熱で融着しないように、フィルム上に耐熱滑性層が設けられている。昇華転写記録は溶融転写記録よりも、高い熱量を必要とするため通常は以下のような設計思想のもとに製造されている。
耐熱滑性層は架橋性樹脂と添加剤からなり、高熱に耐えるための架橋性樹脂は、樹脂自体耐熱性の高いものを選択し、架橋度も高くする必要があり、ポリビニルブチラール樹脂と多官能イソシアネートの組み合わせが好んで利用される。耐熱滑性層は塗布後、巻き取りの状態で高温下で硬化させるため、通常はフィルムがくっついてしまうブロッキングの問題がある。添加するスリップ剤で問題を解決するのだが、ブロッキング防止性能以外にも、スリップ剤は染料層と接触しても染料をブリードさせない性能、サーマルヘッド加熱時に架橋性樹脂からしみ出して、スリップ性を与えてサーマルヘッドとの焼きつきを防止する性能、しかもカスを発生させないという性能が要求される。いろいろな添加剤のなかで、リン酸系の界面活性剤が好んで利用される。耐熱滑性層の好ましい厚みは0.1g/平方メートル〜2.0g/平方メートルである。さらに好ましい厚みは0.2g/平方メートル〜1.0g/平方メートルである。
(3)熱転写性染料
昇華転写記録に使用する熱転写性染料は、各社からいろいろな染料が開発されている。例えばシアン染料としては、例えば化合物1の構造の染料がある。
Figure 2013146877
マゼンタ染料としては、例えば化合物2の構造の染料がある。
Figure 2013146877
イエロー染料としては、例えば化合物3の構造の染料がある。
Figure 2013146877
上記のような本技術のために開発された染料以外にも、昔から使用されていて、現在も添加されて使用されている分散染料も存在する。熱転写シートにこれらの分散染料を添加すると、熱転写シートの保存安定性は分散染料の性能に依存する。つまり、開発された新規染料が析出する前に分散染料が析出する場合が多い。そのため、熱転写シートの保存試験は、開発された染料に加え分散染料も添加して試験する。
(4)染料バインダー
フェノキシ樹脂は、ビスフェノール類とエピクロルヒドリン類の反応より合成される高分子量ポリヒドロキシポリエーテル(熱可塑性樹脂)である。使用されるビスフェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールG、ビスフェノールM、ビスフェノールS、ビスフェノールP、ビスフェノールZ、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF、ビスフェノールBP、ビスフェノールPH、ビスフェノールТMC、9,9‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9‐ビス(4‐ヒドロキシ‐3‐メチルフェニル)フルオレンなどがある。
エピクロルヒドリン類及び類似物には、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、1,2‐エポキシ‐1‐メチル‐3‐クロルプロパン、1,2‐エポキシ‐1‐ブチル‐3‐クロルプロパンなどがある。
フェノキシ樹脂は1モルのエピクロルヒドリンに対し、約1モルの二価フェノールと、NaОHやKОHなどのアルカリを0.6モル〜1.5モル加えて、40℃前後の温度で混和させることにより得ることができる。重合体の好ましい分子量は1.5万〜4.5万であり、より好ましくは3.2万〜3.7万である。
またエピクロルヒドリンの代わりに反応性希釈剤として、ブチルグリシジルエーテルや高級脂肪酸グリシジルエステルなども改質剤として添加して使用することができる。
またフェノキシ樹脂中の水酸基に反応させて側鎖を導入することにより、改質することも可能である。反応させる物質としては、無水コハク酸や無水マレイン酸、あるいは無水トリメリット酸などの酸無水物によりエステル結合にてグラフトが可能である。あるいは脂肪酸類によるエステル化なども可能である。触媒としてトリエチレンジアミンなどを利用することができる。好ましいグラフト化率は、グラフト化される化合物にもよるが、10%〜50%が好ましく、特に25%〜30%が好ましい。
(5)染料層
従来の熱転写シートにおいて、染料層の好ましい厚さは0.8g/平方メートル〜1.2g/平方メートルであったが、染料の量がバインダーの量よりも少ないことによるためそのような厚みになっていた。
本発明の熱転写シートにおいては、染料層中のバインダー樹脂重量1に対する熱転写性染料の重量比率で2.0〜3.7の範囲が好ましく、さらに熱転写性染料の重量比率で2.5〜3.5の範囲が特に好ましい。
熱転写性染料とバインダーの好ましい比率が上記の範囲である本発明の熱転写シートの、好ましい塗布量の範囲は0.20g/平方メートル〜0.40g/平方メートルである。さらに、0.25g/平方メートル〜0.35g/平方メートルが特に好ましい。
<昇華転写受像シートの作製>
本発明の熱転写シートと組み合せて使用される昇華転写受像シートの作成方法を下記に説明する。
微細空隙層の39μm厚のミクロボイドフィルムの一方の面に、下記組成からなる接着剤層形成用インキを塗布し、乾燥させて接着剤層を形成した。次いで、コート紙(186g/平方メートル)の一方の面に裏面層を設けた支持体と、ミクロボイドフィルムとを、支持体の裏面層を設けた側と反対側の面と接着剤層とが重なるように貼り合わせた。
接着剤層形成用インキ:
多官能ポリオール「タケラック(登録商標)A−969V」 30.0重量部
(三井化学株式会社製)
イソシアネート「タケネート(登録商標)A−5」 10.0重量部
(三井化学株式会社製)
酢酸エチル 60.0重量部
続いて、ミクロボイドフィルムの接着剤層を設けた面とは反対側の面に、下記組成のプライマー層形成用インキを、乾燥塗布量が2.0g/平方メートルとなるようにワイヤーバーコーティングにより塗布し、乾燥させてプライマー層を形成した。
プライマー層形成用インキ:
ポリエステルポリオール「アドコート(登録商標) 」 15.0重量部
(東洋モートン株式会社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比2:1) 85.0重量部
形成したプライマー層上に、下記組成からなる染料受容層形成用インキを、乾燥塗布量が4.0g/平方メートルとなるようにワイヤーバーコーティングにより塗布し、乾燥させて染料受容層を形成することにより、昇華転写受像シート1を得た。
染料受容層形成用インキ:
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 20.0重量部
(塩化ビニル/酢酸ビニル=87/13、数平均分子量31,000、
ガラス転移温度70℃)「ソルバインC(登録商標)日信化学工業株式会社製」
カルボキシル変性シリコーン 1.0重量部
(X−22−3701E、信越化学工業株式会社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1) 79.0重量部
<熱転写シートの評価方法>
(1)染料転写効率の評価方法
熱転写シートと、上記方法で得た昇華転写受像シート1を使用して、評価用プリンター(解像度300dpi、ヘッド抵抗値5300Ω、印加電圧:25.5V、印画ライン速度:1.0ms/Line、パルスデューティー85%)にて、所定の色のベタ印画物を作成する。印画物の255階調の最高濃度で評価する(=階調値が255/255)の印画物を作成し、染料の抜けた熱転写シートを得た。
印画に使用した熱転写シートと、未使用の熱転写シートを5cm×5cmに切断し、トルエン/メチルエチルケトンの1対1溶媒で染料を抽出し、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製LC‐2010HТ)を用いて染料含有量を測定した。
得られた染料含有量から、下記の数式1によって転写効率を計算した。
転写効率が高いほど染料が有効に利用されている。
Figure 2013146877
(2)熱転写シートの保存性評価方法
下記の熱転写シートと、先の方法で作成した昇華転写受像シート1を使用し、DNPフォトルシオ社製プリンターDS40にて、白ベタパターン(=階調値が0/255)の印画物を作成した。
一方、下記の未印字の熱転写シートを40℃90%に100時間保存し、上記と同様に白ベタパターンの印画物を作成した。
得られた印画物をX−Lite社製の色彩色差計(Spectrolino)を使用して、印画物のL*a*b*値を測定した。
下記の数式2で保存試験をした熱転写シートを使用した印画物と、保存試験をしていない熱転写シートを使用した印画物の色差(ΔE)を計算し、その値を保存性の評価とした。
色差が小さいほど保存性がよいと判断した。
Figure 2013146877
<熱転写シートの作製>
耐熱滑性層を設けた4.5μm厚のポリエステルフィルムの、耐熱滑性層の反対の面に下記組成の染料層を塗布、乾燥した。上記転写効率の評価方法と保存性の評価方法で各転写フィルムを評価した。必要に応じ染料層を塗布する前にプライマー処理してもよい。
すべての実施例と比較例に以下の組成の染料インキを使用した。
染料インキ組成
化合物4の染料 2.0重量部
化合物5(ディスパースレッド60) 2.0重量部
化合物6(ディスパースバイオレット26) 3.0重量部
バインダー樹脂 2.8重量部
トルエン/メチルエチルケトン(1対1混合溶媒) 100重量部
上記のインキ組成は、染料とバインダーの重量比が2.5対1の時の組成である。染料とバインダーの重量比が違うインキを作るときは、バインダー樹脂の量と混合溶媒の量を適宜増減させて、所定の重量比にインキを作成して使用した。
Figure 2013146877
Figure 2013146877
Figure 2013146877
バインダー樹脂は、フェノキシ樹脂を検討して、例えば下記のフェノキシ樹脂を使用した。比較としてポリビニルアセタール樹脂を使用した。

フェノキシ樹脂1、旧ユニオンカーバイド社製、型番PKHC
フェノキシ樹脂2、旧ユニオンカーバイド社製、型番PKHM‐30
ポリビニルアセタール樹脂、積水化学工業株式会社製、エスレックKS−10
フェノキシ樹脂1の構造単位を化合物7に示す。両末端構造は記載していない。フェノキシ樹脂2はフェノキシ樹脂1のグラフト化物である。グラフト化された単位構造を化合物8に示す。同様に両末端構造は記載していない。フェノキシ樹脂2は化合物7の単位構造が70%、化合物8のグラフトされた単位構造が30%のグラフト化ポリマーであると言われている。
Figure 2013146877
Figure 2013146877
表1の実施例1、実施例2、比較例1は、フェノキシ樹脂1、フェノキシ樹脂2、ポリビニルアセタール樹脂をバインダーとする試験結果を示す。フェノキシ樹脂をバインダーにする熱転写シートは良好な保存性を示し、ポリビニルアセタール樹脂をバインダーとした熱転写シートより保存性は良好である。
全ての染料とバインダーの比率は2.5対1、染料層の乾燥塗布量は0.35g/平方メートル。
Figure 2013146877
表2は、フェノキシ樹脂2をバインダーとして、塗布量を変化させた実施例3、実施例2、実施例4、比較例2の結果である。全て、染料とバインダーの比率は2.5対1である。染料層の塗布量が増加すると、保存性は改善されるが転写効率は低下する。染料層の塗布量が0.40g/平方メートルになると転写効率は70%程度となる。染料層の塗布量が0.20g/平方メートルになると転写効率は上がるが保存性は低下する
Figure 2013146877
表3は、フェノキシ樹脂2をバインダーとして、染料とバインダーの比率を変化させた試験結果の実施例2、実施例5、比較例3を示す。染料層の塗布量は0.35g/平方メートルである。染料とバインダーの比率を2.0にすると保存性は改善するが、転写効率は低下する。染料とバインダーの比率を4.0にすると染料が析出してしまった。
Figure 2013146877
実施例2の熱転写シートを、先の方法で作成した昇華転写受像シート1を使用し、DNPフォトルシオ社製プリンターDS40にて階調パターンをプリントした。最高濃度は2.05であった。濃度計は、日本電色工業株式会社製デンシトメーターND‐11を使用した。1ラインの送り速度は1ミリ秒である。
実施例5の熱転写シートを、先の方法で作成した昇華転写受像シート1を使用し、DNPフォトルシオ社製プリンターDS40にて階調パターンをプリントした。最高濃度は2.10であった。1ラインの送り速度は1ミリ秒である。
実施例3の熱転写シートを、先の方法で作成した昇華転写受像シート1を使用し、DNPフォトルシオ社製プリンターDS40にて階調パターンをプリントした。最高濃度は2.01であった。1ラインの送り速度は1ミリ秒である。
比較例2の熱転写シートを、先の方法で作成した昇華転写受像シート1を使用し、DNPフォトルシオ社製プリンターDS40にて階調パターンをプリントした。最高濃度は1.88であり、2.00以下となった。1ラインの送り速度は1ミリ秒である。
特許文献1に記載されている実施例7は、染料とバインダーの比率は1対1.76であり、染料層の塗布量は1.0g/平方メートルであり、1平方メートルあたりの染料の量は0.36g/平方メートルである。本発明の実施例2の染料の量は、0.25g/平方メートルであり染料の使用量も少なくても高い記録濃度が得られていることがわかる。
本発明の構成の熱転写シートは保存性が良好で、染料の転写効率がよく熱転写性染料の使用量を低下させても高い印字濃度を与えることができ、高速で記録できるので産業上の広い用途で使用することができる。
1:耐熱滑性層
2:基体(フィルム)
3:染料層
4:受容層
5:クッション層
6:断熱層
7:基体
11:熱転写シート
12:昇華転写受像シート
21:サーマルヘッド
22:プラテンロール

Claims (3)

  1. 基体の上に、熱転写性染料とバインダー樹脂とを主成分とする染料層を持つ熱転写シートであって、
    バインダー樹脂は、フェノキシ樹脂からなり、
    染料層中の、バインダー樹脂重量1に対する熱転写性染料の重量比率が2.5〜3.5の範囲にあることを特徴とする熱転写シート。
  2. 染料層の塗布量が、0.25〜0.35g/平方メートルであることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 熱転写シートの染料の塗布面と、昇華転写受像シートの受容層面を重ねあわせ、該熱転写シートと該昇華転写受像シートをサーマルヘッドとプラテンロールの間に挟んで圧力をかけながら移動させ、サーマルヘッドの発熱素子に画像信号に基くエネルギーを供給して、熱転写シートの背面から加熱して昇華転写受像シートに画像を記録する画像記録方法において、
    請求項1〜請求項2のいずれか1項に記載される熱転写シートを使用して、1ラインの送り速度が1.0ミリ秒以下で印字することを特徴とする画像記録方法。
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