JPH0564981A - 昇華型熱転写体 - Google Patents

昇華型熱転写体

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JPH0564981A
JPH0564981A JP3117889A JP11788991A JPH0564981A JP H0564981 A JPH0564981 A JP H0564981A JP 3117889 A JP3117889 A JP 3117889A JP 11788991 A JP11788991 A JP 11788991A JP H0564981 A JPH0564981 A JP H0564981A
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dye
layer
resin
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thermal transfer
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JP3117889A
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Hidehiro Mochizuki
秀洋 望月
Masaru Shimada
勝 島田
Yutaka Ariga
ゆたか 有賀
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数回繰返し使用ができ、感度が良好で、か
つ、染料の逆転写による色重ね時のゴースト、尾引き発
生のない昇華型熱転写体を提供すること。 【構成】 基体上に、基体側から順に、昇華性染料を有
機結着剤中に分散させてなる染料供給層、染料転写寄与
層を積層し、染料転写寄与層の有機結着剤が有機溶剤に
可溶な低染着性樹脂である昇華型熱転写体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華型熱転写体、特に
多数回記録用昇華型熱転写体である。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラープリンターの需要が年
々増加し、このフルカラープリンターの記録方法として
電子写真法、インクジェット法、感熱転写法などがある
が、この中で保守が容易、騒音が無いなどにより感熱転
写法が多く用いられている。
【0003】この感熱転写法は基体上に、熱熔融性物質
中に着色剤を分散するか、又は樹脂結着剤中に昇華性染
料を分散したインク層を設けてなる熱転写記録媒体(い
わゆるカラーインクシート)のインク層面に受像シート
を重ね、記録媒体側から、レーザーやサーマルヘッド等
の電気信号により制御された熱エネルギーを印加してそ
の部分のインクを受像シート上に熱溶融転写または昇華
移行させて画像形成する方法である。
【0004】そしてこの感熱転写記録法は使用される記
録媒体の種類によって熱溶融転写型と昇華転写型とに大
別されるが、特に後者は原理的にサーマルヘッド等から
の熱エネルギーに対応して染料が単分子状で転写するた
め容易に中間調が得られ、かつ随意に階調を調節するこ
とが可能である利点を有し、フルカラープリンターに最
も適した方法と考えられる。
【0005】但し、この昇華型熱転写記録法は、1枚の
フルカラー画像を得るのに、イエロー、マゼンタ、シア
ン、(ブラック)のインクシートを各1枚使用してイン
クシート毎に選択的な熱印字を行い、その後、未使用部
が残っても破棄するため、ランニングコストが高いとい
う欠点を有している。
【0006】そこでこの欠点を改善するために、近年は
同−インクシートを繰返し使用して多数回印字記録する
方法が行われている。具体的にはインクシートと受像シ
ートとを等速で走行させた状態で繰返し印字する等速モ
ード法、及び受像シートの速度をインクシートの速度の
n倍(n>1)にして両シートを走行させた状態で繰返
し印字するn倍モード法の2つの方法である。
【0007】後者のn倍モード法はインク層の前の回の
使用部分と後の回の使用部分との重なりを少しづつずら
しながら送る相対速度方式によって多数回印字を行うも
のである。なおn倍モード法ではn値が大きいほど、コ
スト的に有利であることは勿論である。このようなn倍
モード法による多数回記録法は印字の都度、インク層の
未使用部分の一部が必ず供給されるため、使用部分の単
なる繰返し使用にすぎない等速モード法による多数回記
録法に比べて記録履歴による残存インク量のバラツキを
小さくできるという利点がある(電子情報通信学会論文
誌Cvol J70−C,No.11,1537〜15
44頁、1987年11月)。
【0008】しかし、これら等速およびn倍モードの多
数回記録の場合、受像層からインク層への染料の逆転写
により色濁りが生じたり、ゴーストが生じ、鮮明な画像
が得られない場合があり、改良すべき余地が残されてお
り、本発明はこの問題点を改良したものである。
【0009】すなわち、昇華性染料を用いた熱転写記録
方式は、昇華性染料のインク層から受像層への熱拡散で
あり、両者はサーマルヘッドとプラテンローラー間の押
圧力により密着している。
【0010】ここで、フルカラー形成時、2次色、3次
色を形成する場合、先に受像層に転写した染料が、2次
色、3次色形成時受像層からインク層に逆戻りする(こ
れを逆転写と呼ぶ)。この逆転写した染料を含むインク
層は、ワンタイム使用法では、その後捨てられ問題は生
じないが、多数回インク層を使用する場合、次の記録時
受像層へ転写し、色濁りや前の絵柄パターンのゴースト
として次の記録に影響を与える。この悪影響は目視上、
色記録順序を変えることにより軽減できるが、その効果
は不充分である。
【0011】特開昭61−293891等に開示されて
いる技術では、各色を別の透明受像層に形成し、これら
を重ね合せることによってフルカラーを形成するため、
逆転写は生じないものの、従来と異なり、特別な受像紙
(層)が必要であり、さらに、受像紙を3枚用いてフル
カラーを形成することから受像紙全体が厚く、さらにコ
スト高となる。
【0012】又、3枚を重ねる場合、微少の位置ずれに
より、画像のぼやけを生じさせ、画像の劣化の危険性を
有している。特開平2−2077には色素濃度の大きい
層と色素濃度の小さい層を積層した昇華型熱転写媒体が
開示されている。しかし、これも上層を水系塗液とする
ため、水にほとんど不溶の昇華性染料を上層に含有する
ことができず、感度低下が大きいのが欠点である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はマルチ性及び
感度が良好で、かつ、染料逆転写による色重ね時のゴー
スト、尾引き発生のない昇華型熱転写体を提供しようと
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載のとおりの昇
華型熱転写体である。以下このような構成に基づく作用
について説明する。
【0015】(1)含有する染料濃度の高い染料供給層
と染料濃度が小さい染料転写寄与層との二層構成をとる
ことによって、画像形成のために染料転写寄与層から消
費された量に相当する染料が染料供給層から補給される
ので熱転写体のマルチ性が向上する。
【0016】(2)染料供給層中に未溶解粒子状染料を
含有させることにより、 (i) 転写寄与層形成用インクに有機溶剤を用いても、染
料供給層から転写寄与層へ流出する染料量を軽減でき、
両層間に濃度勾配を設けられる。 (ii)染料供給層中の染料濃度(分子分散状染料量)を一
定に保つことができ、マルチ性が向上する。
【0017】つまり染料濃度とは層中の分子分散状染料
量で決まり、染料供給層中の分子分散状染料の転写寄与
層への供給による減少分は染料供給層中の未溶解染料か
ら分子状として放出供給される。
【0018】(3)上層中の染料を有機溶剤系染料とす
ることにより、水と異なり、かなりの量の染料を溶解す
ることができ、結果的に上層中に分子分散状の染料を存
在せしめることができ、染料濃度低下、感度低下を防止
することができる。
【0019】(4)染料転写寄与層の有機結着剤が低染
着性樹脂であるために色重ね時、受像層表面上に存在す
る染料がインク層表面に逆転写することがほとんどな
く、その結果、逆転写による色にごり、ゴースト、尾引
き等による画質低下が生じない。
【0020】上記ゴーストとは、n回(等速モード法)
では前の濃いパターンがゴーストとして認識されること
である。又、尾引きとはn倍(速度差モード)では連続
してリボンを使用することから、前の色の濃いパターン
のエッジ部が尾引き(ぼけ)として認識されることであ
る。
【0021】染料供給層から転写起用層に昇華性染料が
拡散供給されやすくするための手段としては、I.染料濃
度に関して、染料供給層>転写寄与層の関係とさせるこ
と、及び/又はII. それぞれの層中における拡散係数に
関して、染料供給層>転写寄与層の関係とさせる手段が
ある。更に上記IIに関して拡散係数を操作する具体的方
法としては例えば、酒井豊子他繊維学会誌Vol.3
0,No.12(1974);黒木宣彦著「染色理論化
学」槙書店発行p.503〜;第1回ノンインパクトプ
リンティング技術シンポジューム論文集3−5等で紹介
されている。これらを参考にし、上記IIの手段を実現さ
せる具体的方法としては例えば、
【0022】(1)拡散係数は、染料−有機結着剤間の
水素結合等による染料拡散に対するエネルギー的抑制効
果により影響されるので、転写寄与層の結着剤として、
昇華性染料と水素結合し易い陽子供給性基又は陽子受容
性基を多く有する有機高分子材料を用いる方法、
【0023】(2)拡散係数は、染料を分散している有
機結合剤のガラス転移又は軟化温度依存性があり、本プ
ロセスにおける印字中の層の昇温特性よりガラス転移ま
たは軟化温度が低い方が拡散係数が大となり、従って染
料供給層の有機結着剤として、転写寄与層のそれより低
ガラス転移温度または低軟化温度の物質を用いる方法、
【0024】(3)染料供給層中の少なくとも一種の有
機結着剤と相溶性を有し、且つ転写寄与層中の全ての有
機結着剤と非相溶性である可塑剤を染料供給層中に含有
させる方法、
【0025】(4)上記(1)、(2)及び(3)の方
法を適当に組合せて行う方法、等が挙げられるが、上記
拡散係数の関係が満足されれば、これらの方法に限らな
いことは、言うまでもない。
【0026】本発明における染料供給層および転写寄与
層の材料処方設計をする上で、上記I及び/又はIIの手
段が有用であり、これらの効果により意図した改善が実
現しているか否かを確認する簡単な方法として、染料供
給層及び転写寄与層の各処方にて同一付着量を基体上に
単独層として形成し、各々をそれぞれ別々の受像層と重
ね合わせ、一定の昇華温度を印加したとき、昇華転写量
が染料供給層>転写層の関係になるような各層を選択す
る方法がある。
【0027】次に転写寄与層の厚さは、一般的には0.
05〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。また
染料供給層の厚さは一般的には0.1〜20μm、好ま
しくは0.5〜10μmである。
【0028】又、本発明の転写寄与層及び染料供給層に
使用される昇華性染料、結着剤等は公知のものが使用で
きる。
【0029】昇華性染料としては60℃以上で昇華ある
いは気化する染料であり、主に分散染料、油溶性染料な
ど熱転写捺染で使用されるものであれば良く、例えば
C.I.ディスパースイエローの1,3,8,9,1
6,41,54,60,77,116など、C.I.デ
ィスパースレッドの1,4,6,11,15,17,5
5,59,60,73,83など、C.I.ディスパー
スブルーの3,14,19,26,56,60,64,
72,99,108など、C.I.ソルベントイエロー
の77,116など、C.I.ソルベントレッドの2
3,25,27などC.I.ソルベントブルーの36,
83,105などが挙げられ、これらの染料の一種で使
用可能であるが、数種混合しても使用可能である。
【0030】染料転写寄与層及び染料供給層に使用され
る結着剤には熱可塑性又は熱硬化性樹脂が用いられ、そ
のうち比較的高ガラス転移点又は高軟化性を有する樹脂
としては、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリス
チレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリ
コーン樹脂、フッ素樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹
脂、天然ゴム、合成ゴム、セルロース樹脂等が挙げられ
る。これらの樹脂は一種で使用できるが、数種を混合す
るか、更に共重合体を使用してもよい。
【0031】更に染料転写寄与層と染料供給層との間に
おいてガラス転移又は軟化温度に対し差をつける場合、
ガラス転移温度0℃以下、又は軟化温度60℃以下の樹
脂又は天然、合成ゴムが好ましく、具体的には、シンジ
オタクチック1,2−ポリブタジエン(市販品としてJ
SR RB810,820,830日本合成ゴム);酸
又は非酸性酸を含むオレフィンコポリマー及びターポリ
マー(市販品としてデクソンXEA−7、デクソンケミ
カル);エチレン−酢ビコポリマー(市販品として40
0&400A、405,430、アライド・ファイバー
ズ&プラスチックス;P−3307(EV150)、P
−2807(EV250)、三井・デュポンポリケミカ
ル);低分子量ポリオレフィン系ポリオール及びその誘
導体(市販名としてポリテールH、HE三菱化成工
業);臭素化エポキシ樹脂(YDB−340,400,
500,600東都化学);ノボラック型エポキシ樹脂
(YDCN−701,702,703東部化学);熱可
塑性アクリルソルーション(ダイヤナールLR107
5,1080,1081,1082,1063,107
9三菱レイヨン);熱可塑性アクリルエマルジョン(L
X−400,LX−450、三菱レイヨン);ポリエチ
レンオキサイド(アルコックスE−30,45、アルコ
ックスR−150,400,1000明成化学工業);
カプロラクトンポリオール(プラクセルH−1,4,
7、ダイセル化学工業);などが好ましく、特に、ポリ
エチレンオキサイド、ポリカプロラクトンポリオールが
実用上有用であり、又先に記した、熱可塑性又は熱硬化
樹脂と上記1種又は数種と混合した形で用いるのが好ま
しい。
【0032】転写寄与層の染料濃度は通常5〜80%、
好ましくは、10〜60%程度である。
【0033】又、染料供給層の染料濃度については、5
〜80%の染料濃度が好ましいが、染料転写寄与層と染
料供給層との間に染料濃度勾配をつける場合、染料転写
寄与層の染料濃度に対し、1.1〜5倍、好ましくは
1.5〜3倍が望ましい。
【0034】染料の供給を長時間安定に継続し、印字特
性を良好に保つために、染料供給層は少なくとも未溶解
粒子状の昇華性染料を含んでいるのが好ましい。ここ
で、未溶解粒子状染料とは、インク層形成時インク(有
機結着剤+昇華性染料+溶剤)を塗布乾燥後、有機結着
剤に溶けきれず、粒子状として析出する染料を意味し、
同一の結着剤及び染料でも溶剤により未溶解粒子状染料
の存在状況が異なる。未溶解粒子状染料の存在の有無は
染料供給層形成後、電子顕微鏡により容易に識別でき
る。未溶解粒子状染料の粒径は、染料供給層の層厚によ
って異なるが、0.01μm〜20μm、好ましくは
1.0μm〜5μmである。
【0035】又、染料転写寄与層中での染料状態は、実
際に転写に寄与する単分子状で分散していることが、転
写濃度ムラ発生防止や、染料供給層と染料転写寄与層と
の間の染料濃度勾配を安定に保つことから望ましい。
【0036】又、基体シートとしてはコンデンサーペー
パー、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、
ポリサルホンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミ
ドフィルム等のフィルムが使用され、基体シートと染料
供給層との間には必要に応じて従来慣用の接着層等を設
けても良く、又、基体シートの裏面には必要に応じて従
来慣用の耐熱性潤滑層を設けても良い。
【0037】今まで染料層を2層に分けた例について述
べてきたが、適切な染料転写量の差を生じさせ、本発明
が意図する機能分離ができれば染料層を2層以上の多層
にすることも可能である。
【0038】以上の説明は感熱ヘッドを用いての記録方
法により説明したが、本発明の転写媒体は、記録熱エネ
ルギーを感熱ヘッド以外の方法によって付与する記録方
法、例えば、熱印版、レーザー光、あるいは支持体等媒
体中で発生するジュール熱による方法に対しても用いる
ことができる。このうち、媒体中で発生するジュール熱
を用いる、いわゆる通電感熱転写法が最も良く知られ、
例えばUSP4,103,066、特開昭57−140
60、特開昭57−11080、あるいは特開昭59−
9096等の多くの文献に記載されている。
【0039】この通電転写法に用いる場合には支持体と
して比較的耐熱性の良いポリエステル、ポリカーボネー
ト、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイミド、
芳香族ポリアミド等の樹脂に、アルミニウム、銅、鉄、
錫、亜鉛、ニッケル、モリブテン、銀などの金属粉及び
/又はカーボンブラック等の導電性粉末を分散させて抵
抗値を絶縁体と良導体との中間に調整した支持体、また
これらの支持体に前述のような導電性金属を蒸着または
スパッタリングさせた支持体を用いれば良い。これらの
支持体の厚さはジュール熱の伝導効率を考慮すると、2
〜15ミクロン程度であることが望ましい。
【0040】また、レーザー光転写法に用いる場合に
は、支持体としてレーザー光を吸収し、発熱する材質を
選べば良い。例えば従来の熱転写用フィルムにカーボン
等の光吸収変換材を含有させるか、又は吸収層を支持体
の表、裏面に形成したものが使用される。
【0041】また、寄与層に用いられる低染着性樹脂
は、対象の樹脂を受像層用樹脂として評価し、記録濃度
の低い樹脂が上記薄層用樹脂として適することとなる。
具体的には以下の方法で評価した。
【0042】基体ベースとして合成紙ユポFPG#95
(王子油化製)上に揮発性溶媒中に5〜20wt%溶解
した各検討樹脂溶液に樹脂固形分の30wt%の変性シ
リコーンオイルSF8411/SF8427=1/1
(東レシリコーン製)を含む液を乾燥膜厚10μmとな
るよう70℃、1分間乾燥後室温で1日以上乾燥する。
【0043】次に以上で形成した受像層に三菱カラービ
デオコピープロセッサSCT−CP200用カラーシー
ト、シアン色のリボンと重ね合わせ、解像度6ドット/
mm、平均抵抗542ΩのサーマルヘッドKMT−85
−6MPD4(京セラ製)を用い2.00mj/ドット
で記録し、この記録濃度を反射型濃度計RD−918で
評価した結果、記録濃度1.2以下、好ましくは1.0
以下を非染着性又は低染着性樹脂として採用する。
【0044】以上の評価結果、薄層用樹脂として好まし
い樹脂として、芳香族ポリエステル樹脂、スチレンブタ
ジエン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂さら
に、とくに望ましい樹脂としてメタアクリレート樹脂又
は共重合体、スチレン−マレイン酸エステル樹脂又エス
テル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、iso
−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、ter−ブ
チル、n−アミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、ア
リル、ベンジル、フェニル等が挙げられ、さらにポリイ
ミド樹脂、アセテート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン
アクリルニトリル樹脂、ポリサルフォン樹脂等が挙げら
れる。
【0045】又、本転写体を速度差モード法において使
用する場合、走行不良を改善する目的から寄与層中に以
下の滑性物質を含有させてもよい。
【0046】寄与層に含有させる滑性もしくは離型性を
有する物質(滑性物質)の例としては、例えば流動パラ
フィン等の石油系潤滑油、ハロゲン化水素、ジエステル
油、シリコーン油、フッ素シリコーン油等合成潤滑油、
各種変性シリコーン油(エポキシ変性、アミノ変性、ア
ルキル変性、ポリエーテル変性等)、ポリオキシアルキ
レングリコール等の有機化合物とシリコーンの共重合体
等のシリコーン系潤滑性物質、フルオロアルキル化合物
等各種フッ素系界面活性剤、三フッ化塩化エチレン低重
合物等のフッ素系潤滑性物質、パラフィンワックス、ポ
リエチレンワックス等のワックス類、高級脂肪酸、高級
脂肪族アルコール、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エス
テル、高級脂肪酸塩、及び前記の滑性もしくは熱離型性
を有する粒子として挙げた各種粒子等がある。
【0047】滑性もしくは離型性を有する物質の寄与層
中の含有量は5〜30重量%が好ましい。前記含有量が
5%未満では離型性又は融着防止効果が不十分であり、
一方、30%を越えると、感度及び保存性が低下する。
以下、実施例によって、本発明を具体的に説明する。な
お、実施例に記載の各成分の量(部)は重量部である。
【0048】
【実施例】 (接着層の処方) ポリビニルブチラール樹脂BX−1[積水化学工業(株)製] 10部 ジイソシアネート コロネートL[日本ポリウレタン工業(株)製] 5部 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部 を基体上に1μm厚で塗布し次に
【0049】 (染料供給層の処方) ポリビニルブチラール樹脂BX−1 7部 ポリエチレンオキサイド アルコックスR−400 [明成化学工業(株)製] 3部 昇華性染料 カヤセットブルー714[日本化薬(株)製] 30部 イソシアネート コロネートL 3部 トルエン 95部 メチルエチルケトン 95部
【0050】上記処方の組成物をボールミルにて分散後
表面に1μm厚のシリコーン樹脂系耐熱層を有する6μ
mの芳香族ポリアミドフィルム上にワイヤーバーを用い
染料供給層を膜厚4.5μmになるよう塗布し、更にそ
の上に染料転写寄与層を膜厚1.0μmになるように塗
布し、インク層を形成し60℃24時間熱硬化させて記
録体Aを作製した。
【0051】実施例1 (染料転写寄与層の処方) 樹脂 スチレン−マレイン酸isoプロピルエステル 10部 昇華性染料カヤセットブルー714 10部 カルボキシル基変性シリコーンオイルSF8418[東レシリコーン製] 1.5部 エポキシ変性シリコーンオイルSF8411[東レシリコーン製] 1.5部
【0052】 溶剤 テトラヒドロフラン 40部 以上の処方液をワイヤーバーを用い記録体A上に0.7
μm厚で形成した。但しスチレン−マレイン酸イソプロ
ピルエステルは以下のように作製した。
【0053】スチレン−マレイン酸共重合体の粉末5g
をイソプロパノール250mlとともに70℃で2時間
撹拌して無色透明なスチレン−マレイン酸イソプロピル
エステル共重合体を得た。その後大量のn−ヘキサン中
に加えて粉末のスチレン−マレイン酸イソプロピルエス
テルを得た。
【0054】実施例2 実施例1においてスチレン−マレイン酸イソプロピルエステルを 樹脂 スチレン−マレイン酸AP−30(BASF) 20部 溶剤 テトラヒドロフラン 80部 に変えた他は同じ条件で行った。
【0055】実施例3 実施例1において 樹脂を スチレンアクリルニトリルライタックA330−PC(三井東圧)15部
【0056】 溶剤を テトラヒドロフラン 42.5部 トルエン 42.5部 とした他は全て同一。
【0057】実施例4 実施例1において 樹脂を ポリメチルメタクリレート ダイヤナールBR−85(三菱レイヨン) 10部
【0058】 溶剤を トルエン 42.5部 メチルエチルケトン 42.5部 とした他は全て同一。
【0059】実施例5 実施例1において 樹脂を ポリサルフォンP−1700NT11(日産化学) 15部 テトラヒドロフラン 85部 とした他は全て同じ条件で行った。
【0060】実施例6 実施例1において 樹脂を シリコーン樹脂 SR−5410(東レシリコーン) 75部 溶剤を トルエン 12.5部 ベンゼン 12.5部 とした他は全て同じ条件で行った。
【0061】比較例1 薄層を形成せず記録体Aの寄与層中に カルボキシル基変性シリコーンオイルSF8418 1.5部 エポキシ変性シリコーンオイル SF8411 1.5部 を添加して記録体を得た。
【0062】比較例2 実施例1において スチレン−マレイン酸イソプロピルエステルをポリカーボネート樹脂 パンライトC−1400(帝人) 5部 溶剤を テトラヒドロフラン 47.5部 ジオキサン 47.5部 とした他は全て同じ条件で行った。
【0063】比較例3 実施例1において スチレン−マレイン酸イソプロピルエステルを 樹脂 エチレン塩ビ リューロンE−800(東ソー) 5部 溶剤 トルエン 47.5部 メチルエチルケトン 47.5部 とした他は全て同じ条件で行った。
【0064】比較例4 実施例1において スチレン−マレイン酸イソプロピルエステルを 樹脂を 塩ビ酢ビ共重合体 VAGH(ユニオンカーバイト) 15部 溶剤 トルエン 42.5部 メチルエチルケトン 42.5部 とした他は全て同じ条件で行った。
【0065】又、下記組成の混合物を充分混合分散さ
せ、染料受容層用塗液[A液]を調製した。
【0066】 [A液] 塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体 (商品名VAGH;ユニオンカーバイド社製) 10部 イソシアネート(商品名コロネートL;日本ポリウレタン工業社製) 5部
【0067】 アミノ変性シリコーン(商品名SFー8417; 東レシリコーン社製) 0.5部 エポキシ変性シリコーン(商品名SFー8411; 東レシリコーン社製) 0.5部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部
【0068】次に[A液]をワイヤーバーを用いて、厚
さ約150μmの合成紙(商品名ユポFPGー150;
王子油化合成紙社製)上に塗布し、乾燥温度75℃で1
分間乾燥して、厚さ約5μmの染料受容層を形成させた
後、更に80℃で3時間保存して硬化させ、試験に用い
る受像媒体を作製した。
【0069】以上を サーマルヘッド解像度12ドット/mm、 印加エネルギー0.64mj/ドット、 印加電力0.16W/ドット、 の条件で、まずあらかじめ前記受像層上に比較例1にお
いて昇華性染料をMSーMagenta VP(三井東
圧染料製)に替えたほかは全て同一の転写体を用い、記
録時の送り速度は
【0070】受像シート8.5mm/sec、 インクシート0.6mm/sec、 となるように設定し、速度差モード法記録を用い、図1
に示すようなマゼンタ色でのブロック状のパターンMを
印字した。
【0071】この時のマゼンタ濃度はマクベス濃度計に
おいて2.0を超えていた。次に図2に示すようにシア
ン色Cで同様の印加エネルギー、送り速度、 受像シート8.5mm/sec、 インクシート0.4mm/sec、 でこのマゼンタ色のブロック状をベタ画像印字で色重ね
をした。
【0072】この結果、受像層表面のマゼンタ染料がイ
ンク層に逆転写することによって生じたマゼンタブロッ
クのエッジ部Eの拡大図を図3に示す。Bはぼやけ部で
ある。
【0073】図4及び図5は正常な状態のブロックとそ
のエッジ部の濃度をプロットした図である。図6及び図
7は尾引きを生じたときのブロックとそのエッジ部の濃
度をプロットした図である。
【0074】これらの評価結果を表1に示す。なお、評
価方法はミクロフォトメータMPM−2(ユニオン光学
製)、フィルターとしてコダックラッテンフィルター#
58を用いてマゼンタブロック状のミクロ的濃度変化を
プロットし、(図4〜図7参照)その結果から尾引き長
を評価した。
【0075】なお尾引き長が短いほど逆転写による色に
ごりや逆転写が少ないことを示している。
【0076】又、記録時の送り速度を 受像シート8.5mm/sec、 インクシート8.5mm/sec、 の等速でシアンベタ印字を前記マゼンタブロック上に色
重ねした後、そのシアン転写体を用い新しい受像体上に
再度シアンベタを同条件で記録した時のマクベース濃度
計RD−918を用い色重ねなし部分のシアン画像と色
重ね部分のシアン画像のマゼンタ濃度差よりマゼンタブ
ロック状ゴースト発生状態を評価した。図8は、ゴース
トを生じた状態、図9は正常な状態の画像を示す。その
結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上説明した本発明の効果を要約すると
下記のとおりである。 1.染料転写寄与層用樹脂を低染着性樹脂にすることに
より、色重ね時、受像層からの逆転写染料量を軽減する
ことができ、速度差モード法での尾引き、等速モード法
でのゴーストが軽減される。 2.請求項2の樹脂により上記改善効果が大である。 3.供給層を粒子状、寄与層を分子分散状とすることに
より、供給層中での分子分散染料放出による供給層中の
染料濃度が一定化され、マルチ性が向上する。寄与層中
を有機溶剤を用いても良好な染料濃度勾配によるマルチ
性が向上する。さらには寄与層中の染料濃度が大きくな
るので感度低下がない。 4.染料転写寄与層中に滑剤を含むことにより、速度差
モード法においても走行不良、スティッキング発生がな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】受像面のマゼンタブロックの説明図である。
【図2】シアンを色重ねした状態の説明図である。
【図3】エッジ部を拡大した模式図である。
【図4】
【図5】それぞれ正常なエッジ部のブロックとそのエッ
ジの濃度プロット図である。
【図6】
【図7】それぞれ尾引きを生じた状態のブロックとその
エッジの濃度プロット図である。
【図8】
【図9】色重ねした後にゴーストを生じた状態と正常な
状態の説明図である。
【符号の説明】
M マゼンタのブロック像 C シアンのベタ像 E エッジ部 B ぼやけ部 G ゴースト l 尾引き長 O 尾引き部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、この基体側から順に、それぞ
    れ昇華性染料を有機結着剤中に分散させた染料供給層及
    び染料転写寄与層を積層させた昇華型熱転写体におい
    て、染料転写寄与層の有機結着剤が、有機溶剤に可溶な
    低染着性樹脂であることを特徴とする昇華型熱転写体。
  2. 【請求項2】 染料転写寄与層の有機結着剤が、シリコ
    ーン樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−マレ
    イン酸エステル樹脂、スチレンアクリルニトリル樹脂、
    ポリサルフォン樹脂、ポリメタクリレート樹脂のうちの
    何れかであることを特徴とする請求項1記載の昇華型熱
    転写体。
  3. 【請求項3】 染料供給層は未溶解粒子状の昇華性染料
    を含有し、染料転写寄与層は分子分散状の昇華性染料を
    含有することを特徴とする請求項1又は2記載の昇華型
    熱転写体。
  4. 【請求項4】 染料転写寄与層が滑剤を含有しているこ
    とを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の昇華型
    熱転写体。
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