JP2948824B2 - 昇華型熱転写記録媒体 - Google Patents

昇華型熱転写記録媒体

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JP2948824B2
JP2948824B2 JP1047676A JP4767689A JP2948824B2 JP 2948824 B2 JP2948824 B2 JP 2948824B2 JP 1047676 A JP1047676 A JP 1047676A JP 4767689 A JP4767689 A JP 4767689A JP 2948824 B2 JP2948824 B2 JP 2948824B2
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秀洋 望月
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は昇華型熱転写記録媒体に関するものである。
従来技術 近年、フルカラープリンターの需要が年々増加し、こ
のフルカラープリンターの記録方式として電子写真方
式、インクジェット方式、感熱転写方式等があるが、こ
の中で保守性が容易、騒音が無い等により感熱転写方式
が多く用いられている。
この感熱転写は、固体化したカラーインクシートと受
像紙とから成っており、レーザーやサーマルヘッド等の
電気信号により制御された熱エネルギーでインクを受容
紙に熱溶融転写又は昇華移行させて画像形成させる記録
方式である。
そしてこの感熱転写記録方式には大別して前記熱溶融
転写型と昇華転写型とがあり、特に後者は原理的にサー
マルヘッド等からの熱エネルギーに対応して昇華染料が
単分子状で昇華するため容易に中間調が得られ、且つ随
意に階調をコントロールすることが可能である利点を有
し、フルカラープリンターに最も適した方式と考えられ
る。
但し、この昇華型転写記録方式は、記録用サプライと
してカラーインクシートを用い、画像信号により選択的
に加熱記録を行なうため、1枚のフルカラー画像を得る
ために、イエロー、マゼンタ、シアン、(ブラック)の
インクシートを各1枚づつ使用し、この後未使用部が存
在しても、破棄するためランニングコストが高いという
欠点を有している。
そこで現在この欠点に着目し、インクシートを多数回
使用することにより、この欠点を改善しようとインクシ
ートと受像体を等速に移動させ、繰返し利用する等速モ
ード法とインクシートの走行速度を受像体のそれより遅
くして色材層の第1回使用部分と第2回使用部分の重な
りを少しづつずらせ使用するN倍モード法とが提案され
ている。
しかし、昇華型熱転写記録方式において、昇華、蒸発
反応が基本的に零次反応であり、多数回の使用に十分耐
えられる染料量をインク層中に含ませているにもかかわ
らず、印字回数が増加するにつれ急速に特に高画像濃度
部の転写濃度が低下してくるため、多数回の印字が実質
的にできないものであった。
そこで、本発明者等は、特願昭63−62866号におい
て、積層構造の昇華型感熱転写記録媒体を提案し、“染
料供給層と染料転写寄与層との間において、染料放出能
を染料供給層>染料転写寄与層とすること”により多数
回記録での濃度低下を改善した。
一方、多数回記録の品質の向上に伴って、静電気に帰
因する欠点が目立ってきた。たとえば、シートの走行や
摩擦によって生じる静電気的な引力によりごみが吸引さ
れて、熱転写シートと受紙の間、もしくは、サーマルヘ
ッドと熱転写シートの間等にごみが付着することにより
記録の抜け(部分的に記録がなされないこと)、サーマ
ルヘッドの素子等の損傷、各シートのたるみ、走行不良
等があり、特に、本発明の如き、多数回方式には、より
大きな問題になっている。
目的 本発明は印字回数の増加によっても転写濃度の急速な
減少を起こさず、しかも、静電気的な引力による上記し
た諸欠点を解消し、かつ走行がスムースで記録の抜けや
ムラの少ない昇華型熱転写記録媒体を提供することを目
的とする。
構成 本発明は、基体上に、該基本側から順にそれぞれ昇華
性染料を有機結着剤中に分散させてなる染料供給層及び
染料転写寄与層を積層させてなるインク層を受像紙の1/
Nに走行させる速度差モードを記録に用いる昇華型熱転
写媒体において、前記基体の裏面に帯電防止剤を含有す
る樹脂からなる帯電防止層を薄く積層したことを特徴と
する昇華型熱転写記録媒体から成る。
本発明の昇華型熱転写記録媒体は第1図に図示したよ
うな構成をとる。ここで、1は記録媒体の基体を示し、
2は染料供給層4及び染料転写寄与層5からなるインク
層を示し、3は帯電防止層を示す。受像体は基体8上に
受像層7を設けたものからなる。
帯電防止層は被熱転写シートの取扱い時の帯電により
被熱転写シート上に発生した電荷を逃がしやすくするた
めに設けるものであり、導電性を有する材料であれば、
いずれの材料を用いて形成してもよいが、通常は帯電防
止剤と称されるものを樹脂中に練り込んだ混合物を使用
して形成する。
帯電防止剤としては陽イオン型界面活性剤(例えば第
4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体など)、陰イオ
ン型界面活性剤(例えば、アルキルホスフェートな
ど)、両性イオン型界面活性剤(例えばベタイン型のも
のなど)、もしくは非イオン型界面活性剤(例えば脂肪
酸エステルなど)が使用でき、更に、ポリシロキサン系
のものも使用できる。上記の帯電防止剤に関連して両性
イオン型界面活性剤もしくは陽イオン型の水溶性アクリ
ル樹脂又は水溶性ポリスチレン樹脂等は、結合材なしに
単独で塗料化し、乾燥時塗布量が0.1〜2g/m2程度の塗膜
を形成することにより帯電防止層とすることができ、こ
のような水溶性樹脂は高温度下においても熱転写層の色
材層(積み重ねたり巻くことにより帯電防止層と接触す
る)に影響を与えて染料を溶解することがないので好ま
しい。
一方、電子伝導性の優れた無機微粉末も挙げられ、例
えば、酸化チタンもしくは酸化亜鉛等の微粉末にドーピ
ング(酸化チタンや酸化亜鉛に不純物をまぜて焼き、酸
化チタンや酸化亜鉛の結晶格子を乱して半導電性とする
処理)を行なったもの、又は、酸化錫などの微粉末を使
用することができる。
上記した帯電防止剤はバインダーとなるべき樹脂を溶
解させた有機溶剤中に溶解もしくは分散させて使用す
る。
バインダーとなるべき樹脂は、(a)熱硬化性樹脂、
例えば熱硬化性のポリアクリル酸エステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、又は、(b)熱可塑樹脂、例えばポリ塩化
ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル
樹脂、などから選ばれた樹脂が好ましい。
調製した導電性塗料は通常の塗布方法、例えばブレー
ドコーター、グラビアコーターなどによってコーティン
グするのが一般的であり、或いはスプレーコーティング
によってもよい。
帯電防止層の厚みは0.1〜5μm、好ましくは0.1〜3
μmであり、塗布、乾燥後(場合によっては硬化後)の
帯電防止層の表面固有抵抗が1×1010Ωcm以下になるよ
う、バインダーと帯電防止剤の比を決定する。なお、両
性イオン型もしくは陽イオン型の水溶性アクリル樹脂
は、アルコール溶液とし、帯電防止剤としてバインダー
に対し、固形分で5〜30重量%添加し、塗料化して使用
することもできる。
帯電防止層には、必要ならば離型剤又はフィラー等を
含有させても構わない。
前記染料供給層及び染料転写寄与層は、その各処方に
て同一付着量を基体上にそれぞれ単独層として形成し、
その各々を別々の受像層と重ね合わせ、両者に同一の熱
エネルギーを印加したとき、それぞれの受像層への染料
転写量が、 染料供給層>染料転写寄与層 の関係にある。
熱転写はサーマルヘッドによって行ってもよいが、支
持体層及び/又はインク層を通電によりジュール熱を発
生するように調整し、通電転写によって行ってもよい。
また、支持体として、レーザー光を吸収し、発熱する
材料を選択することによってレーザー転写法を利用する
ことも可能である。
本発明の知見によれば、インク層中における染料の拡
散はフィックの法則すなわち、断面積qをdt時間に通過
した染料量dnは、拡散方向における染料の濃度勾配をdc
/dxとし、を熱印加されたきのインク層中の各部位の
平均拡散係数としたとき、 dn=−(dc/dx)qdt の関係が適用される。
そこで、染料供給層から転写寄与層に昇華性染料が拡
散供給されやすくするための手段としては、 I.染料濃度に関して、染料供給層>転写寄与層の関係と
させること、および/または II.それぞれの層中における拡散係数に関して、染料供
給層>転写寄与層の関係とさせる 手段がある。更に上記IIに関して拡散係数を操作する具
体的方法としては例えば、酒井豊子他繊維学会誌Vol.3
0,No.12(1974);黒木宣彦著「染色理論化学」槙書店
発行p.503〜;第1回ノンインパクトプリンティング技
術シンポジューム論文集3−5等で紹介されている。こ
れらを参考にし、上記IIの手段を実現させる具体的方法
としては例えば、 (1) 拡散係数は、染料−有機結着剤間の水素結合等
による染料拡散に対するエネルギー的抑制効果により影
響されるので、転写寄与層の結着剤として、昇華性染料
と水素結合し易い陽子供給性基又は陽子受容性基を多く
有する有機高分子材料を用いる方法、 (2) 拡散係数は、染料を分散している有機結着剤の
ガラス転移または軟化温度依存性があり、本プロセスに
おける印字中の層の昇温特性よりガラス転移または軟化
温度が低い方が拡散係数が大となり、従って染料供給層
の有機結着剤として、転写寄与層のそれより低ガラス転
移温度または低軟化温度の物質を用いる方法、 (3) 染料供給層中の少なくとも一種の有機結着剤と
相溶性を有し、且つ転写寄与層中の全ての有機結着剤と
非相溶性である可塑剤を染料供給層中に含有させる方
法、 (4) 上記(1)、(2)及び(3)の方法を適当に
組合せて行なう方法、等が挙げられるが、上記拡散係数
の関係が満足されれば、これらの方法に限らないこと
は、言うまでもない。
本発明における染料供給層および転写寄与層の材料処
方設計をする上で、上記Iおよび/またはIIは手段が有
用であり、これらの効果により意図した改善が実現して
いるか否かを確認する簡単な方法として、染料供給層お
よび転写寄与層の各処方にて同一付着量を基体上に単独
層として形成し、各々をそれぞれ別々の受像層と重ね合
わせ、一定の昇華温度を印加したとき、昇華転写量が染
料供給量>転写寄与量の関係になるような各層を選択す
る方法がある。
次に転写寄与層の厚さは、一般的には0.05〜5μm、
好ましくは、0.1〜2μmである。また染料供給層の厚
さは一般的には0.1〜20μm、好ましくは0.5〜10μmで
ある。
又、本発明の転写寄与層及び染料供給層に使用される
昇華性染料、結着剤等は公知のものが使用できる。
昇華性染料としては60℃以上で昇華あるいは気化する
染料であり、主に分散染料、油溶性染料など熱転写捺染
で使用されるものであれば良く、例えばC.I.ディスパー
スイエローの1,3,8,9,16,41,54,60,77,116など、C.I.デ
ィスパースレッドの1,4,6,11,15,17,55,59,60,73,83な
ど、C.I.ディスパースブルーの3,14,19,26,56,60,64,7
2,99,108など、C.I.ソルベントイエローの77,116など、
C.I.ソルベントレッドの23,25,27などC.I.ソルベントブ
ルーの36,83,105などが挙げられ、これらの染料の一種
で使用可能であるが、数種混合しても使用可能である。
染料転写寄与層及び染料供給層に使用される結着剤に
は熱可塑性又は熱硬化性樹脂が用いられ、そのうち比較
的高ガラス転移点または高軟化性を有する樹脂として
は、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリア
ミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、
ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、フッソ樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、
天然ゴム、合成ゴム、ポリビニルアルコール、セルロー
ス樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は一種で使用でき
るが、数種を混合するか、さらに共重合体を使用しても
良い。
さらに染料転写寄与層と染料供給層との間においてガ
ラス転移又は軟化温度に対し差をつける場合、ガラス転
移温度0℃以下、又は軟化温度60℃以下の樹脂又は天
然、合成ゴムが好ましく、具体的には、 シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(市販品とし
てJSR RB810,820,830日本合成ゴム);酸又は非酸性酸
を含むオレフィンポリマー及びターポリマー(市販品と
してデクソンXEA−7、デクソンケミカル);エチレン
−酢ビコポリマー(市販品として400&400A,405,430、
アライド・ファイバーズ&プラスチックス;P−3307(EV
150),P−2807(EV250)、三井・デュポンポリケミカ
ル);低分子量ポリオレフィン系ポリオール及びその誘
導体(市販品としてポリエーテルH、HE三菱化成工
業);臭素化エポキシ樹脂(YDB−340,400,500,600東都
化学);ノボラック型エポキシ樹脂(YDCN−701,702,70
3東都化学);熱可塑性アクリルソルーション(タイヤ
ナールLR1075,1080,1081,1082,1063,1079三菱レイヨ
ン);熱可塑性アクリルエマルジョン(LX−400,LX−45
0,三菱レイヨン);ポリエチレンオキサイド(アルコッ
クスE−30,45,アルコックスR−150,400,1000明成化学
工業);カプロラクトンポリオール(プラクセルH−1,
4,7,ダイセル化学工業);などが好ましく、特に、ポリ
エチレンオキサイド、ポリカプロラクトンポリオールが
実用上有用であり、又先に記した、熱可塑性又は熱硬化
樹脂と上記1種又は数種と混合した形で用いるのが好ま
しい。
転写寄与層の染料濃度は通常5〜80%、好ましくは、
10〜60%程度である。
又、染料供給層の染料濃度については、5〜80%の染
料濃度が好ましいが、染料転写寄与層と染料供給層との
間に染料濃度勾配をつける場合染料転写寄与層染料濃度
に対し、1.1〜5倍、好ましくは、1.5〜3倍が望まし
い。
染料の供給を長時間安定に継続し、印字特性を良好に
保つために、染料供給層は少なくとも未溶解粒子状の昇
華性染料を含んでいるのが好ましい。ここで、未溶解粒
子状染料とは、インク層形成時インク(有機結着剤+昇
華性染料+溶剤)を塗布乾燥後、有機結着剤に溶けきれ
ず、粒子状として析出する染料を意味し、同一の結着剤
及び染料でも溶剤により未溶解粒子状染料の存在状況が
異なる。未溶解粒子状染料の存在の有無は染料供給層形
成後、電子顕微鏡により容易に識別できる。未溶解粒子
状染料の粒径は染料供給層の層厚によって異なるが、0.
01μm〜20μm、好ましくは1.0μm〜5μmである。
又、染料転写寄与層中での染料状態は、実際に転写に
寄与する単分子状で分散していることが、転写濃度ムラ
発生防止や、染料供給層と染料転写寄与層との間の染料
濃度勾配を安定に保つことから望ましい。
又、基体シートとしてはコンデンサーペーパー、ポリ
エステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリサルホ
ンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム
等のフィルムが使用され、基体シートと染料供給層との
間には必要に応じて従来慣用の接着層などを設けても良
く、また、基体シートの裏面には必要に応じて従来慣用
の耐熱性潤滑層を設けても良い。
記録時の熱転写体における染料供給層から染料転写寄
与層への昇華性染料の供給を何ら防げることなく、非記
録時(保存中)の熱転写体における染料供給層から染料
転写寄与層またはその表面への昇華性染料の移動を防止
するために染料供給層と染料転写寄与層との間に中間層
を設けても良い。
さらには地汚れを防止するために染料転写寄与層上に
感度低下を生じない程度の、上記中間層に示すような層
や受像層との融着防止層を形成しても良い。
前記方法(3)でいう染料供給層に含有させる可塑剤
とは、樹脂の分子間に入り込み、樹脂の硬い網状構造の
原因であるファン・デル・ワールス結合を弱め、結果的
に樹脂の2次転移点を低下させる物質であり、又、相溶
性とは樹脂と可塑剤とが互いに親和性を持ち、ゲル化速
度が速く、成形後も可塑剤が分離しないものと定義す
る。
また、具体的には、可塑剤と樹脂の相溶性を考慮しな
がら、可塑剤について言及した書物、文献、カタログ
等、例えば、山田桜著、「プラスチック配合剤」(大成
社発行、p.17−)や「9887の化学商品」(化学工業日報
社発行、p.745−)等に記載されているものから自由に
選択できる。
これらから例示すると、下表のような組合わせが挙げ
られる。
これらの組合せで可塑剤と相溶性樹脂は染料供給層に
使用し、また非相溶性樹脂は転写寄与層に使用する。
又、好ましい可塑剤としては耐熱性、揮発性に優れた上
表に記したものが好ましく、さらに可塑剤の樹脂に対す
る配合比は10〜100%、好ましくは10〜50%である。
今まで染料層を2層に分けた例について述べて来た
が、適切な染料転写量の差を生じさせ、本発明が意図す
る機能分離ができれば染料層を2層以上に多層にするこ
とも可能である。
以上の説明は感熱ヘッドを用いての記録方法により説
明したが、本発明の転写媒体は、記録熱エネルギーを感
熱ヘッド以外の方法によって付与する記録方法、例え
ば、熱印版、レーザー光、あるいは支持体等媒体中で発
生するジュール熱による方法に対しても用いることがで
きる。このうち、媒体中で発生するジュール熱を用い
る、所謂通電感熱転写法が最もよく知られ、例えばUSP
4,103,066、特開昭57−14060、特開昭57−11080、ある
いは特開昭59−9096等の多くの文献に記載されている。
この通電転写法に用いる場合には支持体として比較的
耐熱性の良いポリエステル、ポリカーボネート、トリア
セチルセルロース、ナイロン、ポリイミド、芳香族ポリ
アミド等の樹脂に、アルミニウム、銅、鉄、錫、亜鉛、
ニッケル、モリブデン、銀等の金属粉及び/又はカーボ
ンブラック等の導電性粉末を分散させて抵抗値を絶縁体
と良導体との中間に調整した支持体、またこれらの支持
体に前述のような導電性金属を蒸着またはスパッタリン
グさせた支持体を用いれば良い。これらの支持体の厚さ
はジュール熱の伝導効率を考慮すると、2〜15ミクロン
程度であることが望ましい。
また、レーザー光転写法に用いる場合には、支持体と
してレーザー光を吸収し、発熱する材質を選べば良い。
例えば従来の熱転写用フィルムにカーボン等の光吸収熱
変換材を含有させるか、又は吸収層を支持体の表、裏面
に形成したものが使用される。
以下、本発明を下記の実施例に基づいてさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
実施例 1 8.5μmポリイミドフイルム(東レデュポン製)を基
体1として使用し、この上にワイヤバーを用いて帯電防
止層として下記処方の混合液を0.5μmの厚さで塗布
し、100℃で1分間乾燥し、帯電防止層3を形成した。
重量部 帯電防止剤ケミスタット5500 50 (三洋化成製)(固型分25.2%) 水 90 エタノール 10 次いで、 重量部 ポリビニルブチラール樹脂 BX−1 10 (積水化学工業(株)製) 昇華性染料KAYASET BLUE 714 (日本化薬(株)製) 溶 剤 トルエン 100 メチルエチルケトン 100 上記処方において、染料供給層用処方では上記昇華性
染料を20重量部とし、染料転写寄与層用処方では上記昇
華性染料を10重量部とし、それぞれの組成物を24時間ボ
ールミルにて分散せしめた。
次に、第1図に示したような構造の昇華型感熱転写媒
体を下記のように作成した。
前記帯電防止層を設けた逆の面のポリイミドフィルム
上にワイヤバーを用いて、インク層2の中の上記染料供
給層4用インクを膜厚2.40μm塗布後、さらにその上に
インク層2の中の上記染料転写寄与層5用インクを0.61
μm塗布し、乾燥し、昇華型熱転写記録媒体を作成し
た。
実施例 2 帯電防止層形成液として、下記処方のものを使用した
以外は、実施例1と全く同様にして昇華型熱転写媒体を
形成した。
重量部 ポリビニルアルコール 2 帯電防止剤:ポリスチレンスルホン酸 1 トリエタノールアミン塩 水 100 実施例 3 基体1として、シリカ微粉末を含有した熱硬化アクリ
ル樹脂からなる滑性耐熱層を約0.8μm設けた約6.0μm
の芳香族ポリアミドフィルムTX−I(東レ製)を使用
し、滑性耐熱層側に実施例1と同様の帯電防止層を形成
した以外は、実施例1と全く同様にして昇華型熱転写媒
体を形成した。
以上の昇華転写記録媒体に対して、受像媒体として
は、下記の処方の混合液を150μm厚の合成紙8上にワ
イヤバーにて塗布し、約5μmの受容層7を設けたもの
を使用した。
重量部 ポリエステル樹脂バイロン200 10 (東洋紡(株)製) シリコールオイルSF8417 1 (トーレシリコーン製) ノルエン 50 メチルエチルケトン 50 第1図に示すように、上記受容層7上に、サーマルヘ
ッド6を用いて印字条件として印加電力442mW/ドット、
最高印加エネルギー2.21mJ/ドットにて同一箇所による
多数回印字を行なった結果を第2図に示す。但し、印字
濃度(光学的濃度)はマクベス濃度計RD−514を用いて
評価した。第2図は印字回数と飽和画像濃度との関係を
示すものであるが、実施例1〜3の熱転写記録媒体は印
字回数を7回まで増加させても画像濃度は1回目の印字
と実質的に差異が見られなかった。このように、本発明
の熱転写記録媒体は多数回印字を行っても印字濃度が低
下することなく、良好な多数回印字特性を有することが
わかった。
以上は、画像を画像濃度というマクロ的に見た結果で
あるが、さらにミクロ的に見ると、実施例1〜3には、
画像抜けのない美しい階調画像が得られた。
また、実施例1〜3のシートでは、しわがほとんど発
生せず、ごみの付着も見られなかった。
効果 以上述べたようにインク層構成の改善された本発明の
昇華型熱転写体は多数回印字を行っても印字濃度が実質
的に低下せず、良好な多数回印字特性を備え、さらに静
電気的引力によって生じるトラブルを解消し、かつ走行
がスムースで記録の抜けやムラの少ない画像が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の昇華型感熱転写体の構造を示す説明図
である。 第2図は本発明の昇華型熱転写体の飽和印字濃度と印字
回数との関係を示すグラフである。 1,8……基体、2……インク層 3……帯電防止層、4……染料供給層 5……転写寄与層、6……サーマルヘッド 7……受容層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭63−47193(JP,A) 特開 昭61−197284(JP,A) 特開 平1−263084(JP,A) 特開 平2−227292(JP,A) 特開 昭63−281892(JP,A) 特開 平1−110194(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に、該基体側から順にそれぞれ昇華
    性染料を有機結着剤中に分散させてなる染料供給層及び
    染料転写寄与層を積層させてなるインク層を受像紙の1/
    Nに走行させる速度差モード記録に用いる昇華型熱転写
    記録媒体で、前記基体の裏面に帯電防止層が積層されて
    いることを特徴とする昇華型熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】前記染料供給層が少なくとも未溶解粒子状
    の昇華性染料を含んでおり、前記染料転写寄与層が少な
    くとも分子分散状の昇華性染料を含んでいる請求項1記
    載の昇華型熱転写記録媒体。
JP1047676A 1989-02-28 1989-02-28 昇華型熱転写記録媒体 Expired - Lifetime JP2948824B2 (ja)

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