JP2001024162A - 強誘電体デバイス - Google Patents

強誘電体デバイス

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JP2001024162A
JP2001024162A JP11192667A JP19266799A JP2001024162A JP 2001024162 A JP2001024162 A JP 2001024162A JP 11192667 A JP11192667 A JP 11192667A JP 19266799 A JP19266799 A JP 19266799A JP 2001024162 A JP2001024162 A JP 2001024162A
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ferroelectric
layer
ferroelectric layer
film
semiconductor substrate
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JP11192667A
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Takashi Otsuka
隆 大塚
Michihito Ueda
路人 上田
Kenji Iijima
賢二 飯島
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体ゲートデバイスの強誘電体層の結晶
性を向上し、分極状態の保持特性を改善する。 【解決手段】 シリコン基板1のLOCOS膜2によっ
て囲まれる活性領域には、不純物拡散層4と、(Ce,
Zr)O2 (又はCeO2 )からなるバッファ絶縁層4
と、Bi3 TiNbO9 からなる第2の強誘電体層5
と、Bi4 Ti3 12からなる第1の強誘電体層6と、
ポリシリコンからなるゲート電極7とが順に積層されて
いる。一般式(Bi2 2 )(Am-1 m 2m+1)で表
される層状ペロブスカイト型化合物において、mが偶数
のものはc軸方向においては強誘電体として機能せず、
mが奇数のものはc軸方向においても強誘電体としての
特性を有している。第1の強誘電体層6の結晶性の向上
と各強誘電体層5,6間の界面付近における電界の解消
とにより、分極状態の保持特性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体膜を備え
た強誘電体デバイスに係り、特に分極状態の保持特性の
向上対策に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の発展に伴い、半導体デ
バイスにおいて、大容量のデータを高速で扱う必要性が
増大しており、特に、高速,大容量のデータを扱うのに
適した不揮発性メモリの実現が期待されている。このよ
うな要望に沿う不揮発性メモリとして、例えば、フラッ
シュメモリや強誘電体メモリ(FRAM)(DRAMの
容量絶縁膜に相当する部分を強誘電体膜によって置き換
えたもの)が既に市場に登場している。
【0003】そして、さらに高速,大容量のデータを扱
う不揮発性メモリとして、MOSFETのゲート絶縁膜
の部分を強誘電体膜により構成した構造を有するMF
(I)S−FET(Metal ferroelectrics (Insulator)
Semiconductor−FET)が提案されている。このMF
(I)SFETは、半導体基板とゲート電極との間に強
誘電体膜の抗電界以上の電圧を印加させると残留分極が
生じることを利用したものである。すなわち、強誘電体
膜の残留分極の値の変化を利用して、FETをノーマリ
ーオンあるいはノーマリーオフとして情報を記憶させる
ものである。MF(I)SFETは、上述の構造からわ
かるように、個々のメモリセルは小型化されるので大容
量に高集積化が可能で、かつ、単純なFETの構造であ
るから動作も高速な不揮発性メモリとして期待されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、強誘電
体膜を実際に形成するに際しては、まだ未解決の問題が
多く残されている。
【0005】例えば、MFSFETを形成する場合、シ
リコン基板上にPZT(Pbx Zr 1-x TiO3 )膜の
ような強誘電体膜を形成する場合のごとく、PZTなど
の強誘電体膜中の成分がシリコンと反応するためにシリ
コンと強誘電体膜との間に良好な界面を形成できないこ
とがある。また、強誘電体材料自体が酸化物であること
が多いために、シリコン基板上に強誘電体膜を形成しよ
うとすると、シリコン基板と強誘電体膜との間に比誘電
率の低いSiO2 膜が形成されて、強誘電体膜の記憶保
持特性が悪化することも多い。
【0006】そこで、これを回避するために、シリコン
基板と強誘電体膜との間にCeO2などの比較的誘電率
が高く、かつシリコン基板との格子整合性も比較的良好
なバッファ層を介在させてMFISFETとするなどの
工夫も行われているが、未だ良好な保持特性を有するデ
バイスの実現には至っていない。
【0007】このような強誘電体デバイスの製造上生じ
る不具合の原因は、シリコン基板等の半導体基板の上
に、結晶性の良好な強誘電体膜を形成するのが困難であ
ることに帰着すると考えられる。例えば、シリコン基板
の上に直接強誘電体層をエピタキシャル成長させること
自体が困難であり、シリコン基板と強誘電体膜のCeO
2 膜を介在させた場合でも、これらの3つの層の間に格
子不整合がないわけではないので、単結晶と見なせるほ
どの強誘電体膜が得られるわけではない。
【0008】そして、強誘電体膜の結晶性がよくないこ
とに起因して、分極状態にある強誘電体の分極量が経時
的に低減するリテンション現象や、繰り返し分極状態を
変更させたときに残留分極量が小さくなる疲労現象など
が現われて、デバイスの保持特性の劣化につながってい
る。
【0009】本発明の目的は、層状ペロブスカイト型化
合物においては、誘電体材料を構成する分子構造の対称
性から、その成分原子の金属原子数の偶数・奇数に応じ
て誘電特性がc軸方向において強誘電体又は常誘電体に
変化することに着目し、この性質を利用することによ
り、残留分極の保持特性の高い強誘電体デバイスを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の強誘電体デバイ
スは、2つの導体層の間に強誘電体部を介在させてなる
強誘電体デバイスであって、上記強誘電体部は、一般
式:(Bi2 2 )(A m-1 m 2m+1)により表され
る層状ぺロブスカイト型化合物のうち,上記一般式中の
上記mが奇数である化合物により構成される第1の強誘
電体層と、上記第1の強誘電体層に接触して形成され、
上記層状ペロブスカイト型化合物のうち上記一般式中の
上記mが偶数である化合物により構成される第2の強誘
電体層とを備えている。
【0011】これにより、上記一般式中のmが偶数であ
る層状ペロブスカイト型化合物からなる第2の強誘電体
層はc軸方向において常誘電体層として機能する一方、
mが奇数である層状ペロブスカイト型化合物からなる第
1の強誘電体層はc軸方向においても強誘電体として機
能する。そして、第1の強誘電体層と第2の強誘電体層
とは、Am-1 m 3 ペロブスカイト層をB2 2 層に
より上下から挟んで構成されているので、結晶格子の基
本骨格が互いに一致している。したがって、第1の強誘
電体層と第2の強誘電体層の結晶成長軸をc軸に揃える
ことにより、両者の分極方向がほぼ一致するため、イオ
ン分極が安定化される。また、両者の結晶格子の基本骨
格が互いに一致しているので、両者のうちの一方の上に
他方を形成することにより、両者の界面における構造を
ほぼ連続とみなす積層構造が得られる。すなわち、第1
の強誘電体層の結晶性の乱れが極めて少なく、かつ、第
1の強誘電体層の内部に電界がほとんど生じないので、
リテンションや疲労を抑制することができる。すなわ
ち、分極状態の保持特性の高い強誘電体デバイスを得る
ことができる。
【0012】上記2つの導体層が、半導体基板とその上
方に設けられたゲート電極とであって、上記第2の強誘
電体層が上記第1の強誘電体層と半導体基板との間に介
在している場合には、分極状態の保持特性が高いMFS
FETとして機能する強誘電体デバイスが得られる。
【0013】上記第2の強誘電体層と上記半導体基板と
の間に介在する常誘電体材料からなる絶縁層をさらに備
えている場合には、分極状態の保持特性が高いMFIS
FETとして機能する強誘電体デバイスが得られる。
【0014】上記第2の強誘電体層が上記第1の強誘電
体層の上下に設けられている場合には、第1の強誘電体
層の結晶性がより向上するので、分極保持特性がさらに
向上する。
【0015】上記第1の強誘電体層の格子定数と上記第
2の強誘電体層の格子定数とを互いに異ならせて、上記
第1の強誘電体層に歪みを与えることにより、第1の強
誘電体層の残留分極量を適宜調整することが可能とな
る。
【0016】上記2つの導体層が、半導体基板と半導体
基板の相異なる領域上に設けられた第1,第2のゲート
電極とであって、上記強誘電体部が上記第1のゲート電
極と半導体基板との間に介在する第1,第2の強誘電体
部であり、上記第1及び第2の強誘電体部において、上
記第2の強誘電体層と上記第1の強誘電体層との間の格
子定数の差に起因する第1の強誘電体層の格子歪みが互
いに異なっている場合には、上記第1の強誘電体層に残
留分極を保持した状態におけるしきい値電圧が互いに異
なる2つの電界効果トランジスタを共通のチップ内に設
けることができる。
【0017】上記強誘電体部を情報記憶部として機能さ
せることにより、強誘電体メモリとして機能する強誘電
体デバイスが得られる。
【0018】また、上記強誘電体デバイスを、プログラ
マブル・ロジック・デバイス内の配線間に介設されるス
イッチングトランジスタとして機能させることにより、
チップ面積の小さいプログラマブル・ロジック・デバイ
スを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について説明す
る前に、本発明の誘電体層を構成する層状ペロブスカイ
ト型化合物(ペロブスカイト型複合酸化物ともいう)の
構造について説明する。ペロブスカイト型化合物とは、
一般にABO3 (A,Bはいずれも金属原子を表す)で
表される誘電体材料の一種であって、電界中ではB原子
(Ti,Ta,Nb等)が変位することにより双極子モ
ーメントを生ぜしめ、誘電体として機能するものであ
る。また、層状ペロブスカイト型化合物とは、c軸方向
において、上下2つのBi2 2 層の間に複数個のペロ
ブスカイト型構造を積層したものをいう。これらの物質
は、電界がなくなってからもB原子の変位が残り、双極
子モーメントが残存したままになるいわゆるイオン変位
型の強誘電体材料である。
【0020】図1は、層状ペロブスカイト型化合物の例
を一覧表で示す図である。そして、この層状ペロブスカ
イト型化合物は、下記の一般式(1)(Bi2 2
(Am-1 m 3m+1
(1)によって表される。ただし、mはペロブスカイト
中におけるBO6 構造の積層数(B原子の積層数)であ
る。また、一般的にABO3 で表されるペロブスカイト
構造におけると同様に、Aは12配位の金属原子であ
り、Bは6配位の金属原子である。また、BiはA位置
を占めることもある。
【0021】図1に示すように、層状ペロブスカイト型
化合物のa,b軸の格子定数は、いずれもSiのa,
b,c軸の格子定数5.431Åに比較的近いので、こ
れを利用して、(100)シリコン基板(<100>方
向が主面に垂直であるシリコン基板)の上に、c軸配向
([001]方向が基板面に垂直となる配向)の層状ペ
ロブスカイト型化合物をエピタキシャル成長によって形
成することが考えられる。
【0022】まず、図1に示されるm=2の誘電体材料
において、Bi3 TiNbO9 は、一般式(1)におけ
るA原子がBi、B原子が(Ti,Nb)の例であり、
CaBi2 Ta2 9 はA原子がCa、B原子がTaの
例である。
【0023】図2は、Bi3 TiNbO9 の単位格子の
結晶構造を示す斜視図である。同図に示すように、Bi
3 TiNbO9 の単位格子は、2つのBO6 構造(O6
八面体の中心にBi原子が存在する構造)をc軸方向に
重ねてなるペロブスカイト構造を有し、これを2つのB
2 2 層で上下から挟み込んだ構造を有している。そ
して、ABO3 で表されるペロブスカイト構造のBサイ
トに相当する位置に(Ti,Nb)原子が配置され、ペ
ロブスカイト構造のAサイトに相当する位置にBi原子
が配置されている。ただし、図2は12配位のA原子を
中心位置に配置した形で表されている。層状ペロブスカ
イト型化合物の単位格子は、c軸方向において相隣接す
るもの同士の間では、a軸方向に半周期ずつずれるの
で、図2に示す単位格子の上下においては、2つのBサ
イト原子(Ti原子又はNb原子)を中心位置に有する
ペロブスカイト構造が現れることになる。なお、図2に
示すBi2 2 層は、上下に隣接する格子のBi2 2
構造をも含んだ構造となっている。
【0024】次に、図1に示されるm=3の層状ペロブ
スカイト型化合物であるBi4 Ti 3 12は、一般式
(1)におけるA原子がBi、B原子がTiの例であ
る。
【0025】図3は、Bi4 Ti3 12の単位格子の結
晶構造を示す斜視図である。同図に示すように、Bi4
Ti3 12の単位格子は、3つのBO6 構造(O6 八面
体の中心にBi原子が存在する構造)をc軸方向に重ね
てなるペロブスカイト構造を有し、これを2つのBi2
2 層で上下から挟み込んだ構造を有している。そし
て、ペロブスカイト構造のBサイトに相当する位置にT
i原子が配置され、ペロブスカイト構造のAサイトに相
当する位置にBi原子が配置されている。なお、図3に
示すBi2 2 層も、上下に隣接する格子のBi2 2
構造をも含んだ構造となっている。
【0026】ここで、図2,図3に基づいて、一般式
(1)の意味を説明すると、層状ペロブスカイト型化合
物とは、m個のBO6 八面体をc軸方向に重ねてなるペ
ロブスカイト層を備え、このペロブスカイト層を2つの
Bi2 2 層によって上下から挟み込んだ構造というこ
とができる。そして、ペロブスカイト層のBサイトに相
当する位置にTi,Ta,Nbなどの強誘電性を発現さ
せる金属原子が配置されている。
【0027】なお、図1に示されるm=4の誘電体材料
において、CaBi4 Ti4 15はA原子が(Bi,C
a)、B原子がTiの例である。また、図1に示される
m=5の誘電体材料において、Sr2 Bi4 Ti5 18
はA原子が(Sr,Bi)、B原子がTiの例である。
【0028】次に、層状ペロブスカイト型化合物の強誘
電性と、一般式(1)中のmとの関係について説明す
る。
【0029】図4は、層状ペロブスカイト型化合物のm
が偶数の場合の分極方向を説明するための図であり、図
5は、層状ペロブスカイト型化合物のmが奇数の場合の
分極方向を説明するための図である。
【0030】層状ペロブスカイト型化合物の強誘電性
は、Bサイトの原子(Ti,Ta,Nbなど)が結晶格
子内の正規の位置からずれることによって生じる双極子
モーメントによって得られる。その場合、Ti原子等の
変位による双極子モーメントのベクトルは、a−b面
(つまりc軸に垂直な面)内における成分とc軸方向の
成分とに分けることができる。そして、Ti原子等の分
極量は、a−b面内における成分と、c軸方向の成分と
では大きな異方性を有している。たとえば、Bi4Ti
3 は、c軸方向の成分によっては約5μC/cm2
分極量で、抗電界は約5kV/cm程度であるが、a−
b面内の成分による分極量は約30μC/cm2 で、抗
電界は約50kV/cmであって、大きな異方性を有し
ている。
【0031】そして、mが偶数の場合には、層状ペロブ
スカイト型化合物のc軸方向に印加される電圧に対し、
層状ペロブスカイト型化合物はc軸方向については常誘
電体として機能する。これは、ペロブスカイト層が対称
性を有するために、mが偶数の場合には、図4に示すよ
うに、Bサイト原子の変位のうちc軸方向の変位成分に
よる双極子モーメントが互いにうち消しあうからであ
る。なお、a−b面に平行な面内においては層状ペロブ
スカイト型化合物は強誘電体として機能する。
【0032】一方、mが奇数の場合には、層状ペロブス
カイト型化合物のc軸方向に印加される電圧に対し、層
状ペロブスカイト型化合物は、c軸方向の変位成分によ
る双極子モーメントを残すので、強誘電体として機能す
る。これは、mが奇数の場合には、図5に示すように、
双極子モーメントがうち消されないc軸方向の成分が残
るからである。
【0033】本発明は、上述のような層状ペロブスカイ
ト型化合物の誘電特性と上記一般式(1)中のmとの関
係を利用したものである。
【0034】以下、本発明の実施形態における強誘電体
ゲートデバイスについて図面を参照しながら説明する。
【0035】(第1の実施形態)図6は、本実施形態に
おける強誘電体ゲートデバイスであるMFISFETの
構造を示す断面図である。また、図7は、本実施形態に
係るMFISFETのゲート部分のみを抜き出して示す
部分断面図である。
【0036】図6,図7に示すように、半導体基板であ
るシリコン基板1において、素子分離として機能するL
OCOS膜2が形成されており、LOCOS膜2によっ
て囲まれる活性領域には、ソース・ドレイン領域となる
2つの不純物拡散層4が形成されている。そして、シリ
コン基板1の2つの不純物拡散層4によって挟まれる領
域(チャネル領域)の上には、(Ce,Zr)O2 (又
はCeO2 )からなるバッファ絶縁層4と、Bi3 Ti
NbO9 からなる第2の強誘電体層5と、Bi 4 Ti3
12からなる第1の強誘電体層6と、ポリシリコンから
なるゲート電極7とが順に積層されている。
【0037】ここで、(Ce,Zr)O2 は、CeO2
のCeサイトの一部をZrによって置換した構造を有し
ており、CeO2 と同様に蛍石型構造を有している。そ
の格子定数は、Zr無置換のCeO2 で、a=5.41
1であり、Ceサイトの一部をZrで置換すると(つま
り、(Ce,Zr)O2 になると)、CeO2 よりも格
子定数が小さくなる方向に変化する。また、(Ce,Z
r)O2 は、主面が(100)面であるSi基板の上
に、界面にSiO2 層を形成することなくエピタキシャ
ル成長させることが可能な材料である。
【0038】なお、Bi3 TiNbO9 はa−b方向に
おいては強誘電体としての特性を有しているので、本実
施形態においては、Bi4 Ti3 12膜からなる第1の
強誘電体層6とBi3 TiNbO9 層からなる第2の強
誘電体層5とにより、MFISFETのF層が構成され
ていることになる。
【0039】図6に示す強誘電体ゲートデバイスの構造
は、以下の製造工程によって形成される。
【0040】まず、シリコン基板1上に素子分離となる
LOCOS膜2を形成し、LOCOS膜2によって囲ま
れる活性領域の上に、バッファ絶縁層4となる(Ce,
Zr)O2 膜(又はCeO2 膜)を形成する。このと
き、シリコン基板2をふっ酸によって洗浄してから、シ
リコンが露出している面を水素ターミネーション処理し
た後、基板温度を900℃程度に保持しながら、(C
e,Zr)O2 膜(又はCeO2 膜)をEB蒸着法によ
って形成する。この(Ce,Zr)O2 膜(又はCeO
2 膜)は、シリコン単結晶と格子定数が近く、シリコン
基板の(100)面上にエピタキシャル成長が可能であ
る。その場合、CeO2 膜を形成した場合には、CeO
2 膜とシリコン基板との間の界面にSiO2 が形成され
るおそれがあるが、(Ce,Zr)O2 膜を形成した場
合には、(Ce,Zr)O2 膜とシリコン基板との間の
界面にSiO2 膜が形成されるおそれがない。
【0041】次に、(Ce,Zr)O2 膜の上に、第2
の強誘電体層5となるBi3 NbTiO9 膜を、スパッ
タリング法により形成する。その際、基板温度を約60
0℃とし、スパッタガスとしてArとO2 の混合ガスを
用い、O2 の分圧を25%とし、スパッタ圧力を5mT
orrとして、RFマグネトロンスパッタリング法を用
いる。
【0042】次に、Bi3 NbTiO9 膜の上に、第1
の強誘電体層6となるBi4 Ti312膜をスパッタリ
ング法により形成する。その際、基板温度を約600℃
とし、Bi3 NbTiO9 膜を形成する際の条件とほぼ
同じ条件を採用している。
【0043】ただし、Bi3 NbTiO9 膜及びBi4
Ti3 12膜は、分子線エピタキシャル法により形成す
ることもできる。その場合は、スパッタリング法に比べ
て配向性及び結晶性がさらに向上する。
【0044】その後、Bi4 Ti3 12膜の上に、ゲー
ト電極7となるポリシリコン膜を汎用されている方法に
よって堆積する。そして、ポリシリコン膜の上にフォト
リソグラフィー法によるゲート電極形成用レジストマス
クを形成し、これを用いて、ポリシリコン膜,Bi4
3 12膜,Bi3 NbTiO9 膜及び(Ce,Zr)
2 膜を順次パターニングして、ゲート電極7,第1の
強誘電体層6,第2の強誘電体層5及びバッファ絶縁層
4を形成する。
【0045】さらに、ゲート電極7をマスクとして、シ
リコン基板1内にキャリア用不純物(nチャネル型FE
Tの場合にはAs(砒素)又はP(リン),pチャネル
型FETの場合にはB(ボロン)又はBF2 (フッ化ボ
ロン))のイオン注入を行ない、ソース・ドレイン領域
となる不純物拡散層3を、ゲート電極7に対して自己整
合的に形成する。
【0046】その後、基板上に、層間絶縁膜と、配線層
と、配線層−不純物拡散層(又はゲート電極)間を接続
するためのコンタクトなどとを形成するが、これらの工
程は、半導体記憶装置を形成する際の常套手段であるの
で、図面及び詳細な説明は省略する。
【0047】本実施形態の強誘電体ゲートデバイスによ
ると、以下の効果を発揮することができる。
【0048】図1に示すように、層状ペロブスカイト型
化合物(ペロブスカイト型複合酸化物)のa軸及びb軸
の格子定数は、シリコン単結晶の(100)面における
格子常数に近いので、層状ペロブスカイト型化合物をシ
リコン基板の上にエピタキシャル成長することができれ
ば、強誘電体層をゲート酸化膜として用いた低電圧で駆
動が可能な強誘電体メモリ素子が得られるはずである。
【0049】しかしながら、強誘電体ゲートデバイスの
ごとく、厚みが数10nm〜数100nmという薄い強
誘電体層を用いる場合には、強誘電体層の疲労やリテン
ション特性などの特性の劣化を招くおそれがある。その
原因は、以下のように考えられる。
【0050】一般的に、酸化物強誘電体は、良好な結晶
性を有していれば良好な強誘電特性を有している。とこ
ろが、強誘電体薄膜を半導体基板や絶縁層、あるいは電
極の上に成長させると、強誘電体薄膜と下地の半導体基
板との間の格子定数の差に起因する格子不整合により、
強誘電体薄膜内における半導体基板との間の界面付近の
領域では、結晶構造が乱れた状態になると考えられる。
このことは、強誘電体薄膜の厚みが薄くなると、強誘電
体薄膜の分極量や比誘電率が低下することからも推察さ
れる。
【0051】また、このような結晶が乱れた状態では、
欠陥などに起因する空間電荷や、局所的に生じる反電界
によって、いったん生じた分極が経時的に劣化していく
という保持特性の劣化(リテンション)も生じると考え
られる。
【0052】このようなリテンションや、疲労特性を改
善するためには、理想的な(格子が完全整合した)エピ
タキシャル成長による強誘電体層の形成が有効であると
考えられるが、完全に格子整合する系は存在しないのが
現状である。
【0053】また、強誘電体薄膜中における分極に伴う
イオンの変位はいっそう格子の歪みをもたらすので、強
誘電体薄膜の下地層や、強誘電体薄膜と下地層との間の
界面は乱れた状態になると考えられる。
【0054】すなわち、本実施形態の第2の強誘電体層
5が存在しない場合には、図15に示すように、例えば
絶縁層(MFISFETのI層)として機能する(C
e,Zr)O2 膜(又はCeO2 膜)の上に、強誘電体
層(MFISFETのF層)として機能するBi4 Ti
3 12膜を積層してMFISFETを構成することにな
る。その場合、強誘電体層と絶縁層との間の界面におい
て、(Ce,Zr)O2膜(又はCeO2 膜)などのイ
オン変位型でない物質では電界に平行に分極が生じるの
に対し、層状ペロブスカイト型化合物では電界に対して
斜めに交差する方向(電界に対する平行方向の成分と垂
直方向の成分とを有する方向)に分極が生じるので、電
界に平行な方向においては、両者の界面における分極が
不連続となる。その結果、両者の界面付近における強誘
電体層中に大きな内部電界が生じて、強誘電体層のリテ
ンションや疲労などの不具合が発生することになる。ま
た、イオン変位を伴う他の常誘電体例えばSrTiO3
からなる絶縁層を設けた場合においても、強誘電体層と
絶縁層との間で分極軸が異なるために、両者の界面にお
ける面内方向の連続性は失われる。
【0055】そこで、本実施形態においては、ゲート電
極−基板間の電圧の印加方向に一致するc軸方向におい
て、上記一般式(1)で表される層状ぺロブスカイト型
化合物がmが奇数のときは強誘電体層として機能し、m
が偶数のときは常誘電体層として機能することに着目
し、図7に示すように、層状ペロブスカイト型化合物の
うち式(1)中のmが“2”であるBi3 NbTiO9
膜からなる第2の強誘電体層5(c軸方向においては常
誘電体層)の上に、mが“3”である第1の強誘電体層
6となるBi4 Ti3 12膜を積層し、これを情報記憶
用の強誘電体膜としている。これにより、以下のような
効果を発揮することができる。
【0056】この場合、第1の強誘電体層6と第2の強
誘電体層5とは、共にAm-1 m 3 ペロブスカイト層
をB2 2 層により上下から挟んで構成されているの
で、結晶格子の基本骨格が互いに一致している。したが
って、第1の強誘電体層6と第2の強誘電体層5との結
晶成長軸をc軸に揃えることにより、両者の分極方向が
ほぼ一致するため、イオン分極が安定化される。また、
両者の結晶格子の基本骨格が互いに一致しているので、
第2の強誘電体層5の上に第1の強誘電体層6を形成す
ると、両者の界面における構造をほぼ連続とみなす積層
構造が得られる。すなわち、第1の強誘電体層6の結晶
性の乱れが極めて少なく、かつ、第1の強誘電体層6の
内部に電界がほとんど生じないので、リテンションや疲
労を抑制することができる。
【0057】しかも、第1の強誘電体層6の分極のc軸
に平行な方向の成分は、c軸に垂直な方向の成分に比べ
ると小さいので、c軸方向における電圧−分極変化特性
(ヒステリシス曲線)は、図14に示すように、横軸方
向に長く伸びた形状となる。そのために、ヒステリシス
曲線における分極が反転する部位(Ec付近)の実効誘
電率(ヒステリシス曲線の傾きに相当する)が比較的小
さい。したがって、ゲート電極7−シリコン基板1間に
電圧を印加すると、その電圧が強誘電体層6に有効に印
加され、分極反転が円滑に行なわれることになる。一
方、MFISFETにおいては、情報の“0”,“1”
を判定するための大きな分極量は必要でなく、例えば1
μC/cm2 以下の残留分極量Prで十分である。よっ
て、本実施形態の強誘電体ゲートデバイスを利用して、
情報保持機能の高い半導体メモリ装置を実現することが
できる。
【0058】特に、本実施形態のごとく、第2の強誘電
体層5とシリコン基板1との間に、バッファ絶縁層4を
設けることにより、以下の効果を発揮することができ
る。例えば、CeO2 層からなるバッファ絶縁層4の場
合、Bi3 TiNbO9 のa軸の格子定数が5.406
Åで、Siのa軸の格子定数が5.431Åであるのに
対し、CeO2 のa軸の格子定数が5.411Åである
ので、第2の強誘電体層5とシリコン基板1のシリコン
単結晶との格子不整合をより効果的に緩和することがで
き、疲労やリテンションなどの改善効果も向上する。
【0059】また、強誘電体ゲートデバイスの製造上
も、両者の結晶格子の基本骨格が互いに一致しているの
で、第2の強誘電体層5の上に第1の強誘電体層6を形
成する場合に、スパッタリング法を用いてもエピタキシ
ャル成長と同等の連続成長が容易となる。ただし、分子
線エピタキシャル法などのCVD法を用いて、第1,第
2の強誘電体層6,5のエピタキシャル成長を行なうこ
とも可能である。
【0060】さらに、層状ペロブスカイト型化合物は、
図1に示すように、金属元素の置換により多種の常,強
誘電体材料を設計できるだけでなく、結晶格子の格子定
数の制御が可能であるため、強誘電体層における歪みの
制御による強誘電体層の物性の制御も可能となる。
【0061】例えば、本実施形態においては、第1の強
誘電体層6のa軸の格子定数が5.411Åであるのに
対し、第2の強誘電体層5のa軸の格子定数が5.40
6Åである。つまり、第2の強誘電体層5に対して、第
1の強誘電体層6の格子定数が大きくなっていることか
ら、第1の強誘電体層6が圧縮応力を受けた状態とな
り、第1の強誘電体層6のa軸は縮み、c軸は伸びる。
その結果、第1の強誘電体層6の分極量が増大し、それ
に伴いc軸方向の残留分極値も増大する。逆に、第2の
強誘電体層5を構成する材料のa軸の格子定数よりも小
さい格子定数を有する層状ペロブスカイト型化合物から
なる第1の強誘電体層6を設けることにより、a軸に引
っ張り応力をc軸方向に圧縮応力を与えて、c軸方向の
残留分極値を小さくすることも可能である。
【0062】また、図6に示す第2の強誘電体層5とバ
ッファ絶縁層4との間に、例えばポリシリコンからなる
浮遊ゲートを介在させて、MFMISFETを構成する
こともできる。その場合、バッファ絶縁層4をシリコン
酸化膜により構成できるので、強誘電体層5,6におけ
る界面順位の問題を解決し、さらに各強誘電体層5,6
の結晶性を改善することも可能である。
【0063】−変形形態− 上記第1の実施形態においては、図6に示すように、第
2の強誘電体層5とシリコン基板1との間に(Ce,Z
r)O2 膜(又はCeO2 膜)からなるバッファ絶縁層
4を設けたが、(Ce,Zr)O2 膜(又はCeO
2 膜)に代えて、SiO2 膜、シリコン酸窒化膜(Si
ON膜)、シリコン窒化膜などからなるバッファ絶縁層
を設けてもよい。
【0064】さらに、バッファ絶縁層4を設けないで、
シリコン基板1の上に直接第2の強誘電体層5を設けて
もよい。その場合には、第1の強誘電体層6及び第2の
強誘電体層5からなるF層を有するMFSFETとして
機能する強誘電体ゲートデバイスが得られることにな
る。
【0065】また、図8に示すように、Bi4 Ti3
12膜からなる第1の強誘電体層6の上下の双方に、式
(1)中のmが偶数であるBi3 TiNbO9 膜からな
る第2の強誘電体層5,8を設けてもよい。この場合、
ゲート電極7とシリコン基板1との間に電圧を印加する
と、第1の強誘電体層6及び第2の強誘電体層5,8の
分極状態は、図9に示すごとくになり、電圧の印加を除
去した後には第1の強誘電体層6のみに残留分極が生じ
ることになる。ただし、図9において、第1の強誘電体
層10及び第2の強誘電体層5,8は、単一分子層のご
とく記載されているが、これは理解を容易にするためで
あり、現実には各々複数の分子層を有している。このよ
うに、第1の強誘電体層6の上下に第2の強誘電体層
5,8を設けることにより、第1の強誘電体層6のうち
上方の第2の強誘電体層8との界面付近の領域において
も結晶性をさらに向上させることができ、リテンション
や疲労の抑制効果をより顕著に発揮することができる。
【0066】(第2の実施形態)図10及び図11は、
本発明の第2の実施形態に係る2種類の強誘電体ゲート
デバイスの断面図である。これらの2種類の強誘電体ゲ
ートデバイスは、同じチップ内に設けられている。
【0067】図10に示すように、本実施形態の強誘電
体ゲートデバイスは、第1の実施形態の強誘電体ゲート
デバイスと同様に、シリコン基板1と、素子分離として
機能するLOCOS膜2と、ソース・ドレイン拡散層と
して機能する不純物拡散層3と、(Ce,Zr)O2
(又はCeO2 膜)からなるバッファ絶縁層4と、Bi
3 TiNbO9 膜からなる第2の強誘電体層5と、Bi
4 Ti3 12膜からなる第1の強誘電体層6と、ポリシ
リコン膜からなるゲート電極7とを備えている。
【0068】一方、図11に示す強誘電体ゲートデバイ
スは、バッファ絶縁層4と第1の強誘電体層6との間
に、m=2の層状ペロブスカイト型化合物の1つである
SrBi2 Nb2 9 からなる第2の強誘電体層15を
備えている。その他の部分の構造は図10に示す強誘電
体ゲートデバイスと同様である。本実施形態の図10及
び図11に示す強誘電体ゲートデバイスは、いずれもM
FISFETとして分類されるものであるが、バッファ
絶縁層4を設けずに、MFSFETとしてもよい。ま
た、第2の強誘電体層15とゲート電極7との間にさら
に絶縁膜を介在させてMIFISFETとすることも可
能である。
【0069】本実施形態の強誘電体ゲートデバイスの形
成方法は、上述の第1の実施形態とほぼ同様であるの
で、説明を省略する。本実施形態においても、第1の強
誘電体層6及び第2の強誘電体層5,15は、いずれも
c軸配向されている。
【0070】例えば、図10に示す強誘電体ゲートデバ
イスにおいては、第1の強誘電体層6のa軸の格子定数
が5.411Åであるのに対し、第2の強誘電体層5の
a軸の格子定数が5.406Åである。つまり、第2の
強誘電体層5に対して、第1の強誘電体層6の格子定数
が大きくなっていることから、第1の強誘電体層6が圧
縮応力を受けた状態となり、第1の強誘電体層6のa軸
は縮み、c軸は伸びる。その結果、第1の強誘電体層6
の分極量が増大し、それに伴い残留分極値も増大する。
【0071】一方、図11に示す強誘電体ゲートデバイ
スにおいては、第1の強誘電体層6のa軸の格子定数が
5.411Åであるのに対し、第2の強誘電体層15の
a軸の格子定数が5.500Åである。つまり、第2の
強誘電体層15に対して第1の強誘電体層6のa軸の格
子定数が小さくなっていることから、第1の強誘電体層
6がa−b面内で引っ張り応力を受けた状態となる。そ
の結果、第1の強誘電体層6の残留分極量は、小さくな
る。
【0072】このように、同じチップ内に配置された2
種類の強誘電体ゲートデバイスに対し、ゲート電極7−
シリコン基板1間に同じ電圧を印加して第1の強誘電体
層6に残留分極を与えて情報を記憶させると、両者の残
留分極量が異なる。ところが、第1の強誘電体層6内の
残留分極量が異なると、シリコン基板1の主面上のコン
ダクタンスも異なるので、2種類の強誘電体ゲートデバ
イスが残留分極を有している記憶状態で、両者のしきい
値は残留分極量に応じて変化し、表面を流れる電流量も
その残留分極量により変化する。
【0073】そのため、同一チップ内に、互いに材料が
異なる第2の強誘電体層5,15を有する2種類のトラ
ンジスタを形成することによって、しきい値および駆動
電流量の異なる2種類のトランジスタがトランジスタの
占有面積を変更しなくても容易に形成できる。そのた
め、回路上の問題によりトランジスタのしきい値や駆動
電流量を変化させたいときにも、第2の強誘電体層5,
15の構成材料を変えるだけで、その要求に応えること
ができる。
【0074】なお、本実施形態においても、図10,図
11に示す構造において、バッファ絶縁層4を設けず
に、2種類の強誘電体ゲートデバイスをMFSFETと
してもよい。
【0075】なお、上記第1,第2の実施形態において
は、ゲート電極の下方に強誘電体膜を設けた強誘電体ゲ
ートデバイスに本発明を適用した例について説明した
が、本発明はかかる実施形態に限定されるものではな
い。例えば、スイッチングトランジスタに対して直列に
接続される記憶容量部を設けたDRAM型のメモリデバ
イスにおいて、記憶容量部を、Ptなどからなる下部電
極と、下部電極上に形成され強誘電体膜からなる容量絶
縁膜と、容量絶縁膜上に形成されPtなどからなる上部
電極とにより構成した強誘電体メモリ(例えば特開平6
−342597号公報参照)において、強誘電体膜をm
が偶数の層状ペロブスカイト型化合物とmが奇数のペロ
ブスカイト型化合物との積層体により構成することも可
能である。
【0076】(第3の実施形態)図12は、本発明の第
3の実施形態に係るプログラマブル・ゲートアレイの一
部を示す回路図である。プログラマブル・ゲートアレイ
は、プログラマブル・ロジック・デバイスとも呼ばれ、
半導体デバイスのユーザがそのプログラムに応じた回路
を後から形成できるようにしたものである。回路内に
は、多数のトランジスタ等の素子を配置したロジックブ
ロック(図12においては示されていない)と、各ロジ
ックブロックを結線し、回路を形成するための配線網と
が設けられている。配線網は、ユーザの意図する回路に
なるように配線の結線が行えるように構成されている
が、その配線の結線の手段は、EEPROM型、SRA
M型、アンチヒューズ型、フラッシュメモリ型に分類さ
れる。これらのメモリないし部材は、各配線間を接続状
態・非接続状態に切り換えるスイッチの役割を果たすも
のであり、不揮発性である必要がある。
【0077】そこで、本実施形態においては、第1の配
線21と、第2の配線22とが交差する領域に、上記各
実施形態において説明したような構造を有する強誘電体
ゲートデバイス23を配置し、第1の配線21と第2の
配線22とを強誘電体ゲートデバイス23を介在させた
パス24により接続している。そして、プログラムに応
じて、強誘電体ゲートデバイス23内の情報記憶部(上
記各実施形態における第2の強誘電体層6)に分極を利
用した情報を書き込むことにより、強誘電体ゲートデバ
イス23をオン・オフ切り換えて、第1の配線21−第
2の配線22間を接続状態・非接続状態に切り換えるよ
うに構成されている。
【0078】なお、図12においては、1つの強誘電体
ゲートデバイスしか示されていないが、実際には、配線
領域には上記各実施形態において説明したような構造を
有する強誘電体ゲートデバイスがアレイ状に配置されて
いる。
【0079】本実施形態によると、以下のような効果を
発揮することができる。
【0080】図13は、従来のSRAM型のゲートアレ
イを用いたプログラマブル・ロジック・デバイスの回路
図である。この回路においては、第1の配線101と、
第2の配線102とが交差する領域に、電界効果トラン
ジスタからなるスイッチングトランジスタ103を配置
し、第1の配線101と第2の配線102とをスイッチ
ングトランジスタ103を介在させたパス104により
接続している。さらに、プログラムに応じた入力信号を
受ける端子とスイッチングトランジスタ103との間に
SRAM105を介設している。そして、プログラムに
応じてSRAM105内に情報を書き込むことにより、
スイッチングトランジスタ103をオン・オフ切り換え
て、第1の配線101−第2の配線102間を接続状態
・非接続状態に切り換えるように構成されている。
【0081】ところが、このような従来のSRAMを利
用したプログラマブル・ロジック・デバイスにおいて
は、1つのSRAMに6つのトランジスタ(又は4つの
トランジスタと2つの抵抗素子)を配置する必要があ
り、配線領域の占有面積が著しく増大するという不具合
があった。
【0082】それに対し、本実施形態においては、1つ
のトランジスタである強誘電体ゲートデバイスによって
不揮発性のスイッチ部材を構成することができるので、
プログラマブル・ロジック・デバイスにおける配線領域
の占有面積の低減を図ることができる。また、SRAM
をスイッチングトランジスタと入力との間に介在させる
構造に比べて、高速で情報の書き換えが可能となる利点
もある。
【0083】
【発明の効果】本発明の強誘電体デバイスによると、2
つの導体層の間に、mが奇数である層状ペロブスカイト
型化合物により構成されc軸方向においても強誘電体と
して機能する第1の強誘電体層と、mが偶数である層状
ペロブスカイト型化合により構成されc軸方向において
は常誘電体として機能する第2の強誘電体層とを積層し
てなる強誘電体部を設けたので、結晶性の乱れが極めて
少なくかつ電界のほとんどない第1の強誘電体層によ
り、リテンションや疲労を抑制することができ、よっ
て、分極状態の保持特性の高い強誘電体デバイスを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される層状ペロブスカイト型化合
物の例を一覧表で示す図である。
【図2】mが偶数の層状ペロブスカイト型化合物の例で
あるBi3 TiNbO9 の単位格子の結晶構造を示す斜
視図である。
【図3】mが奇数の層状ペロブスカイト型化合物の例で
あるBi4 Ti3 12の単位格子の結晶構造を示す斜視
図である。
【図4】層状ペロブスカイト型化合物のmが偶数の場合
の分極方向を説明するための図である。
【図5】層状ペロブスカイト型化合物のmが奇数の場合
の分極方向を説明するための図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における強誘電体ゲー
トデバイスであるMFISFETの構造を示す断面図で
ある。
【図7】第1の実施形態に係るMFISFETのゲート
部分のみを抜き出して示す部分断面図である。
【図8】第1の実施形態の変形形態であって、第1の強
誘電体層の上下の双方に第2の強誘電体層を設けた強誘
電体ゲートデバイスの構造を示す断面図である。
【図9】図8に示す強誘電体ゲートデバイスのゲート電
極−シリコン基板間に電圧を印加したときの第1の強誘
電体層及び第2の強誘電体層の分極状態を示す模式図で
ある。
【図10】本発明の第2の実施形態における1つの強誘
電体ゲートデバイスであるMFISFETの構造を示す
断面図である。
【図11】第2の実施形態における他の強誘電体ゲート
デバイスであるMFISFETの構造を示す断面図であ
る。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るプログラマブ
ル・ゲートアレイの一部を示す回路図である。
【図13】従来のSRAM型のゲートアレイを用いたプ
ログラマブル・ロジック・デバイスの回路図である。
【図14】本発明の強誘電体ゲートデバイス中の第1の
強誘電体層のc軸方向における電圧−分極変化特性(ヒ
ステリシス曲線)を示す図である。
【図15】mが奇数の層状ペロブスカイト型化合物から
なる強誘電体層のみをゲート絶縁膜の上に設けた従来の
MFISFETのゲート部分の構造のみを模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 LOCOS膜 3 不純物拡散層 4 バッファ絶縁層 5 第2の強誘電体層 6 第1の強誘電体層 7 ゲート電極 8 第2の強誘電体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/8247 29/788 29/792 (72)発明者 飯島 賢二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F001 AA17 AD12 AF06 5F038 AC15 AC16 AV06 DF05 EZ14 EZ20 5F083 BS00 FR06 GA21 JA02 JA13 PR22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの導体層の間に強誘電体部を介在さ
    せてなる強誘電体デバイスであって、 上記強誘電体部は、 一般式:(Bi2 2 )(Am-1 m 2m+1)により表
    される層状ぺロブスカイト型化合物のうち,上記一般式
    中の上記mが奇数である化合物により構成される第1の
    強誘電体層と、 上記第1の強誘電体層に接触して形成され、上記層状ペ
    ロブスカイト型化合物のうち上記一般式中の上記mが偶
    数である化合物により構成される第2の強誘電体層とを
    備えている強誘電体デバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の強誘電体デバイスにお
    いて、 上記2つの導体層は、半導体基板とその上方に設けられ
    たゲート電極とであって、 上記第2の強誘電体層が上記第1の強誘電体層と半導体
    基板との間に介在していることを特徴とする強誘電体デ
    バイス。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の強誘電体デバイスにおい
    て、 上記第2の強誘電体層と上記半導体基板との間に介在す
    る常誘電体材料からなる絶縁層をさらに備えていること
    を特徴とする強誘電体デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の強誘電体デバイスにおいて、 上記第2の強誘電体層は上記第1の強誘電体層の上下に
    設けられていることを特徴とする強誘電体デバイス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載
    の強誘電体デバイスにおいて、 上記第1の強誘電体層の格子定数と上記第2の強誘電体
    層の格子定数とが互いに異なっており、上記第1の強誘
    電体層に歪みが与えられていることを特徴とする強誘電
    体デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の強誘電体デバイスにおい
    て、 上記2つの導体層は、半導体基板と半導体基板の相異な
    る領域上に設けられた第1,第2のゲート電極とであっ
    て、 上記強誘電体部は、上記第1のゲート電極と半導体基板
    との間に介在する第1,第2の強誘電体部であり、 上記第1及び第2の強誘電体部において、上記第2の強
    誘電体層と上記第1の強誘電体層との間の格子定数の差
    に起因する第1の強誘電体層の格子歪みが互いに異なっ
    ていることを特徴とする強誘電体デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載
    の強誘電体デバイスにおいて、 上記強誘電体部は情報記憶部として機能しており、 強誘電体メモリとして機能することを特徴とする強誘電
    体デバイス。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載
    の強誘電体デバイスにおいて、 プログラマブル・ロジック・デバイス内の配線間に介設
    されるスイッチングトランジスタとして機能することを
    特徴とする強誘電体デバイス。
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CN113321500A (zh) * 2021-06-30 2021-08-31 山东大学 一种高居里温度压电陶瓷及其制备方法

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