JP2001022123A - 電子写真用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー及び画像形成方法

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JP2001022123A
JP2001022123A JP19617099A JP19617099A JP2001022123A JP 2001022123 A JP2001022123 A JP 2001022123A JP 19617099 A JP19617099 A JP 19617099A JP 19617099 A JP19617099 A JP 19617099A JP 2001022123 A JP2001022123 A JP 2001022123A
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Yasushige Nakamura
安成 中村
Yasuyuki Furuse
泰幸 古瀬
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたトナー定着率及び人体や環境に対する
高い安全性を示し、廃棄後に生分解が可能であり、ボイ
ドの発生や定着の際の発煙及び悪臭の発生を抑制するこ
とができる電子写真用トナーを提供すること。 【解決手段】 バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真
用トナーにおいて、バインダ樹脂が、次式(I)のエス
テル型構造の樹脂: 【化1】 (式中、p、q、m及びnはそれぞれ16〜22の正の
整数を表し、そしてRは水素原子又は低級アルキル基を
表す)、及び次式(II)のポリ乳酸樹脂: 【化2】 (式中、aは10〜20,000の正の整数を表し、そ
してRは前記定義に同じである)を組み合わせて含んで
なるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真用トナーに
関し、さらに詳しく述べると、電子写真方式を利用した
各種のイメージング装置、例えば電子写真複写機、電子
写真プリンタ、静電印刷機などにおいて現像剤として有
利に使用することができる、特にフラッシュ定着方式に
最適な電子写真用トナーに関する。本発明は、また、こ
のようなトナーを使用した画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護の観点から、廃棄物の削
減と廃棄物の安全性の向上が世界的に問題視されてい
る。このような問題は、電子写真の分野においても同様
である。すなわち、イメージング装置の広い普及にとも
ない、印刷された用紙、使用済みの廃トナー、複写紙の
廃棄量が年ごとに増大しており、あわせて、地球環境の
保全や人体に対する影響の見地から、そのような廃棄物
の安全性も重要であるからである。
【0003】このような状況の下において、人体に対し
て無害であり、かつ微生物等の作用により経時的に分解
可能な樹脂、すなわち、生分解性の樹脂の開発が進めら
れており、医用材料の分野ではすでにかなりの実績があ
る。農業の分野でも、マルチファイル、園芸資材等に、
そして徐放性の農薬、肥料等に生分解性樹脂が用いられ
ている。レジャー産業の分野でも、釣り糸、釣り用品、
ゴルフ用品等に生分解性樹脂が用いられている。
【0004】電子写真の分野においても、特にトナーの
製造において生分解性樹脂の使用が提案されている。例
えば、特開平6−289644号公報には、少なくとも
結着樹脂が、植物系ワックスと、生分解性樹脂(例え
ば、微生物生産のポリエステル、植物−又は動物−由来
の天然高分子材料等)とを含有し、前記植物系ワックス
が、前記結着樹脂中に5〜50重量%の量で添加されて
いることを特徴とする、特に熱ロール定着用の電子写真
用トナーが開示されている。また、特開平7−1209
75号公報には、次式(1)で示される乳酸系樹脂: H−〔−O−CH(CH3 )−CO−〕n −OR …(1) (上式において、Rは水素原子、アルキル基、アルカリ
金属又はアルカリ土類金属を表し、nは10〜20,0
00の整数を表す)を結着樹脂として含有することを特
徴とする電子写真用トナーが開示されている。さらに、
特開平9−274335号公報には、乳酸及び3官能以
上のオキシカルボン酸を含有する組成物を脱水重縮合し
て得られたポリエステル樹脂及び着色剤を含有すること
を特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている。
【0005】以上に参照して説明した電子写真用トナー
のいずれも、そのバインダ樹脂(結着樹脂)として生分
解性樹脂を使用しており、環境の保全等に寄与する効果
があると理解される。しかし、特開平9−274335
号公報に記載のトナーでは、乳酸のアルコール基とオキ
シカルボン酸中のカルボン酸基との脱水重縮合反応を通
じてポリエステル樹脂を形成しているので、得られる樹
脂の分子量が大きくなりやすく、したがって、生分解性
が低下するものと考察される。さらに、上記したいずれ
のトナーもが、現像剤として実際に使用した場合、プリ
ンタでの連続印刷における帯電の安定性、フラッシュ定
着性、耐ボイド性(印字面における微細な白抜け斑点の
発生)に劣り、満足し得る印字結果を得ることができな
い。特に、フラッシュ定着性については、いずれのトナ
ーも特に加熱ローラー定着用に設計されたトナーである
ので、フラッシュ定着に特有の効果を導くことができな
い。
【0006】ここで、加熱ローラー定着方式とフラッシ
ュ定着方式の相違を説明しておくと、次の通りである。
複写機、プリンタ、印刷機などで広く普及している電子
写真方式は、一般的には、次のような一連の工程からな
る。 (1)感光体の帯電 (2)感光体の露光(潜像形成) (3)トナーによる潜像の現像(トナー像の形成) (4)トナー像の記録媒体への転写 (5)転写されたトナー像の定着 最終の定着工程(5)では、加熱ローラでトナーに圧力
を加えながら溶融圧着させるヒートロール定着方式と、
フラッシュ光などの光照射によりトナーを溶融定着させ
るフラッシュ定着方式とが用いられている。
【0007】ヒートロール定着方式は、トナーを高温で
加圧下に定着させるため、装置を安価に提供でき、ま
た、トナー定着面が平滑になり、印字濃度を高くできる
という利点を有している。反面、この定着方式は、定着
後の記録用紙が高温によりカールをおこし、ロール化し
てしまう、定着ローラがトナーにより汚染されるので、
オフセットが発生する、高速記録や、用紙の定着表面に
糊剤がついているシール葉書などの定着が困難である、
などの欠点を有している。
【0008】これに対して、フラッシュ定着方式は、定
着後の記録用紙がロール化することやオフセットの発生
を防止することができ、しかも高速記録が可能であり、
使用する記録用紙の種類の制限もないなどの多くの利点
を有している。また、フラッシュ定着方式は、露光によ
りトナーを溶融させているので、記録用紙などと非接触
でトナーを定着させることができるという利点を有して
おり、また、そのために、例えばシール葉書などのよう
な特殊の記録用紙における画像の定着に有効である。な
お、フラッシュ定着方式では、フラッシュ光のエネルギ
ー(すなわち、光から変換された熱エネルギー)でトナ
ーの定着を行うので、トナーの色調による吸光量の違い
によってトナーの定着率が大きく変動したり高い定着率
が得られないという問題がある。さらに、フラッシュ定
着に特有な問題としては、定着時に発煙及び悪臭が発生
するという問題や、得られる印字面においてボイドが発
生するという問題がある。悪臭発生のメカニズムについ
て説明すると、フラッシュ定着方式では、ヒートロール
定着方式とは異なって、フラッシュ光が当たることでト
ナーが発熱し定着するメカニズムを採用しているので、
トナー中に含まれるバインダ樹脂の分子がフラッシュ光
の作用により分解せしめられたり熱分解することが起こ
りやすく、定着の際にトナーから発煙し、悪臭も発生す
る。この発煙現象に対処するため、従来のフラッシュ定
着方式を採用した電子写真プリンタでは、活性炭を主成
分とする脱煙脱臭フィルタを定着部近傍に取り付け、煙
の除去を行っている。しかし、現在入手可能なフィルタ
の寿命は短く、しばしば新品のフィルタと交換すること
が必要である。フラッシュ定着方式のその他の問題とし
ては、トナー成分の昇華による装置汚染の問題がある。
【0009】また、特開平8−262796号公報に
は、バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用トナーで
あって、前記バインダ樹脂が生分解性樹脂(例えば、脂
肪族ポリエステル樹脂等)よりなり、そして前記着色剤
が非水溶性色素よりなることを特徴とする電子写真用ト
ナーが開示されている。このトナーは、しかし、加熱、
圧力、加熱加圧、あるいは溶剤蒸気による定着を行う現
像プロセスのためのものであり、満足し得るフラッシュ
定着性を得ることができない。
【0010】さらに、特開平9−281746号公報に
は、ポリ乳酸を3官能以上の多価イソシアナートにより
架橋して得られるウレタン化ポリエステル樹脂及び着色
剤を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが
開示されている。しかし、このトナーも、上述のトナー
と同様、フラッシュ定着方式での使用を意図していな
い。そればかりか、もしもこのトナーをフラッシュ定着
方式に使用した場合、ポリエステル樹脂中のウレタンが
定着中に分解して元の猛毒のイソシアネートを発生する
という重大な問題が発生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、した
がって、特にフラッシュ定着方式を採用した電子写真プ
ロセスにおいて使用可能であって、優れたトナー定着率
を実現するとともに、人体や環境に対する安全性が高
く、廃棄後に生分解が可能であり、フラッシュ定着に特
有のボイドの発生や定着の際の発煙及び悪臭の発生を抑
制することができ、トナー成分の昇華による装置の汚染
や脱煙脱臭フィルタの目詰まりがなく、効率良く安定し
て製造でき、また、長期にわたって安定であるような電
子写真用トナーを提供することにある。
【0012】本発明のもう1つの目的は、上記したよう
な電子写真用トナーの優れた特性を十二分に発揮させる
ことのできる画像形成方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的は、本発明
によれば、バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真用ト
ナーにおいて、前記バインダ樹脂が、次式(I)により
表されるエステル型構造の樹脂:
【0014】
【化3】
【0015】(上式において、p、q、m及びnは、そ
れぞれ、16〜22の正の整数を表し、そしてRは、同
一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を
表すかもしくは1〜4個の炭素原子を有する低級アルキ
ル基を表す)、及び次式(II)により表されるポリ乳酸
樹脂:
【0016】
【化4】
【0017】(上式において、aは、10〜20,00
0の正の整数を表し、そしてRは前記定義に同じであ
る)を組み合わせて含んでなることを特徴とする電子写
真用トナーによって達成することができる。また、本発
明によれば、画像露光による静電潜像の形成、静電潜像
の現像による可視化、可視化された画像の記録媒体への
転写及び転写された画像の定着の各工程を含む電子写真
法により画像を形成する方法において、前記静電潜像の
現像工程において、本発明による電子写真用トナーを含
む現像剤を使用し、かつ前記現像剤の使用により可視化
されたトナー画像を前記記録媒体に転写した後に定着す
る工程において、トナー定着方式として、フラッシュ定
着方式を使用することを特徴とする画像形成方法も提供
される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明者らは、フラッシュ定着方
式に好適であって、優れた定着性を示すとともに、耐ボ
イド性があり、トナーの組成に原因した定着時の発煙や
それに伴う悪臭を発生がなく、しかも、人体や環境に対
する安全性が高く、廃棄後に生分解が可能であるような
電子写真用トナーを開発すべく鋭意研究した結果、前式
(I)により表される特定のエステル型構造の樹脂と、
前式(II)により表される特定のポリ乳酸樹脂とを組み
合わせてバインダ樹脂として使用することのが有効であ
るという知見を得、本発明を完成した。
【0019】本発明による電子写真用トナーは、基本的
に、電子写真法において従来より用いられているトナー
と同様な組成とすることができる。すなわち、本発明の
トナーは、少なくとも、前式(I)のエステル型構造の
樹脂と、前式(II)のポリ乳酸樹脂と、着色剤とを含む
ようにして構成される。なお、「エステル型構造の樹
脂」とは、それを本願明細書において使用する場合、前
式(I)の樹脂を指し、従来よりバインダ樹脂として常
用のポリエステル樹脂と区別することを目的として、あ
えて「ポリエステル樹脂」なる語を使用していない。
【0020】本発明の電子写真用トナーでは、上記した
ように、前式(I)のエステル型構造の樹脂が第1のバ
インダ樹脂として使用される。このエステル型構造の樹
脂は、前式(I)で規定される範囲内において種々の樹
脂を包含する。なかんずく、式中のRがすべて同じであ
りかつメチル基又はエチル基を表すような樹脂を有利に
使用することができる。特に有利に使用することのでき
るエステル型構造の樹脂は、次式(III )により表され
る樹脂である。
【0021】
【化5】
【0022】上記したようなエステル型構造の樹脂
(I)は、トナー中においていろいろな量で使用するこ
とができるというものの、通常、トナーの全量を基準に
して1〜50重量%の範囲で使用するのが好ましく、さ
らに好ましくは3〜20重量%の範囲である。このエス
テル型構造の樹脂の含有量が1重量%を下回ると、樹脂
そのものには定着性の向上効果があるにもかかわらず、
満足し得る定着性の向上を得ることができず、反対に5
0重量%を上回ると、溶剤に溶解しやすいために印字面
にボイドが発生し、いわゆる「耐ボイド性」が低下して
しまう。
【0023】また、エステル型構造の樹脂(I)は、質
量分析により分子量分布を測定した場合に、1,200
〜1,500の分子量を有する樹脂が主成分を構成し、
その範囲に1つのピークを有し、かつ1,420〜1,
430の分子量を有する高分子量の樹脂がイオン化効率
で全体の45%以上であり、そして1,350以下の分
子量を有する低分子量の樹脂が10%以下であることが
望ましい。これは、エステル型構造の樹脂(I)は、不
純物に起因して低分子量の樹脂が混入すると、分子量差
によってフィルタの目詰まりを起こしやすく、また、分
子量で1,350以下の不純物が入ってもフィルタの目
詰まりを起こしやすくなるからである。ここで、エステ
ル型構造の樹脂(I)は、ペンタエリスリトールとテト
ラエルカ酸エステルの反応生成物を主成分としている
が、テトラエルカ酸エステルには不純物として炭素
(C)原子の多い分子とC原子の少ない分子とが混在し
ているため、若干の分子量分布をもつものと考察され
る。
【0024】参考までに示すと、下記の第1表及び添付
の図1は、上記したエステル型構造の樹脂(III )の分
子量分布を質量分析装置(日本電子製、商品名「SX1
02A」)を使用して、ピーク高の比率から求めた結果
をまとめたものである。
【0025】
【表1】
【0026】本発明のトナーにおいて上記したエステル
型構造の樹脂(I)と組み合わせて第2のバインダ樹脂
として用いられるポリ乳酸樹脂は、前記一般式(II)で
規定される範囲内において種々のポリ乳酸樹脂を包含す
る。なかんずく、式中のRが水素原子であるような樹脂
を有利に使用することができる。特に有利に使用するこ
とのできるポリ乳酸樹脂は、次式(IV)により表される
樹脂である。
【0027】
【化6】
【0028】上記したようなポリ乳酸樹脂(II)は、ト
ナー中においていろいろな量で使用することができると
いうものの、通常、トナーの全量を基準にして10〜9
5重量%の範囲で使用するのが好ましく、さらに好まし
くは30〜70重量%の範囲である。このポリ乳酸樹脂
の含有量が10重量%を下回ると、樹脂そのものが耐ボ
イド性には有効であるが定着性に劣るので、満足し得る
定着性の向上を得ることができず、反対に95重量%を
上回っても、より以上の定着性及び耐ボイド性を期待で
きないからである。
【0029】さらに、上記のポリ乳酸樹脂(II)は、先
に説明したように、式中のaが10〜20,000の正
の整数を表すことが好ましく、すなわち、700〜15
0,000の重量平均分子量を有していることが好まし
い。この樹脂の分子量が700を下回ると、ガラス転移
温度が低下してトナーのブロッキングを起こしやすくな
り、反対に150,000を上回ると、定着性が低下す
るようになるからである。
【0030】本発明の電子写真用トナーは、最終的に得
られるトナーの特性(使用時の特性も含む)において優
れた作用効果が期待でき、かついかなる悪影響を生じな
い限りにおいて、上記したエステル型構造の樹脂(I)
及びポリ乳酸樹脂(II)以外の追加のバインダ樹脂(汎
用のバインダ樹脂)を任意に含んでいてもよい。適当な
追加のバインダ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリエーテル−ポリオール樹脂、シ
リコーン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スレチン
−アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂などを挙げることができる。なお、このような
追加のバインダ樹脂の配合量は、その量が多すぎると得
られるトナーが生分解性となり得ないので、通常、最高
でも、バインダ樹脂の全量を基準にして50重量%未満
である。
【0031】さらに、上記したバインダ樹脂との関連に
おいて説明すると、本発明の電子写真用トナーは、通
常、それに含まれるバインダ樹脂のガラス転移温度(T
g)が60℃以上であることが好ましく、バインダ樹脂
及びその他のトナー成分を配合してトナーとした場合に
は58℃以上であることが好ましい。これは、トナーの
Tgが58℃を下回ると、製造後において、例えば運送の
途中でさらされる高温度の影響で、固化してしまう可能
性があるからである。
【0032】本発明の電子写真用トナーにおいてバイン
ダ樹脂中に分散せしめられるべき着色剤は、多くの公知
な染料及び顔料を包含し、トナーにおいて所望とされる
色調に応じて任意に選択して使用することができる。以
下に列挙するものは、本発明の実施において使用するの
に好ましい染料及び顔料の一例である。カーボンブラッ
ク、モノアゾ系赤色顔料、ジスアゾ系黄色顔料、キナク
リドン系マゼンタ顔料、アントラキノン染料、ニグロシ
ン染料、第4級アンモニウム塩系の染料、モノアゾ系の
金属錯塩染料、アニリンブルー(C.I.No.504
05)、カルコオイルブルー(C.I.No.Azoi
c Blue 3)、クロムイエロー(C.I.No.
14090)、ウルトラマリーンブルー(C.I.N
o.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.N
o.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.
47005)、メチレンブルークロライド(C.I.N
o.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.N
o.74160)、マラカイトグリーンオクサレート
(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.
I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.N
o.45435)、ナフトールブルーブラック、食用赤
色2号(アマランス、C.I.No.16185)、食
用赤色3号(エリスロシン、C.I.No.4543
0)、食用赤色40号(アルラレッドAC、C.I.N
o.16035)、食用赤色102号(ニューコクシ
ン、C.I.No.16255)、食用赤色104号
(フロキシン、C.I.No.45410)、食用赤色
105号(ローズベンガル、C.I.No.4544
0)、食用赤色106号(アシドレッド、C.I.N
o.45100)、食用黄色4号(タートラジン、C.
I.No.19140)、食用黄色5号(サンセットイ
エローFCF、C.I.No.15985)、食用緑色
3号(ファーストグリーンFCF、C.I.No.42
053)、食用青色1号(ブリリアントブルーFCF、
C.I.No.42090)、食用青色2号(インジゴ
カーミン、C.I.No.73015)、その他。
【0033】上記したような染料及び顔料は、単独で使
用してもよく、さもなければ、所望とするトナーの色調
を得るために任意に混合して使用してもよい。なお、環
境保全や人体に対する安全性などを考慮した場合には、
特に、ナフトールブルーブラックや各種の食用色素を使
用することが好ましい。上記したような着色剤のトナー
中の含有量は、所望とする着色効果などに応じて広く変
更することができるというものの、通常、最も良好なト
ナー特性を得るため、すなわち、印字の着色力、トナー
の形状安定性、トナーの飛散などを考慮した場合、トナ
ーの全量を基準にして0.1〜20重量%の範囲である
のが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜10重量%
の範囲である。
【0034】本発明の電子写真用トナーは、上記したバ
インダ樹脂及び着色剤に加えて、各種の添加剤を含んで
いてもよい。例えば、本発明のトナーは、そのトナーの
流動性の向上などの目的のために、各種の無機の微粒子
を外添剤として含んでいてもよい。本発明で外添剤とし
て使用し得る無機の微粒子は、通常、1次粒子径が5nm
〜2mmの範囲のものであり、さらに好ましくは5〜50
0nmの範囲のものである。また、この無機の微粒子の表
面積は、それをBET法による比表面積で表すと、20
〜500m2/gの範囲であるのが好ましい。
【0035】本発明の実施において適当な無機の微粒子
の例は、以下に列挙するものに限定されるわけではない
けれども、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バ
リウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、
チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、けい砂、クレー、
雲母、けい灰石、けいそう土、酸化クロム、酸化セリウ
ム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、
酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などを包含する。とり
わけ、シリカの微粉末を有利に使用することができる。
【0036】上記したような無機の微粒子は、トナーに
対していろいろな量で外添して使用することができると
いうものの、通常、トナーの全量を基準にして0.1〜
5.0重量%の範囲で使用するのが好ましく、さらに好
ましくは0.1〜2.0重量%の範囲である。また、本
発明のトナーでは、必要に応じて、上記した無機の外添
剤に加えて、その他の常用の外添剤、例えば、フッ素微
粒子等、あるいは樹脂粒子、例えばアクリル微粒子等、
も使用してもよい。
【0037】さらに、本発明の電子写真用トナーは、ト
ナーの帯電特性を制御する目的で、この技術分野におい
て常用の電荷制御剤を有していてもよい。適当な電荷制
御剤としては、例えば、正帯電トナーにはニグロシン染
料、脂肪酸金属塩、第4アンモニウム塩などの電子供与
性物質を、負帯電トナーにはアゾ系含金属染料、塩素化
パラフィン、塩素化ポリエステルなどの電子受容性物質
を、それぞれ挙げることができる。
【0038】さらにまた、本発明の電子写真用トナーに
は、離型剤あるいはオフセット防止剤として、各種の汎
用のワックス、例えば低分子量のポリプロピレンあるい
はポリエチレンワックス、カルナバワックス、モンタン
ワックス、アマイドワックスなどを使用することができ
る。なお、本発明のトナーを特にフラッシュ定着方式を
採用した電子写真プロセスに使用する予定であるなら
ば、フラッシュ定着時の昇華によってフィルタの目詰ま
りが発生するのを回避するため、ポリプロピレンワック
スを使用するのが有利である。
【0039】以上の説明をまとめると、本発明の実施に
おいて、上記したようなトナー成分は、一般的に、トナ
ーの全量を基準にして、 バインダ樹脂(エステル型構造の樹脂) 1〜50重量% バインダ樹脂(ポリ乳酸樹脂) 10〜95重量% 着色剤 0.1〜20重量% 電荷制御剤 1〜5重量% ワックス 0〜5重量% 外添剤 0〜5重量% の組成比で使用することができる。これらのトナー成分
は、必要に応じて、上記した範囲よりも多くても、さも
なければ少なくてもよい。
【0040】本発明の電子写真用トナーは、上記したよ
うなトナー成分を出発物質として使用して、いろいろな
手順に従って調製することができる。例えば、本発明の
トナーは、バインダ樹脂、着色剤などを分散させた樹脂
塊を粉砕、分級して作製する機械的粉砕法、着色剤を取
り込みながらモノマーを重合させ、微粒子を作製する重
合法などの公知の手法を使用して調製することができ
る。本発明のトナーは、好ましくは、機械的粉砕法に従
って、次のような手順で有利に調製することができる。 (1)材料の混合 バインダ樹脂(エステル型構造の樹脂とポリ乳酸樹
脂)、着色剤、電荷制御剤などを計量した後、粉体混合
機で均一に混合する。粉体混合機としては、例えば、ボ
ールミルなどを使用することができる。着色剤、電荷制
御剤などが樹脂バインダ中に均一に分散せしめられる。 (2)溶融混練 得られた混合物を加熱溶融させ、さらに混練する。スク
リュー押出機(エクストルーダ)、ロールミル、ニーダ
などを有利に使用することができる。着色剤粒子の微細
化と均一分散などが達成される。 (3)冷却固化 混練の完了後、得られた混練物を冷却し、固化させる。 (4)粉砕 固化した混練物を先ず最初にハンマーミル、カッターミ
ルなどの粗粉砕機で粗粉砕し、さらに続けて、ジェット
ミルなどの微粉砕機で微粉砕する。 (5)分級 微粉砕の完了後、トナー流動性の低下、トナーの飛散を
引き起こす微小粒子及び画質の低下を引き起こす粗大粒
子を除去するため、得られた微粉砕粒子を分級する。分
級装置としては、例えば、遠心力を利用した気流分級機
を使用することができる。約0.5〜50μm、好まし
くは約1〜15μmの平均粒径を有する球状のトナー微
粉体が得られる。 (6)表面処理 最終工程として、トナーの流動性の向上などの目的のた
め、得られたトナー微粉体の表面に疎水性シリカあるい
は酸化チタン及び必要に応じてその他の外添剤を添加
し、付着させてもよい。表面処理装置としては、例え
ば、高速流動型混合機を使用することができる。
【0041】本発明のトナーは、磁性トナーでもよく、
あるいは非磁性トナーでもよく、また、それを使用する
現像方式は、キャリヤを併用する2成分方式でも、ある
いはトナーのみを使用する1成分方式でもよい。2成分
方式のトナーの場合、併用するキャリヤとしては、この
技術分野において常用のいろいろなキャリヤ材料、例え
ば鉄粉、フェライト粉などを使用することができる。
【0042】特に、本発明では、より良好に現像を行う
ため、芯材にコーティングを施して得た材料をキャリヤ
として有利に使用することができる。キャリヤの芯材の
材料としては、例えば、約65〜75emu/gのマン
ガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料が最適であ
るが、高磁化(約200emu/g)の鉄粉、マグネタ
イト(約90emu/g)、亜鉛(Cu−Zn)系材料
(約60emu/g)などであってもよい。
【0043】上記したようなキャリヤ芯材は、好ましく
は、粒子の形態で使用することができ、また、そのよう
な芯材粒子の平均粒径は、好ましくは、20〜100μ
mの範囲であり、さらに好ましくは、60〜90μmの
範囲である。芯材粒子の平均粒径が20μmを下回る
と、キャリヤ粒子の分布において微粉系が多くなり、キ
ャリヤ粒子1個当たりの磁化が低くなることの結果、キ
ャリヤの飛散が発生する。反対に、芯材粒子の平均粒径
が100μmを上回ると、比表面積が低下することの結
果としてトナーの飛散が発生する。また、ベタ部分の多
いフルカラー印字の場合には、ベタ部分の再現が特に悪
くなり、好ましくない。
【0044】キャリヤ芯材に被覆すべきコーティング
は、好ましくは、樹脂コーティングであり、さらに好ま
しくは、シリコーン樹脂コーティングである。シリコー
ン樹脂は、キャリヤの長寿命に有効に貢献し得るからで
ある。シリコーン樹脂あるいはその他の樹脂のコーティ
ングの量は、所望とする効果に応じて広く変更すること
ができるというものの、通常、樹脂被覆した芯材の全量
を基準にして0.1〜5.0重量%の範囲であり、好ま
しくは、0.15〜2.0重量%の範囲であり、さらに
好ましくは、0.8〜1.5重量%の範囲である。樹脂
コーティングの量が0.1重量%を下回ると、本発明に
用いられるキャリヤ芯材の表面積指数の範囲(1.0〜
2.1)では、キャリヤ表面に均一な樹脂コーティング
を形成することができない。反対に、樹脂コーティング
の量が5.0重量%を上回ると、樹脂コーティングが厚
くなりすぎる結果、キャリヤ粒子どうしでの造粒が発生
し、均一なキャリヤ粒子を得ることができなくなる傾向
が発生する。
【0045】キャリヤ芯材の表面に樹脂コーティングを
施すことは、いろいろな技法に従って行うことができ
る。好ましくは、コーティング形成性の樹脂を適当な溶
剤に溶解させた後、得られた樹脂溶液を、例えば浸漬
法、スプレー法、刷毛塗り法などによりキャリヤ芯材の
表面に施すことができる。樹脂溶液の調製に使用するこ
とのできる溶剤は、例えば、トルエン、キシレン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルセロ
ソルブアセテートなどである。これらの溶剤は、単独で
使用してもよく、あるいは混合して使用してもよい。
【0046】樹脂コーティングの形成が完了した後、乾
燥により溶剤を蒸発させ、さらに続けて焼付を行う。焼
付装置としては、外部加熱方式又は内部加熱方式のいず
れであってもよく、例えば、固定式又は流動式の電気
炉、ロータリー式の電気炉、バーナー炉などを使用する
ことができる。また、マイクロウエーブを利用した焼付
装置を使用してもよい。焼付温度としては、180〜3
00℃の温度が好ましく、さらに好ましくは、220〜
280℃の温度である。焼付温度が180℃を下回る
と、樹脂コーティングを十分に固化させることができ
ず、反対に300℃を上回ると、樹脂そのものの一部が
分解が発生し、その結果、樹脂の表面層が荒れ、均一な
樹脂コーティングが得られなくなるおそれがある。
【0047】本発明は、そのもう1つの面において、画
像露光による静電潜像の形成、静電潜像の現像による可
視化、可視化された画像の記録媒体への転写及び転写さ
れた画像の定着の各工程を含む電子写真法により画像を
形成する方法において、前記静電潜像の現像工程におい
て、本発明の電子写真用トナーを含む現像剤を使用し、
かつ前記現像剤の使用により可視化されたトナー画像を
前記記録媒体に転写した後に定着する工程において、ト
ナー定着方式として、フラッシュ定着方式を使用するこ
とを特徴とする画像形成方法にある。この本発明による
画像形成方法は、従来より一般的に使用されている手順
及び装置を使用して実施することができる。典型的な画
像形成の手順は、例えば、次の通りである。 (1)感光体の帯電 例えば感光体ドラムなどのような光導電性絶縁体の表面
に正又は負の均一な静電荷を与える。感光体としては、
例えば、アモルファスシリコン、セレンなどの無機の感
光体、あるいはポリシラン、フタロシアニンなどの有機
の感光体を挙げることができる。 (2)感光体の露光(潜像形成) 一様帯電工程の完了後、様々な手段によって光導電性絶
縁体に光像を照射することによってその絶縁体上の静電
荷を部分的に消去して静電潜像を形成する。例えば、レ
ーザ光を照射して、特定部分の表面電荷を消去すること
により、画像情報に応じた静電潜像を光導電性絶縁体上
に形成することができる。また、光導電性絶縁体の裏側
から現像部に露光することで現像を行う、いわゆる「光
背面方式」を採用してもよい。 (3)トナーによる潜像の現像 次いで、光導電性絶縁体上の静電荷の残った潜像部分に
本発明のトナー(現像剤)の微粉体を付着させ、潜像を
可視化する。この現像の方式は、先にも説明したよう
に、1成分方式及び2成分方式のいずれであってもよ
い。トナー像が得られる。 (4)トナー像の記録媒体への転写 上記のようにして得られたトナー像を、印刷物となすた
め、一般的に、記録紙などの記録媒体に静電的に転写す
る。 (5)転写されたトナー像の定着 記録媒体に静電的に転写されたトナー像を、フラッシュ
定着方式により溶融定着させる。フラッシュ定着の条件
は、広い範囲で変更することができるというものの、好
ましくは、 フラッシュ光の発光エネルギー 0.5〜3.0J/cm2 発光時間 500〜3,000μs の範囲である。ここで、特に発光エネルギー及び発光時
間を規定しているのは、発光エネルギーが強く、発光時
間が長すぎると、定着性の良好なトナーを用いたときに
記録媒体としての用紙が燃えやすくなってしまうからで
ある。なお、本発明の画像形成方法では、転写されたト
ナー像の定着の定着のため、このフラッシュ定着方式に
代えて、加熱ロール定着方式やその他の定着方式を採用
しても、比較可能な作用効果を得ることができるであろ
う。
【0048】
【実施例】以下、本発明をその実施例及び比較例を参照
して説明する。なお、下記の実施例中の「部」は、特に
断りのある場合を除いてすべて「重量部」を意味する。
また、下記の第2表〜第4表のそれぞれに記載の各トナ
ー成分の配合量も「重量部」である。例1 トナー1の調製 下記の第2表にも記載するように、下記のトナー成分を
記載の量で用意した。 バインダ樹脂: エステル型構造の樹脂(III )(次式参照、日本油脂製) 0.5部
【0049】
【化7】
【0050】 ポリ乳酸樹脂(IV)(重量平均分子量10,000、 92.5部 次式参照、三井化学製)
【0051】
【化8】
【0052】 着色剤:ナフトールブルーブラック(アイゼン製) 5部 帯電制御剤:スルホン酸ポリマー 1部 (藤倉化成製、商品名「FCA−1001NS」) ワックス:ポリプロピレンワックス 1部 (三井化学製、商品名「NP105」) 外添剤:酸化チタン(BET表面積=200m2/g) 0.5部 (日本アエロジル製、商品名「R974」) これらのトナー成分をヘンシェルミキサに投入して予備
混合を行った後、160℃に加熱したエクストルーダに
より溶融混練した。得られた混練物を冷却固化した後、
ハンマーミルにて粗粉砕し、さらにジェットミルにて微
粉砕した。得られた微粉末を気流分級機にて分級を行
い、体積平均粒径が8.5μmの黒色の着色微粒子を得
た。次いで、得られた微粒子に対して1.5部の疎水性
シリカ微粒子(クラリアントジャパン製、商品名「H2
000/4」)を添加し、ヘンシェルミキサにより外添
処理を行った後、気流分級機で分級した。平均粒径8.
5μmの球形トナー微粉体が得られた。以下、このトナ
ー微粉体を「トナー1」と呼ぶ。例2 トナー2〜トナー11の調製 前記例1に記載の手法を繰り返して球形トナー微粉体を
調製した。なお、本例では、下記の第2表〜第4表に記
載するように、トナー成分の組み合わせ及び配合量を変
更した。それぞれのトナーの変更点をまとめると、次の
通りである。 「トナー2」… エステル型構造の樹脂(III ) 1部 ポリ乳酸樹脂(IV) 92部 「トナー2−1」… エステル型構造の樹脂(III ) 1部 ポリ乳酸樹脂(IV) 92部 外添剤:酸化チタン(チタン工業製、 0.5部 商品名「EC210」) 「トナー2−2」… エステル型構造の樹脂(III ) 1部 ポリ乳酸樹脂(IV) 92部 外添剤:酸化チタン(チタン工業製、 0.5部 商品名「EC100」) 「トナー2−3」… エステル型構造の樹脂(III ) 1部 ポリ乳酸樹脂(IV) 92部 外添剤:酸化チタン(日本アエロジル製、 0.5部 商品名「R976」) 「トナー3」… エステル型構造の樹脂(III ) 10部 ポリ乳酸樹脂(IV) 83部 「トナー4」… エステル型構造の樹脂(III ) 50部 ポリ乳酸樹脂(IV) 43部 「トナー5」… エステル型構造の樹脂(III ) 93部 ポリ乳酸樹脂(IV) 0部(不使用) 「トナー6」… エステル型構造の樹脂(III ) 10部 ポリ乳酸樹脂(IV) 83部 着色剤:食用赤色3号(アイゼン製) 5部 「トナー7」… エステル型構造の樹脂(III ) 10部 ポリ乳酸樹脂(IV) 73部 スチレン−アクリル樹脂(三井化学製) 10部 「トナー8」… エステル型構造の樹脂(III ) 10部 ポリ乳酸樹脂(IV) 33部 スチレン−アクリル樹脂(三井化学製) 50部 「トナー9」… エステル型構造の樹脂(III ) 10部 ポリ乳酸樹脂(IV) 73部 ポリエステル樹脂(花王製) 10部 着色剤:ナフトールブルーブラック 10部 「トナー10」… エステル型構造の樹脂(III ) 10部 ポリ乳酸樹脂(IV) 33部 ポリエステル樹脂(花王製) 50部 着色剤:ナフトールブルーブラック 10部 「トナー11」… エステル型構造の樹脂(III ) 1部 ポリ乳酸樹脂(IV) 92部例3 キャリヤ1の調製 平均粒径80μmのマンガン−ストロンチウム(Mn−
Sr)フェライト粒子(パウダーテック製)をキャリヤ
芯材として用意し、この芯材の表面に流動床を用いてシ
リコーン樹脂(固形分含有量:20重量%、東レ・ダウ
コーニング・シリコーン製、商品名「SR2411」)
を0.1重量%の被覆量でコーティングした。コーティ
ングの完了後、250℃の温度で3時間にわたって焼付
を行った。シリコーン樹脂被覆のMn−Srフェライト
キャリヤが得られた。例4 キャリヤ2〜キャリヤ6の調製 前記例3に記載の手法を繰り返して樹脂被覆のキャリヤ
を調製した。なお、本例では、下記のように、キャリヤ
成分の芯材(いずれも、パウダーテック製)を変更し
た。それぞれのキャリヤの変更点をまとめると、次の通
りである。 「キャリヤ2」…平均粒径15μmのMn−Srフェラ
イト粒子 「キャリヤ3」…平均粒径20μmのMn−Srフェラ
イト粒子 「キャリヤ4」…平均粒径100μmのMn−Srフェ
ライト粒子 「キャリヤ5」…平均粒径150μmのMn−Srフェ
ライト粒子 「キャリヤ6」…平均粒径80μmの鉄粉例5 キャリヤ7の調製 平均粒径80μmのマンガン−ストロンチウム(Mn−
Sr)フェライト粒子(パウダーテック製)をキャリヤ
芯材として用意し、この芯材の表面に流動床を用いてス
チレン−アクリル樹脂(三菱レイヨン製、商品名「SR
2411」)を0.1重量%の被覆量でコーティングし
た。コーティングの完了後、100℃の温度で1時間に
わたって乾燥を行った。スチレン−アクリル樹脂被覆の
Mn−Srフェライトキャリヤが得られた。例6 印字試験 前記例1及び例2のそれぞれにおいて調製したトナーの
フラッシュ定着性、生分解性などを評価するため、下記
の手順で印字試験を実施した。
【0053】それぞれのトナーを前記例3〜例5のそれ
ぞれで調製した樹脂被覆キャリヤと混合し、トナー濃度
4.5重量%の現像剤を調製した。ここで調製した現像
剤は、以下にまとめて示すように、合計して19種類で
ある。 現像剤の番号 トナーの番号 キャリヤの番号 現像剤1 1 1 現像剤2 2 1 現像剤3 2 2 現像剤4 2 3 現像剤5 2 4 現像剤6 2 5 現像剤7 2 6 現像剤8 2−1 1 現像剤9 2−2 1 現像剤10 2−3 1 現像剤11 3 1 現像剤12 4 1 現像剤13 5 1 現像剤14 6 1 現像剤15 7 1 現像剤16 8 1 現像剤17 9 1 現像剤18 10 1 現像剤19 11 7 フラッシュ定着機を内蔵した高速プリンタ装置(品番F
6760D、富士通社製)を負帯電トナー用に改造した
後、上記した現像剤のそれぞれを使用して普通紙に文書
パターンを連続印刷した。プリンタ装置のプロセス速度
は1200mm/秒であり、また、トナー消費量は約1kg
/時間であった。
【0054】それぞれのトナーの印字試験において、下
記の8項目の特性に関して評価を行った。得られた結果
を下記の第2表〜第4表に示す。 (1)定着性 トナー印字の剥離状態により定着性の善し悪しを評価し
た。印字サンプルの印字面に加重600gでメンディン
グテープ(住友スリーエム製)を貼り付けた後、剥離し
た。テープの剥離後、印字面の印字濃度の変化を光学濃
度計により測定し、印字濃度の変化が10%以下のもの
を「良好な定着性を有する(下記の表中、○で表示)」
とし、それ以外のものを「不良(×)」とした。 (2)耐ボイド性 印字サンプルの印字面を光学顕微鏡で観察し、ボイド
(小さな白点)が認められなかったものを「良好な耐ボ
イド性を有する(○)」とし、それ以外のものを「不良
(×)」とした。 (3)トナーの粉砕性 トナーの調製時におけるトナーの粉砕性の善し悪しを目
視により評価した。なんらの支障もなくトナーの粉砕を
行い得たものを「良好(○)」、それ以外を「不良
(×)」とした。 (4)フラッシュ定着機のフィルタの目詰まり 100万枚の連続印刷が完了した後、使用したフラッシ
ュ定着機のフィルタの目詰まりの状態を目視により観察
した。少しの目詰まりのないものを「良好(○)」、そ
れ以外を「不良(×)」とした。 (5)トナーの生分解性 それぞれのトナーを溶融成形して約50μmの厚さを有
する矩形のフィルムを作製した。得られたフィルムを土
壌中で6ヶ月間にわたって放置した。フィルムを土壌か
ら取り出してその形状の変化を目視により評価し、その
形状が完全にかもしくはほぼ完全に消失しているものを
「良好(○)」、それ以外を「不良(×)」とした。 (6)初期印字 印字の初期段階で、得られた印字サンプルの印字状態の
善し悪しを目視により評価した。満足のいく印字が行わ
れているものを「良好(○)」、それ以外を「不良
(×)」とした。 (7)キャリヤの付着 プリンタ汚染の評価のため、プリンタ装置の内部におけ
るキャリヤの付着の有無を目視により観察した。少しの
キャリヤ付着も認められないものを「良好(○)」、そ
れ以外を「不良(×)」とした。 (8)100万枚印刷後の印字状態 100万枚の印字の完了後、得られた印字サンプルの印
字状態の善し悪しを目視により評価した。満足のいく印
字が行われているものを「良好(○)」、それ以外を
「不良(×)」とした。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】トナーの生分解性の評価試験において、本
発明によるトナーではその形状がほぼ完全に消失してい
たが、比較のためにバインダ樹脂としてスチレンアクリ
ル樹脂やポリエステル樹脂を使用したトナーでは、トナ
ーのフィルム状の形状がそのまま残留していた。また、
100万枚印刷後の印字状態の評価試験では、特に現像
剤19(キャリヤの調製時、スチレン−アクリル樹脂を
コート剤として使用)において、帯電量の大幅な減少に
よるカブリの増大が認められた。
【0059】上記した結果から総合的に考察されること
として、本発明によるトナーを使用した場合には、フラ
ッシュ定着性に優れた良好な品質を有するプリントを得
ることができるばかりでなく、使用したトナーに生分解
性があり、廃棄しても微生物などの作用により早期に分
解させることができる。
【0060】
【発明の効果】以上に説明したように、特にフラッシュ
定着方式を採用した電子写真プロセスに使用するのに最
適であり、優れたトナー定着率を実現するとともに、人
体や環境に対する安全性が高く、廃棄後に生分解が可能
であり、フラッシュ定着に特有のボイドの発生や定着の
際の発煙及び悪臭の発生を抑制することができ、トナー
成分の昇華による装置の汚染や脱煙脱臭フィルタの目詰
まりがなく、効率良く安定して製造でき、また、長期に
わたって安定であるような電子写真用トナーを提供する
ことができる。また、従来のトナーでフラッシュ定着の
際に発生した発煙を防止することができるので、発煙に
伴う悪臭等の不快感を排除し、フィルタ交換などの煩雑
な作業をなくすることができる。なお、本発明のトナー
は、フラッシュ定着方式を採用して電子写真プロセスに
おいてばかりでなく、加熱ロール定着方式を採用した電
子写真プロセスにおいても良好な作用効果を奏すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用されるエステル構造の樹脂の、分
子量とイオン化効率の関係をプロットしたグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA01 AA08 AA29 BA02 BA06 CA08 CA15 CB07 CB13 EA05 EA07 EA10 FA01 FB03 2H033 AA42 BA58 BC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダ樹脂及び着色剤を含む電子写真
    用トナーにおいて、前記バインダ樹脂が、 次式(I)により表されるエステル型構造の樹脂: 【化1】 (上式において、p、q、m及びnは、それぞれ、16
    〜22の正の整数を表し、そしてRは、同一もしくは異
    なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表すかもしく
    は1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル基を表
    す)、及び次式(II)により表されるポリ乳酸樹脂: 【化2】 (上式において、aは、10〜20,000の正の整数
    を表し、そしてRは前記定義に同じである)を組み合わ
    せて含んでなることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 前記エステル型構造の樹脂(I)が、ト
    ナーの全量を基準にして1〜50重量%の量で含まれか
    つ前記ポリ乳酸樹脂(II)が、トナーの全量を基準にし
    て10〜95重量%の量で含まれることを特徴とする請
    求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】 前記トナーの粒子の表面に、1次平均粒
    子径が2〜5nmの範囲でありかつBET法による比表面
    積が20〜500m2/gの範囲である無機の微粒子が外
    添されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 画像露光による静電潜像の形成、静電潜
    像の現像による可視化、可視化された画像の記録媒体へ
    の転写及び転写された画像の定着の各工程を含む電子写
    真法により画像を形成する方法において、 前記静電潜像の現像工程において、請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の電子写真用トナーを含む現像剤を使用
    し、かつ前記現像剤の使用により可視化されたトナー画
    像を前記記録媒体に転写した後に定着する工程におい
    て、トナー定着方式として、フラッシュ定着方式を使用
    することを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記現像剤が2成分系現像剤であり、前
    記電子写真用トナーと組み合わせて、芯材の表面に樹脂
    コーティングを施したキャリヤを含むことを特徴とする
    請求項4に記載の画像形成方法。
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