JP2001019752A - 脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法 - Google Patents
脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法Info
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Abstract
優れ、また機械的強度の優れている高分子量脂肪族ポリ
エステル系重合体を実用性の高い重合速度で工業的に有
利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 (i)脂肪族ジカルボン酸又はそのジエ
ステルと脂肪族ジオールとの混合物又は(ii)該混合物
の予備縮合物を反応原料として用い、この反応原料をエ
ステル交換反応触媒の存在下で重縮合反応させる方法に
おいて、該触媒に対する助触媒として下記一般式(I) O=P(OH)2R (I) (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基を示す)で表される
有機ホスホン酸、スルホン酸基又は硫酸エステル基を有
する脂肪族系及び/又は芳香族系化合物及び硫酸の中か
ら選ばれる少なくとも1種のプロトン酸を用いることを
特徴とする脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法。
Description
ル系重合体の製造方法及びその方法により得られた重合
体に関するものである。
の合成高分子は、日常生活に欠かせない材料として大量
に使われているが、これらの合成高分子は、自然環境で
分解されないことから、廃棄高分子の増加に伴って環境
問題が顕在化している。このため、生分解性プラスチッ
クの開発が進められており、生分解性を有する高分子と
して、脂肪族ポリエステルが注目されている。しかし、
従来の脂肪族ポリエステルはコストや強度等で解決すべ
き問題が多い。例えば、ポリヒドロキシブチレートは融
解温度が高く、性能の良いポリエステルであるが、融解
温度と分解温度の差が少ないことから、成形時に熱分解
して性能低下や臭気発生等の問題を起し易い上に、微生
物を用いて生産される高分子なので生産性が低く、コス
ト高である。また、ポリカプロラクトンは現在工業生産
されている数少ない脂肪族ポリエステルであるが、融解
温度が約60℃にすぎないことから用途が制限される。
さらに、ヒドロキシカルボン酸の重合体は生分解性の良
い重合体として注目されており、特に乳酸の重合体は生
体吸収材料に使われるほど生体親和性の重合体である
が、これらはその製造工程が複雑である。
関する諸問題を解決するため、脂肪族ジカルボン酸又は
その無水物とグリコールとの重縮合で得られるポリエス
テルが注目されている。このポリエステルの製造法は古
くから知られており、酸としてはコハク酸、アジピン
酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカジカルボン酸等を
使い、グリコールにはエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−シクロヘキサンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール等を使う方法が報告さ
れている。そして、コハク酸を原料とする重合体は融解
温度が70℃以上と報告されている。しかし、このよう
な重合体はいずれも数平均分子量が数千程度なので、フ
ィルムや繊維にできる程度の機械的強度がない。
スチックとして脚光を浴びており、そのため下記のよう
に数平均分子量が大きく機械的強度の高いポリエステル
製造法が多数提案されている。しかし、これらの提案で
は、いずれも製造工程が増える上に重合体性能が下がる
場合もあり、充分満足できる方法は見当らない。特開平
4−189822号公報及び特開平4−189823号
公報によれば、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とグ
リコールとから数平均分子量1.5万程度の脂肪族ポリ
エステルを製造し、これをジイソシアネートで架橋して
分子量を増やす方法が示されている。しかし、この方法
ではミクロゲルが生成して重合体品質を低下させる等の
問題がある。また、特開平5−287041号公報及び
特開平5−287042号公報によれば、脂肪族ジカル
ボン酸とグリコールと多価イソシアネートの3者を共重
合し、これによって数平均分子量が高く、分子量分布の
広い高分子を得ている。この高分子は、分子量が高く、
機械的強度が大きい上に、分子量分布が広いことから溶
融粘度が高く、フィルム等の成形品を製造するのに好適
である。同様な目的で、特開平5−287068号公報
には、前記3成分の他に3,3,4,4−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸無水物を加えた4成分共重合体が、
特開平5−295071号公報には前記3者の他にペン
タエリスリトール等の多価アルコールを加えた4成分共
重合体が提案されている。しかし、これらの共重合体に
はゲルが生成する等の問題がある。このほか、特開平6
−192374号公報には、脂肪族ジカルボン酸とグリ
コールと多価アルコール又は多価カルボン酸とから低分
子量脂肪族ポリエステルを合成し、これに末端がイソシ
アネート基となっている脂肪族ポリエステルを反応さ
せ、ミクロゲル不含の高分子量重合体を得る方法が提案
されている。しかし、この方法では更に製造工程が増加
するという難点がある。
れば、脂肪族ジカルボン酸ジエステルと脂肪族グリコー
ルにさらにカーボネート化合物を共重合させ、脂肪族ポ
リエステルカーボネートにすることにより、生分解性を
向上させることができ、さらにその共重合比を変化させ
ることにより生分解性を制御できることが提案されてい
る。しかしながら、このポリエステルカーボネートの場
合、カーボネート化合物を共重合することにより機械的
強度の低下が見られる。
方法においては、チタンテトライソプロポキシド等の一
般的なエステル交換反応用触媒が用いられている。しか
しながら、この触媒の場合、そのポリエステル化反応速
度が未だ不十分である上、得られるポリマーの着色の問
題がある他、フィルムや糸等の用途に対し、得られる重
合体の機械的性質、特に破断伸びが充分でない等実用上
改善すべき問題がある。着色の問題については、米国特
許5504148(1996)によると、Ti触媒に着色
防止剤としてリン酸等を加え、高分子量化する方法が提
案されている。しかしながら、反応速度が未だ不十分で
あり、またリン酸等のリン化合物の存在により原料のジ
オールからテトラヒドロフランのような副生物が生成す
る(化学大辞典7巻850p(昭和37年))等の問題
があり、コスト的にも不十分であり、改善すべき問題が
ある。
な程度の融解温度をもち、色調に優れ、また機械的強度
の優れている高分子量脂肪族ポリエステル系重合体を実
用性の高い重合速度で工業的に有利に製造する方法及び
それから得られた重合体を提供することをその課題とす
る。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、(i)脂肪族ジカル
ボン酸又はそのジエステルと脂肪族ジオールとの混合物
又は(ii)該混合物の予備縮合物を反応原料として用
い、この反応原料をエステル交換反応触媒の存在下で重
縮合反応させる方法において、該触媒に対する助触媒と
して下記一般式(I) O=P(OH)2R (I) (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基を示す)で表される
有機ホスホン酸、スルホン酸基又は硫酸エステル基を有
する脂肪族系及び/又は芳香族系化合物及び硫酸の中か
ら選ばれる少なくとも1種のプロトン酸を用いることを
特徴とする脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法が提
供される。また、本発明によれば、(i)オキシカルボ
ン酸系化合物又は(ii)その予備縮合物を反応原料とし
て用い、この反応原料をエステル交換反応触媒の存在下
で重縮合反応させる方法において、該触媒に対する助触
媒として、下記一般式(I) O=P(OH)2R (I) (式中、Rは脂肪族基または芳香族基を示す)で表され
る有機ホスホン酸、スルホン酸基又は硫酸エステル基を
有する脂肪族系及び/又は芳香族系化合物及び硫酸の中
から選ばれる少なくとも1種のプロトン酸を用いること
を特徴とする脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法が
提供される。さらに、本発明によれば、前記方法で得ら
れた脂肪族ポリエステル系重合体が提供される。
その反応主原料として脂肪族ジカルボン酸またはそのジ
エステルが用いられる。このものは、下記一般式(1)
で表される。
の二価脂肪族基を示す。二価脂肪族基は、鎖状又は環状
のものであることができ、また飽和又は不飽和のもので
あることができる。さらに、この二価脂肪族基は、その
主鎖には、炭素の他、酸素等のヘテロ原子を含有するこ
ともできる。本発明で用いる好ましい二価脂肪族基は、
炭素数1〜12、好ましくは1〜10のエーテル結合を
含有していてもよいアルキレン基又はアルケニレン基
や、アルキレンオキシ基又はオキシアルキレン基等であ
る。二価脂肪族基の具体例を示すと、−CH2−、−C2
H4−、−CH2O−、−CH2OCH2−、−C3H6−、
−C4H2−、−C6H12−、−C3H16−、−C12H
24−、−C12H22−等が挙げられる。tはゼロ又は1の
数を示し、tがゼロの場合は、前記一般式(1)で表さ
れるジカルボン酸成分は、シュウ酸(HOOC−COO
H)を示し、tが1の場合には、ジカルボン酸成分はR
11OOC−R1−COOR11で表されるジカルボン酸又
はそのエステルを示す。前記一般式(1)において、そ
のR11は、水素、低級アルキル基又はアリール基を示
す。低級アルキル基としては、炭素数1〜6、好ましく
は1〜4のアルキル基が挙げられる。アリール基として
は、炭素数6〜10、好ましくは6〜8のもの、例えば
フェニル基等が挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸と
しては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン
酸、セバシン酸、ドデカン酸、ジグリコール酸等が挙げ
られる。
主原料として脂肪族ジオールが用いられる。このもの
は、下記一般式(2)で表される。
の二価脂肪族基を示す。この場合、二価脂肪族基は、鎖
状又は環状のものであることができ、また飽和又は不飽
和のものであることができる。さらに、この二価脂肪族
基は、その主鎖には、炭素の他、酸素等のヘテロ原子を
含有することもできる。本発明で用いる好ましい二価脂
肪族基は、炭素数1〜12、好ましくは2〜10のエー
テル結合を含有していてもよいアルキレン基又はアルケ
ニレン基や、アルキレンオキシ基又はオキシアルキレン
基等である。具体例としては、−CH2−、−C2H
4−、−C3H6−、−C4H3−、−C6H12−、−C8H
16−、−C12H24−、−C12H 22−(ドデセニル)、−
C6H10−(シクロヘキセニル)、−CH2O−、−CH
2OCH2−等が挙げられる。その具体例としては、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
は、必要に応じ、その補助成分として、前記脂肪酸ジカ
ルボン酸又はそのジエステル及び/又は脂肪族ジオール
に対して反応性を有する官能基を少なくとも2個含有す
る脂肪族系及び/又は芳香族系化合物の中から選ばれる
少なくとも1種の化合物を添加することができる。この
ような補助成分には、オキシカルボン酸系化合物、炭酸
エステル、3価以上の多価アルコール、ポリオキシアル
キレングリコール等が包含される。
一般式(3)及び(4)で表される化合物が包含される。
好ましくは2〜8の二価脂肪族基を示す。この場合の価
脂肪族基は、前記R1及びR2に関して示した各種のもの
であることができる。R12は水素、低級アルキル基又は
アリール基を示す。低級アルキル基としては、炭素数1
〜6、好ましくは1〜4のアルキル基が挙げられる。ア
リール基としては、炭素数6〜10、好ましくは6〜8
のもの、例えばフェニル基が挙げられる。前記オキシカ
ルボン酸(3)としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロ
キシアルキル酸、α-オキシ酸、酪酸等が挙げられる。
また、前記オキシカルボン酸はその2分子が結合した環
状ジエステル(ラクチド)であることができる。その具
体例としては、グリコール酸から得られるもの(グリコ
リド)や、乳酸から得られるもの等が挙げられる。
おいて、R3は、炭素数2〜10、好ましくは、2〜5
の鎖状又は環状の二価脂肪族基を示す。この場合の二価
脂肪族基には、飽和又は不飽和のアルキレン基が包含さ
れる。前記ラクトンとしては、カプロラクトン、バレロ
ラクトン、ラウロラクトン等が挙げられる。
表される。
基を示すが、R13及びR14がいずれも低級アルキル基の
場合、相互に連結して環を形成してもよい。低級アルキ
ル基としては、炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアル
キル基が挙げられる。アリール基としては、炭素数6〜
10、好ましくは6〜8のもの、例えば、フェニル基等
が挙げられる。
有する脂肪族化合物である。このような多価アルコール
には、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン系化
合物、ペンタエリスリトール等が包含される。多価アル
コール中に含まれる水酸基の数の上限値は特に制約され
ないが、通常、6程度である。
式(6)で表される。
の平均重合度を示す。アシル基としては、下記一般式
(7)で表される脂肪族アシル基が包含される。
0、好ましくは1〜20、好ましくは1〜6である。そ
の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ヘキシル、ドデシル、オクタデシル等が挙げられ
る。グリセリンの平均重合度nは3以上で、上限は30
程度である。一般的には、nは3〜10である。
下記一般式(8)で表される。
示し、その具体例としては、エチレンオキシ、プロピレ
ンオキシ、ブチレンオキシ及びそれらの混合アルキレン
オキシ等が挙げられる。前記mは(AO)の平均重合度
を示し、2〜10の数、好ましくは2〜5の数を示す。
は、前記の化合物の他、りんご酸、クエン酸等のオキシ
多価カルボン酸、ジイソシアネート、オルトギ酸エステ
ル、テフタル酸、ポリエチレンテレフタレート等を用い
ることができる。
性や物性の制御する目的で用いられる。その使用量は、
生成する重合体中に含まれるジカルボン酸やジエステル
等の全単量体成分に対するモル分率で0.3以下、好ま
しくは0.2以下となる割合である。
はそのジエステル、脂肪族ジオール及び必要に応じての
補助成分の混合物からなる反応原料において、その脂肪
族ジオールの使用割合は、反応原料中に含まれる全カル
ボン酸又はそのジエステル1モル当り、1〜2モル、好
ましくは1.02〜1.6モルの割合である。
合物の使用割合は、生成する重合体中に含まれる全エス
テル部に対するそのオキシカルボン酸系化合物に由来す
るエステル部(オキシカルボン酸エステル部)のモル分
率が0.02.〜0.3,好ましくは0.05〜0.2
の範囲になるような割合である。
合は、生成する重合体中に含まれる全エステル部に対す
るその炭酸エステルに由来するエステル部(炭酸エステ
ル部)のモル分率が0.02〜0.3、好ましくは0.
05〜0.2の範囲になるような割合である。
コール酸又はそのエステル等のオキシカルボン酸系化合
物の使用割合は、生成する重合体中に含まれる全エステ
ル部に対するそのオキシカルボン酸系化合物に由来する
エステル部のモル分率が0.02〜0.3、好ましくは
0.05〜0.2の範囲になるような割合である。
割合は、生成する重合体中に含まれる全エステル部に対
するその多価アルコールに由来するエステル部のモル分
率が0.0005〜0.005、好ましくは0.001
〜0.004の範囲になるような割合である。
酸、ポリエチレンテレフタレートの場合、その使用割合
は、全エステル部に対するテレフタル酸単位のモル分率
が0.01〜0.35、好ましくは0.05〜0.20
の範囲になるような割合である。
(3)及び(4)で表されるオキシカルボン酸系化合物
の中から選ばれる少なくとも1種からなるものであるこ
とができる。この反応原料は、必要に応じ、そのオキシ
カルボン酸系化合物に対して反応性を有する官能基を少
なくとも2個含有する脂肪族系及び/又は芳香族系化合
物の中から選ばれる少なくとも1種を含有することがで
きる。前記補助成分には、炭酸エステル、3価以上の多
価アルコール及びポリオキシアルキレングリコール等が
包含される。その具体例としては、前記に示したものが
挙げられる。さらに、他の補助成分として、りんご酸、
クエン酸等のオキシ多価カルボン酸、ジイソシアネー
ト、オルトギ酸エステル、テレフタル酸、ポリエチレン
テレフタレート等を用いることができる。前記補助成分
は、生成する重合体の生分解性や物性の制御を目的とし
て用いられる。その使用量は、生成する重合体中に含ま
れる全単量体成分に対するモル比で0.3以下、好まし
くは0.2以下となるような割合である。
せる場合に、(i)エステル交換反応用触媒と(ii)そ
の助触媒として前記一般式(I)で表される有機ホスホ
ン酸、スルホン酸基又は硫酸エステル基を有する脂肪族
系及び/又は芳香族系化合物及び硫酸の中から選ばれる
少なくとも1種のプロトン酸を用いる。有機ホスホン酸
を示す前記一般式(I)において、その脂肪族基には、
鎖状及び環状のものが包含され、その炭素数は1〜1
2、好ましくは1〜10である。また、その芳香族基に
は、炭素数6〜12、好ましくは6〜10のアリール基
及び炭素数7〜12、好ましくは7〜10のアラルキル
基が包含される。前記有機ホスホン酸の具体例として
は、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、メチル
ホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、シクロヘキシルホ
スホン酸等が挙げられる。
する脂肪族系及び/又は芳香族系化合物において、その
脂肪族基及び芳香族基としては、前記有機ホスホン酸に
関して示したものが挙げられる。このようなプロトン酸
の具体例としては、パラトルエンスルホン酸、硫酸ジメ
チル、硫酸ジエチル、エチル硫酸等が挙げられる。
は、脂肪族ポリエステル系重合体製造用助触媒成分とし
て優れた作用を示し、従来一般的に用いられているチタ
ンテトライソプロポキシド等の触媒と組み合わせること
により、重合時間の短縮やテトラヒドロフランのような
副生物の生成を抑制するなど工業的に有利な結果を与え
る。
使用量は、エステル交換反応用触媒に対するモル比で
0.01〜0.5、好ましくは0.01〜0.4の割合
である。
(エステル化触媒)としては、従来公知の各種のものが
用いられる。このようなエステル交換反応用触媒として
は、リチウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシ
ウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、
スズ、アンチモン、ゲルマニウム等の典型金属、鉛、亜
鉛、カドミウム、マンガン、コバルト、ニッケル、ジル
コニウム、チタン、鉄等の遷移金属、ビスマス、ニオ
ブ、ランタン、サマリウム、ユウロピウム、エルビウ
ム、イッテルビウム等のランタノイド金属等の各種金属
の化合物、アルコラート、アセチルアセトネートキレー
ト等を挙げることができる。またホウ酸、ホウ酸エステ
ルなども触媒として用いられる。
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸リチウム、水酸化ホウ素ナトリウム、
水酸化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、
安息香酸リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二
水素カリウム、リン酸二水素リチウムなどが挙げられ
る。
には、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウ
ム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水
素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭
酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロン
チウムなどが挙げられる。
ブチルスズオキシド、ジブチルスズジラウレート、三酸
化アンチモン、酸化ゲルマニウム、炭酸ビスマスオキシ
ド、酢酸ビスマスオキシドなどが挙げられる。
酸鉛、酢酸亜鉛、アセチルアセトネート亜鉛、酢酸カド
ニウム、酢酸マンガン、マンガンアセチルアセトネー
ト、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトネート、酢
酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート、酢酸ジル
コニウム、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸チ
タン、テトラプトキシチタネート、テトライソプロポキ
シチタネート、チタニウムオキシアセチルアセトネー
ト、酢酸鉄、アセチルアセトネート鉄、酢酸ニオブなど
が挙げられる。
酸サマリウム、酢酸ユウロピウム、酢酸エルビウム、酢
酸イッテルビウムなどが挙げられる。
ウ酸トリメチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプ
チル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸
トリナフチルなどが挙げられる。
で用いても、2種以上組合せて用いてもよい。また、触
媒は、反応原料中に含まれるカルボキシル基含有化合物
の合計量1モルに対して、10-7〜10-2モル、好まし
くは10-4〜5×10-3モルの割合で用いることが好ま
しい。この範囲より触媒量が少なくなると反応がうまく
進行せず反応に長時間を要する。この範囲より多くなる
と重合時のポリマーの熱分解、架橋、着色等の原因とな
り、また、ポリマーの成形加工において熱分解等の原因
となり好ましくない。
を製造するための1つの方法においては、反応原料をエ
ステル交換反応触媒とその助触媒としてのプロトン酸の
存在下で加熱し、重縮合反応させる。この反応において
は、水や含OH化合物(アルコール等)が副生するが、
その反応温度は、その反応副生物がメタノールの場合、
常圧下での反応温度は100〜300℃、好ましくは1
20〜250℃である。また、副生物が水の場合、常圧
下での反応温度は130〜300℃、好ましくは145
〜250℃である。その反応圧は、常圧、減圧又はやや
加圧であるが、好ましくは常圧である。本発明では、反
応で生成する副生物は、これを反応系から除去する。こ
のためには、その反応を副生物である水又は含OH化合
物が気相に保持される温度及び圧力の条件で実施すると
ともに、その気相状態にある副生物を、反応系を減圧に
したり、窒素ガスを流通する等して、反応系から排出さ
せる。また、その反応を、蒸留塔の結合した反応器(反
応蒸留塔)を用いて行い、反応で生成した副生物をその
蒸留塔から連続的に流出させる。このような反応におい
て、高分子量の重合体を効率よく得るには、反応がある
程度進行して、副生物(水又はメタノール等のアルコー
ル)の計算量の90%が得られた時点で、その反応温度
を高めたり、圧力を減圧にする等反応条件を変えて、脂
肪族ジオールを脱離させながら重縮合させるのがよい。
この場合の反応条件は、脱離する脂肪族ジオールが気体
として存在する条件であり、温度と圧力を調節すること
により形成することができる。
を好ましく製造する他の方法は、予備重縮合工程(第1
工程)と、その予備重縮合物を高分子量化させる高分子
量化工程(第2工程)からなる方法である。前記予備重
縮合工程においては、前記反応原料を、前記触媒とその
助触媒の存在化で重縮合反応させる。その反応温度は、
その反応により生成する副生物が反応系に於いて気体と
して存在する温度である。その反応圧は、常圧、減圧又
はやや加圧であるが、好ましくは常圧である。この反応
で生成する副生物は、これを反応系から除去する。この
反応においては、反応生成物中の副生物(水又はアルコ
ール)が計算量の70〜97%、好ましくは90〜95
%得られた時点で反応温度を高め、減圧下に重縮合させ
る。この場合の予備重縮合時間は1時間〜5時間であ
る。助触媒の仕込方法としては、予備縮合体(オリゴマ
ー)生成反応開始時に触媒共存下に仕込む方法が好まし
い。
合反応生成物の高分子量化反応を行うために、その反応
生成物にエステル交換反応用触媒を加え、又は加えずに
反応を継続する。この高分子量化工程においては、低分
子量の縮合物の末端に結合する脂肪族グリコールを脱離
させながら縮合させて高分子量の縮合物を生成させる工
程であり、この工程により、数平均分子量が4万以上の
縮合物を生成させることができる。この場合の反応条件
は、副生する脂肪族グリコールが気体として存在し得る
条件であればよい。この高分子量化工程は、前記予備重
合工程を実施する反応装置と同じ装置または撹拌効率の
良い本重合装置で実施することができる。同じ装置を用
いる場合は、予備縮合反応の終了後に、反応条件を変え
て、例えば、反応温度を高くし、かつ反応圧を低くし
て、予備縮合体の縮合反応を行えばよい。その反応圧は
常圧ないし減圧であるが、減圧の使用が好ましい。減圧
を採用する場合、その圧力は、通常、0.005〜5T
orr、好ましくは1Torr以下である。その圧力の
下限値は、特に制約されないが、通常、0.01〜1T
orr程度である。その反応時間は、90〜600分程
度である。
ボン酸成分及び脂肪族ジオール成分等の反応原料成分の
使用モル比を示すと次の通りである。 1.0≦(B)/(A)≦1.6 0.02≦(C+D)/(A+C)≦0.30 0.02≦(A+D)/(A+C)≦0.20 前記式中、(A)は脂肪族ジカルボン酸またはそのエス
テルの使用モル数、(B)は脂肪族ジオールの使用モル
数、Cはオキシカルボン酸系化合物の使用モル数、Dは
その他のカルボキシル基含有化合物及び炭酸エステル系
化合物の使用モル数を示す。
式(9)
に、下記一般式(10)
01〜0.3、好ましくは0.05〜0.2の割合で含
むか及び/又は下記一般式(11)
3、好ましくは0.05〜0.2の割合で含む。
(12)
に、下記一般式(13)
3、好ましくは0.05〜0.2の割合で含む。
し、ゲル構造を有しないもので、2万以上、好ましくは
4万以上の数平均分子量を有するものである。その数平
均分子量の上限値は約8程度である。本発明の重合体
は、生分解性を有し、またアルコール分解や、加水分解
により原料回収可能であることから、良好なケミカルリ
サイクル性を有する高分子でもある。
的に説明する。脂肪族ポリエステルの種々の物性値は下
記の方法によって測定した。 (分子量及び分子量分布)ゲルパーミエーションクロマ
トグラフ(GPC)法を用いて標準ポリスチレンから校
正曲線を作成し、数平均分子量(Mn)、重量平均分子
量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。溶
離液はクロロホルムを用いた。 (熱的性質)示差走査熱量分析装置(DSC)により融
解温度及びガラス転移点を求めた。また熱重量分析装置
(TG)により熱分解温度を求めた。
酸180ミリモル、1,4−ブタンジオール198ミリ
モル、チタンテトライソプロポキシド0.12ミリモル
を仕込み、窒素雰囲気下、140℃で反応を開始し、徐
々に240℃まで昇温し、水を流出させた(約1時
間)。次いで、かき混ぜながら徐々に減圧にし、0.0
1〜0.5Torrで3.3時間反応を続けた。反応
後、得られたポリマーの分子量を測定したところMn
6.3万で、Mw/Mnは1.97であった。
比較例1と同様の条件で重縮合を1.5時間行った。得
られたポリマーのMnは6.5万で、Mw/Mnは1.
87であった。有機ホスホン酸を共存させることにより
重合時間が短縮され、分子量も同等以上の高分子量のポ
リエステルが得られることが分かった。また、ポリマー
の融点は116℃であった。
は比較例1と同様の条件で重縮合を1.5時間行った。
得られたポリマーのMnは5.7万で、Mw/Mnは
1.88であった。ホスホン酸を共存させることにより
重合時間が短縮され、分子量も同等の高分子量のポリエ
ステルが得られることが分かった。
外は比較例1と同様の条件で重縮合を12.8時間行っ
た。得られたポリマーのMnは5.9万で、Mw/Mn
は1.86であった。パラトルエンスルホン酸を共存さ
せることにより重合時間が短縮され、分子量も同等の高
分子量のポリエステルが得られることが分かった。
する以外は比較例1と同様の条件で重縮合を3.1時間
行った。得られた白色ポリマーのMnは5.7万で、M
w/Mnは1.76であった。硫酸を共存させることに
より重合時間が短縮され、高分子量ポリエステルが得ら
れることがわかった。
は、高められた耐熱性(融解温度)を有するとともに、
良好な機械的強度及び加工性を有し、成形材料として有
利に使用することができる。また、助触媒として微量の
有機ホスホン酸や硫酸の使用により、重合時間の短縮が
可能であり、また高分子量の重合体を合成できることか
ら製造コスト改善の効果を有する。しかも、この高分子
量脂肪族ポリエステルは、その脂肪族エステル結合に基
づく生分解性とケミカルリサイクル性を有する。
0)
れば、脂肪族ジカルボン酸ジエステルと脂肪族グリコー
ルにさらにカーボネート化合物を共重合させ、脂肪族ポ
リエステルカーボネートにすることにより、生分解性を
向上させることができ、さらにその共重合比を変化させ
ることにより生分解性を制御できることが提案されてい
る。しかしながら、このポリエステルカーボネートの場
合、カーボネート化合物を共重合することにより機械的
強度の低下が見られる。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、(i)脂肪族ジカル
ボン酸又はそのジエステルと脂肪族ジオールとの混合物
又は(ii)該混合物の予備縮合物を反応原料として用
い、この反応原料をエステル交換反応触媒の存在下で重
縮合反応させる方法において、該触媒に対する助触媒と
して下記一般式(I) O=P(OH)2R (I) (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基を示す)で表される
有機ホスホン酸、スルホン酸基又は硫酸エステル基を有
する脂肪族系及び/又は芳香族系化合物及び硫酸の中か
ら選ばれる少なくとも1種のプロトン酸を用いることを
特徴とする脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法が提
供される。また、本発明によれば、(i)オキシカルボ
ン酸系化合物又は(ii)その予備縮合物を反応原料とし
て用い、この反応原料をエステル交換反応触媒の存在下
で重縮合反応させる方法において、該触媒に対する助触
媒として、下記一般式(I) O=P(OH)2R (I) (式中、Rは脂肪族基または芳香族基を示す)で表され
る有機ホスホン酸、スルホン酸基又は硫酸エステル基を
有する脂肪族系及び/又は芳香族系化合物及び硫酸の中
から選ばれる少なくとも1種のプロトン酸を用いること
を特徴とする脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法が
提供される。
Claims (11)
- 【請求項1】 (i)脂肪族ジカルボン酸又はそのジエ
ステルと脂肪族ジオールとの混合物又は(ii)該混合物
の予備縮合物を反応原料として用い、この反応原料をエ
ステル交換反応触媒の存在下で重縮合反応させる方法に
おいて、該触媒に対する助触媒として下記一般式(I) O=P(OH)2R (I) (式中、Rは脂肪族基又は芳香族基を示す。)で表され
る有機ホスホン酸、スルホン酸基又は硫酸エステル基を
有する脂肪族系及び/又は芳香族系化合物及び硫酸の中
から選ばれる少なくとも1種のプロトン酸を用いること
を特徴とする脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 該エステル交換反応用触媒に対する該プ
ロトン酸のモル比が、0.01〜0.5の範囲にある請
求項1の方法。 - 【請求項3】 該反応原料として、(i)脂肪族ジカル
ボン酸又はそのジエステルと脂肪族ジオールと補助成分
からなり、該補助成分が、該脂肪族ジカルボン酸又はそ
のジエステル及び/又は該脂肪族ジオールに対して反応
性を有する官能基を少なくとも2個含有する脂肪族系及
び/又は芳香族系化合物の中から選ばれる少なくとも1
種である混合物又は(ii)該混合物の予備縮合物を用い
る請求項1又は2の方法。 - 【請求項4】 該補助成分が、オキシカルボン酸系化合
物、炭酸エステル、3価以上の多価アルコール及びポリ
オキシアルキレングリコールの中から選ばれる少なくと
も1種である請求項3の方法。 - 【請求項5】 該補助成分の割合が、生成する重合体に
含まれる全単量体成分に対するモル比で0.3以下の範
囲にある請求項1〜4のいずれかの方法。 - 【請求項6】 (i)オキシカルボン酸系化合物又は
(ii)その予備縮合物を反応原料として用い、この反応
原料をエステル交換反応触媒の存在下で重縮合反応させ
る方法において、該触媒に対する助触媒として、下記一
般式(I) O=P(OH)2R (I) (式中、Rは脂肪族基または芳香族基を示す)で表され
る有機ホスホン酸、スルホン酸基又は硫酸エステル基を
有する脂肪族系及び/又は芳香族系化合物及び硫酸の中
から選ばれる少なくとも1種のプロトン酸を用いること
を特徴とする脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法。 - 【請求項7】 該エステル交換反応用触媒に対する該プ
ロトン酸のモル比が、0.01〜0.5の範囲にある請
求項6の方法。 - 【請求項8】 該反応原料として(i)オキシカルボン
酸系化合物と補助成分からなり、該補助成分が該オキシ
カルボン酸系化合物に対して反応性を有する官能基を少
なくとも2個含有する脂肪族系及び/又は芳香族系化合
物の中から選ばれる少なくとも1種である混合物又は
(ii)該混合物の予備縮合物を用いる請求項6又は7の
方法。 - 【請求項9】 該補助成分が、炭酸エステル、3価以上
の多価アルコール及びポリオキシアルキレングリコール
の中から選ばれる少なくとも1種である請求項6〜8の
いずれかの方法。 - 【請求項10】 該補助成分の割合が、該オキシカルボ
ン酸系化合物に対するモル比で0.3以下である請求項
9の方法。 - 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかの方法で得
られた脂肪族ポリエステル系重合体。
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---|---|---|---|
JP11193776A JP3073985B1 (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法 |
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JP11193776A Expired - Lifetime JP3073985B1 (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 脂肪族ポリエステル系重合体の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013203981A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | ポリエステル組成物及びその製造方法 |
JPWO2021172307A1 (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-02 |
-
1999
- 1999-07-07 JP JP11193776A patent/JP3073985B1/ja not_active Expired - Lifetime
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JPWO2021172307A1 (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-02 | ||
CN115244128A (zh) * | 2020-02-28 | 2022-10-25 | 共荣社化学株式会社 | 热固化性树脂组合物和酯交换反应催化剂 |
JP7180928B2 (ja) | 2020-02-28 | 2022-11-30 | 共栄社化学株式会社 | エステル交換触媒 |
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