JP2001019462A - デュアルコア形分散シフト光ファイバ用ガラス母材及びその製造方法 - Google Patents
デュアルコア形分散シフト光ファイバ用ガラス母材及びその製造方法Info
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Abstract
る気泡の発生を抑制して伝送損失の増加や歩留りの低下
を防止したデュアルコア形分散シフト光ファイバ用ガラ
ス母材の製造方法等を提供する。 【解決手段】 VAD法によりコア部を合成する際、サ
イドコア部形成用バーナーの火炎の一部を傾斜部堆積部
に当てて加熱する。
Description
散シフト光ファイバ用ガラス母材及びその製造方法に関
する。
ガラス母材は、中心部のセンターコア部とサイドコア部
(両者を合わせてコア部という)及びその周辺のクラッ
ド部からなり、一般に、図6に示したような屈折率分布
を示す。このデュアルコア形分散シフト光ファイバ用ガ
ラス母材は、MCVD法やVAD法により、上記コアプ
ロファイルを持つコア部を合成し、その上に外付け法で
クラッド部を合成する方法等により製造されている。
ア形分散シフト光ファイバ用ガラス母材は、図6に示し
たようにセンターコア部11よりも低屈折率を示すサイ
ドコア部12とクラッド部13の境界部分で屈折率を階
段的に変化させており、ドーパント濃度が境界部分で極
端に異なっているため、GeO2 が発泡して多数の気泡
が発生しやすい。そして、上記母材に気泡が存在する
と、得られるデュアルコア形分散シフト光ファイバの伝
送損失が多くなり、また、歩留りも低下するという不都
合が生じる。この場合、サイドコア部の屈折率を下げる
ことにより気泡の発生を抑制することができるが、得ら
れるデュアルコア形分散シフト光ファイバのカットオフ
波長が低下すると共に、曲げ特性が悪化するという問題
があった。そこで、本発明は、気泡の発生を抑制して、
伝送損失の増加や歩留りの低下を防止したデュアルコア
形分散シフト光ファイバ用ガラス母材及びその製造方法
を提供することを課題とする。
した結果、サイドコア部とクラッド部の境界部分に屈折
率をなだらかに低下させた傾斜部を設け、その傾斜部径
を所定の大きさにすることで上記課題を解決し得ること
を見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、センターコア部、サイドコア部及びクラッド部
からなるデュアルコア形分散シフト光ファイバ用ガラス
母材において、サイドコア部からクラッド部に向かって
屈折率がなだらかに低下する傾斜部をサイドコア部とク
ラッド部の境界に有し、かつ、傾斜部径がコア部径の2
〜5倍であることを特徴とするデュアルコア形分散シフ
ト光ファイバ用ガラス母材である。もう一つの本発明
は、VAD法によりコア部を合成する際、サイドコア部
用バーナーの火炎の一部を傾斜部堆積部に当てて加熱す
ることを特徴とする上記のデュアルコア形分散シフト光
ファイバ用ガラス母材の製造方法である。
ト光ファイバ用ガラス母材は、上記したように、サイド
コア部からクラッド部に向かって屈折率がなだらかに低
下する傾斜部をサイドコア部とクラッド部の境界部分に
設け、かつ、傾斜部径がコア部径の2〜5倍の大きさで
あることを特徴とするものである。本発明の光ファイバ
用ガラス母材は、このように、傾斜部の屈折率がサイド
コア部からクラッド部に向かって、なだらかに低下する
ため、サイドコア部とクラッド部の境界部分において、
ドーパント濃度の極端な変化が生じず、その結果、Ge
O2 の発泡による気泡の発生が抑制され、伝送損失の増
加、歩留りの低下を防止することができる。またカット
オフ波長の低下を防止し、曲げ特性を良好にすることが
できる。
イバ用ガラス母材において、傾斜部径(外径)をコア部
径(外径)の2〜5倍とした理由は、2倍より小さいと
従来のものと同様に気泡が発生しやすくなるからであ
り、5倍より大きいとVAD法によるコア部の合成が困
難となるからである。
イバ用ガラス母材を製造するには、VAD法によりコア
部を合成し、その上に外付け法によりクラッド部を設け
ればよい。コア部を合成する場合、図1に示すように、
ガラス原料となるSiCl4と、ドーパントとなるGe
Cl4 と、燃料となる水素及び酸素とを送り込むセンタ
ーコア部用バーナー1及びサイドコア部用バーナー2、
ガラス原料となるSiCl4 と、燃料となる水素及び酸
素とを送り込む傾斜部用バーナー3を配置する。そし
て、各バーナーの火炎をそれぞれセンターコア部堆積部
4、サイドコア部堆積部5、傾斜堆積部6に当てて、回
転するターゲットにガラス微粒子を付着、堆積させて、
それぞれセンターコア部、サイドコア部、傾斜部を合成
する。この場合、本発明では、サイドコア部用バーナー
2の向きを調節して、サイドコア部用バーナー2の火炎
の一部を傾斜堆積部6に当てて、微少のゲルマニウムを
ドープすることにより傾斜部を合成する。このように、
サイドコア部用バーナー2の火炎を、傾斜堆積部6の方
向(図1中の矢印方向)に向けて加熱することにより、
ドーパント(ゲルマニウム)の量を連続的かつ緩やかに
減少させた傾斜部を合成することができる。こうして合
成した多孔質コア部を脱水焼結してガラス化してコア部
とし、その上に外付け法によりクラッド部を設ければ、
本発明のデュアルコア形分散シフト光ファイバ用ガラス
母材が得られる。
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
コア部用バーナー1、サイドコア部用バーナー2及び傾
斜部用バーナー3を配置し、センターコア部用バーナー
1とサイドコア部用バーナー2にはSiCl2 、GeC
l4 、O2 ガス、H2 ガスを供給し、傾斜部用バーナー
3にはSiCl2 、O2 ガス、H2 ガスを供給して、V
AD法により、酸水素火炎中でガラス微粒子を生成、堆
積させて多孔質コア母材を合成した。この場合、サイド
コア部用バーナー2の仰角は30度とし、サイドコア部
用バーナー2の火炎の一部が傾斜堆積部6に当たるよう
にして加熱した。こうして作製した多孔質コア母材を、
He+Cl2 雰囲気中、1,100℃に加熱して脱水処
理し、さらに、He雰囲気中、1,500℃で熱処理を
行い、透明ガラスコア母材とした。その後、このガラス
コア母材の上に、外付け法でクラッド部を合成して、本
発明のデュアルコア形分散シフト光ファイバ用ガラス母
材を作製した。この光ファイバ用ガラス母材のサイドコ
ア部とクラッド部の境界部分を観察したところ、気泡の
発生は認められなかった。次に、得られた光ファイバ用
ガラス母材を線引きし、デュアルコア形分散シフト光フ
ァイバを製造した。この光ファイバの屈折率分布は、図
2に示す通りであり、傾斜部径Wはコア部径Dの2.9
倍であった。また、この光ファイバの伝送損失を測定し
たところ、1,550nmにおいて、0.203dB/
kmで十分に低かった。カットオフ波長は1.15μ
m、MFDは8.39μm、曲げ特性を示すMAC数は
7.3とやや大きめであった。
のGeCl4 を供給して、傾斜部の途中にGeの低下率
が小さくなる変曲点を設けた以外は、実施例1と同様に
して、本発明のデュアルコア形分散シフト光ファイバ用
ガラス母材を作製した。この光ファイバ用ガラス母材の
サイドコア部とクラッド部の境界部分を観察したとこ
ろ、気泡の発生は認められなかった。次に、得られた光
ファイバ母材を線引きし、デュアルコア形分散シフト光
ファイバを製造した。この光ファイバの屈折率分布は、
図3に示す通りであり、傾斜部径Wはコア部径Dの3.
5倍であり、傾斜部の変曲点間の長さdは、コア部径D
の1.5倍であった。また、この光ファイバの伝送損失
を測定したところ、1,550nmにおいて、0.20
2dB/kmと十分に低かった。カットオフ波長は1.
25μm、MFDは8.41μm、曲げ特性を示すMA
C数は6.7と十分に小さかった。
ア部用バーナー2を水平に配置(仰角0度)し、傾斜部
用バーナー3にGeCl4 を供給しなかった以外は、実
施例1と同様の条件、方法で、デュアルコア形分散シフ
ト光ファイバ用ガラス母材を作製した。この光ファイバ
用ガラス母材のサイドコア部とクラッド部の境界部分を
観察したところ、気泡の発生が認められた。次に、得ら
れた光ファイバ用ガラス母材を線引きし、デュアルコア
形分散シフト光ファイバを製造した。この光ファイバの
屈折率分布は、図5に示す通りであり、傾斜部径Wはコ
ア部径Dの1.9倍であった。また、この光ファイバの
伝送損失を測定したところ、1,550nmにおいて、
0.202dB/kmで十分に低かった。カットオフ波
長は1.25μm、MFDは8.41μm、曲げ特性を
示すMAC数は6.7と十分に小さかった。
フト光ファイバ用ガラス母材のサイドコア部とクラッド
部の境界部分における気泡の発生を抑制し、伝送損失の
増加や歩留りの低下を防止することができる。また、カ
ットオフ波長の低下を防止し、曲げ特性を良好にするこ
とができる。
用ガラス母材の製造方法の一例を示した説明図である。
光ファイバの屈折率分布を示す図である。
光ファイバの屈折率分布を示す図である。
光ファイバ用ガラス母材の製造方法の一例を示した説明
図である。
光ファイバの屈折率分布を示す図である。
屈折率分布を示す図である。
部 2 サイドコア部用バーナー 13 クラッド部 3 傾斜部用バーナー 14 変極点径 4 センターコア部堆積部 W 傾斜部径 5 サイドコア部堆積部 D コア部径 6 傾斜部堆積部 d 傾斜部の変
曲点間の長さ 11 センターコア部
Claims (2)
- 【請求項1】 センターコア部、サイドコア部及びクラ
ッド部からなるデュアルコア形分散シフト光ファイバ用
ガラス母材において、サイドコア部からクラッド部に向
かって屈折率がなだらかに低下する傾斜部をサイドコア
部とクラッド部の境界に有し、かつ、傾斜部径がコア部
径の2〜5倍であることを特徴とするデュアルコア形分
散シフト光ファイバ用ガラス母材。 - 【請求項2】 VAD法によりコア部を合成する際、サ
イドコア部用バーナーの火炎の一部を傾斜部堆積部に当
てて加熱することを特徴とする請求項1記載のデュアル
コア形分散シフト光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
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