JP2001019427A - 摩擦帯電性を調整した炭酸カルシウム及びその含有紙 - Google Patents

摩擦帯電性を調整した炭酸カルシウム及びその含有紙

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JP2001019427A
JP2001019427A JP11192638A JP19263899A JP2001019427A JP 2001019427 A JP2001019427 A JP 2001019427A JP 11192638 A JP11192638 A JP 11192638A JP 19263899 A JP19263899 A JP 19263899A JP 2001019427 A JP2001019427 A JP 2001019427A
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Mitsuo Kurita
光夫 栗田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭酸カルシウムの帯電性に係わる問題を解決
するため、炭酸カルシウムの帯電性を制御する、即ち、
ブローオフ法による摩擦帯電が実質的にゼロ又は負とな
るようにする技術を提供することを課題とする。 【解決手段】 マレイン酸を含む高分子で処理すること
により、ブローオフ法による摩擦帯電が実質的にゼロま
たは負となる軽質炭酸カルシウムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦帯電性を調整
した炭酸カルシウムに関するものであり、詳しくはブロ
ーオフ法による摩擦帯電が実質的にゼロまたは負になる
ようにした炭酸カルシウムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムは、わが国に豊富に産す
る数少ない天然資源であり、セメント、製鉄、ゴム、塗
料、食品、製紙など多くの産業で使われている。炭酸カ
ルシウムは太古の時代から、主に珊瑚等の海棲生物によ
り蓄積され世界的に分布している。その性質は、生成時
期、生物の種類、地質学的履歴の違いなどにより、産地
によって微妙に異なる。天然の炭酸カルシウムのうち、
不純物の少ない純白のものは粉体にして、製紙用、塗料
用、ゴム用などに使用されている。
【0003】粉体の炭酸カルシウムは製造方法により重
質炭酸カルシウムと軽質炭酸カルシウム(沈降性炭酸カ
ルシウム)に大別される。重質炭酸カルシウムは天然産
の炭酸カルシウムを機械的に粉砕して得られるもので、
粉砕方法には乾式粉砕法と湿式粉砕法がある。乾式粉砕
法は、炭酸カルシウム原石をハンマーミル、ジェットミ
ル等の粉砕機で微粉砕し、分級して所望の粒度の粉体を
得る方法である。湿式粉砕は、原石を水及び分散剤と混
合し、ボールミルやサンドミル等、メディア(球状の粉
砕媒体)を充填した湿式粉砕装置で微粉砕し、所望の粒
度のスラリーを得る方法である。
【0004】軽質炭酸カルシウムは沈降性炭酸カルシウ
ムともいわれ、我が国では炭酸カルシウム原石をロータ
リーキルン等の焼成装置で焼いて生石灰を得、この生石
灰を水に投入して得られる消石灰に、二酸化炭素を吹き
込み製造している。軽質炭酸カルシウムは反応条件をコ
ントロールすることにより、用途に応じた様々な形状、
粒度分布のものが得られる。
【0005】工業用に使用される炭酸カルシウムは、用
途によって最適な性状、粒度分布のものが選択される。
製紙用の炭酸カルシウムを例にとれば、紙に内添される
填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ムいずれも使用可能であるが、粒径が細かいものは歩留
が悪い傾向にあり、平均粒径が3〜5μmのものが好ま
しいとされる。また、一般にプラスチックワイヤーの摩
耗は、重質炭酸カルシウムの方が軽質炭酸カルシウムよ
り多い傾向にある。これは重質炭酸カルシウムの粒子形
状が、鋭い角を持っているためと言われている。
【0006】紙塗工用には平均粒径1μm以下の、均一
で微細な炭酸カルシウムが使用される。多くは湿式粉砕
の重質炭酸カルシウムで、軽質炭酸カルシウムも相当量
使用されており、いずれも高い白色度と優れた塗料適性
を有している。
【0007】近時、製紙産業では紙の中性化が進んでお
り、特に電子写真用転写紙(PPC用紙)は複写した書
類の保存性向上のため、紙のPHが中性〜弱アルカリ性
の、炭酸カルシウムを内添した紙が主流である。
【0008】中性抄造は上記の紙の保存性向上効果以外
にも、多くの利点を有している。紙は中性で抄造するこ
とにより繊維が充分膨潤し酸性抄造より紙の強度が向上
することはよく知られている。
【0009】軽質炭酸カルシウムは、高い白色度と比散
乱係数を持ち、紙に優れた光学的性質を与え、このため
安価なDIPを増配合できるとの提案もなされている
(特開平9−78491号公報)。また、操業排水の環
境への負荷が少ないことは、企業が中性抄造を選択する
要因の1つとなっている。
【0010】炭酸カルシウムと他の鉱物と比較すると、
幾つかの相違点がある。よく知られている炭酸カルシウ
ムの性質は、酸性領域で溶解度が大きいことである。ま
た、炭酸カルシウムはモース硬度が約4.5で、タル
ク、カオリン等の一般填料(モース硬度:1〜2)に比
べて高く、摩耗性が問題になる場合がある。特に乾式粉
砕法による重質炭酸カルシウムは粗大な粒子の混在と粒
子形状が鋭角な角を持つことからこの傾向が強い。
【0011】電気的性質としては、製紙用の一般填料で
あるタルク、カオリンは摩擦等により負に帯電する。こ
れに対して炭酸カルシウムは重質、軽質を問わず、摩擦
等により正に帯電するが、ヨーロッパでのみ産するチョ
ークは負に帯電することが知られている(特公昭63−
40312号公報)。
【0012】ヨーロッパでのみ産するチョークは重質炭
酸カルシウムに分類されるが、我が国で産する石灰岩と
はかなり異なる性状をしている。チョークは白亜紀に生
息していた海産微生物起源の風化された炭酸カルシウム
で、原石は無定型でもろい性質であり、その中に含まれ
ている硬いフリントを除けば、乾式または湿式で簡単に
粉砕できる。粉砕されたチョークは、微生物の骨格の一
部を含む角のとれた粒子で、僅かに着色している。ヨー
ロッパでは中性抄造用の填料としては、チョークが代表
的であるが、我が国には実質量のチョークは輸入されて
おらず、工業的には全く使用されていない。
【0013】填料自体の摩擦帯電性は、従来ほとんど着
目されていなかったが、電子写真式転写装置の感光性ド
ラムが無機半導体から有機半導体に切り替わるにつれ、
紙粉の一部として混入する填料の帯電性が問題視される
ようになった(特開昭63−40312号公報)。
【0014】正極性トナーを使用する電子写真式複写機
に、一般填料を内添した複写用紙を使用すると、紙粉の
脱落により、コピーのバックグランドかぶり等が発生し
てコピー品質が低下する問題があった。この問題解決の
ため、トナー又はキャリヤとの摩擦帯電が正である炭酸
カルシウムを用いたり、炭酸カルシウムの配合率を特定
し表面強度を12A以上にしたり、摩耗対策として内添
する炭酸カルシウムの粒子径を特定する技術などが開示
されている(特開昭63−40312号、特公平7−1
20064号、特公平2−54543号、特公平2−5
0467号、及び特公平4−49708号)。
【0015】電子写真式複写機では、有機半導体の感光
性ドラムを採用した正極性トナーを使用する機種が大半
を占めているが、負極性トナーを使用する機種も若干使
われている。有機半導体の感光ドラムは多くの優れた特
徴を持っているが、摩耗しやすい欠点を持っている。
【0016】複写機では大きな問題にならない感光性ド
ラムの摩耗も、一度に数百〜数千枚印刷するオンデマン
ド印刷機では大きな問題となる。
【0017】従来、印刷物を得るまでには、原稿の編
集、版付け、校正等多くの前工程を要したため、小ロッ
トで納期の短い注文には対応が困難であった。このよう
な印刷需要を満たすため、コンピュータ技術を応用した
小ロット、短納期に対応できる各種方式のオンデマンド
印刷装置が開発され普及し始めている。
【0018】電子写真方式のオンデマンド印刷機では耐
摩耗性のある無機半導体等の感光ドラムが使われてい
る。無機半導体としてはアモルファスシリコン等が使わ
れ、トナーには負極性トナーを使用する機種が多い。
【0019】正極性トナー方式に適する正帯電性炭酸カ
ルシウムを内添若しくは塗工した紙を負極性トナー方式
の印刷機に使った場合、紙粉中の正帯電性炭酸カルシウ
ムがトナーに混入して凝集物を生じたり、逆極性トナー
が増加して印刷品質が低下することがある。このためオ
ンデマンド印刷機には、負帯電性の填料を内添若しくは
塗工した用紙が好ましいが、負帯電性を示すタルク、カ
オリンは中性抄造には好適でなく、ヨーロッパ産のチョ
ークは我が国では入手困難であり、白色度も低く、さら
に塗工用には使用できない。
【0020】このように、保存性に優れ白色度が高く、
操業排水の環境負荷が少ない中性紙であるが、負極性ト
ナーを使う電子写真式オンデマンド印刷に適した中性印
刷用紙はなかった。
【0021】また、正極性トナー方式に適した正帯電性
炭酸カルシウムを含有する転写用紙を、負極性トナー方
式の複写機に使用すると、粉落ちした炭酸カルシウムが
トナーやキャリヤとの摩擦、接触、分離などにより正に
帯電し、紙粉とトナーの凝集体や、逆特性トナーが増加
し、バックグラウンドに現像され、コピー品質が低下す
るため、摩擦帯電が負であるタルクやカオリンを填料と
して使用した転写用紙が使われている。
【0022】現在、OA用紙は、オフィス内の在庫を減
らすために、コピー用紙、レーザープリンター用紙、イ
ンクジェットプリンター用紙他との共用紙化が進み、あ
らゆる用途に適合することが要求され、PPC用紙とし
ても、正極性トナー方式、負極性トナー方式の何れにも
適性がある中性OA用紙の開発が望まれている。
【0023】上記の解決困難な問題はチョークを除く炭
酸カルシウムの摩擦帯電が正であることに由来している
ものと考えられるので、その問題解決のためにはその摩
擦帯電を実質的にゼロ、または、負にすればよいと考え
られる。
【0024】ところで、炭酸カルシウムの表面電荷をコ
ントロールする技術としては、従来から、塗工用カラー
においては、ポリアクリル酸ソーダやヘキサメタ燐酸ソ
ーダ等の顔料分散剤が、炭酸カルシウム等顔料の表面電
荷を負にし、その反発力で分散性を保つことは周知の事
実である。
【0025】また、歩留向上等の目的で、アミン系カチ
オンポリマー等で表面処理する提案(特開平4−281
094号公報)等もなされているが、これらはいずれも
水分散液中での炭酸カルシウム粒子のゼータ電位の制御
を目的としたものであり、乾燥状態における炭酸カルシ
ウムの摩擦帯電を実質的にゼロにしたり負に転じさせる
ものではなく、炭酸カルシウムの摩擦帯電性を制御する
技術は知られていなかった。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、本
発明は、炭酸カルシウムの帯電性に係わる問題を解決す
るため、炭酸カルシウムの帯電性を制御する技術を提供
することを課題とするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者らはマレイン酸
を含む高分子で処理することにより、ブローオフ法によ
る摩擦帯電が実質的にゼロまたは負となる軽質炭酸カル
シウムが得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0028】ここにブローオフ法というのは、ファラデ
ーケージ1内低部のステンレスメッシュ2上に置かれた
粒径の異なるキャリアと填料(トナー)の混合物3に圧
縮ガス(圧縮空気又は窒素ガス)を吹き付け、トナーの
みをメッシュ2を通して除去し、キャリア上に残った真
電荷を測定するものである。即ち、ブロー開始と共にフ
ァラデーケージ1内のキャリアには、填料が持ち去った
と等量で逆の電荷が残り、コンデンサ4が充電されるの
でメッシュ2を通過した填料が持ち去った電気量を、コ
ンデンサ4の両端の電圧を測定することにより、次式で
求める。 Q=−V・C/M Q:填料の帯電量(μc/g) V:コンデンサ両端の電圧(v) C:コンデンサ容量(μF) M:吹き飛ばされた填料の質量(g)
【0029】
【発明の実施の形態】本発明は、炭酸カルシウムを、マ
レイン酸を含む高分子で表面処理するものである。マレ
イン酸は二価の不飽和カルボン酸で、マレイン酸を含む
高分子としては、マレイン酸重合体、アクリル酸、マレ
イン酸以外のカルボン酸、スチレン、イソブチレン、ジ
イソブチレン、他とのマレイン酸含有共重合体が使え
る。マレイン酸含有高分子は、分散剤(低粘化剤)に含
有してもよい。また、ポリカルボン酸型の分散剤に一部
マレイン酸を導入したコポリマーとしても良い。マレイ
ン酸含有高分子は、単独使用でも他の薬剤(湿潤剤や帯
電防止剤、他)と併用しても良い。
【0030】マレイン酸含有高分子を炭酸カルシウムに
表面処理する方法としては、炭酸カルシウム乾燥粉に直
接噴霧する方法、炭酸カルシウムのスラリーに添加する
方法、炭酸カルシウムの脱水ケーキに添加する方法、炭
酸カルシウムを湿式粉砕する方法がある。好ましくは、
軽質炭酸カルシウム含有水性物(軽質炭酸カルシウム反
応スラリーを濃縮した濃縮液、軽質炭酸カルシウム反応
スラリーを脱水した脱水ケーキ、軽質炭酸カルシウム乾
燥粉を溶解した水性スラリー)に添加し、混合処理を行
う。
【0031】混合処理は好ましくは液攪拌型であり、混
合槽、混合ポンプを使って行われる。液攪拌型装置に
は、液のせん断力を高めるために邪魔板を設置できる。
せん断力が強い攪拌機では短時間で処理でき、弱いとき
は、処理を長時間行なえばよい。液攪拌型のいずれの混
合槽も使用可能である。
【0032】マレイン酸含有高分子を炭酸カルシウムに
表面処理する量は、炭酸カルシウム乾物重量あたり0.
01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%が良
い。アニオン系高分子を製紙用内添剤として使用する場
合は、表面処理後のゼータ電位が−に移行し、パルプ繊
維との定着が悪くなる可能性が生じるため、添加量は
0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.05〜
0.3重量%が良い。
【0033】本発明を電子写真式印刷用紙等に用いる場
合の填料の基材は、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリンクレー、タルク等が単独または混合し
て使用でき、好ましくは炭酸カルシウム単独または炭酸
カルシウムの配合量が50%以上の混合物として用い
る。
【0034】内添サイズ剤としては、AKD,ASA,
疎水化変性ロジン、中性ロジン等の一般的な中性サイズ
剤が使用できる。また、硫酸ばんどやカチオン化澱粉な
どの定着助剤も併用できる。また、表面サイズ剤とし
て、澱粉、PVA,ラテックス、無水マレイン酸系サイ
ズ剤、オレフィン系サイズ剤、他各種表面サイズ剤、導
電剤、寸法安定化剤、界面活性剤、顔料、染料等を塗布
することができる。
【0035】印刷用塗工紙には、塗工用カラーとして重
質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、酸
化チタン等の顔料及び澱粉、SBR、MBR等のバイン
ダー、粘度安定化剤、染料等を配合した塗料を塗布する
ことができる。塗工装置にはブレードコータ、ロールコ
ータ、エアナイフコータ等の公知の設備が使用できる。
【0036】これらの例は本発明の実施の一例であり、
本発明の趣旨を外れない範囲において、変更が可能であ
る。
【0037】次に、本発明の実施例につき、比較例と共
に説明する。それらにおける各種物性の測定は、下記の
方法によって行った。 メディアン径:マイクロトラックSPAII型(日機
装、レーザー式粒度分布測定計)。 SEM粒子径:SEM写真の粒子50〜100個の短径
および長径を夫々ノギスで測定し平均した値。 B型粘度:B型粘度計、25℃・60rpm・1分。 固形分濃度:赤外線水分計(メトラー、LP―16型)
105℃。 帯電量:摩擦媒体にフェライト粉を用い、フェライト粉
に対して5重量%の試料を混合し、ステンレス製プリン
カップに入れ100rpmで15分間カスケード(滝落
とし)攪拌し摩擦帯電させた試料を、ブローオフ法で測
定した値。 ゼータ電位:ゼータ電位測定機(PEN KEM)10
0V、試料濃度800ppm。白色度:JIS P81
23に準拠。
【0038】
【実施例1】紡錘形軽質炭酸カルシウム(メディアン径
=2.5μm、長径=1.5μm、短径=0.4μm)
の固形分濃度8%の水性スラリーをスクリューデカンタ
で濃縮脱水し、固形分濃度18%の水性スラリーを得
た。得られたスラリーに表1に示す通りの高分子処理剤
を0.2重量%と希釈水を添加し、コーレスミキサーで
5分間攪拌処理し、固形分濃度15%の水性スラリーを
得た。得られたスラリーをヌッチェでろ過し、脱水ケー
キを105℃、24hr乾燥し、コーヒーミルで1分間
粉砕し、炭カル粉末を得た。ブローオフ法により帯電圧
を測定した結果を表1に示す。
【0039】
【実施例2〜5、比較例1〜3】表1に示す通りに高分
子処理剤を変更して、実施例1と同様に処理を行った。
ブローオフ法により帯電圧を測定した結果を表1に示
す。
【0040】
【実施例6】紡錘形軽質炭酸カルシウム(メディアン径
=2.5μm、長径=1.5μm、短径=0.4μm)
の固形分濃度8%の水性スラリーをスクリューデカンタ
で濃縮脱水し、固形分濃度35%の水性スラリーを得
た。更に高圧搾型ベルトプレスで脱水し、固形分濃度6
5%の脱水ケーキを得た。得られたケーキに表1に示す
通りの高分子処理剤を0.2重量%添加し、コーレスミ
キサーで5分間一次分散し、固形分濃度61%、B型粘
度250cps、メディアン径1.80μmの流動性ス
ラリーを得た。得られたスラリーをヌッチェでろ過し、
脱水ケーキを105℃、24hr乾燥し、コーヒーミル
で1分間粉砕し、炭酸カルシウム粉末を得た。ブローオ
フ法により帯電圧を測定した結果を表1に示す。
【0041】
【実施例7】乾式粉砕重質炭酸カルシウム(エスカロン
#1500、メディアン径=2.5μm)を水に分散
し、固形分濃度50%の水性スラリーを得た。得られた
スラリーに表1に示す通りの高分子処理剤を0.2重量
%添加し、コーレスミキサーで5分間攪拌処理し、固形
分濃度52%、B型粘度50cpsの流動性スラリーを
得た。得られたスラリーをヌッチェでろ過し、脱水ケー
キを105℃、24hr乾燥し、コーヒーミルで1分間
粉砕し、炭カル粉末を得た。ブローオフ法により帯電圧
を測定した結果を表1に示す。
【0042】
【実施例8】10メッシュの糖晶質炭酸カルシウムに水
を加えて固形分60%とし、表1に示す通りの高分子処
理剤を0.5重量%添加し直径5mmのセラミックボー
ルを粉砕媒体として、アトライターMA−IS型(三井
三池製作所製)で180rpm4時間処理し、固形分濃
度59%、B型粘度770cps、メディアン径0.8
9μmの流動性スラリーを得た。ブローオフ法により帯
電圧を測定した結果を表1に示す。
【0043】
【応用例1】静電写真式印刷用紙の製造 (A) パルプ配合LBKP(叩解度500mlc.
s.f)100% (B) 内添薬品(対パルプ乾燥重量%)中性サイズ剤
(AKD)0.03%、カチオン化澱粉0.5%、紙力
増強剤(PAM)0.1% (C) 内添填料(対パルプ乾燥重量%)実施例6の炭
酸カルシウム10% (D) 表面サイズ剤酸化澱粉1.0g/m 上記処方にてツインワイヤー抄紙機で毎分600mで抄
造することにより、66g/mの中性印刷用紙が得ら
れる。
【0044】
【応用例2】静電写真式印刷用塗工紙の製造(薬品配合
割合は固形分重量比で表す) 顔料として、実施例8の炭酸カルシウム50部、塗工用
1級カオリン50部、バインダーとして、酸化澱粉5
部、スチレン−ブタジエンラテックス10部を配合し、
固形分濃度60%に調整した塗工用カラーを、坪量50
g/mの原紙に片面15g/mになるように両面塗
工し、スーパーカレンダー仕上げをすることにより塗工
印刷用紙が得られる。
【0045】
【応用例3】中性OA共用紙の製造 (A) パルプ配合LBKP(叩解度550mlc.
s.f)100% (B) 内添薬品(対パルプ乾燥重量%)中性サイズ剤
(AKD)0.03%、カチオン化澱粉0.5%、紙力
増強剤(PAM)0.1% (C) 内添填料(対パルプ乾燥重量%)実施例5の炭
酸カルシウム8% (D) 表面サイズ剤塗布量、1.2g/m(酸化澱
100部、表面サイズ剤0.2部、食塩0.05部) 上記処方にてツインワイヤー抄紙機で毎分800mで抄
造することにより、64g/mの中性OA共用紙が得
られる。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明方法によれば、マレイン酸を含む
高分子で処理することにより、ブローオフ法による摩擦
帯電が実質的にゼロまたは負となる炭酸カルシウムを得
ることができる。この炭酸カルシウムを用いて、負極性
トナー方式の電子写真式印刷に適した印刷用紙や、正極
性及び負極性トナー方式に対応するOA用紙を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において用いるブローオフ法を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G076 AA16 AC02 AC04 BA43 BA46 BB08 BC07 BC08 BF06 CA02 CA40 DA02 DA30 4J037 AA10 CC02 CC17 EE03 EE28 FF04 FF11 4L055 AG11 AG12 AG27 AG48 AG63 AG76 AG97 AG98 AH01 AH02 AH37 AJ04 FA30 GA10 GA11 GA34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブローオフ法による摩擦帯電が実質的に
    ゼロ又は負となるように摩擦帯電性を調整した炭酸カル
    シウム。
  2. 【請求項2】 マレイン酸を含む高分子で表面処理する
    ことにより、ブローオフ法による摩擦帯電が実質的にゼ
    ロ又は負になるようにした請求項1記載の摩擦帯電性を
    調整した炭酸カルシウム。
  3. 【請求項3】 前記炭酸カルシウムが軽質炭酸カルシウ
    ムである請求項1又は2に記載の摩擦帯電性を調整した
    炭酸カルシウム。
  4. 【請求項4】 前記炭酸カルシウムが重質炭酸カルシウ
    ムである請求項1又は2に記載の摩擦帯電性を調整した
    炭酸カルシウム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の炭酸
    カルシウムを填料または顔料として用いた摩擦帯電性を
    調整した炭酸カルシウム含有紙。
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JP (1) JP2001019427A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007332512A (ja) * 2006-06-16 2007-12-27 Seiko Pmc Corp 填料改質剤、填料スラリー及び製紙方法
JP2012041672A (ja) * 2003-03-25 2012-03-01 Nippon Paper Industries Co Ltd オフセット印刷用新聞用紙の製造方法
CN104497638A (zh) * 2015-01-07 2015-04-08 广西大学 铝酸酯和硬脂酸钠原位改性碳酸钙晶须的制备方法

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