JP2001017841A - 親水性濾過膜 - Google Patents

親水性濾過膜

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JP2001017841A JP11191007A JP19100799A JP2001017841A JP 2001017841 A JP2001017841 A JP 2001017841A JP 11191007 A JP11191007 A JP 11191007A JP 19100799 A JP19100799 A JP 19100799A JP 2001017841 A JP2001017841 A JP 2001017841A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製膜後の膜特性を保持し、かつ、限外濾過を
行うのに適した形態に成形することが可能な親水性濾過
膜を提供する。 【解決手段】 膜を形成するポリマーのSP値が21以
上である限外濾過膜において、該膜中に無機塩と水とを
含有し、無機塩含有量がポリマー1kg当り0.5mo
l以上であり、かつ、無機塩濃度が1mol/Lから2
5℃における飽和近傍濃度の範囲である親水性濾過膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、限外濾過プロセス
に用いられる濾過膜に関し、さらに詳しくは、濾過モジ
ュール等の濾過に適した形態に成形するに際して、膜性
能を低下させることなく容易に成形することが可能な濾
過膜に関する。
【0002】
【従来の技術】有機高分子からなる限外濾過膜は、製膜
後に乾燥させると乾燥前に比べて著しく透水性能や分画
特性等の膜特性が低下することが知られている。一方、
濾過モジュール等の濾過に適した形態に成形するに際し
て、該濾過膜が湿潤状態では接着剤との界面が剥離する
等の問題を生ずることがあった。膜特性を低下させるこ
となく、接着での問題を回避するために、従来は、グリ
セリン等の低揮発性有機液体を該濾過膜中に含浸させて
乾燥することが行われていた。しかしながら、この方法
では膜を使用するにあたって低揮発性有機液体を洗浄す
るのに時間がかかったり、その洗浄排水を無害化するた
めの処理が必要であった。
【0003】これに対して、膜特性を低下させることな
く膜の水分を除去する方法として、無機塩を使用するこ
とが特開昭57−21903号公報や特開平3−245
827号公報、特開平6−277470号公報等で提案
されている。
【0004】特開昭57−21903号公報では、逆浸
透膜に無機塩水溶液を含浸させた後、特定含水率になる
まで乾燥することによって、膜特性を低下させることな
く接着可能にすることが開示されている。さらに、特開
平3−245827号公報では、逆浸透膜を特定濃度の
硫酸塩水溶液に浸漬した後、遠心処理等の手段を用いて
中空部の水を除去することによって、膜特性を低下させ
ることなく接着可能にすることが開示されている。しか
しながら、これらの方法を限外濾過膜に適用した場合、
膜特性の保持が十分でなかったり、接着界面での剥離が
起きる問題があった。また、特開平6−277470号
公報において、無機塩溶液を含浸させた後乾燥すること
によって膜の空孔部分に無機塩を詰めた多孔膜は、再度
湿潤することによって乾燥処理前の膜特性を回復するこ
とが開示されている。しかしながら、該公報で開示され
た情報を基に、ポリアクリロニトリル等の極性ポリマー
から形成された限外濾過膜を処理した場合、膜特性の保
持が十分でなかったり、接着界面での剥離が起きるとい
う問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製膜後の膜
特性を保持し、かつ、限外濾過を行うのに適した形態に
成形することが可能な親水性濾過膜を提供することを課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するものである。すなわち、本発明は、(1)膜を形
成するポリマーのSP値が21以上である限外濾過膜に
おいて、該膜中に無機塩と水とを含有し、無機塩含有量
がポリマー1kg当り0.5mol以上であり、かつ、
無機塩濃度が1mol/Lから25℃における飽和近傍
濃度の範囲であることを特徴とする親水性濾過膜、
(2)無機塩が、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩
化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化鉄、硝酸リチウ
ム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニ
ウム、硝酸鉄、チオシアン酸カリウム、硫酸水素ナトリ
ウム、炭酸カリウムの中から選ばれた少なくとも1種で
ある上記(1)記載の親水性濾過膜、(3)膜中の無機
塩含有量がポリマー1kg当り1mol以上である上記
(1)記載の親水性濾過膜、(4)無機塩が塩化リチウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムの中から選ばれ
た少なくとも1種であり、膜中の無機塩濃度が、2mo
l/Lから25℃における飽和濃度の範囲である上記
(1)記載の親水性濾過膜、に関する。
【0007】本発明におけるSP値が21以上の膜形成
性ポリマーとしては、エチルセルロース(SP値21;
Polymer Handbook(第3版),Joh
nWiley&Sons,New York,198
9)、ニ酢酸セルロース(SP値23;同上)、酢酸セ
ルロース(SP値27;同上)、セルロース(SP値3
2;同上)等のセルロース類、ポリアミド6,6(SP
値23;同上)等のポリアミド類、ポリビニルアルコー
ル(SP値26;同上)、ポリアクリロニトリル(SP
値26;同上)等のアクリル系樹脂、ポリフッ化ビニリ
デン(SP値23;Journal of Polym
er Science;PartB:Polymer
Physics,Vol.26,785−794(19
88))等のフッ化ビニリデン系樹脂が挙げられる。こ
れらのポリマーは単独で膜を形成していても良いし、こ
れらのポリマー1種または複数種が主成分として他のポ
リマーとブレンドされて膜を形成していても良い。な
お、本発明でいうSP値の単位は、(MPa)1/2 であ
る。
【0008】本発明の限外濾過膜は、その孔径が0.0
01μm〜0.02μm未満である。該孔径は、0.1
重量%のデキストラン水溶液の阻止率と該デキストラン
の分子量分布から求めた分子量を用い、下記の数式
(1)によって計算される値である。
【0009】 D=2×(3V・M/(4π・N))1/3 (式1) ここで、Dは孔径(cm)、Vは偏比容(cm3
g)、Mは分子量(g/mol)、Nはアボガドロ数
(mol-1)である。上記条件で求める場合、Vは1.
0として計算する。
【0010】本発明で用いられる無機塩としては、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、鉄(II
I)のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸
塩、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩、ホウ酸塩が挙げられ
る。これらの内、25℃における溶解度が0.2mol
/L以上である無機塩が好ましい。好ましくは、塩化リ
チウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アル
ミニウム、塩化鉄、硝酸リチウム、硝酸マグネシウム、
硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸鉄、チオシア
ン酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、炭酸カリウムであ
り、特に好ましくは、塩化リチウム、塩化マグネシウ
ム、塩化カルシウムである。これらの無機塩は単独で用
いても良く、また、複数種を混合して用いることもでき
る。
【0011】本発明の膜は、膜壁内の空孔中に上記無機
塩と水とを含有し、無機塩の含有量がポリマー成分1k
gに対して0.5mol以上である必要がある。好まし
くは1mol以上であり、より好ましくは2mol以上
である。0.5mol未満では、透水性能が低下する。
【0012】また、無機塩濃度は、1mol/Lから2
5℃における飽和近傍濃度の範囲である必要がある。該
無機塩濃度の好ましい範囲は、濾過モジュールを成形す
るに際して膜を固定するために用いる接着剤の種類によ
って若干異なる。該接着剤としては、通常、エポキシ樹
脂やウレタン樹脂が使用される。エポキシ樹脂の場合に
は、1mol/Lから該無機塩の25℃における飽和濃
度の範囲が好ましく、2mol/Lから該無機塩の25
℃における飽和濃度の範囲がより好ましい。一方、ウレ
タン樹脂の場合には、2mol/Lから該無機塩の25
℃における飽和濃度の範囲が好ましく、3mol/Lか
ら該無機塩の25℃における飽和濃度の範囲がより好ま
しい。該無機塩濃度が1mol/L未満では、濾過モジ
ュールを成形した場合に接着界面での剥離や接着部の強
度不足が起きる傾向が強くなる。また、飽和近傍濃度を
越える濃度では、膜中で無機塩の結晶が析出することに
よって分画特性を低下させる傾向が強くなる。
【0013】なお、本発明でいう無機塩含有量、含水量
および無機塩濃度とは、下記の数式(2)、(3)、
(4)で計算される値である。 S=(1000+A−P)×C/P (式2) W=(A−P)/P−S×M/1000 (式3) SC=(1000+A−P)×C×ρ/(A−P) (式4) ここで、Sが無機塩含有量(mol/kg−ポリマ
ー)、Wが含水量(kg/kg−ポリマー)、SCが無
機塩濃度(mol/L)であり、Aは濾過膜サンプルの
重量、Pは該濾過膜サンプルを形成しているポリマー重
量、Cは濾過膜サンプルを1000gの純水中に浸漬し
て溶出した液の無機塩濃度(mol/kg−液)、Mは
無機塩の無水物としての分子量(g/mol)、ρは該
濃度の無機塩水溶液の密度(kg/L)である。具体的
な計算方法は後述する。また、本発明における飽和近傍
濃度とは、該無機塩の25℃における飽和濃度の1.1
倍の値である。
【0014】本発明の濾過膜は、公知の方法によって製
膜した膜を湿潤状態のまま、予め所定濃度に調整した無
機塩水溶液と接触させて、該膜中に該無機塩を含浸させ
ることによって、容易に調製することができる。
【0015】含浸させる方法としては、膜を無機塩水溶
液中に浸漬する方法、膜に無機塩水溶液を噴霧する方
法、膜上に無機塩水溶液を流下させる方法等を採ること
ができる。この場合、膜と接触させる無機塩水溶液の濃
度や接触時間を調整することによって、膜中の無機塩含
有量を制御することができる。膜種によっては、製膜後
に湿潤状態を保ったまま加熱処理を行って膜構造を固定
する工程を経ることがあるが、この時に同時に含浸処理
を行うことも可能である。
【0016】次いで、上記のようにして含浸させた後、
乾燥処理を行なうことによって含水量を調整し、所定の
膜中無機塩濃度に調整することができる。この場合、乾
燥時の環境温度や湿度、および、乾燥環境への暴露時間
を調整することによって、含水量を制御することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。 (1)純水透水量の測定 濾過膜サンプルの片側表面から他の表面へ1kgf/c
2 の差圧をかけて25℃の限外濾過水を透過させ、単
位時間、単位圧力(単位差圧)当りの透過速度を測定
し、その量をL/hr・m2 ・atmで表した。但し、
中空糸の場合には外表面積を有効表面積として計算し
た。 (2)分画性能の測定 0.1重量%のデキストランT−2000(Pharm
acia Biotech社製 Dextran T−
2000)水溶液を用い、入り圧と出圧の平均圧力を
0.5kgf/cm2 、流体線速を1m/secなるク
ロスフローの条件、25℃の温度条件で濾過し、30分
後の阻止率を測定した。 (3)膜中の無機塩含有量の測定と無機塩濃度の計算 濾過膜サンプル約20gを精秤(重量A)した後、純水
1000g中に24時間浸漬した。該水溶液中のイオン
濃度をICPおよびイオンクロマトグラフィーを用いて
分析し、定量(濃度C;mol/kg−液)した。
【0018】次いで、上記液中の濾過膜サンプルを取り
出し、純水100g中に浸漬して洗浄した。この洗浄操
作を3回行った後、105℃で16時間乾燥し、乾燥後
の重量を精秤してサンプルのポリマー重量(重量P)を
求めた。該ポリマー重量と上記のイオン濃度から無機塩
含有量、含水量および無機塩濃度を各々数式(2)、
(3)、(4)によって求めた。
【0019】 S=(1000+A−P)×C/P (式2) W=(A−P)/P−S×M/1000 (式3) SC=(1000+A−P)×C×ρ/(A−P) (式4) ここで、Sが無機塩含有量(mol/kg−ポリマ
ー)、Wが含水量(kg/kg−ポリマー)、SCが無
機塩濃度(mol/L)であり、Aは濾過膜サンプルの
重量、Pは該濾過膜サンプルを形成しているポリマー重
量、Cは濾過膜サンプルを1000gの純水中に浸漬し
て溶出した液の無機塩濃度(mol/kg−液)、Mは
無機塩の無水物としての分子量(g/mol)、ρは該
濃度の無機塩水溶液の密度(kg/L)である。
【0020】なお、ρは以下のようにして求めた。先
ず、下記数式(5)から無機塩の質量濃度(mol/k
g−液)を計算した。次いで、試薬を用いて該質量濃度
の液を別途調整し、その液の25℃における密度を測定
して求めた。 SC’=S×P/(A−P) (式5) なお、飽和濃度を超えている場合には、懸濁状態での液
重量と容積を測定し、その値から求めた。
【0021】
【実施例1〜5および比較例1〜3】アクリロニトリル
91.5重量%、アクリル酸メチル8.0重量%、メタ
クリル酸スルホン酸ソーダ0.5重量%からなる極限粘
度[η]=1.2の共重合体(SP値:25)18重量%
および重量平均分子量600のポリエチレングリコール
(和光純薬社製、PEG600)21重量%を、プロピ
レンカーボネート9.15重量%とジメチルスルホキシ
ド51.85重量%の混合溶媒に溶解して均一溶液とし
た。この液を60℃に保ち、テトラエチレングリコール
50重量%と水50重量%との混合溶液からなる内部液
とともに、紡口(二重環状ノズル)から吐出させ、60
℃の水浴中に浸漬させて、外径1.35mm、内径0.
75mmのポリアクリロニトリル系中空糸膜を作成し
た。次いで、該膜を純水中に十分水洗した後、55℃ま
で昇温して3時間保持した後に室温に戻した。
【0022】該膜の純水透水量は、310L/hr・m
2 ・atmであり、デキストランT−2000の阻止率
は85%であった。該阻止率とデキストランT−200
0の分子量分布から求めた孔径は、0.013μmであ
った。また、該膜の含水量は2.7kg/kg−ポリマ
ーであった。
【0023】該膜を、表1に示す無機塩水溶液に浸漬
し、25℃において2時間静置した後、表1に示す環境
条件で1時間乾燥した。なお、実施例5および比較例2
では、無機塩水溶液に25℃浸漬した後、乾燥処理の代
わりに、糸の端部において700Gの遠心力がかかる条
件で1時間遠心処理を施して脱液を行った。上記のよう
な処理を行った膜について、上記の方法によって膜中の
無機塩含有量と無機塩濃度を求めた。また、上記の処理
を行った膜を純水中に4時間浸漬した後、純水透水量と
分画性能を測定した。結果を表2に示す。
【0024】次ぎに、同様に処理した中空糸膜300本
を内径25mmのアクリル樹脂製ケースに挿入し、両端
部をエポキシ樹脂で封止して、濾過モジュールを形成し
た。該濾過モジュールを用いて、操作圧3kgf/cm
2 の条件で濾過および逆洗を1000回繰り返し、リー
クの有無を観察した。
【0025】結果を表2に示す。実施例では、いずれも
透水性能、分画性能が無機塩処理前と同等であり、接着
剤での封止も良好に行われ、リークの発生は全くなかっ
た。
【0026】
【実施例6】実施例1と同様にして製膜したポリアクリ
ロニトリル系中空糸を大量の純水で水洗した後、0.7
5mol/Lの塩化カルシウム水溶液に浸漬し、55℃
まで昇温して3時間保持した後に室温に戻した。次い
で、温度40℃、相対湿度30%の環境で1時間乾燥し
た。該膜の純水透水量は、305L/hr・m2 ・at
m、デキストランT−2000の阻止率は84%であ
り、純水で熱処理を施した湿潤膜と同等な値であった。
なお、該膜中の無機塩含有量、含水量は、各々1.9m
ol/kg−ポリマー、0.29kg/kg−ポリマー
であった。また、無機塩濃度は5.4mol/Lであ
り、25℃における飽和濃度の0.93倍であった。
【0027】次ぎに、2液混合型のウレタン樹脂を用い
た他は、実施例1と同様にして濾過モジュールを形成
し、リークの有無を観察した。その結果、全くリークは
発生しなかった。
【0028】
【実施例7〜9】無機塩種、含浸液濃度、乾燥での温度
および相対湿度を表3に示した条件に変えた他は実施例
1と同様にして、中空糸膜を処理した。該膜の純水透水
量と分画性能、および、膜中の無機塩含有量と無機塩濃
度を測定した結果を表4に示す。いずれの例でも、透水
性能、分画性能が無機塩処理前と同等であった。
【0029】次ぎに、実施例6と同様にして濾過モジュ
ールを形成し、リークの有無を観察したところ、リーク
の発生は全くなかった。
【0030】
【比較例4】実施例1と同様にして製膜した後加熱処理
した中空糸膜を、特開昭57−21903号公報の記載
内容に準拠して、塩化ナトリウム水溶液1.8mol/
L(10重量%)に2時間浸漬した。次いで、表面付着
液を遠心処理して除いた後、温度25℃、相対湿度30
%の環境で30分間乾燥した。該膜中の無機塩含有量と
含水量は、各々4.7mol/kg−ポリマー、0.6
3kg/kg−ポリマーであり、含水膜重量基準の含水
率は、乾燥前の含水率の45%であった。また、無機塩
濃度は6.4mol/Lであり、25℃における飽和濃
度の1.2倍であった。該膜の純水透水量は、380L
/hr・m2 ・atm、デキストランT−2000の阻
止率は44%であり、分画性能が低下していた。
【0031】
【比較例5】実施例1と同様にして製膜した後加熱処理
した中空糸膜を、特開平3−245827号公報の記載
内容に準拠して、0.5mol/L(MgSO4 ・7H
2 O11重量%)の硫酸マグネシウム水溶液に2時間浸
漬した。次いで、表面付着液を遠心処理して除いた。該
膜中の無機塩含有量と含水量は、各々0.7mol/k
g−ポリマー、1.3kg/kg−ポリマーであり、含
水膜重量基準の含水率は、乾燥前の含水率の79%であ
った。また、無機塩濃度は0.5mol/Lであり、2
5℃の飽和濃度の0.19倍であった。該膜の純水透水
量と分画性能を測定した結果、各々300L/hr・m
2 ・atm、85%であり、無機塩処理前と同等であっ
た。
【0032】次ぎに、実施例6と同様にして濾過モジュ
ールを形成したところ、ウレタン樹脂成分であるイソシ
アネート基の分解による発泡が起こり、接着部に気泡が
多量に混在していた。該モジュールで実施例1と同様に
してリークの有無を観察したところ、濾過・逆洗の繰り
返し10回目でリークが発生した。
【0033】
【実施例10】ポリフッ化ビニリデン(Atochem
社製Kynar761 SP値:23)20重量%、N
−メチル−2−ピロリドン68重量%、平均分子量50
000のポリエチレングリコール(和光純薬工業社製試
薬一級)15重量%を混合・溶解して原液を調製した。
原液を50℃に加熱してガラス板上に流延し、直ちに3
0℃の水中に浸漬して凝固させた後、ガラス板から自然
に剥離させて平膜を得た。次いで、大量の純水で水洗し
た後、55℃まで昇温して3時間保持した後に室温に戻
して保存した。
【0034】該膜の厚みは80μmであり、純水透水量
は、210L/hr・m2 ・atm、デキストランT−
70の阻止率は16%であった。該阻止率とデキストラ
ンT−70の分子量分布から求めた孔径は、0.006
μmであった。該膜を、0.75mol/Lの塩化カル
シウム水溶液に浸漬し、25℃において2時間静置した
後、25℃−相対湿度30%の環境条件で1時間乾燥し
た。
【0035】該膜中の無機塩含有量と含水量は、各々
1.5mol/kg−ポリマー、0.2kg/kg−ポ
リマーであった。また、無機塩濃度は5.8mol/L
であり、25℃の飽和濃度の0.99倍であった。該膜
の純水透水量と分画性能を測定したところ、純水透水量
が205L/hr・m2 ・atm、デキストランT−7
0の阻止率が16%であり、無機塩処理前と同等であっ
た。
【0036】内径25mm、外径45mm、厚み5mm
のABS製環状板の片面に、10mm幅で実施例6のウ
レタン樹脂を塗布し、直ちに上記の無機塩処理した平膜
を置いて接着して平膜カートリッジを成形した。該接着
面を観察したところ、気泡の発生がなく、良好な接着部
を形成していた。該カートリッジの両面から5分毎に交
互に0.5kgf/cm2 の圧力をかけて純水を透過さ
せ、リークの有無を観察したところ、100回繰り返し
てもリークは発生しなかった。
【0037】
【比較例6】乾燥せずに表面の付着液を濾紙で拭き取っ
た以外は、実施例10と同様にして膜を処理した。該膜
中の無機塩含有量と含水量は、各々1.5mol/kg
−ポリマー、1.9kg/kg−ポリマーであった。ま
た、無機塩濃度は0.75mol/Lであり、25℃の
飽和濃度の0.13倍であった。該膜の純水透水量と分
画性能を測定したところ、純水透水量が208L/hr
・m2 ・atm、デキストランT−70の阻止率が16
%であり、無機塩処理前と同等であった。
【0038】次ぎに、実施例10と同様にしてカートリ
ッジを形成したところ、ウレタン樹脂が発泡し、接着部
に気泡が多量に混在した。該カートリッジのリークの発
生を観察したことろ、3回目で膜が剥離してリークし
た。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【本発明の効果】以上に述べたように、本発明の濾過膜
では、製膜後の膜特性を保持し、かつ、限外濾過を行う
のに適した形態に成形することが可能である。また、使
用時には、容易に洗浄することができ、洗浄排水の無害
化処理を行う必要がないので、実用上極めて有用であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA06 MA01 MA03 MA22 MA31 MA33 MA40 MB02 MB09 MB19 MC11 MC17 MC18 MC29X MC33 MC37X MC39X MC55 MC83 MC84 MC89 MC90 NA05 NA54 NA55 NA64

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜を形成するポリマーのSP値が21以
    上である限外濾過膜において、該膜中に無機塩と水とを
    含有し、無機塩含有量がポリマー1kg当り0.5mo
    l以上であり、かつ、無機塩濃度が1mol/Lから2
    5℃における飽和近傍濃度の範囲であることを特徴とす
    る親水性濾過膜。
JP19100799A 1999-07-05 1999-07-05 親水性濾過膜 Expired - Fee Related JP4108227B2 (ja)

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