JP2001017755A - 千鳥縫いミシン - Google Patents

千鳥縫いミシン

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JP2001017755A
JP2001017755A JP11190446A JP19044699A JP2001017755A JP 2001017755 A JP2001017755 A JP 2001017755A JP 11190446 A JP11190446 A JP 11190446A JP 19044699 A JP19044699 A JP 19044699A JP 2001017755 A JP2001017755 A JP 2001017755A
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Yoshihide Sugihara
良英 杉原
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定縫順に従って千鳥縫目模様を形成する縫製
モードと、千鳥縫目模様の形成途中で所定縫順をリセッ
トして最初の縫目データから所定縫順に従って千鳥縫目
模様を形成する縫製モードとを選択的に切換え可能と
し、被縫製体を取り換えずに千鳥縫目模様の形成を続行
する場合及び被縫製体を新たに取り換える場合のいずれ
においても、見栄えの良い千鳥縫目模様を形成すること
ができる千鳥縫いミシンを提供する。 【解決手段】モード切換スイッチ2Aを操作することに
より、縫目テーブル42に記憶されているデータ順位に
従って位置データを読み込むとともに、その読み込んだ
位置データに基づきステッピングモータ22を駆動して
針棒4の移動制御を行う第1モードと、縫目テーブル4
2のデータ順位に従って位置データを読み込みながらス
テッピングモータ22による針棒4の移動制御を行って
いる間に、ミラー反転スイッチ2Bが操作されることに
基づきデータ順位をリセットしてデータ順位とは逆方向
に位置データを読み込んで針棒4の移動制御を行う第2
モードとを、選択的に切り換え可能に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メモリに記憶され
た縫目データの所定縫順に従って被縫製体上に千鳥縫目
模様を形成する千鳥縫いミシンに関し、特に、所定縫順
に従って千鳥縫目模様を形成する縫製モードと、千鳥縫
目模様の形成途中で所定縫順をリセットして最初の縫目
データから所定縫順に従って千鳥縫目模様を形成する縫
製モードとを選択的に切換え可能とし、被縫製体を取り
換えずに千鳥縫目模様の形成を続行する場合及び被縫製
体を新たに取り換える場合のいずれにおいても、見栄え
の良い千鳥縫目模様を形成することができる千鳥縫いミ
シンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の千鳥縫いミシンが提案
されており、この種のミシンにおいては、布を所定搬送
方向に所定量移動搬送させながら、布の搬送方向と直交
する揺動方向へ縫針を断続的に揺動させ、揺動方向への
縫針の揺動量に対応する縫目幅に基づき作成されてメモ
リに記憶されている縫目データを所定縫順に従って布上
に所定の千鳥縫目模様を形成している。
【0003】また、例えば、特公平3−18915号公
報には、ミシン本体に鏡像選択スイッチ及び鏡像送りス
イッチを設け、鏡像送りスイッチの操作に基づいて鏡像
選択スイッチを介して選択された鏡像(ミラー)模様を
縫わせるように構成したミシンが記載されている。
【0004】前記した従来の千鳥縫いミシンにおいて
は、一般に、前記千鳥縫目模様のミラー模様を作成して
布上に形成するミラーモードを指令するミラースイッチ
に加えて、千鳥縫目模様を形成している途中で縫目デー
タの縫順をリセットするリセットスイッチが設けられて
いる。そして、かかる千鳥縫いミシンでは、ミシン本体
の下方に配置されたペダルを後方に踏み返した時点で、
リセットスイッチがオンされて縫目データの縫順がリセ
ットされると同時に、ミラースイッチにより設定された
ミラーモードもリセットされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の千鳥縫いミシンにおいては、ペダルの踏み返しに基
づいて縫目データの縫順、及び、ミラーモードが同時に
リセットされてしまうことから、例えば、縫製している
布を新たな布の取り換えて千鳥縫い模様を形成する場合
には、千鳥縫目模様及びミラー模様は、その縫順がリセ
ットされて最初の縫目データから縫い動作が開始されて
問題はないが、これに対して、現在縫製している布を取
り換えることなく連続して千鳥縫い模様やミラー模様を
形成する場合には、リセットの前後において模様の連続
性がなくなってしまい、この結果、模様の見栄えが非常
に悪くなってしまう問題がある。
【0006】本発明は前記従来の問題点を解消するため
になされたものであり、所定縫順に従って千鳥縫目模様
を形成する縫製モードと、千鳥縫目模様の形成途中で所
定縫順をリセットして最初の縫目データから所定縫順に
従って千鳥縫目模様を形成する縫製モードとを選択的に
切換え可能とし、被縫製体を取り換えずに千鳥縫目模様
の形成を続行する場合及び被縫製体を新たに取り換える
場合のいずれにおいても、見栄えの良い千鳥縫目模様を
形成することができる千鳥縫いミシンを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に係る千鳥縫いミシンは、被縫製体を所定搬送
方向に所定量移動搬送させるとともに、被縫製体の搬送
方向と直交する揺動方向へ縫針を断続的に揺動させ、被
縫製体上に所定の千鳥縫目模様を形成する千鳥縫いミシ
ンにおいて、前記揺動方向への縫針の揺動量に対応する
縫目データを所定縫順に従って記憶する記憶手段と、前
記記憶手段に記憶されている縫目データの所定縫順に従
って千鳥縫目模様を形成する第1モード、又は、所定縫
順に従って千鳥縫目模様を形成している間に、所定縫順
をリセットするとともに最初の縫目データから所定縫順
に従って千鳥縫目模様を形成する第2モードを指令する
第1指令手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】前記請求項1の千鳥縫いミシンでは、第1
指令手段を介して、記憶手段に記憶されている縫目デー
タの所定縫順に従って千鳥縫目模様を形成する第1モー
ドと、所定縫順に従って千鳥縫目模様を形成している間
に、所定縫順をリセットするとともに最初の縫目データ
から所定縫順に従って千鳥縫目模様を形成する第2モー
ドとを、選択的に切り換えることができる。これによ
り、例えば、被縫製体を取り換えることなく連続して千
鳥縫い模様を形成する場合には、第1指令手段により第
1モードを選択することにより、千鳥縫い模様が途中で
不連続になることなく見栄えの良い千鳥縫い模様を形成
することが可能となる。また、被縫製体を新たに取り換
えて千鳥縫い模様を形成する場合には、第1指令手段に
より第2モードを選択することにより、最初の縫目デー
タから所定縫順に従って千鳥縫目模様を形成することが
可能となる。
【0009】このとき、請求項2に記載されているよう
に、前記縫針が揺動するタイミングであるかどうかを検
知する検知手段と、前記検知手段を介して縫針が揺動す
るタイミングであることが検知された場合、前記第1指
令手段により第2モードが指令されたかどうかを判断す
る判断手段とを備え、前記判断手段により第1指令手段
を介して第2モードが指令されたと判断された場合に
は、第2モードに従って被縫製体上に千鳥縫目模様を形
成するように構成してもよい。
【0010】また、請求項3に記載されているように、
前記記憶手段に記憶されている縫目データの所定縫順と
は逆の縫順に基づき前記千鳥縫目模様のミラー模様を形
成する第3モードを指令する第2指令手段と、前記判断
手段により第1指令手段を介して第2モードが指令され
たと判断された場合には、前記第2指令手段を介して指
令された第3モードをリセットするリセット手段とを備
え、千鳥縫い模様の縫順のリセットとミラー模様の縫順
のリセットとを相互に連動させるようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る千鳥縫いミシ
ンについて、本発明を具体化した実施形態に基づき図面
を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る
千鳥縫いミシンの概略構成について図1に基づき説明す
る。図1は、本実施形態の千鳥縫いミシン1の外観斜視
図である。
【0012】図1において、ミシン1は、作業用テーブ
ル9に設けられたミシンベッド部3と、そのミシンベッ
ド部3の右端部から立設配置された脚柱部27と、その
脚柱部27からミシンベッド部3に対向するように左方
へ延びるアーム部2とから構成されている。
【0013】作業用テーブル9は作業台21上に取り付
けられている。作業台21における作業用テーブル9の
下方には、ミシン1を駆動するための駆動モータ17お
よびミシン1の主制御を行う制御ボックス25が取り付
けられている。作業台21の下端部には、ミシン1によ
る縫製動作の指示を行うペダル19が揺動可能に支持さ
れている。ペダル19は、上下方向に延びる連結棒23
を介して制御ボックス25と連結されている。
【0014】ペダル19は、中立位置と、中立位置に対
して爪先側に踏み込んだ前踏み位置と、中立位置に対し
て踵側に踏み返した踏み返し位置とに揺動することがで
きるように構成されており、制御ボックス25は、この
ペダルの位置に応じた起動信号を駆動モータ17側へ出
力している。尚、制御ボックス25は、ペダル19の位
置が中立位置の場合は縫製作業を停止させる信号、ペダ
ル19の位置が前踏み位置の場合は縫製作業を実行する
信号、ペダル19の位置が踏み返し位置の場合は止め縫
いを実行する信号をそれぞれ出力するようになってい
る。ここで、止め縫いは、縫い始めと縫い終わりとの少
なくとも一方において、糸端のほつれを防止するために
行うものである。
【0015】また、ペダル19が中立位置及び前踏み位
置にある場合には、踏み返しスイッチ19A(図3参
照)は、オフ状態になっている。また、ペダル19が踏
み返し位置にある場合には、踏み返しスイッチ19Aは
オン状態になっている。
【0016】制御ボックス25の筺体表側には、模様選
択スイッチ11a、縫目幅設定スイッチ11b、搬送量
設定スイッチ11cが設けられている。
【0017】脚柱部27の右端部上方にはプーリ12が
設けられている。アーム部2の左端部にはアーム部2の
頭部が設けられ、その頭部下方からは、ミシンベッド部
3の上面に対して垂直方向に縫針16が突出している。
プーリ12の回動と縫針16の上下動とは連動するよう
に構成されている。アーム部2の前面には、操作パネル
2Cが配置されており、かかる操作パネル2Cには、モ
ード切換スイッチ2A、ミラー反転スイッチ2B及びミ
ラーランプ2Dが設けられている。
【0018】ここに、モード切換スイッチ2Aは、縫目
テーブル42(図4参照)に記憶されている縫目データ
の所定縫順に従って千鳥縫目模様を形成する第1モード
と、所定縫順に従って千鳥縫目模様を形成している間
に、所定縫順をリセットするとともに最初の縫目データ
から所定縫順に従って千鳥縫目模様を形成する第2モー
ドとを選択的に切り換えるスイッチである。第1モード
と第2モードとは、モード切換スイッチ2Aの連続押圧
により交互に切り換えられる。尚、第1モードは、通
常、同一の被縫製体に連続して千鳥縫目模様を形成する
場合に選択され、第2モードは、被縫製体を新たに交換
して千鳥縫目模様の形成を行う場合に選択される。
【0019】また、ミラー反転スイッチ2Bは、縫目テ
ーブル42に記憶されている縫目データの所定縫順とは
逆の縫順に基づき千鳥縫目模様のミラー模様を形成する
第3モードを選択する際に押圧されるスイッチである。
かかる第3モードとその解除は、ミラー反転スイッチ2
Bの連続押圧により交互に切り換えられる。尚、第3モ
ードは、例えば、方向性のある千鳥縫目模様の形成時
に、その形成方向を変化させる場合や方向性のある千鳥
縫目模様を形成している間に被縫製体をターンさせた際
に、既に形成した縫目模様と対称関係が発生するように
縫目模様を形成する場合に選択される。
【0020】更に、ミラーランプ2Dは、ミラー反転ス
イッチ2Bを介して第3モードが選択された場合に点灯
されるランプであり、縫製者に対して第3モードが選択
されているかどうかを報知する作用を行う。
【0021】図2は、ミシン1の概略内部構成を示す要
部透視図である。
【0022】アーム部2の頭部下方からは、縫針16を
支持する針棒4の先端が突出している。また、アーム部
2の頭部下方には布押さえ6が突設されている。ミシン
ベッド部3上には、布押さえ6と対向する位置に送り歯
8が設けられている。送り歯8は、ミシンベッド部3内
に配設されたソレノイド32を含む水平送り機構により
駆動される。尚、前記水平送り機構は、例えば、特許公
報第2623522号に記載された構成にて具体化され
る。
【0023】そのため、ミシンベッド部3上に載置され
た被縫製体(図示略)は、送り歯8により被縫製体搬送
方向(図示の矢印Y方向)へ断続的に搬送される。ここ
で、被縫製体の搬送方向(矢印Y方向)への移動量(搬
送量)は、水平送り機構のソレノイド32によって変更
可能である。そのソレノイド32の駆動量は、後述する
縫目テーブル42に格納された縫目データによって決定
される。つまり、被縫製体の搬送方向(矢印Y方向)へ
の移動量(搬送量)は、縫目テーブルに格納された縫目
データに基づいて変更可能である。
【0024】そして、駆動モータ17からベルト10お
よびプーリ12を介して伝達された駆動力により上下動
される針棒4の先端の縫針16により、被縫製体上に千
鳥縫目模様が形成される。ここで、動作タイミング発生
装置31は、プーリ12の回転を検出することにより、
縫針16が上動して被縫製体から抜けた時点で動作タイ
ミング信号を発生する。
【0025】針棒4は、コの字状の針棒保持部14を介
して上下動可能に保持されている。針棒保持部14は、
アーム部2内に水平配設されたシャフト18の一端と連
結されている。シャフト18は、シャフト保持部20を
介して被縫製体の幅方向(図示の矢印X方向)に揺動可
能に保持されている。ここで、被縫製体幅方向(矢印X
方向)は、前記した被縫製体搬送方向(図示の矢印Y方
向)と直交している。シャフト18の中央近傍には連結
部材26が設けられている。脚柱部27内には、ステッ
ピングモータ22および複数のリンク部材24が配設さ
れている。ステッピングモータ22の駆動力は、複数の
リンク部材24から連結部材26を介してシャフト18
に伝達されるように構成されている。
【0026】そのため、縫針16の被縫製体幅方向(矢
印X方向)への移動量は、ステッピングモータ22のス
テップ量によって決定される。そのステッピングモータ
22のステップ量は、パルス発生装置28の発生するパ
ルス信号によって制御される。そのパルス発生装置28
の発生するパルス信号は、縫目テーブル42に格納され
た縫目データによって決定される。つまり、縫針16の
被縫製体幅方向(矢印X方向)への移動量は、縫目テー
ブル42に格納された縫目データに基づいて制御され
る。
【0027】図3は、制御ボックス25の主要構成を示
すブロック構成図である。
【0028】制御ボックス25は、模様選択スイッチ1
1a、縫目幅設定スイッチ11b、搬送量設定スイッチ
11c、ペダル19,パルス発生装置28,駆動モータ
17,ステッピングモータ22,動作タイミング発生装
置31、ソレノイド32,操作パネル2C(モード切換
スイッチ2A、ミラー反転スイッチ2B、ミラーランプ
2Dが設けられている)、RAM41、ROM43、C
PU44、針上げスイッチ16Aなどがバス45を介し
て接続されることにより構成されている。
【0029】模様選択スイッチ11aは、予め設定され
た複数の千鳥縫目模様の種類(2点千鳥縫目模様、3点
千鳥縫目模様、4点千鳥縫目模様、5点以上の多数点の
千鳥縫目模様)から作業者が所望の千鳥縫目模様の種類
を選択指示するためのスイッチである。
【0030】縫目幅設定スイッチ11bは、被縫製体幅
方向(被縫製体の搬送方向と直交する向き)への縫針1
6の移動量の取り得る幅である千鳥縫目模様の縫目幅を
設定するためのスイッチである。搬送量設定スイッチ1
1cは、被縫製体の搬送方向への移動量(搬送量)を設
定するためのスイッチである。
【0031】RAM41は、縫目データを格納した縫目
テーブル42を備え、制御ボックス25による各種制御
動作を実行する際に要するデータの読み出し及び書込を
行うように構成されている。また、RAM41には、モ
ード切換スイッチ2Aを介して前記第1モードと第2モ
ードのいずれが選択されているかを記憶するリセットフ
ラグ41A、及び、ミラー反転スイッチ2Bを介して前
記第3モードが選択されたことを記憶するミラーフラグ
41Bが設けられている。ここに、リセットフラグ41
Aは、第1モードが選択された場合に「OFF」、第2
モードが選択された場合に「ON」がセットされる。ま
た、ミラーフラグ41Bは、第3モードが選択されてい
ない場合には「OFF」がセットされ、第3モードが選
択されている場合には「ON」がセットされる。
【0032】ROM43は、後述する縫製作業を実行す
るための縫製処理プログラムや、後述する縫目データを
作成するための縫目データ作成プログラムなどの種々の
ミシン制御プログラムを格納している。
【0033】CPU44は、ミシン1全体の動作を制御
する中央演算処理装置であり、ミシン1の動作に関する
全てのデータを管理している。
【0034】ここで、RAM41の縫目テーブル42に
ついて図4乃至図6に基づき説明する。図4は縫目テー
ブル42を模式的に示す説明図、図5は縫目テーブル4
2に記憶されている縫目データに基づき縫製される縫製
パターンを示す説明図、図6は図5の縫製パターンが連
続した状態を示す説明図である。
【0035】先ず、図4において、縫目テーブル42
は、縫順を表すデータ順位、及び、被縫製体における針
落ち位置のX方向における座標データで表される位置デ
ータから構成されている。尚、位置データは、前回の針
落ち位置から今回の針落ち位置までに縫針16が移動
(揺動)するに必要な移動量で表される。
【0036】具体的に、縫目テーブル42において、縫
順1乃至12に対応してA乃至Lの12個の針落ち位置
の位置データが記憶されている。また、12番目の針落
ち位置の位置データが最後のデータであるので、データ
順位13に対応してエンドデータが記憶されている。か
かる図4に示す縫目テーブル42に基づいて、図5に示
すような縫製パターンPが得られ、この縫製パターンP
に従って千鳥縫目模様が形成される。尚、実際には、縫
製パターンPを連続したパターン(図6参照)で千鳥縫
目模様が形成される。図6には、一例として、縫製パタ
ーンPを3個連続したパターンが示されている。
【0037】続いて、前記縫目テーブル42に記憶され
た各データに基づきステッピングモータ22により縫針
16をX方向へ揺動させる処理について、図7に基づき
説明する。図7はステッピングモータ22の駆動制御プ
ログラムのフローチャートである。
【0038】図7において、先ず、ステップ(以下、S
と略記する)1において、リセットフラグ41A及びミ
ラーフラグ41BをOFFにしてフラグの初期化が行わ
れ、また、S2では、縫目テーブル42における縫順に
従ってデータ順位1の位置データAを読み込むととも
に、その位置データに対応する針落ち位置まで針棒4を
移動させるべくステッピングモータ22を駆動する。
【0039】S3においては、ミラーフラグ41BがO
Nであるかどうか、即ち、ミラー反転スイッチ2Bが操
作されたかどうかを判断する。ミラーフラグ41BがO
FFになっている場合(S3:NO)には、第1モード
に従って縫目テーブル42から読み込むデータのデータ
順位を1だけ加算した(S4)後、S5に移行する。S
5においては、そのデータ順位がエンドデータに対応す
るかどうかを判断する。
【0040】S5にて、データ順位がエンドデータに対
応すると判断された場合(S5:YES)には、位置デ
ータを繰り返して読み込むべくデータ順位を1番目にし
た後S6に移行し、一方、データ順位がエンドデータに
対応しないと判断された場合(S5:NO)には、直接
S6に移行する。S6においては、前記データ順位に対
応する位置データを縫目テーブル42から読み込む。
【0041】S7では、S6にて読み込まれた位置デー
タから現在位置データ(S2で読み込まれた位置デー
タ)を減算することにより、針棒4(縫針16)の移動
量(揺動量)を算出する。続くS8において、動作タイ
ミング発生装置31から動作タイミング信号が発生され
たかどうか判断する。動作タイミング発生装置31から
動作タイミング信号が発生されている場合(S8:YE
S)には、前記S7で算出した移動量分ステッピングモ
ータ22を駆動した後、S3に戻る。
【0042】また、前記S3においてミラーフラグ41
BがONになっていると判断された場合(S3:YE
S)には、第3モードに従って縫目テーブル42から読
み込むデータのデータ順位を1だけ減算した(S10)
後、S11に移行する。S11では、そのデータ順位が
1番目であるかどうかを判断する。データ順位が1番目
である場合(S11:YES)には、S12にて読み込
む位置データのデータ順位をエンドデータの1つ前に変
更した後前記S6に移行してS6以降の処理が行われ、
一方、データ順位が1番目でない場合(S11:NO)
には、直接S6に移行してS6以降の処理が行われる。
【0043】前記S8において、動作タイミング信号発
生装置31から動作タイミング信号が発生されていない
と判断された場合(S8:NO)には、S13以降の処
理が行われる。即ち、S13において、ミラースイッチ
2Bからのスイッチ入力があるかどうか判断し、スイッ
チ入力があった場合(S13:YES)にはミラーフラ
グ41Bを反転した(S14)後S15に移行し、これ
に対して、スイッチ入力がない場合(S13:NO)に
は直接S15に移行する。S15では、ミラーフラグ4
1BがONであるかどうかを判断し、ミラーフラグ41
BがONである場合(S15:YES)にはミラーラン
プ2Dを点灯した(S16)後S18に移行し、一方、
ミラーフラグ41BがONでない場合(S15:NO)
にはミラーランプ2Dを消灯した(S17)後S18に
移行する。
【0044】S18においては、モード切換スイッチ2
Aからのスイッチ入力があるかどうかを判断し、スイッ
チ入力がある場合(S18:YES)にはリセットフラ
グ41Aを反転した(S19)後S20に移行し、一
方、モード切換スイッチ2Aからのスイッチ入力がない
場合(S18:NO)には直接S20に移行する。
【0045】S20では、踏み返しスイッチ19AがO
Nされているかどうかを判断し、踏み返しスイッチ19
AがONされていない場合(S20:NO)には再度S
8に戻る。一方、踏み返しスイッチ19AがONされて
いる場合(S20:YES)には、S21に移行する。
【0046】S21においては、リセットフラグ41A
がONになっているかどうかを判断し、リセットフラグ
41AがONでない場合(S21:NO)にはS6に戻
る。これに対して、リセットフラグ41AがONである
場合(S21:YES)には、第2モードに従ってS2
2にて縫目テーブル42から読み込む位置データのデー
タ順位を1番目にし、また、S23にてそのデータ順位
に対応する位置データが読み込まれる。更に、S24に
おいては、S23にて読み込まれた位置データから現在
位置のデータを減算することにより、針棒4(縫針1
6)の移動量(揺動量)を算出する。尚、この移動量
は、最初の縫目データの位置への移動量となる。この
後、S25において、ミラーフラグ41BをOFFに
し、S8に戻る。
【0047】ここで、前記した各処理について、縫目テ
ーブル42の各データに基づき具体的に説明する。尚、
以下の説明において、データ順位1番目の位置データA
から読み込まれるものとする。また、当初においてミラ
ー反転スイッチ2Bは操作されておらず、従って、ミラ
ーフラグ41BはOFF状態にあるものとする。
【0048】先ず、ミラーフラグ41B、リセットフラ
グ41AをOFFにした(S1)後、データ順位1番目
の位置データAが読み込まれるとともに、位置データA
に基づきステッピングモータ22を駆動して針棒4が位
置データAに対応する針落ち位置まで移動さる(S
2)。この後、データ順位が1だけ加算されて位置デー
タBが読み込まれるとともに、位置データAから位置デ
ータBを減算することにより針棒4の移動量が算出され
る(S3:NO、S4、S5:NO、S6、S7)。そ
して、動作タイミング発生装置31から動作タイミング
信号が発生される毎に、前記移動量分に対応してステッ
ピングモータ22が駆動されて針棒4が移動される(S
8:YES、S9)。前記各処理は、縫目テーブル42
のデータ順位3番目の位置データCから12番目の位置
データLまで同様に行われる。そして、位置データLに
ついての処理が終了すると、エンドデータとなるので
(S5:YES)、再度データ順位1番目の位置データ
Aに戻って同様の処理が行われる。以上の処理は第1モ
ードに基づき千鳥縫目模様を形成する処理である。
【0049】また、前記各処理の途中で、ミラー反転ス
イッチ2Bが操作されるとミラーフラグ41BがONと
なり(S3:YES)、第3モードに従って千鳥縫目模
様のミラー模様を形成する処理が行われる。即ち、第3
モードにおいては、前記第1モードにおける縫順とは逆
方向に縫目テーブル42のデータ順位を取得するととも
に、その逆のデータ順位に従って位置データを読み込ん
でいくものである(S10乃至S12)。例えば、S2
でデータ順位3番目の位置データCを読み込んだ後に第
3モードに移行する場合には、これに続いてデータ順位
2番目の位置データBが読み込まれS6乃至S9の処理
が行われた後、同様にデータ順位1番目の位置データA
が読み込まれてS6乃至S9の処理が行われる。この
後、データ順位12番目の位置データLが読み込まれて
S6乃至S9の処理が行われる。そして、ミラーフラグ
41BがON状態である限り、このような処理が続行さ
れる。
【0050】そして、動作タイミング発生装置31から
動作タイミング信号が発生されていない間(S8:N
O)、ミラーフラグ41Bとリセットフラグ41Aの状
態を検知して対応する処理を行い(S13乃至S1
9)、また、踏み返しスイッチ19AがONされること
をトリガーとして(S20:YES)、リセットフラグ
41AがONされている場合(S21:YES)には、
第2モードに従って縫目テーブル42の縫順をリセット
して縫目テーブル42におけるデータ順位1番目の位置
データから読み込んで針棒4の移動制御を行い、且つ、
ミラーフラグ41Bをリセットするものである。
【0051】以上詳細に説明した通り本実施形態に係る
千鳥縫いミシン1では、モード切換スイッチ2Aを操作
することにより、縫目テーブル42に記憶されているデ
ータ順位に従って位置データを読み込むとともに、その
読み込んだ位置データに基づきステッピングモータ22
を駆動して針棒4の移動制御を行う第1モードと、縫目
テーブル42のデータ順位に従って位置データを読み込
みながらステッピングモータ22による針棒4の移動制
御を行っている間に、ミラー反転スイッチ2Bが操作さ
れることに基づきデータ順位をリセットしてデータ順位
とは逆方向に位置データを読み込んで針棒4の移動制御
を行う第2モードとを、選択的に切り換えることができ
る。これにより、例えば、被縫製体を取り換えることな
く連続して千鳥縫い模様を形成する場合には、モード切
換スイッチ2Aを操作して第1モードを選択することに
より、千鳥縫い模様が途中で不連続になることなく見栄
えの良い千鳥縫い模様を形成することができる。また、
被縫製体を新たに取り換えて千鳥縫い模様を形成する場
合には、モード切換スイッチ2Aを再度操作して第2モ
ードを選択することにより、縫目テーブル42における
データ順位1番目の最初の位置データを読み込んで千鳥
縫目模様を形成することができる。
【0052】尚、本発明は、前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、
前記実施形態においては、モード切換スイッチ2Aによ
って何れかのモードに切り換えられると、再びモード切
換スイッチ2Aによって切り換えられるまで、そのモー
ドが維持されるようになっているが、S25の後に、リ
セットフラグをOFFする動作を追加することにより、
自動的に第2モードから第1モードに切り換えられるよ
うにしてもよい。
【0053】また、常には第1モードを維持し、モード
切換スイッチ2Aが押された状態において、ペダル19
が踏み返された時のみ第2モードに切り換わって所定縫
順をリセットするようにしてもよい。
【0054】更に、特開平5−23462号公報に示さ
れるような布端検出手段を追加し、加工布の有無に応じ
て第1モードと第2モードとを自動的に切り換えるよう
にしてもよい。即ち、加工布が有る状態においては、縫
製途中とみなして第1モードとし、加工布が無い状態に
おいては、縫製終了とみなして第2モードとするように
してもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1の千鳥縫い
ミシンでは、第1指令手段を介して、記憶手段に記憶さ
れている縫目データの所定縫順に従って千鳥縫目模様を
形成する第1モードと、所定縫順に従って千鳥縫目模様
を形成している間に、所定縫順をリセットするとともに
最初の縫目データから所定縫順に従って千鳥縫目模様を
形成する第2モードとを、選択的に切り換えることがで
きる。これにより、例えば、被縫製体を取り換えること
なく連続して千鳥縫い模様を形成する場合には、第1指
令手段により第1モードを選択することにより、千鳥縫
い模様が途中で不連続になることなく見栄えの良い千鳥
縫い模様を形成することが可能となる。また、被縫製体
を新たに取り換えて千鳥縫い模様を形成する場合には、
第1指令手段により第2モードを選択することにより、
最初の縫目データから所定縫順に従って千鳥縫目模様を
形成することが可能となる。
【0056】このとき、請求項2に記載されているよう
に、前記縫針が揺動するタイミングであるかどうかを検
知する検知手段と、前記検知手段を介して縫針が揺動す
るタイミングであることが検知された場合、前記第1指
令手段により第2モードが指令されたかどうかを判断す
る判断手段とを備え、前記判断手段により第1指令手段
を介して第2モードが指令されたと判断された場合に
は、第2モードに従って被縫製体上に千鳥縫目模様を形
成するように構成してもよい。
【0057】また、請求項3に記載されているように、
前記記憶手段に記憶されている縫目データの所定縫順と
は逆の縫順に前記千鳥縫目模様のミラー模様を形成する
第3モードを指令する第2指令手段と、前記判断手段に
より第1指令手段を介して第2モードが指令されたと判
断された場合には、前記第2指令手段を介して指令され
た第3モードをリセットするリセット手段とを備え、千
鳥縫い模様の縫順のリセットとミラー模様の縫順のリセ
ットとを相互に連動させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】千鳥縫いミシン1の外観斜視図である。
【図2】千鳥縫いミシンの要部透視図である。
【図3】千鳥縫いミシンのブロック構成図である。
【図4】縫目テーブルを模式的に示す説明図である。
【図5】縫目テーブルに記憶されている縫目データに基
づき縫製される縫製パターンを示す説明図である。
【図6】図5の縫製パターンが連続した状態を示す説明
図である。
【図7】ステッピングモータの駆動制御プログラムのフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 千鳥縫いミシン 2A モード切換スイッチ 2B ミラー反転スイッチ 4 針棒 16 縫針 16A 針上げスイッチ 22 ステッピングモータ 41 RAM 41A リセットフラグ、 41B ミラーフラグ 42 縫目テーブル 43 ROM 44 CPU

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被縫製体を所定搬送方向に所定量移動搬
    送させるとともに、被縫製体の搬送方向と直交する揺動
    方向へ縫針を断続的に揺動させ、被縫製体上に所定の千
    鳥縫目模様を形成する千鳥縫いミシンにおいて、 前記揺動方向への縫針の揺動量に対応する縫目データを
    所定縫順に従って記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されている縫目データの所定縫順に
    従って千鳥縫目模様を形成する第1モード、又は、所定
    縫順に従って千鳥縫目模様を形成している間に、所定縫
    順をリセットするとともに最初の縫目データから所定縫
    順に従って千鳥縫目模様を形成する第2モードを指令す
    る第1指令手段とを備えたことを特徴とする千鳥縫いミ
    シン。
  2. 【請求項2】 前記縫針が揺動するタイミングであるか
    どうかを検知する検知手段と、 前記検知手段を介して縫針が揺動するタイミングである
    ことが検知された場合、前記第1指令手段により第2モ
    ードが指令されたかどうかを判断する判断手段とを備
    え、 前記判断手段により第1指令手段を介して第2モードが
    指令されたと判断された場合には、第2モードに従って
    被縫製体上に千鳥縫目模様を形成することを特徴とする
    請求項1記載の千鳥縫いミシン。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段に記憶されている縫目デー
    タの所定縫順とは逆の縫順に基づき前記千鳥縫目模様の
    ミラー模様を形成する第3モードを指令する第2指令手
    段と、 前記判断手段により第1指令手段を介して第2モードが
    指令されたと判断された場合には、前記第2指令手段を
    介して指令された第3モードをリセットするリセット手
    段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の千鳥縫い
    ミシン。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100809168B1 (ko) * 2001-03-09 2008-02-29 쥬키 가부시키가이샤 축결재봉틀

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