JP2001014662A - 磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

磁気ディスクの製造方法

Info

Publication number
JP2001014662A
JP2001014662A JP11181493A JP18149399A JP2001014662A JP 2001014662 A JP2001014662 A JP 2001014662A JP 11181493 A JP11181493 A JP 11181493A JP 18149399 A JP18149399 A JP 18149399A JP 2001014662 A JP2001014662 A JP 2001014662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
film
thin film
inorganic compound
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11181493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3836630B2 (ja
Inventor
Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Nobuyuki Inaba
信幸 稲葉
Teruaki Takeuchi
輝明 竹内
Koichiro Wakabayashi
康一郎 若林
Tomoko Sotani
朋子 曽谷
Harumi Sakamoto
晴美 坂本
Takeshi Konuma
剛 小沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP18149399A priority Critical patent/JP3836630B2/ja
Publication of JP2001014662A publication Critical patent/JP2001014662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3836630B2 publication Critical patent/JP3836630B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】磁性膜の結晶粒子サイズの分散を抑制し微細化
して、ノイズの発生が小さい高性能な磁気記録媒体を提
供し、結晶粒子サイズの分散を抑制して低ノイズ、低熱
揺らぎ、低熱減磁でしかも高信頼性を有する磁気記録媒
体を提供。 【解決手段】ガラス基板表面にCoO,Cr,F
eO,又はNiOの内より選ばれる1種類の酸化物をS
iO,Al,TiO、TaOあるいは酸化亜
鉛の内からの1種類の酸化物に溶解し、ハニカム構造を
有しかつ規則的に配列した溶質物質の結晶粒子と、それ
を取り囲んで粒界に溶媒物質を析出させた構造の無機化
合物の基板あるいは薄膜をECR法で形成後に、磁気記
録媒体を作製した構造の磁気記録媒体を形成して実現で
きる。この無機化合物の基板あるいは薄膜では、Co
O,Cr,FeO,又はNiOの内より選ばれる
1種類の酸化物が結晶粒子として析出し、SiO,Al
,TiO,TaOあるいは酸化亜鉛がその結
晶粒界に存在する構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大量の情報を迅速
かつ正確に格納するための情報記録媒体にかかり、特
に、高性能でかつ高信頼性を有する磁気ディスク用の円
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展にはめざま
しいものがあり、各種形態の情報を統合したマルチメデ
ィアが急速に普及してきている。これを支える情報記録
装置の1つに磁気ディスク装置がある。現在、磁気ディ
スク装置は、記録密度を向上させつつ小型化、低消費電
力化、低価格化が図られている。
【0003】ところで、磁気ディスクの高密度記録を実
現するためには、1)ディスクと磁気ヘッドとの距離を
つめること、2)媒体の保磁力を増大させること、3)
信号処理方法を工夫すること、4)高精度なディスクや
ヘッドなどの位置決めを行うなどのサーボ技術、などが
必須の技術である。
【0004】中でも、磁気記録媒体においては、高密度
記録を実現するために、保磁力の増大が必須である。こ
れに加えて、40 Gbit/inch2超える記録密度を実現する
ためには、記録時の磁性膜における磁化反転が生じる単
位を小さくしなければならない。そのためには、磁性粒
子のサイズを微細化することが必要である。さらに、こ
れと同時に、そのサイズの分布を低減することが、熱揺
らぎの観点から重要となってきている。熱揺らぎは、記
録した磁化の向きが安定に存在できなかったり、磁力が
弱くなり、情報が消去される場合があった。これらを実
現する方法として、磁性膜の下にシード薄膜を設けるこ
とが提案されている。その一例としてUSP-4652499をあ
げることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
金属のシード層を用いた情報記録用磁性膜の結晶粒子サ
イズを制御するには限界のある場合があった。これは、
上記の従来技術に示されるような金属のシード層上に形
成した磁性膜では、平均粒子サイズは小さくできるもの
の、その粒子サイズの分布を小さくすることは困難でな
場合があった。結晶粒子サイズの分布が大きいと、平均
粒子サイズより大きな粒子群では、磁化反転領域が大き
いために再生時にノイズの増大につながる。逆に、平均
粒子サイズより小さな粒子群では、熱揺らぎを生じるな
ど安定した記録‐再生を行うことができない場合があっ
た。このように、40Gbit/inch2を超えるような超高密度
な記録を行う場合、ディスクノイズや熱揺らぎが障害に
なるので、この点が高密度記録を実現するのに重要な課
題であった。また、その背景には、情報記録用磁性膜を
形成する表面の凹凸や磁性膜の保護方法の確立、生産性
の高い製造方法の確立なども高信頼性を有する磁気ディ
スクを得るのに解決しなければならない重要課題であっ
た。
【0006】そこで、本発明の第1の目的は、磁性膜に
おける結晶粒子サイズを所望の大きさに制御することに
より、ノイズの発生が小さい高性能な磁気記録媒体を提
供することにある。本発明の第2の目的は、結晶粒子サ
イズの分散(分布)を制御することにより、低ノイズ、低
熱揺らぎ、ならびに低熱減磁の磁気記録媒体を提供する
ことにある。本発明の第3の目的は、磁性膜の結晶配向
性を制御することにより、高密度記録に適した配向を有
する磁気記録媒体を提供することにある。本発明の第4
の目的は、磁性粒子間の磁気的相互作用を低減すること
により、記録や消去時の磁化反転単位を低減し、高密度
な磁気記録媒体を提供することにある。本発明の第5の
目的は、環境や磁気ヘッドによるクラッシュから磁気記
録媒体を保護する能力の高い保護方法を提供することに
ある。さらに、本発明の第6の目的は、生産性の高い製
造方法を提供することにある。
【0007】以上により、40Gbit/inch2を超える超高密
度磁気記録媒体およびそれを用いた磁気ディスク装置
を、安価にかつ大量に提供することができる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、酸化コバ
ルト、酸化クロム、酸化鉄あるいは酸化ニッケルの内よ
り選ばれる少なくとも1種類の酸化物を結晶粒子として
析出させ、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化タンタルあるいは酸化亜鉛の内より選ばれる少
なくとも1種類の酸化物が析出した結晶粒子の周囲を取
り囲むように結晶粒界相として存在させた構造を有する
無機化合物である。
【0009】その構造は、析出結晶粒子の形状が六角形
であり、それが平面方向(二次元的)に規則的に配列した
ハニカム構造を有する。その配列に着目すると、1つの
結晶粒子の周囲に析出している結晶粒子の数に着目する
と、5.7以上、6.3以下である。この範囲外では、ハニカ
ム構造が崩れたり、六角形状でなくなり好ましくない。
また、その配列は数学的にはフラクタルや群論で近似さ
れる。結晶粒子が集まってできた集合体の形態が、基板
と平行方向の形態が幾何学的に自己相似図形を形成する
ことにより、その結晶粒子の集合体がフラクタル性を有
していることが好ましい。そして、フラクタル性を表現
するのに、位相次元:dimTとHausdrorff次元(実数の次元
関数):dimHの関係が、dimT<dimHで表される。無機化合
物薄膜において、結晶粒子の集合体がフラクタル性を有
するために、その結晶粒子を取り囲むように存在する非
晶質物質において、結晶粒子間の距離が一定である。し
かも、その距離が0.1nm以上、2nm以下であることがもっ
とも好ましい。0.1nm以下および2nm以上では、この無機
化合物薄膜の構造および組織のフラクタル性が失われる
ので好ましくない。先の無機化合物薄膜の構造ならびに
組織のフラクタル性を表す次元の中で、位相次元:dimT
において、その値が2であることが好ましい。
【0010】また、この無機化合物の結晶構造に着目す
ると、無機化合物あるいはその薄膜は、無機化合物中に
析出している結晶粒子がX線的に結晶質であり、その結
晶粒子の周囲を取り囲む(粒界)ように存在している物質
がX線的に非晶質である。結晶粒子のサイズに着目する
と、無機化合物およびその薄膜では、その結晶粒子のサ
イズ分布が、統計学的な標準偏差:σで表現すると、平
均粒子サイズの12%以下の値であり、しかも、粒子サイ
ズの分布が正規分布にしたがっている。
【0011】この無機化合物の製造方法は、薄膜ではス
パッタ法を用いる。バルク材の場合は高周波溶解法が一
般的である。さらに、結晶粒子の配列や結晶配向性など
の制御性を高めるには、この無機化合物あるいはその薄
膜の合成をマイクロ波により励起を行うことが最も好ま
しい。特に、マイクロ波を用いるのは、通常の高周波に
比べてエネルギーが高く、かつ、エネルギーの制御によ
る分子に与えられるエネルギーが一定であり、成膜プロ
セスの制御性を飛躍的に高められるからである。特に、
薄膜の製造過程において、マイクロ波を用いたECRスパ
ッタ法は、得られた無機化合物およびその薄膜は、結晶
粒子の六角形の形状、その集合体であるハニカム構造を
高精度で制御が可能である。このように、配列が2次元
的に規則的である無機化合物を形成するのに最も好適な
手法である。その配列に着目すると、1つの結晶粒子の
周囲に析出している結晶粒子の数に着目すると、5.8以
上、6.2以下であり、先の高周波法にり作製した場合よ
り、規則性が高まっていることがわかる。
【0012】さらに、粒子サイズの分布に注目すると、
ECRスパッタ法により作製した無機化合物およびその薄
膜の構造は、結晶粒子のサイズ分布が、統計学的な標準
偏差:σが、平均粒子サイズの10%以下の値であり、し
かも、粒子サイズの分布が正規分布であるなどその構造
の規則性は先の高周波法より高い。このように、ECR法
やECRスパッタ法を用いることにより、得られる無機化
合物材料の構造における規則性の制御を高精度で行える
ことが特徴である。そして、ECR法により励起して作製
した無機化合物を、ECRスパッタ法により作製した薄膜
においても、その構造や形態を保持したまま薄膜化でき
る。しかも、薄膜の膜厚方向の組織が柱状組織であるこ
とが特に好ましい。
【0013】さらに、Si(あるいはAl,Ti,Ta,Zn)とCo(あ
るいはFe,Ni,Cr)の混合物をターゲットに用い、酸素を
含むアルゴンに代表される不活性ガスを雰囲気ガスに用
いた反応性のECRスパッタ法を用いると、上述のECR法の
メリットに加えて、反応速度(薄膜の場合は成膜速度)を
向上させることができ、量産に好適な手法である。
【0014】この無機化合物の第1の応用は、ディスク
基板として用いることである。すなわち、六角形の結晶
粒子が二次元的に規則的に配列したハニカム構造を有
し、板厚方向には柱状構造を有する基板を用いる。この
ようなバルクの無機化合物の基板を作製には、マイクロ
波で励起する方法が最も好ましい製造方法である。この
作製法により形成した基板は、結晶粒子の成長の制御を
特に精密に行うことができる。これにより、この基板を
用いた磁気ディスクでは、直接に磁性膜を基板上に形成
でき、ディスク構造を簡素化できる。
【0015】さらに、この無機化合物を薄膜化し、磁気
ディスク用の磁性膜を作製する場合の結晶配向、結晶粒
子サイズ、粒子サイズの分布を制御するための下地膜と
して用いることが好ましい。その場合、膜厚が、10nm以
上、100nm以下であることが最も好ましい。この膜厚
は、製造法に由来する値ではなく、単に製造上の都合に
より決まる値である。特に、ECRスパッタ法を用いる
と、膜厚の薄い領域でも高い精度で規則性を有するなど
無機化合物薄膜の組織の制御精度を高めることができ
る。さらに、無機化合物およびその薄膜中に析出してい
る結晶粒子の所望の方位に結晶配向した薄膜を得ること
ができる。
【0016】この結晶粒子上から磁性薄膜などをエピタ
キシャル的に成長するように、この無機化合物薄膜の結
晶配向性ならびに結晶粒子の格子面間隔を制御すること
もできる。これにより、この無機化合物薄膜上に形成す
る薄膜の結晶構造、粒子サイズおよびその分布を高精度
に制御することが可能になる。また、Co,Fe,Niの酸化物
においては、無機化合物薄膜を成膜後に、還元すること
により強磁性を発現させ、磁気記録用の磁性膜として用
いてもよい。さらに、Co-Crからなる複酸化物を結晶粒
子として、析出させた後、還元することにより垂直磁気
記録膜が得られる。この場合、膜の組織はハニカム構造
であることは言うまでもない。また、Fe酸化物にBaなど
のアルカリ土類金属を加えて析出させると垂直磁化膜が
得られる。この手法を用いると、配向性を制御するため
の薄膜を用いなくても結晶配向性、結晶粒子サイズなら
びに粒子サイズの分布を容易に制御することが可能であ
る。
【0017】ところで、この無機化合物ならびにその薄
膜における結晶粒子間の距離(粒界距離)が0.5nm以上、
2nm以下で、任意に制御することが可能である。粒界距
離が0.5nm以下の場合は結晶粒子サイズの分布が大きく
なり、2nm以上になると結晶粒子の集合体がハニカム構
造でなくなるとともに、結晶粒子の形状も六角形ではな
くなった。ところで、この無機化合物およびその薄膜の
構造、配向性、結晶粒子サイズのうちから選ばれる少な
くとも1つのパラメータを制御するためには、結晶粒子
を形成する物質の濃度(組成)の選択、化合物を構成する
材料の選択、作製方法の選択、作製条件の選択などによ
り行うことができる。勿論、この材料を薄膜以外に板状
に成形して基板として用いても良いことは言うまでもな
い。ここで、薄膜でも板状でも構造などを支配するパラ
メータに違いはない。無機化合物における析出した結晶
粒子が板の厚さ方向に柱状の組織を有し、かつ、結晶粒
子の形状が六角形を有しており、しかも、その結晶粒子
が二次元的に規則的に配列したハニカム構造を有してい
ることは言うまでもない。
【0018】ところで、ECRスパッタ法により作製した
無機化合物の薄膜は、ディスク基板上に形成すると、得
られた薄膜における結晶粒子が形成した基板に対して垂
直な方向に粒子成長(柱状組織)し、しかも、一定方向に
結晶配向していることが好ましい。
【0019】この無機化合物およびその薄膜を磁気ディ
スクへ応用することが最も好適である。磁気ディスク
は、少なくとも円形のディスク基板と情報を記録するた
めの磁性膜、そして、それを保護するための保護膜を有
している。ここで、円形のディスク基板に酸化コバル
ト、酸化クロム、酸化鉄あるいは酸化ニッケルの内より
選ばれる少なくとも1種類の酸化物を結晶粒子として存
在させ、この結晶粒子を取囲むように酸化シリコン、酸
化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタルあるいは酸
化亜鉛の内より選ばれる少なくとも1種類の酸化物を結
晶粒界に析出させた構造を有する無機化合物を用いる。
あるいは、通常のガラス基板やAl合金の基板を用いても
よい。この場合は、基板上に上述の無機化合物の薄膜を
形成した後に、磁性膜を作製する。
【0020】ここで、この無機化合物を用いた基板、あ
るいは、ガラス基板やAl合金の基板上に無機化合物の薄
膜を形成したディスク基体の表面は、結晶粒子の配列に
起因した凹凸が存在している。その高さは、ある凸部と
その最も近傍にある凹部の高低差ならびに、ある凸部か
らその最も近傍にある凸部までの距離が、磁気ヘッドの
浮上量の制御範囲内にある。このように、表面の凹凸
は、磁気ディスクにおけるテクスチャとして作用するこ
とになる。また、ガラス基板やAl合金の基板上に無機化
合物の薄膜を形成することにより、基板表面の凹凸に依
存しないで、安定して磁気ディスク表面に凹凸が形成で
きるので、テクスチャとして用いるのに好適である。ま
た、基板の加工精度は一定レベル以上であればよい。こ
の場合、基板表面の凹凸のレベル(加工精度)により、形
成する無機化合物薄膜の膜厚が決定されるが、100nmも
あれば十分である。
【0021】次に、この無機化合物を用いた基板あるい
はガラスあるいはAl合金基板上に無機化合物薄膜を形成
したディスク基体における六角形の二次元的に規則配列
したハニカム構造を有する無機化合物あるいはその薄膜
の結晶粒子から情報記録用の磁性膜をエピタキシャル成
長させる。その結果、無機化合物およびその薄膜の結晶
粒子により磁性膜の結晶成長が制御されると同時に、無
機化合物薄膜の結晶粒子とそれを取囲むように存在する
非晶質粒子とにより、磁性膜の構造および組織を制御す
ることができる。それは、結晶粒子上と非晶質粒子上と
で薄膜の成長メカニズムが異なるためである。
【0022】ここで、磁気ディスクの記録に用いる磁性
膜として、Coを主体とし、これにCr,Pt,Ta,Nb,Ti,Siの
内より選ばれる少なくとも2種類の元素を含む合金の強
磁性薄膜を用いることが好ましい。この強磁性薄膜はX
線的に結晶質で、結晶粒子はCo合金である。ここで、
Co合金の結晶配向性は、この無機化合物あるいはその
薄膜の結晶配向性により決定される。特に、好ましく
は、Coの(11.0)が配向していることである。この中で、
Cr,Ta,Nb,Ti,Siの内より選ばれる少なくとも1種類の元
素が、Co結晶粒子の粒界近傍あるいは粒界に偏析した構
造である。無機化合物あるいはその薄膜の結晶粒子から
エピタキシャル成長するのは、磁性膜のCoを主体とする
合金粒子である。無機化合物あるいはその薄膜の粒界の
非晶質部分に対応させて、Cr,Ta,Nb,Ti,Siの内より選ば
れる少なくとも1種類の元素を偏析させてもよい。磁性
材料の一例として、Co-Cr-Pt-Taがあり、Co-Ptが主なる
結晶粒子として存在し、その粒界にCrが偏析し、その偏
析を促進しているのがTaである。このような作用は、下
地膜あるいは基板の無機化合物あるいはその薄膜により
促進される。
【0023】磁性膜の作製法としてECRスパッタ法を用
いることにより、さらに加速できる。Co-Cr-Ta系のCr濃
度の高い領域(30at%程度以上)では、垂直磁気異方性が
誘起され、垂直磁気記録用に磁性膜になる。この膜につ
いても、上記の効果は得られることは言うまでもない。
この他の磁性膜材料として、磁気記録媒体が結晶質相と
非晶質相の二相から構成される磁性膜を用いてもよい。
結晶相がCoを主体とし、これにNd,Pr,Y,La,Sm,Gd,Tb,D
y,Ho,Pt,Pdの内より選ばれる少なくとも1種類の元素を
含んた相であり、非晶質相として酸化シリコン、酸化亜
鉛、酸化タンタル、酸化アルミニウムの内より選ばれる
少なくとも1種類の化合物相が結晶粒子を取囲むように
存在した構造の磁性膜を用いても良い。
【0024】この磁性膜を成膜するのにあたり、先のEC
R法により作製した無機化合物あるいはその薄膜の結晶
質層にCo粒子が、非晶質相に対応して酸化物が析出、成
長させる。その結果、無機化合物の結晶粒子サイズと磁
性膜のサイズともに等しくできる。逆に言えば、上記の
2種類の磁性材料ともに、結晶粒子サイズやサイズ分布
を支配するのは無機化合物あるいはその薄膜の構造や組
織に依存しているからである。その無機化合物薄膜をEC
Rスパッタ法により作製することで、結晶粒子サイズや
その分布を一定値以下に高精度に制御することが可能に
なる。
【0025】この他に磁性膜として、結晶相がCoを主体
とし、これにNd,Pr,Y,La,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Pt,Pdの内よ
り選ばれる少なくとも1種類の元素を含んたCo合金を用
いてもよい。また、磁性膜として、CoとPt,Pdの内より
選ばれる少なくとも1種類の元素を交互に積層した人工
格子多層膜を用いてもよい。そして、この人工格子多層
構造の磁性薄膜を先の無機化合物薄膜上に形成するの
に、第1層目の層がCoであることが好ましい。人工格子
多層構造を有する磁性薄膜をこの無機化合物薄膜上に形
成するのに、人工格子多層膜の第1層目のCoを無機化合
物薄膜の結晶粒子からエピタキシャル成長させ、粒界相
に形成されるCoは多結晶もしくは非晶質とした構造であ
ることが好ましい。
【0026】このように、無機化合物薄膜の構造を反映
した磁性膜中の結晶構造の異なる部分を設けることによ
り、先の磁性膜中に磁気特性の分布を形成することがで
きる。このように、磁気特性の分布を形成することによ
り、情報を記録する場合に、磁性膜に形成される磁区に
おける磁壁の移動速度を制御することができるので、形
成される磁区のサイズあるいは形成位置の精度を向上さ
せることができる。ここで、この磁性膜中に磁気特性の
分布が形成されるのは、磁性膜に形成される結晶構造を
変化させると、無機化合物膜の結晶粒界に相当する位置
の非晶質あるいは多結晶領域の磁性が、エピタキシャル
成長させた領域の磁気特性のうち、磁気異方性、保磁
力、飽和磁化の内の少なくとも1つの磁気特性が異な
り、それにより、非晶質あるいは多結晶の領域で磁壁移
動のピンニングサイトとすることにより、磁壁移動速度
が制御できる。
【0027】最後に、保護膜について述べる。保護膜と
しては、C保護膜が用いられ、スパッタ法により形成さ
れる。しかし、超高密度磁気記録においては、保護膜の
厚さは5nm以下にする必要があると同時に、より信頼性
の高い膜が望まれる。そこで、これらの保護膜の作製法
に加えて、ECRスパッタ法により作製したC保護膜を用い
ることが好ましい。磁気記録用磁性膜を外気から遮断し
たり、磁気ヘッドからうける衝撃から磁性膜を保護する
ために、磁性膜表面の磁気ヘッドと接する側に設ける薄
膜をECRスパッタ法により形成することにより、上記の
目的を実現することができる。
【0028】この薄膜が、ECRスパッタ法により作製し
た炭素薄膜であり、その薄膜の膜厚が1nm以上、5nm以下
であることが最も好ましい。これは、安定して保護膜が
形成できる下限が1nmであり、高密度記録の観点からヘ
ッド−ディスクインターフェイスの関係から上限の膜厚
が決まってくる。また、ECRスパッタ法により作製した
炭素薄膜の密度は、理論密度の60%以上であることが要
求される。
【0029】この磁性膜の保護用のECRスパッタ法によ
り作製した炭素薄膜では、その薄膜が磁気記録用磁性膜
の界面の磁気ヘッドと接触する側に形成され、しかも、
該薄膜が磁性膜表面を覆うように形成される。さらに、
ECRスパッタ法により作製した炭素薄膜が磁気記録用磁
性膜の界面の磁気ヘッドと接触する側に形成され、しか
も、その薄膜が磁性膜表面の凹凸を反映した形態になる
ように形成しなければならない。このECRスパッタ法に
よる炭素薄膜の作製をArを主体とする放電ガス雰囲気で
行い、これに少なくとも窒素、水素の内より選ばれる少
なくとも1種類のガスを含有させた雰囲気で作製するこ
とが好ましい。ここで、ECRスパッタ法による炭素薄膜
の作製において、用いたArを主体とする放電ガスで作製
すると、得られた薄膜中に窒素、水素の内より選ばれる
少なくとも1種類のガスが混合物あるいは/および化合物
として含有している。この保護膜は、緻密で、カバレー
ジが高くかつ硬度が高いので、5nm以下の薄膜であって
も高い保護性能が得られる。
【0030】以上、述べてきた無機化合物あるいはその
薄膜を基板あるいは下地膜として用い、この上に磁性
膜、そして、保護膜を形成して磁気ディスクを作製し
た。この磁気ディスク円板を用いて、これに磁気ヘッ
ド、ディスクの回転系、磁気ヘッドの機構系、さらには
信号処理などを含む電気回路からなる磁気ディスク装置
を構成した。そして、この磁気ディスク装置を用いて、
各種の形態の情報を記録、再生あるいは消去を行う。記
録する情報は、画像やコードデータ、オーディオなどの
各種の情報であり、得られる効果は、その形態には依存
していない。記録密度は、40Gbit/inch2以上である。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明を実施例により詳細に説明
する。
【0032】《実施の形態1》ガラス基板上に、無機化
合物の薄膜をRFマグネトロンスパッタ法により作製し
た。CoOとSiO2を2:1に混合して焼結したものをターゲッ
トに、放電ガスには純Arをそれぞれ使用した。スパッタ
時の圧力は3mTorr、投入高周波電力は1kW/5in径であ
る。作製した薄膜の膜厚は30nmである。
【0033】得られた無機化合物薄膜の表面をTEMによ
り平面観察した結果の略図を図1に示す。この図より、
この薄膜は、10nmサイズの正六角形のハニカム構造を有
する結晶粒子が二次元に規則的に配列した結晶粒子の集
合体であることがわかる。結晶粒子間の距離(粒界距離)
は、0.5〜1.0nmであった。この値は、ターゲットの組成
(CoOとSiO2の比など)を変化させることにより所望の値
を容易かつ任意に選択することができる。ところで、粒
界距離として最大で2nm以上とすることは困難である。
【0034】また、結晶粒子はコバルトの酸化物で、結
晶粒界に存在しているのが酸化シリコンである。この無
機化合物薄膜の格子像観察から、コバルト酸化物は結晶
質であり、酸化シリコンは非晶質であることがわかっ
た。格子定数を求めたところ、Coの値にほぼ等しい値で
あった。格子定数は、成膜条件、さらには、CoOにイオ
ン半径の異なる金属(例えば、クロム、鉄、あるいはニ
ッケルなど)を添加することで制御できる。あるいは、
これらの金属の酸化物を添加しても同様である。
【0035】また、この薄膜の断面を観察したところ、
図1に示すように、基板に対して垂直方向に柱状の組織
が観察された。柱状組織は、途中で結晶粒子が大きくな
るなど異常成長することなく成長してた。
【0036】次に、無機化合物薄膜表面のTEM観察結
果を用いて、ある1つの結晶粒子の周囲に存在している
結晶粒子の数を解析した。まず、結晶粒子サイズを求め
たところ、平均粒径で10nmであった。粒子サイズの分布
は、正規分布をしており、標準偏差を求めるとσで1.2n
mであった。
【0037】次に、1つの結晶粒子の周囲に存在してい
る結晶粒子数を求めた。250個の結晶粒子について調べ
たところ、平均で6.10個であった。このことは、サイズ
のそろった六角形を有する結晶粒子が、二次元的に規則
的に配列している(ハニカム構造)ことを示している。1
つの結晶粒子の周囲に存在している結晶粒子数は、結晶
粒子間隔に依存して変化する。すなわち、溶媒のSiO2
度を低くすると、粒子間隔は狭くなる(結晶粒子どうし
が接近する)。それと同時に、粒子形状に乱れが観測さ
れた。1つの結晶粒子の周囲に存在している結晶粒子数
は、7個台の粒子があったり、逆に、4〜5個台の粒子が
存在しており、ばらつきが大きくなった。また、二次元
の配列に乱れが生じ、ハニカム構造が崩れた。
【0038】このように、結晶粒子間に存在する溶媒物
質は、構造に規則性を持たせる重要な役割を有してい
る。最後に、この無機化合物薄膜の結晶構造をX線回折
法により解析した。得られたプロファイルを図2に示
す。これによると、2θ=62.5°付近にCoOの(220)の回折
ピークが観測された。この他のピークは観測されなかっ
た。この構造は、成膜条件や組成を制御することによ
り、所望の構造を有する無機化合物膜が得られる。すな
わち、配向性の制御が可能である。さらに、μ-EDXによ
り結晶粒子とその粒界を分析したところ、結晶粒子はCo
の酸化物であり、その粒界に存在しているのはSiO2であ
った。
【0039】次に、この無機化合物薄膜をECRスパッタ
法により作製した。用いたECRスパッタ装置の模式図を
図3に示す。CoOとSiO2を2:1に混合して焼結したものを
ターゲットに、放電ガスには純Arをそれぞれ使用した。
スパッタ時の圧力は3mTorr、投入マイクロ波電力は1kW
である。また、ターゲットには500WのRFバイアスを印加
した。得られた無機化合物の薄膜の構造を解析したとこ
ろ、平均粒子径は10nmで、先の膜と同じであるが、粒子
サイズの分布を求めたところ、標準偏差:σで0.6nmと著
しく小さく、粒子サイズの分布がECRスパッタ法を用い
ることにより小さくできることがわかる。
【0040】また、1つの結晶粒子の周囲に存在してい
る結晶粒子数を求めた。250個の結晶粒子について調べ
たところ、平均で6.03個であった。このことは、サイズ
のそろった六角形を有する結晶粒子が、二次元的に規則
的に配列している(ハニカム構造)ことを示しており、そ
の規則性がECRスパッタ法を用いることにより高まるこ
とがわかる。上述の実験では、ターゲットとして、CoO
とSiO2との混合したものを焼結して用いた。これらの各
化合物を単体で焼結したものをターゲットに用い、二元
同時スパッタにより成膜してもよく、成膜法やターゲッ
トの種類には依存しない。ここで重要なことは、マイク
ロ波を用いたECRスパッタ法を用い、スパッタ粒子のエ
ネルギーを精密に制御することである。また、膜厚を5n
m程度としても、逆に、100nmと厚くしても得られる膜の
表面および断面の組織や構造、粒子サイズおよびサイズ
分布などに、膜厚に依存した変化は見られなかった。さ
らに、成膜初期に、初期成長層なども観察されなかっ
た。5nm以下の膜厚では、成膜装置の都合上、安定して
作製することが困難であり、また、100nm以上では成膜
に時間がかかるので製造上の制限がある。また、雰囲気
ガスに酸素を含むAr-O2混合ガスを用い、Co-Siの混合タ
ーゲットを用いた反応性のECRスパッタ法を用いると、
先の効果に加えて成膜速度を2〜3倍以上にすることが
できた。
【0041】次に、無機化合物薄膜を磁気ディスクに応
用した場合について述べる。作製した磁気ディスクの断
面構造を図4に示す。
【0042】磁気ディスクの作製に用いた基板(1)とし
て、マイクロ波により励起(ECR法)して作製した2.5゛直
径の無機化合物の基板を用いた(図4の左図)。あるい
は、2.5゛直径のガラスまたはAl合金の基板(1)上に上述
の無機化合物薄膜(2)を30nmの膜厚に形成した基板を用
いてもよい(図4の右図)。
【0043】ここで用いた無機化合物あるいはその薄膜
の形態は、いずれもCoO-SiO2系である。結晶粒子はコバ
ルトの酸化物で、その結晶粒界に存在しているのが酸化
シリコンである。また、格子像観察から、格子定数を求
めたところ、金属のCoの値にほぼ等しかった。逆に、格
子定数が10%以上異なっている場合は、無機化合物(1)
あるいはその薄膜(2)と磁性膜(3)と中間の格子定数を有
する材料層を設ければよい。その一例として、Cr85Ti15
合金薄膜がある。この合金膜は、Ti濃度を制御すること
により、Crの格子定数から格子定数を任意に選択できる
ので、無機化合物薄膜(2)と磁性膜(3)との格子定数の差
を10%以内に抑制することができる。
【0044】無機化合物あるいはその薄膜の構造は、い
ずれも、平均粒子径は10nm、粒子サイズの分布は標準偏
差:σで0.6nmであり、1つの結晶粒子の周囲に存在して
いる結晶粒子数は平均で6.03個(250の粒子について観
察)であった。幾何学的には、図5に示すような自己相
似図形を構成していることがわかる。
【0045】この形態をフラクタル的視点から概観す
る。フラクタル性を位相次元:dimTと、Hausdrorff次元
(実数の次元関数):dimHを用いると、その数値の関係はd
imT<dimHで表される。ここで、dimTは二次元の平面で
あるので2となり、dimHはdimH≦n(ここではn=2)であ
り、dimT<dimHであることがわかる。このように、無機
化合物薄膜が結晶粒子の集合体がフラクタル性を有する
ために、その結晶粒子を取り囲むように存在する非晶質
物質においても、結晶粒子間の距離は1.5nmで一定にな
っているので、この無機化合物薄膜の構造および組織の
フラクタル性が失われていない。
【0046】TEMによる平面観察によれば、二次元に規
則的に配列したハニカム構造であった。また、断面を観
察したところ、柱状構造を有していた。また、表面の平
坦性は、1つの結晶粒子の凸部からその近傍にある凸部
までの距離を測定(250個の粒子について測定)したとこ
ろ、平均で2μmであり、かつ、1つの結晶粒子の凸部
からその近傍にある凹部との高低差は10nmであった。こ
れは、現在、磁気ヘッドの浮上量を制御できる限界値以
下であり、磁気ディスク装置を構成した場合、安定して
磁気ヘッドを浮上させることができる。また、この凹凸
は、規則的に配列しており、テクスチャとして用いるの
に好適である。ここでは、2.5゛直径のディスク基板に
ついて述べたが、上述の効果はディスクのサイズに依存
したものではない。
【0047】また、CoOにFe2O3を3:1に混合して焼結し
たものとSiO2の二元のターゲットを用いたECR同時スパ
ッタ法により、無機化合物薄膜(2)を形成(スパッタ時の
圧力は3mTorr、放電ガスは純Ar)すると、10nmの正六角
形のハニカム構造の結晶粒子が規則的に配列した集合体
で、結晶粒子どうしの間隔は、0.5〜1.0nmであった。結
晶粒子はコバルトの酸化物であり、格子の隙間に鉄が存
在していた。これにより、結晶粒子層の格子定数を制御
することが可能になる。また、結晶粒界に存在している
のが酸化シリコンであった。
【0048】次に、無機化合物薄膜中の非晶質相の材料
および組成を制御することにより、結晶粒子間隔を制御
した場合について述べる。例えば、CoOを焼結したター
ゲットと、SiO2のターゲットの2つを用いた。無機化合
物膜の組成は、二元のターゲットに投入する電力により
制御できる。放電ガスには純Arを使用し、スパッタ時の
圧力は3mTorrとした。投入RF電力は、CoOとSiO2の比が
2:1になるように調整した。得られた薄膜は、10nmの六
角形の結晶粒子(ハニカム構造)が二次元的に規則配列し
て。また、結晶粒子の周囲には1nm程度の粒界相が存在
していた。結晶粒子間の距離(粒界距離)は、非晶質材料
の濃度(相対的に結晶質材料の濃度を変化させても良い)
を制御することにより変化させることができる。例え
ば、Co酸化物の濃度を薄くしていくと、結晶粒界の距離
は短くなった。溶媒:溶質=1:5の場合が0.5nmであっ
た。そして、これより溶質濃度を薄くすると、粒界がは
っきりしなくなった。それと同時に、ハニカム構造が崩
れてしまった。
【0049】このことから、ハニカム構造を維持するい
ためには、少なくとも15%程度以上の非晶質物質が必要
であることがわかる。また、逆に、非晶質物質濃度を増
大させていくと、溶媒:溶質=5:1の場合が3.0nmにな
った。これより溶媒濃度を高くすると、溶媒物質は結晶
粒子間に存在するのではなく、円形に近い形状で析出す
るようになる。この場合も、ハニカム構造が崩れてく
る。また、溶媒物質の組成を変化させて結晶粒子間距離
を制御する場合は、混合している材料間のスパッタ速度
の違いを用いたり、イオン半径の異なる原子を侵入させ
ることによる体積変化を用いる。そのメカニズムは異な
るが、結果として得られる効果は同じである。
【0050】ところで、結晶粒間の距離を制御すること
は、この無機化合物膜上に磁性膜をエピタキシャル成長
させて磁気記録媒体を形成する場合、磁性結晶粒子相互
の磁気的相互作用を低減することが重要である。結晶粒
子間の距離を制御できると、磁気的相互作用を変化させ
ることができる。特に、結晶粒子上と粒界相とでは、形
成される磁性粒子の組織や構造が異なるので、有する磁
性がまったく異なる。結晶粒子上の磁性粒子は無機化合
物層の結晶粒子の構造を反映し、良好な結晶性を有して
いるのに対して、粒界部分ではランダム配向でしかも非
晶質に近い状態であった。このように、磁性膜や磁気記
録媒体の磁気特性がは磁性膜の膜構造を反映しることが
わかった。結晶粒子上では通常のハードな磁性を示し、
粒界相では非磁性に近くなる。これにより、簡易な手法
を用いて、磁気的相互作用を容易に制御できた。相互作
用の程度というのは、この粒界間距離に依存して変化し
ているので、粒間距離を制御することが重要である。
【0051】ここでは、結晶粒子として酸化コバルトを
用いた例を述べたが、この効果は酸化コバルト以外に、
酸化鉄あるいは酸化ニッケルを用いても同様の効果が得
られた。さらに、結晶粒子を取囲むように存在させた酸
化物として酸化シリコンを用いたが、これ以外に、酸化
アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタルあるいは酸化
亜鉛を用いても同様の効果が得られた。
【0052】上記の基板上に、磁性膜(3)として、Co69C
r19Pt12膜を15nmの膜厚にDCスパッタ法により形成し
た。磁性膜の作製中は、基板を300℃に加熱した。ター
ゲットにはCo-Cr-Pt合金を、放電ガスには純Arをそれぞ
れ使用した。スパッタ時の圧力は、3mTorrである。投入
DC電力は1kW/150mmφである。磁性膜の作製をECRスパッ
タ法により行ってもよいことは言うまでもない。その場
合、得られる磁性膜の形態の制御性がDCスパッタ法より
高いことは言うまでもない。
【0053】この磁性膜の構造をTEM観察により調べた
ところ、無機化合物あるいはその薄膜の構造ならびに形
状を反映して、ハニカム構造を有していた。電子顕微鏡
による平面の観察から求めた粒子の平均粒子径は10nmで
あり、粒子径分布を求めたところ、標準偏差:σで0.7nm
以下であった。このように、磁性膜の粒子は微細化し
て、かつ、サイズの分布が小さく、無機化合物薄膜と同
一の形態であることがわかる。次に、1つの結晶粒子の
周囲に存在している結晶粒子の数を求めた。250個の結
晶粒子について調べたところ、6.04個で、先の無機化合
物あるいはその薄膜における値と良く一致していた。こ
のことは、サイズのそろった六角形を有する磁性結晶粒
子が、無機化合物(1)あるいはその薄膜層(2)から連続し
て二次元的に規則的に配列している(ハニカム構造)こと
を示している。
【0054】この膜の断面構造をTEMにより観察したと
ころ、無機化合物(1)あるいはその薄膜(2)と磁性膜層
(3)との間には、結晶の格子のつながりが見られ、磁性
膜は無機化合物(1)あるいはその薄膜(2)からエピタキシ
ャル成長していることがわかった。また、結晶相と粒界
相とでは、磁性膜の成長機構が異なり、異なる金属組織
を有していた。特に、無機化合物の結晶粒子からは良好
な柱状組織が成長していたが、粒界相からは、明確な組
織は見られず、多結晶体の集合体であった。このような
組織は、非磁性的な磁気的な挙動を示す。X線的には、
2θ=62.5°付近のピークに加えて、2θ=72.5°付近にピ
ークが観測され、TEM観察結果と合わせて考えると、こ
のピークはCoの(11.0)が配向していることがわかる。こ
の磁性膜の磁気特性を測定した。得られた磁気特性は、
保磁力が3.5 kOe、Isvが2.5×10-16emu、M-Hループにお
けるヒステリシスの角型性の指標であるSが0.8、S†が
0.86であり、良好な磁気特性を有していた。このよう
に、角型性を示す指標が大きい(角型に近い)のは、無
機化合物薄膜の結晶粒界層を反映して磁性膜の成長機構
が異なったために、磁性結晶粒子間の相互作用が低減さ
れたためである。
【0055】この他の磁性膜として、磁性膜(3)とし
て、グラニュラ構造を有するCo-SiO2系磁性膜をECRスパ
ッタ法により作製してもよい。ターゲットにはCo-SiO2
系混合(混合比:Co:SiO2=1:1)ターゲットを、放電ガス
にはArをそれぞれ使用した。スパッタ時の放電ガス圧力
は3mTorr、投入マイクロ波電力は1kWであり、マイクロ
波を引き込むためにRFバイアスを印加し、その値は500W
である。成膜中は、基板を300℃に加熱した。形成した
磁性膜の膜厚は10nmである。
【0056】この膜を高分解能透過型電子顕微鏡にて平
面および断面を観察した。その結果、無機化合物(1)あ
るいはその薄膜(2)の結晶相から磁性膜のCoがエピタキ
シャル成長しており、結晶相を取囲む非晶質相(粒界相)
からはSiO2がそれぞれ成長していた。断面は柱状組織で
あり、CoはSiO2に囲まれ、粒子どうしが分離されてお
り、磁気的相互作用が大きく低減されていることがわか
る。これは、高密度磁気記録にとって有効な構造であ
る。また、磁気記録媒体の表面の凹凸は、水平方向が6
μm、垂直方向が10nm以下(AFMの測定下限以下)であっ
た。
【0057】この凹凸は、無機化合物層の凹凸を反映し
ている。ここでは、磁気記録媒体としてCo-SiO2を用い
たが、CoにPt,Pd,Gd,Sm,Pr,Nd,Tb,Dy,Ho,Y,Laなどの元
素を添加して磁気異方性を向上させると、さらに性能が
向上することは言うまでもない。
【0058】さらに、この他の磁性膜(3)として、CoとP
tの超構造多層膜を2源同時スパッタ法により作製した。
ここで、第1層目がCo層になるように、時間差を設けて
スパッタ装置のシャッタを開放した。作製には、ここで
はDCスパッタを用いたが、RFスパッタでも、また、イオ
ンビームスパッタでもよく、スパッタの方式により磁気
特性や膜構造が左右されることはない。投入したDC電力
は1kW/150mmφである。形成した磁性膜の構造を断面TEM
により観察した。それによると、磁性膜の膜厚は、Co層
が0.6nm、Pt層が1.8nmであった。また、全体の膜厚は50
nmであった。ここで、各層の厚さは、比でPt(Pd):Co=2:
1〜5:1で、しかも、Coの膜厚が1nm以下であることが最
も好ましい。この範囲にあると、良好な磁気特性を有す
る垂直磁化膜が得られる。
【0059】また、磁性膜と無機化合物を結晶学的な観
点から観察したところ、無機化合物膜の結晶相上に形成
したCo膜はエピタキシャル成長しているのに対して、結
晶粒界上に形成したCo膜は微結晶の集合体かあるいは多
結晶体であった。このディスクを一定方向に着磁した後
に、その表面を偏光顕微鏡で観察したところ、無機化合
物層の結晶相に相当する部分は良好な垂直磁化膜になっ
ていたが、粒界に相当する部分は垂直磁化膜ではないこ
とがわかった。これは、偏光板を回転させると、明暗の
反転が生じることよりわかる。粒界部は、グレイとなっ
たままで明るさの変化は見られなかった。
【0060】最後に、保護膜(4)として、ECRスパッタ法
によりC膜を3nmの膜厚に形成した。ターゲットには、
リング状のカーボンターゲットを用いた。また、放電ガ
スにはArを用い、スパッタ時の圧力は3mTorr、投入マイ
クロ波電力は1kW(周波数は2.93GHz)、基板温度は150℃
である。マイクロ波により励起されたプラズマを引き込
むためのRFバイアスをターゲットに印加した。その値は
500Wである。ここで、カーボンは導電体であるのでDC電
圧を印加して引き込んでも同様の効果が得られることは
言うまでもない。ここでは、スパッタガスにArを使用
したが、窒素を含むガス、あるいは窒素と水素を含むガ
スを用いてもよいことは言うまでもない。これは、粒子
が微細化するために、得られる膜が緻密化し、保護性能
を向上させることができる。この膜の膜質は、このよう
なスパッタの方法に加えて、得られる膜の性質が装置に
大きく依存しているので、この条件や手法は絶対的なも
のではない。
【0061】保護膜形成後の磁気ディスクの表面および
断面をTEMにより観察したところ、磁性膜(3)の表面が良
好にカーボン保護膜で覆われており、アイランド状にな
っていなかった。また、保護膜の表面形状は、下の磁性
膜の表面形状を反映していた。DCマグネトロンスパッタ
法で作製した3nmのC膜は、アイランド状であり、磁性膜
を十分に被覆していなかった。
【0062】上記の磁気ディスクの表面に潤滑剤を塗布
してディスクの記録再生特性を評価した。磁気ディスク
装置の概略を図6に示す。磁気ディスク円板は、磁気ヘ
ッド(53)として、記録には、2.1Tの高飽和磁束密度を有
する軟磁性膜を用いた磁気ヘッドを記録ヘッドとして用
いた。また、巨大磁気抵抗効果を有するヘッドにより再
生した。磁気ヘッドは駆動系(54)により制御される。ヘ
ッド面と磁性膜との距離は15nmである。このディスクに
40Gbit/inch2に相当する信号を記録してディスクのS/N
を評価したところ、32dBの再生出力が得られた。ここ
で、磁気力顕微鏡(MFM)により磁化反転単位を測定した
ところ、粒子2から3個分程度であり、通常の磁気ディス
クと比較して、十分に小さいことがわかった。これと合
わせて、磁化遷移領域に存在するジグザグパターンも従
来の媒体より著しく小さかった。また、熱揺らぎや熱に
よる減磁も発生しなかった。これは、磁性膜の結晶粒子
サイズの分布が小さいことに起因している。また、この
ディスクのエラーレートを測定したところ、信号処理を
行わない場合の値で1×10-10以下であった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、結晶粒子サイズの分布
が著しく小さい無機化合物基板あるいは無機化合物の薄
膜上に磁気記録媒体をエピタキシャル成長させることに
より、磁気記録媒体の結晶粒子の微細化、配向性の制
御、結晶粒子サイズの分布の低減、結晶粒子の規則的な
配列が可能になる。特に、このような無機化合物を用い
ることにより、粒子サイズのそろった六角形を有する磁
性結晶粒子の二次元的な配列性を決定できるからであ
る。磁性膜の結晶粒子サイズおよびその分布を小さくす
ることにより、ディスクを形成したときのノイズの低
減、熱揺らぎや熱減磁の低減に効果がある。また、磁性
膜の配向性の制御により、高密度記録に適した配向を有
する磁性膜を得ることができる。さらに、磁性膜の結晶
粒子間の距離を制御できるので、磁性結晶粒子間の相互
作用を低減することができる。これにより、媒体ノイズ
の低減、形成される磁区サイズの微細化により高密度記
録が可能になる。特に、製造法として、ECRスパッタ法
を用いることにより、制御性を高めることができ、さら
に、反応性のECRスパッタ法を用いることで、生産性を
高めることができる。また、ECRスパッタ法により形成
した保護膜は、5nm以下の極薄膜であるにもかかわらず
緻密でしかもカバレージの良い磁性膜を得ることができ
る。その結果、高信頼性を有する磁気記録媒体を提供す
ることができる。
【0064】以上の技術を総合することにより、40Gbit
/inch2を超える超高密度磁気記録を実現することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機化合物薄膜のTEM観察結果を示す模式図。
【図2】無機化合物薄膜のX線回折プロファイル。
【図3】ECRスパッタ装置を示す模式図。
【図4】磁気ディスクの断面構造を示す模式図。
【図5】磁気記録媒体のX線回折プロファイル。
【図6】磁気ディスク装置の構成図。
【図7】磁気ディスク装置の構成図。
【符号の説明】
1 基板 2 無機化合物膜 3 磁性膜 4 保護膜 51 磁気ディスク 52 スピンドル 53 磁気ヘッド 54 磁気ヘッド駆動系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 輝明 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 若林 康一郎 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 曽谷 朋子 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 坂本 晴美 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 小沼 剛 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5D112 AA03 AA24 BD03 FA04 FB05 FB18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基板と、下地膜と、磁性膜
    と、保護膜とを有する磁気ディスクの製造方法におい
    て、少なくともマイクロ波によりソース源の励起を行
    い、かつ、ソース源とマイクロ波による励起により反応
    活性となるガスを含む雰囲気ガスを用い、ターゲットと
    雰囲気ガスとの反応をECR法により促進させる反応性のE
    CRスパッタ法を用いて下地膜を成膜したことを特徴とす
    る磁気ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気ディスクの製造方
    法において、前記反応活性となるガスが酸素であること
    を特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁気ディスクの製造方
    法において、前記ソース源としてコバルト、ニッケルあ
    るいは鉄の内より選ばれる少なくとも1種類の金属元素
    と、シリコン、アルミニウム、チタン、タンタルの内よ
    り選ばれる少なくとも1種類の元素との混合物を用いた
    ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の磁気ディスクの製造方
    法において、前記下地膜が、酸化コバルト、酸化クロ
    ム、酸化鉄および酸化ニッケルの内より選ばれる少なく
    とも1種類の酸化物の結晶粒子と、該結晶粒子の周囲を
    取り囲むように結晶粒界相として、酸化シリコン、酸化
    アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタルおよび酸化亜
    鉛の内より選ばれる少なくとも1種類の酸化物を存在さ
    せた構造を有する無機化合物であることを特徴とする磁
    気ディスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の磁気ディスクの製造方
    法において、前記下地膜がハニカム構造を有しているこ
    とを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の磁気ディスクの製造方
    法において、前記磁性膜を前記下地膜における結晶粒子
    部分からエピタキシャル成長させたことを特徴とする磁
    気ディスクの製造方法。
JP18149399A 1999-06-28 1999-06-28 磁気ディスクの製造方法 Expired - Fee Related JP3836630B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18149399A JP3836630B2 (ja) 1999-06-28 1999-06-28 磁気ディスクの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18149399A JP3836630B2 (ja) 1999-06-28 1999-06-28 磁気ディスクの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001014662A true JP2001014662A (ja) 2001-01-19
JP3836630B2 JP3836630B2 (ja) 2006-10-25

Family

ID=16101731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18149399A Expired - Fee Related JP3836630B2 (ja) 1999-06-28 1999-06-28 磁気ディスクの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3836630B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005034095A1 (en) * 2003-10-06 2005-04-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Perpendicular magnetic recording medium, manufacturing method therefor, and magnetic read/write apparatus using the same
WO2009096217A1 (ja) * 2008-01-29 2009-08-06 Konica Minolta Opto, Inc. 磁気記録媒体用基板の製造方法、及び磁気記録媒体
US7901803B2 (en) 2003-10-06 2011-03-08 Showa Denko K.K. Perpendicular magnetic recording medium, manufacturing method therefor, and magnetic read/write apparatus using the same

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005034095A1 (en) * 2003-10-06 2005-04-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Perpendicular magnetic recording medium, manufacturing method therefor, and magnetic read/write apparatus using the same
US7901803B2 (en) 2003-10-06 2011-03-08 Showa Denko K.K. Perpendicular magnetic recording medium, manufacturing method therefor, and magnetic read/write apparatus using the same
WO2009096217A1 (ja) * 2008-01-29 2009-08-06 Konica Minolta Opto, Inc. 磁気記録媒体用基板の製造方法、及び磁気記録媒体
JP5440180B2 (ja) * 2008-01-29 2014-03-12 コニカミノルタ株式会社 磁気記録媒体用基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3836630B2 (ja) 2006-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100560091B1 (ko) 자기 기록 매체 및 자기 기록 장치
US6730421B1 (en) Magnetic recording medium and its production method, and magnetic recorder
US6472047B1 (en) Magnetic recording disk
JP6284126B2 (ja) 垂直記録媒体、垂直記録再生装置
JP2002190108A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2002208129A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録装置
US6410133B1 (en) Magnetic recording disk, method of the magnetic recording disk and magnetic recording apparatus
JP2003173511A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録装置
JP2000327491A (ja) 無機化合物薄膜、磁気記録媒体および磁気記録装置
JP3836630B2 (ja) 磁気ディスクの製造方法
JP2002163819A (ja) 情報記録媒体及びそれを用いた情報記録装置
JP2015153447A (ja) 垂直磁気記録媒体、垂直磁気記録媒体の製造方法、垂直記録再生装置
JP2001291225A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP2001134918A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP3730822B2 (ja) 磁気記録媒体、及び磁気記録装置
JP3730820B2 (ja) 下地層付き基板、磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP2001256640A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP2002260209A (ja) 非晶質磁気記録媒体およびその製法ならびに磁気記録再生装置
JP3730821B2 (ja) 下地層付き基板、磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP2002083417A (ja) 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録装置
JP2001006165A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2000353315A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法、磁気ディスク装置
JP2001195736A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2002042331A (ja) 情報記録媒体及びそれを備える情報記録装置
JP2001216619A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20040428

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040917

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees