JP2001013719A - 静電荷像現像用現像剤 - Google Patents

静電荷像現像用現像剤

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JP2001013719A
JP2001013719A JP18866299A JP18866299A JP2001013719A JP 2001013719 A JP2001013719 A JP 2001013719A JP 18866299 A JP18866299 A JP 18866299A JP 18866299 A JP18866299 A JP 18866299A JP 2001013719 A JP2001013719 A JP 2001013719A
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chromium
developer
particles
toner
carbon atoms
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JP18866299A
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English (en)
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Koichi Miyagi
孝一 宮城
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速、連続印刷によっても良好な画質が維
持できる静電荷像現像用現像剤を提供することにある。 【解決手段】 (1)少なくとも結着樹脂とクロム原子
を含む化合物とを含有するトナー粒子を有する静電荷像
現像用現像剤をヘリウム大気圧マイクロ波誘導プラズマ
に導入し、(2)クロム原子及び炭素原子を励起・発光
させ、(3)その発光の強さを経時測定して得られる現
像剤中のクロム原子と炭素原子との発光スペクトルに基
づいて求められるクロム原子と炭素原子との分散状態を
表す近似直線に対する誤差の絶対偏差が0.3以下であ
る静電荷像現像用現像剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真などの画
像形成方法における静電潜像を可視化するための静電荷
像現像用現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子複写機等で使用される現像剤は、そ
の現像工程において、例えば静電荷像が形成されている
感光体等の像担持体に一旦付着せしめられ、次に転写工
程において感光体から転写紙に転写された後、定着工程
においてコピー紙面に定着される。その際、潜像保持面
上に形成される静電荷像を現像するための現像剤とし
て、キャリアーとトナーとから成る二成分系現像剤およ
びキャリアーを必要としない一成分系現像剤が知られて
いる。
【0003】静電荷像形成のために、トナーには帯電性
が必要である。即ち、キャリアや現像槽の器壁との接触
により、正又は負の適度なレベルの帯電量を生じるこ
と、個々のトナー粒子の単位重量当たりの帯電量が均一
であること、及びその帯電量が連続使用時や悪影響下に
おいても経時的にほぼ安定していることが、特にトナ−
に要求される性能である。トナーに帯電性を付与するに
は、バインダー樹脂や着色剤自体に帯電性を持たせても
よいが、このような方法では充分な帯電性が得られにく
く、帯電性の制御が難しい。そこで、従来よりトナ−に
帯電性を付与するものとして、正帯電性のニグロシン系
染料、4級アンモニウム塩、負帯電性の含金属モノアゾ
染料、サリチル酸金属錯体、銅フタロシアニン顔料等の
帯電制御剤をトナーに含有させることが検討されてい
る。しかしながら、こうした帯電制御剤を用いても1分
間に10枚以上の高速印刷ができる装置で20,000
枚を連続印刷するような厳しい使用条件下では、帯電性
の変化がおこりカブリなどの画質低下が生じる問題があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
従来技術のもとクロム原子を含む化合物がトナー粒子中
に特定の状態で含有されたものは、カブリなどの画質低
下がなくなることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、(1)少なくとも結着樹脂とクロム原子を含む化合
物とを含有するトナー粒子を有する静電荷像現像用現像
剤をヘリウム大気圧マイクロ波誘導プラズマに導入し、
(2)クロム原子及び炭素原子を励起・発光させ、
(3)その発光の強さを経時測定して得られる現像剤中
のクロム原子と炭素原子との発光スペクトルに基づいて
求められるクロム原子と炭素原子との分散状態を表す近
似直線に対する誤差の絶対偏差が0.3以下である静電
荷像現像用現像剤が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳述する。本発
明においてトナー粒子は、少なくとも結着樹脂とクロム
原子を含む化合物(以下、クロム含有化合物ということ
がある)とを含有するものである。本発明に使用される
結着樹脂の種類としては、ポリスチレン、ポリ−p−ク
ロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びそ
の置換体の重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体等の芳香族ビニル系共重合体及びその架橋
物;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノ
ール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹
脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビ
ニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹
脂、石油系樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂等が例示さ
れる。このほか、架橋された芳香族ビニル系共重合体も
好ましい結着樹脂である。
【0007】芳香族ビニル系共重合体のスチレン、α−
メチルスチレン、4−メチルスチレンなどの芳香族ビニ
ルモノマーに対するコモノマーの具体例としては、アク
リル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド等のような不飽和モノカルボン酸もしくはその誘
導体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチル等のような不飽和ジカルボン酸
及びその誘導体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビ
ニル等のようなビニルエステル類;エチレン、プロピレ
ン、ブチレン等のようなエチレン系オレフィン類;ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニ
ルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエー
テル類;などが挙げられる。これらのコモノマーは単独
もしくは2種類以上の混合物として用いられる。
【0008】さらにコモノマーとして、2個以上の重合
可能な二重結合を有する架橋性モノマーを用いることが
できる。その具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビ
ニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;エチ
レングリコールジアクリレート、エチレングリコールジ
メタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレ
ート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステ
ル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルス
ルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;3個
以上のビニル基を有する化合物;などが例示される。こ
れらも単独もしくは混合物として用いられる。
【0009】クロム含有化合物は、トナー粒子中に、通
常帯電制御剤として含まれる。このような帯電制御剤と
しては、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学社製)
やT−77(保土ヶ谷化学社製)などが挙げられる。帯
電制御剤は、結着樹脂成分100重量部に対して、0.
01〜10重量部、好ましくは0.03〜8重量部の割
合で用いる。また、帯電制御剤として、ボントロンS−
34(オリエント化学社製)、ボントロンE−84(オ
リエント化学社製)、ボントロンN−01(オリエント
化学社製 )、コピーブルー−PR(ヘキスト社製)、
4級アンモニウム(塩)基含有共重合体、スルホン酸
(塩)基含有共重合体などの他の帯電制御剤を全帯電制
御剤量に対して50重量%以下、好ましくは40重量%
以下の割合で併用することもできる。
【0010】トナー粒子には、通常着色剤が含まれてい
る。着色剤は黒色またはカラートナー用の有色着色剤を
用いる。黒色着色剤として、カーボンブラック、ニグロ
シンベースの染顔料類;コバルト、ニッケル、四三酸化
鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の
磁性粒子;などを挙げることができる。カーボンブラッ
クを用いる場合、一次粒径が20〜40nmであるもの
を用いると良好な画質が得られ、またトナーの環境への
安全性も高まるので好ましい。カラートナー用着色剤と
しては、ネフトールイエロS、ハンザイエロG、C.
I.ピグメントイエロ、C.I.バットイエロ、エオシ
ンレーキ、C.I.ピグメントレッド、C.I.ピグメ
ントバイオレット、C.I.バットレッド、フタロシア
ニンブルー、C.I.ピグメントブルー、C.I.バッ
トブルー、C.I.アシッドブルー等が挙げられる。こ
れら着色剤は、結着樹脂成分100重量部に対して、通
常0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の割
合で用いられる。
【0011】また、トナー粒子には、必要に応じて添加
剤が含まれてもよい。添加剤としては、離型剤やマクロ
モノマーのほか、ステアリン酸亜鉛のような滑剤、ある
いは酸化セリウム、炭化ケイ素のような研磨剤あるい
は、ケーキング防止剤、あるいは例えば、カーボンブラ
ック、酸化スズ等の導電性付与剤などがある。
【0012】離型剤は熱ロール定着時の離型性を良くす
る目的で使用され、その具体例としてペンタエリスリト
ールテトラステアラート、ペンタエリスリトールテトラ
ミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサステアラート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリ
スリトールヘキサパルミテートのごとき多官能エステル
化合物、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワック
ス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワック
ス状物質が挙げられる。離型剤は、トナー粒子に対して
0.5〜5重量%程度の割合で加えることができる。
【0013】重合法トナーの製造に際しては、重合性単
量体としてマクロモノマーを併用すると保存性と定着性
とのバランスを向上させることができる。マクロモノマ
ーは、分子鎖の末端にアクリロイル基、メタクリロイル
基などのビニル重合性官能基を有するもので、数平均分
子量が1,000〜30,000程度のオリゴマーまた
はポリマーである。マクロモノマーの量は、結着樹脂成
分100重量部に対して、通常、0.01〜10重量
部、好適には0.03〜5重量部、さらに好適には0.
05〜1重量部である。
【0014】本発明に係るトナー粒子を製造するにあた
っては、トナー構成材料をボールミルその他の混合機に
より十分混合した後、熱ロールニーダー、エクストルー
ダーの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化後、機械
的な粉砕、分級によってトナーを得る方法;結着樹脂溶
液中に構成材料を分散した後、噴霧乾燥することにより
トナーを得る方法;あるいは結着樹脂を構成すべき単量
体に所定の材料を混合して懸濁液とした後に、重合させ
てトナーを得る重合法トナー製造法;等の方法が適用で
きる。特に画質、連続印字における耐久性の観点から重
合法によるトナーの製造法を採用するのが好ましい。重
合法により得られるトナーは、層構造を有さない重合法
トナーであっても、結着樹脂成分が層構造を形成してい
るいわゆるコアシェルトナー(カプセルトナー)であっ
てもよい。
【0015】本発明に係るトナー粒子は実質的に球形で
あるものが、良好な画質を得るために好ましい。こうし
た実質的に球形のトナー粒子は、体積平均粒径(dv)
が3〜15μm、好ましくは5〜10μm、体積平均粒
径と個数平均粒径(dn)の比(dv/dn)が1〜
1.4、粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(S
c)を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値(Sc/
Sr)が1〜1.3の範囲、かつBET比表面積(A)
(m/g)、個数平均粒径(μm)および真比重
(D)の積(A×dn×D)が5〜10の範囲であるの
が望ましい。
【0016】本発明においては、上述したトナー粒子に
無機粒子や有機樹脂粒子などの外添剤を混合し、付着さ
せることができる。無機粒子としては、二酸化ケイ素、
酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チ
タン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げら
れる。有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重
合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−
メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体粒子、コアがメタクリル酸エステ
ル共重合体でシェルがスチレン重合体で形成されたコア
シェル型粒子などが挙げられる。これらのうち、無機酸
化物粒子、特に二酸化ケイ素粒子が好適である。また、
これらの粒子表面を疎水化処理することができ、疎水化
処理された二酸化ケイ素粒子が特に好適である。外添剤
の量は、特に限定されないが、トナー100重量部に対
して、通常、0.1〜6重量部である。
【0017】外添剤は2種以上を組み合わせて用いても
良い。外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒子
径の異なる2種の無機酸化物粒子または有機樹脂粒子を
組み合わせる方法が好適である。外添剤の付着は、通
常、外添剤とトナーとをヘンシェルミキサーなどの混合
機に入れて攪拌して行う。
【0018】本発明の現像剤は、キャリアと混合して二
成分現像剤として用いることもできる。本発明に使用し
得るキャリアとしては、公知のものが使用可能であり、
例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の様な磁性を有
する粉体、ガラスビーズ等、及びこれらの表面を樹脂等
で処理したものが掲げられる。又、キャリア表面を被覆
する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アク
リル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合
体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリアミド樹
脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂など或いは、これらの混合物を用いることができる。
【0019】<クロム原子と炭素原子との分散状態と近
似直線>本発明に係るトナー粒子は炭素原子とクロム原
子とを含む。従って、炭素原子とクロム原子について分
析することで、トナー粒子におけるクロム含有化合物の
トナー粒子中での分散の状態を把握することができる。
クロム原子と炭素原子の分析は、(1)多数個の微粒子
をヘリウム大気圧マイクロ波誘導プラズマに導入し、
(2)粒子中の特定元素を励起・発光させ、(3)その
発光の強さを連続して測定する手法を採用した微粒子測
定装置を用いて得られるクロム原子と炭素原子の発光ス
ペクトルに基づいて行われる。
【0020】このような装置として具体的には、特公平
7−54294号公報などに記載されているマイクロ波
源と、当該マイクロ波源で発生したマイクロ波を導入す
るキャビティと、当該キャビティの中央付近を貫通して
設けられ一端に検出窓を有する反応管と、当該反応管の
他端に一端が接続され他端が常圧下でかつ、微粒子を含
む空間に配置されたキャピラリーチューブと、前記反応
管内を減圧する排気手段と、前記反応管の検出窓に隣接
して設けられた分析手段とからなり、前記排気手段によ
り前記反応管内を原子化/イオン化が可能な程度に減圧
し、前記反応管内にキャリアガスを導入して前記マイク
ロ波によりプラズマを生成するとともに前記キャピラリ
ーチューブにより常圧下のサンプルガスを導入し、前記
サンプルガスに含まれる微粒子により前記反応管内に発
生したイオンの発光スペクトルをインラインで前記分析
装置で分析することにより前記微粒子の定性・定量分析
を行うことを特徴とする微粒子測定装置が挙げられる。
【0021】こうした微粒子測定装置によれば、たとえ
ば、元素Aを含む粒子中に元素Bを含む化合物が内包さ
れている場合、元素Aと元素Bとを測定対象として各元
素の発光スペクトルを得ることで、当該粒子中の当該化
合物の量などが定量的に評価できる。もし元素Aを含む
粒子中に元素Bを含む化合物がなければ、元素Aと元素
Bはそれぞれ別々に発光するので時間軸に対してずれの
ある非同期発光スペクトルとなる(図1参照)。粒子中
に化合物が内包されている場合、元素Aと元素Bは同時
に発光するので時間軸に対してずれのない同期発光スペ
クトルとなる(図2参照)。元素Aを含む粒子中に含有
される元素Bを含む化合物の量は、同期発光スペクトル
の強さから、粒子1つ当たりの元素Aと元素Bの原子数
を(三乗根)電圧として求めることができる。そこで一
度に多量の試料を解析してx軸を元素Aの同期発光スペ
クトルの電圧、y軸を元素Bの同期発光スペクトルの電
圧とした分布図において、最小2乗法によって計算され
た原点を通る直線を引くことができる(図3参照)。こ
の直線が元素Aを含む粒子中の元素Bを含む化合物の内
包状態を表す近似直線である。
【0022】上記装置を用いてトナー粒子について、炭
素原子からの電圧をx軸、クロム原子からの電圧をy軸
に取って得られる近似直線が、クロム原子と炭素原子と
の分散状態、即ちトナー粒子中のクロム原子を含有する
化合物の内包状態を表す。当該近似直線に対する誤差
は、誤差値x=d/H(dは、データ点から近似直線に
おろした垂線の長さ、Hは近似直線と垂線の交点からX
軸への垂線の長さ)で求められ、この誤差の絶対偏差の
値は、1/n(Σ|x−x’|)(nは誤差データの個
数、x’は誤差データの平均値)で求められる。もし、
トナー粒子ごとに内包されるクロム原子を含む化合物の
量の差が大きければ、得られる絶対偏差の値は大きくな
る。
【0023】本発明においては、このようにして算出さ
れる絶対偏差が0.3以下、好ましくは0.25以下、
より好ましくは0.2以下である場合、1分間に10枚
以上の高速印刷機で20,000枚を連続印刷してもカ
ブリのない良好な画質を維持できる。また、当該近似直
線の傾きは、連続印刷時の画質の点から、0.6以下が
好ましく、より好ましくは0.1〜0.5である。本発
明でいう絶対偏差と傾きは、各値を得る操作を5回繰り
返して得られるそれぞれの5つのデータの最大値と最小
値を除いた3つのデータの平均として求めたものであ
る。
【0024】
【実施例】本発明を実施例を示してさらに詳細に説明す
るが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものでは
ない。なお、部及び%は特に断りのない限り重量基準で
ある。
【0025】(近似直線)炭素とクロムを分析対象元素
として、横河電機株式会社製微粒子測定装置(商品名
「パーティクルアナライザPT1000」)を用い、以
下の条件を1サイクルとして5サイクル繰り返し、現像
剤の炭素とクロムの発光スペクトルを測定した。また、
スペクトルデータの解析ソフトとして、横河電機株式会
社製「トナー解析ソフト・バージョン2.00」を用
い、同期発光スペクトルデータから、炭素からの電圧と
クロムからの電圧の分布図(x軸が炭素の電圧、y軸が
クロムの電圧)を得、近似直線を得た。近似直線の傾き
と近似直線に対する絶対偏差は、同ソフトによって算出
した。
【0026】微粒子測定の条件は、以下の通り。 1スキャンの炭素カウント数:500〜1500 スキャン数:8 トナー吸引装置:横河電機社製ローボリュームサンプラ
(商品名「LV1000」) トナー吸引用チップ:エッペンドルフ社製チップ(グレ
ード「100μl」) トナー吸引用チューブ:ノートン社製タイゴンチューブ
(商品名「R−3603」(チューブ内径φ6.35m
m×長さ50mm) フィルタ:コーニング社製フィルタ(商品名「ニューク
リポア・メンブレンフィルター」0.4μm)
【0027】(トナー性能の評価)本実施例において市
販の非磁性一成分現像方式のプリンター(12枚機)を
用いて画質評価を以下のとおり行った。 (画質)前述のプリンターで、23℃×50RH%室温
環境下で20000枚まで連続印字を行った。ここで、
1枚目と、それ以降5000枚毎に非画像部のカブリを
測定し、同時に紙面上のカスレ(白筋、白抜け)などの
印字不具合を観察した。印字後の白色度B、印字前の白
色度をAとすると、カブリ=((B−A)/A)×10
0 の計算式でカブリ値を算出した。
【0028】[参考例]スチレン90部、クロム含有帯
電制御剤(保土ヶ谷化学社製、商品名「スピロンブラッ
クTRH」)10部を、メデヤ型湿式粉砕機を用いて湿
式粉砕を行った。ここで粉砕時間を0時間(粉砕せ
ず)、1時間、3時間、5時間として、粉砕時間の異な
るマスターバッチを用意した。 [実施例1]スチレン80.5部およびn−ブチルアク
リレート19.5部からなるコア重合性単量体、ポリメ
タクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業
社製、商品名「AA6」)0.3部、ジビニルベンゼン
0.5部、t−ドデシルメルカプタン1.2部、カーボ
ンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)7
部、粉砕時間5時間の帯電制御剤のマスターバッチ10
部、離型剤(サゾール社製、商品名「パラフリントH
1」:フィッシャートロプシュワックス)2部を、メデ
ヤ型湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行い、コア用重合性
単量体組成物Aを得た。
【0029】他方、イオン交換水250部に塩化マグネ
シウム(水溶性多価金属塩)10.2部を溶解した水溶
液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化
アルカリ金属)6.2部を溶解した水溶液を攪拌下で徐
々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性
の金属水酸化物コロイド)分散液Aを調製した。生成し
た上記コロイドの粒径分布をSALD粒径分布測定器
(島津製作所社製)で測定したところ、粒径は、D50
(個数粒径分布の50%累積値)が0.35μmで、D
90(個数粒径分布の90%累積値)が0.62μmで
あった。
【0030】一方、メチルメタクリレート3部と水10
0部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重
合性単量体の水分散液Aを得た。シェル用重合性単量体
の液滴の粒径は、得られた液滴を1%ヘキサメタリン酸
ナトリウム水溶液中に濃度3%で加え、SALD粒径分
布測定器で測定したところ、D90が1.6μmであっ
た。
【0031】上記により得られた水酸化マグネシウムコ
ロイド分散液Aに、コア用重合性単量体組成物Aを投入
し、液滴が安定するまで攪拌し、そこに重合開始剤とし
てt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)6部を添加
後、エバラマイルダー(荏原製作所社製:商品名)を用
いて15,000rpmの回転数で30分間高剪断攪拌
して、単量体混合物の液滴を造粒した。この造粒した単
量体混合物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入
れ、85℃で重合反応を開始させ、重合転化率がほぼ1
00%に達した後、前記シェル用重合性単量体の水分散
液Aに水溶性開始剤(和光純薬社製、商品名「VA−0
86」:2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−
ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド)))0.3
部を溶解し、それを反応器に入れた。4時間重合を継続
した後、反応を停止し、重合体粒子を脱水、乾燥してト
ナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒径
(dv)は7.1μm、体積平均粒径と個数平均粒径
(dn)の比(dv/dn)は1.25、粒子の絶対最
大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面
積(Sr)で割った値(Sc/Sr)は1.21、BE
T比表面積(A)、個数平均粒径および真比重(D)の
積(A×dn×D)は6.3であった。
【0032】体積平均粒径(dv)及び個数平均粒径
(dp)は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソ
トンII、濃度10%、測定粒子個数:50000個の
条件でマルチサイザー(コールター社製)によりを測定
した値(μm)である。(Sc/Sr)は、トナー粒子
の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像処理解析装
置ルーゼックスIID〔(株)ニコレ製〕により、フレ
ーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、トータル処
理粒子数:1000個の条件で測定し、解析した100
0個についての値の個数平均値である。比表面積(A)
は、島津製作所製の比表面積自動測定装置2200型を
用いてBET法によって測定した値(m/g)であ
る。真比重(D)は、ベックマン比重計により測定した
値である。
【0033】得られたトナー粒子100部に、シランカ
ップリング剤処理酸化チタン(商品名「TAF−110
P」、一次粒子径:50nm;富士チタン工業製)1.
0重量部を添加し、混合して現像剤を得た。
【0034】[実施例2]帯電制御剤マスターバッチと
して、参考例において調製した粉砕時間3時間の帯電制
御剤マスターバッチを使用したこと以外は実施例1と同
様にして現像剤を得た。尚、得られたトナー粒子の体積
平均粒径(dv)は7.3μm、体積平均粒径と個数平
均粒径(dn)の比(dv/dn)は1.26、粒子の
絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質
投影面積(Sr)で割った値(Sc/Sr)は1.2
3、BET比表面積(A)、個数平均粒径および真比重
(D)の積(A×dn×D)は6.5であった。
【0035】[比較例1]帯電制御剤マスターバッチと
して、参考例において調製した粉砕時間1時間の帯電制
御剤マスターバッチを使用したこと以外は実施例1と同
様にして現像材を得た。尚、得られたトナー粒子の体積
平均粒径(dv)は7.0μm、体積平均粒径と個数平
均粒径(dn)の比(dv/dn)は1.27、粒子の
絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質
投影面積(Sr)で割った値(Sc/Sr)は1.2
1、BET比表面積(A)、個数平均粒径および真比重
(D)の積(A×dn×D)は6.4であった。
【0036】[比較例2]帯電制御剤マスターバッチと
して、参考例において調製した粉砕時間0時間の帯電制
御剤マスターバッチを使用したこと以外は実施例1と同
様にして現像材を得た。尚、得られたトナー粒子の体積
平均粒径(dv)は7.1μm、体積平均粒径と個数平
均粒径(dn)の比(dv/dn)は1.29、粒子の
絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質
投影面積(Sr)で割った値(Sc/Sr)は1.2
7、BET比表面積(A)、個数平均粒径および真比重
(D)の積(A×dn×D)は7.0であった。
【0037】得られた現像剤について、クロム原子を含
む化合物の内包状態の測定とトナー性能の評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】以上の結果から、トナー粒子中のクロム原
子含有化合物の内包状態を表す近似直線に対する絶対偏
差が0.3以下である静電荷像現像用現像剤は、1分間
に12枚印刷する画像形成装置において20,000枚
の印刷(耐久印刷)をしてもカブリ、カスレのない良好
な画質を与えることが判った。逆に絶対偏差が0.3を
越えるものは感光体フィルミングを起こして印字に白抜
けが確認されてしまった。
【0040】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用現像剤によれ
ば、高速、連続印刷によってもカブリのない画質が維持
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非同期発光スペクトルを説明する図面である。
【図2】同期発光スペクトルを説明する図面である。
【図3】同期発光スペクトルから得られる近似直線を説
明する図である。
【符号の説明】
1 元素Aを含む粒子 2 元素Bを含む化合物 3 元素Aの発光スペクトル 4 元素Bの発光スペクトル 5 近似直線 6 データのプロット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)少なくとも結着樹脂とクロム原子
    を含む化合物とを含有するトナー粒子を有する静電荷像
    現像用現像剤をヘリウム大気圧マイクロ波誘導プラズマ
    に導入し、(2)クロム原子及び炭素原子を励起・発光
    させ、(3)その発光の強さを経時測定して得られる現
    像剤中のクロム原子と炭素原子との発光スペクトルに基
    づいて求められるクロム原子と炭素原子との分散状態を
    表す近似直線に対する誤差の絶対偏差が0.3以下であ
    る静電荷像現像用現像剤。
  2. 【請求項2】 近似直線の傾きが0.6以下である請求
    項1記載の静電荷像現像用現像剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008256968A (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー

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JP2008256968A (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー

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