JP2008256968A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】長期の繰り返し使用においても、安定したトナー帯電量を得ることができるトナーを用いた現像装置、そのためのトナーを提供する。
【解決手段】トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材と、該トナー担持体表面のトナー層を薄層化するトナー層規制部材と、トナーとをケース内に有する現像装置において、前記トナー層規制部材は前記トナー担持体に弾力的に押圧され、前記トナーが前記トナー担持体とトナー層規制部材との間を通過するときに帯電される現像装置であり、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と帯電制御剤を混練/分散されてなるトナーであり、前記帯電制御剤が前記結着樹脂中に分散されており、パーティクルアナライザー測定により得られる前記帯電制御剤の前記結着樹脂中への分散指標が0.050〜0.065の範囲であることを特徴とする現像装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置、及びこれに使用される現像装置に関するものであり、また、これらに適用される現像剤及び画像形成方法に関するものである。
電子写真、静電記録、静電印刷等に於いて使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている像担持体(代表的には感光体)に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。
現像工程で使用される現像剤としては、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤及び、キャリアを必要としないでトナーのみからなる一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
二成分現像方式は、トナー粒子がキャリア表面に付着することにより現像剤が劣化し、また、トナーのみが消費されるため現像剤中のトナー濃度が低下するので、キャリアとトナーとの混合比を一定割合に保持しなければならず、そのため現像装置が大型化するといった欠点がある。
一方、一成分現像方式では、上記欠点がなく、装置が小型化等の利点を有しており、あらゆる環境下での使用が容易であるなどの理由から現像方式の主流になりつつある。
また、一成分系現像剤を用いた一成分現像方式は、更に磁性トナーを用いる磁性一成分現像方式と、非磁性トナーを用いる非磁性一成分現像方式とに分類される。磁性一成分現像方式は、内部にマグネットなどの磁界発生手段を設けた現像スリーブを用いて、マグネタイトなどの磁性体を含有する磁性トナーを保持し、層厚規制部材により、薄層化し現像するもので、近年小型プリンタなどで多数実用化されている。
これに対して、非磁性一成分現像方式は、トナーが磁気力を持たないため、現像ローラにトナー補給ローラなどを圧接して現像ローラ上にトナーを供給し、静電気的に保持させ、トナー層規制部材により、薄層化して現像するものであり、有色の磁性体を含有しないためカラー化に対応できるという利点があり、また現像スリーブにマグネットを用いないため、装置のより軽量化、低コスト化が可能となり、近年小型フルカラープリンタ等で実用化されている。
この非磁性一成分現像方式は、二成分現像方式や磁性一成分方式に比べトナーへの帯電付与が極めて困難である。トナーへの帯電付与はトナーが、トナー担持体(現像ローラ)とトナー層規制部材との間を通過するわずかな時間に行われる。そのためトナー担持体とトナー層規制部材はある程度強い応力で当接していなくてはならない。しかしそれ故の問題点も発生する。例えば、プリント画像面積が小さな画像ばかりを出力する場合、トナー消費量が少ない一方で、トナー層規制部材との接触回数は多くなりトナーへのダメージが大きくなる。具体的にはトナー粒子表面に付着させているシリカなどの添加剤や、同様にトナー粒子表面に露出している帯電制御剤がトナー粒子内に埋没、もしくはトナー粒子から離脱してしまう。これにより目的のトナー帯電量が得られなくなり地肌汚れやトナー飛散などの品質トラブルが発生する。
このような課題に対し、特許文献1ではトナー担持体に特定のコーティング材料を用い、さらにその特性値を規定することで安定したトナー帯電量分布を得ることを達成している。
しかしこの文献においてはトナー特性に関しては一切触れられていなかった。
特開2005−308838号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、長期の繰り返し使用においても、安定したトナー帯電量を得ることができるトナーを用いた現像装置、そのためのトナーを提供することである。
上記課題を解決するための手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
(1)「少なくとも、トナーを担持し回転しながら静電潜像担持体に接触もしくは近接し、静電潜像担持体表面にトナーを供給して前記静電潜像を可視化するトナー担持体と、該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材と、該トナー担持体表面のトナー層を薄層化するトナー層規制部材と、トナーとをケース内に有する現像装置において、前記トナー層規制部材は前記トナー担持体に弾力的に押圧され、前記トナーが前記トナー担持体とトナー層規制部材との間を通過するときに帯電される現像装置であり、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と帯電制御剤を混練/分散されてなるトナーであり、前記帯電制御剤が前記結着樹脂中に分散されており、パーティクルアナライザー測定により得られる前記帯電制御剤の前記結着樹脂中への分散指標(I)が0.050〜0.065の範囲であることを特徴とする現像装置;
Figure 2008256968
」;
(2)「前記トナーのトナー粒子内部および表面に存在する帯電制御剤が、サリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩化合物からなり、前記帯電制御剤の含有量は、トナー結着樹脂100重量部に対して、0.5〜5.0重量部であることを特徴とする前記第(1)項記載の現像装置。」;
(3)「現像装置に用いられたトナーであって、該現像装置は、少なくとも、トナーを担持し回転しながら静電潜像担持体に接触もしくは近接し、静電潜像担持体表面にトナーを供給して前記静電潜像を可視化するトナー担持体と、該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材と、該トナー担持体表面のトナー層を薄層化するトナー層規制部材と、トナーとをケース内に有し、前記トナー層規制部材は前記トナー担持体に弾力的に押圧され、前記トナーを、前記トナー担持体とトナー層規制部材との間を通過するときに帯電するものであり、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と帯電制御剤を混練/分散されてなるトナーであり、前記帯電制御剤が前記結着樹脂中に分散されており、パーティクルアナライザー測定により得られる前記帯電制御剤の前記結着樹脂中への分散指標(I)が0.050〜0.065の範囲であることを特徴とするトナー;
Figure 2008256968

(4)「前記トナーのトナー粒子内部および表面に存在する帯電制御剤が、サリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩化合物からなり、前記帯電制御剤の含有量は、トナー結着樹脂100重量部に対して、0.5〜5.0重量部であることを特徴とする前記第(3)項記載のトナー。」
上記解決するための手段により、本発明の現像装置におけるトナーは、長期の繰り返し使用においても、安定したトナー帯電量を得ることができ、画像劣化、トナー飛散等の発生を抑制でき高品位な画像を提供することができる。
[現像装置]
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明に係わる第一の実施の形態を示す。
本発明における現像装置は、トナーを担持し回転しながら静電潜像担持体に接触もしくは近接し、静電潜像担持体表面にトナーを供給して前記静電潜像を可視化するトナー担持体と、該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材と、該トナー担持体表面のトナー層を薄層化するトナー層規制部材と、トナーとをケース内に有する現像装置において、前記トナー層規制部材は前記トナー担持体に弾力的に押圧され、前記トナーが前記トナー担持体とトナー層規制部材との間を通過するときに帯電されるものを表す。
図1の現像装置例においては、トナーを担持し回転しながら静電潜像担持体(典型的には感光体)に接触もしくは近接し、静電潜像担持体表面にトナーを供給して前記静電潜像を可視化するトナー担持体(11)、金属の芯金上に発砲体を形成してなり、トナー担持体(11)にトナーを供給するトナー供給部材(12)、該トナー担持体(11)表面のトナー層を薄層化するトナー層規制部材(15)、本発明のトナー(16)、トナー攪拌部材(13)がケース(14)内の側板に軸支されている。トナー(16)はトナー攪拌部材(13)およびトナー供給部材(12)を介してトナー担持体(11)の表面に供給される。トナー担持体(11)上に供給されたトナーは、この装置例においてはローラ形状のトナー層規制部材(15)によって所定量に薄層化され、トナー層規制部材(15)とトナー担持体(11)の間を通過する際に帯電される。トナー層規制部材(15)は、トナー担持体(11)にばね(17)等の弾性部材で押圧されており、トナー担持体(11)に食い込んでニップを形成している。このニップ部をトナーが通過することはトナー帯電には非常に重要であるが、一方で不具合も起こる。
以下に詳細に述べる。
ニップ部をトナーが幾度も通過すると、トナー表面の凸凹が欠けて表面が滑らかになり、感光体との付着力が大きくなりクリーニングされにくくなる。そのために、環境が低湿になるとクリーニング不良が発生することがあり、また、転写性が向上するが、従来転写されても目視上表れなかった白地背景部にカブリが表れるようになる。また、トナーが押圧を受けることで、トナー粒子表面に存在する外添剤がトナー粒子内部に埋没する。後で外添剤に関しては詳説するが、外添剤はトナー粒子より硬度が高い。このために、トナー粒子内部に埋没する。トナー粒子表面に存在する外添剤が少なくなることで、トナーの帯電性が変わる。特に、外添剤として用いるシリカは、比表面積が大きいので帯電量が高く埋没によるトナー粒子表面の外添剤量によってトナーの帯電量は大きく変化する。また、もう一つの影響として、外添剤埋没によってトナーの流動性が低下する。この流動性は、トナーの付着力を示すもので、トナーと例えば感光体等との間に存在して、その間の付着力を小さくする。同様に、現像スリーブとトナーとの間の付着力を小さくして現像性を高める。逆に、埋没でトナー粒子表面に存在する外添剤量が少なくなると、現像性が低下する。
また、トナーを非磁性一成分現像剤で使用した場合は、トナー供給部材(トナー補給ローラ)により粒径の小さいトナー粒子から優先的に現像スリーブ上に供給される選択現像が行われる。このため、トナーカートリッジから新たなトナーが供給される前の現像ホッパー内には、粒径の大きい、劣化トナーが多く残留する。帯電性が低下した劣化トナーに帯電性が高いトナーカートリッジ内トナーが補給されると帯電性の違いにより画像汚れやトナー飛散等が引き起こされる。
現像装置内のトナーの帯電性を安定した状態で使用するためには、トナーカートリッジから現像ユニット内へ補給されるトナーの帯電性が高すぎず、かつ、低すぎないことが必要である。さらにトナーカートリッジから現像ユニット内へのトナーの供給を円滑に行うことが必要である。
トナーカートリッジから現像ユニット内へ補給されるトナーの帯電性を適度に保つには帯電性を支配する帯電制御剤の分散性が重要であり、前記意味の分散指標(I)が0.050〜0.065であることが好ましい。
(パーティクルアナライザー測定による分散指標)
本発明のトナーは帯電制御剤の結着樹脂中への分散指標(I)が0.050〜0.065であることが好ましい。この指標は帯電制御剤の分散性を見る指標であり、数値が低いほど帯電制御剤がトナー中に均一に分散していることを示す。分散指標(I)が0.050未満であると、トナー中への帯電制御剤の分散状態は良いが、あまりに分散が良すぎると帯電の立ち上がりが緩やかになりトナー補給をした際に画像汚れやトナー飛散等が引き起こされる。逆に、分散指標(I)が0.065を超えると、トナー中への帯電制御剤の分散状態が悪くトナー粒子間での帯電性にばらつきが生じトナー補給をした際に画像汚れやトナー飛散等が引き起こされる。なお、本発明において、帯電制御剤の結着樹脂中への分散指標は横河電機(株)製PT−1000を用いて以下の測定条件で測定した後、C原子を基準としたZn原子の発光スペクトルカウントの同期性を以下の計算式(これを分散指標とした)に当て嵌めて測定した。なお、C原子を基準とした場合の対象原子は必ずしもZn原子である必要はなく、使用する帯電制御剤の構成原子であればよい。一例としてFe原子、Zr原子、Cr原子、K原子等が挙げられる。また各原子の分析波長はFe原子;259.940nm、Zr原子;343.820nm、Cr原子;425.430nm、K原子;766.490nmである。
<PT−1000の測定条件>
・一回の測定におけるC原子検出数;3500〜5500
・ノイズカットレベル;1.5以下
・ソート時間;20digits
・ガス;O 0.1%、Heガス
・分析波長; C原子;247.860nm
Zn原子;334.500nm
・使用チャンネル; C原子;1又は2
Zn原子;1又は2
・計算式;
Figure 2008256968
なお、X;誤差データの詳細を図2の模式図を用いて説明する。
X=d/H
d;同期データ点から近似直線に下ろした垂線の長さ
H;近似直線とデータ点からの垂線との交点からX軸への垂線の長さ
n;誤差データの個数
なお、本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と帯電制御剤を混練/分散してなるトナーである。以下に本発明のトナーの製造方法例を詳細に説明する。
(ポリエステル樹脂)
結着樹脂としてはフルカラートナー用結着樹脂として発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂が用いられる。カラー画像は、数種のトナー層が幾重にも重ねられるため、トナー層が厚くなってしまい、トナー層の強度不足による画像の亀裂や欠陥が生じたり、適度な光沢が失われたりする。このことから適度な光沢や優れた強度を保持させるためポリエステル樹脂が用いられる。
ポリエステル樹脂は、一般に多価アルコールと多価カルボン酸とのエステル化反応により得ることができる。本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうち、アルコールモノマーとしては、ジオールモノマーとしては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコールトリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタジエンオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、その他の二価のアルコールがあげられ、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、ノボラック型のフェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル、その他の3価以上の多価アルコールがあげることができる。3価以上のアルコールモノマーは主に架橋成分として用いられる。これらのモノマーのうち特に、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分モノマーとして用いたものが好適に用いられる。ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を構成モノマーとして用いた場合、ビスフェノールA骨格の性質上、比較的高めのガラス転移点のポリエステルが得られ、耐コピーブロッキング性、耐熱保存性が良好となる。また、ビスフェノールA骨格両側のアルキル基の存在が、ポリマー中でソフトセグメントとして働き、トナー定着時の発色性、画像強度が良好となる。特にビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のうち、エチレン基、プロピレン基のものが好適に用いられる。
本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうち酸モノマーとしては、たとえばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸類またはn−ドデシルコハク酸等のアルキルコハク酸類、これらの酸の無水物、アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸が、そして、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、アルキルエステル、アルケニルエステル、アリールエステル、その他の3価以上のカルボン酸を挙げることができる。ここで述べているトリカルボン酸及びそのアルキル、アルケニルまたはアリールエステルの具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリエチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−オクチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ2−エチルヘキシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリベンジル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−イソプロピルベンジル)等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂は特に、THF不溶分がなく、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有割合が4重量%以下、好ましくは1〜4重量%であり、分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有することが好ましい。THF不溶分が入ると光沢性が下がるとともに透明性が落ち、OHPシートを使用したときに高品質な画像を得ることができない。また分子量500以下の成分が4重量%にすることで樹脂として脆い成分を低減でき、融着するいわゆるフィルミング成分や現像機内中での微粒子化を抑制することができる。これにより非磁性一成分現像方式においても長期間の使用に耐えることができ、トナー補給方式に於いても使用できるのである。製造上の容易性から、分子量500以下の成分割合は1重量%以上とするのが好ましい。
本発明の分子量分布は、GPCにより以下のように測定される。40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mLの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整したトナー母体のTHF試料溶液を200μL注入して測定する。THF試料溶液は注入前に0.45μmの液クロ用フィルターで、THF不溶成分を除去する。トナーの試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、PressureChemical Co.あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10 、2.1×10 、4×10 、1.75×10 、5.1×10 、1.1×10 、3.9×10 、8.6×10 、2×10 、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なおバインダー樹脂のTHF不溶分有無は、分子量分布測定のTHF試料溶液作成時に判断される。すなわち、0.45μmのフィルターユニットをシリンジの先に取り付けて液をシリンジ内から押し出す際に、フィルター詰まりがなければTHF不溶分はないと判断される。
また、ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は、55〜70℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移点の測定は、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を用いて測定した。測定は、まず試料を約10mgのアルミ製試料容器に入れ、それをホルダーユニットに乗せ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブとベースラインとの接点から算出した。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては、分散指標(I)0.050〜0.065を満たすもののうち、感光体に帯電される電荷の正負に応じて正又は負の荷電制御剤を用いる。負の荷電制御剤としては、例えば電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料や有機酸の金属錯体を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(以上、オリエント化学工業社製)}、カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(以上、日本化薬社製)}、アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(以上、保土谷化学工業社製)}、FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(以上、藤倉化成社製)}等を用いることができる。また、正の荷電制御剤としては、例えばニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(以上、オリエント化学工業社製)、TP−302、TP−415、TP−4040(以上、保土谷化学工業社製)、コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(以上、ヘキスト社製)、FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(以上、藤倉化成社製)、PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(以上、四国化成工業社製)等を用いることができる。
特に、分散指標(I)0.050〜0.065に容易に満たすため、また、補給機構より補給されるトナーの帯電立ち上がり性が早い点や、トナーへのストレスが長期に渡って加わる使用環境下においても帯電量分布がシャープである観点から、サリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩化合物を用いることが好ましい。また、帯電制御剤の添加量は、トナー粒子に対して0.5〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜3.0重量%である。0.5重量%より少ないと一成分現像方式では特に長期間において帯電を保持することが難しい。5.0重量%より多いと樹脂中での帯電制御剤の分散性が悪化し易くなり長期間の使用において地肌汚れなどの品質劣化を招く。
(着色剤)
また、本発明のトナーの、他の構成材料を以下に示す。
本発明に用いられる着色剤としては公知の染料及び顔料が使用できる。例えば、ブラックトナーに用いる黒色系着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒等が使用できる。
イエロートナーに用いる黄色系着色材としては、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー等が使用できる。
マゼンタトナーに用いる赤色系着色剤としては、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ等が使用できる。
シアントナーに用いる青色系着色剤としてはコバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン等が使用できる。
その他の着色剤としては酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量%に対し0.1〜50重量%である。
特に着色剤については前記バインダー樹脂であらかじめ処理することにより、顔料のバインダー樹脂への分散性を高め、前記含有量で十分な着色力を得、トナーの透明性、発色性を高め、帯電制御をしやすくできる。樹脂による前処理はバインダー樹脂と着色剤を一定の割合で溶融混練し、粗粉砕したものである。混合比は一般に着色剤1重量%に対し樹脂1〜5重量%が望ましい。樹脂1重量%に対し、着色剤が1重量%未満では着色剤を十分分散させることができない。また着色剤1重量%にたいし樹脂5重量%より多くなると着色剤に分散力が働かず十分な分散ができない。2種以上の着色剤を用いる場合は個々で処理を行っても、またあらかじめ顔料を混合してから処理しても良い。
(ワックス)
製造されるトナーに離型性を持たせるために、トナーの中にワックスを含有させても良い。前記ワックスは、その融点が40〜120℃のものであり、特に50〜110℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方、融点が過小のときには耐オフセット性、耐久性が低下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
本発明に用いることができるワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
(外添剤)
本発明のトナーに用いる外添剤は、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸化物等の無機微粒子を用いることができる。具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
さらに、外添剤としては、有機微粒子を用いることができる。具体的には、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子を用いてもよい。
また、本発明のトナーに用いる外添剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えば、アルキル基、フッ化アルキル基等を含むことのあるシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等のカップリング剤、シリコーンオイル、高級脂肪酸、フッ素化合物などが好ましい表面処理剤として挙げられる。
特に、カップリング剤の一例であるシランカップリング剤は、疎水化度、流動性の向上のために使用される。具体的には、シランカップリング剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤等を使用することができ、さらに、アルコキシシランが好ましい。アルコキシシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等を使用することができ、さらに、フッ素を含有するシロキサン等を用いてもよい。
また、フッ素化合物としては、フッ素原子を有する有機ケイ素化合物が好ましく、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
さらに、高級脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸を挙げることができ、これら高級脂肪酸の金属塩を用いてもよい。具体的には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等が挙げることができる。
また、本発明のトナーでは、外添剤は、疎水性シリカ微粉末等の無機/有機微粒子をガラスビーズ等の混合媒体とともに混合機内で外添処理する乾式混合を用いる。外添剤の混合は一般の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤の添加は、最初又は途中で適宜添加する。混合機の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
(粉砕法)
本発明のトナーの製造方法は従来公知のいずれの方法でもよく、少なくともバインダー樹脂と着色剤と帯電制御剤を含むトナー原材料を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、得られた混練物を冷却粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また機械的に混合する工程や溶融混練する工程において、粉砕または分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を戻して再利用する製造方法も含まれる。
ここで言う製品となる粒子以外の粉末(副製品)とは溶融混練する工程後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子や引き続いて行われる分級工程で発生する所望の粒径の製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。このような副製品を混合工程や溶融混練する工程で原料と好ましくは主原材料100に対し副製品を1〜20重量%混合するのが好ましい。なお、この混合工程ではトナー原材料、特に帯電制御剤の分散径をできる限り小さく且つ均一に混ざるような適正な条件で行うことが重要である。その為には予め帯電制御剤を解砕してから混合しても良い。
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、バインダー剤樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温過ぎると分散が進まない。
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径例えば平均粒径が5〜20μmのトナーを製造する。
また、トナーを調製する際には、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナーにさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次添加剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、本発明のトナーを得る。
なお、本発明に係る現像装置では、上記のように製造されたトナーを、主に磁性キャリアを使用しない1成分系の非磁性トナーとして使用するが、この他に、トナー中に磁性成分を含有させ、1成分系の磁性トナーとして用いることも可能である。
以下、本発明について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。先ず、実施例、比較例で使用する現像装置(ホッパーを有する現像ユニットとトナーカートリッジから成る)の形態を示す。
次に実施例、比較例で使用する静電荷像現像用トナーを調製した。
<ポリエステル樹脂の合成>
[ポリエステル樹脂a]
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステル化触媒とともに加えた。
次いで、窒素雰囲気下、210℃で8時間反応させ、その後、210℃減圧にて攪拌しつつ5時間反応させて、[ポリエステル樹脂a]を合成した。[ポリエステル樹脂a]のガラス転移温度(Tg)は62℃、Mw/Mn比は5.1であった。
[ポリエステル樹脂b]
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、イソフタル酸515g、イソオクテニルコハク酸70g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸80gをエステル化触媒とともにフラスコに加えた以外は、[ポリエステル樹脂a]と同様の装置、同様の処方にて、反応時間をそれぞれ短縮して、[ポリエステル樹脂b]を合成した。
得られた[ポリエステル樹脂b]は、ガラス転移温度(Tg)61℃、Mw/Mn比2.7であった。
[ポリエステル樹脂c]
処方量については[ポリエステル樹脂b]と同様な処方で、他の合成方法については[ポリエステル樹脂a]と同様の方法により、[ポリエステル樹脂c]を合成した。得られた[ポリエステル樹脂c]は、ガラス転移温度(Tg)67℃、Mw/Mn比4.6であった。
(合成例1)
<原料組成>
結着樹脂:ポリエステル樹脂a 100質量%
着色剤:カーボンブラック 5質量%
帯電制御剤:ボントロンE−84(オリエント科化学工業社製) 2質量%
上記トナー材料をヘンシェルミキサー(三井三池社製)を用いて混合した後、ロール表面を100℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行った。その後、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕機(I−2式ミル:日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機:日本ニューマチック工業社製)を行い、重量平均粒径が7.0μmのブラックの[母体トナーA]を得た。
(合成例2)
混練工程の混練時間を60分にした以外は、合成例1と同様にして、[母体トナーB]を作製した。
(合成例3)
[ポリエステル樹脂b]100質量%に対し、帯電制御剤としてボントロンE−84を1.5質量%添加し、混練工程の混練時間を45分にした以外は合成例1と同様にして、[母体トナーC]を作製した。
(合成例4)
[ポリエステル樹脂c]100質量%に対し、帯電制御剤としてボントロンE−84を3.0質量%添加し、混練工程の混練時間を60分にした以外は合成例1と同様にして、[母体トナーD]を作製した。
(合成例5)
[ポリエステル樹脂c]100質量%に対し、帯電制御剤としてボントロンE−84を5.5質量%添加した以外は合成例1と同様にして[母体トナーE]を作製した。
(合成例6)
[ポリエステル樹脂b]100質量%に対し、帯電制御剤としてボントロンE−84を4.0質量%添加し、混練工程の混練時間を5分にした以外は合成例1と同様にして、[母体トナーF]を作製した。
(製造例1)
[母体トナーA]100質量%に対し、添加剤として疎水性シリカH−2000(クラ
リアントジャパン社製)を2.0質量%、及びRX−50(日本アエロジル社製)を1.0質量%添加し、ヘンシェルミキサーで混合して[トナーT1]を作製した。
(製造例2)
[母体トナーB]に、疎水性シリカH−3004を1.2質量%、及びRX−50を1.8質量%添加した以外は、製造例1と同様にして、[トナーT2]を作製した。
(製造例3)
[母体トナーC]に、添加剤として疎水性シリカH−3004を1.6質量%、及びRX−50を0.5質量%添加した以外は、製造例1と同様にして、[トナーT3]を作製した。
(製造例4)
[母体トナーD]に、添加剤として疎水性シリカH−2000を2.8質量%、及びRX−50を1.2質量%添加した以外は、製造例1と同様にして、[トナーT4]を作製した。
(製造例5)
[母体トナーE]に、添加剤として疎水性シリカH−2000を2.4質量%、及びH−3004を0.8質量%添加した以外は、製造例1と同様にして、[トナーT5]を作製した。
(製造例6)
[母体トナーF]に、添加剤として疎水性シリカH−2000を1.2質量%、及びRX−50を0.5質量%添加した以外は、製造例1と同様にして、[トナーT6]を作製した。
上述した[トナーT1]〜[トナーT6]の重量平均粒径、帯電制御剤の分散指標、凝集度、及びゆるみ見掛け密度を表1に示す。
なお、添加剤としては以下のものを用いた。
シリカ(H−2000、クラリアントジャパン社製)
シリカ(H−3004、クラリアントジャパン社製) シリカ(RX−50、日本アエロジル社製)
Figure 2008256968
(実施例1)
リコー製「IMAIO NEO C320」を用いてコピーテストを実施し、画像評価を行った。
実施例1では、トナーとして[トナーT1]を用いた。評価結果を表2に示す。
(実施例2〜実施例6)
実施例1において、トナーとして、表2に示す[トナーT2]〜[トナーT6]のいずれかを用いた以外は、実施例1と同様にして、画像評価を実施した。評価結果を表2に示す。
(比較例1〜比較例5)
実施例1において、トナーとして、表2に示す[トナーT1]〜[トナーT6]のいずれかを用いた以外は、実施例1と同様にして画像評価を実施した。評価結果を表2に示す。
以下に、実施例1〜6及び比較例1〜5における画像評価について、詳細を示す。コピーテストは、トナー補給を3回繰り返し、10万枚フルカラーモードで実施した。得られた画像の画質は、地肌汚れ、白スジ画像等の有無を目視で評価した。
<評価方法>
(1)地肌汚れ
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定した。コピーテスト開始直後、3回のトナー補給後、10万枚コピー実施後に評価した。
(2)白スジ、薄層形成性
コピーテスト開始直後と10万枚コピー実施後における現像剤担持体上トナーの薄層形成および白スジ画像の有無について、下記基準により評価した。
[評価基準]
○ :均一で良好な状態である。
△ :0.3mm未満幅の白スジが若干見られるが画像にはスジがはっきり出ない状態である。
× :0.3mm以上幅の白スジが発生し、画像にも白スジとしてはっきり画像が抜けている状態である。
(3)フィルミング
現像スリーブまたは感光体上のトナーフィルミング発生状況の有無を観察し、下記基準により評価した。
[評価基準]
○ :フィルミングがない。
△ :スジ状のフィルミングが見られる。
× :全体的にフィルミングがある。
Figure 2008256968
本発明に係わる第一の実施の形態を示す図である。 誤差データ(X)(トナー由来の炭素と帯電制御剤構成元素との同期分布の近似直線に対する各同期データの誤差)の関係を説明する模式図である。
符号の説明
11:トナー担持体
12:トナー供給部材
13:トナー攪拌部材
14:ケース
15:トナー層規制部材
16:トナー
17:ばね
24:電源
25:静電潜像担持体
26:帯電部材

Claims (4)

  1. 少なくとも、トナーを担持し回転しながら静電潜像担持体に接触もしくは近接し、静電潜像担持体表面にトナーを供給して前記静電潜像を可視化するトナー担持体と、該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材と、該トナー担持体表面のトナー層を薄層化するトナー層規制部材と、トナーとをケース内に有する現像装置において、前記トナー層規制部材は前記トナー担持体に弾力的に押圧され、前記トナーが前記トナー担持体とトナー層規制部材との間を通過するときに帯電される現像装置であり、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と帯電制御剤を混練/分散されてなるトナーであり、前記帯電制御剤が前記結着樹脂中に分散されており、パーティクルアナライザー測定により得られる前記帯電制御剤の前記結着樹脂中への分散指標(I)が0.050〜0.065の範囲であることを特徴とする現像装置。
    Figure 2008256968
  2. 前記トナーのトナー粒子内部および表面に存在する帯電制御剤が、サリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩化合物からなり、前記帯電制御剤の含有量は、トナー結着樹脂100重量部に対して、0.5〜5.0重量部であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 現像装置に用いられたトナーであって、該現像装置は、少なくとも、トナーを担持し回転しながら静電潜像担持体に接触もしくは近接し、静電潜像担持体表面にトナーを供給して前記静電潜像を可視化するトナー担持体と、該トナー担持体にトナーを供給するトナー供給部材と、該トナー担持体表面のトナー層を薄層化するトナー層規制部材と、トナーとをケース内に有し、前記トナー層規制部材は前記トナー担持体に弾力的に押圧され、前記トナーを、前記トナー担持体とトナー層規制部材との間を通過するときに帯電するものであり、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と帯電制御剤を混練/分散されてなるトナーであり、前記帯電制御剤が前記結着樹脂中に分散されており、パーティクルアナライザー測定により得られる前記帯電制御剤の前記結着樹脂中への分散指標(I)が0.050〜0.065の範囲であることを特徴とするトナー。
    Figure 2008256968
  4. 前記トナーのトナー粒子内部および表面に存在する帯電制御剤が、サリチル酸またはサリチル酸誘導体の金属塩化合物からなり、前記帯電制御剤の含有量は、トナー結着樹脂100重量部に対して、0.5〜5.0重量部であることを特徴とする請求項3記載のトナー。
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