JP2001011268A - 塩素含有樹脂組成物 - Google Patents

塩素含有樹脂組成物

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JP2001011268A
JP2001011268A JP2000076156A JP2000076156A JP2001011268A JP 2001011268 A JP2001011268 A JP 2001011268A JP 2000076156 A JP2000076156 A JP 2000076156A JP 2000076156 A JP2000076156 A JP 2000076156A JP 2001011268 A JP2001011268 A JP 2001011268A
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JP2000076156A
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Tsutomu Nosu
勉 野須
Hayao Matsushima
速雄 松島
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Kyowa Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形により発泡が起らず、熱安定性および耐
着色性に優れた塩素含有樹脂成形品を得ることが可能な
組成物を提供する。 【解決手段】(a)塩素含有樹脂に対して(b)カルシ
ウム含有水酸化物、(c)ハイドロタルサイト化合物
(d)β−ジケトン化合物またはジヒドロピリジン(あ
るいはそのオリゴマー)および(e)アルカリ土類金属
または亜鉛のカルボン酸塩または有機燐酸塩を一定割合
配合した塩素含有樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明が属する技術分野】本発明は、塩素含有樹脂の安
定化と共に水酸化カルシウム化合物による特有の初期着
色を防止した塩素含有樹脂組成物に関する。より詳細に
は発泡しない程度の少量のハイドロタルサイト類化合物
を併用することにより耐熱着色性を向上させた塩素含有
樹脂組成物に関する。
【従来の技術】塩素含有樹脂、とりわけ硬質塩化ビニル
系樹脂は、安価であり、従来より上下水道用パイプ、雨
樋、窓枠等の種々の用途で使われてきた。しかし、塩化
ビニル系樹脂は熱や光に対する安定性が悪く、そのため
従来より多くの安定剤が開発され使用されてきた。特
に、最近では環境安全性の観点から、安定剤としては安
価で優れた効果のある鉛系またはカドミウム系安定剤が
問題視されるようになり、環境安全面では有効なカルシ
ウム−亜鉛系安定剤が広い用途で使われるようになっ
た。しかしながら、塩化ビニル樹脂は加工時の熱安定性
が不十分であるため、ハイドロタルサイト類化合物を含
む無機系安定剤が併用されるようになって熱安定性は改
善されたものの、加工時の初期着色が強くなったり、発
泡の問題が起きるようになった。近時、塩化ビニル樹脂
などの塩素含有樹脂の熱安定性改良着色防止および発泡
防止のために種々の添加剤が提案されている。例えばカ
ルシウム系複合金属水酸化物、β−ジケトンおよび多価
アルコールを添加することが特開平06−316662
号公報に開示されている。しかしながら、これらを添加
した樹脂組成物におけるカルシウム系複合金属水酸化物
と多価アルコールの併用は、ジンクバーニング現象(亜
鉛に起因する劣化)を防止し黒化までの熱安定性におい
て満足であっても、加工時の初期着色による黄変が強
く、β−ジケトン等の着色防止剤を併用しても十分に効
果を上げることができない。また、多価アルコールは樹
脂との相溶性が悪く、ブリードアウトを起こし樹脂成型
品の外観をわるくするため、その配合量に大幅な制限を
強いられる。一方、亜鉛化合物、ハイドロタルサイト
類、ポリビニルアルコールおよびポリメチルメタクリレ
ートを添加した塩化ビニル樹脂組成物が特開平9−31
281号公報に開示されている。しかし、この樹脂組成
物において、亜鉛化合物、ポリビニルアルコールおよび
ハイドロタルサイト類の併用においても上記と同様な傾
向であり十分満足できる配合ではなく、ハイドロタルサ
イト類を多く添加すると樹脂成型品の発泡を起こすなど
の問題があった。ハイドロタルサイト類を添加した樹脂
組成物の発泡は、特に高温で加工する硬質塩化ビニル樹
脂成形品や塩素化塩化ビニル樹脂成形品で起り易く、例
えば硬質塩化ビニルのインジェクション成形および押出
し成形で問題となる。また、有機錫含有安定剤、水酸化
カルシウムなどの無機安定剤および微量のホウ酸を添加
して、初期着色を改善した塩素含有樹脂組成物が特開平
9−151286号公報に開示されている。この樹脂組
成物は、発泡は起り難いが、熱変形温度が低下し、成形
品の表面がべとつくブリードアウト現象を起こすことが
あった。
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の第1の
目的は、成形加工において発泡が実質的に起らない塩素
含有樹脂を提供することにある。本発明の第2の目的
は、加工時における初期着色性が改善された塩素含有樹
脂組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、
熱安定性に優れた塩素含有樹脂組成物を提供することに
ある。
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記本発明
の目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、カルシ
ウム含有水酸化物に、発泡しない程度の少量のハイドロ
タルサイト類、β−ジケトン類またはジヒドロキシピリ
ジン系の初期着色防止剤および特定の金属塩を併用する
ことにより、塩素含有樹脂組成物の初期着色性と熱安定
性を著しく改善することを見出した。本発明はかかる知
見に基づいて到達されたのであって、下記a〜e成分よ
りなる塩素含有樹脂組成物である。 (A)塩素含有樹脂(a成分)100重量部、(B)下
記式(1)で表されるカルシウム含有水酸化物(b成
分)0.1〜10重量部 Ca1-xx(OH)2 (1) (式中、MはMgおよび/またはZnを示し、xは0≦
x<0.5の範囲を示す)(C)下記式(2)で表され
るハイドロタルサイト化合物(c成分)0.1〜1.0重
量部 (M2+1-zAlz(OH)2(An-z/n・mH2O (2) (式中、M2+はMgまたは(Mg+Zn)を示し、但し
2+が(Mg+Zn)の場合、Mg>Znであり、zは
0<z<0.5の範囲を示し、An-はn価のアニオンを
示し、mは0≦m≦1の範囲を示す)(D)β−ジケト
ン化合物、ジヒドロピリジンおよびそのオリゴマーより
なる群から選ばれた少なくとも1種の化合物(d成分)
0.05〜1.0重量部および(E)アルカリ土類金属お
よび亜鉛のカルボン酸塩および有機燐酸塩よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の金属塩(e成分)0.1〜
5重量部。以下、本発明の塩素含有樹脂組成物について
さらに詳細に説明する。本発明のa成分としての塩素含
有樹脂としては、通称“硬質塩化ビニル樹脂”と称され
ている成形品に使用されているものである。a成分とし
ての樹脂はその樹脂を構成する単位中に塩素が含まれて
いるものであり、樹脂中の全塩素の含有量が30重量%
以上であるのが好ましく、50重量%以上であるのが特
に好ましい。塩素含有樹脂は、塩素を分子中に含むモノ
マーの重合によって得られたものであってもよく、樹脂
の塩素化に得られたものであってもよい。a成分の具体
例としては、ポリ塩化ビニルの他に、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−
プロピレン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合
体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−塩化
ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体、
および塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重
合体などが挙げられる。これらのうち、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデンおよび塩素化ポリ塩化ビニルが
a成分として好ましい。本発明の塩素含有樹脂組成物に
おいてb成分としてのカルシウム含有水酸化物は下記式
(1)で表される。 Ca1-xx(OH)2 (1) 前記一般式(1)において、MはMg、Znまたは(M
g+Zn)を示し、xは0≦x<0.5、好ましくは0.
01≦x≦0.2の範囲を示す。b成分は、具体的には
水酸化カルシウムの他に、水酸化カルシウムと同様の結
晶構造を有し、Caの一部がMg、Znまたは両者で置
換された固溶体が含まれる。またカルシウム含有水酸化
物は、一部不純物として水酸化マグネシウムまたは酸化
亜鉛が含有されていてもよい。前記一般式(1)におい
てMはZnである化合物は、MがMgである化合物に比
べて樹脂の着色抑制効果が大きい。これらカルシウム含
有水酸化物はその能力を十分発揮させるために微粒子で
あることが好ましく、レーザー光回折散乱法(マイクロ
トラック法)による平均粒子径が約0.1〜10μm、
好ましくは0.3〜5μm、BET比表面積が1m2/g
以上、好ましくは5m2/g以上、20m2/g以下のも
のが好ましく使用される。本発明で用いるカルシウム含
有水酸化物は、種々の方法で製造でき、例えば特開平6
−316662号公報に記載された公知の方法で得られ
たものが好適に使用される。また本発明で利用される水
酸化カルシウムは、天然に産する炭酸カルシウムを焼成
して得られる酸化カルシウムを水和した水酸化カルシウ
ムを用いることもできる。上記水酸化カルシウムまたは
カルシウム含有水酸化物は塩素含有樹脂(a成分)10
0重量部に対して0.1〜10重量部で、好ましくは0.
5〜5重量部である。0.1重量部未満では十分な安定
化効果は得られず、10重量部を越えると樹脂の色調や
機械的物性が損なわれる。本発明の塩素含有樹脂組成物
において、c成分としてのハイドロタルサイト化合物
は、下記式(2)で表される。 (M2+1-zAlz(OH)2(An-z/n・mH2O (2) (前記式(2)中、M2+はMgまたは(Mg+Zn)を
示し、但しM2+が(Mg+Zn)の場合、Mg>Znで
あり、zは0<z<0.5、好ましくは0.2≦z≦0.
4の範囲を示し、mは0≦m≦1、好ましくは0≦m≦
0.7の範囲を示す。また、An-はn価のアニオンを示
し、このアニオンとしてはCO3 2-、ClO4 -、HPO4
2-、HPO3 2-およびSO4 2-などが挙げられるが、これ
らのアニオンのうちCO3 2-が特に好ましい。上記ハイ
ドロタルサイト化合物は天然品でも合成品でも良いが、
合成品が好ましい。このハイドロタルサイト化合物はB
ET比表面積が5〜30m2/g、好ましくは6〜15
2/gの範囲のもの、レーザー光回折散乱法による平
均粒子径が5μm以下、特に0.2〜2μmの範囲が好
ましい。上記ハイドロタルサイト化合物は塩素含有樹脂
(a成分)100重量部に対して0.1〜1.0重量部、
好ましくは0.2〜0.5重量部である。0.1重量部未
満であると、着色防止効果が不十分で熱安定性も悪く、
1.0重量部を越えると塩素含有樹脂を加工中にその結
晶水または炭酸ガスによる発泡問題を起こすことがあ
る。本発明で用いるカルシウム含有水酸化物(b成分)
およびハイドロタルサイト化合物(c成分)は、そのま
ま用いることもできるが、本発明の効果をより一層発揮
させるために、例えば、シラン、チタンおよびアルミニ
ウム系カップリング剤、高級脂肪酸および燐酸エステ
ル、それらのアルカリ金属塩、多価アルコールと脂肪酸
のエステル類等で表面処理したものが好適に利用でき
る。この際表面処理方法は、水またはアルコールなどの
溶媒中にb成分またはc成分を懸濁させ、20℃〜80
℃に加温させる。その中に水またはアルコールなどの溶
媒に溶解した表面処理剤溶液を注加して後固液分離し、
洗浄して乾燥させる湿式方法、あるいはb成分またはc
成分の粉末を50℃〜150℃の温度で攪拌しながら、
前記表面処理剤溶液を注加する乾式方法が挙げられる。
次に本発明の塩素含有樹脂組成物に配合されるd成分に
ついて説明する。d成分としては、β−ジケトン化合
物、ジヒドロピリジンまたはそのオリゴマーが使用され
る。このβ−ジケトン化合物は、具体的には下記式
(3)で表される。 R1−CO−CHR2−CO−R3 (3) 前記一般式(3)においてR1およびR3は同一もしくは
異なり直鎖状または分岐状のアルキル基、アルケニル基
または脂環式基を示し、これらの基はいずれも炭素原子
数が30個までのものが好ましい。またR1とR3の合計
の炭素原子数は12〜30であるのが特に好ましい。R
2は水素原子、30個までの炭素原子を有するアルキル
基または30個までの炭素原子を有するアルケニル基が
好ましい。β−ジケトン化合物の具体例としては、デヒ
ドロ酢酸、デヒドロベンゾイル酢酸、2−ベンジルシク
ロヘキサン−1,3−ジオン、アセチルテトラロン、パ
ルミトイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−ア
セチル−シクロヘキサノン−1,3−ジオン、ベンゾイ
ルアセチルメタン、トリベンゾイルメタン、ステアロイ
ル・ベンゾイルメタン、パルミトイル・ベンゾイルメタ
ン、ジベンゾイルメタン、ステアロイル−4−メトキシ
ベンゾイルメタン、ベンゾイル・アセチル・エチルメタ
ン、ジステアロイルメタン、ステアロイル・アセチルメ
タン、ベンゾイル・フェニルアセチルメタン等が例示で
きる。また、これらβ−ジケトン化合物の金属塩、例え
ばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カ
ルシウム、亜鉛、アルミニウム等の金属塩を用いること
ができる。上記β−ジケトン化合物の中で、特に好まし
いのはステアロイル・ベンゾイルメタンおよびジベンゾ
イルメタンである。β−ジケトン化合物またはその金属
塩の使用量は塩素含有樹脂(a成分)100重量部に対
し0.05〜1重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部
である。0.05重量部未満であれば耐着色性が不十分
であり、1重量部を越えても効果はあまり改善できずむ
しろ熱安定性が悪くなる。d成分としては、ジヒドロピ
リジンまたはそのオリゴマーを使用することができる。
ジヒドロピリジンまたはそのオリゴマーは下記式(4)
で表すことができる。
【化2】 (前記式(4)中、R4およびR6は、同一または異な
り、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜
10のアルケニル基または炭素原子数6〜10のアリー
ル基(但しアリール基は、炭素原子数1〜18のアルキ
ル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい)を示
し、R5は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜1
8のアルキレン基を示す。この置換基としてはカルボキ
シル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜12のアルキ
ル基またはアルコキシ基が挙げられる。nは0〜20、
好ましくは0〜5の整数を示す。R4およびR6は、炭素
原子数1〜12のアルキル基が好ましく、R5は炭素原
子数1〜12のアルキレン基が好ましい) ジヒドロピリジンまたはそのオリゴマーの具体例として
は、ジヒドロ−1,4ジメチル−2,6ジカーボドデシル
オキシ−3,5ピリジンまたはジヒドロピリジンのオリ
ゴマーとしてイタリアのラゴール社製の“シネサール
M”が示される。ジヒドロピリジンおよびそのオリゴマ
ーは、塩素含有樹脂(a成分)100重量部に対し0.
05〜1重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部の範囲
であり、0.05重量部より少ないと着色防止効果が十
分でなくまた1重量部を越えても効果がそれほど高く成
らずコスト的にマイナスとなる。また、本発明に用いる
e成分としては、アルカリ土類金属および亜鉛のカルボ
ン酸塩または有機燐酸塩が使用される。アルカリ土類金
属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウムまたはバリウムが挙げられる。カルボン酸と
しては、炭素原子数2〜25、好ましくは5〜20の脂
肪族モノ−またはジ−カルボン酸;炭素原子数7〜2
0、好ましくは7〜15の芳香族モノ−またはジ−カル
ボン酸;炭素原子数7〜20、好ましくは7〜15の脂
環族モノ−またはジ−カルボン酸が好ましい。これらカ
ルボン酸の具体例としては、例えば、カプロン酸、カプ
リル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリ
ン酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステア
リン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール
酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン
酸、ベヘン酸、エルカ酸、安息香酸、エチル安息香酸、
イソプロピル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、トル
イル酸、キシリル酸、サリチル酸、ナフテン酸、5−第
三オクチルサリチル酸、シクロヘキサンカルボン酸、ア
ジピン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が
挙げられる。有機燐酸としては、燐酸の炭素原子数6〜
20の脂肪族、脂環族または芳香族のモノまたはジエス
テルが挙げられる。その例としては、モノまたはジオク
チル燐酸、モノまたはジドデシル燐酸、モノまたはジオ
クタデシル燐酸、モノまたはジ−(ノニルフェニル)燐
酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ス
テアリルエステル等が挙げられる。e成分としては、炭
素原子数が12以上の高級脂肪酸塩が、樹脂組成物の滑
性を高める効果もあるので特に好ましい。とりわけe成
分はカルシウムまたは亜鉛のカルボン酸塩、殊に亜鉛の
高級脂肪酸塩が好ましい。e成分は塩素含有樹脂100
重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2
重量部が望ましい。0.1重量部以下では熱安定性およ
び耐着色性共に不十分で、5重量部を越えると加工性に
問題が生じる。本発明の塩素含有樹脂組成物には、その
機械的特性を損なわない程度に他の樹脂を添加してもよ
く、また、塩素含有樹脂100重量部に対して0〜約5
重量部の可塑剤を添加してもよい。また、本発明の塩素
含有樹脂組成物には、通常用いれらている各種添加剤
を、例えば、フェノール系またはイオウ系酸化防止剤、
有機ホスファイト化合物、エポキシ化合物、多価アルコ
ール、そのエステル誘導体、紫外線吸収剤、ヒンダード
アミン系光安定剤、炭酸カルシウム、タルク等の充填
剤、ゼオライト化合物、無機系または有機系等の顔料、
チョーキング防止剤、発泡剤、滑剤、帯電防止剤、衝撃
改良剤、加工性改良剤、木粉等を樹脂特性を損なわない
程度に配合することもできる。また、本発明の塩素含有
樹脂組成物は、例えば、ロール加工、カレンダー加工、
押し出し成形加工、プレス加工等いずれの加工法にも適
用することができる。本発明の樹脂組成物は、窓枠、外
壁材、雨樋などの異形押し出し成形品の他に、パイプ、
継ぎ手、平板、波板、フィルム等の成形に好適に使用す
ることが出来る。
【実施例】本発明を実施例に基づきより詳細に説明する
が、本発明は下記の実施例によって制限を受けるもので
はない。カルシウム含有水酸化物およびハイドロタルサイト化合
物の調製; (1)サンプル1 1モル/LのCa(NO32水溶液0.9Lと1モル/
LのZn(NO32水溶液0.1Lを混合して、1Lの
混合水溶液を作成し30℃に加温する。次に2モル/L
のNa(OH)2水溶液1Lを3Lビーカに作成し30
℃に加温しながら、撹拌下に上記混合水溶液を20分で
滴下反応する。反応生成物をろ過、水洗後、得られたケ
ーキを1Lの水に分散させた。これを80℃迄加温し、
撹拌しながら、1gのステアリン酸ナトリウムを100
mlの温水に溶解した溶液を加え、表面処理を行った。
このものをろ過、水洗後、乾燥した。乾燥物について化
学組成分析、BET比表面積、マイクロトラック法によ
る粒度分布を測定した。結果を表1に示す。 (2)サンプル2 前記サンプル1の合成例において、Zn(NO32の代
わりに1モル/LのMg(NO32水溶液0.1Lを用
いた他は合成例1と同様にして乾燥物を得、分析を行っ
た。結果を表1に示す。 (3)サンプル3 2モル/LのNaOH水溶液1Lを3Lビーカに作成し
50℃に加温する。撹拌下に50℃に加温した1モル/
LのCaCl2水溶液1Lを10分で滴下反応させる。
反応生成物をろ過水洗し、得られたケーキを1Lの水に
分散させた。これを80℃まで加温し、撹拌しながら、
1gのラウリン酸ナトリウムを温水に溶解した溶液を加
え、表面処理を行った。このものをろ過水洗し、乾燥し
た。乾燥物について各分析を行い、結果を表1に示す。 (4)サンプル4 宇部マテリアルズ(株)の天然石灰石から得られた生石
灰の水和による水酸化カルシウム。分析結果を表1に示
す。 (5)サンプル5 塩化マグネシウム1モル/L水溶液300mlと塩化亜
鉛1モル/L水溶液100mlおよび塩化アルミニウム
1モル/L水溶液200mlを混合した混合溶液と、水
酸化ナトリウム2モル/L水溶液600mlと炭酸ナト
リウム1モル/L水溶液100mlを混合した混合溶液
を、あらかじめ水を張ってある反応層中に、撹拌下にp
H9.5となるように同時注下して反応物を得た。この
反応物をろ過水洗し、得られたケーキを1Lの水に分散
させ120℃で13時間水熱熟成した。冷却後取り出
し、80℃迄加温し、撹拌しながら、1gのラウリン酸
ナトリウムを温水に溶解した溶液を加え、表面処理を行
った。このものをろ過水洗し、乾燥した。乾燥物につい
て各分析を行い、結果を表1に示す。 (6)サンプル6 市販のハイドロタルサイト類(協和化学(株)DHT−
4A)を使用した (7)サンプル7 塩化マグネシウム1モル/L水溶液350mlと塩化ア
ルミニウム1モル/L水溶液150mlを混合した混合
溶液と、水酸化ナトリウム2モル/L水溶液500ml
と炭酸ナトリウム1モル/L水溶液75mlを混合した
混合溶液を、あらかじめ水を張ってある反応槽中に、攪
拌下にpH9.5となるように同時注下して反応物を得
た。この反応物を濾過水洗し、得られたケーキを2Lの
水に分散させ80℃まで加温し、攪拌しながら5gのス
テアリン酸を温水に溶解した溶液を加え、表面処理を行
った。このものを再び濾過水洗し乾燥したものをサンプ
ルとした。その結果を表1に示す。 (8)サンプル8 1モル/LのCaCl2水溶液800mlと1モル/L
のMgCl2水溶液100mlと1モル/LのZnCl2
水溶液100mlを混合して、1Lの混合水溶液を作成
し30℃に加温する。次に2モル/LのNaOH水溶液
1Lを3Lビーカに作成し30℃に加温しながら攪拌下
に上記混合溶液を20分で滴下反応する。反応後はサン
プル1と同様な処理を行い同様に分析した。その結果を
表1に示す。 (9)サンプル9 前記サンプル8の合成例において、1モル/LのCaC
2水溶液を330mlと1モル/LのMgCl2水溶液
を330mlと1モル/LのZnCl2水溶液を330
mlに変えた他はサンプル8と同様に行った。結果を表
1に示す。
【表1】 実施例1〜6および比較例1〜7下記配合組成により、
190℃で3分間8インチロールにて混練し、厚さ約
0.7mmの試験シートを作成した。なお、配合組成中
にはカルシウム含有水酸物(サンプルNo.1〜4およ
び8〜9)およびハイドロタルサイト化合物(サンプル
No.5〜7)が下記表2に示す量配合された。また配
合組成中KM−336PおよびPA−20はそれぞれ下
記のものを示す。またモンタン酸エステルはヘキスト社
の“WAX OP”を使用した。 KM−336P;呉羽化学工業株式会社製の対衝撃性強
化剤 “パラロイドKM−336P” (PARALOID) PA−20;鐘淵化学工業株式会社製の加工性改良剤 “カネエースPA−20” 得られたポリ塩化ビニルシートを4枚重ね厚さ約3mm
のプレス板耐熱試験(190℃)5分、15分および3
0分後の着色について評価した。また発泡性について
は、プレス耐熱試験片5分後の塩化ビニル板を3cm×
3cmサイズに切り1昼夜室内に放置後、200℃オー
ブン中に10分間放置し発泡の有無を目視により観察し
た。結果を表2に示した。配合組成; 塩化ビニル樹脂(重合度700) 100重量部 KM−336P(樹脂改質剤) 7重量部 PA−20(加工助剤) 1重量部 水添ひまし油 0.8重量部 モンタン酸エステル 0.4重量部 ステアリン酸カルシウム 0.5重量部 ステアリン酸亜鉛 0.6重量部 ジベンゾイルメタン 0.1重量部 * シ゛ヘ゛ンソ゛イルメタンに替えてシネサールM(実施例5) 0.1重量部 ** シ゛ヘ゛ンソ゛イルメタンおよびシネサールM不使用(比較例5) 0重量部 *** シ゛ヘ゛ンソ゛イルメタンに替えてシ゛ヒト゛ロ-1,4-シ゛メチル-2,6- シ゛カーホ゛ト゛テ゛シルオキシ-3,5-ヒ゜リシ゛ン(実施例6) 0.1重量部
【表2】
【発明の効果】本発明によれば、ハイドロタルサイト化
合物からの水分または炭酸ガスによる発泡を抑え、多価
アルコールを配合した場合と同様な耐ジンクバーニング
性を有し、且つ無毒性で加工性もよく、優れた熱安定性
と耐着色性を兼ね備えた塩素含有樹脂組成物を得ること
が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/098 C08K 5/098 5/3432 5/3432 5/52 5/52 C08L 101/04 C08L 101/04 //(C08L 27/04 67:02) Fターム(参考) 4J002 BD041 BD051 BD061 BD071 BD081 BD101 BD181 CF132 DE076 DE077 DE086 DE106 DE107 DE147 EE048 EG039 EG049 EU048 EW049 FA086 FB076 FB077 FB086 FB087 FD010 FD036 FD037 FD038 FD039 FD040 FD050 FD068 FD069 FD070 FD090 4J029 AA03 AB07 AC01 AD01 AE18 BA01 BE01 BE07 CH01 DA14

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)塩素含有樹脂(a成分)100重
    量部、(B)下記式(1)で表されるカルシウム含有水
    酸化物(b成分)0.1〜10重量部 Ca1-xx(OH)2 (1) (式中、MはMgおよび/またはZnを示し、xは0≦
    x<0.5の範囲を示す)(C)下記式(2)で表され
    るハイドロタルサイト化合物(c成分)0.1〜1.0重
    量部 (M2+1-zAlz(OH)2(An-z/n・mH2O (2) (式中、M2+はMgまたは(Mg+Zn)を示し、但し
    2+が(Mg+Zn)の場合、Mg>Znであり、zは
    0<z<0.5の範囲を示し、An-はn価のアニオンを
    示し、mは0≦m≦1の範囲を示す)(D)β−ジケト
    ン化合物、ジヒドロピリジンおよびそのオリゴマーより
    なる群から選ばれた少なくとも1種の化合物(d成分)
    0.05〜1.0重量部および(E)アルカリ土類金属お
    よび亜鉛のカルボン酸塩および有機燐酸塩よりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の金属塩(e成分)0.1〜
    5重量部よりなる塩素含有樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 a成分は、塩素含有量が30重量%以上
    である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 a成分は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
    ニリデンまたは塩素化ポリ塩化ビニルである請求項1記
    載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 b成分は、0.1〜10μmの平均粒径
    を有する請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 b成分は、一般式(1)においてxが
    0.01≦x≦0.2の範囲である請求項1記載の樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 b成分は、a成分100重量部当たり、
    0.5〜5重量部の割合である請求項1記載の樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 c成分は、0.2〜2μmの平均粒径を
    有する請求項1記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 c成分は、一般式(2)においてAn-
    炭酸アニオン(CO 3 2-)である請求項1記載の樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】 c成分は、一般式(2)において、zが
    0.2≦z≦0.4の範囲である請求項1記載の樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 c成分は、a成分100重量部当た
    り、0.2〜0.5重量部の割合である請求項1記載の樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】 d成分は、下記一般式(3) R1−CO−CHR2−CO−R3 (3) (式中、R1およびR3は、同一または異なり、それぞれ
    30個までの炭素原子を有する直鎖状または分岐状のア
    ルキル基、アルケニル基、アリール基または脂環式基を
    示し、R2は水素原子、それぞれ30個までの炭素原子
    を有するアルキル基またはアルケニル基を示す)で表さ
    れるβ−ジケトン化合物である請求項1記載の樹脂組成
    物。
  12. 【請求項12】 d成分は、下記一般式(4) 【化1】 (式中、R4およびR6は、同一または異なり、炭素原子
    数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜10のアルケ
    ニル基または炭素原子数6〜10のアリール基(但しア
    リール基は、炭素原子数1〜18のアルキル基またはア
    ルコキシ基で置換されていてもよい)を示し、R5は置
    換基を有していてもよい炭素原子数1〜18のアルキレ
    ン基を示す。nは0〜20の整数を示す)で表されるジ
    ヒドロピリジンまたはそのオリゴマーである請求項1記
    載の樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 d成分は、a成分100重量部当た
    り、0.1〜0.5重量部の割合である請求項1記載の樹
    脂組成物。
  14. 【請求項14】 e成分は、亜鉛のカルボン酸塩である
    請求項1記載の樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 e成分は、a成分100重量部当た
    り、0.2〜2重量部の割合である請求項1記載の樹脂
    組成物。
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