JP2001011188A - 芳香族含ケイ素ポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

芳香族含ケイ素ポリマーおよびその製造方法

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JP2001011188A
JP2001011188A JP11184763A JP18476399A JP2001011188A JP 2001011188 A JP2001011188 A JP 2001011188A JP 11184763 A JP11184763 A JP 11184763A JP 18476399 A JP18476399 A JP 18476399A JP 2001011188 A JP2001011188 A JP 2001011188A
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Toru Masatomi
亨 正富
Hideki Kobayashi
秀樹 小林
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08G77/48Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule in which at least two but not all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主鎖が、3個以上の芳香族6員環と1個以上
の窒素原子を含有する有機基と、ケイ素原子から構成さ
れる新規な芳香族含ケイ素ポリマーおよびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 主鎖が、一般式(F1): 【化1】 [式中、Aは3個以上の芳香族6員環と1個以上の窒素
原子を含有する二価有機基であり、Bは炭素原子数2〜
6のアルキレン基であり、R1は脂肪族不飽和結合を含
まない非置換もしくはハロゲン置換の炭素原子数1〜1
0の一価炭化水素基であり、R2は非置換もしくはアル
コキシ基置換の炭素原子数2〜10の二価炭化水素基ま
たはアルキレンオキシアルキレン基である。xは1以上
の整数であり、yおよびzは0以上の整数であるが、
(y+z)は2以上である。]で表され、分子量が1,0
00,000以下であることを特徴とする芳香族含ケイ
素ポリマーおよびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な芳香族含ケイ
素ポリマーおよびその製造方法に関し、詳しくは、芳香
族アミノ基のような電荷輸送性基を有する新規な芳香族
含ケイ素ポリマーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、主鎖がケイ素原子と複数の芳香環
から構成されるポリマーとしては、例えば、式:
【化6】 で表される化合物が知られている(High Temperature S
iloxane Elastomers, p.113〜p.120)。しかしながらケ
イ素原子間が、複数の芳香環と窒素原子を含有する有機
基により結合しているポリマーは知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは鋭意研究
した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の目的
は、主鎖が、3個以上の芳香族6員環と1個以上の窒素
原子を含有する有機基と、ケイ素原子から構成される新
規な芳香族含ケイ素ポリマーおよびその製造方法を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、主鎖が、一般
式(F1):
【化7】 [式中、Aは下記式から選択される二価有機基であり
【化8】 (式中、R3およびR4は置換もしくは非置換の二価炭化
水素基であり、R5は置換もしくは非置換の一価炭化水
素基であり、R6は置換もしくは非置換の三価炭化水素
基であるが、これらの内の少なくとも1つは芳香族炭化
水素環を含有する基であり、かつ、上記A中には合計3
個以上の芳香族6員環が存在している。)、Bは炭素原
子数2〜6のアルキレン基であり、R1は脂肪族不飽和
結合を含まない非置換もしくはハロゲン置換の炭素原子
数1〜10の一価炭化水素基であり、R2は非置換もし
くはアルコキシ基置換の炭素原子数2〜10の二価炭化
水素基またはアルキレンオキシアルキレン基である。x
は1以上の整数であり、yおよびzは0以上の整数であ
るが、(y+z)は2以上である。]で表され、重量平均
分子量が1,000,000以下であることを特徴とする
芳香族含ケイ素ポリマーおよびその製造方法に関する。
【0005】
【発明の実態の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の芳香族含ケイ素ポリマーについて説明す
る。本発明の芳香族含ケイ素ポリマーは、主鎖が、一般
式(F1):
【化9】 で表される高分子化合物である。上式中、Aは3個以上
の芳香族6員環と1個以上の窒素原子を有する二価有機
基であり、下記式で示される基から選択される。
【化10】 上式中、R3およびR4は置換もしくは非置換の二価炭化
水素基であり、R5は置換もしくは非置換の一価炭化水
素基であり、R6は置換もしくは非置換の三価炭化水素
基であるが、これらの内の少なくとも1つは芳香族炭化
水素環を含有する基であり、かつ、上記A中には合計3
個以上の芳香族6員環が存在していることが必要であ
る。このような炭化水素基としては、R3,R4がアリー
レン基であり、R5がアリール基であり、R6が芳香族炭
化水素環を含む基であるような、R3 〜R6のそれぞれが
芳香族6員環を含有していることが好ましい。また、こ
れらR3〜R6中の芳香環の水素原子の一部が、ハロゲン
原子,アルコキシ基,メチル基、エチル基等のアルキル
基などで置換されていてもよい。尚、本発明において、
ナフタレンは芳香族6員環を2個有するとみなされる。
このAで示される二価有機基としては、電荷輸送性基と
して知られているものが好ましい。本発明でいう電荷輸
送性とは電荷を輸送する能力のことであり、Aで示され
る電荷輸送性基としては、そのイオン化ポテンシャルが
6.2eV以下であるものが好ましく、特には4.5〜
6.2eVの範囲であるものが好ましい。これは、イオ
ン化ポテンシャルが6.2eVを越えると電荷注入が起
こりにくくなって帯電し易くなり、また、4.5eV未
満ではポリマーが容易に酸化されるために劣化し易くな
るためである。尚、イオン化ポテンシャルは、大気下光
電子分析法(理研計器製、表面分析装置AC−1)によ
って測定することができる。このようなAで表される二
価有機基として具体的には、イミダゾール誘導体,トリ
フェニルアミン等のトリアリールアミン誘導体,9−
(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン誘導体,
1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロ
パン誘導体等、下記式で表される基が例示される。下記
式中、Meはメチル基であり、Etはエチル基であり、
Buはブチル基であり、Prはプロピル基であり、Ph
はフェニレン基を意味する。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】 Bは炭素原子数2〜6のアルキレン基であり、具体的に
は、エチレン基,メチルエチレン基,エチルエチレン
基,プロピルエチレン基,ブチルエチレン基,プロピレ
ン基,ブチレン基,1−メチルプロピレン基,ペンチレ
ン基,ヘキシレン基等の直鎖状もしくは分岐鎖状のアル
キレン基が例示される。これらの中でも、エチレン基,
プロピレン基,ブチレン基,ヘキシレン基が好ましい。
1は脂肪族不飽和結合を含まない非置換もしくはハロ
ゲン置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であ
り、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブ
チル基,ペンチル基,ヘキシル基等のアルキル基;フェ
ニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基;ベンジ
ル基,フェネチル基等のアラルキル基;トリフルオロプ
ロピル基,ノナフルオロヘキシル基,ヘプタデカフルオ
ロオクチル基等のフッ化炭化水素基が例示されるが、こ
れらの中でもメチル基またはフェニル基が好ましい。R
2は非置換もしくはアルコキシ基置換の炭素原子数2〜
10の二価炭化水素基またはアルキレンオキシアルキレ
ン基である。二価炭化水素基としては、エチレン基,メ
チルエチレン基,エチルエチレン基,プロピルエチレン
基,ブチルエチレン基,プロピレン基,ブチレン基,1
−メチルプロピレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基等
の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基;p−フェニ
レン基,m−フェニレン基,o−フェニレン基,2−メチ
ル−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェ
ニレン基、2−エトキシ−1,4−フェニレン基等のフ
ェニレン基が例示される。アルキレンオキシアルキレン
基としては、エチレンオキシエチレン基が例示される。
これらの中でもRは、エチレン基またはp−フェニレン
基であることが好ましい。xは1以上の整数であり、y
およびzは0以上の整数であるが、(y+z)は2以上で
ある。また、(x+y+z)はこの芳香族含ケイ素ポリ
マーの重量平均分子量が1,000,000以下となるよ
うな数であることが必要である。具体的には、xは1〜
2000の範囲であることが好ましく、2〜1000の
範囲であることがより好ましい。yは2〜2000の範
囲であることが好ましく、2〜1000の範囲であるこ
とがより好ましい。zは、通常、0〜1000の範囲であ
る。
【0006】本発明の芳香族含ケイ素ポリマーの分子鎖
末端は特に限定されないが、例えば、水素原子,水酸基
やアルコキシ基等の加水分解性基,置換もしくは非置換
の一価炭化水素基,式:R7 3−Si−(Q)p−(式中、
7は水素原子,加水分解性基,置換もしくは非置換の
一価炭化水素基であり、pは0または1であり、Qは酸
素原子または置換もしくは非置換の二価炭化水素基であ
る。尚、R7は同一でも異種でもよい。)で示されるシ
リル基が挙げられる。またこの芳香族含ケイ素ポリマー
の重量平均分子量は、通常、1,000〜1,000,0
00の範囲であり、5,000〜500,000の範囲で
あることが好ましい。
【0007】このような本発明の芳香族含ケイ素ポリマ
ーの具体例としては、下記式で示される化合物が挙げら
れる。下記式中、Phはp−フェニレン基を表し、Me
はメチル基を表している。
【化24】
【化25】
【0008】次に、本発明の芳香族含ケイ素ポリマーの
製造方法について説明する。本発明の製造方法は、ヒド
ロシリル化反応用触媒の存在下、一般式(F2):B1
−A−B1(式中、Aは前記と同じであり、B1は炭素原
子数2〜6のアルケニル基である。)で示される芳香族
化合物に、一般式(F3):
【化26】 (式中、R1およびR2は前記と同じである。)で表され
る有機ケイ素化合物、または、一般式(F4):
【化27】 (式中、Wは水素原子もしくは炭素原子数2〜6のアル
ケニル基であり、R1は前記と同じである。)で表され
るジシロキサン化合物を付加重合することを特徴とす
る。尚、このとき、上記式(F3)の有機ケイ素化合物
と上記式(F4)のジシロキサン化合物の両者を付加重
合させてもよい。
【0009】本発明の製造方法に使用される芳香族化合
物は、一般式(F2):B1−A−B1で示される。この
式中、B1は炭素原子数2〜6のアルケニル基であり、
具体的には、ビニル基,アリル基,5−ヘキセニル基が
例示される。Aは前記と同じである。このような芳香族
化合物としては、下記式で示される化合物が例示され
る。
【化28】
【0010】本発明の製造方法に使用される一般式(F
3):
【化29】 で表される有機ケイ素化合物において、式中、R1およ
びR2は前記と同じである。この有機ケイ素化合物の具
体例としては、下記式で示される化合物が挙げられる。
下記式中、Phはp−フェニレン基を表し、Meはメチ
ル基を表し、C65はフェニル基を表す。
【化30】
【0011】本発明の製造方法に使用される一般式(F
4):
【化31】 で表されるジシロキサン化合物において、式中、Wは水
素原子または炭素原子数2〜6のアルケニル基であり、
1は前記と同じである。このジシロキサン化合物の具
体例としては、下記式で示される化合物が挙げられる。
下記式中、Meはメチル基を表し、C65はフェニル基
を表す。
【化32】
【0012】本発明の製造方法に使用されるヒドロシリ
ル化反応用触媒としては、担持型もしくは非担持型の白
金系触媒が好ましく、具体的には、白金黒,白金担持の
シリカ微粉末,白金担持のカーボン粉末,塩化白金酸,
塩化白金酸のアルコール溶液,白金とビニルシロキサン
との錯体,白金とオレフィンとの錯体が例示される。ま
たその添加量は、白金金属量として0.1〜2000p
pmとなるような量が好ましい。尚、使用後の白金系触
媒は、活性炭,シリカゲル,アミノシラン処理シリカゲ
ル,メルカプトシラン処理シリカゲル等を添加混合して
吸着させた後、ろ過により除去することができる。
【0013】さらに本発明の製造方法には、一般式(F
5):
【化33】 (式中、R1,R2およびB1は前記と同じである。)で
表される有機ケイ素化合物を加えて、前記した各化合物
と共に付加重合させてもよい。この有機ケイ素化合物と
しては、下記式で表される化合物が挙げられる。下記式
中、Meはメチル基を表し、C64はp−フェニレン基
を表す。
【化34】
【0014】また、本発明の製造方法には、重合停止剤
として、アルコキシ基とケイ素原子結合水素原子を有す
る有機ケイ素化合物、または、アルコキシ基と炭素原子
数2〜6のアルケニル基を有する有機ケイ素化合物を用
いることが好ましい。このような重合停止剤としては、
下記式で示されるシラン化合物が例示される。下記式
中、Meはメチル基を表し、Viはビニル基を表す。 HSi(OMe)3 HSi(OC253 HMeSi(OMe)2 HMeSi(OC252 HMe2SiOMe ViSi(OMe)3 ViSi(OC253 ViMeSi(OMe)2 ViMeSi(OC252 ViMe2SiOMe CH2=CHCH2Si(OMe)3 CH2=CHCH2Si(OC253 CH2=CHCH2SiMe(OMe)2 CH2=CH(CH24SiMe(OC252 CH2=CH(CH24SiMe(OMe)2 CH2=CH(CH24Si(OMe)3
【0015】本発明の製造方法において各成分の投入順
序は任意であるが、付加重合にあたり、各成分を有機溶
剤の溶液としてから混合して反応させてもよい。使用で
きる有機溶剤としては、例えば、ベンゼン,トルエン,
キシレンなどの芳香族系溶剤;シクロヘキサン,メチル
シクロヘキサン,ジメチルシクロヘキサンなどの脂肪族
系溶剤;トリクロロエチレン,1,1,1−トリクロロエ
タン,四塩化炭素,クロロホルムなどの塩素系溶剤;ヘ
キサン,工業用ガソリンなどの脂肪族飽和炭化水素系溶
剤;ジエチルエーテル,テトラヒドロフランなどのエー
テル類;メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;
α,α,α−トリフルオロトルエン,ヘキサフルオロキシ
レンなどのフッ素系溶剤;ヘキサメチルジシロキサン,
ヘキサメチルシクロトリシロキサン,オクタメチルシク
ロテトラシロキサンなどの揮発性シリコーンが挙げられ
る。有機溶剤を配合する際には、本発明の芳香族含ケイ
素ポリマーが5〜90重量%となるような量を配合する
のが好ましい。
【0016】以上のような本発明の芳香族含ケイ素ポリ
マーは、主鎖が、3個以上の芳香族6員環と1個以上の
窒素原子を含有する電荷輸送性基と、ケイ素原子が結合
した構造を有する。この電荷輸送性を利用して、本発明
のポリマーは多くの用途に使用することができ、例え
ば、帯電防止用途、感光性センサー、光劣化性ポリマー
として有用である。また本発明の芳香族含ケイ素ポリマ
ーは直鎖状なので、製造時における分子量の調節が容易
であるという利点を有する。さらにこのポリマーは主鎖
が剛直であり、通常、室温下で固体状の性質を示す一方
で、多くの有機溶媒に溶解するため、有機溶剤に溶解さ
せた溶液をキャストして乾燥することにより、各種基材
表面に硬い皮膜を形成し得るという特徴を有する。特
に、分子鎖末端にアルコキシ基を有する本発明の芳香族
含ケイ素ポリマーは、基材表面と高密度に架橋して高硬
度の皮膜を形成するので、各種コーテイング剤として有
用である。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。実施例中、Meはメチル基を表している。
【0018】
【実施例1】撹拌機,温度計,冷却機を備えたフラスコ
に、式:
【化35】 で表される1,4−ビス(ジメチルシリル)フェニレン
0.8g(4ミリモル)とトルエン2gを投入し、これ
らを40〜50℃で撹拌しながら、白金とジビニルテト
ラメチルジシロキサンとの錯体溶液を系中の白金金属自
体の含有量が30ppmとなるような量添加した。次いで
これに、式:
【化36】 で表される化合物2.1g(4ミリモル)とトルエン8
gの混合液を滴下して、6時間攪拌して付加重合を行っ
た。その後、減圧下で揮発分を除去して、室温で固形の
反応生成物2.7gを得た。この反応生成物の収率は9
4%であった。このようにして得られた反応生成物を、
トルエンを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(以下、GPC)、フーリエ変換赤外線分光分
析(以下、FT−IR)、13C−核磁気共鳴スペクトル
分析(以下、13C−NMR)および29Si−核磁気共鳴
スペクトル分析(以下、29Si−NMR)により分析し
たところ、下記構造式で表される芳香族含ケイ素ポリマ
ーであることが判明した。
【化37】
【0019】
【実施例2】撹拌機,温度計,冷却機を備えたフラスコ
に、式:
【化38】 で表される1,4−ビス(ジメチルシリル)フェニレン
1.7g(8.7ミリモル)とトルエン3gを投入し、
これらを50℃で撹拌しながら、白金とジビニルテトラ
メチルジシロキサンとの錯体溶液を系中の白金金属自体
の含有量が30ppmとなるような量添加した。次いでこ
れに、式:
【化39】 で表される化合物4.27g(7.9ミリモル)とトル
エン10gの混合液を滴下して2時間加熱した。続いて
ビニルトリメトキシシラン0.43g(2.9ミリモ
ル)を投入して、さらに1時間加熱した。その後、減圧
下で揮発分を除去して、室温で固形の反応生成物6gを
得た。この反応生成物の収率は94%であった。このよ
うにして得られた反応生成物を、GPC、FT−IR,
13C−NMRおよび29Si−NMRにより分析したとこ
ろ、この反応生成物は下記構造式で示される芳香族含ケ
イ素ポリマーであることが判明した。
【化40】
【0020】
【発明の効果】本発明の芳香族含ケイ素ポリマーは、主
鎖が、3個以上の芳香族6員環と1個以上の窒素原子を
含有する有機基と、ケイ素原子から構成される新規な化
合物であり、このポリマーは電荷輸送性であるという特
徴を有する。また本発明の製造方法は、このような芳香
族含ケイ素ポリマーを生産性よく合成できるという特徴
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例1で得られた芳香族含ケイ素ポ
リマーの29Si−NMRのスペクトルチャートである。
【図2】 図2は実施例1で得られた芳香族含ケイ素ポ
リマーの13C−NMRのスペクトルチャートである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖が、一般式(F1): 【化1】 [式中、Aは下記式から選択される二価有機基であり 【化2】 (式中、R3およびR4は置換もしくは非置換の二価炭化
    水素基であり、R5は置換もしくは非置換の一価炭化水
    素基であり、R6は置換もしくは非置換の三価炭化水素
    基であるが、これらの内の少なくとも1つは芳香族炭化
    水素環を含有する基であり、かつ、上記A中には合計3
    個以上の芳香族6員環が存在している。)、Bは炭素原
    子数2〜6のアルキレン基であり、R1は脂肪族不飽和
    結合を含まない非置換もしくはハロゲン置換の炭素原子
    数1〜10の一価炭化水素基であり、R2は非置換もし
    くはアルコキシ基置換の炭素原子数2〜10の二価炭化
    水素基またはアルキレンオキシアルキレン基である。x
    は1以上の整数であり、yおよびzは0以上の整数であ
    るが、(y+z)は2以上である。]で表され、重量平均
    分子量が1,000,000以下であることを特徴とする
    芳香族含ケイ素ポリマー。
  2. 【請求項2】 Aが電荷輸送性基である請求項1記載の
    芳香族含ケイ素ポリマー。
  3. 【請求項3】 一般式(F2):B1−A−B1 [式中、Aは下記式から選択される二価有機基であり 【化3】 (式中、R3およびR4は置換もしくは非置換の二価炭化
    水素基であり、R5は置換もしくは非置換の一価炭化水
    素基であり、R6は置換もしくは非置換の三価炭化水素
    基であるが、これらの内の少なくとも1つは芳香族炭化
    水素環を含有する基であり、かつ、上記A中には合計3
    個以上の芳香族6員環が存在している。)、B1は炭素
    原子数2〜6のアルケニル基である。]で示される芳香
    族化合物に、一般式(F3): 【化4】 (式中、R1は脂肪族不飽和結合を含まない非置換もし
    くはハロゲン置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素
    基であり、R2は非置換もしくはアルコキシ基置換の炭
    素原子数2〜10の二価炭化水素基またはアルキレンオ
    キシアルキレン基である。)で表される有機ケイ素化合
    物、または、一般式(F4): 【化5】 (式中、R1は脂肪族不飽和結合を含まない非置換もし
    くはハロゲン置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素
    基であり、Wは水素原子または炭素原子数2〜6のアル
    ケニル基である。)で表されるジシロキサン化合物を、
    ヒドロシリル化反応用触媒存在下に付加重合することを
    特徴とする、請求項1に記載の芳香族含ケイ素ポリマー
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルコキシ基とケイ素原子結合水素原子
    を有する有機ケイ素化合物、または、アルコキシ基と炭
    素原子数2〜6のアルケニル基を有する有機ケイ素化合
    物を重合停止剤として用いる、請求項3に記載の芳香族
    含ケイ素ポリマーの製造方法。
  5. 【請求項5】 Aが電荷輸送性基である請求項3または
    請求項4に記載の芳香族含ケイ素ポリマーの製造方法。
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