JP2001010888A - ガス発生剤組成物 - Google Patents

ガス発生剤組成物

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JP2001010888A JP11176387A JP17638799A JP2001010888A JP 2001010888 A JP2001010888 A JP 2001010888A JP 11176387 A JP11176387 A JP 11176387A JP 17638799 A JP17638799 A JP 17638799A JP 2001010888 A JP2001010888 A JP 2001010888A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車などに使用されるエアバッグ、プリテン
ショナーとして理想的な燃焼特性、燃焼ガスを実現する
ガス発生剤組成物を提供すること。 【解決手段】蓚酸換算で0.5〜10重量%の蓚酸金属
塩を必須成分とし、燃料成分として含窒素有機化合物を
25〜60重量%、酸化剤を30〜70重量%含有する
ガス発生剤組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアバッグを膨張さ
せるために燃焼してガス成分を供給するガス発生剤組成
物、及びその製造法に関する。更に詳細には、自動車、
航空機等に搭載される人体保護を目的としたエアバッグ
システムにおいて作動ガスとなるガス発生剤組成物にあ
って、良好な燃焼性、燃焼ガスを提供する新規なガス発
生剤組成物、及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】これま
でエアバッグ用ガス発生剤は、アジ化ナトリウム、アジ
化カリウムに代表されるアジ化金属を主成分とするもの
が一般的であり、このガス発生剤は瞬時に燃焼し、且つ
燃焼ガス成分が実質的に窒素のみであり、COやNOx
等の有害ガス成分を発生させないこと、及び熱安定性に
優れていることなどの利点から多用されてきた。しかし
ながら、アジ化ナトリウム自体に毒性、及び不純物存在
下で不安定性という問題が存在し、ガス発生剤の製造
上、或いは未作動のガス発生器を廃棄処理する段階で種
々の問題点を生じ、アジ化ナトリウムを使用しない非ア
ジ化系ガス発生剤の開発が求められている。そこでアジ
化金属に代わるものとして、特開平3−208878、
特開平5−213687、特開平5−254977、特
開平6−227884、特開平7−206570等に
は、燃料成分にテトラゾール類、グアニジン誘導体、ア
ゾジカルボンアミド等を用いる例が開示されている。し
かしながら、これらはいずれも燃料成分の毒性上の問題
点を回避しただけで、エアバッグ用ガス発生剤に要求さ
れる良好な燃焼特性、無害な燃焼ガス、耐環境性等の必
要不可欠な性能のすべてを満足するものではない。エア
バッグシステムは衝突をセンサーで感知し、数十ミリ秒
で作動を完了させなければならない。したがって、エア
バッグ用ガス発生剤はガス発生器内において適度な燃焼
速度を示すことが必要であり、速すぎても遅すぎても不
適当となる。ガス発生剤組成物において燃焼速度を左右
する要因としては、1)燃料成分と酸化剤成分の組み合
わせ方、及び2)燃焼触媒の有無等が挙げられる。燃料
成分と酸化剤の組み合わせ方で、燃焼速度を上げる方策
としては、反応性の高い燃料成分、例えばトリアミノグ
アニジン硝酸塩、ニトロテトラゾール等、或いは反応性
の高い酸化剤、例えば塩素酸塩、過塩素酸塩を用いるの
が一般的である。しかしながら、これらの組成物は火薬
の燃焼速度を表すr=aP(rは燃焼速度、Pは圧
力、aはガス発生剤組成物に依存する定数、nは圧力指
数)のうち、aとnが大きく、燃焼速度を十分に制御す
ることが出来ない。一方、燃焼触媒により燃焼速度を改
善した例は、特開平6−32690、特開平6−227
884、特開平6−239683、特開平8−1248
2、特開平8−151288、特開平8−16979
2、特開平9−87079、特開平10−72273等
に開示されている。これらは何れも金属酸化物、酸化性
無機塩を用いるものであり、燃焼触媒自体は作動ガスと
しては全く寄与しない。また、特開平10−15808
6では金属炭酸塩を用いた例が開示されているが、ガス
発生剤の燃焼触媒としては満足いくものでははい。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の問題
点を解決すべく鋭意研究をかさねた結果、エアバッグ用
ガス発生剤の燃焼触媒として蓚酸金属塩が優れているこ
とを見出し、本発明に至ったものである。即ち、本発明
は蓚酸換算で0.5〜10%の蓚酸金属塩を必須成分と
し、燃料成分として含窒素有機化合物を25〜60重量
%、酸化剤を30〜70重量%含み、これら含窒素有機
化合物、及び酸化剤は少なくとも1種以上が固結防止剤
を0.1〜10重量%含有させて、個数基準50%平均粒
径で80μmよりも細かく調整されたものであり、更に
は、成形用助剤を0.1〜10%含有するガス発生剤組
成物に関するものである。本発明によれば、作動ガスを
減少させることなく適度な燃焼速度を有するガス発生剤
組成物を提供することができる。更に、燃焼ガス中の有
害成分も少ないという特徴がある。
【0004】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明のガス発生剤は蓚酸金属塩を必須成分と
し、燃料成分として含窒素有機化合物、酸化剤を含み、
更には成形用バインダーを含有する。
【0005】先ず本発明に必須成分の蓚酸金属塩につい
て説明する。本発明に用いる蓚酸金属塩は蓚酸換算で
0.5〜10重量%含有されていることが好ましい。特
に好ましくは2〜8重量%である。蓚酸金属塩としては
蓚酸銅、蓚酸コバルト、蓚酸鉄、蓚酸ニッケル、蓚酸マ
ンガンが好ましい。蓚酸金属塩はガス発生剤の燃焼でそ
れ自身、熱分解し、二酸化炭素を発生し、作動ガスとし
てバッグ展開に寄与する。また、蓚酸金属塩の塩部分は
燃焼後、金属単体、或いは金属酸化物を生成し、容易に
濾過可能な固形残渣となる。これら蓚酸金属塩は燃焼
中、金属単体、金属酸化物を生成する過程において、酸
化状態が変化(例えば、Cu2+からCu+への酸化数の変
化)することで、燃焼触媒効果、或いは燃焼ガス改善効
果を発揮する。例えば、蓚酸銅の如きは、燃焼後、銅単
体或は酸化銅(I)を生成する。
【0006】次に燃料成分である含窒素有機化合物につ
いて説明する。本発明で使用できる含窒素有機化合物の
例としては、トリアゾール誘導体、テトラゾール誘導
体、グアニジン誘導体等が挙げられる。トリアゾール誘
導体の具体例としては5−オキソ−1,2,4−トリア
ゾールを、テトラゾール誘導体の具体例としてはテトラ
ゾール、5−アミノテトラゾール、ビテトラゾール及び
ビテトラゾールアンモニウム塩を、グアニジン誘導体の
具体例としてはグアニジン、ニトログアニジン、シアノ
グアニジン、トリアミノグアニジン硝酸塩、硝酸グアニ
ジンを、それぞれ挙げることができ、これらは1種で又
は2種以上を混合して使用しうる。好ましいものは5−
アミノテトラゾール、ビテトラゾールアンモニウム塩、
ニトログアニジン、硝酸グアニジンであり、これらは分
子中の炭素原子の割合が小さいことから、一酸化炭素の
如き有害なガスを発生せず、又入手が容易である。これ
ら含窒素有機化合物はガス発生剤組成物中に25〜60
重量%含まれることが好ましい。25重量%より少ない
とバッグ展開時にガス量不足となり、又、60重量%を
超えるとガス発生剤組成物中の酸化剤成分が不足し、不
完全燃焼を起こし、一酸化炭素の如き有害ガスを生成す
る恐れがある。上記含窒素有機化合物の内、硝酸グアニ
ジンは他の含窒素有機化合物と比較して酸化剤との反応
性に劣るが、酸素バランスが−26.2%であることか
ら、酸化剤を少なく抑えることができ、結果的に高ガス
化率のガス発生剤とすることができる。したがって、硝
酸グアニジンを使用する場合には5−アミノテトラゾー
ル、ビテトラゾールアンモニウム塩、ニトログアニジン
等との組合せにより使用することが好ましい。
【0007】次に、本発明のガス発生剤で使用しうる酸
化剤は、ガス発生剤組成物中に30〜70重量%含まれ
ることが好ましい。30重量%より少ないと不完全燃焼
を起こし、一酸化炭素の如き有害ガスを生成し、又、7
0重量%を超えるとガス発生剤組成物中の酸素過剰とな
り、窒素酸化物の如き有害ガスを生成する恐れがある。
酸化剤としては、相安定化硝酸アンモニウム、過塩素酸
アンモニウム、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝
酸塩、過塩素酸塩、及び塩素酸塩が挙げられ、更に具体
的な硝酸塩としては硝酸ストロンチウム、硝酸バリウ
ム、硝酸カリウム及び硝酸ナトリウムを、過塩素酸塩と
しては過塩素酸カリウム及び過塩素酸ナトリウムを、塩
素酸塩としては塩素酸カリウム及び過酸素酸ナトリウム
モを挙げることが出来る。これら酸化剤は良好な燃焼特
性を得る目的で2種以上を混合して用いても良い。
【0008】相安定化硝酸アンモニウムとは硝酸アンモ
ニウムが−18〜170℃の間に存在する複数の相転移
点において体積変化を起こし、ガス発生剤成形体の破壊
を引き起こす恐れがあることから、硝酸アンモニウム中
に相安定化剤を添加したものである。相安定化剤は特に
限定されるものではなく、本発明で用いた相安定化硝酸
アンモニウムは硝酸アンモニウム中に10〜20重量%
の硝酸カリウムを相安定化剤として含有させたものを使
用した。
【0009】酸化剤に相安定化硝酸アンモニウムを用い
たガス発生剤は一般的に燃焼速度が遅く、エアバッグ用
ガス発生剤として用いることが困難であったが、燃焼触
媒として蓚酸金属塩を用いることで相安定化硝酸アンモ
ニウムを用いたガス発生剤の燃焼特性をも改善すること
ができることが分かった。
【0010】本発明における燃料成分、酸化剤は使用に
当たって、事前に固結防止剤を0.1〜10重量%の添
加して粉砕し、粒度を調整しておくのが好ましく、個数
基準50%平均粒径で80μmよりも細かいものが好ま
しい。ここで言う個数基準50%平均粒径とは、個数基
準で粒度分布を表わす方法であり、全粒子の個数を10
0としたとき、小さい方から積算して50個に達したと
きの粒度をいう。使用しうる固結防止剤としては微粒子
シリカ、微粒子アルミナ、微粒子酸化チタン、窒化珪
素、炭化珪素、燐酸カルシウム等が挙げられる。好まし
いものは微粒子シリカ、窒化珪素、炭化珪素である。こ
れら珪素含有化合物は燃焼反応中、上記酸化剤より生成
する固形残渣とのスラグ形成反応により、容易に濾過可
能な燃焼残渣を形成する。この固結防止剤のガス発生剤
組成物中に0.1〜10重量%含有することが好まし
く、10重量%を超えるとガス発生剤の燃焼の妨げとな
り、また0.1重量%よりも少ない場合には固結防止剤
としての効果を発揮せず、又スラグ形成反応により、容
易に濾過可能な燃焼残渣を形成する事が困難となる。
【0011】本発明に用いる燃料成分、及び酸化剤の個
数基準50%平均粒径は80μmよりも細かいものが好
ましい。80μmより大きいと所望の燃焼速度よりも遅
くなり、エアバッグシステムとしての目的を発揮しない
恐れがある。
【0012】本発明で必要により使用する成形用助剤に
ついて説明する。本発明のガス発生剤は過酷な環境条件
に耐えるべく、また燃焼制御の目的でプレス成形、或は
押し出し成形することが望ましく、その意味で成形用助
剤を添加するのが好ましい。成形用助剤の含有量は0.
1〜10重量%が好ましい。含有量は10重量%を超え
ると燃焼速度を低下させ、0.1重量%以下では成形体
の強度不足、燃焼中の異常燃焼の原因となる恐れがあ
る。好ましくは8重量%以下である。使用しうる成形用
助剤の具体例として、合成ヒドロタルサイト類、タル
ク、ベントナイト、珪酸ナトリウム、グラファイト、多
糖類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース及びそ
の金属塩、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、水
溶性セルロースエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、
澱粉等が挙げられる。これらの成形用助剤は2種以上を
混合して用いることも出来る。
【0013】次に、本発明のガス発生剤組成物における
各成分の好ましい組合せについて説明する。蓚酸金属塩
としては蓚酸銅、蓚酸コバルトが最適であり、ガス発生
剤組成物中に蓚酸換算で0.5〜10重量%含まれてい
ることが好ましい。燃料成分としては含窒素有機化合物
の内、具体的には5−アミノテトラゾール、ビテトラゾ
ールアンモニウム塩、ニトログアニジン、硝酸グアニジ
ンが最適であり、これらは1種以上で用いられることが
好ましく、ガス発生剤組成物中に25〜60重量%含ま
れることが好ましい。又、酸化剤としては硝酸ストロン
チウム、相安定化硝酸アンモニウムが最適であり、これ
らは単独で用いられるか、或いは任意の割合で混合し、
用いることが好ましく、ガス発生剤組成物中に30〜7
0重量%含まれることが好ましい。
【0014】燃料成分、及び酸化剤のうち少なくとも一
種以上が、固結防止剤を0.1〜10重量%含有させて
個数基準50%平均粒径で80μmより細かく調整され
たものを使用することが好ましい。固結防止剤としては
微粒子シリカ、窒化珪素が最適であり、これらは単独、
或いは混合して用いられることが好ましい。
【0015】成形用助剤としては、プレス成形する場
合、ポリビニルアルコール、合成ヒドロタルサイト、ス
テアリン酸マグネシウムの組合せが好ましく、ガス発生
剤組成物中に0.1〜10重量%含まれることが好まし
い。また押し出し成形を行う場合にはカルボキシメチル
セルロースの金属塩、水溶性セルロースエーテルが最適
であり、これらは単独、或いは混合して用いることが好
ましく、ガス発生剤組成物中に0.1〜10重量%含ま
れることが好ましい。
【0016】次に本発明のガス発生剤組成物の製造法に
ついて説明する。本発明のガス発生剤組成物は、プレス
成形、押し出し成形の何れの方法にても実施可能であ
る。なお、成形後に熱処理を行うことで、ガス発生剤組
成物を充分に乾燥させ、水分に起因する着火遅れの防止
や耐環境性の向上の果たすことができる。
【0017】プレス成形を行う場合、まず、燃料成分、
及び酸化剤に固結防止剤を添加し、V型混合機で混合し
た後に粉砕を行う。蓚酸金属塩、粉砕済み燃料成分、粉
砕済み酸化剤、成形用助剤を所定量計り取り、V型混合
機で均一に混合した後、プレス成形機に投入した後、熱
処理を行う。得られたガス発生剤成形体はガス発生剤組
成物として用いられる。
【0018】押し出し成形を行う場合、同様に燃料成
分、酸化剤を粉砕し、各成分をスパイラルミキサに計り
取り、外割りで8〜25重量%の水を加え、十分に混練
し、粘性を有する湿薬にする。その後、真空混練押出成
形機を用いて、所望の形状に押し出し成形し、適宜切断
した後、熱処理を行う。このようにして得られた押し出
し成形体はガス発生剤組成物として用いられる。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例によりより具体的に説
明する。各種ガス発生剤は実施例に記述の通り調製し、
それらを図1に示されるようなガス発生器に充填し、6
0リットルタンクテストを行った。図1において、ガス
発生器1は、点火器2と伝火薬3とが配置された中央点
火室7と、その周囲のガス発生剤4が充填された燃焼室
8と、更に、その外側の金属フィルター5が配置された
冷却フィルター室9とから構成され、燃焼ガスは、冷却
フィルター室9を経て、ハウジングのガス噴出孔6から
外部に噴出するようになっている。60リットルタンク
テストは、内容積60リットルの高圧容器内にガス発生
器を装着して作動させ、容器内にガスを放出させて、図
2に示す如き容器内圧力の時間的変化と、燃焼ガス成分
を測定するものである。尚、図2においては、縦軸は容
器内圧力P、横軸は時間tであり、P1は容器内の最大到
達圧力[KPa]、t1は点火器2への通電からガス発生
器の作動開始までの時間[ms:ミリ秒]、t2はガス発
生器の作動からP1に至るまでの所要時間[ms]を示して
いる。
【0020】[実施例1]燃料成分として5−アミノテト
ラゾールを33.0重量部、酸化剤として硝酸ストロン
チウムを58.7重量部、燃焼触媒としての蓚酸銅を
4.0重量部、成形用助剤として合成ヒドロタルサイト
を4.0重量部を計り取り、V型混合機で10分間混合
した。尚、計量に際し、予め硝酸ストロンチウムには固
結防止剤として窒化珪素(個数基準50%平均粒径で
0.2枚μm)を3重量%添加し、個数基準50%平均
粒径で12μm程度に粉砕処理した。又、5−アミノテ
トラゾールについても同様に個数基準50%平均粒径で
10μm程度に粉砕処理し、使用した。前記混合粉末を
ロータリーミキサにて、成形用助剤としてのポリビニル
アルコール水溶液を噴霧して湿式混練造粒を行い、粒径
1mm以下の顆粒に成形した。この際に噴霧したポリビ
ニルアルコールの量は、ガス発生剤組成物中の0.1重
量部である。この顆粒を80℃で5時間熱処理させた
後、更に成形用助剤としてステアリン酸マグネシウムを
ガス発生剤組成物中の0.2重量部添加混合し、回転式
打錠剤機でプレス成形し、次いで100℃で10時間熱
処理を行い、直径5mm、厚み2mm、重量88mgの
ガス発生剤組成物の錠剤を得た。得られた錠剤40g
を、図1に示す構造のガス発生器に充填した。試験結果
を表1に示した。
【0021】[実施例2]実施例1と同様に、燃料成分と
してをビテトラゾールアンモニウム塩を25.4重量
部、硝酸グアニジンを12.6重量部、酸化剤として硝
酸ストロンチウムを53.7重量部、燃焼触媒としての
蓚酸銅を4.0重量部、成形用助剤として合成ヒドロタ
ルサイトを4.0重量部、ポリビニルアルコールを0.
1重量部、ステアリン酸マグネシウムを0.2重量部を
用いて、直径5mm、厚み2mm、重量88mgのガス
発生剤組成物の錠剤を得た。得られた錠剤40gを、図
1に示す構造のガス発生器に充填した。試験結果を表1
に示した。
【0022】[実施例3]燃料成分としてビテトラゾール
アンモニウム塩を26.5重量部、酸化剤として硝酸ス
トロンチウムを40.5重量部、及び相安定化硝酸アン
モニウムを24.0重量部、燃焼触媒としての蓚酸銅を
4.5重量部、成形用助剤としてカルボキシメチルセル
ロースのナトリウム塩を4.5重量部(和光純薬工業
(株)製化学用)を夫々スパイラルミキサに計り取り、
10分間混合した後、混合粉末に対し、10重量%の水
を加え混練した。尚、計量に際し、予め硝酸ストロンチ
ウムには固結防止剤として窒化珪素(個数基準50%平
均粒径で0.2枚μm)を3重量%添加し、個数基準5
0%平均粒径で12μm程度に粉砕処理した。又、相安
定化硝酸アンモニウムについても同様に個数基準50%
平均粒径で35μm程度に粉砕処理し、使用した。十分
に混練し、粘土状塊になった湿状薬を真空混練押し出し
成形機に通して切断し、次いでこの押し出し成形体を6
0℃で24時間熱処理を行い、外形3mm、内径1m
m、全長3mmの単孔円筒状のガス発生剤組成物成形体
を得た。得られた成形体31gを、図1に示す構造のガ
ス発生器に充填した。試験結果を表1に示した。
【0023】[実施例4]実施例3と同様に、燃料成分と
してビテトラゾールアンモニウム塩を26.5重量部、
酸化剤として硝酸ストロンチウムを40.5重量部、及
び相安定化硝酸アンモニウムを24.0重量部、燃焼触
媒としての蓚酸コバルトを4.5重量部、成形用助剤と
してカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を4.
5重量部用い、外形3mm、内径1mm、全長3mmの
単孔円筒状のガス発生剤組成物成形体を得た。得られた
成形体31gを、図1に示す構造のガス発生器に充填し
た。試験結果を表1に示した。
【0024】[実施例5]実施例3と同様に、燃料成分と
してニトログアニジンを37.5重量部、酸化剤として
硝酸ストロンチウムを41.4重量部、及び相安定化硝
酸アンモニウムを12.1重量部、燃焼触媒としての蓚
酸銅を4.5重量部、成形用助剤としてカルボキシメチ
ルセルロースのナトリウム塩4.5重量部を用い、外形
3mm、内径1mm、全長3mmの単孔円筒状のガス発
生剤組成物成形体を得た。得られた成形体31gを、図
1に示す構造のガス発生器に充填した。試験結果を表1
に示した。
【0025】[比較例1]実施例1と同様に、燃料成分に
ジシアンジアミドを21.7重量部、酸化剤として硝酸
カリウムを69.0重量部、燃焼触媒として酸化銅を
9.0重量部、成形用助剤としてポリビニルアルコール
を0.1重量部、ステアリン酸マグネシウムを0.2重
量部用い、直径5mm、厚み2mm、重量88mgの錠
剤を得た。得られた成形体40gを、図1に示す構造の
ガス発生器に充填した。試験結果を表1に示した。
【0026】[比較例2]実施例3と同様に、燃料成分と
してビテトラゾールアンモニウム塩を27.7重量部、
酸化剤として硝酸ストロンチウムを42.4重量部、及
び相安定化硝酸アンモニウムを25.2重量部、成形用
助剤としてカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩
を4.7重量部を用い、外形3mm、内径1mm、全長
3mmの単孔円筒状に成形した。得られた成形体31g
を、図1に示す構造のガス発生器に充填した。試験結果
を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】一般に衝突後、バッグが展開し、動作を完
了するまでの時間は50ミリ秒と言われている。実施例
1〜4では燃焼完了(tPmaxに相当)が45ミリ秒程度
であり、ガス発生剤の燃焼速度としては特に問題はな
い。また、燃焼ガス成分についてもCO濃度、NOx濃度と
も問題はない。比較例1では特開平9―87079で開
示の含窒素有機化合物としてジシアンジアミド、酸化剤
として硝酸カリウム、燃焼触媒として酸化銅を用いたガ
ス発生剤組成物の60リットルタンクテストを実施し
た。この場合、tPmaxが遅く、更に有害ガス成分である
COが多量に発生している。これは燃焼触媒として添加さ
れた酸化銅がガス発生剤用の燃焼触媒として満足いくも
のでないことを示している。また、比較例2では実施例
3の組成から燃焼触媒を削除した系の60リットルタン
クテストを行った。これらの結果より、本来燃焼速度の
遅い硝酸アンモニウムの系についても燃焼触媒として蓚
酸銅を添加することで燃焼性を改善できることが分か
る。
【0029】
【発明の効果】本発明のガス発生剤組成物では含窒素有
機化合物、酸化剤を含有するガス発生剤において、燃焼
触媒として、蓚酸換算で0.1〜10重量%の蓚酸金属
塩を含有させることを特徴とするものである。ガス発生
剤組成物中において、蓚酸金属塩は燃焼触媒として機能
し、適度な燃焼速度を提供する。更には、蓚酸金属塩自
体、燃焼後、作動ガスとして寄与し、燃焼ガス中の有害
ガスの低減効果も兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用したエアバッグ用ガス発
生器1の概略図である。
【図2】高圧容器を用いた燃焼試験における時間(t)
と容器内圧力(P)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エアバッグ用ガス発生器 2 点火器 3 伝火薬 4 ガス発生剤 5 冷却フィルター部材 6 ガス放出孔 7 中央点火室 8 燃焼室 9 冷却フィルター室 P1 最大到達圧力 t 作動開始までの時間 t 作動からP1に到るまでの時間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓚酸換算で0.5〜10重量%の蓚酸金属
    塩を必須成分とし、燃料成分として含窒素有機化合物を
    25〜60重量%、酸化剤を30〜70重量%含有する
    ガス発生剤組成物。
  2. 【請求項2】蓚酸金属塩が蓚酸銅、蓚酸コバルト、蓚酸
    鉄、蓚酸ニッケル及び蓚酸マンガンからなる群より選ば
    れる少なくとも1種以上である請求項1に記載のガス発
    生剤組成物。
  3. 【請求項3】含窒素有機化合物、及び酸化剤のうち少な
    くとも1種以上が固結防止剤を0.1〜10重量%含有させ、
    個数基準50%平均粒径が80μmより細かく調整されたも
    のである請求項1に記載のガス発生剤組成物。
  4. 【請求項4】含窒素有機化合物が5−アミノテトラゾー
    ル、ビテトラゾールアンモニウム塩、ニトログアニジン
    及び硝酸グアニジンからなる群から選ばれる少なくとも
    1種以上である請求項1に記載のガス発生剤組成物。
  5. 【請求項5】酸化剤が相安定化硝酸アンモニウム、過塩
    素酸アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属
    の硝酸塩、過塩素酸塩、及び塩素酸塩の群から選ばれる
    少なくとも1種以上である請求項1に記載のガス発生剤
    組成物。
  6. 【請求項6】成形用助剤を0.1〜10重量%含有する
    請求項1に記載のガス発生剤組成物。
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